JP4338483B2 - インバータ出力電流測定装置 - Google Patents

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Description

三相モータなどの負荷を駆動する三相インバータの出力電流測定装置に関する。
従来より、三相モータなどの負荷を駆動するために、三相インバータが広く利用されている。この三相インバータでは、2つの主回路素子(パワートランジスタ)の直列接続からなるアームを3本有し、それらアームの中点が三相モータの各相コイルに接続される。そして、各アームの上側素子と下側素子のオンオフを制御して、各相のアームの中点から互いに120°異なる出力電流を出力する。
このようなインバータは、通常その出力電流が負荷の目標出力トルクに対応したものになるように制御される。そこで、負荷の出力トルクを検出し、検出値に基づいてインバータをフィードバック制御することが好ましい。そこで、負荷の出力トルクを検出するために、通常負荷の駆動電流(インバータの出力電流)が検出される。
この負荷の駆動電流の検出は、インバータと負荷の間に電流検出抵抗(シャント抵抗)を挿入し、このシャント抵抗における電圧降下から各相の電流を検出する方式など、各種の方式が知られている。以下に、従来の負荷の駆動電流検出について説明する。
(i)特許文献1
この特許文献1では、
「インバータを構成する各下アームのスイッチ素子と直列に抵抗を接続し、前記抵抗の 電圧降下より各相の電流を検出する構成により制御装置を安価に構成できる。」とされている。
(II)特許文献2
この特許文献2では、
「インバータ回路とモータの間に挿入された電流検出抵抗(シャント抵抗)と、この電流検出用抵抗の両端の電位差を入力する差動増幅回路と、この差動増幅回路の出力信号を入力する反転増幅回路とを備え、前記差動増幅回路と前記インバータ回路はモータ駆動電源である第1の電圧により駆動され、前記反転増幅回路は第2の電圧により駆動され、前記第1の電圧と前記第2の電圧は負側を共通とし、前記差動増幅回路および前記反転増幅回路は、前記第2の電圧より小さい基準電圧を基準として増幅しモータの電流を検出する。このため、この発明ではモータ駆動電源で差動増幅器を動作させるため比較的低電圧のモータ・制御装置への適用となり、電流検出信号はインバータ回路の負側の電位に位置するため、制御回路も同電位に置く必要がある。この発明に係る電流検出回路はホール素子、ホール素子を使用した電流検出器やアイソレーションアンプを使用せず、抵抗やオペアンプ等の安価な 部品のみで構成されるため、回路全体としてコストを低くすることができ、実装面積や部品高さに対しても有効である。また、この発明に係る電流検出回路は最近主流になりつつあるマイコンによるソフトウェアサーボにも容易に用いることができるような、 電圧レベルの変換手段を含む構成となっている。」とされている。
(III)特許文献3
この特許文献3では、
「電流検出回路20を、3個の抵抗R0 により検出されるモータ2の中性点電圧V1と、モータ2の回転速度N に比例した回転比例電圧V2と、インバータ6に供給されるモータ駆動用の電源電圧VBとに基づき、検出電圧V0(V0=VB−V1−V2)を算出する演算回路にて構成する。また回転比例電圧V2は、F/V変換器10の特性と抵抗R4、R5の抵抗値により、V2=(k・Φ/2)・Nとなるように設定する(但し、kは起電力定数、Φは電機子巻線に掛かる磁束量)。この結果、抵抗にモータ電流を流すことなくモータ電流を検出でき、然も、インバータ6を構成するFETのオン電圧からモータ電流を検出する場合に比べて、電流検出回路を簡単に構成できる。」とされている。
特開平6−98564号公報 特開2002−136178 特開2001−112286 特願2002−217455
上述のような各特許文献1〜3に記載の技術には、次のような問題がある。
(i)特許文献1
特許文献1の場合には、インバータを構成する各下アームのスイッチ素子と直列に接続された(シャント)抵抗にモータ電流が流れ、その電圧降下からモータ電流を求める方式である。
この方式の問題点としては、
(i)シャント抵抗にモータ電流が流れるので、電流の大きなモータに適用した場合にはシャント抵抗部での損失電力が大きく、発熱が甚だしい。シャント抵抗はモータ電流の測定・制御に必要な程度の測定精度を得るために、最低限のフルスケール電圧(50mVに設定されている事例が多い)を確保しなければならないという制約がある。このため、シャント抵抗部での損失電力はモータ電流に比例することになり、電流の小さなモータ電流測定・制御に適用する場合には損失電力の大きさは問題になり難い。しかし、電流の大きなモータに適用した場合にはシャント抵抗部での損失電力が大きく、発熱が甚だしいために効果的な冷却手段を備える必要があるという問題がある。
(ii)等価回路で表現すると、シャント抵抗には本来の抵抗成分の他に残留インダクタンス成分が直列に入って来るので、モータ電流に比例した電圧降下(抵抗成分の寄与)と、モータ電流の時間変化割合に比例した電圧降下(インダクタンス成分の寄与)とが、ベクトル合成されたものが出力される。シャント抵抗の残留インダクタンス成分が同じで あったとしても、インバータを高い周波数で駆動しようとするほど、周波数に比例するリアクタンスが大きくなることによって、後者の割合が大きくなって測定精度を著しく低下させる。また、上述の様に、シャント抵抗を一定のフルスケール電圧で運用しようとする場合、インバータを大電流で駆動しようとするほどシャント抵抗の抵抗成分が電流に反比例して小さくなる。一方、大電流用であったとしても残留インダクタンス成分の低減には限りがある。それ故、大電流で駆動しようとするほど後者の割合が大きくなって測定精度を著しく低下させるという問題がある。
(II)特許文献2
特許文献2の場合には、インバータ回路とモータの間に挿入された電流検出抵抗(シャント抵抗)にモータ電流が流れ、その電圧降下からモータ電流を求める方式である。この方式の問題点も、特許文献1の場合の問題点と同様である。
(III)特許文献3
特許文献3の場合には、
下記の(1)、(2)、(6)式を導出し、
V2=A・N ・・・(1)
但し、V2:回転比例電圧、A:比例定数、N:回転速度
V0=VB−V1−V2 ・・・(2)
但し、V0:検出電圧、VB:モータ駆動用電源電圧、V1:中性点電圧
Ia = V0・2/Ra ・・・(6)
但し、Ia:電機子巻線に流れる電流、Ra:電機子巻線を含むモータ駆動系の全抵抗
(6)式からモータ電流Iaを間接的に求める方式である。
この方式の問題点としては、
(i)モータ電流を直接計測せず計算で間接的に求めており、モータ電流計算値には各式の誤差が加算されて現れるので、直接計測方式の様な高精度を得ることは難しいという問題がある。
(ii)(2)式に用いるモータ2の中性点電圧V1を3個の抵抗をY型接続し、抵抗分圧で求めている。この方式で中性点電圧V1を求めることは、3相がバランスして駆動されている場合には支障ないが、3相がアンバランスになった場合には誤差が甚だ大きくなる。この面からも、モータ電流計算値には高精度を得ることは難しいという問題がある。
本発明では、インバータの主回路素子の導通時の電圧降下からインバータの出力電流を検出する。
発明は、三相インバータの出力電流測定装置であって、インバータの各アームグランド側の主回路素子の導通時電圧降下を測定する測定手段と、この測定手段で測定した電圧降下を出力電流に変換する変換手段と、インバータの出力電流が負荷に流入している正極性か、または負荷から流出している負極性かを検出する極性検出手段と、負極性あるいは正極性の出力電流に対応するインバータの主回路素子の導通時電圧降下のうち精度の高い方に基づいて、正極性あるいは負極性の精度の低い方の出力電流を修正する修正手段と、を有し、インバータの主回路素子の導通時電圧降下に基づいてインバータの出力電流を測定することを特徴とする。なお、各アーム高圧側の素子を用いた場合には電流極性が逆になる。
また、前記修正手段は、アームのグランド側の素子を用いた場合であって前記極性検出手段の検出結果において、出力電流の1相が正極性あるいは負極性の低精度側であり、2相が負極性あるいは正極性の高精度側の場合には、負極性あるいは正極性の高精度側の2相の出力電流の和を反転した値を他の1相の正極性あるいは負極性の低精度側の出力電流とすることが好適である。アームの高圧側素子を用いた場合には極性が逆になる。以下同様にグランド側の素子を用いた場合についてのみ説明する。
また、前記修正手段は、前記極性検出手段の検出結果において、出力電流の2相が正極性あるいは負極性の低精度側であり、1相が負極性あるいは正極性の高精度側の場合には、負極性あるいは正極性の高精度側の1相の出力電流の和を反転した値を、他の2相の正極性あるいは負極性の低精度側の出力電流の比に基づいて比例配分して他の2相の正極性あるいは負極性の低精度側の出力電流とすることが好適である。
また、本発明は、三相インバータの出力電流測定装置であって、インバータの主回路素子の導通時電圧降下を測定する測定手段と、前記導通時電圧降下が安定な値を示すタイミングを検出するタイミング検出手段と、このタイミング検出手段により検出したタイミングに基づいて前記測定手段における測定のタイミングを制御する測定タイミング制御手段と、この測定手段で測定した電圧降下を出力電流に変換する変換手段と、を有し、インバータの主回路素子の導通時電圧降下に基づいてインバータの出力電流を測定することを特徴とする。
また、前記インバータの各相の出力電流の出力点の電圧を検出する出力点電圧検出手段を含み、前記タイミング検出手段は、出力点電圧検出手段の検出結果に応じて、検出タイミングを検出することが好適である。
また、前記インバータの運転モードが主回路素子をパルス幅制御するPWMモードであるか、矩形波で制御する矩形波モードであるかを判定する運転モード判定手段を含み、前記タイミング検出手段は、運転モード判定手段の判定結果に基づいて、検出タイミングを検出することが好適である。
また、前記運転モード判定手段の判定結果において、PWMモードであった場合には、前記タイミング検出手段は、インバータの各相の出力点のすべてが低電位あるいはすべてが高電位であるかを判定し、すべてが低電位あるいはすべてが高電位であるとの判定後、所定時間経過した時点を測定タイミングとすることが好適である。なお、全てが高電位になった時を基点としてタイミング調整しても良い。
また、前記運転モード判定手段の判定結果において、矩形波モードであった場合には、前記タイミング検出手段は、インバータのいずれかの相の出力点の低電位あるいは高電位に切り替わったかを判定し、切り替わったとの判定後、所定時間経過した時点を測定タイミングとすることが好適である。なお、高電位になった時を基点としてタイミング調整しても良い。
このように、本発明によれば、インバータの主回路素子の導通時電圧降下(オン電圧)を測定し、これによって負荷に流れる負荷電流を検出する。負荷の入力端子の電圧は大きくふれるが、主回路素子のオン電圧は、数V程度であり、正確な計測が行え、これに基づいて正確な負荷電流検出が行える。
また、主回路素子の温度を計測して温度補償を行うことで、オン電圧から負荷電流への換算を適切なものに維持できる。また、主回路素子の温度計測として、インバータの冷却水の温度などを採用することで、効率的な温度計測を行うことができる。
また、インバータの主回路素子は、IGBTやFETなどのスイッチング素子と、ダイオードの並列接続で形成される。この場合、いずれに電流が流れている場合のオン電圧を計測しているかで、その精度が異なる。一般的にスイッチング素子に流れる電流の方がダイオードに流れる電流よりオン電圧と負荷電流の関係の精度がよい。そこで、ダイオードに電流が流れているときのオン電圧から算出される負荷電流については、他の相のスイッチング素子のオン電圧から求められる負荷電流を用いて補正することで、より適切な負荷電流の検出が行える。
また、本発明によれば、主回路素子のオン電圧の安定期間を検出して、そのときのオン電圧を計測する。そこで、正確なオン電圧検出が行える。
主回路素子のオン電圧は、他の相のスイッチング素子のオンオフ切り換えの影響を受ける。各相の出力点(アームの中点)電圧を検出し、多相のスイッチング素子のオンオフのない期間に対象相の主回路素子のオン電圧を検出することで、正確な負荷電流計測を可能とする。
さらに、インバータの制御には、PWM制御や、矩形波制御がある。そこで、これらの制御モードに応じて安定期間を検出することで、適切な主回路素子のオン電圧についての安定期間の検出が行える。
PWM制御の場合には、すべての相のアーム中点電圧が低電位であるベクトル0の期間が定期的に生じ、この期間はオン電圧が安定する。そこで、この期間にオン電圧を計測することで、適切な検出が行える。なお、全てが高電位の場合でも良い。
また、矩形波制御の場合には、電気角で120°ずつ異なって、スイッチング素子のオンオフが切り替わる。そこで、1つのスイッチング素子のオンオフの切り替わりから所定期間経過後にオン電圧を計測することで、適切な検出が行える。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
「全体構成」
図1は、本発明の1実施形態に係る測定装置を含むモータ駆動システムの全体構成を示す図である。直流電源10には、三相のインバータ12が接続され、このインバータ12の3つの出力点が三相スター結線のステータコイル14U、14V、14Wを有するモータ14に接続されている。なお、図においてはモータ14の3相のステータコイル14U、14V、14Wのみを示しており、ロータは記載を省略してある。
インバータ12は、6つの主回路素子18からなっており、各主回路素子18は、それぞれスイッチング素子QおよびダイオードDからなっている。すなわち、U相のアームを構成する主回路素子18U−1、18U−2、V相のアームを構成する主回路素子18V−1、18V−2、およびW相の主回路素子18W−1、18W−2を有している。また、各相のアームは、直流電源10の正極に接続された正極母線と、負極に接続された負極母線の間に2つの主回路素子18が直列接続されて構成されている。また、各主回路素子18は、正極母線側から負極母線側に向けて電流を流すスイッチング素子Qに、並列してスイッチング素子Qと反対方向の電流を流すダイオードDがそれぞれ接続されて形成されている。
さらに、本実施形態では、各アームの2つの主回路素子18の中点に当たる各相の負荷電流の出力点の電圧を計測する電圧計16(16U、16V、16W)が設けられている。ここで、この電圧計16は、中点電位と負極母線の電位と比較することによって、電流を流している主回路素子18の電圧降下(オン電圧)を計測する。すなわち、スイッチング素子Qのオンオフの状態に応じて、下側の主回路素子18(スイッチング素子QまたはダイオードD)の導通するタイミングが分かるので、下側主回路素子18の導通時電圧降下を検出する。このために、各電圧計16と直列接続されているスイッチSWを有しており、このスイッチSWを対応する主回路素子が導通しているときにオンして、そのときに電圧計16が主回路素子の導通時電圧降下(オン電圧)を計測する。なお、スイッチSWは、通常FET(電界効果トランジスタ)などのトランジスタが用いられるが、どのようなスイッチでもよく、また電圧計16の出力点(アーム中点)側に配置してもよい。
各アーム中点電位は、上側の主回路素子18がオンのときには、正極母線に近い電位になり、下側の主回路素子18がオンのときには、負極母線に近い電圧になり、直流電源電圧に応じて大きくふれるが、オン電圧を計測していれば、数V(±1.5V)程度の変化であり、正確な検出が行える。なお、正極母線を基準として上側主回路素子18の電圧を検出してもよい。
電圧計16U、16V、16Wの計測値である各アームにおける下側主回路素子18のオン電圧(導通時電圧降下)は制御部20に供給される。
制御部20は、外部から供給されるモータ14の出力トルク指令に基づき、モータ14に供給する電流量を決定し、6つのスイッチング素子Qのオンオフを制御する。ここで、制御部20は、電圧計16U、16V、16Wの出力から、スイッチング素子Qの導通時電圧降下(オン電圧)を検出する。この主回路素子18のオン電圧は、モータ14への供給電流に換算することができ、制御部20はモータ14の駆動電流をフィードバック制御して、適正なものに制御する。なお、図においては、制御部20からスイッチング素子QやスイッチSWのゲートへの制御信号線は省略してある。また、スイッチング素子Qは、大電流を制御するパワートランジスタであり、IGBT(絶縁ゲートバイポーラートランジスタ)や、FET(電界効果トランジスタ)などが利用される。
このように、電圧計16によって、インバータ12の主回路素子18が非導通の期間における高電圧を遮断し、導通期間のみの低電圧を通過させるようにした。これにより、測定対象電圧のダイナミックレンジが小さくなり、測定回路の分解能不足やオーバーレンジ問題等が解消されることによって、導通時電圧降下(オン電圧)を精密に測定することができる。これにより、導通時電圧降下(オン電圧)から求めるモータ電流の精度を向上させることができる。
「第1実施形態」
本実施形態では、主回路素子18の導通時電圧降下(オン電圧)に基づいて、モータ電流(負荷電流)を検出する。しかし、このオン電圧は、主回路素子18の温度の影響を受け、特にこの温度の影響は負荷電流が、スイッチング素子Q、ダイオードDのいずれを電流経路としているかで異なる。そこで、本実施形態では、温度計22の計測結果に応じて温度補償をするとともに、負荷電流の経路に応じて負荷電流の算出方法を変更して、主回路素子18のオン電圧から負荷電流への正確な変換を可能とする。
このために、本実施形態では、温度計22を有しており、主回路素子18(スイッチング素子QおよびダイオードD)の温度またはこれに関連する温度を計測してこの計測結果を制御部20に供給する。
ここで、図2には、制御部20の電流検出部の内部構成が示してある。このように、U, V, W各相アームの導通時電圧降下(オン電圧)を電圧計16の出力から取得するオン電圧取得部20aと、オン電圧からインバータ出力電流(負荷電流)への変換部20bと、温度計22の出力からスイッチング素子Qの温度を取得する温度取得部20cと、変換部20bで変換して得られた負荷電流に温度補正を加える温度補正部20dと、負荷電流が正極性となっている相数を判定する相数判定部20eと、正極性となっている相数に基づいてインバータ出力電流(負荷電流)を修正する修正演算部20fとからなっている。
なお、三相負荷がY型結線されている場合にはインバータ出力電流と負荷電流とが一致するし、Δ型結線されている場合にはインバータ出力電流と負荷電流とが一致しないものの、連立方程式を用いればインバータ出力電流から負荷電流を容易に求めることができる。
図2における正極性電流の総数を判定する相数判定部20eと、負荷電流を修正する修正演算部20fの動作の詳細を図3に示す。これら相数判定部20eおよび修正演算部20fは、負極性電流(負極正負過電流)を用いて正極性電流(正極性負荷電流)を生成または修正する。なお、インバータアームの高圧側素子を用いる場合には電流の極性が反転する。
すなわち、相数判定部20eの判定結果から、正極性電流の相数が1であるか2であるか判定する(S11)。
このS11の判定で、正極性電流の相数が1と判定された場合(S12)は、正極性電流の相についての電流を修正する。すなわち、U相電流が正極性の場合には、負極性となるV相電流およびW相電流は高精度に温度補正できるので修正の必要性はない。それ故、U相電流のみを修正する(S13)。この場合には式の右辺が高精度に温度補正できる変数のみとなるので簡単に修正できる。
uc=−(Ivm+Iwm
但し、Iuc:修正後のU相電流、Ivm:V相電流(温度補正後)、Iwm:W相電流(温度補正後)である。
同様に正極性電流相数が1と判定された場合(S12)において、V相電流が正極性の場合には負極性となるW相電流およびU相電流は高精度に温度補正できるるので修正の必要性はない。それ故、V相電流のみを修正する(S14)。
vc=−(Iwm+Ium
但し、Ivc:修正後のV相電流、Iwm:W相電流(温度補正後)、Ium:U相電流(温度補正後)である。
同様に正極性電流相数が1と判定された場合(S12)において、W相電流が正極性の場合には負極性となるU相電流およびV相電流は高精度に温度補正できるので修正の必要性はない。それ故、W相電流のみを修正する(S15)。
wc=−(Ium+Iwm
但し、Iwc:修正後のW相電流、Ium:U相電流(温度補正後)、Ivm:V相電流(温度補正後)である。
次に、S11の判定で、正極性電流相数が2の場合(S16)において、U相電流とV相電流とが正極性の場合には、負極性となるW相電流は高精度に温度補正できるので修正の必要性はない。それ故、U相電流とV相電流とが修正の対象となる。この場合には式の右辺が高精度に温度補正できる変数のみとはならないので簡単には修正できない。このため、高精度のW相電流の極性を判定させた電流を修正対象となるU相電流とV相電流の計測値の比を用いて比例配分することで修正する(S17)。
uc=−Iwm*Ium/(Ium+Ivm
vc=−Iwm*Ivm/(Ium+Ivm
但し、Iuc:修正後のU相電流、Ivc:修正後のV相電流、Ium:U相電流(温度補正後)、Ivm:V相電流(温度補正後)である。
同様に、正極性電流相数が2の場合(S16)において、V相電流とW相電流とが正極性の場合には、負極性となるU相電流は高精度に温度補正できるので修正の必要性はない。それ故、V相電流とW相電流とが修正の対象となる。この場合には式の右辺が高精度に温度補正できる変数のみとはならないので簡単には修正できない。このため、高精度のU相電流の極性を判定させた電流を修正対象となるV相電流とW相電流の計測値の比を用いて比例配分することで修正する(S18)。
vc=−Ium*Ivm/(Ivm+Iwm
wc=−Ium*Iwm/(Ivm+Iwm
但し、Ivc:修正後のV相電流、IWc:修正後のW相電流、Ivm:V相電流(温度補正後)、Iwm:W相電流(温度補正後)である。
同様に、正極性電流相数が2の場合(S16)において、W相電流とU相電流とが正極性の場合には、負極性となるV相電流は高精度に温度補正できるので修正の必要性はない。それ故、W相電流とU相電流とが修正の対象となる。この場合には式の右辺が高精度に温度補正できる変数のみとはならないので簡単には修正できない。このため、高精度のV相電流の極性を判定させた電流を修正対象となるW相電流とU相電流の計測値の比を用いて比例配分することで修正する(S19)。
wc=−Ivm*Iwm/(Iwm+Ium
uc=−Ivm*Ium/(Iwm+Ium
但し、Iwc:修正後のW相電流、Iuc:修正後のU相電流、Iwm:W相電流(温度補正後)、Ium:U相電流(温度補正後)である。
以下、図2および図3の構成が必要な理由を説明する。ここで、以下の説明においては、主回路素子18がIGBT(スイッチング素子Q)とダイオードDにより構成されたインバータ12の例を説明するが、主回路素子18がFET(スイッチング素子Q)とダイオードDにより構成されたインバータにも適用できる。
図4にはIGBTとダイオードにより構成された3相インバータの内の1つのアーム(U相)の低電位側主回路素子(アームの下側の主回路素子)18の導通時電圧降下(オン電圧)とインバータ出力電流の関係が示してある。
この例では、Y型結線された負荷(モータ)電流との関係を、冷却水温をパラメータとして測定した結果の一例を示しており、この図では測定データを近似曲線形式に変換したものである。
この図4において、オン電圧が正でインバータ出力電流(負荷電流)が負極性(インバータ12からモータ14に電流が出力されている極性)の領域(図における右側)がスイッチング素子Q(IGBT)の導通時電圧降下に対応し、オン電圧が負で負荷電流が正極性の領域(図における左側)がダイオードDの導通時電圧降下に対応する。この図より、負荷電流に対する温度の影響は、負荷電流が正極性の領域において、負極性の領域より、大きいことが分かる。
この図4のようなオン電圧と負荷電流の関係を予めマップや、数式として記憶しておくことで、制御部20においてオン電圧を負荷電流に変換することができる。なお、このオン電圧から負荷電流への換算、負荷電流の極性が正であるか負であるか判定する相数判定部20eにおいて極性を判定してから、その判定結果に基づいてその正極性若しくは負極性領域専用の近似曲線を適用して負荷電流に変換する方法を採ってもよいし、負荷電流の正・負の両領域に亘って適用できる近似曲線を適用して負荷電流に変換する方法を採ってもよい。
このように、3相インバータ12のすべて(3つ)のアームからの負荷電流を流す主回路素子18(スイッチング素子QまたはダイオードD)の導通時電圧降下(オン電圧)を3相の負荷電流に換算する。このときに、インバータ主回路素子18の導通時電圧降下(オン電圧)と負荷電流との関係には、主回路素子として用いている半導体素子(IGBTやFETおよびダイオード)の特性がそのまま現れてくる。
半導体素子の導通時電圧降下(オン電圧)には個体間差と温度依存性があり、さらには温度依存性自体にも個体間差がある。こうした誤差要因を無視して、一律な較正曲線を用いて主回路素子の導通時電圧降下(オン電圧)から負荷電流に変換すれば、大きな誤差が持ち込まれることになる。こうした一律な較正曲線を用いて負荷電流に変換する安易な方法は、精密に負荷電流を制御しなければならない用途には適さない。
一方、各半導体素子毎、素子温度毎に較正曲線を予め測定しておけば、導通時電圧降下(オン電圧)から負荷電流に変換するときに高精度な変換が期待できる。そうすれば、精密に負荷電流を制御しなければならない用途にも適する。しかし、こうした丁寧な方法は較正曲線の測定に多大な設備や人工を必要とするので高コスト化するという弊害を招き易い。自動車への応用を始めとする産業的な利用を目指す立場では、精度とコストのバランスを取ることが極めて重要である。
一般に半導体素子の導通時電流と電圧降下(オン電圧)の対応関係は、主に半導体素子内のpn接合部の温度に支配されていることが知られている。それ故、電圧降下(オン電圧)の温度依存性を的確に補正して、負荷電流に精密に変換しようとすれば素子内のpn接合部の温度を測定する必要がある。こうした目的にも使用することができるように、大容量インバータ用主回路素子(IGBT)には半導体素子内に測温用の素子(ダイオード)を埋め込んであるものもあることが知られている。この測温用ダイオードを用いて半導体素子の温度を測定すれば、pn接合部の温度変化に対する遅れ時間も短く、温度差も小さいので、高速で高精度な測定結果を得ることが期待できる。この半導体素子温度に従った較正曲線を用いて導通時電圧降下(オン電圧)から負荷電流に変換すれば、最も高精度な変換結果を得ることが期待できる。但し、主回路素子のpn接合温度は負荷電流の増減波形(モータの場合には正弦波駆動されることが多い)に伴って短時間内に昇降を無数に繰り返すものなので、応答性の速い測定部を用意する必要がある。また、三相用インバータには3つのアームがあり、低電位側だけで考えても6つの半導体素子(IGBTおよびダイオード)が組みつけられている。これら6つの半導体素子の電流は瞬時には個別に異なっており、必然的にpn接合温度も瞬時には個別に異なっているので、1つの半導体素子で測定した素子温度を他の素子に流用することはできない。それ故6つの半導体素子(IGBTまたはFETおよびダイオード)すべてに測温用素子を埋め込んでおく必要性が生ずると共に、その出力信号を処理する部も6チャンネル分必要になる。こうした6つの半導体素子個々の瞬時に温度を測定する構成にすれば、必然的に高精度な温度把握と電流変換結果を得ることが期待できるので、高精度を求める立場からすると望ましい方法であることは確かである。
しかし、こうした丁寧な方法は、一方で高コストになり易い方法であることも否めない。この精度向上とコスト低下のジレンマを解決する方法が望まれていたが、技術的困難さから自動車などの民生分野では主回路素子の導通時電圧降下(オン電圧)から負荷電流への変換が実現できた例はこれまでない。
こうした要請に応えるべく、本実施形態では主回路素子18の導通時電圧降下(オン電圧)から負荷電流への変換時における精度向上とコスト低下のジレンマを解決する新しい手法を採用している。以下、この手法について説明する。
半導体素子のpn接合部の温度に起因する導通時電圧降下(オン電圧)の温度依存性を補正するための温度情報として、インバータ出力(すなわち、負荷)電流の変化波形に追随して高速度に変化する半導体素子温度でなく、半導体素子と放熱の主体となる冷却水までの経路の途上にありながらも高速な温度変化に追随しない半導体素子から離れた部分の温度を採り上げることにした。
こうした条件を満たす放熱経路のうちの一例として、インバータ12の冷却水温に着目した。冷却水温と半導体素子のpn接合部との温度差は、半導体素子を流れる電流による損失電力と、その損失電力による発熱を冷却水まで逃がす経路となる半導体素子(チップ)内部や放熱用部材等の各部の熱抵抗や熱容量により支配されている。個々の半導体素子を流れる電流も時々刻々と変化しているので、pn接合部の温度も時々刻々と変化している。それ故、従来の定説では、冷却水温を用いて導通時電圧降下(オン電圧)の温度依存性を補正しようとしても、時々刻々と変化するpn接合部の温度を高精度に推測することは困難であり、必然的に高精度な補正結果を得ることは到底困難であり、産業上で有用な結果が得られることは有り得ないと考えられていた。
しかし、我々の考察によれば、負荷電流とインバータ主回路用半導体素子の導通時電圧降下(オン電圧)の較正曲線の1本ずつが特定のpn接合部温度に対応している必要はないものと考えられる。夫々の較正曲線上において、負荷電流の小さい領域では半導体素子部での発熱量が少ないので、pn接合部温度と冷却水温との差は比較的小さい。一方、同じ較正曲線上であっても電流の大きい領域では半導体素子部での発熱量が多いので、pn接合部温度と冷却水温との差も比較的大きい。このように、冷却水温毎に測定された較正曲線の1本づつに、pn接合部温度の面で見れば比較的低い部分から比較的高い部分までが連続的に含まれているが、これは導通時電圧降下(オン電圧)から負荷電流に変換する上では障害にはならないものと考えられる。
半導体素子の個体毎に負荷電流に対する導通時電圧降下(オン電圧)の較正曲線の冷却水温依存性を測定しなければならないとすると、かなりのコスト高を招くので、低コストが必須な自動車を始めとする民生的用途には適さない。上述の如く、導通時電圧降下(オン電圧)の温度依存性を無視したのでは高精度な電流(変換結果)を得ることは望むべくもなく、その一方で個別に温度依存性を測定することもコスト的に無理であり、このジレンマを打開するには、ある冷却水温度(実用的には常温とするのが便利)で半導体素子の個体毎に測定した較正曲線を一律に用いて導通時電圧降下(オン電圧)から負荷電流に変換すると共に、較正曲線作成時の冷却水温度とインバータ運用時の冷却水温度との差に起因する温度依存誤差分を、半導体素子種類毎の平均的な温度依存性で補正する方法しかない。
本実施形態では、図5に示すように、温度計22として、各主回路素子18の温度を直接計測するのではなく、冷却水などの温度を計測する。
すなわち、主回路素子18は基板26に実装されており、この基板26には、金属製のヒートシンク28が接続されている。そしてヒートシンク28には、その内部に冷却液が循環されている。この冷却液は、冷却液貯槽30からポンプ34によって、循環パイプ32を介し、ヒートシンク28に循環される。
そこで、温度計22−1では、循環経路(循環パイプ32)内の冷却液の温度を検出し、温度計22−2では、冷却液貯槽30内の冷却液の温度を検出する。これらの温度計22−1、22−2で計測される温度は、主回路素子18の温度そのものではないが、両者には直接の関係があり、これら温度計22−1、22−2によって計測した温度に基づいて、主回路素子のオン電圧から負荷電流への変換を効果的に変換することができる。
図6には、冷却水温を10℃〜60℃の範囲で10℃毎に変化させて測定したモータ電流と導通時電圧降下(オン電圧)のデータを用いて、導通時電圧降下(オン電圧)からモータ電流に一律較正曲線を用いて変換した値をY軸に、比較用の磁気式電流センサで測定したモータ電流をX軸にとって、冷却水温毎に示した近似曲線を示す。ここで、一律較正曲線とは、使用温度域(10℃〜60℃)の平均冷却水温(35℃)での較正曲線を指している。同図においてX軸およびY軸のモータ14の電流の正極性の領域(電流値が正である右上の領域)がダイオードの導通時電圧降下(オン電圧)からモータ電流に変換された部分であり、負極性の領域(電流値が負である左下の領域)がIGBTの導通時電圧降下(オン電圧)からモータ電流に変換された部分である。
上述の図4に示した如く、モータ電流と導通時電圧降下(オン電圧)の較正曲線は冷却水温毎に異なっているものであり、無理に一律較正曲線を用いて変換すれば図7の如く温度依存性が顕在化し、誤差(磁気式電流センサで測定したモータ電流との差)が大きくなるのは当然である。なお、図7の横軸は磁気式電流センサで求めたモータ電流でなく、図4の平均冷却水温(35℃)での較正曲線から求めたモータ電流であるが、値は磁気式電流センサから求めたモータ電流と対応する値なので図6のX軸変数の差異は無視しても実用上の支障はない。
図より明らかなように、ダイオードの導通時電圧降下(オン電圧)から変換されたモータ電流の正極性の領域での温度依存性は大きいが、IGBTの導通時電圧降下(オン電圧)から変換されたモータ電流の負極性の領域での温度依存性は比較的小さい。
図8には図6の平均的温度依存性補正曲線を適用して補正した結果を示す。上述のように、測定対象アームの半導体素子固有の温度依存性補正曲線を使用して補正したのではなく、平均的温度依存性補正曲線を適用して補正したのであるから完璧に補正されるわけではない。しかし、この図を見ると明らかなように、IGBTの導通時電圧降下(オン電圧)から変換された負極性のモータ電流領域では温度依存性の補正が非常によく利いていることが分かる。一方、ダイオードの導通時電圧降下(オン電圧)から変換された正極性のモータ電流領域でも温度依存性が補正される方向であることは確かなのだが、図7の誤差に対して1/2程度にしか低減されておらず、不十分と考えられる。ここではU相の結果について例示したが、他の相の結果も同様であり、測定した限りのすべての結果が同様であった。
そこで、本実施形態では、図8に示すように、温度依存性の補正がよく利くことが判明したIGBTの導通時電圧降下(オン電圧)から変換された負極性のモータ電流測定値を用いて、必ずしも十分な温度依存性の補正の利かないダイオードの導通時電圧降下(オン電圧)から変換された正極性のモータ電流を修正する。
すなわち、図3に示すように、正極性電流の相数を判定し、正極性電流について、負極性電流を用いて修正する。これによって、正極性電流の不正確な部分を修正してより正確な主回路素子オン電圧を用いた負荷電流の検出が行える。
すなわち、スイッチング素子Qの温度を考慮するとともに、負荷電流として、正極性電流の流れる相数に応じて、スイッチング素子Qのオン電圧から負荷電流への変換を変更することで、負荷電流の検出精度を向上することができる。
このように、主回路素子としてIGBT(FET)およびダイオードを並列接続したインバータにおいて、主回路素子の導通時電圧降下によってインバータ出力電流(負荷電流)を測定しようとすると、インバータ出力電流(負荷電流)の極性によって測定精度が大きく異なる。すなわち、IGBT(FET)側の導通時電圧降下からインバータ出力電流(負荷電流)(負極性)を求めるときには比較的高い精度を得ることが可能である。一方、ダイオード側の導通時電圧降下からインバータ出力電流(負荷電流)(正極性)を求めるときには比較的誤差が大きくなり易い。この理由は、IGBT(FET)の導通時電圧降下と負荷電流の関係に対する温度依存性が比較的小さいことと、温度依存性のIGBT(FET)個体間バラツキが小さいために、平均的な温度特性に基づく温度補正が効果的に利くためである。一方、ダイオードの導通時電圧降下と負荷電流の関係に対する温度依存性が比較的大きいことと、温度依存性のダイオード個体間バラツキが大きいために平均的な温度特性に基づく温度補正が効果的に利かないためである。
本実施形態によれば、比較的高い精度を得ることが可能なIGBT側の導通時電圧降下から求めた負荷電流(負極性)を用いて、比較的誤差が大きくなり易いダイオード側の導通時電圧降下から求めた負荷電流(正極性)を補正するので、負荷電流の極性に拘わらず、比較的高い精度を得ることが可能となるので、インバータを用いた負荷電流の制御精度の向上に寄与することができる。
「第2実施形態」
インバータ12は、スイッチング素子Qを順次スイッチングして、負荷電流を出力している。三相のモータに供給する場合には、基本的にインバータ12の各アームからの出力は三相の正弦波となる。なお、通常の場合、正弦波の出力は、PWM制御で近似され、また始動時等の高負荷時においては矩形波制御が利用される。
このようなインバータ12の制御において、各スイッチング素子Qのオン電圧を検出する場合、そのタイミングにより、正確なオン電圧が検出するできるかどうかが、決定されることが分かった。
本実施形態では、オン電圧が安定しているときを検出して、そのタイミングでオン電圧を検出することで、正確な負荷電流検出を可能とする。
図9には、本実施形態に係る制御部20基本構成を示す。このように、本実施形態では、主回路素子18が導通時であるかどうかを判定すると共に、導通時の電圧降下が安定な期間であるかどうかを判定する安定期間判定部20hと、その判定結果に基づいて主回路素子18の導通時電圧降下を取り込むオン電圧取り込み部20iとからなっている。
このように、本実施形態では、安定期間判定部20hにおいて、計測しようとする主回路素子18の導通時電圧降下(オン電圧)が安定しているかを判定する。この安定期か否かの判定は、各相のスイッチング素子のオンオフの切り換えタイミングを参照して決めることが好適である。そして、検出した安定期間についての情報をオン電圧取り込み部20iに供給する。従って、オン電圧取り込み部20iにおいては、供給された情報に基づき、主回路素子のオン電圧が安定しているときにオン電圧を検出する。これによって、より正確な主回路素子18のオン電圧の検出が行える。
また、図10には、上述の図9の構成において、各相中点高低判定部20jをさらに有し、各相中点高低判定部20jの判定結果に基づいて安定期間判定部20hが主回路素子導通時の安定期間であるかどうかを判定する構成を示してある。
各相アーム中点電圧は、スイッチング素子Qのオンオフにより、高低を繰り返す。各相中点高低判定部20jは、高低の変化状態を検出する。そして、この検出結果に従って、電圧取り込み部20iは、他の相のアーム中点の高低変化がない状態で、各相の主回路素子18の導通時電圧降下を計測するよう制御する。これによって、より正確な主回路素子18の導通時電圧降下(オン電圧)の計測が行える。
すなわち、従来の定説では、ステータコイル(モータ巻線)14U、14V、14Wは、大きなインダクタンス成分を有し、インダクタンスの特性としてインバータ制御周期(約200μs程度)のような非常に短い時間内に電流が急変することは有り得ず、他のアーム中点電位の高低に拘わらず、あるインバータアームの低電位側スイッチング素子Qが導通状態であれば、そのアームの低電位側導通時電圧降下を測定してモータ電流に変換することは可能と考えられていた。
ここで、主回路素子18の電圧降下の計測対象として、インバータアームの低電位側スイッチング素子Qでなく高電位側スイッチング素子Qとすることも可能である。
しかし、詳細な実験的検討の結果、あるインバータアームの低電位側スイッチング素子Qの導通状態が維持されている期間においても、他のアーム中点電位の高低が操作されると導通時電圧降下(すなわち、モータ電流)が急変し、モータ電流に正しく変換することはできないことが判明した。このことから、モータ巻線の等価回路をインダクタンス成分のみで代表させる従来の定説では、インバータアーム中点電位操作時のモータ電流の変化を考察するには不十分なものであることを見出した。このため、モータ巻線の等価回路としてインダクタンス成分だけでなく、巻線に並列に浮遊(静電)容量成分が接続されていると考える必要があることが分かった。こうした精密化した等価回路によれば短時間内のモータ電流の急変も説明できるようになる。
このように、注目している以外のアーム中点電位の高低が操作されると導通時電圧降下(すなわち、モータ電流)が急変することの必然性が明確になったことからその対策としては、あるアームの導通時電圧降下の測定中には他のアーム中点電位の高低を操作しないようにすべきことが導かれる。但し、通常インバータは所定の交流電圧(若しくは電流)を得るようにパルス幅変調(PWM)されているものであり、あるアームの導通時電圧降下の測定中だからといって、他のアーム中点電位の高低操作を禁止すれば本来得ようとする交流電圧(若しくは電流)の制御を乱すことになりかねない。
そこで、各相中点高低判定部20jにおいて、他の層の中点高低変化のない状態で、対象となる主回路素子18の導通時電圧降下を計測することで、正確な電機子電流を検出することが可能となる。
図11には、上述の図10構成における主回路素子導通時電圧降下の安定期間判定部20hが、各相中点高低判定部20jと、その判定結果の時間的パターンに基づいてインバータの運転モードを判定するモード判定部であって、PWMモード運転時のインバータ主回路素子導通時電圧降下(オン電圧)が安定期間であるかどうかを判定するPWM時安定期間判定部20lと、PWMモードと矩形波モードの中間的モードでの運転時のインバータ主回路素子導通時の電圧降下(オン電圧)が安定期間であるかどうかを判定する中間モード安定期間判定部20mと、矩形波モード運転時のインバータ主回路素子導通時電圧降下(オン電圧)が安定期間であるかどうかを判定する矩形波時安定期間判定部20nと、で構成されている装置を示す。
モータ14の運転モードとしては、PWMモード、矩形波モード、中間モードの3種類がある。PWMモードは、モータ出力トルクに応じて決定されたモータ電流を所定のキャリア周波数の三角波などと比較し、デューティ比を決定し、スイッチング素子Qのオン期間を制御するものであり、通常の出力トルク制御時に用いられる。上述のように、モータのコイルのインダクタンスは非常に大きいため、PWM制御によって、アーム中点電位は大きくふれるが、コイルに流れるモータ電流はデューティ比に応じたほぼ正弦波の電流となる。
このPWMモード時において、制御部20は、各相のスイッチング素子Qのオンオフタイミングを認識している。そこで、測定対象となる主回路素子18のオン電圧を、他の相のスイッチング素子Qのオンオフのないタイミングに制御して、計測する。特に、後述するように、各相のアーム中点電位がすべて低電位であるベクトル0となった時点から所定時間経過した時点(ベクトル0の中間時点)をオン電圧の計測タイミングとする。すなわち、PWM制御によって、3つの下側主回路素子18のすべてがオンとなっているベクトル0の期間において、オン電圧を計測することが好適である。
また、矩形波モードは、モータ14の高回転時や、高トルク出力時において、デューティ比を100%にして、モータ電流を制御するものであり、このときのモータ電流は、矩形波となる。この矩形波モードでは、各相のスイッチング素子Qのオンオフタイミングは、各相のモータ電流位相によって決定される。従って、他の相のスイッチング素子Qのオンオフが行われないタイミングを検出するのは容易である。例えば、いずれかの相のスイッチング素子のオンオフが切り替わった時点(例えば中点が低電位となった時点)から所定時間経過した時点(いずれの相の電流も切り替わらない時点)を主回路素子18の導通時電圧降下の測定タイミングとすることが好適である。
また、中間モードは、PWM制御と、矩形波制御が混在するモードである。この場合には、PWM制御時には、PWMモードのときの測定タイミング、矩形波制御の場合には矩形波モードのときの測定タイミングにすればよい。
次に、一例として、出力する交流の相数を3相とし、負荷としてモータを用いる3相モータ駆動用インバータのPWMモード運転時の主回路素子18のオン電圧測定のための構成を説明する。
図12には、実施形態に係る制御部20の構成例を示す。各相アームの中点電圧は、ベクトル0判定部20oに入力される。このベクトル0判定部20oは、すべてのアームの中点が低電位であることによりベクトル0を判定する。このベクトル0判定部20oの判定結果は、一定時間待機部20pに入力される。一定時間待機部20pは、ベクトル0の判定後に、一定時間を計測する。そして、この一定時間待機部20pは一定時間が経過したときに一定時間電路導通部20rに信号を送り、これによって一定時間電路導通部20rがその時点から一定時間インバータアームの中点(この場合は、U相)と電圧計16との間に接続した電路断続手段(アナログスイッチ、FET)を導通させる。これによって、電圧計16からそのときの主回路素子18の導通時電圧降下が出力される。
一定時間待機部20pの出力は別の一定時間待機部20sに信号を送り、この一定時間待機部20sは、一定時間電路導通部20rにおけるスイッチSW(例えばFETによるアナログスイッチ)の導通後に一定時間待機させたタイミングにおいて、一定時間パルス発生部20tに信号を送り、この一定時間パルス発生部20tが所定の幅のパルスを発生することで、そのときの電圧計16の出力が電圧保持部(サンプル・ホールド回路)20uに取り込まれ、これがU相の主回路素子18のオン電圧として出力される。
このように、一定期間続く、ベクトル0の期間における最も適切なタイミングにおいて、各相アームの中点電圧を取り込むことによって、中点電圧が高いタイミングでの電圧が電圧計16などの後続の低電圧用回路へ伝達されず、回路素子の破損や焼損をが起こることを防止することができる。
このように、本実施形態では、すべてのインバータアームの中点が低電位(ベクトル0)になったことを判定し、一定時間待機後に電路断続手段(アナログSW)を導通させて、導通時電圧降下を後続の電圧保持手段(サンプル・ホールド回路)に導いて測定(保持)する構成にした。これにより、導通時電圧降下の測定中に他のアーム中点電位の高低が操作されることが防止できる。従って、導通時電圧降下の測定中に導通時電圧降下(すなわち、モータ電流)が急変することは無くなり、測定した導通時電圧降下をモータ電流に正しく変換することができる。
「アイソレーションのための構成」
図1においてインバータ12と制御部20は通常グランドを共通としない。このため、何らかの直流電位絶縁的信号伝達手段が必要になる。アナログ電圧に対する直流電位絶縁的信号伝達手段の代表格として(アナログ)アイソレーションアンプを用いる方法がある。
このアイソレーションアンプを用いる方法は高い周波数成分まで忠実に伝達できる優れた方法ではあるが、次のような2つの重大な問題点を抱えている。
第1の問題は時間的ドリフトが大きいことから長時間の運転(信号伝達)では誤差が大きくなることである。
第2の問題は高い周波数成分のノイズに対する絶縁機能が低く、インバータ駆動に伴って駆動用高圧電源側に発生する電気的ノイズが導通時電圧降下(オン電圧)に重畳し易いことである。
これらの2つの重大な問題を放置したままでは導通時電圧降下(オン電圧)信号伝達時の誤差が大きくなり過ぎて、必然的に電流換算値の誤差も大きくなり、モータを正常に駆動できない恐れがある。それ故、導通時電圧降下(オン電圧)の測定とインバータ制御器への信号伝達を可能ならしめるためには、上述の問題を解決する直流電位絶縁的信号伝達手段を開発する必要がある。
図13にはアイソレーションのための基本構成(1)を示す。この構成においては、(通常)非接地のインバータ駆動用高圧電源の低電位側のラインの電位を基準にして測定されたインバータ主回路素子18の導通時電圧降下(オン電圧)信号を、電圧−周波数(V−F)変換機能40−1にて周波数信号に変換した後、光式絶縁信号伝達機能(フォトカプラ)40−2で直流電位絶縁しながら、インバータ駆動用高圧電源と異なる基準電位の周波数信号入力機能を備えた制御部20にて信号を受け取るようにしている。
上述の様にアイソレーションアンプの場合には種々の問題が顕在化して民生機器の分野では直流電位絶縁的信号伝達回路として実用化が困難であったのに対し、この構成とすることにより民生機器の分野でも直流電位絶縁的信号伝達回路として実用化することが可能となった。
図14には、アイソレーションのための基本構成(2)を示す。この構成においては、(通常)非接地のインバータ駆動用高圧電源の低電位側ラインの電位を基準にして測定されたインバータ12の主回路素子18の導通時電圧降下(オン電圧)信号を、電圧−周波数変換機能40−1にて周波数信号に変換した後、フォトカプラ40−2で直流電位絶縁しながら、インバータ駆動用高圧電源と基準電位の異なる周波数−電圧変換機能40−3に伝達し、そこで変換して得られた電圧信号をアナログ電圧信号入力機能を備えた制御部20にて受け取るようにしている。この構成によっても、上述の場合と同様の効果が得られる。
図15には、アイソレーションのための基本構成(3)を示す。この構成においては、(通常)非接地のインバータ駆動用高圧電源の低電位側のラインの電位を基準にして測定されたインバータ主回路素子18の導通時電圧降下(オン電圧)信号を、電圧−デューティ比変換機能40−4にてデューティ比信号に変換した後、光式絶縁信号伝達機能(フォトカプラ)40−5で直流電位絶縁しながら、インバータ駆動用高圧電源と異なる基準電位のデューティ比信号入力機能を備えた制御部20にて信号を受け取るようにしている。この構成によっても、上述の場合と同様の効果が得られる。
図16には、アイソレーションのための基本構成(4)を示す。この構成においては、(通常)非接地のインバータ駆動用高圧電源の低電位側ラインの電位を基準にして測定されたインバータ主回路素子18の導通時電圧降下(オン電圧)信号を、電圧−デューティ比変換機能40−4にてデューティ比信号に変換した後、光式絶縁信号伝達機能(フォトカプラ)40−5で直流電位絶縁しながら、インバータ駆動用高圧電源と基準電位の異なるデューティ比−カウント数変換機能40−6に伝達し、そこで変換して得られたカウント数信号をカウント数信号入力機能を備えた制御部20にて受け取るようにしている。この構成によっても、上述の場合と同様の効果が得られる。
図17には、アイソレーションのための基本構成(5)を示す。この構成においては、(通常)非接地のインバータ駆動用高圧電源の低電位側ラインの電位を基準にして測定されたインバータ主回路素子18の導通時電圧降下(オン電圧)信号を、電圧−デューティ比変換機能40−4にてデューティ比信号に変換した後、光式絶縁信号伝達機能(フォトカプラ)40−5で直流電位絶縁しながら、インバータ駆動用高圧電源と基準電位の異なるデューティ比−電圧変換機能40−8に伝達し、そこで変換して得られた電圧信号をアナログ電圧信号入力機能を備えた制御部20にて受け取るようにしている。この構成によっても、上述の場合と同様の効果が得られる。
図18には図17のデューティ比−電圧変換機能40−8を、デューティ比−カウント数変換機能40−6と、カウント数−電圧変換機能40−7とで構成したものを示す。この構成によっても、上述の場合と同様の効果が得られる。
実施形態に係る電流測定装置を含むモータ駆動システムの全体構成を示すブロック図である。 制御部の電流検出部の内部構成を示すブロック図である。 制御部の他の内部構成を示すブロック図である。 オン電圧とモータ電流の関係を示す図である。 主回路素子の冷却の構成および温度計の配置を示す図である。 平均的温度依存性補正カーブを示す図である。 平均的温度での較正曲線を用いた場合の温度依存性を示す図である。 平均温度での較正曲線を用い、さらに一律補正した場合の温度依存性を示す図である。 他の実施形態における制御部の構成を示すブロック図である。 制御部の他の内部構成を示すブロック図である。 制御部の他の内部構成を示すブロック図である。 制御部の他の内部構成を示すブロック図である。 アイソレーションのための構成を示すブロック図である。 アイソレーションのための他の構成を示すブロック図である。 アイソレーションのための他の構成を示すブロック図である。 アイソレーションのための他の構成を示すブロック図である。 アイソレーションのための他の構成を示すブロック図である。 アイソレーションのための他の構成を示すブロック図である。
符号の説明
10 直流電源、12 インバータ、14 モータ、16 電圧計、18 主回路素子、20 制御部、20a オン電圧取得部、20b 変換部、20c 温度取得部、20d 温度補正部、20e 相数判定部、20f 修正演算部、20h 安定期間判定部、20i オン電圧取り込み部、20j 各相中点高低判定部、20l PWM時安定期間判定部、20m 中間モード時安定期間判定部、20n 矩形波時安定期間判定部、20o ベクトル0判定部、20p 一定時間待機部、20r 一定時間電路導通部、20s 一定時間待機部、20t 一定時間パルス発生部、20u 電圧保持部、22 温度計、D ダイオード、Q スイッチング素子。

Claims (8)

  1. 三相インバータの出力電流測定装置であって、
    インバータの主回路素子の導通時電圧降下を測定する測定手段と、
    この測定手段で測定した電圧降下を出力電流に変換する変換手段と、
    インバータの出力電流が負荷に流入している正極性か、または負荷から流出している負極性かを検出する極性検出手段と、
    負極性あるいは正極性の出力電流に対応するインバータの主回路素子の導通時電圧降下のうち精度の高い方に基づいて、正極性あるいは負極性の精度の低い方の出力電流を修正する修正手段と、
    を有し、
    インバータの主回路素子の導通時電圧降下に基づいてインバータの出力電流を測定することを特徴とするインバータ出力電流測定装置。
  2. 請求項に記載の装置において、
    前記修正手段は、
    前記極性検出手段の検出結果において、出力電流の1相が正極性あるいは負極性の低精度側であり、2相が負極性あるいは正極性の高精度側の場合には、負極性あるいは正極性の高精度側の2相の出力電流の和を反転した値を他の1相の正極性あるいは負極性の低精度側の出力電流とすることを特徴とするインバータ出力電流測定装置。
  3. 請求項に記載の装置において、
    前記修正手段は、
    前記極性検出手段の検出結果において、出力電流の2相が正極性あるいは負極性の低精度側であり、1相が負極性あるいは正極性の高精度側の場合には、負極性あるいは正極性の高精度側の1相の出力電流の和を反転した値を、他の2相の正極性あるいは負極性の低精度側の出力電流の比に基づいて比例配分して他の2相の正極性あるいは負極性の低精度側の出力電流とすることを特徴とするインバータ出力電流測定装置。
  4. 三相インバータの出力電流測定装置であって、
    インバータの主回路素子の導通時電圧降下を測定する測定手段と、
    前記導通時電圧降下が安定な値を示すタイミングを検出するタイミング検出手段と、
    このタイミング検出手段により検出したタイミングに基づいて前記測定手段における測定のタイミングを制御する測定タイミング制御手段と、
    この測定手段で測定した電圧降下を出力電流に変換する変換手段と、
    を有し、
    インバータの主回路素子の導通時電圧降下に基づいてインバータの出力電流を測定することを特徴とするインバータ出力電流測定装置。
  5. 請求項に記載の装置において、
    前記インバータの各相の出力電流の出力点の電圧を検出する出力点電圧検出手段を含み、
    前記タイミング検出手段は、出力点電圧検出手段の検出結果に応じて、検出タイミングを検出することを特徴とするインバータ出力電流測定装置。
  6. 請求項に記載の装置において、
    前記インバータの運転モードが主回路素子をパルス幅制御するPWMモードであるか、矩形波で制御する矩形波モードであるかを判定する運転モード判定手段を含み、
    前記タイミング検出手段は、運転モード判定手段の判定結果に基づいて、検出タイミングを検出することを特徴とするインバータ出力電流測定装置。
  7. 請求項に記載の装置において、
    前記運転モード判定手段の判定結果において、PWMモードであった場合には、前記タイミング検出手段は、インバータの各相の出力点のすべてが低電位あるいはすべてが高電位であるかを判定し、すべてが低電位あるいはすべてが高電位であるとの判定後、所定時間経過した時点を測定タイミングとすることを特徴とするインバータ出力電流測定装置。
  8. 請求項に記載の装置において、
    前記運転モード判定手段の判定結果において、矩形波モードであった場合には、前記タイミング検出手段は、インバータのいずれかの相の出力点の低電位あるいは高電位に切り替わったかを判定し、切り替わったとの判定後、所定時間経過した時点を測定タイミングとすることを特徴とするインバータ出力電流測定装置。
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