JP4329921B2 - 検査用ガスの混合装置および混合方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、気体や液体を収容したり移送したりする際に使用される容器や配管等のワークの漏れ検査に使用される検査用ガスの混合装置および混合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、気体や液体を収容したり移送したりする際に使用される容器や配管等の中には気密性を要求されるものがあり、このような容器や配管に生じる漏れをチェックするためにトレースガス(検査用ガス)を用いた漏れ検査が行われている。このようなトレースガスとしては、種々のガスが使用可能であるが、無害であることと、検出分解能が優れていることから、一般的にはヘリウムガスが用いられている。そして、検査の際には、このヘリウムガスを、空気や窒素ガスと混合して希釈した検査用ガスが使用されている。
【0003】
この場合、検査用ガスは、図2に示すような、混合タンク20内に収容されて、適宜、配送管21を介して検査装置(図示せず)に供給される。また、混合タンク20には、ヘリウムガスが供給される配送管22、空気が供給される配送管23および混合タンク20内の圧力を測定する圧力計24が接続されている。配送管22,23には、それぞれ開閉バルブ22a,23aが設けられており、この開閉バルブ22a,23aを開閉操作することにより、ヘリウムガスおよび空気を混合タンク20に供給したり、その供給を停止したりすることができる。
【0004】
また、圧力計24はシーケンサ25に接続され、シーケンサ25は配送管22の開閉バルブ22aに接続されている。そして、検査用ガスが使用によって減少し、圧力計24が測定する混合タンク20内の圧力が低下すると、シーケンサ25の制御によって開閉バルブ22aが開けられ、混合タンク20内にヘリウムガスが供給される。また、この際、開閉バルブ23aも開けられて補充されたヘリウムガス量に応じた量の空気が供給され、この空気とヘリウムガスは混合タンク20内で混合して設定された濃度の検査用ガスになる。この場合、検査用ガスは、一定の濃度になるように設定され、供給されるヘリウムガスと空気は、一定の割合になるよう圧力計24の値によってコントロールされながら供給される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記装置を用いた検査用ガスの混合方法では、ヘリウムガスおよび空気の供給量を、混合タンク20の内圧で管理するようになっているため、例えば、空気との混合によるヘリウムガスの希釈度を大きくして、ヘリウムガスを低濃度に設定する場合や、一回の検査での検査用ガスの使用量が少ない場合等、混合タンク20に供給するヘリウム量が微量の場合、供給量の制御が難しく、検査用ガスの濃度が一定しないという問題がある。また、設定された濃度にヘリウムガスを希釈する精度が圧力計24の分解能や応答性によるところが大きく、一定の濃度の検査用ガスを常時混合するという再現性に不確実さが生じるという問題もある。
【0006】
【発明の概要】
本発明は、上記した問題に対処するためになされたもので、その目的は、検査用ガスを精度よく設定濃度にすることができ、また、その検査用ガスを補充する際もその濃度を一定の濃度に維持したり、異なる設定濃度にしたりすることのできる検査用ガスの混合装置および混合方法を提供することである。
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明に係る検査用ガスの混合装置の特徴は、検査用高濃度ガスと希釈用ガスを混合してなる検査用ガスを収容するタンクと、タンクに検査用高濃度ガスを供給する検査用高濃度ガス供給手段と、タンクに希釈用ガスを供給する希釈用ガス供給手段と、タンク内の圧力を測定する圧力計と、検査用高濃度ガス供給手段からタンクに供給される検査用高濃度ガス量を測定する検査用高濃度ガス流量計と、希釈用ガス供給手段からタンクに供給される希釈用ガス量を測定する希釈用ガス流量計と、圧力計の測定結果に応じて、検査用高濃度ガス供給手段および希釈用ガス供給手段からタンクに供給される検査用高濃度ガスおよび希釈用ガスの量を制御する制御手段とを備えた検査用ガスの混合装置において、制御手段が、圧力計の測定結果から検査用ガスの残存量を算出し、検査用高濃度ガス流量計の測定結果から検査用高濃度ガス供給手段からタンクに供給された検査用高濃度ガス量の積算値を算出するとともに、希釈用ガス流量計の測定結果から希釈用ガス供給手段からタンクに供給された希釈用ガス量の積算値を算出し、これらの算出値から供給すべき検査用高濃度ガス量と希釈用ガス量とを算出して検査用高濃度ガス供給手段および希釈用ガス供給手段からタンクに算出した量の検査用高濃度ガスおよび希釈用ガスを供給することにある。
【0008】
前記のように構成した本発明の特徴によれば、検査用高濃度ガス供給手段からタンクに供給される検査用高濃度ガス量を測定する検査用高濃度ガス流量計を、検査用高濃度ガス供給手段と制御手段に接続した状態で設け、検査用高濃度ガス流量計が測定した測定結果を制御手段に送信するようになっている。したがって、実際に、タンクに供給される検査用高濃度ガスを、検査用高濃度ガス流量計で測定しながら供給できるため、正確な量の検査用高濃度ガスをタンクに供給できるようになる。
【0010】
この場合、検査用高濃度ガス流量計が、検査用高濃度ガス供給手段からタンクに供給される検査用高濃度ガスの単位時間当たりの流量を検出する流量センサと、流量センサが検出した検査用高濃度ガスの流量を積算する積算計とを備えていることが好ましい。
【0011】
前記のように構成した本発明の特徴によれば、圧力計によるタンク内の圧力の測定結果によって補充する検査用ガスの量を求め、その量から一定の検査用高濃度ガスおよび希釈用ガスの供給量を決定するのでなく、実際に、タンクに供給される検査用高濃度ガスおよび希釈用ガスを、検査用高濃度ガス流量計および希釈用ガス流量計で測定しながら供給するため、タンク内の検査用ガスの濃度を把握でき、かつ、正確な量のガスをタンクに供給できるとともに、その濃度も適宜変更することができる。
【0012】
また、制御手段によって、使用する検査用ガスの濃度を所望の値に設定できるようにしておき、その濃度を適宜変更しながら検査を行う場合でも、タンク内の検査用ガスの濃度が設定濃度になるように、検査用高濃度ガスおよび希釈用ガスをタンクに供給できるため、1個のタンクの使用で異なる濃度の検査用ガスを用いた検査が可能になる。すなわち、濃度の異なる検査用ガスが収容された複数のタンクを用意して、検査用ガスの設定濃度に合わせてタンクを使い分けるといったことをする必要がなくなる。
【0013】
また、検査用高濃度ガス流量計を、検査用高濃度ガスを検出する流量センサと、検査用高濃度ガスの流量を積算する積算計とを備えた構成にすることにより、より精度のよい検査用高濃度ガスの供給ができるとともに、タンクに供給した検査用高濃度ガスの量を正確に把握できるようになる。さらに、例えば、希釈用ガス流量計を、希釈用ガス供給手段からタンクに供給される希釈用ガスを検出する流量センサと、流量センサが検出した希釈用ガスの流量を積算する積算計とで構成することもでき、このように構成することにより、希釈用ガスも精度よく供給できるとともに、タンク内に供給した希釈用ガスの量を正確に把握できるようになる。
【0015】
また、本発明に係る検査用ガスの混合方法の特徴は、検査用高濃度ガスと希釈用ガスを混合してなる検査用ガスを収容するタンク内の圧力を測定し検査用ガスの残存量を算出する工程と、タンクに供給された検査用高濃度ガスおよび希釈用ガスの流量を積算し、積算された検査用高濃度ガスの積算値と希釈用ガスの積算値からタンク内の検査用ガスの濃度を算出する工程と、前記両工程から算出した結果と、設定濃度による検査用高濃度ガスと希釈用ガスの量とを演算し、供給すべき検査用高濃度ガスと希釈用ガスの量を算出する工程と、算出された量の検査用高濃度ガスを前記タンクに供給する工程と、算出された量の希釈用ガスをタンクに供給する工程とからなることにある。
【0016】
また、例えば、算出された量の検査用高濃度ガスをタンクに供給する工程を、流量を読み取りながら検査用高濃度ガスをタンクに供給する工程と、前記流量を積算し、積算流量が供給すべき検査用高濃度ガス量に達すると供給を停止させる工程とで構成することができ、さらに、算出された量の希釈用ガスをタンクに供給する工程を、流量を読み取りながら希釈用ガスをタンクに供給する工程と、前記流量を積算し、積算流量が供給すべき希釈用ガス量に達すると供給を停止させる工程とで構成することもできる。これによっても、精度のよい検査用高濃度ガスや希釈用ガスの供給ができ、その結果、漏れ検査装置での検査が精度よく行える。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図1は同実施形態に係る検査用ガスの混合装置10を示している。この混合装置10は、検査用ガスを収容する混合タンク11を備えており、この混合タンク11には、ヘリウムガス配送管12、空気配送管13、圧力計14および検査用ガス配送管15が接続されている。ヘリウムガス配送管12は高濃度の検査用ガスであるヘリウムガスを混合タンク11に供給し、空気配送管13はヘリウムガスを希釈する希釈用ガスである空気を混合タンクに供給する。また、圧力計14は混合タンク11内の圧力を測定し、検査用ガス配送管15は、漏れ検査装置(図示せず)に接続されており、混合タンク11内の検査用ガスをその漏れ検査装置に供給する。
【0018】
そして、ヘリウムガス配送管12には、開閉バルブ12a、ヘリウムガス流量調整弁12b、ヘリウムガス流量センサ16および減圧弁12cが設けられており、減圧弁12cは、ヘリウムガス配送管12を介して混合タンク11にヘリウムガスを供給するヘリウムガス供給装置12dに接続されている。したがって、ヘリウムガス供給装置12dからヘリウムガス配送管12に送り出されたヘリウムガスは、減圧弁12cおよびヘリウムガス流量調整弁12bの調節によって圧力や流量をコントロールされながら、開閉バルブ12aの開成によって混合タンク11に供給され、開閉バルブ12aを閉じることによってその供給を停止される。このヘリウムガス配送管12、開閉バルブ12a、ヘリウムガス流量調整弁12b、減圧弁12cおよびヘリウムガス供給装置12dで、本発明の検査用高濃度ガス供給手段が構成される。
【0019】
また、ヘリウムガス流量センサ16には、ヘリウムガス積算計16aが接続されている。ヘリウムガス流量センサ16は、ヘリウムガス配送管12を通過するヘリウムガスを検知するとともにその瞬時流量を算出し、ヘリウムガス積算計16aは、ヘリウムガス流量センサ16からの信号を受けて、ヘリウムガス配送管12を通過する単位時間当たりのヘリウムガスの流量を積算してヘリウムガスの積算流量を表示する。そして、ヘリウムガス積算計16aは、制御手段であるシーケンサ17に接続され、シーケンサ17は、圧力計14および開閉バルブ12aに接続されている。
【0020】
シーケンサ17は、CPU,ROM,RAM等を備えており、各種のプログラムやデータを記憶するとともにそのプログラムやデータを基に演算処理等を実行する基本部と、入力部および出力部を備えている。また、基本部には、ユーザが設定した混合タンク11の状態に関するデータ、例えば、混合タンク11内の圧力、検査用ガスの濃度、ヘリウムガス量等の各種データも記憶されている。
【0021】
そして、入力部で、圧力計14が測定する混合タンク11内の圧力の測定結果を信号として受信するとともに、ヘリウムガス積算計16aが積算するヘリウムガス供給量の積算値を信号として受信する。そして、圧力計14の測定結果から混合タンク11内の残留検査用ガスの量を算出し、その残留検査用ガスの量の算出値と、予め設定された検査用ガスの量およびその検査用ガスの中のヘリウムガスと空気の割合(ヘリウムガスの濃度)を比較して、混合タンク11に供給すべき必要なヘリウムガスの量を算出する。
【0022】
そして、出力部から信号を発信して、開閉バルブ12aを開け、ヘリウムガス供給装置12dからヘリウムガス配送管12を介して混合タンク11にヘリウムガスを送る。その際、ヘリウムガス流量センサ16およびヘリウムガス積算計16aによって、混合タンク11内に供給されるヘリウムガスが検出されるとともにその供給量も算出されデータとしてシーケンサ17に送られる。したがって、必要なヘリウムガスが混合タンク11に供給されたときに、シーケンサ17の制御によって、開閉バルブ12aが閉じられてヘリウムガスの混合タンク11への供給が終了する。
【0023】
また、空気配送管13には、開閉バルブ13a、空気流量調整弁13b、空気流量センサ18および減圧弁13cが設けられており、減圧弁13cは、空気配送管13を介して混合タンク11に空気を供給する空気供給装置13dに接続されている。したがって、空気供給装置13dから送り出される空気は、減圧弁13cおよび空気流量調整弁13bの調節によって圧力や流量をコントロールされながら、開閉バルブ13aの開成によって混合タンク11に供給され、開閉バルブ13aを閉じることによってその供給を停止される。空気配送管13、開閉バルブ13a、空気流量調整弁13b、減圧弁13cおよび空気供給装置13dで本発明の希釈用ガス供給手段が構成される。
【0024】
また、空気流量センサ18には、空気積算計18aが接続されている。空気流量センサ18は、空気配送管13を通過する空気を検知するとともにその瞬時流量を算出し、空気積算計18aは、空気流量センサ18からの信号を受けて、空気配送管13を通過する単位時間当たりの空気の流量を積算して空気の積算流量を表示する。そして、空気積算計18aは、シーケンサ17に接続され、シーケンサ17は、開閉バルブ13aに接続されている。
【0025】
シーケンサ17は、圧力計14が混合タンク11内の圧力を測定した際のその測定結果およびユーザによって予め設定される混合タンク11内の圧力、検査用ガスの濃度等から算出される混合タンク11に供給すべき必要な量の空気を開閉バルブ13aを開けることによって混合タンク11に供給する。また、空気流量センサ18および空気積算計18aによって、混合タンク11内に供給された空気が必要な空気量に達したと判定されたときに、開閉バルブ13aが閉じられて空気の供給が終了する。供給された空気は、混合タンク11内でヘリウムガスと混合されて設定濃度の検査用ガスになる。
【0026】
そして、検査用ガスは、検査用ガス配送管15を介して漏れ検査装置に供給され検査に使用される。なお、検査用ガス配送管15には、開閉バルブ15aが取り付けられており、この開閉バルブ15aを開閉することによって、検査用ガスを漏れ検査装置に供給したり、その供給を停止したりすることができる。
【0027】
つぎに、混合タンク11内の検査用ガスが減少し、上記のように構成された検査用ガスの混合装置10を用いて、高濃度のヘリウムガスと希釈用の空気の供給を行う場合について説明する。まず、混合タンク11内の検査用ガスが使用によって減少すると、圧力計14の測定によって、混合タンク11内の圧力が低下していることが示される。ついで、シーケンサ17によって、混合タンク11内の検査用ガス量が算出され、この算出結果から、供給されるべきヘリウムガスと空気の量が算出される。
【0028】
この場合、混合タンク11内の残存検査用ガスの濃度と同じ濃度の検査用ガスを補充するときには、それと同じ割合でヘリウムガスと空気の供給量を算出する。また、残存検査用ガスの濃度と異なる濃度の検査用ガスになるような補充をするときには、残存検査用ガスと補充する検査用ガスとの混合ガスが設定した濃度になるようにヘリウムガスと空気の供給量を算出する。この算出は、ヘリウムガス積算計16aと空気積算計18aによって積算されたすでに供給されたヘリウムガスと空気の供給量の値から、混合タンク11内の残存検査用ガスの濃度を算出し、新たに補充するヘリウムガスと空気の量をどの程度にすれば、全体の濃度が設定値になるかを算出することにより行う。
【0029】
つぎに、シーケンサ17の制御によって、開閉バルブ12a,13aが開けられ、ヘリウムガス供給装置12dからは、ヘリウムガス配送管12を介して混合タンク11にヘリウムガスが供給され、空気供給装置13dからは、空気配送管13を介して混合タンク11に空気が供給される。そして、ヘリウムガス積算計16aに表示されるヘリウムガスの積算流量が算出値に達したところで、シーケンサ17の制御によって開閉バルブ12aが閉じられてヘリウムガスの供給が停止される。また、空気積算計18aに表示される空気の積算流量が算出値に達したところで、シーケンサ17の制御によって開閉バルブ13aが閉じられて空気の供給が停止される。
【0030】
この結果、混合タンク11内の残留検査用ガスと、新たに補充されたヘリウムガスおよび空気が混合されて、混合タンク11内は、設定濃度の検査用ガスが設定量充填された状態になる。なお、ヘリウムガスと空気を混合タンク11内に供給する際、前記のように、ヘリウムガスと空気を同時に供給してもよいし、ヘリウムガスを供給したのち空気を供給したり、空気を供給したのちヘリウムガスを供給したりしてもよい。また、検査用高濃度ガスとして、ヘリウムガスに代えて他のガスを用いることもでき、希釈用ガスとして、空気に代えて窒素ガス等を用いることもできる。
【0031】
さらに、本実施形態では、混合タンク11に対して、ヘリウムガスと空気を、ヘリウムガス配送管12および空気配送管13を用いて別々に供給するようにし、それぞれの配送管12,13に、ヘリウムガス流量センサ16、ヘリウムガス積算計16aおよび空気流量センサ18、空気積算計18aを設けている。しかしながら、ヘリウムガス配送管12と空気配送管13を、途中から合流させて1個の配送管として混合タンク11に連結し、ヘリウムガスと空気を同じ配送管で供給することもできる。
【0032】
この場合、ヘリウムガス配送管12と空気配送管13にシーケンサ17によって開閉制御される開閉バルブを設け、この両開閉バルブの下流側におけるヘリウムガス配送管12と空気配送管13の部分を合流させる。そして、配送管の合流した部分にそれぞれ1個の流量センサおよび積算計を設けることにより、装置の簡略化が図れる。
【0033】
以上のように、本実施形態による混合装置10では、ヘリウムガスの混合タンク11への供給量を、圧力計14の測定値だけを用いて制御するのでなく、ヘリウムガス流量センサ16およびヘリウムガス積算計16aからなる検査用高濃度ガス流量計によって、実際に混合タンク11に供給されたヘリウムガスの量を測定し、その量が設定値に達したところで供給を停止するようになっている。このため、ヘリウムガスの供給量を精度よく制御することができる。
【0034】
また、同様に、空気の混合タンク11への供給も、空気流量センサ18および空気積算計18aからなる希釈用ガス流量計によって、実際に混合タンク11に供給された空気の量を測定し、その量が設定値に達したところで供給を停止するようになっている。このため、空気の供給量も精度よく制御することができ、その結果、混合タンク11に供給されたヘリウムガスと空気の混合ガスは、設定された濃度の検査用ガスになる。
【0035】
また、この混合装置10によれば、検査用ガスの濃度を一定値にするだけでなく、適宜、設定を行うことによって濃度を変更しながら検査用ガスの混合を行うことができる。したがって、設定濃度の異なる検査用ガスが収容された混合タンクを複数個揃えて、そのタンクを使用目的に応じて使い分けるといったことをする必要はなく、1個の混合タンク11で異なる濃度の検査用ガスの使用ができる使い勝手のよい装置が得られる。すなわち、ヘリウムガス積算計16aと空気積算計18aを用いることによって、すでに、混合タンク11内に供給された検査用ガスの濃度が算出できるようになり、これに、補充するヘリウムガスおよび空気の量を適宜変更することによって、濃度の異なる検査用ガスを自在に混合することができる。
【0036】
さらに、ヘリウムガス配送管12には、ヘリウムガス流量調整弁12bおよび減圧弁12cを設けて、混合タンク11に供給されるヘリウムガスの圧力や流量をコントロールできるようにしているため、ヘリウムガスの供給量を微量な範囲で制御できる。また、同様に、空気配送管13には、空気流量調整弁13bおよび減圧弁13cを設けて、混合タンク11に供給される空気を微量な範囲で制御できる。したがって、低濃度に設定された検査用ガスや使用量の少ない検査用ガスの場合であっても、濃度が安定するようになる。
【0037】
また、混合装置10によれば、開閉バルブ12,13aを同時に開いて、ヘリウムガスと空気を同時に供給することができるため、混合タンク11へのヘリウムガスと空気の供給を短時間で行え、作業効率が大幅に向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る検査用ガスの混合装置の概略図である。
【図2】 従来例による検査用ガスの混合装置の概略図である。
【符号の説明】
10…混合装置、11…混合タンク、12…ヘリウムガス配送管、12a,13a…開閉バルブ、13…空気配送管、14…圧力計、16…ヘリウムガス流量センサ、16a…ヘリウムガス積算計、17…シーケンサ、18…空気流量センサ、18a…空気積算計。
Claims (2)
- 検査用高濃度ガスと希釈用ガスを混合してなる検査用ガスを収容するタンクと、
前記タンクに検査用高濃度ガスを供給する検査用高濃度ガス供給手段と、
前記タンクに希釈用ガスを供給する希釈用ガス供給手段と、
前記タンク内の圧力を測定する圧力計と、
前記検査用高濃度ガス供給手段から前記タンクに供給される検査用高濃度ガス量を測定する検査用高濃度ガス流量計と、
前記希釈用ガス供給手段から前記タンクに供給される希釈用ガス量を測定する希釈用ガス流量計と、
前記圧力計の測定結果に応じて、前記検査用高濃度ガス供給手段および前記希釈用ガス供給手段から前記タンクに供給される検査用高濃度ガスおよび希釈用ガスの量を制御する制御手段とを備えた検査用ガスの混合装置において、
前記制御手段が、前記圧力計の測定結果から検査用ガスの残存量を算出し、前記検査用高濃度ガス流量計の測定結果から前記検査用高濃度ガス供給手段から前記タンクに供給された検査用高濃度ガス量の積算値を算出するとともに、前記希釈用ガス流量計の測定結果から前記希釈用ガス供給手段から前記タンクに供給された希釈用ガス量の積算値を算出し、これらの算出値から供給すべき検査用高濃度ガス量と希釈用ガス量とを算出して前記検査用高濃度ガス供給手段および前記希釈用ガス供給手段から前記タンクに算出した量の検査用高濃度ガスおよび希釈用ガスを供給することを特徴とする検査用ガスの混合装置。 - 検査用高濃度ガスと希釈用ガスを混合してなる検査用ガスを収容するタンク内の圧力を測定し検査用ガスの残存量を算出する工程と、
前記タンクに供給された検査用高濃度ガスおよび希釈用ガスの流量を積算し、積算された検査用高濃度ガスの積算値と希釈用ガスの積算値から前記タンク内の検査用ガスの濃度を算出する工程と、
前記両工程から算出した結果と、設定濃度による検査用高濃度ガスと希釈用ガスの量とを演算し、供給すべき検査用高濃度ガスと希釈用ガスの量を算出する工程と、
算出された量の検査用高濃度ガスを前記タンクに供給する工程と
算出された量の希釈用ガスを前記タンクに供給する工程と
からなることを特徴とする検査用ガスの混合方法。
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