JP4325046B2 - 膜形成用組成物、膜の形成方法、及び膜 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、膜形成用組成物、膜の形成方法、及び膜に関する。さらに詳しくは、LSI、システムLSI、DRAM、SDRAM、RDRAM、D−RDRAM等の半導体素子用低誘電性層間絶縁膜;半導体素子の表面コート膜等の保護膜;多層配線基板の低誘電性層間絶縁膜;液晶表示素子用の保護膜や絶縁防止膜等の原材料として好適な、加工性に優れるとともに、耐熱性、低誘電性及び機械的強度に優れた塗膜を形成し得る膜形成用組成物、膜の形成方法、及び膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子材料分野においては、高集積化、多機能化、高性能化の進行に伴い、回路抵抗や配線間のコンデンサー容量が増大し、消費電力や遅延時間の増大を招いている。中でも、遅延時間の増大は、デバイスの信号スピードの低下やクロストークの発生の大きな要因となるため、この遅延時間を減少させてデバイスの高速化を図るべく、寄生抵抗や寄生容量の低減が求められている。この寄生容量を低減するための具体策の一つとして、配線の周辺を低誘電性の層間絶縁膜で被覆することが試みられている。
また、層間絶縁膜には、実装基板製造時の薄膜形成工程やチップ接続、ピン付け等の後工程に耐えうる優れた耐熱性やウェットプロセスに耐えうる耐薬品性が求められている。さらに、近年は、Al配線から低抵抗のCu配線が導入されつつあり、これに伴い、CMP(ケミカルメカニカルポリッシング)による平坦化が一般的となっており、このプロセスに耐え得る機械的強度が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の問題に鑑みなされたものであり、LSI、システムLSI、DRAM、SDRAM、RDRAM、D−RDRAM等の半導体素子用層間絶縁膜;半導体素子の表面コート膜等の保護膜;多層配線基板の層間絶縁膜;液晶表示素子用の保護膜、絶縁防止膜、ガス分離膜等の原材料として好適な、加工性に優れるとともに、耐熱性、低誘電性、及び機械的強度に優れた塗膜を形成し得る膜形成用組成物、膜の形成方法、及び膜を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上述の課題を解決すべく、絶縁膜や保護膜の原材料として好適なポリマーについて鋭意研究した結果、特定の繰り返し単位を特定モル%以上有する新規なポリマーが好適であることを見出した。
この新規なポリマーは、加熱することにより特定の繰り返し単位がBergman環化を起こし、アリールラジカルを生ずることにより、低温で架橋することができるため、特定の有機化合物との組成物とし、この組成物を基板に塗布し、加熱することにより絶縁膜や保護膜に好適な膜を形成できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の膜形成用組成物、硬化膜及び硬化膜の形成方法を提供するものである。
【0005】
[1](A)下記式(1)に示す繰り返し単位を50モル%以上含む重合体、(B)TG/DTAにより窒素下、昇温速度10℃/分の条件で測定した5%重量減少温度が200〜400℃の有機化合物、及び(C)有機溶媒を含有してなることを特徴とする膜形成用組成物。
【0006】
【化4】
【0007】
[式(1)中、Yは、下記式(2)又は下記式(3)に示す2価の有機基を示し、Arは、2価の芳香族基を示す。]
【0008】
【化5】
【0009】
[式(2)中、R1〜R2は、同一でも異なっていてもよく、シス(cis)位置にあり、水素原子、アルキル基、アリール基を示す。]
【0010】
【化6】
【0011】
[式(3)中、R3〜R6は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基を示す。]
【0012】
【化7】
【0013】
[式(1)中、Yは、下記式(2)又は下記式(3)に示す2価の有機基を示し、Arは、2価の芳香族基を示す。]
【0014】
【化8】
【0015】
[式(2)中、R1〜R2は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アリール基を示す。]
【0016】
【化9】
【0017】
[式(3)中、R3〜R6は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基を示す。]
【0018】
[2]前記(A)重合体が、前記式(1)に示す繰り返し単位からなるものである前記[1]に記載の膜形成用組成物。
[3]前記(B)有機化合物が、ポリアルキレングリコール誘導体、ポリスチレン誘導体、エポキシ誘導体、ノボラック樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、(メタ)アクリレート共重合体、ビニルピロリドン共重合体、アクリルアミド共重合体、脂肪族ポリアミド、アビエチン酸誘導体、コレステロール誘導体及びシクロデキストリン誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種である前記[1]又は[2]に記載の膜形成用組成物。
【0019】
[4]前記[1]〜[3]のいずれかに記載の膜形成用組成物を基板上に塗布し、前記(B)有機化合物の熱分解温度未満の温度で加熱して前記(A)重合体を一部硬化させ、次いで、前記(B)有機化合物の熱分解温度以上の温度で加熱して成膜することを特徴とする膜の形成方法。
【0020】
[5]真空又は不活性ガスの雰囲気下で成膜する前記[4]に記載の膜の形成方法。
【0021】
[6]前記[4]又は[5]に記載の膜の形成方法によって形成してなる膜。
【0022】
[7]絶縁膜である前記[6]に記載の膜。
【0023】
本発明の膜形成用組成物は、膜を形成するベースポリマーとして、特定の繰り返し単位を特定モル%以上有するとともに特定の重量平均分子量を有する(A)ジイン含有(共)重合体(以下、「重合体(A)」ということがある)を含有し、かつ多孔質を形成する材料として、(B)特定の有機化合物(以下、「化合物(B)」ということがある)を含有し、さらに、重合体(A)及び化合物(B)の溶媒として(C)有機溶媒(以下、「溶媒(C)」ということがある)を用いるので、耐熱性、低誘電性及び機械的強度に優れた塗膜を形成することができる。また、本発明の膜の形成方法は、上述の組成物を、シリコンウエハ等の基材に塗布し、特定温度条件で加熱することにより、化合物(B)及び溶媒(C)を除去し、かつ、重合体(A)を熱硬化させるもので、この形成方法によって、重合体(A)の巨大高分子の膜を形成することができるとともに、化合物(B)が分解、除去されて、膜に微細孔を形成することができる。従って、本発明の膜の形成方法によって形成した膜は、低密度のものとなり、耐熱性、低誘電性及び機械的強度に優れ、半導体素子等における層間絶縁膜材料等として好適に用いることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
I.膜形成用組成物
本発明の膜形成用組成物は、(A)前記式(1)に示す繰り返し単位を10モル%以上含む重合体、(B)TG/DTAにより窒素下、昇温速度10℃/分の条件で測定した5%重量減少温度が200〜400℃の有機化合物、及び
(C)有機溶媒を含有してなることを特徴とする。
【0025】
本発明の膜形成用組成物の全固形分濃度は、好ましくは、2〜30重量%であり、使用目的に応じて適宜調整することができる。組成物の全固形分濃度が2〜30重量%であると、塗膜の膜厚が適当な範囲となり、保存安定性もより優れたものとなる。
【0026】
以下、本発明の膜形成用組成物を、各構成要素ごとにさらに具体的に説明する。
【0027】
1.重合体(A)
(1)前記式(1)に示す繰り返し単位
本発明に用いられる重合体(A)は、前記式(1)に示す繰り返し単位を10モル%以上有するものであるが、説明の便宜上、式(1)を再び以下に示す。
【0028】
【化10】
【0029】
[式(1)中、Yは、下記式(2)又は下記式(3)に示す2価の有機基を示し、Arは、2価の芳香族基を示す。]
【0030】
【化11】
【0031】
[式(2)中、R1〜R2は、同一でも異なっていてもよく、シス(cis)位置にあり、水素原子、アルキル基、アリール基を示す。]
【0032】
【化12】
【0033】
[式(3)中、R3〜R6は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基を示す。]
【0034】
前記式(2)中のR1〜R2 で示されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基等;アリール基としては、フェニル基等を挙げることができる。
【0035】
前記式(3)中のR3〜R6 で示されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基等;ハロゲン化アルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等;アリール基としては、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基等を挙げることができる。
【0036】
前記式(1)中のYで示される2価の有機基としては、例えば、cis−ビニレン基、1,2−フェニレン基等を挙げることができる。
【0037】
前記式(1)中のArで示される2価の芳香族基としては、例えば、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、及び下記に示す基(a)〜(f)等を挙げることができる。
【0038】
【化13】
【0039】
【化14】
【0040】
【化15】
【0041】
【化16】
【0042】
【化17】
【0043】
【化18】
【0044】
中でも、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、前記基(a)及び(d)が好ましい。
【0045】
本発明に用いられる重合体(A)は、前記式(1)に示す繰り返し単位を50モル%以上有するものである。10モル%未満であると、耐溶剤性が不十分となる。
【0046】
(2)重量平均分子量
本発明に用いられる重合体(A)の重量平均分子量は、500〜1,000,000、好ましくは1,000〜200,000である。500未満であると、塗膜性が不十分となり、1,000,000を超えると、有機溶媒溶解性が不十分となったり、粘度が高くなり、塗膜(硬化膜)が平滑性に欠けるものになる。
【0047】
(3)配合量
重合体(A)の配合量は、他の配合成分である化合物(B)及び溶媒(C)の配合量との相対的関係において、重合体(A)の配合量を100重量部とした場合、化合物(B)の配合量が1〜400重量部、及び溶媒(C)の配合量が50〜10,000重量部となる量である。すなわち、重合体(A)、化合物(B)及び溶媒(C)の重量比は、(A):(B):(C)=1:0.01〜4:0.5〜100となる。
【0048】
2.化合物(B)
本発明の膜形成用組成物において化合物(B)を用いることによって、得られる塗膜の密度を低下させ、低誘電性を達成することができる。従って、得られる膜は、半導体素子等における層間低誘電性絶縁膜等として有用である。
【0049】
本発明に用いられる化合物(B)としては、後述する、TG(熱重量測定)/DTA(示差熱分析)により窒素下、昇温速度10℃/分の条件で測定した5%重量減少温度が200〜400℃のものであれば特に制限はないが、例えば、ポリアルキレングリコール誘導体、ポリスチレン誘導体、エポキシ誘導体、ノボラック樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、(メタ)アクリレート共重合体、ビニルピロリドン共重合体、アクリルアミド共重合体、脂肪族ポリアミド、アビエチン酸誘導体、コレステロール誘導体及びシクロデキストリン誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。
【0050】
(1)化合物(B)の具体例
▲1▼ポリアルキレングリコール誘導体
本発明に用いられるポリアルキレングリコール誘導体としては、例えば、炭素数2〜12のポリアルキレングリコール化合物を挙げることができる。具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリペンタメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールブロックコポリマー、ポリエチレングリコール−ポリテトラメチレングリコールブロックコポリマー、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコールブロックコポリマー、及びそのメチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、トリメトキシシリルエーテル、トリエトキシシリルエーテル、トリプロポキシシリルエーテル、トリメトキシシリルメチルエーテル、トリエトキシシリルメチルエーテル、2−トリメトキシシリルエチルエーテル、2−トリエトキシシリルエチルエーテル、3−トリメトキシシリルプロピルエーテル、3−トリエトキシシリルプロピルエーテル等のほか、ポリエチレングリコールモノペンチルエーテル、ポリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ポリエチレングリコールモノペプチルエーテル、ポリエチレングリコールモノオクチルエーテル、ポリエチレングリコールモノノニルエーテル、ポリエチレングリコールモノデカニルエーテル、ポリエチレングリコールモノウンデカニルエーテル、ポリエチレングリコールモノドデカニルエーテル、ポリエチレングリコールモノトリデカニルエーテル、ポリエチレングリコールモノテトラデカニルエーテル、ポリエチレングリコールモノペンタデカニルエーテル、ポリエチレングリコールモノヘキサデカニルエーテル、ポリエチレングリコールモノヘプタデカニルエーテル、ポリエチレングリコールモノオクタデカニルエーテル、ポリエチレングリコールモノノナデカニルエーテル、ポリエチレングリコールモノイコサニルエーテル、ポリエチレングリコールモノヘニコサニルエーテル、ポリエチレングリコールモノドコサニルエーテル、ポリエチレングリコールモノトリコサニルエーテル、ポリエチレングリコールモノテトラコサニルエーテル、ポリエチレングリコールモノペンタコサニルエーテル、ポリエチレングリコールモノヘキサコサニルエーテル、ポリエチレングリコールモノヘプタコサニルエーテル、ポリエチレングリコールモノオクタコサニルエーテル、ポリエチレングリコールモノノナコサニルエーテル、ポリエチレングリコールモノトリアコンタニルエーテル等のポリエチレングリコールアルキルエーテル類及びそのメチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、トリメトキシシリルエーテル、トリエトキシシリルエーテル、トリプロポキシシリルエーテル、トリメトキシシリルメチルエーテル、トリエトキシシリルメチルエーテル、2−トリメトキシシリルエチルエーテル、2−トリエトキシシリルエチルエーテル、3−トリメトキシシリルプロピルエーテル、3−トリエトキシシリルプロピルエーテル等のポリエチレングリコールアルキルエーテル誘導体;
【0051】
ポリエチレングリコールモノ−p−メチルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノ−p−エチルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノ−p−プロピルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノ−p−ブチルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノ−p−ペンチルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノ−p−ヘキシルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノ−p−ペプチルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノ−p−オクチルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノ−p−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノ−p−デカニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノ−p−ウンデカニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノ−p−ドデカニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノ−p−トリデカニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノ−p−テトラデカニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノ−p−ペンタデカニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノ−p−ヘキサデカニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノ−p−ヘプタデカニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノ−p−オクタデカニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノ−p−ノナデカニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノ−p−イコサニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノ−p−ヘニコサニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノ−p−ドコサニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノ−p−トリコサニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノ−p−テトラコサニルフェニルエーテル等のポリエチレングリコール−p−アルキルフェニルエーテル類及びそのメチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、トリメトキシシリルエーテル、トリエトキシシリルエーテル、トリプロポキシシリルエーテル、トリメトキシシリルメチルエーテル、トリエトキシシリルメチルエーテル、2−トリメトキシシリルエチルエーテル、2−トリエトキシシリルエチルエーテル、3−トリメトキシシリルプロピルエーテル、3−トリエトキシシリルプロピルエーテル等のポリエチレングリコール−p−アルキルフェニルエーテル誘導体;
【0052】
ポリエチレングリコールモノペンタン酸エステル、ポリエチレングリコールモノヘキサン酸エステル、ポリエチレングリコールモノヘプタン酸エステル、ポリエチレングリコールモノオクタン酸エステル、ポリエチレングリコールモノノナン酸エステル、ポリエチレングリコールモノデカン酸エステル、ポリエチレングリコールモノウンデカン酸エステル、ポリエチレングリコールモノドデカン酸エステル、ポリエチレングリコールモノトリデカン酸エステル、ポリエチレングリコールモノテトラデカン酸エステル、ポリエチレングリコールモノペンタデカン酸エステル、ポリエチレングリコールモノヘキサデカン酸エステル、ポリエチレングリコールモノヘプタデカン酸エステル、ポリエチレングリコールモノオクタデカン酸エステル、ポリエチレングリコールモノノナデカン酸エステル、ポリエチレングリコールモノイコサン酸エステル、ポリエチレングリコールモノヘニコサン酸エステル、ポリエチレングリコールモノドコサン酸エステル、ポリエチレングリコールモノトリコサン酸エステル、ポリエチレングリコールモノテトラコサン酸エステル、ポリエチレングリコールモノペンタコサン酸エステル、ポリエチレングリコールモノヘキサコサン酸エステル、ポリエチレングリコールモノヘプタコサン酸エステル、ポリエチレングリコールモノオクタコサン酸エステル、ポリエチレングリコールモノノナコサン酸エステル、ポリエチレングリコールモノトリアコンタン酸エステル等のポリエチレングリコールアルキル酸エステル類及びそのメチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、トリメトキシシリルエーテル、トリエトキシシリルエーテル、トリプロポキシシリルエーテル、トリメトキシシリルメチルエーテル、トリエトキシシリルメチルエーテル、2−トリメトキシシリルエチルエーテル、2−トリエトキシシリルエチルエーテル、3−トリメトキシシリルプロピルエーテル、3−トリエトキシシリルプロピルエーテル等のポリエチレングリコールアルキル酸エステル誘導体等を挙げることができる。
【0053】
ポリアルキレングリコール誘導体のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは、300〜300,000、さらに好ましくは300〜200,000、特に好ましくは300〜100,000である。
【0054】
▲2▼ポリスチレン誘導体
本発明に用いられるポリスチレン誘導体としては、例えば、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン、ポリヒドロキシスチレン、スチレン−(メタ)アクリレート共重合体等を挙げることができる。
【0055】
▲3▼ポリエステル
本発明に用いられるポリエステルとしては、例えば、炭素数2〜12の脂肪族鎖及びエステル結合を繰り返し単位中に含む化合物を挙げることができる。具体的には、ポリカプロラクトン、ポリピバロラクトン、ポリエチレンオキサレート、ポリエチレンマロネート、ポリエチレンスクシネート、ポリエチレングリタレート、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンピメレート、ポリエチレンスベレート、ポリエチレンアゼラート、ポリエチレンセバケート、ポリプロピレンオキサレート、ポリプロピレンマロネート、ポリプロピレンスクシネート、ポリプロピレングリタレート、ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンピメレート、ポリプロピレンスベレート、ポリプロピレンアゼラート、ポリプロピレンセバケート、ポリブチレンオキサレート、ポリブチレンマロネート、ポリブチレンスクシネート、ポリブチレングリタレート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンピメレート、ポリブチレンスベレート、ポリブチレンアゼラート、ポリブチレンセバケート、ポリオキシジエチレンオキサレート、ポリオキシジエチレンマロネート、ポリオキシジエチレンスクシネート、ポリオキシジエチレングリタレート、ポリオキシジエチレンアジペート、ポリオキシジエチレンピメレート、ポリオキシジエチレンスベレート、ポリオキシジエチレンアゼラート、ポリオキシジエチレンセバケート、等の脂肪族ポリエステル類、及びそのメチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、トリメトキシシリルエーテル、トリエトキシシリルエーテル、トリプロポキシシリルエーテル、トリメトキシシリルメチルエーテル、トリエトキシシリルメチルエーテル、2−トリメトキシシリルエチルエーテル、2−トリエトキシシリルエチルエーテル、3−トリメトキシシリルプロピルエーテル、3−トリエトキシシリルプロピルエーテル、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、トリメトキシシリルエステル、トリエトキシシリルエステル、トリプロポキシシリルエステル、トリメトキシシリルメチルエステル、トリエトキシシリルメチルエステル、2−トリメトキシシリルエチルエステル、2−トリエトキシシリルエチルエステル、3−トリメトキシシリルプロピルエステル、3−トリエトキシシリルプロピルエステル等の脂肪族ポリエステルアルキルエーテル誘導体及び脂肪族ポリエステルアルキルエステル誘導体等を挙げることができる。
【0056】
ポリエステルのポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは、300〜300,000、さらに好ましくは300〜200,000、特に好ましくは300〜100,000である。
【0057】
▲4▼ポリカーボネート
本発明に用いられるポリカーボネートとしては、例えば、炭素数2〜12の脂肪族ポリカーボネートを挙げることができる。具体的には、ポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート、ポリトリメチレンカーボネート、ポリテトラメチレンカーボネート、ポリペンタメチレンカーボネート、ポリヘキサメチレンカーボネート、ポリヘプタメチレンカーボネート、ポリオクタメチレンカーボネート、ポリノナメチレンカーボネート、ポリデカメチレンカーボネート、ポリオキシジエチレンカーボネート、ポリ−3,6−ジオキシオクタンカーボネート、ポリ−3,6,9−トリオキシウンデカンカーボネート、ポリオキシジプロピレンカーボネート、ポリシクロペンタンカーボネート、ポリシクロヘキサンカーボネート、等の脂肪族ポリカーボネート、及びそのメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、トリメトキシシリルエステル、トリエトキシシリルエステル、トリプロポキシシリルエステル、トリメトキシシリルメチルエステル、トリエトキシシリルメチルエステル、2−トリメトキシシリルエチルエステル、2−トリエトキシシリルエチルエステル、3−トリメトキシシリルプロピルエステル、3−トリエトキシシリルプロピルエステル等の脂肪族ポリカーボネートアルキルエステル誘導体等を挙げることができる。
【0058】
ポリカーボネートのポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは、300〜300,000、さらに好ましくは300〜200,000、特に好ましくは300〜100,000である。
【0059】
▲5▼(メタ)アクリレート共重合体
本発明に用いられる(メタ)アクリレート共重合体としては、例えば、ポリメチル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート−メチル(メタ)アクリレート共重合体等を挙げることができる。
【0060】
▲6▼アビエチン酸誘導体
本発明に用いられるアビエチン酸誘導体としては、例えば、アビエチン酸、アビエチン酸メチル等を挙げることができる。
【0061】
▲7▼シクロデキストリン誘導体
本発明に用いられるシクロデキストリン誘導体としては、例えば、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、メチルトリメトキシシリル変性シクロデキストリン等を挙げることができる。
【0062】
化合物(B)の具体例である上記化合物は、1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。
【0063】
(2)5%重量減少温度
化合物(B)は、TG/DTAにより窒素下、昇温速度10℃/分の条件で測定した5%重量減少温度が200〜400℃、好ましくは、200〜350℃のものである。
200℃未満であると、マトリックスの架橋の前に分解が起こり、空孔を形成することができず、400℃を超えると、半導体製造プロセスに不都合を来す。
【0064】
(3)配合量
化合物(B)の配合量は、ジイン含有(共)重合体(A)の配合量100重量部に対し、1〜400重量部、好ましくは、5〜100重量部である。すなわち、重合体(A)及び化合物(B)の重量比は、(A):(B)=1:0.01〜4、好ましくは、1:0.05〜1である。1重量部未満であると、誘電率を下げる効果が小さく、400重量部を超えると、機械的強度が低下する。
【0065】
3.溶媒(C)
本発明の膜形成用組成物において溶媒(C)は、重合体(A)及び化合物(B)を溶解又は分散させるために用いられる。
従って、本発明に用いられる溶媒(C)は、重合体(A)及び化合物(B)を溶解又は分散し得るものであれば特に制限はないが、例えば、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、アミド系溶媒及びケトン系溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。これらの溶媒を用いることにより、塗布性(加工性)が良好で、かつ貯蔵安定性に優れた組成物を得ることができる。
【0066】
(1)具体例
▲1▼エーテル系溶媒
エーテル系溶媒としては、例えば、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン等を挙げることができる。
【0067】
▲2▼エステル系溶媒
エステル系溶媒としては、例えば、ジエチルカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソアミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、メトキシメチルプロピオネート、エトキシエチルプロピオネート等を挙げることができる。
【0068】
▲3▼芳香族炭化水素系溶媒
芳香族炭化水素系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンセン、イソプロピルベンセン、ジエチルベンゼン、イソブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−イソプロピルベンセン、n−アミルナフタレン、トリメチルベンゼン等を挙げることができる。
【0069】
▲4▼アミド系溶媒
アミド系溶媒としては、例えば、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。
【0070】
▲5▼ケトン系溶媒
ケトン系溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジイソブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2−ヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、フェンチョン等を挙げることができる。
【0071】
溶媒(C)の具体例である上記化合物は、は、1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。
【0072】
(2)配合量
溶媒(C)の配合量は、重合体(A)の配合量100重量部に対して、50〜10,000重量部、好ましくは、100〜2,000重量部である。すなわち、重合体(A)及び溶媒(C)の重量比は、(A):(C)=1:0.5〜100、好ましくは、1:1〜20である。50重量部未満であると、均一に溶解しないことがあり、10,000重量部を超えると、所望の膜厚が得られないことが ある。
【0073】
4.その他の配合成分
本発明の膜形成用組成物には、さらに、界面活性剤等のその他の配合成分(D)を、重合体(A)の配合量100重量部に対して、好ましくは、0.001〜10重量部配合してもよい。
【0074】
界面活性剤としては、例えば、イオン種の面からは、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤等を挙げることができ、また、化学種の面からは、シリコーン系界面活性剤、ポリアルキレンオキシド系界面活性剤、含フッ素界面活性剤等を挙げることができる。
【0075】
II.膜の形成方法
本発明の膜の形成方法は、前述の膜形成用組成物を基板上に塗布し、化合物(B)の熱分解温度未満の温度で加熱して重合体(A)を一部硬化させ、次いで、化合物(B)の熱分解温度以上の温度で加熱して成膜することを特徴とする。
上記形成方法は、200〜600℃の加熱温度、かつ真空又は不活性ガスの雰囲気下で成膜することが好ましい。
【0076】
1.基板上への塗布
上述の膜形成用組成物を用いて膜を形成するには、まずその組成物を基板に塗布する。
組成物を塗布することができる基板としては、例えば、半導体、ガラス、セラミックス、金属等を挙げることができる。上述の組成物は、上記基板の中でも、シリコンウエハ、SiO2 ウエハ、SiNウエハ等の半導体チップ上に塗布して、絶縁膜とすることに適している。
また、塗布方法としては、例えば、スピンコート、ディッピング、ローラーブレード法等を挙げることができる。
【0077】
2.加熱方法
加熱方法としては、例えば、ホットプレート、オーブン、ファーネス等によるものを挙げることができる。また、加熱雰囲気としては、例えば、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、真空下、酸素濃度をコントロールした減圧下等を挙げることができる。
この加熱方法としては、形成した塗膜を、化合物(B)の熱分解温度未満の温度で加熱し、重合体(A)を一部硬化させ、次いで、化合物(B)の熱分解温度以上の温度から最終硬化温度まで加熱し、低密度の硬化物とする方法が好ましい。
すなわち、重合体(A)を一部硬化させてマトリックスの流動性を十分下げた状態で化合物(B)を分解させることによって、分解によって形成された空孔の形状を保持したまま膜を形成することができる。
【0078】
化合物(B)の熱分解温度は、通常、200〜400℃、より多くは200〜350℃の範囲にあるので、塗膜は最終的にはこの温度以上、すなわち、200〜600℃で加熱することが好ましく、また、減圧(真空)状態又は不活性ガス下で加熱することが好ましい。
【0079】
III.膜
本発明の膜は、前述の形成方法で形成することができる。この膜は、多孔質であるため低密度で、低誘電性のものとなる。すなわち、本発明の膜(以下、「低密度化膜」ということがある)は、その膜密度が、好ましくは、0.35〜1.2g/cm3 、さらに好ましくは0.4〜1.1g/cm3 、特に好ましくは0.5〜1.0g/cm3 の範囲にあるものである。0.35g/cm3 未満であると、塗膜の機械的強度が低下することがあり、1.2g/cm3 を超えると、低誘電性とすることができないことがある。
この膜密度の調整は、本発明における膜形成用組成物中の化合物(B)の含有量により、容易に行うことができる。
【0080】
本発明の低密度化膜の誘電率は、低誘電率であり、好ましくは、2.6〜1.2、さらに好ましくは2.5〜1.2、特に好ましくは2.4〜1.2である。
この誘電率の調整は、膜形成用組成物中の化合物(B)の含有量により容易に行うことができる。
【0081】
本発明の低密度化膜は、絶縁性はもとより、耐熱性、低誘電性及び機械的強度に優れることから、LSI、システムLSI、DRAM、SDRAM、RDRAM、D−RDRAM等の半導体素子用層間絶縁膜、半導体素子の表面コート膜等の保護膜、多層配線基板の層間絶縁膜、液晶表示素子用の保護膜、絶縁防止膜、ガス分離膜等の用途に有用である。
【0082】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって、さらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によって何等制限を受けるものではない。
なお、実施例中、%及び部は、特に断らない限り重量基準である。
また、実施例中の各種の測定項目は、下記のようにして測定した。
【0083】
(1)重量平均分子量
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により、ポリスチレン換算で求めた。
(2)比誘電率
8インチシリコンウエハ上に、スピンコート法を用いて組成物試料を塗布し、ホットプレート上で80℃で5分間、さらに325℃又は350℃で5分間基板を焼成した。得られた基板上に上部電極としてアルミニウムを蒸着し、誘電率評価用基板を作製した。誘電率は、横川・ヒューレットパッカード社製のHP16451B電極及びHP4284AプレシジョンLCRメーター用いて100kHzにおける静電容量値を測定し、下記式から、比誘電率を求めた。
ε=C・d/ε0 ・S
ここで、εは比誘電率、Cは静電容量、ε0は真空中の誘電率、Sは上部電極面積をそれぞれ示す。
(3)耐熱性
TG/DTAにより、425℃、窒素雰囲気下で、2時間保持した後の重量減少量(重量%)を測定した。
(4)弾性率(GPa)
得られた膜をナノデンターXP(ナノインスツルメント社製)を用いて、連続剛性測定法により測定した。
【0086】
合成例3
温度計、アルゴンガス導入管、攪拌装置を備えた1000ml三口フラスコにテトラキス(トリフェニルホスフェン)パラジウム(0)50g(43.3ミリモル)、ヨウ化銅16.5g(86.5ミリモル)、n−ブチルアミン290.0g(3.96モル)、cis−1,2−ジクロロエチレン83.8g(0.864モル)を加えた。次に、1,4−ジエチニルベンゼン109.0g(00.865モル)をベンゼン870mlに溶かし、シリンジにて加え室温で6時間反応させ濃赤色の反応液を得た。この反応液を酢酸5lで再沈殿を2回繰り返した後、クロロホルムに溶かし水で2回洗浄し、シクロヘキサン5lで再沈殿し、沈殿を濾過、乾燥により重量平均分子量5000の褐色粉末(重合体A3)を得た。
【0087】
合成例4
合成例1と同様な反応装置にジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム2.11g(3ミリモル)とヨウ化銅1.14g(6ミリモル)を加え、系内をアルゴン置換した。アルゴン雰囲気下でo−ジヨードベンゼン99g(300ミリモル)とアルゴンのバブリングで脱酸素したピペリジン150ml(1.52モル)とTHF350mlを加え、反応系を10℃まで冷却した。系を攪拌しながら、さらにTHF100mlに溶解させた1,3−ジエチニルベンゼン18.9g(150ミリモル)と1,4−ジエチニルベンゼン18.9g(150ミリモル)を加え、反応系を室温まで加温した。ピペリジニウムヨーダイドの沈殿が生じ始めたが、さらに20時間攪拌し、反応を継続した。
重合反応後、反応混合物溶液を3リットルの酢酸に注ぎ、生成重合体を析出させ、濾集により重合体を回収分離した。得られた重合体をクロロホルムに再溶解し、水で3回洗浄した。次いで、洗浄重合体溶液を大過剰のメタノールに注ぎ、凝固析出させた。濾集、真空乾燥によって黄橙色、重量平均分子量が38000の重合体(A4)を得た。
【0089】
実施例4
表1に示す組成で塗布液を調製した。この塗布液をスピンコートし80℃〜200℃までオーブン中窒素下で30分かけて焼成し、425℃1時間真空中で焼成した。得られた塗膜の物性を表1に示す。
【0090】
実施例5
合成例4で得られた重合体A4を100部、ポリスチレン(重量平均分子量1500)43部、シリコン系界面活性剤0.02部、シクロヘキサノン600部からなる塗布液を調製した。実施例1と同様に塗布、80℃〜200℃まで、オーブン中窒素下で30分かけて硬化焼成し、さらに425℃で30分窒素下で硬化焼成を完結させた。
得られた塗膜の物性は、表1に示すように耐熱性0.3%、比誘電率2.4、弾性率3.8GPaであった。
【0091】
【表1】
【0092】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によって、LSI、システムLSI、DRAM、SDRAM、RDRAM、D−RDRAM等の半導体素子用低誘電性層間絶縁膜;半導体素子の表面コート膜等の保護膜;多層配線基板の低誘電性層間絶縁膜;液晶表示素子用の保護膜、絶縁防止膜、ガス分離膜等の原材料として好適な、加工性に優れるとともに、耐熱性、低誘電性、及び機械的強度に優れた塗膜を形成し得る膜形成用組成物、膜の形成方法、及び膜を提供することができる。
Claims (7)
- (A)下記式(1)に示す繰り返し単位を50モル%以上含む重合体、(B)TG/DTAにより窒素下、昇温速度10℃/分の条件で測定した5%重量減少温度が200〜400℃の有機化合物、及び(C)有機溶媒を含有してなることを特徴とする膜形成用組成物。
- 前記(A)重合体が、前記式(1)に示す繰り返し単位からなるものである請求項1に記載の膜形成用組成物。
- 前記(B)有機化合物が、ポリアルキレングリコール誘導体、ポリスチレン誘導体、エポキシ誘導体、ノボラック樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、(メタ)アクリレート共重合体、ビニルピロリドン共重合体、アクリルアミド共重合体、脂肪族ポリアミド、アビエチン酸誘導体、コレステロール誘導体及びシクロデキストリン誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載の膜形成用組成物。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の膜形成用組成物を基板上に塗布し、前記(B)有機化合物の熱分解温度未満の温度で加熱して前記(A)重合体を一部硬化させ、次いで、前記(B)有機化合物の熱分解温度以上の温度で加熱して成膜することを特徴とする膜の形成方法。
- 真空又は不活性ガスの雰囲気下で成膜する請求項4に記載の膜の形成方法。
- 請求項4又は5に記載の膜の形成方法によって形成してなる膜。
- 絶縁膜である請求項6に記載の膜。
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