JP4337454B2 - 光学補償フィルム、光学補償フィルムの製造方法、光学積層体及び液晶表示装置 - Google Patents

光学補償フィルム、光学補償フィルムの製造方法、光学積層体及び液晶表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、液晶表示装置の視野角改善やコントラスト改善に使用される光学補償フィルム、それを用いた光学積層体、及び液晶表示装置に関する。
従来から、液晶表示装置を構成する液晶セルと偏光素子との間に介挿されることにより、VA(Vertical Alignment)型液晶の視野角特性(位相差の角度依存性)を光学補償するための位相差板としてネガティブレターダー(素子面に垂直な方向に負の位相差を有する位相差素子)が知られている。
かかるネガティブレターダーは、次のようにして製造されている。先ず、樹脂フィルムに対して、延伸方向に直交する方向への自由な収縮を許容して一軸延伸処理を施すことにより、延伸方向の面内の屈折率(Nx)と、延伸方向と直交する方向の面内の屈折率(Ny)と、厚さ方向の屈折率(Nz)とが、Nx>Ny≧Nzの関係式を満たす延伸フィルムを成形する。次いで、この延伸フィルムを裁断することにより、延伸方向が長辺と一致する矩形状のチップと、延伸方向が短辺と一致する同一形状のチップを作製する。その後、2枚のチップを、それぞれの延伸方向が直交するように、接着剤または粘着剤により貼り合わせる(所謂バッチ貼り)。しかしながら、上記のような構成のネガティブレターダーを製造するためには、裁断により成形したチップを貼り合わせるという煩雑な作業を繰り返す必要があり、生産効率に劣るという問題がある。
そこで、特許文献1には、熱可塑性樹脂フィルムを延伸して光学補償フィルムを製造する方法であって、縦方向と横方向に同時二軸延伸することを特徴とする光学補償フィルムの製造方法が開示されている。そして、該熱可塑性樹脂フィルムとしてポリノルボルネン系樹脂が開示されている。また、この方法によれば、フィルムの厚さをd、フィルム面内の主屈折率をnx、ny、厚さ方向の主屈折率をnz、かつ、nx>nyとした場合に、面内レターデーション値(Re=(nx−ny)d)が0〜500nm、厚み方向のレターデーション値(Rth=(nx−nz)d)が0〜500nm、Re/Rth<1である光学補償フィルムが得られることも記載されている。さらに、この特許文献によれば、フィルムの要求性能を満足するともに、二軸特性の発現が容易で、しかも光学軸角度のばらつきが低減されフィルム面内の均一性に優れた光学補償フィルムを提供することができると記載されている。
また、特許文献2には、熱可塑性樹脂フィルムを横方向と縦方向に逐次二軸延伸して光学補償フィルムを製造する方法であって、横延伸工程後に横延伸率を緩和する工程を設けることを特徴とする光学補償フィルムの製造方法が開示されている。そして、該熱可塑性樹脂フィルムとしてポリノルボルネン系樹脂が開示されている。また、この方法によれば、フィルムの厚さをd、フィルム面内の主屈折率をnx、ny、厚さ方向の主屈折率をnz、かつ、nx>nyとした場合に、面内レターデーション値(Re=(nx−ny)d)が0〜500nm、厚み方向のレターデーション値(Rth=(nx−nz)d)が0〜500nm、Re/Rth<1である光学補償フィルムが得られることも記載されている。さらに、この特許文献によれば、フィルムの要求性能を満足するとともに、二軸特性の発現が容易で、しかも光学軸角度のばらつきが低減されフィルム面内の均一性に優れた光学補償フィルムを提供することができると記載されている。
また、当出願人は、特許文献3において、溶融法により成形した熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂シートを延伸配向してなるフィルムを複屈折層として有することを特徴とする位相差板を提案している。そして、これによれば、光学的に均一であり、耐熱性、耐湿性に優れた位相差板を提供することができると記載されている。
しかしながら、上記公報に記載されている光学補償フィルムをVA(Vertical Alignment)型の液晶表示装置に用いた場合、(a)VA型の液晶表示装置に要求される厚み方向のレターデーション値(Rth)を大きくすること及びその制御が困難である、(b)液晶表示装置に配置する向きに制限がある、(c)液晶表示装置に設置して、画面を正面方向及び斜め方向から見た時の輝度ムラや色ムラが発生しやすい、並びに(d)長期間使用した場合の品質の低下が見られるという問題があり、さらなる改善が求められている。
特開2002−196134号公報 特開2002−196135号公報 特開平5−2108号公報
従って、本発明の目的は、従来のものよりも、(a)厚み方向のレターデーション値Rthを大きくすること及び制御が容易で、(b)液晶表示装置に配置する角度に制限がなく、(c)正面方向及び斜め方向から見た時の輝度ムラや色ムラがなく、(d)長期間使用した場合の品質の低下がない光学補償フィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、原反フィルムとして、揮発性成分量、飽和吸水率、長手方向に一直線に走るダイラインの深さ及び高さ、並びに前記ダイラインの幅が特定範囲である原反フィルムを使用し、それを縦横方向に二軸延伸することにより、上記目的を達成しうることを見出し、この知見に基づいてさらに研究を進め、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、
(1)熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなり、揮発性成分量が0.01重量%以下で、かつ飽和吸水率が0.01重量%以下であり、長手方向に一直線に走るダイラインの深さ及び高さが50nm未満で、並びに前記ダイラインの幅が最小でも500nmであり、溶融押出法により形成された原反フィルムを、縦方向と横方向共に延伸倍率1.3倍以上で二軸延伸してなる、以下の[1]〜[2]を満たす光学補償フィルム、
[1]0≦Re≦200
[2]100≦Rth≦500
(ここで、Reは光学補償フィルムの面内のレターデーション値を意味し、Rthは光学補償フィルムの厚さ方向のレターデーション値を意味する。前記Re及びRthは、それぞれRe=(Nx−Ny)×d[nm]、Rth=(Nx−Nz)×d[nm]である。また、dは光学補償フィルムの厚さ、Nx、Nyは光学補償フィルム面内の主屈折率、Nzは厚さ方向の主屈折率であり、Nx>Nyである。)
(2)二軸延伸が縦方向と横方向に同時に二軸延伸する方法である前記(1)記載の光学補償フィルム、
(3)フィルムの面内のレターデーション値(Re)のばらつきが、フィルムの幅方向及び長手方向において、±10nm以内である前記(1)又は(2)記載の光学補償フィルム、
(4)フィルムの厚み方向のレターデーション値(Rth)のばらつきが、フィルムの幅方向及び長手方向において、±20nm以内である前記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の光学補償フィルム、
(5)前記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の光学補償フィルムと偏光板との積層体からなる光学積層体、
(6)前記(5)に記載の光学積層体を液晶セルの少なくとも片側に備えた液晶表示装置、
(7)液晶セルが、VA(Vertical Alignment)型の液晶セルである前記(6) 記載の液晶表示装置、及び
(8)内面の平均粗さRaが0.05〜0.2μmのダイスを用いて原反フィルムを溶融押出成形することを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の光学補償フィルムの製造方法がそれぞれ提供される。
本発明の光学補償フィルムは、従来のものよりも、(a)厚み方向のレターデーション値Rthを大きくすること及び制御が容易で、(b)液晶表示装置に配置する角度に制限がなく、(c)正面方向及び斜め方向から見た時の輝度ムラや色ムラがなく、(d)長期間使用した場合の品質の低下がないので、液晶表示装置、特にVA(Vertical Alignment)型の液晶表示装置用の光学補償フィルムに好適である。
本発明の光学補償フィルムに使用する原反フィルムは、熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなる。
熱可塑性ノルボルネン系樹脂としては、具体的には、ノルボルネン系単量体の開環重合体、ノルボルネン系単量体と開環共重合可能なその他の単量体との開環重合体およびそれらの水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加重合体、ノルボルネン系単量体と共重合可能なその他の単量体との付加型共重合体等を挙げることができる。これらの中でも、透明性の観点から、ノルボルネン系単量体の開環重合体の水素添加物が最も好ましい。
ノルボルネン系単量体としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、7,8−ベンゾトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン(慣用名:メタノテトラヒドロフルオレン)、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)、およびこれらの化合物の誘導体(例えば、環に置換基を有するもの)などを挙げることができる。ここで、置換基としては、例えばアルキル基、アルキレン基、極性基などを挙げることができる。また、これらの置換基は、同一または相異なって複数個が環に結合していてもよい。ノルボルネン系単量体は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
極性基の種類としては、ヘテロ原子、またはヘテロ原子を有する原子団などが挙げられる。ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、ハロゲン原子などが挙げられる。極性基の具体例としては、カルボキシル基、カルボニルオキシカルボニル基、エポキシ基、ヒドロキシル基、オキシ基、エステル基、シラノール基、シリル基、アミノ基、ニトリル基、スルホン基などが挙げられる。
ノルボルネン系単量体と開環共重合可能な他の単量体としては、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどのモノ環状オレフィン類およびその誘導体;シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエンなどの環状共役ジエンおよびその誘導体;などが挙げられる。
ノルボルネン系単量体の開環重合体およびノルボルネン系単量体と共重合可能な他の単量体との開環共重合体は、単量体を公知の開環重合触媒の存在下に(共)重合することにより得ることができる。
ノルボルネン系単量体の付加重合体およびノルボルネン系単量体と共重合可能な他の単量体との付加共重合体は、単量体を公知の付加重合触媒の存在下に重合することにより得ることができる。
ノルボルネン系単量体と付加共重合可能な他の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテンなどの炭素数2〜20のα−オレフィンおよびこれらの誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセンなどのシクロオレフィンおよびこれらの誘導体;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエンなどの非共役ジエンなどが挙げられる。これらの単量体は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、α−オレフィンが好ましく、エチレンがより好ましい。
熱可塑性ノルボルネン系樹脂の分子量は使用目的に応じて適宜選定されるが、溶媒としてシクロヘキサン(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン)を用いるゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーで測定したポリイソプレンまたはポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常10,000〜100,000、好ましくは15,000〜80,000、より好ましくは20,000〜50,000である。重量平均分子量がこのような範囲にあるときに、フィルムの機械的強度および成型加工性とが高度にバランスされ好適である。
ノルボルネン系単量体の開環重合体、ノルボルネン系単量体とこれと開環共重合可能なその他の単量体との開環共重合体、ノルボルネン系単量体の付加重合体、およびノルボルネン系単量体とこれと共重合可能なその他の単量体との付加重合体の水素添加物は、これらの重合体の溶液に、ニッケル、パラジウムなどの遷移金属を含む公知の水素添加触媒を添加し、炭素−炭素不飽和結合を好ましくは90%以上水素添加することによって得ることができる。
本発明に用いる熱可塑性ノルボルネン系樹脂のガラス転移温度は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、好ましくは80℃以上、より好ましくは100〜250℃の範囲である。ガラス転移温度がこのような範囲にある熱可塑性ノルボルネン系樹脂を含有するフィルムは、高温下での使用における変形や応力が生じることがなく耐久性に優れる。
本発明に用いる熱可塑性ノルボルネン系樹脂の分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))は特に制限されないが、通常1.0〜10.0、好ましくは1.1〜4.0、より好ましくは1.2〜3.5の範囲である。
本発明に用いる熱可塑性ノルボルネン系樹脂の中でも、繰り返し単位として、X:ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4−ジイル−エチレン構造と、Y:トリシクロ[4.3.0.12,5]デカン−7,9−ジイル−エチレン構造とを有し、これらの繰り返し単位の含有量が、熱可塑性ノルボルネン系樹脂の繰り返し単位全体に対して90重量%以上であり、かつ、Xの含有割合とYの含有割合との比が、X:Yの重量比で100:0〜40:60であるものが好ましい。このような樹脂を用いることにより、長期的に寸法変化がなく、光学特性の安定性に優れる光学補償フィルムを得ることができる。
ポリマーとしてXの構造を繰り返し単位として有するモノマーとしては、ノルボルネン環に五員環が結合した構造を有するノルボルネン系単量体が挙げられ、より具体的には、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)及びその誘導体(環に置換基を有するもの)、7,8−ベンゾトリシクロ[4.3.0.10,5]デカ−3−エン(慣用名:メタノテトラヒドロフルオレン)、及びその誘導体が挙げられる。
また、ポリマーとしてYの構造を繰り返し単位として有するモノマーとしては、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]デカ−3,7−ジエン(慣用名:テトラシクロドデセン)及びその誘導体(環に置換基を有するもの)が挙げられる。
このような熱可塑性ノルボルネン系樹脂を得る手段としては、具体的にはa)ポリマーとして前記Xの構造を繰り返し単位として有するモノマーと、ポリマーとして前記Yの構造を繰り返し単位として有するモノマーとの共重合比でコントロールして重合し、必要に応じてポリマー中の不飽和結合を水素添加する方法や、b)前記Xの構造を繰り返し単位として有するポリマーと、前記Yの構造を繰り返し単位として有するポリマーとのブレンド比でコントロールする方法が挙げられる。
本発明において、原反フィルムの揮発性成分の含有量は0.1重量%以下、好ましくは0.05重量%以下である。揮発性成分の含有量が前記範囲であるものを使用すると、原反フィルムを延伸する際の寸法安定性が向上し、光学補償フィルムを長時間使用時における前記フィルムの面内のレターデーション値Reやフィルムの厚さ方向のレターデーション値Rthの変化を小さくすることができる、光学補償フィルムと偏光板とを積層する際にその間に介在させる接着剤層に気泡が発生を防ぐことができる。
揮発性成分は、原反フィルムに微量含まれる分子量200以下の物質であり、例えば、残留単量体や溶媒などが挙げられる。揮発性成分の含有量は、原反フィルムに含まれる分子量200以下の物質の合計として、原反フィルムをガスクロマトグラフィーにより分析することにより定量することができる。
本発明の光学補償フィルムに用いる原反フィルムの揮発性成分の含有量を少なくするための手段としては、(i)揮発性成分量の少ない熱可塑性ノルボルネン系樹脂を選択する、(ii)フィルムを成形する前に用いる熱可塑性ノルボルネン系樹脂を予備乾燥するなどの手段が挙げられる。予備乾燥は、例えば原料をペレットなどの形態にして、熱風乾燥機などで行われる。乾燥温度は100℃以上が好ましく、乾燥時間は2時間以上が好ましい。予備乾燥を行うことにより、フィルム中の揮発性成分量を低減させる事ができ、さらに押し出す熱可塑性ノルボルネン系樹脂の発泡を防ぐことができる。
本発明の光学補償フィルムにおいて、原反フィルムの飽和吸水率は0.05重量%以下、好ましくは0.03重量%以下、さらに好ましくは0.01重量%以下である。原反フィルムの飽和吸水率が上記範囲であると、原反フィルムを二軸延伸する際の自由度が増す(例えば、延伸倍率を大きくできる)、延伸時にフィルムが割れにくい、厚み方向のレターデーション値Rthを大きくできる、長期安定性の優れるなどの利点がある。
飽和吸水率は、前記原反フィルムの試験片を一定温度の水中に一定時間、浸漬し、増加した質量の浸漬前の試験片質量に対する百分率で表される値である。通常は、23℃の水中に24時間、浸漬して測定される。原反フィルムにおける飽和吸水率は、例えば熱可塑性ノルボルネン系樹脂中の極性基の量を減少させることにより、前記値に調節することができるが、好ましくは、極性基を持たない樹脂であることが望まれる。
本発明の光学補償フィルムに使用する原反フィルムは、長手方向に一直線に走るダイラインの深さ及び高さが50nm未満で、並びにその幅が500nm以上であり、好ましくは長手方向に一直線に走るダイラインの深さ及び高さが30nm未満で、並びにその幅が1000nm以上である。原反フィルムとして、長手方向に一直線に走るダイラインの深さ及び高さ、並びに幅が上記範囲のものを使用することにより、延伸して得られる光学補償フィルムの長手方向及び幅方向のRe並びにRthのばらつきを少なくすることができる。
ここで長手方向とは、フィルムを押出す流れの方向のことを指す。
前記原反フィルムのダイラインは、三次元表面構造解析顕微鏡を用いて測定できる。
ダイラインの深さや高さを測定するとき、隣り合う谷と山で、ベースが異なっている場合は、図1のようにベースライン2を引いて、谷4又は山3からそのベースライン2までの最短距離をダイラインの深さ5又は高さ6とする。
長手方向に一直線に走るダイラインの深さ及び高さが50nm未満で、並びにその幅が500nm以上である原反フィルムを得るための手段としては、(1)ダイスリップ部の材質としてハードクロム、炭化クロム、窒化クロム、炭化チタン、炭窒化チタン、窒化チタン、超鋼、セラミック(タングステンカーバイド、酸化アルミ、酸化クロム)類、などを溶射もしくはメッキし、表面加工としてバフ、#1000番手以上の砥石を用いるラッピング、#1000番手以上のダイヤモンド砥石を用いる平面切削(切削方向は、樹脂の流れ方向に垂直な方向)、電解研磨、電解複合研磨などの加工を施したTダイを用いる;(2)ダイスの防錆剤として、例えばアミンの硝酸塩、カルボン酸塩、炭酸塩などの揮発性のものを使用する。具体的には、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、ジシクロヘキシルアンモニウムカプリレート、シクロヘキシルアンモニウムカルバメート、シクロヘキシルアミンカーボネイト等が挙げられる;(4)ダイスに付着している防錆剤を溶剤を用いてふき取る;(5)ダイスからシート状に押出し、押出されたシート状の非晶性の熱可塑性樹脂を少なくとも1つの冷却ドラムに密着させて成形して引き取る工程までを、50kPa以下の気圧下で行うこと;が挙げられる。
さらに表面精度の良いダイスを用いることにより、厚みむらを小さくすることが可能である。表面の微視的凹凸に関する表面粗さは、「平均粗さRa」によって表すことができ、ダイス内面特にダイリップの先端部の平均粗さRaが好ましくは0.2μm以下、より好ましくはRaが0.1μm以下である。
平均粗さRaとは、JIS B 0601−2001によって定義される「算術平均粗さRa」と同様のものであり、具体的には、測定曲線をカットオフ値0.8mmで位相補償型高域フィルターを通して粗さ曲線を求め、この粗さ曲線からその平均線の方向に一定の基準長さを抜き取り、この抜き取り部分の平均線から粗さ曲線までの偏差の絶対値を合計し、平均することにより求められる。
本発明の光学補償フィルムに用いる原反フィルムを成形する方法としては、特に制限されず、例えば、溶液流延法や溶融押出法などの従来公知の方法が挙げられる。中でも、溶剤を使用しない溶融押出法の方が、効率よく原反フィルム中の揮発性成分の含有量を効率よく減らすことができる、100μm以上のフィルムを作製しやすい、Rthの大きいフィルムが作製しやすい、地球環境上や作業環境上、及び製造コストの観点から好ましい。
溶融押出法としては、ダイスを用いる方法やインフレーション法などが挙げられるが、生産性や厚さ精度に優れる点でTダイを用いる方法が好ましい。
基材フィルムを成形する方法として、Tダイを用いる方法を採用する場合、Tダイを有する押出機における樹脂の溶融温度は、熱可塑性ノルボルネン系樹脂のガラス転移温度よりも80〜180℃高い温度にすることが好ましく、ガラス転移温度よりも100〜150℃高い温度にすることがより好ましい。押出機における樹脂の溶融温度が過度に低いと熱可塑性ノルボルネン系樹脂の流動性が不足するおそれがあり、逆に溶融温度が過度に高いと熱可塑性ノルボルネン系樹脂が劣化する可能性がある。
原反フィルムの厚さは、機械的強度などの観点から、通常40〜500μm、好ましくは40〜300μm、より好ましくは40〜200μmである。
また、原反フィルムの厚さ変動が、原反フィルム長手方向及び幅方向にわたって厚さ変動が前記膜厚の±3%以内であることが好ましい。基材フィルムの厚さ変動が前記範囲にあることにより、原反フィルムを二軸延伸して得られる光学補償フィルムの面内のレターデーション値Re及び厚さ方向のレターデーション値Rthのバラツキを小さくすることができる、偏光板との積層時に介在させる接着剤の厚みムラを減らすことができる。さらに、本発明の光学補償フィルムを液晶表示に設置したとき、正面方向及び斜め方向からみたときの輝度むらや色むらを向上させることができる。
厚さ変動を上記範囲にするための手段としては、原反フィルムを成形する方法として溶融押出法を採用する場合、(i)表面精度の良いダイスを使用する、(ii)ダイスからシート状に押出し、押出されたシート状の熱可塑性ノルボルネン系樹脂を、少なくとも1つの冷却ドラムに密着させて成形して引き取る工程を50kPa以下の圧力下で行う、(iii)ダイスの開口部から押出されたシート状の熱可塑性ノルボルネン系樹脂が最初に密着する冷却ドラムまでを囲い部材で覆う、などが挙げられる。
本発明の光学補償フィルムは、前記の原反フィルムを縦方向及び横方向共に延伸倍率で1.3倍以上で二軸延伸してなる。
二軸延伸する方法としては、縦方向と横方向に逐次二軸延伸する方法、縦方向と横方向に同時に二軸延伸する方法が挙げられる。中でも、工程を簡略化できること、延伸フィルムが割れにくい、厚み方向のレターデーション値Rthを大きくできるなどの点で、同時に二軸延伸する方法が好ましい。
原反フィルムを同時に二軸延伸する場合の工程について、具体的に説明するが、これに限定されるものではない。
同時に二軸延伸する方法は、原反フィルムを予め加熱する工程(予熱工程)、予熱された原反フィルムを縦方向及び横方向に同時に二軸延伸する工程(延伸工程)、延伸したフィルムを緩和する工程(熱固定工程)を有する。
予熱工程において、原反フィルムを加熱する手段としては、オーブン型加熱装置、ラジエーション加熱装置、又は液体中に浸すことなどが挙げられる。中でもオーブン型加熱装置が好ましい。
予熱工程における加熱温度は、通常、延伸温度−40℃〜延伸温度+20℃、好ましくは延伸温度−30℃〜延伸温度+15℃である。
延伸工程において、同時に二軸延伸する方法としては、チャックをパンタグラフで連結し、チャック間隔で開くパンタグラフ式のテンター、チャックをスクリュー形状の軸で駆動し、スクリュー溝の間隔を調整することでチャック間隔を開くスクリュー式のテンター、また、リニアモーター式のテンターなどが挙げられる。
延伸温度は、用いる熱可塑性ノルボルネン系樹脂のガラス転移温度をTgとすると、好ましくはTg−30℃〜Tg+60℃、より好ましくはTg−10℃〜Tg+50℃である。
延伸工程において、原反フィルムを加熱する手段としては、通常ノズルからオーブンで暖められた温風を原反フィルムの上下面に噴出する方式が挙げられる。
延伸倍率は、縦方向、横方向ともに、1.3倍以上、好ましくは1.3倍〜3倍である。
熱固定工程における緩和温度は、通常、室温〜延伸温度+30℃、好ましくは延伸温度−40℃〜延伸温度+20℃である。また、熱固定工程においては特に温度を設定せず、延伸温度のまま保持してもよい。
本発明の光学補償フィルムは、光学補償フィルムの厚さをd、光学補償フィルム面内の主屈折率をNx、Ny、厚さ方向の主屈折率をNz、かつ、Nx>Nyとした場合に、面内のレターデーション値(Re=(Nx−Ny)×d)が0〜200nm、厚さ方向のレターデーション値(Rth=(Nx−Nz)×d)が100nm〜500nmであることを特徴とする。
光学補償フィルムの厚さは、通常20〜400μm、好ましくは40〜200μmである。前記フィルムの厚さが薄すぎると、偏光板との積層時にしわが入りやすい;光路長が短くなるので必要なフィルムの異方性が大きくなりすぎて歩留まりが低下する;フィルムの面内のレターデーション値Re及び厚さ方向のレターデーション値Rthのばらつきが大きくなる;などの不具合が生じやすい。逆に、前記フィルムの厚さが厚すぎると、偏光板と貼り合せたものが厚くなりすぎて、使用するサイズにカットすることが難しくなる;カットした後の切りかすがでやすくなる;液晶表示装置自体が厚くなってしまう;などの不具合が生じやすい。
光学補償フィルムの面内のレターデーション値(Re)は0〜300nm、好ましくは0〜200nmであり、かつ、光学補償フィルムの厚さ方向のレターデーション値(Rth)は100〜500nm、好ましくは150〜400nmである。前記Re値及びRth値を上記範囲にすることにより、液晶表示装置特に液晶セルがVA(Vertical Alignment)型の液晶表示装置において、液晶表示の色調補正を行いながら視野角を広げることができる。特に前記Reが0〜20nmであると、(a)本発明の光学補償フィルムを液晶表示装置に組み込むときの方向の制約がなくなる;(b)偏光板との貼り合わせをロールトゥロールで行うことができる;などの利点がある。
本発明の光学補償フィルムにおいて、フィルムの面内のレターデーション値(Re)のばらつきが、フィルムの幅方向及び長手方向において、±20nm以内であることが好ましく、±15nm以内であることがさらに好ましく、±10nm以内であることが特に好ましい。フィルムの面内のレターデーション値(Re)のばらつきが前記範囲であることにより、この光学補償フィルムを液晶表示装置に組み込んで正面方向及び斜め方向からみた時の輝度ムラ及び色ムラを無くすことができる。
面内のレターデーション値(Re)のばらつきは、フィルムの幅方向及び長手方向それぞれにおいて一定間隔でReを数点測定したときの最大値と最小値との差をいう。
本発明の光学補償フィルムにおいて、フィルムの厚さ方向のレターデーション値(Rth)のばらつきが、フィルムの幅方向及び長手方向において、±20nm以内であることが好ましく、±15nm以内であることがさらに好ましく、±10nm以内であることが特に好ましい。フィルムの厚さ方向のレターデーション値(Rth)のばらつきが前記範囲であることにより、この光学補償フィルムを液晶表示装置に組み込んで正面方向及び斜め方向からみた時の輝度ムラ及び色ムラを無くすことができる。
フィルムの厚さ方向のレターデーション値(Rth)のばらつきは、フィルムの幅方向及び長手方向それぞれにおいて一定間隔でRthを数点測定したときの最大値と最小値との差をいう。
本発明の光学補償フィルムにおいて、フィルム光軸のばらつきが、フィルムの幅方向及び長手方向において、±15deg以内であることが好ましく、±5deg以内であることがより好ましい。フィルム光軸のばらつきが前記範囲であることにより、(a)光学補償フィルムを液晶表示装置に組み込んだときの、正面方向及び斜め方向からみた時の輝度ムラ及び色ムラを無くすことができる;(b)光軸を任意の方向に制御することができる;(c)偏光板との貼り合わせをロールトゥロールで行うことができる;などの利点がある。
光軸のばらつきは、フィルムの幅方向及び長手方向それぞれにおいて一定間隔で光軸を数点測定したときの最大値と最小値との差をいう。
なお、前記Re、Rth及び光軸、並びにこれらのばらつきは、市販の自動複屈折計を用いて測定することができる。
本発明の光学補償フィルムにおいて、フィルムの幅方向及び長手方向におけるRe、Rth並びに光軸のばらつきを上記範囲にする手段としては、(1)原反フィルムを加熱するときの幅方向及び/又は長手方向の温度ばらつきを小さくする(±2℃以内)、(2)延伸時の吹き付ける温風の幅方向及び/又は長手方向における風量のばらつきを小さくする、(3)延伸時のフィルム上下の温度差を小さくする(±2℃以内)、(4)予熱、延伸及び熱固定工程における温度ばらつきを小さくする(温度のばらつきはいずれも±2℃以内)、(5)チャックの移動精度を上げる(±2%以内)などが挙げられる。
本発明の光学補償フィルムの厚さは、通常30〜400μm、好ましくは40〜200μmである。
本発明の光学積層体は、本発明の光学補償フィルムと偏光板との積層体からなる。
本発明の光学積層体に用いる偏光板の基本的な構成は、二色性物質含有のポリビニルアルコール系偏光フィルム等からなる偏光子の片側又は両側に、適宜の接着層を介して、保護層となる透明保護フィルムを接着したものからなる。
偏光子(偏光フィルム)としては、例えばポリビニルアルコールや部分ホルマール化ポリビニルアルコール等の従来に準じた適宜なビニルアルコール系ポリマーよりなるフィルムに、ヨウ素や二色性染料等よりなる二色性物質による染色処理、延伸処理、架橋処理等の適宜な処理を適宜な順序や方式で施したもので、自然光を入射させると直線偏光を透過する適宜なものを用いることができる。特に、光透過率や偏光度に優れるものが好ましい。偏光フィルムの厚さは、5〜80μmが一般的であるが、これに限定されない。
偏光子(偏光フィルム)の片側又は両側に設ける透明保護層となる保護フィルム素材としては、適宜な透明フィルムを用いることができる。中でも、透明性や機械的強度、熱安定性や水分遮蔽性等に優れるポリマーからなるフィルム等が好ましく用いられる。そのポリマーの例としては、トリアセチルセルロースの如きアセテート系樹脂やポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ノルボルネン系樹脂、アクリル系樹脂等があげられるが、中でも複屈折が小さい点で、アセテート系樹脂又はノルボルネン系樹脂が好ましく、透明性、低吸湿性、寸法安定性、軽量性などの観点から、ノルボルネン系樹脂が特に好ましい。
透明保護フィルムの厚さは、任意であるが一般には偏光板の薄型化などを目的に500μm以下、好ましくは5〜300μm、特に好ましくは5〜150μmである。
光学補償フィルムと偏光板との積層は、接着剤や粘着剤等の適宜な接着手段を用いて貼り合わせることができる。接着剤又は粘着剤としては、例えば、アクリル系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系、ゴム系等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性や透明性等の観点から、アクリル系のものが好ましい。
本発明の光学積層体においては、積層する偏光板の透明保護フィルムを本発明の光学補償フィルムが兼ねることができ、部材の薄型化が可能である。また、光学補償フィルムと偏光板の積層を、ロールトゥロールで行うことができ、長尺の光学積層体を得ることができる。
本発明の光学積層体の厚さは、通常100〜700μm、好ましくは200〜600μmである。
本発明の液晶表示装置は、本発明の光学積層体を液晶セルの少なくとも片側に備える。
本発明の液晶表示装置は、偏光板を液晶セルの片側又は両側に配置してなる透過型や反射型、あるいは透過・反射両用型等の従来に準じた適宜な構造を有するものとして形成することができる。液晶セルに使用する液晶モードとしては、TN(Twisted Nematic)型、STN(Super Twisted Nematic)型、HAN(Hybrid Alignment Nematic)型、VA(Vertical Alignment)、MVA(Multiple Vertical Alignment)型、IPS(In Plane Switching)型、OCB(Optical Compensated Bend)型、などが挙げられる。中でも、液晶の三次元屈折率がNz>Nx≧NyとなるVA(Vertical Alignment)型は、本発明の光学補償フィルムを使用することでnx=ny=nzとすることができ、視野角が向上する点で好ましい。
また、液晶セルの両側に偏光板を設ける場合、偏光板は同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えばプリズムアレイシートやレンズアレイシート、光拡散板やバックライト等の適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
本発明の液晶表示装置においては、本発明の光学積層体と液晶セルとを接着するために、粘着層を設けることもできる。その粘着層は、アクリル系等の従来公知の粘着剤を用いて適宜形成することができる。中でも、吸湿による発泡現象や剥がれ現象の防止、熱膨張差等による光学特性の低下や液晶セルの反り防止、ひいては高品質で耐久性に優れる液晶表示装置の形成性等の点より、吸湿率が低くて耐熱性に優れる粘着層であることが好ましい。また、微粒子を含有して光拡散性を示す粘着層等とすることもできる。
偏光板に設けた粘着層が表面に露出する場合には、その粘着層を実用に供するまでの間、汚染防止等を目的にセパレータにて仮着カバーすることが好ましい。セパレータは、上記の透明保護フィルム等に準じた適宜な薄葉体に、必要に応じシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤による剥離コートを設ける方式等により形成することができる。
なお、上述した偏光板を形成する偏光フィルムや透明保護フィルム、光学層や粘着層等の各層は、例えばサリチル酸エステル系化合物やベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式等の適宜な方式により紫外線吸収能をもたせたものであってもよい。
本発明を、実施例を示しながら、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお部及び%は特に断りのない限り重量基準である。
本実施例における評価は、以下の方法によって行う。
(1)原反フィルムの厚さ、延伸フィルムの厚さ
オフライン卓上型厚み計測装置(山分電気社製、TOF−4R)を用いて測定する。測定は、長手方向は5m、幅方向は全幅、測定間隔はどちらも1mm。
(2)原反フィルムの揮発性成分の含有量
ガスクロマトグラフィーにより、分子量200以下の物質の合計量を計算する。
(3)原反フィルムの飽和吸水率
ASTM D530に従い、23℃で1週間浸漬して増加重量を測定することにより求める。
(4)原反フィルムの長手方向に一直線に走るダイラインの深さ及び高さ、並びにその幅
原反フィルムに光を照射し、スクリーンに写し出された透過光の明もしくは暗の縞部分(ダイライン)を全幅に渡って観察する。そして、この縞部分のフィルムを3cm角程度の大きさに切り取り、三次元表面構造解析顕微鏡(Zygo社製)を用いて、フィルム両面の表面を観察してダイラインの深さ及び高さ、並びにその幅を測定する。
(5)面内のレターデーション値(Re)、厚み方向のレターデーション値(Rth)及びそれぞれのばらつき(幅方向及び長手方向)
フィルムの中心部の任意の1点を自動複屈折計(王子計測機器社製、KOBRA21−ADH)を用いて測定し、測定値とする。なお、長手方向のばらつきは、フィルムの幅方向の中心を長手方向に50mm間隔で10点測定しその最大値と最小値との差とする。幅方向のばらつきは、フィルムの幅方向に50mm間隔で10点測定しその最大値と最小値との差とする。
(6)光軸及びそのばらつき(幅方向及び長手方向)
フィルムを幅50mmの短冊状に切り出し、自動複屈折計(王子計測機器社製、KOBRA21−SDH)を用いて測定する。光軸のばらつきは、前記短冊状のフィルム毎に光軸を測定し(10点)、その最大値と最小値の差とする。
(7)表示性能
市販の液晶テレビ(シャープ社製、LC−13C5−S)の液晶セルを挟んでいる偏光板及び視野角補償フィルムを剥がし、そのかわりに光学積層体を液晶セルに貼り合せて評価用モニターとする。そして、背景を黒表示及び青表示させたときの、正面方向及び上下左右45度からの色ムラと輝度ムラを目視により確認する。加えて、背景を黒表示にして白色文字を表示させて、正面から視線を上下左右へ移動させた際に文字が見えなくなる角度を測定する。
(製造例1)熱可塑性ノルボルネン系樹脂1の製造
窒素雰囲気下、脱水したシクロヘキサン500部に、1−ヘキセン0.82部、ジブチルエーテル0.15部およびトリイソブチルアルミニウム0.30部を室温で反応器に入れて混合した後、45℃に保ちながら、トリシクロ〔4.3.0.12,5〕デカ−3,7−ジエン(以下、DCPと略記)40部、7,8−ベンゾトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン(以下、MTFと略記)100部およびテトラシクロ〔4.4.0,12,5.17,10〕ドデカ−3−エン(以下、TCDと略記)60部からなるノルボルネン系モノマー混合物と、六塩化タングステン(0.7%トルエン溶液)40部とを、2時間かけて連続的に添加し重合した。この重合溶液に、ブチルグリシジルエーテル1.06部およびイソプロピルアルコール0.52部を加えて、重合触媒を不活性化し、重合反応を停止した。
次いで、得られた開環重合体を含有する反応溶液100部に対して、シクロヘキサン270部を加え、さらに水素化触媒としてニッケル−アルミナ触媒(日揮化学社製)5部を加えて、水素により5MPaに加圧して撹拌しながら、220℃まで昇温した後、4時間反応させて、DCP/MTF/TCD開環重合体水素化ポリマーを20%含有する反応溶液を得た。
この反応溶液を濾過して水素化触媒を除去した後、酸化防止剤(チバスペシャリティ・ケミカルズ化学社製、イルガノックス1010)を、得られた溶液に添加して溶解させた(重合100部体当たり0.1部)。次いで、円筒型濃縮乾燥器((株)日立製作所製)を用いて、温度270℃、圧力1kPa以下で、溶液から溶媒であるシクロヘキサンおよびその他の揮発性成分を除去しつつ、前記開環重合体水素化ポリマーを溶融状態で押出機からストランド状に押し出し、冷却後、ペレット化して回収した。
重合体中の各ノルボルネン系モノマーの共重合比率を、重合後の溶液中の残留ノルボルネン類組成(ガスクロマトグラフィー法による)から計算したところ、DCP/MTF/TCD=20/50/30で、ほぼ仕込み組成に等しかった。また、この開環重合体水素添加物(熱可塑性ノルボルネン系樹脂1)の重量平均分子量(Mw)は35,000、水素添加率は99.9%、ガラス転移温度(Tg)は136℃であった。
(製造例2)熱可塑性ノルボルネン系樹脂2の製造
窒素雰囲気下、脱水したトルエン600部と、1−ヘキセン30部と、8−メチルカルボキシメチルテトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕ドデカ−3−エン 200部とを室温で反応器に入れて混合した後、この溶液を60℃に加熱した。次いで、反応器内の溶液に、重合触媒としてトリエチルアルミニウム(1.5モル/l)のトルエン溶液0.5部と、t−ブタノールおよびメタノールで変性した六塩化タングステン(t−ブタノール:メタノール:タングステン=0.35モル:0.3モル:1モル)のトルエン溶液(濃度0.05モル/L)3.0部を添加し、この系を80℃で3時間、加熱撹拌して重合した。
次いで、得られた開環重合体を含有する反応溶液400部に対して、水素化触媒としてRuHCl(CO)〔P(C〕3.0部を加え、8−メチル−8−カルボキシメチルテトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−3−ドデセン開環重合体水素化ポリマーを24%含有する反応溶液を得た。
得られた溶液に、酸化防止剤(チバスペシャリティ・ケミカルズ化学社製、イルガノックス1010)を、重合体100部当たり0.3部添加して溶解させた。次いで、円筒型濃縮乾燥器((株)日立製作所製)を用いて、温度295℃、圧力1kPa以下で、溶液から溶媒であるトルエンおよびその他の揮発成分を除去しつつ、前記開環重合体水素化ポリマーを溶融状態で押出機からストランド状に押し出し、冷却後、ペレット化して回収した。この開環重合体水素添加物(熱可塑性ノルボルネン系樹脂2)の重量平均分子量(Mw)は72,000、水素添加率は99.9%、ガラス転移温度(Tg)は167℃であった。
(製造例3)原反フィルム1の製造
製造例1で得られた熱可塑性ノルボルネン系樹脂1のペレットを、空気を流通させた熱風乾燥器を用いて70℃で2時間乾燥して水分を除去した後、リーフディスク形状のポリマーフィルター(濾過精度30μm)を設置した65mmφのスクリューを備えた樹脂溶融混練機を有するTダイ(Tダイの幅350mm、ダイスリップ部材質が炭化タングステンで#1000番のダイヤモンド砥石で研磨したもので、内面に平均高さRa=0.05μmのクロムメッキを施したもの)式フィルム溶融押出成形機を使用して、押出成形機の温度260℃、ダイス温度260℃で押出し、押出されたシート状の熱可塑性ノルボルネン系樹脂を3本の冷却ドラム(直径300mm、ドラム温度100℃、引き取り速度0.35m/s)に通して冷却し、厚さ200μm、幅300mmの原反フィルム1を得た。得られた原反フィルム1の揮発性成分量は0.01重量%、飽和吸水率は0.01重量%であった。また、厚さ変動は、幅方向で前記厚さの±1.2%であり、長手方向では±1.1%であった。また、フィルムの長手方向に一直線に走るダイラインの深さ及び高さは最大で30nm、その幅が最小で1300nmであった。
(製造例4)原反フィルム2の製造
T型ダイスとして、ダイスリップの内面に平均高さRa=0.23μmのクロムメッキを施した、幅350mmのものを使用した他は製造例2と同様にして、原反フィルム2を得た。得られた原反フィルム2の揮発性成分量は0.01重量%、飽和吸水率は0.01重量%であった。また、厚さ変動は、幅方向で前記厚さの±1.4%であり、長手方向では±1.5%であった。また、フィルムの長手方向に一直線に走るダイラインの深さ及び高さは最大で80nm、その幅が最小で850nmであった。
(製造例5)原反フィルム3の製造
製造例2で得た熱可塑性ノルボルネン系樹脂2のペレットを、塩化メチレンに溶解して固形分濃度が30%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液をステンレス製の無端ベルト上に流延した。当該無端ベルト上のフィルムを40℃にて40分間かけて第1段の乾燥工程を通し、当該無端ベルトからフィルムを剥離し、続いて100℃にて180分間かけて第2段階の乾燥工程を通し、さらに120℃の雰囲気で、120分間かけて第3段階の乾燥工程を通して、厚さ100μm、幅300mm原反フィルム3を得た。得られた原反フィルム3の揮発性成分の含有量は1.2重量%、飽和吸水率は0.2重量%であった。また、厚さ変動は、幅方向で前記厚さの±0.9%、長手方向で±1.2%であった。また、フィルムの長手方向に一直線に走るダイラインの深さ及び高さは最大で40nm、その幅が最小で1400nmであった。
製造例3で得られた原反フィルム1を同軸二軸延伸機を使用して、オーブン温度(予熱温度、延伸温度、熱固定温度)136℃、フィルム繰り出し速度1m/分、チャックの移動精度±1%以内、縦延伸倍率1.41倍、横延伸倍率1.41倍で同時二軸延伸を行い、両端部分60mmを切り取って、厚さ99μm、幅350mmの延伸フィルム1(以下、「光学補償フィルム1」と記す。)を得た。
光学補償フィルム1のRe、Rth、光軸及びそれぞれのばらつきを測定した。結果を表1に示す。
実施例1で得られた光学補償フィルム1の両面に偏光板(サンリッツ社製、HLC2−5618S、厚さ180μm)を設置した。設置した角度は光学補償フィルム1の遅相軸に対する偏光板の吸収軸が45度になるようにし、2枚の偏光板はクロスニコルになるようにした。これらをラミネーター(GMP社製、Excelam−355Q)を用いてロール温度30℃、貼り合せ速度20mm/秒で貼り合せて、光学積層体1を作製した。この積層体を平面ランプ(群馬ウシオ電機社製、FP−305)上にのせ、暗室内で目視により輝度のバラツキを判定した。その結果、正面及び上下左右45度のいずれの方向からも輝度のばらつきは見られなかった。
また、この光学積層体の表示性能を評価した。その結果、液晶テレビ全面において、均一な色、輝度をしており良好な表示性能を有していた。また、背景を黒表示にしたときの白色文字が見えなくなる角度は、上下左右とも75度であった。
光学補償フィルム1の遅相軸に対して1枚の偏光板の吸収軸との角度を90度、もう1枚の偏光板の吸収軸とは0度とし、2枚の偏光板はクロスニコルとなるように貼り合せた他は、実施例2と同様に貼り合せを行い、光学積層体2を作製した。この積層体についても実施例2と同様の方法で輝度のバラツキを確認したが、正面及び上下左右45度のいずれの方向からも輝度のばらつきは見られなかった。
また、表示性能を評価したところ、液晶テレビ全面において、均一な色、輝度をしており良好な表示性能を有していた。また、背景を黒表示にしたときの白色文字が見えなくなる角度は、上下左右とも75度であった。
以下に比較例を記載して、本発明との違いを説明する。
(比較例1)
製造例4で得られた原反フィルム2を用いる他は、実施例1と同様にして光学補償フィルム2を得た。
光学補償フィルム2のRe、Rth、光軸及びそれぞれのばらつきを測定した。結果を表1に示す。
(比較例2)
比較例1で得られた光学補償フィルム2を用いる他は、実施例2と同様にして光学積層体3を作製した。この積層体を実施例2と同様にして、輝度のばらつき及び表示性能を評価した。
輝度のばらつきを評価した結果、正面及び上下左右45度から観察したときに縞模様が観察された。
また、表示性能を評価した結果、液晶テレビ全面において、縞模様に起因する色むらや輝度むらが見られた。また、背景を黒表示にしたときの白色文字が見えなくなる角度は、上下左右とも75度であった。
(比較例3)
比較例1で得られた光学補償フィルム2を用いる他は、実施例3と同様にして光学積層体4を作製した。この積層体を実施例2と同様にして、輝度のばらつき及び表示性能を評価した。
輝度のばらつきを評価した結果、正面及び上下左右45度から観察したときに縞模様が観察された。
また、表示性能を評価した結果、液晶テレビ全面において、縞模様に起因する色むらや輝度むらが見られた。また、黒表示における白色文字が見えなくなる角度は、上下左右とも75度であった。
(比較例4)
製造例5で得られた原反フィルム3を用いて、オーブン温度を160℃とした他は、実施例1と同様にして、厚さ50μm、幅350mmの光学補償フィルム3を得た。
光学補償フィルム3のRe、Rth、光軸及びそれぞれのばらつきを測定した。結果を表1に示す。
(比較例5)
比較例4で得られた光学補償フィルム3を用いた他は、実施例2と同様にして、貼り合せを行い、光学積層体5を作製した。また、この積層体を実施例2と同様にして輝度のばらつきを確認した。その結果、正面から観察したときは部分的に輝度の低いところが確認できた。また、上下左右45度から観察したときには、正面から観察したときに輝度の低かった場所がさらに輝度が低く見られた。
さらに、この光学積層体5の表示性能を評価した。その結果、正面から観察したときには黒表示、青表示ともに輝度ムラが観察された。また、上下左右45度から観察したときには、黒表示では輝度ムラが正面から観察したときよりも大きくなり、青表示の時には部分的に黄色に着色する色ムラが観察された。また、背景を黒表示にしたときの白色文字が見えなくなる角度は、上下15度、左右20度であった。
(比較例6)
比較例4で得られた光学補償フィルム3を用いた他は、実施例3と同様にして、貼り合せを行い、光学積層体6を作製した。積層体の厚さは499μmであった。また、この積層体を実施例2と同様にして輝度のばらつきを確認した。その結果、正面から観察したときは部分的に輝度の低いところが確認でき、上下左右45度から観察したときには、正面から観察したときに輝度の低かった場所がさらに輝度が低く見られた。
また、この光学積層体6の表示性能を評価した。その結果、正面から観察したときには黒表示、青表示ともに輝度ムラが観察された。また、上下左右45度から観察したときには、黒表示では輝度ムラが正面から観察したときよりも大きくなり、青表示の時には部分的に黄色に着色する色ムラが観察された。また、背景を黒表示にしたときの白色文字が見えなくなる角度は、上下15度、左右20度であった。
Figure 0004337454
本実施例及び比較例の結果から以下のことがわかる。本発明によれば、本発明の光学補償フィルムは、実施例に示すように熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなり、揮発性成分量が0.01重量%で、かつ飽和吸水率が0.01重量%であり、フィルムの長手方向に一直線に走るダイラインの深さ及び高さが最大で30nm、並びにその幅が最小で1300nmの原反フィルムを、縦方向と横方向共に延伸倍率1.3倍以上で同時二軸延伸してなり、前記フィルムの面内のレターデーション値Reが10nmで、及び前記フィルムの厚さ方向のレターデーション値Rthが300nmである(実施例1)。そのため、この光学補償フィルムと偏光板との光学積層体は、正面及び上下左右45度のいずれの方向から見ても輝度のばらつきがない(実施例2)。そして、この光学積層体を液晶テレビに用いると、テレビ全面において、均一な色及び輝度を示しており、良好な表示性能を有している。さらに、光学補償フィルムと偏光板との貼り合せ方向を変えても、輝度のばらつきがなく、良好な表示性能を有している(実施例3)。
一方、比較例における光学補償フィルム2は、熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなり、揮発性成分量が0.01重量%で、かつ飽和吸水率が0.01重量%であり、フィルムの長手方向に一直線に走るダイラインの深さ及び高さが最大で80nm、並びにその幅が最小で850nmの原反フィルムを、縦方向と横方向共に延伸倍率1.3倍以上で同時二軸延伸してなり、Reが12nm、Rthが300nmである(比較例1)。しかしながら、ReやRthのばらつき、特に幅方向のReやRthのばらつきが大きくなっている。そのため、この光学補償フィルムと偏光板との光学積層体は、正面及び上下左右45度から観察したときに縞模様が見られた(比較例2)。そして、この光学積層体を液晶テレビに用いると、液晶テレビ全面において、縞模様に起因する色むらや輝度むらが見られた(比較例3)。
また、比較例における光学補償フィルム3は、熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなり、揮発性成分量が1.2重量%で、かつ飽和吸水率が0.2重量%であり、フィルムの長手方向に一直線に走るダイラインの深さ及び高さが最大で40nm、幅が最小で1400nmの原反フィルムを、縦方向と横方向共に延伸倍率1.3倍以上で二軸延伸してなり、Reが11nm、Rthが110nmである(比較例4)。加えて、光軸が45°と小さく、そのばらつきも大きい。そのため、この光学補償フィルムと偏光板との光学積層体は、正面から観察したときは部分的に輝度の低いところが確認できた。また、上下左右45度から観察したときには、正面から観察したときに輝度の低かった場所がさらに輝度が低く見られる(比較例5)。そして、この光学積層体を液晶テレビに用いると、正面から観察したときには黒表示、青表示ともに輝度ムラが観察された。また、上下左右45度から観察したときには、黒表示では輝度ムラが正面から観察したときよりも大きくなり、青表示の時には部分的に黄色に着色する色ムラが観察される。さらに、光学補償フィルムと偏光板との貼り合せ方向を変えても正面から観察したときは部分的に輝度の低いところが確認できた。また、上下左右45度から観察したときには、正面から観察したときに輝度の低かった場所がさらに輝度が低く見られる(比較例6)。
本発明の原反フィルムのダイラインの拡大部である。
符号の説明
1:フィルムのダイライン
2:ベースライン
3:谷
4:山
5:深さ
6:高さ

Claims (8)

  1. 熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなり、揮発性成分量が0.01重量%以下で、かつ飽和吸水率が0.01重量%以下であり、長手方向に一直線に走るダイラインの深さ及び高さが50nm未満で、並びに前記ダイラインの幅が最小でも500nmであり、溶融押出法により形成された原反フィルムを、縦方向と横方向共に延伸倍率1.3倍以上で二軸延伸してなる、以下の[1]〜[2]を満たす光学補償フィルム。
    [1]0≦Re≦200
    [2]100≦Rth≦500
    (ここで、Reは光学補償フィルムの面内のレターデーション値を意味し、Rthは光学補償フィルムの厚さ方向のレターデーション値を意味する。前記Re及びRthは、それぞれRe=(Nx−Ny)×d[nm]、Rth=(Nx−Nz)×d[nm]である。また、dは光学補償フィルムの厚さ、Nx、Nyは光学補償フィルム面内の主屈折率、Nzは厚さ方向の主屈折率であり、Nx>Nyである。)
  2. 二軸延伸が縦方向と横方向に同時に二軸延伸する方法である請求項1記載の光学補償フィルム。
  3. フィルムの面内のレターデーション値(Re)のばらつきが、フィルムの幅方向及び長手方向において、±10nm以内である請求項1又は2記載の光学補償フィルム。
  4. フィルムの厚み方向のレターデーション値(Rth)のばらつきが、フィルムの幅方向及び長手方向において、±20nm以内である請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学補償フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学補償フィルムと偏光板との積層体からなる光学積層体。
  6. 請求項5に記載の光学積層体を液晶セルの少なくとも片側に備えた液晶表示装置。
  7. 液晶セルが、VA(Vertical Alignment)型の液晶セルである請求項6記載の液晶表示装置。
  8. 内面の平均粗さRaが0.05〜0.2μmのダイスを用いて原反フィルムを溶融押出成形することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学補償フィルムの製造方法。
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