JP4333473B2 - 金属錯体含有フルオレン化合物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、この有機EL素子を構成する機能性有機材料は低分子量のものであることから、物理的耐久性および熱的耐久性が小さい、という問題がある。
本発明の他の目的は、以上のような新規な金属錯体含有フルオレン化合物の製造方法を提供することにある。
下記一般式(4)で示されるフェニルピリジン化合物と、下記一般式(5)で示されるジフェニル化合物とを反応させて中間反応生成物(1)を得、
この中間反応生成物(1)と、下記一般式(6)で示される金属錯体化合物とを反応させることを特徴とする。
下記一般式(7)で示されるフェニルピリジン誘導体と、下記一般式(8)で示されるフルオレン誘導体とを反応させて中間反応生成物(2−1)を得、
この中間反応生成物(2−1)と、ハロゲンとを反応させて中間反応生成物(2−2)を得、
この中間反応生成物(2−2)と、上記一般式(6)で示される金属錯体化合物とを反応させることを特徴とする。
ボロン酸エステル基およびボラン基よりなる群から選ばれた反応性のホウ素誘導体官能基を示し、上記一般式(7)におけるX4 と互いに異なるものである。R1 およびR2 は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基およびフェニル基よりなる群から選ばれた1価の有機基を示し、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。R12およびR13は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基およびフェニル基よりなる群から選ばれた1価の有機基を示し、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。n1は0〜3の整数であり、n2は0〜3の整数であり、q1は0〜4の整数であり、q2は0〜4の整数である。
上記一般式(4)で示されるフェニルピリジン化合物と、下記一般式(9)で示されるフルオレノン化合物とを反応させて中間反応生成物(3−1)を得、
この中間反応生成物(3−1)と、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基およびフェニル基よりなる群から選ばれた1価の有機基よりなる置換基を1〜5個有するベンゼンとを反応させて中間反応生成物(3−2)を得、
この中間反応生成物(3−2)と、上記一般式(6)で示される金属錯体化合物とを反応させることを特徴とする。
下記一般式(10)で示されるフェノールピリジン化合物と、その主鎖の両端にハロゲン原子を有する、炭素原子数1〜8のアルキレン基および1〜3環の2価の芳香族基よりなる群から選ばれた有機基のジハロゲン化物とを反応させて中間反応生成物(4−1)を得、
この中間反応生成物(4−1)と、下記一般式(11)で示されるフルオレン化合物と
を反応させて中間反応生成物(4−2)を得、
この中間反応生成物(4−2)と、下記一般式(6)で示される金属錯体化合物とを反応させることを特徴とする。
下記一般式(12)で示されるヒドロキシピリジン誘導体と、その主鎖の両端にハロゲン原子を有する、炭素原子数1〜8のアルキレン基および1〜3環の2価の芳香族基よりなる群から選ばれた有機基のジハロゲン化物とを反応させて中間反応生成物(5−1)を得、 この中間反応生成物(5−1)と、下記一般式(13)で示されるベンゼン誘導体とを反応させて中間反応生成物(5−2)を得、
この中間反応生成物(5−2)と、上記一般式(11)で示されるフルオレン化合物とを反応させて中間反応生成物(5−3)を得、
この中間反応生成物(5−3)と、上記一般式(6)で示される金属錯体化合物とを反応させることを特徴とする。
<金属錯体含有フルオレン化合物>
本発明の金属錯体含有フルオレン化合物は、上記一般式(1)で示される構造を有する化合物である。
ここで、上記一般式(1)において、X1 およびX2 は、それぞれ位置番号2および7の炭素原子に結合されていることが好ましい。
ここで、R7 およびR8 が、各々、ベンゼン環またはピリジン環を形成する炭素原子の複数に結合して多環構造が形成されていてもよい。
アリール基の具体例としては、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基などを挙げることができる。
ここで、m1、m2、m3およびm4のいずれか一つが0であるときは、置換基がなくて水素原子が結合していることを意味する。
また、Lは有機配位子である。この有機配位子は、上記Mである金属原子に対して配位性を有する有機化合物によって形成されてなるものである。有機配位子の数wは1〜3の整数であり、用いられている金属原子の原子価および当該金属原子による中性錯体の安定配位数などを考慮して選択される。
ここに、「オルトメタル化錯体」とは、例えば山本明夫著「有機金属化学−基礎と応用−」150頁、232頁、裳華房社(1982年発行)や、H. Yersin著「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」71〜77頁、135〜146頁、Springer−Verlag社(1987年発行)等に記載されている化合物群の総称である。
<第1の製造方法>
第1の金属錯体含有フルオレン化合物の製造方法は、例えば上記構造式(1)で示される構造を有する金属錯体含有フルオレン化合物を得ることができるものである。
反応工程(1−1)に用いられる特定のフェニルピリジン化合物を示す一般式(4)において、X3 は、例えば臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子であって、好ましくは臭素原子を挙げることができる。
具体的には、前反応処理は、特定のフェニルピリジン化合物をリチオ化試剤の存在下において処理することによって、X3 である臭素原子がリチウム原子に置換されたものと、特定のジフェニル化合物との反応を行うものである。
反応工程(1−2)に用いられる特定の金属錯体化合物を示す一般式(6)において、R11は、2個の配位原子を有すると共に、当該配位原子によって中心金属である金属に結合する、二座の特定の反応性キレート配位子を示す。特定の反応性キレート配位子としては、具体的には、アセチルアセトナト配位子、反応性の置換基を有するフェニルピリジン配位子などが好ましく用いられる。
また、反応時間は、10〜50時間、好ましくは15〜30時間とされる。
第2の金属錯体含有フルオレン化合物の製造方法は、例えば上記構造式(2)で示される構造を有する金属錯体含有フルオレン化合物を得ることができるものである。
反応工程(2−1)に用いられる特定のフェニルピリジン誘導体を示す一般式(7)において、X4 は、反応性のハロゲン性官能基、若しくはホウ素誘導体官能基を示し、上記一般式(8)におけるX5 と互いに異なるものである。
ボロン酸エステル基としては、式−B(OR20)(OR21)で表される基、または式−B(OR22O)で表される基が好ましい。
ボラン基としては、式−BR23R24で表される基が好ましい。
R21は、水素原子または炭素数が1〜6のアルキル基であり、置換されていてもいなくてもよい。
R22は、式中の(OR22O)が5員環または6員環のエステル環となるような2価の炭化水素基であり、具体的には、炭素数が2または3のアルキレン基、オルトフェニレン基またはメタフェニレン基であることが好ましい。なお、これらアルキレン基およびフェニレン基は置換されていてもいなくてもよい。
ハロゲン性官能基の具体例としては、上記X4 として挙げたものと同じものを挙げることができ、特に、−Br基または−I基を好ましく挙げることができる。
また、ホウ素誘導体官能基としては、上記X4 として挙げたものと同じものを挙げることができ、特に、式−B(OR22O)で表される基を好ましく挙げることができる。
これらの中では、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、およびそれらの混合物を用いることが好ましい。
これらの中では、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム等のアルカリ金属ヒドロキシド、炭酸リチウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウム等のアルカリ金属カーボネート、アルカリ金属ハイドロジェンカーボネートを用いることが好ましい。
これらの中では、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh3 )4 )を用いることが好ましい。
また、反応時間は、5〜150時間、好ましくは10〜100時間とされる。
反応工程(2−2)において用いられるハロゲンとしては、例えば臭素、ヨウ素などを挙げることができ、臭素を特に好ましく挙げることができる。
また、反応時間は、5〜30時間、好ましくは10〜20時間とされる。
反応工程(2−3)は、前記反応工程(1−2)と同様に行うことができる。
第3の金属錯体含有フルオレン化合物の製造方法は、例えば上記構造式(3)で示される構造を有する金属錯体含有フルオレン化合物を得ることができるものである。
反応工程(3−1)において用いられる特定のフェニルピリジン化合物の具体例としては、例えば上記一般式(4)において、m1およびm2が共に0であり、X3 が臭素原子であるものを特に好ましく挙げることができる。
反応工程(3−2)において用いられる、1価の有機基よりなる置換基を1〜5個有するベンゼンにおいて、置換基である1価の有機基の具体例としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、フェニル基などを挙げることができ、特にトルエンを好ましく挙げることができる。
反応工程(3−3)は、前記反応工程(1−2)と同様に行うことができる。
第4の金属錯体含有フルオレン化合物の製造方法は、例えば上記構造式(4)で示される構造を有する金属錯体含有フルオレン化合物を得ることができるものである。
反応工程(4−1)において用いられる特定のフェノールピリジン化合物としては、例えば上記一般式(10)において、m1およびm2が共に0であるものを特に好ましく挙げることができる。
このような特定のジハロゲン化物としては、例えばジブロモブタンを特に好ましく挙げることができる。
以上において、炭酸カリウムを好ましく用いることができる。
このような塩基化合物は、例えば1〜10mol、好ましくは3〜7molの範囲で用いられる。
また、反応時間は、5〜30時間、好ましくは10〜20時間とされる。
反応工程(4−2)において用いられる特定のフルオレン化合物としては、例えば上記一般式(11)において、X1 およびX2 が、それぞれ、フルオレン骨格における位置番号2および位置番号7の炭素原子に結合する臭素原子であると共に、n1およびn2が共に0であるものを特に好ましく挙げることができる。
反応工程(4−3)は、前記反応工程(1−2)と同様に行うことができる。
第5の金属錯体含有フルオレン化合物の製造方法は、例えば上記構造式(5)で示される構造を有する金属錯体含有フルオレン化合物を得ることができるものである。
反応工程(5−1)において用いられる特定のヒドロキシピリジン誘導体を示す一般式(12)において、X6 は、反応性のハロゲン性官能基、若しくはホウ素誘導体官能基を示し、上記一般式(13)におけるX7 と互いに異なるものである。
また、ホウ素誘導体官能基としては、上記反応工程(2−1)で用いられる特定のフェニルピリジン誘導体におけるX4 として挙げたものと同じものを挙げることができ、特に、式−B(OH2 )で表されるボロン酸基を好ましく挙げることができる。
また、反応工程(5−2)において用いられる特定のベンゼン誘導体を示す一般式(13)において、X7 は、反応性のハロゲン性官能基、若しくはホウ素誘導体官能基を示し、上記一般式(12)におけるX6 と互いに異なるものである。
また、ホウ素誘導体官能基としては、上記X6 として挙げたものと同じものを挙げることができ、特に、式−B(OH) 2 で表される基を好ましく挙げることができる。
反応工程(5−3)において用いられる特定のフルオレン化合物としては、例えば上記一般式(11)において、X1 およびX2 が、それぞれ、フルオレン骨格における位置番号2および位置番号7の炭素原子に結合する臭素原子であると共に、n1およびn2が共に0であるものを特に好ましく挙げることができる。
また、反応時間は、5〜70時間、好ましくは10〜50時間とされる。
反応工程(5−4)は、前記反応工程(1−2)と同様に行うことができる。
2- ブロモピリジン24.5g(155mmol) を脱水ジエチルエーテル400mlに溶解した系をアセトン−ドライアイスバスを用いて−78℃に冷却した後、当該系にn−ブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶液) 97mlを滴下し、その後、30分間撹拌した。次いで、トリメトキシボラン32.2g(310mmol)を滴下した後、当該系を、アセトン−ドライアイスバスから外して室温にまで上昇させ、その後、24時間撹拌した。得られた反応溶液を水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、更に、溶媒を減圧蒸留することにより、中間体(1)を得た。
(前反応処理)
得られたブロモフェニルピリジン20g (85.4mmol)をテトラヒドロフラン150mlに溶解した系をアセトン−ドライアイスバスを用いて−78℃に冷却した後、当該系にn−ブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶液) 53.3mlを滴下し、その後、60分間撹拌した。次いで、4, 4’−ジブロモビフェニルカルボキシルエキシドメチルエステル(JACS, 1956, 78, 3196)15.5g(42mmol)をテトラヒドロフラン40mlに溶解した溶液を滴下した後、当該系を、アセトン−ドライアイスバスから外して室温にまで上昇させ、その後、24時間撹拌した。得られた反応溶液を水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、更に、溶媒を減圧蒸留した。
得られた生成物を、硫酸4mlを添加した酢酸200mlと混合し、白色の沈殿物が生成するまで加熱還流した。
得られた沈殿物をフィルターにより濾過し、カラムクロマトグラフィーにより精製することにより、中間反応生成物(1)20gを得た。
中間反応生成物(1)2.0g(3mmol)およびビス(2−フェニルピリジン)イリジウムアセチルアセトナート3.7g(6.2mmol)をグリセリン50mlに溶解した系を200℃に加熱し、3時間撹拌した。その後、室温に冷却した当該系にクロロホルムを添加し、得られたクロロホルム溶液を飽和食塩水で洗浄した。次いで、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧蒸留した。
得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、最終反応生成物(1)2.5gを得た。
1,4−ジブロモベンゼン24.1g(94.3mmol)をテトラヒドロフラン150mlに溶解した系をアセトン−ドライアイスバスを用いて−78℃に冷却した後、当該系にt−ブチルリチウム(1.5Mヘキサン溶液)126mlを滴下し、その後、1時間撹拌した。次いで、メチル2−フェニルベンゾエイト10g(48mmol)をテトラヒドロフラン50mlに溶解した溶液を滴下した後、当該系を、アセトン−ドライアイスバスから外して室温にまで上昇させ、その後、12時間撹拌した。得られた反応溶液を飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、更に、溶媒を減圧蒸留した。得られた生成物を100gのポリりん酸中に添加した系を80℃に加熱し、白色の沈殿物が生成されるまで加熱を続けた。その後、当該系にエーテルを添加して抽出処理し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧蒸留した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製することによりフルオレン誘導体前躯体20gを得た。
フルオレン誘導体2.8g(5mmol)と、実施例1において得られたブロモフェニルピリジン2.6g(11mmol)と、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.2g(0.15mmol)とを、トルエン15mlおよび2NのNa2 CO3 水溶液7.5mlの混合溶剤に添加した系を90℃に加熱し、24時間撹拌した。原料が反応に消費されたのを確認した後、1Nの塩酸を滴下して当該反応を終了した。得られた反応溶液をトルエンで抽出処理し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、更に、溶媒を減圧蒸留した。
得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製することにより中間反応生成物(2−1)2.0gを得た。
中間反応生成物(2−1)2.0g(3.3mmol)および塩化鉄(III)0.05g(0.3mmol)をクロロホルム5mlに溶解した系に、臭素0.4ml(7.2 mmol)を室温にて滴下した。その後、当該系を8時間撹拌し、次いで、チオ硫酸ナトリウム水溶液を滴下した。得られた反応溶液を水で3回洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧蒸留した。
得られた粗生成物を、カラムクロマトグラフィーにより精製することにより中間反応生成物(2−2)2.2gを得た。
中間反応生成物(2−2)2.0g(2.6mmol)およびビス(2−フェニルピリジン)イリジウムアセチルアセトナート3.4g(5.6mmol)をグリセリン50mlに溶解した系を用いたこと以外は実施例1の反応工程(1−2)と同様に反応処理を行うと共に、得られた粗生成物の精製を行うことにより、最終反応生成物(2)1.5gを得た。
実施例1において得られたブロモフェニルピリジン2.3g (10mmol)をテトラヒドロフラン20mlに溶解した系をアセトン−ドライアイスバスを用いて−78℃に冷却した後、当該系にn−ブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶液) 6.8mlを滴下し、その後、60分間撹拌した。次いで、2, 7−ジブロモフルオレノン3.4g(10mmol)をテトラヒドロフラン5mlに溶解した溶液を滴下した後、当該系を、アセトン−ドライアイスバスから外して室温にまで上昇させ、その後、24時間撹拌した。得られた反応溶液にクロロホルムを添加し、得られたクロロホルム溶液を水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、更に、溶媒を減圧蒸留した。
得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、中間反応生成物(3−1)3.6gを得た。
中間反応生成物(3−1)3.5g(7.1mmol)をトルエン50mlに溶解した系に硫酸2mlを添加し、白色の沈殿物が生成するまで加熱還流した。
得られた沈殿物をフィルターにより濾過し、展開溶媒としてクロロホルムを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、中間反応生成物(3−2)2.9gを得た。
中間反応生成物(3−2)3.0g(6.3mmol)およびビス(2−フェニルピリジン)イリジウムアセチルアセトナート3.9g(6.5mmol)をグリセリン65mlに溶解した系を用いたこと以外は実施例1の反応工程(1−2)と同様に反応処理を行うと共に、得られた粗生成物の精製を行うことにより、最終反応生成物(3)2.7gを得た。
ブロモテトラヒドロピラニルオキシベンゼン10g(38.9mmol)をテトラヒドロフラン80mlに溶解した系をアセトン−ドライアイスバスを用いて−78℃に冷却した後、当該系にn−ブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶液) 26mlを滴下し、その後、2時間撹拌した。次いで、トリメトキシボラン5ml(44.6mmol)を滴下した後、当該系を、アセトン−ドライアイスバスから外して室温にまで上昇させ、その後、8時間撹拌した。得られた反応溶液を水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、更に、溶媒を減圧蒸留して中間体(4−1)6.9gを得た。
得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、中間体(4−2)5.1gを得た。
フェノールピリジン3.0g(17.5mmol)と、ヨウ化カリウム0.01gと、炭酸カリウム6.9g(50mmol)とを、ジメチルスルホキシド50mlに溶解した系に、ジブロモブタン19.3gをジメチルスルホキシド30mlに溶解した溶液を滴下し、当該系を50℃に加熱し、12時間撹拌した。その後、得られた反応溶液に水5mlを滴下して反応を終了し、当該反応溶液をクロロホルムによって抽出処理し、得られたクロロホルム溶液を水で3回洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、更に、溶媒を減圧蒸留して中間反応生成物(4−1)3.7gを得た。
中間反応生成物(4−1)3.1g(10mmol)と、2,7−ジブロモフルオレン1.5g(4.5mmol)と、炭酸カリウム10g(72mmol) とを、ジメチルスルホキシド50mlに溶解した系を80℃に加熱し、12時間攪拌した。得られた反応溶液を室温まで冷却し、クロロホルムと水を添加して抽出処理した。更に水、飽和食塩水の順で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧蒸留した。
得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、中間反応生成物(4−2)4.3gを得た。
中間反応生成物(4−2)1.0g(1.3mmol)およびビス(2−フェニルピリジン)イリジウムアセチルアセトナート1.5g (2.6mmol)をグリセリン5mlに溶解した系を用いたこと以外は実施例1の反応工程(1−2)と同様に反応処理を行うと共に、得られた粗生成物の精製を行うことにより、最終反応生成物(4)2.7gを得た。
2−ブロモ−3−ヒドロキシピリジン17.4g(100mmol)と、ヨウ化カリウム0.82g(5mmol)と、炭酸カリウム 41.4g(300mmol)とを、ジメチルスルホキシド200mlに溶解した系に、ジブロモブタン54ml(448mmol)をジメチルスルホキシド100mlに溶解した溶液を滴下し、50℃で24時間撹拌した。原料の消費を確認した後、反応溶液を、クロロホルムと水とを添加することにより抽出処理した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、更に、溶媒を減圧蒸留した。
得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、中間反応生成物(5−1)26.0gを得た。
中間反応生成物(5−1)26g(84mmol)と、フェニルボロン酸15.2g(126mmol)と、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)2.9g(2.51mmol)とを、トルエン100mlおよび2NのNa2 CO3 50mlの混合溶剤に溶解した系を110℃に加熱し、48時間撹拌した。得られた反応溶液を室温まで冷却し、トルエンと水とを添加することにより抽出処理した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧蒸留した。
得られた粗生成物を、展開溶媒としてクロロホルムを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、中間反応生成物(5−2)4.1gを得た。
2,7−ジブロモフルオレン3.2g(10mmol)およびトリエチルベンジルアンモニウムクロリド4.5g(20mmol)をジメチルスルホキシド20mlに溶解した系に50%水酸化ナトリウム10ml水溶液を滴下し、その後、当該系に中間反応生成物(5−2 )4.1g(13mmol)をジメチルスルホキシド20mlに溶解した溶液を滴下し、50℃で24時間撹拌した。得られた反応溶液を室温まで冷却し、クロロホルムと水とを添加することにより抽出処理した。次いで飽和食塩水で洗浄し、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、更に、溶媒を減圧蒸留した。
得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、中間反応生成物(5−3)6.7gを得た。
中間反応生成物(5−3)7.0g(9mmol)およびビス(2−フェニルピリジン)イリジウムアセチルアセトナート12.0 g (20mmol)をグリセリン150mlに溶解した系を用いたこと以外は実施例1の反応工程(1−2)と同様に反応処理を行うと共に、得られた粗生成物の精製を行うことにより、最終反応生成物(5)4.0gを得た。
Claims (6)
- 下記一般式(1)で表される構造を有することを特徴とする金属錯体含有フルオレン化合物。
〔式中、X1 およびX2 は、それぞれ独立にハロゲン性官能基を示し、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。R1 およびR2 は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基およびフェニル基よりなる群から選ばれた1価の有機基を示し、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。R3 およびR4 は、単結合または、炭素原子数1〜8のアルコキシル基から水素原子が1つ失われて形成される2価の基、炭素原子数1〜8のアルキレン基および1〜3環の2価の芳香族基よりなる群から選ばれた2価の有機基を示し、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。R5 およびR6 は、少なくとも一方が下記一般式(2)または一般式(3)に示される金属錯体部位を示すと共に、他方がメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基およびフェニル基よりなる群から選ばれた1価の有機基よりなる置換基を1〜5個有するフェニル基、あるいは下記一般式(2)または一般式(3)に示される金属錯体部位を示し、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。n1は0〜3の整数であり、n2は0〜3の整数である。〕
〔式中、R7 およびR8 は、それぞれ独立にフッ素原子、アルキル基またはアリール基を示し、これらは、環構造を形成していてもよく、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。Mは、2〜4価の金属原子を示し、Lは有機配位子を示す。m1は0〜4の整数であり、m2は0〜3の整数であり、wは1〜3の整数である。〕
〔式中、R7 およびR8 は、それぞれ独立にフッ素原子、アルキル基またはアリール基を示し、これらは、環構造を形成していてもよく、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。Mは、2〜4価の金属原子を示し、Lは有機配位子を示す。m3は0〜3の整数であり、m4は0〜4の整数であり、wは1〜3の整数である。〕 - 請求項1に記載の金属錯体含有フルオレン化合物を製造する方法であって、
下記一般式(4)で示されるフェニルピリジン化合物と、下記一般式(5)で示されるジフェニル化合物とを反応させて中間反応生成物を得、
この中間反応生成物と、下記一般式(6)で示される金属錯体化合物とを反応させることを特徴とする金属錯体含有フルオレン化合物の製造方法。
〔式中、X3 は、ハロゲン原子を示す。R7 およびR8 は、それぞれ独立にフッ素原子、アルキル基またはアリール基を示し、これらは、環構造を形成していてもよく、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。m1は0〜4の整数であり、m2は0〜3の整数である。〕
〔式中、X1 およびX2 は、それぞれ独立にハロゲン性官能基を示し、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。R1 およびR2 は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基およびフェニル基よりなる群から選ばれた1価の有機基を示し、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。RLVはメチル基を示す。n1は0〜3の整数であり、n2は0〜3の整数である。〕
〔式中、R11は、2個の配位原子を有する二座のキレート配位子を示し、Mは、2〜4価の金属原子を示し、Lは有機配位子を示す。wは1〜3の整数である。〕 - 請求項1に記載の金属錯体含有フルオレン化合物を製造する方法であって、
下記一般式(7)で示されるフェニルピリジン誘導体と、下記一般式(8)で示されるフルオレン誘導体とを反応させて中間反応生成物(1)を得、
この中間反応生成物(1)と、ハロゲンとを反応させて中間反応生成物(2)を得、
この中間反応生成物(2)と、下記一般式(6)で示される金属錯体化合物とを反応させることを特徴とする金属錯体含有フルオレン化合物の製造方法。
〔式中、R7 およびR8 は、それぞれ独立にフッ素原子、アルキル基またはアリール基を示し、これらは、環構造を形成していてもよく、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。X4 は、反応性のハロゲン性官能基、若しくは、ボロン酸基、ボロン酸エステル基およびボラン基よりなる群から選ばれた反応性のホウ素誘導体官能基を示す。m1は0〜4の整数であり、m2は0〜3の整数である。〕
〔式中、X5 は、反応性のハロゲン性官能基、若しくは、ボロン酸基、ボロン酸エステル基およびボラン基よりなる群から選ばれた反応性のホウ素誘導体官能基を示し、上記一般式(7)におけるX4 と互いに異なるものである。R1 およびR2 は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基およびフェニル基よりなる群から選ばれた1価の有機基を示し、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。R12およびR13は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基およびフェニル基よりなる群から選ばれた1価の有機基を示し、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。n1は0〜3の整数であり、n2は0〜3の整数であり、q1は0〜4の整数であり、q2は0〜4の整数である。〕
〔式中、R11は、2個の配位原子を有する二座のキレート配位子を示し、Mは、2〜4価の金属原子を示し、Lは有機配位子を示す。wは1〜3の整数である。〕 - 請求項1に記載の金属錯体含有フルオレン化合物を製造する方法であって、
下記一般式(4)で示されるフェニルピリジン化合物と、下記一般式(9)で示されるフルオレノン化合物とを反応させて中間反応生成物(1)を得、
この中間反応生成物(1)と、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基およびフェニル基よりなる群から選ばれた1価の有機基よりなる置換基を1〜5個有するベンゼンとを反応させて中間反応生成物(2)を得、
この中間反応生成物(2)と、下記一般式(6)で示される金属錯体化合物とを反応させることを特徴とする金属錯体含有フルオレン化合物の製造方法。
〔式中、X3 は、ハロゲン原子を示す。R7 およびR8 は、それぞれ独立にフッ素原子、アルキル基またはアリール基を示し、これらは、環構造を形成していてもよく、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。m1は0〜4の整数であり、m2は0〜3の整数である。〕
〔式中、X1 およびX2 は、それぞれ独立にハロゲン性官能基を示し、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。R1 およびR2 は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基およびフェニル基よりなる群から選ばれた1価の有機基を示し、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。n1は0〜3の整数であり、n2は0〜3の整数である。〕
〔式中、R11は、2個の配位原子を有する二座のキレート配位子を示し、Mは、2〜4価
の金属原子を示し、Lは有機配位子を示す。wは1〜3の整数である。〕 - 請求項1に記載の金属錯体含有フルオレン化合物を製造する方法であって、
下記一般式(10)で示されるフェノールピリジン化合物と、その主鎖の両端にハロゲン原子を有する、炭素原子数1〜8のアルキレン基および1〜3環の2価の芳香族基よりなる群から選ばれた有機基のジハロゲン化物とを反応させて中間反応生成物(1)を得、
この中間反応生成物(1)と、下記一般式(11)で示されるフルオレン化合物とを反応させて中間反応生成物(2)を得、
この中間反応生成物(2)と、下記一般式(6)で示される金属錯体化合物とを反応させることを特徴とする金属錯体含有フルオレン化合物の製造方法。
〔式中、R7 およびR8 は、それぞれ独立にフッ素原子、アルキル基またはアリール基を示し、これらは、環構造を形成していてもよく、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。m1は0〜4の整数であり、m2は0〜3の整数である。〕
〔式中、X1 およびX2 は、それぞれ独立にハロゲン性官能基を示し、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。R1 およびR2 は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基およびフェニル基よりなる群から選ばれた1価の有機基を示し、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。n1は0〜3の整数であり、n2は0〜3の整数である。〕
〔式中、R11は、2個の配位原子を有する二座のキレート配位子を示し、Mは、2〜4価の金属原子を示し、Lは有機配位子を示す。wは1〜3の整数である。〕 - 請求項1に記載の金属錯体含有フルオレン化合物を製造する方法であって、
下記一般式(12)で示されるヒドロキシピリジン誘導体と、その主鎖の両端にハロゲン原子を有する、炭素原子数1〜8のアルキレン基および1〜3環の2価の芳香族基よりなる群から選ばれた有機基のジハロゲン化物とを反応させて中間反応生成物(1)を得、
この中間反応生成物(1)と、下記一般式(13)で示されるベンゼン誘導体とを反応させて中間反応生成物(2)を得、
この中間反応生成物(2)と、下記一般式(11)で示されるフルオレン化合物とを反応させて中間反応生成物(3)を得、
この中間反応生成物(3)と、下記一般式(6)で示される金属錯体化合物とを反応させることを特徴とする金属錯体含有フルオレン化合物の製造方法。
〔式中、R7 は、フッ素原子、アルキル基またはアリール基を示し、環構造を形成していてもよい。X6 は、反応性のハロゲン性官能基、若しくは、ボロン酸基、ボロン酸エステル基およびボラン基よりなる群から選ばれた反応性のホウ素誘導体官能基を示す。m3は0〜3の整数である。〕
〔式中、R8 は、フッ素原子、アルキル基またはアリール基を示し、環構造を形成していてもよい。X7 は、反応性のハロゲン性官能基、若しくは、ボロン酸基、ボロン酸エステル基およびボラン基よりなる群から選ばれた反応性のホウ素誘導体官能基を示し、上記一般式(12)におけるX6 と互いに異なるものである。m4は0〜4の整数である。〕
〔式中、X1 およびX2 は、それぞれ独立にハロゲン性官能基を示し、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。R1 およびR2 は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基およびフェニル基よりなる群から選ばれた1価の有機基を示し、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。n1は0〜3の整数であり、n2は0〜3の整数である。〕
〔式中、R11は、2個の配位原子を有する二座のキレート配位子を示し、Mは、2〜4価の金属原子を示し、Lは有機配位子を示す。wは1〜3の整数である。〕
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