JP4324240B1 - バンパー構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】バンパー構造の重量増加を最小限に抑え、且つ、曲げ強度を向上させる。
【解決手段】バンパー構造21は、車体の前部に取り付けられ、基準線Wに沿って延びる。鋼製のバンパー本体2(ヤング率:Est、密度:ρst)の前面側に、アルミニウム製の補強板3(ヤング率:E、密度:ρ)を固定する。バンパー本体2及び補強板3は、B字形に形成されている。バンパー本体2及び補強板3においては、(Est/ρst )<(E/ρ )の関係が満足されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の車体に取り付けられるバンパー構造に関する。
従来、自動車の車体に取り付けられる鋼製の自動車用パンパビームの多くは、980MPa級の鋼板を用いて、断面がB型となるように形成されている。
自動車用パンパビームの主たる役割は、(i)衝突対象との衝突時に、自身が変形して衝突時の衝撃エネルギーを自身で吸収すること、及び、(ii)衝突時に、車体左右のサイドメンバに衝撃荷重を伝達して、サイドメンバを変形させることにより、衝突時のエネルギーを、サイドメンバに吸収させることである。即ち、バンパビームは、サイドメンバに衝撃エネルギーを吸収させることにより、自動車のキャビンの変形を、設計されたように抑制して、乗員を衝撃から守っている。
特許文献1には、B型断面のリインフォース(reinforcement)の上方の筒部と下方の筒部とのそれぞれに発泡材が充填されることによって、軽量化が図られ且つリインフォースの座屈が防止される自動車のバンパーの支持構造が開示されている。
特許文献2には、B型断面を構成する上部壁及び下部側中間片が、下方に向かって傾斜するように形成されるとともに、下部壁及び上部側中間片が、上方に向かって傾斜するように形成されたバンパメインビームが開示されている。この構成では、車両の衝突時に、メインビームの上部壁及び下部壁が蛇腹状に座屈する。そのため、衝突した車両の乗員、及び衝突された車両の人員に対する安全性が向上する。
特許文献3には、B型断面を構成するように、2つの中空部材が複数個のブラケットによって連結されるとともに、当該連結部分が補強部材で補強されていることにより、比較的脆弱な中央部分が局部的に補強された自動車用バンパーのバックビーム構造が開示されている。
特許文献4に開示された自動車用バンパーリンフォースメントにおいては、中空矩形断面を構成するウェブの、中立軸(neutral axis)より圧縮フランジ側の肉厚が、引張フランジ側の肉厚より厚くなっていることによって、全体の曲げ強度が高められている。
特許文献5には、バンパリインフォースの3本のリブのうち、中間リブの板厚が他のリブよりも厚くなっている車両用バンパー装置が開示されており、これにより、3本のリブが座屈した際のエネルギー吸収能力の低下が防止される。
特許文献6に開示された構造部材においては、引っ張り側のフランジ(圧縮側のフランジに対して反対側に配置されたフランジ)の表面にFRP材が設けられ、且つ、圧縮側のフランジの幅と厚みとの比が12以下となっており、これにより、構造部材のエネルギー吸収量が高められている。
特許文献7に開示された複合構造部材においては、鋼管に挿入された補強管の外側形状が鋼管の内壁に沿っており、且つ、補強管の内部にリブが形成されており、これにより、十分な強度が得られる。
特許文献8の充填構造体においては、エネルギー吸収性能に優れた充填材が、中空部材の内部に挿入され、且つ、この充填材が中空部材に固定されており、この充填構造体においては、良好な耐食性が確保されている。
特許文献9の車体構造部材は、強度の異なる複数の部材で構成されており、各部材の強度差によって、車体構造部材にねじれモーメントが発生し、曲げ荷重が他部材に分散される。そのため、車体構造部材のエネルギー吸収効率が向上する。
特許文献10のバンパー構造においては、バンパー補強材の中空部内に、潰れ変形防止体が配置されており、これにより、バンパー構造において、座屈変形が抑制され、衝撃エネルギーの吸収能力が向上する。
特開平11−334500号公報 特開2006−218904号公報 特開2005−8146号公報 特開平11−059296号公報 特開2004−148915号公報 特開2003−129611号公報 特開2003−312404号公報 特開2005−88651号公報 特開2006−248336号公報 特開2000−52897号公報
車体の前後に、ポール状の物体が高速で衝突する場合、自動車用パンパビームには高い曲げ強度が要求される。すなわち、自動車用パンパビームには、ポール状の物体に衝突した場合においても、自身は大きく変形することなく、荷重をサイドメンバに伝達することが求められる。
しかし、鋼製の自動車用パンパビームにおいては、(i)フランジ(上下に延びる壁部)のたわみにより、断面性能が十分に発揮されないために、曲げ強度に限界があるという問題があり、さらに、(ii)ウェブ(前後に延びる壁部)の圧縮座屈により、断面性能が十分に発揮されないために、曲げ強度に限界があるという問題がある。
そして、バンパーの曲げ強度については、バンパーをできるだけ重量化させずに、高められることが望ましい。
例えば、上記の(ii)の問題に関して、ウェブの座屈荷重(buckling load)は、材料のヤング率、及び、板厚の3乗に比例しているため、ウェブの座屈を抑制するには、材料の強度を向上させるよりも、板厚を増加させた方が効率的である。しかし、鋼製の自動車用パンパビームは、ロールフォーム成型によって製造されるため、フランジも含め、バンパビーム全体の板厚が均一となる。よって、ウェブの板厚を増加させると、板厚の増加分に比例してビーム全体の重量が増加することになり、重量当たりの性能(座屈に対する耐久性能)について、大きな向上は望めない。また、このように、ウェブの板厚の増加が重量の増加を招いてしまうが、今日ではCO削減のために車両全体の軽量化が要求されているという背景がある。
また、自動車用パンパビームの断面内部に補強材(付加物)を取り付けるのは、製造上の困難が大きく、また、大きな補強材を取り付けると重量増加が著しくなる。また、これらの補強材を用いる場合、コストアップが著しいという問題点もある。さらに、FRP(Fiber Reinforced Plastics)は軽量であるが、FRPをバンパビームの構成材として使用することにより、ビームの圧縮座屈を防止することはほとんど望めない。
本発明の目的は、重量増加を最小限に抑え、且つ、曲げ強度を向上させることが可能なバンパー構造を提供することである。
(1)上記の課題を解決するために、本発明のバンパー構造は、車体の前部又は後部に取り付けられ、基準線に沿って延びるものであって、板材で形成され、前記基準線に沿って延びる金属製のバンパー本体と、前記基準線に沿って延び、前記バンパー本体に取り付けられた金属製の第1補強板と、を有する。
前記バンパー本体及び前記第1補強板は、前記基準線に垂直な一断面において、(a)線状に延びる前記第1補強板と、(b)前記バンパー本体に形成され、且つ、前記第1補強板と交差する方向へ突出する二つの凸部と、を有することでB字形に形成されており、前記バンパー本体及び前記第1補強板において、下記の関係が満足されている。
(Est/ρst )<(E/ρ
st:バンパー本体のヤング率
ρst:バンパー本体の密度
:第1補強板のヤング率
ρ:第1補強板の密度
上記の構成では、バンパー本体の前部(後方バンパーの場合はバンパー本体の後部)に、アルミニウム等の金属材料で形成された第1補強板が配置されるため、バンパー本体が補強される。また、バンパー本体及び第1補強板のヤング率及び密度が、上記の関係を満足しているので、バンパー構造の重量増加が最小限に抑えられ、且つ、バンパー構造の曲げ強度が向上する。
なお、バンパー本体及び第1補強板の材料は、同一の材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。「バンパー本体−第1補強板」の材料については、例えば、「鋼−アルミニウム」、「鋼−鋼」、「鋼−銅」、「銅−銅」のように組み合わせることができる。
また、上記の(a)及び(b)を有することでB字形に形成された一断面(基準線に垂直な一断面)が、バンパー構造に存在していればよく、バンパー構造の全ての断面が、上記の(a)及び(b)を有することでB字形に形成されていなくてもよい。
バンパー構造が延びる方向(基準線の方向)は、車体の幅方向に対して平行であってもよいし、幅方向に対して傾いていてもよい。また、基準線の方向は、直線的に延びていてもよいし、曲線的に(湾曲状や弓形に)延びていてもよい。また、上記の「交差」は、垂直な交差には限られず、垂直方向に対して多少の傾きを含む交差とする。
バンパー本体は、基準線に垂直な一断面において、B字形に形成されていてもよい。すなわち、バンパー本体には、基準壁(二つの凸部を構成する、四つの壁部のうち、外側の壁部の端部同士を結び、且つ、第1補強板が延びる方向に延びる壁部)があってもよい。また、基準壁がある場合において、基準壁は、上下方向に平行であってもよいし、上下方向に対して傾いていてもよい。また、基準壁がある場合において、基準線に垂直な一断面において、基準壁は、直線的に延びていてもよいし、曲線的に延びていてもよい。
また、バンパー本体及び第1補強板を連結(一体化)する方法としては、溶接、ネジ止め、接着などを利用できる。
(2)本発明に係るバンパー構造において、前記基準線に垂直な一断面において、前記二つの凸部は、前記第1補強板に対して交差する方向に延びる、四つの壁部を有しており、前記四つの壁部は、前記第1補強板に沿って並べて配置されており、前記第1補強板には、前記四つの壁部のうち、内側の二つの壁部を挟むように、二つの第1凸部が設けられており、それぞれの前記第1凸部は、前記一断面において、前記第1補強板に対して交差する方向に延びていてもよい。
上記の構成によれば、二つの第1凸部によって、内側の二つの壁部の座屈(二つの壁部の中央が、互いに離れる方向に変形する座屈)が抑制される。そのため、バンパー構造の曲げ強度が更に向上する。
なお、四つの壁部は、前後方向に平行に形成されていてもよいし、前後方向に対して傾いていてもよい。また、上記の「交差」は、垂直な交差には限られず、垂直方向に対して多少の傾きを含む交差とする。
(3)本発明に係るバンパー構造において、前記基準線に垂直な一断面において、前記二つの凸部は、前記第1補強板に対して交差する方向に延びる、四つの壁部を有しており、前記四つの壁部は、前記第1補強板に沿って並べて配置されており、前記第1補強板には、前記四つの壁部のうち、外側の二つの壁部を挟むように、二つの第2凸部が設けられており、それぞれの前記第2凸部は、前記一断面において、前記第1補強板に対して交差する方向に延びていてもよい。
上記の構成によれば、二つの第2凸部によって、外側の二つの壁部の座屈(二つの壁部の中央が、互いに離れる方向に変形する座屈)が抑制される。そのため、バンパー構造の曲げ強度が更に向上する。
なお、四つの壁部は、前後方向に平行に形成されていてもよいし、前後方向に対して傾いていてもよい。また、上記の「交差」は、垂直な交差には限られず、垂直方向に対して多少の傾きを含む交差とする。
(4)本発明に係るバンパー構造において、前記四つの壁部のうち、外側の二つの壁部の先端部と、前記二つの第2凸部とは、固定されていてもよい。
(a)外側へ膨らむ座屈(外側の二つの壁部の中央が、互いに離れる方向に変形する座屈)に関して:この構成では、(i)二つの第2凸部との接触によって、外側の二つの壁部の変形が抑制され、また、(ii)外側の二つの壁部と、二つの第2凸部との一体化により、座屈荷重が増大する。この二つの理由により、外側へ膨らむ座屈が抑制される。
(b)内側へ縮む座屈(外側の二つの壁部の中央が、互いに近付く方向に変形する座屈)に関して:この構成では、外側の二つの壁部と、二つの第2凸部との一体化により、二つの壁部の座屈荷重が増大するため、内側へ縮む座屈が抑制される。
なお、外側の二つの壁部と、二つの第2凸部とを固定する方法としては、接着、溶接、ボルト止めなどを利用できる。
(5)本発明に係るバンパー構造においては、前記第1補強板の、前記二つの第2凸部の根元部分には、前記四つの壁部のうち、外側の二つの壁部の先端が収容される、二つの凹部が形成されており、前記二つの凹部は、前記二つの第2凸部によって挟まれた位置に配置されていてもよい。
この構成では、一体化部分(溶接部など)の剥離(分解)が抑制されるため、第1補強板とバンパー本体とが一体化した状態が、少なくとも、バンパー本体が座屈変形するまで保たれる。そのため、内側へ縮む座屈(外側の二つの壁部の中央が、互いに近付く方向に変形する座屈)が抑制される。
(6)本発明に係るバンパー構造においては、前記第1補強板には、前記四つの壁部のうち、外側の二つの壁部によって挟まれる位置に、二つの第3凸部が設けられており、それぞれの前記第3凸部は、前記基準線に垂直な一断面において、前記第1補強板に対して交差する方向に延びており、前記四つの壁部のうち、外側の二つの壁部の先端部と、前記第1補強板とは固定されており、前記第1補強板の、前記二つの第3凸部の根元部分には、前記四つの壁部のうち、外側の二つの壁部の先端が収容される、二つの凹部が形成されていてもよい。
上記の構成によれば、二つの第3凸部によって、外側の二つの壁部の座屈(外側の二つの壁部の中央が、互いに近付く方向に変形する座屈)が抑制される。そのため、バンパー構造の曲げ強度が更に向上する。
また、外側の二つの壁部と、第1補強板との一体化により、外側の二つの壁部の、外側へ膨らむ座屈、及び、内側へ縮む座屈が抑制される。
また、二つの凹部に、外側の二つの壁部の先端が収容されることにより、一体化部分(溶接部など)の剥離(分解)が抑制される。そのため、第1補強板とバンパー本体とが一体化した状態が、少なくとも、バンパー本体が座屈変形するまで保たれる。その結果、外側へ膨らむ座屈(外側の二つの壁部の中央が、互いに離れる方向に変形する座屈)が抑制される。
なお、外側の二つの壁部と、第1補強板とを固定する方法としては、接着、溶接、ボルト止めなどを利用できる。また、上記の「交差」は、垂直な交差には限られず、垂直方向に対して多少の傾きを含む交差とする。
(7)本発明に係るバンパー構造においては、前記第1補強板の材料が、アルミニウムであってもよい。
この構成によると、軽量な第1補強板が得られる。なお、第1補強板は、純アルミニウムであってもよいし、アルミニウム合金(ジュラルミンなど)であってもよい。第1補強板をアルミニウム合金にすることにより、純アルミニウムの場合に比べて、第1補強板の強度が増大する。
(8)上記の課題を解決するため、本発明に係るバンパー構造は、車体の前部又は後部に取り付けられ、基準線に沿って延びるバンパーものであって、板材で形成され、前記基準線に沿って延びる金属製のバンパー本体と、前記基準線に沿って延び、前記バンパー本体に取り付けられた金属製の第2補強板と、を有する。
前記バンパー本体は、前記基準線に垂直な一断面において、(a)線状に延びる基準壁と、(b)前記バンパー本体に形成され、且つ、前記基準壁と交差する方向へ突出する二つの凸部と、を有することでB字形に形成されており、前記基準線に垂直な一断面において、前記二つの凸部は、前記基準壁に対して交差する方向に延びる、四つの壁部を有しており、前記四つの壁部は、前記基準壁に沿って並べて配置されており、前記第2補強板は、前記四つの壁部のうち少なくとも一つに対して、これらと平行に取り付けられており、前記バンパー本体及び前記第2補強板において、下記の関係が満足されている。
(Est/ρst )<(E/ρ
st:バンパー本体のヤング率
ρst:バンパー本体の密度
:第2補強板のヤング率
ρ:第2補強板の密度
上記の構成では、バンパー本体のウェブ(四つの壁部)に、アルミニウム等の金属材料で形成された第2補強板が配置されるため、バンパー本体が補強される。また、バンパー本体及び第2補強板のヤング率及び密度が、上記の関係を満足しているので、バンパー構造の重量増加が最小限に抑えられ、且つ、バンパー構造の曲げ強度が向上する。
なお、バンパー本体及び第2補強板の材料は、同一の材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。「バンパー本体−第2補強板」の材料については、例えば、「鋼−アルミニウム」、「鋼−鋼」、「鋼−銅」、「銅−銅」のように組み合わせることができる。
基準線に垂直な一断面における形状に関して、上記の一断面(基準線に垂直な一断面)が、バンパー構造に存在していればよく、バンパー構造の全ての断面が、上記事項を充足していなくてもよい。
バンパー構造が延びる方向(基準線の方向)は、車体の幅方向に対して平行であってもよいし、幅方向に対して傾いていてもよい。また、基準線の方向は、直線的に延びていてもよいし、曲線的に(湾曲状や弓形に)延びていてもよい。
四つの壁部は、前後方向に平行に形成されていてもよいし、前後方向に対して傾いていてもよい。また、上記の「交差」は、垂直な交差には限られない。
第2補強板の枚数は一枚であっても複数であってもよい。例えば、二枚の第2補強板が、四つの壁部のうち、外側の二つの壁部の両方に取り付けられていてもよいし、四枚の第2補強板が、四つの壁部に取り付けられていてもよい。
また、第2補強板の前端又は後端に、第2補強板に対して垂直に延びる突出壁が形成されていてもよい。また、第2補強板は、バンパー本体の外面に取り付けられていてもよいし、内面に取り付けられていてもよい。
また、バンパー本体及び第2補強板を連結(一体化)する方法としては、溶接、ネジ止め、接着などを利用できる。
(9)本発明に係るバンパー構造においては、下記の関係が満足されていてもよい。
<(ρst/ρ)×tst
st:バンパー本体の板厚
この構成では、上記の関係が満足されているために、第2補強板を設けた場合における、バンパー構造の取り付け対象部分の重量増加を、第2補強板が取り付けられる壁部(四つの壁部)の重量に対して、2倍未満に抑えることができる。すなわち、第2補強板が壁部(四つの壁部)に取り付けられた状態において、取り付け対象部分(第2補強板及び当該壁部)の重量が、当該壁部の2倍未満となる。
(10)本発明に係るバンパー構造においては、下記の関係が満足されていてもよい。
0.3×tst < t
st:バンパー本体の板厚
この構成では、上記の関係が満足されているため、第2補強板によって、バンパー構造の曲げ強度が確実に向上する。
(11)本発明に係るバンパー構造においては、前記第2補強板の材料が、アルミニウムであってもよい。
この構成によると、軽量な第2補強板が得られる。なお、第2補強板は、純アルミニウムであってもよいし、アルミニウム合金(ジュラルミンなど)であってもよい。第2補強板をアルミニウム合金にすることにより、純アルミニウムの場合に比べて、第2補強板の強度が増大する。
(12)上記の課題を解決するために、本発明のバンパー構造は、車体の前部又は後部に取り付けられ、基準線に沿って延びるものであって、前記基準線に沿って延び、第1壁、第2壁、第3壁、第4壁、第5壁、第6壁、及び第7壁を備える金属製のバンパー本体と、前記基準線に沿って延びる金属製の第1補強板と、を有する。前記基準線に垂直な一断面において、(a)前記第2壁は、前記第1壁の一端から、前記第1壁と交差する方向に延び、(b)前記第3壁は、前記第2壁の、前記第1壁とは反対側の端部から、前記第2壁と交差する方向に、且つ、前記第2壁に対して前記第1壁とは反対側に延び、(c)前記第4壁は、前記第3壁の、前記第2壁とは反対側の端部から、前記第3壁と交差する方向に、且つ、前記第3壁に対して前記第2壁の側に延び、(d)前記第5壁は、前記第1壁の他端から、前記第1壁と交差する方向に、且つ、前記第1壁に対して前記第2壁と同じ側に延び、(e)前記第6壁は、前記第5壁の、前記第1壁とは反対側の端部から、前記第5壁と交差する方向に、且つ、前記第5壁に対して前記第1壁とは反対側に延び、(f)前記第7壁は、前記第6壁の、前記第5壁とは反対側の端部から、前記第6壁と交差する方向に、且つ、前記第6壁に対して前記第5壁の側に延び、(g)前記第1補強板は、前記第1壁が延びる方向に延びており、且つ、前記第1壁に垂直な方向に関して、前記バンパー本体の、前記第3壁及び前記第6壁とは反対側の端部に対して取り付けられている。そして、前記バンパー本体及び前記第1補強板において、下記の関係が満足されている。
(Est/ρst )<(E/ρ
st:バンパー本体のヤング率
ρst:バンパー本体の密度
:第1補強板のヤング率
ρ:第1補強板の密度
第2壁、第4壁、第5壁、及び第7壁は、前後方向に平行に形成されていてもよいし、前後方向に対して傾いていてもよい。第1壁、第3壁及び第6壁は、上下方向に平行であってもよいし、上下方向に対して傾いていてもよい。また、第1壁乃至第7壁のそれぞれは、基準線に垂直な一断面において、直線的に延びていてもよいし、曲線的に延びていてもよい。また、上記の「交差」は、垂直な交差には限られない。
バンパー本体には、第8壁(第4壁の、第3壁とは反対側の端部と、第7壁の、第6壁とは反対側の端部とを結び、且つ、第1壁が延びる方向に延びる壁部)があってもよいし、なくてもよい。
また、バンパー本体に第8壁がない場合において、第4壁又は第7壁の端部(第4壁の、第3壁とは反対側の端部、及び、第7壁の、第6壁とは反対側の端部)には、第4壁及び第7壁に対して垂直に延びる突出部が形成されていてもよい。また、第8壁がある場合において、第8壁は、上下方向に平行であってもよいし、上下方向に対して傾いていてもよい。また、基準線に垂直な一断面において、第8壁は、直線的に延びていてもよいし、曲線的に延びていてもよい。
バンパー本体に第8壁が設けられていない場合には、第1補強板は、第4壁及び第7壁に取り付けられていてもよいし、第1壁の表面に取り付けられていてもよい。バンパー本体に第8壁が設けられている場合には、第1補強板は、第8壁の表面に取り付けられていてもよい。また、バンパー本体及び第1補強板を連結(一体化)する方法としては、溶接、ネジ止め、接着などを利用できる。
(13)上記の課題を解決するため、本発明に係るバンパー構造は、車体の前部又は後部に取り付けられ、基準線に沿って延びるものであって、前記基準線に沿って延び、第1壁、第2壁、第3壁、第4壁、第5壁、第6壁、第7壁、及び第8壁を備える金属製のバンパー本体と、前記基準線に沿って延びる金属製の第2補強板(4)と、を有する。前記基準線に垂直な一断面において、(a)前記第2壁は、前記第1壁の一端から、前記第1壁と交差する方向に延び、(b)前記第3壁は、前記第2壁の、前記第1壁とは反対側の端部から、前記第2壁と交差する方向に、且つ、前記第2壁に対して前記第1壁とは反対側に延び、(c)前記第4壁は、前記第3壁の、前記第2壁とは反対側の端部から、前記第3壁と交差する方向に、且つ、前記第3壁に対して前記第2壁の側に延び、(d)前記第5壁は、前記第1壁の他端から、前記第1壁と交差する方向に、且つ、前記第1壁に対して前記第2壁と同じ側に延び、(e)前記第6壁は、前記第5壁の、前記第1壁とは反対側の端部から、前記第5壁と交差する方向に、且つ、前記第5壁に対して前記第1壁とは反対側に延び、(f)前記第7壁は、前記第6壁の、前記第5壁とは反対側の端部から、前記第6壁と交差する方向に、且つ、前記第6壁に対して前記第5壁の側に延び、(g)前記第8壁は、前記第4壁の、前記第3壁とは反対側の端部と、前記第7壁の、前記第6壁とは反対側の端部とを結び、且つ、前記第1壁が延びる方向に延び、前記第2補強板は、前記第2壁、前記第4壁、前記第5壁及び前記第7壁のうち少なくとも一つに対して、これらと平行に取り付けられている。そして、前記バンパー本体及び前記第2補強板において、下記の関係が満足されている。
(Est/ρst )<(E/ρ
st:バンパー本体のヤング率
ρst:バンパー本体の密度
:第2補強板のヤング率
ρ:第2補強板の密度
第2壁、第4壁、第5壁、及び第7壁は、前後方向に平行に形成されていてもよいし、前後方向に対して傾いていてもよい。第1壁、第3壁、第6壁及び第8壁は、上下方向に平行であってもよいし、上下方向に対して傾いていてもよい。また、第1壁乃至第8壁のそれぞれは、基準線に垂直な一断面において、直線的に延びていてもよいし、曲線的に延びていてもよい。また、上記の「交差」は、垂直な交差には限られない。
第2補強板の枚数は一枚であっても複数であってもよい。例えば、二枚の第2補強板が、第4壁及び第7壁の両方に取り付けられていてもよいし、四枚の第2補強板が、第2壁、第4壁、第5壁及び第7壁に取り付けられていてもよい。
例えば、第2壁及び第5壁に取り付けられた二枚の第2補強板が、連結板(第1壁が延びる方向に延びる板)によって連結されていてもよい。また、第2補強板の前端又は後端に、第2補強板に対して垂直に延びる突出壁が形成されていてもよい。また、第2補強板は、バンパー本体の外面に取り付けられていてもよいし、内面に取り付けられていてもよい。
本発明の第1実施形態に係るバンパー構造の断面図である。 第2実施形態に係るバンパー構造の断面図である。 シミュレーション結果を表わすグラフである。 第3実施形態に係るバンパー構造の断面図である。 第4実施形態に係るバンパー構造の断面図である。 第5実施形態に係るバンパー構造の断面図である。 シミュレーション結果を表わすグラフである。 第1変形例に係るバンパー構造の断面図である。 第2変形例に係るバンパー構造の断面図である。 第3変形例に係るバンパー構造の断面図である。 第4変形例に係るバンパー構造の断面図である。 (a)は第6実施形態に係るバンパー構造の断面図、(b)は第1変形例に係るバンパー構造の断面図である。 (a)は第2変形例に係るバンパー構造の断面図、(b)は第3変形例に係るバンパー構造の断面図、(c)は第4変形例に係るバンパー構造の断面図である。 第5変形例に係るバンパー構造の断面図である。 第7実施形態に係るバンパー構造の断面図である。 サンプルの断面図である。 試験結果を表わすグラフである。 第8実施形態に係るバンパー構造の断面図である。 試験結果を表わすグラフである。 第8実施形態の第1変形例に係るバンパー構造の断面図である。 第8実施形態の第2変形例に係るバンパー構造の断面図である。 第1実施形態に係るバンパー本体の斜視図である。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態におけるバンパー構造1について、図1及び図22を用いて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るバンパー構造の断面図である。また、図22は、第1実施形態に係るバンパー本体の斜視図である。なお、図1の断面は、バンパー構造の一断面(基準線Wに対して垂直な一断面)であり、図1の断面位置は、図22のE−E’位置に相当する。
(バンパー構造の構成)
図1に示すように、バンパー構造1の断面はB字形になっている。また、バンパー構造1は、鋼製のバンパー本体(バンパビーム)2と、アルミウム製の補強板(第1補強板)3とを有する。図22に示すように、バンパー本体2は、基準線W(図の破線W参照)に沿って延びており、上面視において、湾曲した弓なりの形状を有する。基準線Wの方向は、幅方向C(左右方向;図の矢印C方向参照)にほぼ一致している。より詳細には、基準線Wは、幅方向に対して湾曲している。図1は、基準線Wに対して垂直な断面だが、幅方向Cに対してほぼ垂直な断面ともいえる。
補強板3は、バンパー本体2に沿って配置されるため、バンパー本体2と同様に、補強板3も、上面視において湾曲した弓なりの形状を有する。なお、このバンパー構造1に対して、バンパー構造1を覆うように、合成樹脂製のバンパーカバー(図示せず)が取り付けられることにより、バンパー組立体が形成される。
バンパー構造1は、車体の前部に取り付けられるものである。バンパー本体2は、車体の左右のサイドメンバ(車体前後に延びる梁材;図22のS部分参照)に対して、左右二箇所において、溶接により取り付けられる。
以下の説明では、車体の前後方向B(図の矢印B方向参照)における、前方をB2側、後方をB1側とする(図のB1側及びB2側参照)。B2側は、前後方向Bに関して、車体に近付く側(車体側)に相当し、B1側は、前後方向Bに関して、車体から離れる側に相当する。また、車体の上下方向A(図の矢印A方向参照)における、上側をA1側、下側をA2側とする。また、以下の説明中の「衝突方向」(図の矢印D方向参照)とは、衝突対象と車体とが前後方向に衝突すると仮定した場合における衝突方向であるとする。すなわち、以下の説明中の衝突方向Dは、前後方向に一致する方向である。
(バンパー本体)
バンパー本体2は、板材で形成されている。また、バンパー本体2は、基準線Wに対して垂直な断面がB字形となるように形成されており、第1壁(中央フランジ)2j、第2壁(内側ウェブ)2k、第3壁(後側フランジ)2m、第4壁(外側ウェブ)2a、第5壁(内側ウェブ)2e、第6壁(後側フランジ)2d、第7壁(外側ウェブ)2c、及び、第8壁(前側フランジ;基準壁)2bの各壁部を有する。また、バンパー本体2は、基準線Wに沿って延びている。
第1壁2jは、上下方向Aに沿って上下に延びている。また、第2壁2kは、第1壁2jの上端から、前後方向Bに沿ってB2側へ(車体に近付く方へ)延びている。第3壁2mは、第2壁2kの車体側(B2側)の端部から、上下方向Aに沿って上方へ延びている。第4壁2aは、第3壁2mの上端から、前後方向Bに沿ってB1側へ(車体から離れる方へ)延びている。
第5壁2eは、第1壁2jの下端から、前後方向Bに沿ってB2側へ延びている。第6壁2dは、第5壁2eの車体側の端部から、下方へ延びている。第7壁2cは、第6壁2dの下端から、前後方向Bに沿ってB1側へ延びている。
第8壁2bは、上下方向Aに沿って上下に延びており、第4壁2a及び第7壁2cの、B1側の端部同士を結んでいる。
第1壁2j及び第8壁2bは、それぞれの表面同士が密着するように、溶接により一体化されている。また、バンパー本体2を構成するそれぞれの壁部は、基準線Wに沿って延びている(図22参照)。
本実施形態においては、第1壁2j、第3壁2m、第6壁2d、及び第8壁2bは、前後方向Bに対して垂直に形成されており、また、第2壁2k、第4壁2a、第5壁2e、及び第7壁2cは、前後方向Bに対して平行に(上下方向Aに対して垂直に)形成されている。前後方向Bに垂直な壁部をフランジとし、また、前後方向Bに平行な壁部をウェブとすると、第1壁2j、第3壁2m、第6壁2d、及び第8壁2bがフランジに相当し、第2壁2k、第4壁2a、第5壁2e、及び第7壁2cがウェブに相当する。
第4壁2a及び第7壁2cは、衝突方向に平行な外側のウェブである。また、第5壁2e及び第2壁2kは、衝突方向に平行な内側のウェブである。第1壁2jは、第5壁2e及び第2壁2kを連結している。第8壁2bは、矢印Dで示す衝突方向の上流側に位置し、第8壁2bのB1側には、衝突面(衝突方向に直交する面)が形成されている。
本実施の形態において、バンパー本体2における、各フランジ及び各ウェブの板厚は、1.4mmである。また、バンパー本体2を構成する鋼材のヤング率は21000MPaであり、密度は7874kg/mである。
基準線Wに垂直な一断面において、バンパー本体2には、補強板3に交差する方向へ突出する二つの凸部(凸部2t、凸部2s)が形成されている。凸部2tは、第4壁2a、第3壁2m、及び第2壁2kから成り、凸部2sは、第5壁2e、第6壁2d及び第7壁2cから成る。
また、基準線Wに垂直な一断面において、二つの凸部は、四つの壁部(第4壁2a、第2壁2k、第5壁2e、及び第7壁2c)を有し、これらの四つの壁部は、補強板3に対して交差する方向(前後方向B)に延びている。また、四つの壁部は、上下方向Aに沿って並べられている。
また、基準線Wに垂直な一断面である図1においては、各壁部は以下のようになっている。第2壁2kは、第1壁2jの一端(A1側の端部)から、第1壁2jと交差する方向(前後方向B)に延びている。また、第3壁2mは、第2壁2kのB2側の端部(第1壁2jとは反対側の端部)から、第2壁2kと交差する方向に沿って延びている。また、第3壁2mは、第2壁2kのB2側の端部から、A1側(第2壁2kに対して第1壁2jとは反対側)に延びている。第4壁2aは、第3壁2mのA1側(第2壁2kとは反対側)の端部から、第3壁2mと交差する方向に沿って延びている。また、第4壁2aは、第3壁2mのA1側の端部から、B1側(第3壁2mに対して第2壁2kの側)に延びている。
第5壁2eは、第1壁2jの他端(A2側の端部)から、第1壁2jと交差する方向に延びている。また、第5壁2eは、第1壁2jのA2側の端部から、B2側(第1壁2jに対して第2壁2kと同じ側)に延びている。また、第6壁2dは、第5壁2eの、B2側(第1壁2jとは反対側)の端部から、第5壁2eと交差する方向に延びている。また、第6壁2dは、第5壁2eのB2側の端部から、A2側(第5壁2eに対して第1壁2jとは反対側)に延びている。また、第7壁2cは、第6壁2dの、A2側(第5壁2eとは反対側)の端部から、第6壁2dと交差する方向に延びている。また、第7壁2cは、第6壁2dの、A2側の端部から、B1側(第6壁2dに対して第5壁2eの側)に延びている。
第8壁2bは、第4壁2aの、第3壁2mとは反対側の端部と、第7壁2cの、第6壁2dとは反対側の端部とを結んでいる。また、第8壁2bは、第1壁2jが延びる方向に延びている。
(補強板)
補強板3は、基準線Wに沿って延びている。また、補強板3は、上下方向Aに沿って延びている。そして、補強板3は、前後方向Bに対して垂直となるように、バンパー本体2に取り付けられている。補強板3は、バンパー本体2における、B1側の端部(車体から離れた方の端部)に対して取り付けられている。具体的には、補強板3は、第8壁2bに対して、それぞれの表面同士が密着するように、溶接により取り付けられている。また、補強板3は、バンパー本体2の衝突面側(B1側)に配置されている。
この補強板3は、第8壁2bの前面の全体にわたって取り付けられており、第8壁2bを補強している。すなわち、本実施形態における補強板3は、第8壁2bの補強材として機能する。本実施の形態において、補強板3の板厚は、2.0mmである。また、補強板3を構成するアルミニウム材のヤング率は6900MPaであり、密度は2700kg/mである。なお、補強板3はアルミニウム製のものには限定されず、他の金属材料で形成されていてもよい。
また、基準線Wに垂直な一断面である図1において、補強板3は、以下のようになっている。補強板3は、第1壁2jが延びる方向(上下方向A)に沿って、線状に延びている。また、補強板3は、第1壁2jに垂直な方向(前後方向B)に関して、バンパー本体2の、B1側(第3壁2m及び第6壁2dとは反対側)の端部に対して取り付けられている。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態におけるバンパー構造21について、図2を用いて説明する。なお、上記の実施形態と同様の部分については、図に同一の符号を付してその説明を省略する。図2は、第2実施形態に係るバンパー構造の断面図である。以下、上記の実施形態とは異なる部分を中心に説明し、上記の実施形態と同様の事項については、その説明を省略する。
バンパー構造21は、バンパー本体22と、補強板3とを有する。バンパー構造21は、図2に示すように、断面がB字形になるように形成されている。また、上記のバンパー本体2とは異なり、本実施形態に係るバンパー本体22(上記のバンパー本体2に相当)には、第8壁2bが設けられていない。また、第4壁2a及び第7壁2cのそれぞれの、B1側の端部には、湾曲して突出する突出部2fが形成されている。第4壁2a及び第7壁2cの二つの突出部2fは、それぞれ、下方(A2側)及び上方(A1側)へ向かって突出している。そして、補強板3は、二つの突出部2fの、B1側の面に対して、表面同士が密着するように、溶接により取り付けられている。
補強板(第1補強板)3のB1側には、衝突面が形成されている。そして、バンパー構造21において、補強板3は、バンパー本体2における第8壁2bの代替部材として機能する。そして、バンパー構造21において、補強板3は、バンパー本体22の補強材となっている。
(ヤング率及び密度について)
次に、第1実施形態及び第2実施形態における、ヤング率及び密度の関係について説明する。ここでは、代表的構造として、バンパー構造21の例で説明する。バンパー本体22のヤング率をEst、バンパー本体22の密度をρst、補強板3のヤング率をE、補強板3の密度をρとする。バンパー構造21において、Est、E、ρst、及びρは、下記の式1を満足している。言い換えれば、式1を満足するように、バンパー本体22の材料である鋼材および補強板3の材料であるアルミニウム材が選択されている。
st/ρst < E/ρ ・・・(式1)
以下、各材料を式1に従って選択する理由について説明する。補強板3の座屈長さ(buckling length)を一定であると仮定した場合、補強板3の板厚をt、補強板3のヤング率をEとすると、補強板の座屈荷重Pcrは、下記の式2で表わされる。
cr ∝ E・t ・・・(式2)
式2から、バンパー本体22のヤング率をEst、バンパー本体22の板厚をtst、補強板3のヤング率をE、補強板3の板厚をtとすると、以下の式3の関係を満足させることにより、バンパー本体22を効果的に補強できる。
st・tst <E・t ・・・(式3)
一方、ある材料の重量Wは、材料の密度をρとすると、下記の式4で表わされる。
W ∝ ρ・t ・・・(式4)
ここで、バンパー本体22の「被取り付け部位(後述)」の重量と、補強板3の重量とが同一となるように、補強板3を設けた場合、下記の式5の関係が満たされる。なお、被取り付け部位の面積は、バンパー本体と補強板とで同一であるとする。
ρst・tst=ρ・t ・・・(式5)
なお、「被取り付け部位」とは、(i)補強板3が、第8壁2bの補強材として機能する場合(第1実施形態参照)には、バンパー本体2のうち、「第8壁2b」のことであり、(ii)補強板3が、第8壁2bの代替部材として機能する場合(第2実施形態参照)においても、「第8壁2b」(バンパー本体22における、第1壁乃至第7壁と同じ厚さの、仮想的な第8壁)のことである。
この式5及び式3から、上述した式1の関係が導き出される。したがって、式1を満足するような材料でバンパー本体22のB1側を補強すれば、重量当たりの座屈荷重(Pcr/W)の、効率的な向上が可能となる。
さらに具体的に説明する。(i)補強板3が、第8壁2bの補強材として機能する場合(第1実施形態参照)について:例えば、「第8壁2b」とほぼ同じ重量の補強板3が、バンパー本体2に取り付けられた場合には、第8壁2b及び補強板3の重量については、第8壁2bの約2倍となるが、一方で、第8壁2b及び補強板3の座屈荷重については、第8壁2bの2倍よりも大きくなる。
また、(ii)補強板3が、第8壁2bの代替部材として機能する場合(第2実施形態参照)について:例えば、「第8壁2b」とほぼ同じ重量の補強板3が、バンパー本体22に取り付けられた場合には、バンパー構造21(バンパー本体22及び補強板3)における前壁(補強板3)の重量については、バンパー本体2の前壁(第8壁2b)とほぼ同じとなるが、一方で、補強板3の座屈荷重については、バンパー本体2の第8壁2bより大きくなる。
上記の二つの実施形態においては、Est=21000MPa、E=6900MPa、ρst=7874kg/m、ρ=2700kg/mとなっており、
st/ρst =4.30×10^(−8) [MPa・m/kg]
/ρ =3.51×10^(−7) [MPa・m/kg]
となるので、式1が満たされている。なお、バンパー構造においては、式1が満たされていればよく、式5については、必ずしも満たされていなくてもよい。
(曲げモーメントのシミュレーション結果)
次に、バンパー構造における曲げモーメントの評価結果について説明する。ここでは、四種類のバンパー構造(鋼単体のバンパー構造、フランジ鋼補強のバンパー構造、フランジアルミニウム補強(1)のバンパー構造、フランジアルミニウム補強(2)のバンパー構造)を用いて、3点曲げ解析により、各バンパー構造の最大曲げモーメントを算出した。
「鋼単体のバンパー構造」とは、補強板3を有しないバンパー構造であり、バンパー本体2に相当する。「フランジ鋼補強のバンパー構造」とは、図1に示したバンパー構造1において、補強板3を鋼製にしたものである。「フランジアルミニウム補強(1)のバンパー構造」とは、図1に示したバンパー構造1であり、「フランジアルミニウム補強(2)のバンパー構造」とは、図2に示したバンパー構造21である。なお、3点曲げ解析は、第6壁2dの中央部、及び、第3壁2mの中央部の二点を支点とし、且つ、補強板3の中央部を載荷点として行った。
ここで、バンパー構造1及びバンパー構造21は、両端(幅方向Cに関する両端)付近で、サイドメンバによって支持された梁とみなすことができる。このため、衝突時にバンパー構造が受けた荷重に対して、補強材は、曲げの作用により(曲げ作用が支配的な状態で)抵抗する。よって、バンパー構造が負担できる(耐久可能な)最大曲げモーメントが大きいほど、バンパー構造の曲げ強度が高いことになる。
ここでは、バンパー本体2及びバンパー本体22として、降伏強度(Y)が1200MPaである1470MPa級鋼板を用い、補強板3として、降伏強度(Y)が310MPaである7000系アルミニウム合金を用いた。バンパー本体を構成する鋼板の降伏強度および板厚、並びに、補強板を構成するアルミニウム板の降伏強度および板厚を表1に示す。
Figure 0004324240
図3は、3点曲げ解析による最大曲げモーメントのシミュレーション結果をグラフにしたものである。図3のグラフにおいて、横軸は、板厚1.4mmの鋼材の重量を基準(1.0)とした重量比を示しており、縦軸は、板厚1.4mmの鋼材における最大曲げモーメント(座屈時の曲げモーメント)を基準とした最大曲げモーメント比を示している。また、図3において、鋼単体について、結果が二点で示されているが、そのうち、重量比が1.43となっている方は、板厚が2.0mmの場合を示している。
図3のグラフから、板厚が1.4mmの鋼単体のバンパー構造(以下、バンパー構造Aとする)においては、鋼板の板厚を増加(1.4mmから2.0mmへ増加)させると、最大曲げモーメントが大きくなり、また、板厚の増加に伴い、バンパー構造全体の重量が増大することがわかる。また、フランジ鋼補強のバンパー構造においては、第8壁2bが鋼板によって補強されているために、バンパー構造Aと比較して、最大曲げモーメント比については大きくなるが(曲げモーメント比:約1.2)、バンパー構造全体の重量についても、鋼板の分だけ増大することがわかる(重量比:約1.25)。
また、図3のグラフから、フランジアルミニウム補強(1)のバンパー構造1においては、第8壁2bが補強板3によって補強されているために、バンパー構造Aと比較して、最大曲げモーメント比については大きくなるが(曲げモーメント比:約1.1)、バンパー構造全体の重量についても、補強板3の分だけ増大することがわかる(重量比:約1.08)。
これらに対し、フランジアルミニウム補強(2)のバンパー構造21においては、第8壁2bが設けられていないため、バンパー構造Aと比較して、重量については小さくなっているが(重量比:約0.91)、最大曲げモーメント比については、バンパー構造Aと同等であることが分かる(曲げモーメント比:約1.05)。
以上のように、鋼で形成されたバンパー本体のB1側に、アルミニウム又は鋼材で形成された補強板が固定されることによって、バンパー構造が補強されている。また、バンパー本体及び補強板のヤング率および密度が、式1の関係を満足しているので、重量増加を最小限に抑えつつ曲げ強度を向上させることが可能となる。
(本実施の形態の概要)
第1実施形態及び第2実施形態のバンパー構造の概要について説明する。ここでは、代表的な構造として、バンパー構造21について説明する。バンパー構造21は、車体の前部に取り付けられ、基準線Wに沿って延びるものであって、板材で形成され、基準線Wに沿って延びる鋼製のバンパー本体22と、基準線Wに沿って延び、バンパー本体22に取り付けられたアルミニウム製の補強板(第1補強板)3と、を有する。
バンパー本体2及び補強板3は、基準線Wに垂直な一断面において、(a)線状に延びる補強板3と、(b)バンパー本体22に形成され、且つ、補強板3と交差する方向へ突出する二つの凸部(凸部2t及び凸部2s)と、を有することでB字形に形成されている。そして、バンパー本体22及び補強板3において、下記の関係が満足されている。
(Est/ρst )<(E/ρ
st:バンパー本体のヤング率
ρst:バンパー本体の密度
:第1補強板のヤング率
ρ:第1補強板の密度
上記の構成では、バンパー本体22の前部に、アルミニウムで形成された補強板3が配置されるため、バンパー本体22が補強される。また、バンパー本体22及び補強板3のヤング率及び密度が、上記の関係を満足しているので、バンパー構造21の重量増加が最小限に抑えられ、且つ、バンパー構造21の曲げ強度が向上する。
また、上記の関係を満足するようにバンパー構造を製造すれば、バンパー構造21の重量増加が最小限に抑えられ、且つ、バンパー構造21の曲げ強度が向上する。この製造方法には、バンパー本体22に対して補強板3を取り付ける、取り付け工程が含まれる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態におけるバンパー構造31について、図4を用いて説明する。なお、上記の実施形態と同様の部分については、図に同一の符号を付してその説明を省略する。図4は、第3実施形態に係るバンパー構造の断面図である。以下、上記の実施形態とは異なる部分を中心に説明し、上記の実施形態と同様の事項については、その説明を省略する。
(バンパー構造の構成)
バンパー構造31は、構成のバンパー本体32と、アルミニウム製の補強板(第1補強板)33とを有する。バンパー構造31は、図4に示すように、断面がB字形になっている。本実施形態に係るバンパー本体32(上記のバンパー本体2に相当)には、バンパー本体22と同様に、第8壁2bが設けられていない。また、第4壁2a及び第7壁2cのそれぞれの、B1側の端部には、直線的に突出する突出部2gが形成されている。第4壁2a及び第7壁2cの二つの突出部2gは、それぞれ、上方及び下方へ向かって、且つ、B1側へ向かって突出している。すなわち、二つの突出部2gは、前後方向B及び上下方向Aの両方に対して傾いている。そして、補強板33は、二つの突出部2gの、B1側の先端に取り付けられている。
補強板33は、押し出し成形されたアルミニウム材であり、補強板33のB1側には衝突面が形成されている。バンパー構造31において、補強板33は、バンパー本体2における第8壁2bの代替部材として機能する。そして、バンパー構造31において、補強板33は、バンパー本体32の補強材となっている。
補強板33は、本体部33bを有し、補強板33には、二つの凸部(第1凸部)33aが設けられている。補強板33の本体部33bは、基準線Wに沿って延びており、且つ、上下方向Aに沿って延びている。なお、本体部33bの板厚は、約10mmである。二つの凸部33aの突出方向は、前後方向Bに沿っており、また、これらは、車体の上下方向Aに関して、第2壁2k及び第5壁2e(四つの壁部のうち、内側の二つの壁部)を挟むように配置されている。また、二つの凸部33aの突出方向は、補強板33に対して交差する方向である。また、二つの凸部33aは、本体部33bと二つの内側ウェブとで形成された角部に位置しており、内側ウェブを補強する。
(本構成による効果について)
バンパー構造31において、補強板33には、第2壁2k及び第5壁2eを挟むように、二つの凸部(第1凸部)33aが設けられており、それぞれの凸部33aは、補強板33(本体部33b)に対して垂直に延びている。
上記の構成によれば、二つの凸部33aによって、第2壁2k及び第5壁2eの座屈(第2壁2kの中央及び第5壁2eの中央が、互いに離れる方向に変形する座屈)が抑制される。そのため、バンパー構造の曲げ強度が更に向上する。
なお、二つの凸部33aは、溶接や接着等により二つの内側ウェブに対して接合されていてもよい。また、バンパー本体32のヤング率をEst、バンパー本体32の密度をρst、補強板33のヤング率をE、補強板33の密度をρとすると、Est、E、ρst、及びρは、上記の式1を満足している。
また、二つの凸部33aは、基準線Wに垂直な一断面において、補強板33に対して交差する方向に延びていればよく、凸部33aは、補強板33の垂直面に対して傾いた方向に延びていてもよい。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態におけるバンパー構造31について、図5を用いて説明する。なお、上記の実施形態と同様の部分については、図に同一の符号を付してその説明を省略する。図5は、第4実施形態に係るバンパー構造の断面図である。以下、上記の実施形態とは異なる部分を中心に説明し、上記の実施形態と同様の事項については、その説明を省略する。
バンパー構造41は、バンパー本体32と、アルミニウム製の補強板(第1補強板)43とを有する。バンパー構造41は、図5に示すように、断面がB字形になっている。
補強板43(上記の補強板33に相当)は、押出成形されたものであり、補強板43には、衝突面が形成されている。バンパー構造41において、補強板43は、バンパー本体2における第8壁2bの代替部材として機能する。そして、バンパー構造41において、補強板43は、バンパー本体32の補強材となっている。
補強板43は、本体部33bを有しており、補強板43には、二つの凸部(第2凸部)43aが設けられている。二つの凸部43aの突出方向は、前後方向Bに沿っており、また、これらは、車体の上下方向Aに関して、第4壁2a及び第7壁2c(四つの壁部のうち、外側の二つの壁部)を挟むように配置されている。また、二つの凸部43aの突出方向は、補強板43に対して交差する方向である。また、二つの凸部43aは、本体部33bと二つの外側ウェブとで形成された角部に位置しており、外側ウェブを補強する。
また、それぞれの凸部43aの根元部分には、突出部2gに接する傾斜面(上下方向A及び前後方向Bに対して傾斜した面)が形成されており、この二つの傾斜面と、二つの突出部2gとが、互いの表面が密着するように一体化されている。このように、補強板43は、バンパー本体32における、B1側の端部(二つの突出部2gの、B1側の端部)に対して取り付けられている。
(本構成による効果について)
バンパー構造41において、補強板43には、第4壁2a及び第7壁2cを挟むように、二つの凸部(第2凸部)43aが設けられており、それぞれの凸部43aは、補強板43(本体部33b)に対して垂直に延びている。
上記の構成によれば、二つの凸部43aによって、第4壁2a及び第7壁2cの座屈(第4壁2aの中央及び第7壁2cの中央が、互いに離れる方向に変形する座屈)が抑制される。そのため、バンパー構造の曲げ強度が更に向上する。
なお、二つの凸部43aは、溶接や接着等により二つの外側ウェブに対して接合されていてもよい。また、バンパー本体32のヤング率をEst、バンパー本体32の密度をρst、補強板43のヤング率をE、補強板43の密度をρとすると、Est、E、ρst、及びρは、上記の式1を満足している。
また、二つの凸部43aは、基準線Wに垂直な一断面において、補強板43に対して交差する方向に延びていればよく、凸部43aaは、補強板43の垂直面に対して傾いた方向に延びていてもよい。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態におけるバンパー構造51について、図6を用いて説明する。なお、上記の実施形態と同様の部分については、図に同一の符号を付してその説明を省略する。図6は、第5実施形態に係るバンパー構造の断面図である。以下、上記の実施形態とは異なる部分を中心に説明し、上記の実施形態と同様の事項については、その説明を省略する。
バンパー構造51は、図6に示すように、バンパー本体32と、アルミニウム製の補強板(第1補強板)53とを有している。バンパー構造51は、断面がB字形になっている。
補強板53(上記の補強板33に相当)は、押出成形されたものであり、補強板53には、衝突面が形成されている。バンパー構造51において、補強板53は、バンパー本体2における第8壁2bの代替部材として機能する。そして、バンパー構造51において、補強板53は、バンパー本体32の補強材となっている。補強板53は、本体部33bを有し、補強板53には、二つの凸部43a、及び二つの凸部33aが形成されている。
ここで、バンパー本体32のヤング率をEst、バンパー本体32の密度をρst、補強板53のヤング率をE、補強板53の密度をρとすると、Est、E、ρst、及びρは、上記の式1を満足している。
(曲げモーメントのシミュレーション結果)
次に、バンパー構造における曲げモーメントの評価結果について説明する。ここでは、四種類のバンパー構造(鋼単体のバンパー構造、フランジアルミニウム補強(3)のバンパー構造、フランジアルミニウム補強(4)のバンパー構造、フランジアルミニウム補強(5)のバンパー構造)を用いて、3点曲げ解析により、各バンパー構造の曲げモーメントを算出した。
「鋼単体のバンパー構造」とは、補強板3を有しないバンパー構造であり、バンパー本体2に相当する。「フランジアルミニウム補強(3)のバンパー構造」とは、図4に示したバンパー構造31であり、「フランジアルミニウム補強(4)のバンパー構造」とは、図5に示したバンパー構造41であり、「フランジアルミニウム補強(5)のバンパー構造」とは、図6に示したバンパー構造51である。なお、3点曲げ解析は、第6壁2dの中央部、及び、第3壁2mの中央部の二点を支点とし、且つ、補強板の中央部を載荷点として行った。
ここでは、バンパー本体2及びバンパー本体32として、降伏強度(Y)が1200MPaである1500MPa級鋼板を用い、補強板33(補強板43、補強板53)として、降伏強度(Y)が310MPaである7000系アルミニウム合金を用いた。バンパー本体を構成する鋼板の降伏強度および板厚、並びに、補強板を構成するアルミニウム板の降伏強度および板厚を表2に示す。
Figure 0004324240
図7は、3点曲げ解析による最大曲げモーメントのシミュレーション結果をグラフにしたものである。図7のグラフからは、図3と同様に、鋼単体のバンパー構造においては、鋼板の板厚を増加させると、最大曲げモーメント比が大きくなり、また、板厚の増加に伴い、バンパー構造全体の重量が増大することがわかる。
また、図7から、フランジアルミニウム補強(3)、(4)、及び(5)(バンパー構造31、バンパー構造41、及びバンパー構造51)においては、板厚1.4mmの鋼単体のバンパー構造と比較して、バンパー構造の重量については、同等でありながら(重量比:約1.0〜1.5)、最大曲げモーメント比については、板厚2.0mmの鋼単体のバンパー構造と同等であることがわかる。すなわち、同一の重量比(約1.0)で比較した場合に、フランジアルミニウム補強(3)、(4)、及び(5)の最大曲げモーメント比の方が、バンパー構造Aよりも大きいことが分かる。
以上のように、鋼で形成されたバンパー本体32のB1側に、アルミニウムで形成された補強板が配置されることによって、バンパー構造が補強されている。また、バンパー本体及び補強板のヤング率および密度が、式1の関係を満足しているので、重量増加を最小限に抑えつつ曲げ強度を向上させることが可能となる。
(変形例)
なお、バンパー構造は上述した構成に限定されるものではなく、図8乃至図11に示すものであってもよい。以下、図8乃至図11に示す変形例について説明する。なお、上記の実施形態と同様の部分については、図に同一の符号を付してその説明を省略する。図8は、第1変形例に係るバンパー構造の断面図である。図9は、第2変形例に係るバンパー構造の断面図である。図10は、第3変形例に係るバンパー構造の断面図である。図11は、第4変形例に係るバンパー構造の断面図である。以下、上記の第3乃至第5実施形態とは異なる部分を中心に説明し、上記の第3乃至第5実施形態と同様の事項については、その説明を省略する。
図8に示すバンパー構造61は、バンパー本体2と、アルミニウム製の補強板(第1補強板)63とを有している。バンパー構造61の断面は、B字形になっている。
バンパー構造61において、補強板63は、第8壁2bの前面の全体にわたって取り付けられており、第8壁2bを補強している。すなわち、本実施形態における補強板63は、第8壁2bの補強材として機能する。補強板63は、第8壁2bに対して、それぞれの表面同士が密着するように、溶接により取り付けられている。
補強板63は、本体部33bを有し、補強板63には、二つの凸部(第2凸部)63aが形成されている。二つの凸部63a(上記の凸部43aに相当)の突出方向は、前後方向Bに沿っており、また、二つの凸部63aは、車体の上下方向Aに関して、第4壁2a及び第7壁2cを挟むように形成されている。また、二つの凸部63aは、本体部33bと二つの外側ウェブとで形成された角部に位置しており、外側ウェブを補強する。
また、図9に示すバンパー構造71は、バンパー本体22と、補強板63とを有している。
補強板63は、二つの突出部2fの、B1側の面に対して、それぞれの表面同士が密着するように取り付けられている。また、補強板63は、第4壁2aの上面及び第7壁2cの底面と、二つの凸部63aの内面とが密着するように、バンパー本体22に取り付けられている。
また、図10に示すバンパー構造81は、バンパー本体32と、補強板63とを有している。バンパー構造はこのようになっていてもよい。
また、図11に示すバンパー構造91は、バンパー本体92と、補強板63とを有している。バンパー本体92は、第4壁2a及び第7壁2cの形状のみ、バンパー本体22とは異なっている。具体的には、バンパー本体92の第4壁2a及び第7壁2cには、突出部2fが形成されていない。そして、第4壁2a及び第7壁2cは、B2側の端部から、B1側の端部に至るまで、前後方向Bに対して平行に形成されている。
ここで、図8乃至図11に示したバンパー本体のヤング率をEst、バンパー本体の密度をρst、補強板のヤング率をE、補強板の密度をρとすると、Est、E、ρst、及びρは、上記の式1を満足している。
なお、図11に示すバンパー構造91において、補強板63の代わりに、補強板33、補強板43、又は補強板53が配置されていてもよい。
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態におけるバンパー構造について説明する。なお、上記の実施形態と同様の部分については、図に同一の符号を付してその説明を省略する。図12の(a)は第6実施形態に係るバンパー構造の断面図、(b)は第1変形例に係るバンパー構造の断面図である。なお、本実施形態においては、バンパー構造が、左右(図12における左右)対称となっているため、図12においては、図の中心線(一点鎖線)の左側のみ示し、右側についての説明を省略する。以下、上記の実施形態とは異なる部分を中心に説明し、上記の実施形態と同様の事項については、その説明を省略する。
(バンパー構造の構成)
本実施形態のバンパー構造は、図12(a)に示すように、バンパー本体92と、アルミウム製の補強板(第1補強板)73とを有している。第7壁2cのB1側の端部2hは、前後方向Bに平行である。なお、第7壁2cには、端部2hの代わりに、突出部2f(図2参照)や、突出部2g(図4参照)が形成されていてもよい。
また、バンパー構造は、アルミニウム製の補強板73(上記の補強板33に相当)を有している。補強板73は、押出形成されたものであり、補強板73には、衝突面が形成されている。このバンパー構造において、補強板73は、第8壁2bの代替部材として機能する。また、この補強板73は、本体部33bを有し、補強板73には、二つの凸部33aと、二つの凸部63aとが設けられている。二つの凸部33aは、本体部33bと二つの内側ウェブ(第2壁2k及び第5壁2e)とで形成された角部に位置しており、内側ウェブを補強する。二つの凸部63aは、本体部33bと二つの外側ウェブ(第4壁2a及び第7壁2c)とで形成された角部に位置しており、外側ウェブを補強する。
また、第4壁2a及び第7壁2cのそれぞれの先端部(端部2h)と、二つの凸部63aとは、溶接により一体化されている(図の溶接ビード部73W参照)。なお、補強板73及びバンパー本体92を一体化する方法は溶接には限られず、例えば、図12(b)に示すように、第4壁2a及び第7壁2cの先端部と、二つの凸部63aとが、接着により一体化されていてもよい(図12(b)の接着剤73Y参照)。
(本構成による効果について)
本実施形態のバンパー構造において、補強板73には、第4壁2a及び第7壁2cを挟むように、二つの凸部(第2凸部)63aが設けられており、それぞれの凸部63aは、補強板73(本体部33b)に対して垂直に延びている。さらに、第4壁2a及び第7壁2cの先端部と、二つの凸部63aとは固定されている。
(a)外側へ膨らむ座屈(第4壁2aの中央及び第7壁2cの中央が、互いに離れる方向に変形する座屈)に関して:この構成では、(i)二つの凸部63aとの接触によって、第4壁2a及び第7壁2cの変形が抑制され、また、(ii)第4壁2a及び第7壁2cと、二つの凸部63aとの一体化により、座屈荷重が増大する。この二つの理由により、外側へ膨らむ座屈が抑制される。
(b)内側へ縮む座屈(第4壁2aの中央及び第7壁2cの中央が、互いに近付く方向に変形する座屈)に関して:この構成では、第4壁2a及び第7壁2cと、二つの凸部63aとの一体化により、第4壁2a及び第7壁2cの座屈荷重が増大するため、内側へ縮む座屈が抑制される。
なお、凸部63aは、基準線Wに垂直な一断面において、補強板73に対して交差する方向に延びていればよく、凸部63aは、補強板73の垂直面に対して傾いた方向に延びていてもよい。
(変形例)
なお、バンパー構造は上述した構成に限定されるものではなく、図13及び図14に示すものであってもよい。以下、第6実施形態の変形例について説明する。なお、上記の実施形態と同様の部分については、図に同一の符号を付してその説明を省略する。図13の(a)は第2変形例に係るバンパー構造の断面図、(b)は第3変形例に係るバンパー構造の断面図、(c)は第4変形例に係るバンパー構造の断面図である。図14は、第5変形例に係るバンパー構造の断面図である。以下、上記の第6実施形態とは異なる部分を中心に説明し、上記の第6実施形態と同様の事項については、その説明を省略する。
なお、本変形例においては、バンパー構造が、左右(図13及び図14における左右)対称となっているため、図13及び図14においては、図の中心線(一点鎖線)の左側のみ示し、右側についての説明を省略する。
図13(a)のバンパー構造は、アルミニウム製の補強板73B(補強板73に相当)と、バンパー本体92とを有する。そして、補強板73Bの、二つの凸部63aの根元部分には、二つの凹部73cが形成されている。二つの凹部73cには、第4壁2a及び第7壁2cの先端(端部2hの先端)が収容される。それぞれの凹部73cは、本体部33bのB2側の面よりも、B1側に窪んでいる。また、二つの凹部73cは、二つの凸部63aによって挟まれた位置に配置されている。
図13(b)のバンパー構造は、アルミニウム製の補強板73C(補強板73に相当)と、バンパー本体22とを有する。そして、補強板73Cの、二つの凸部63aの根元部分には、二つの凹部73dが形成されている。二つの凹部73dには、第4壁2a及び第7壁2cの先端(突出部2fの先端)が収容される。それぞれの凹部73dは、本体部33bのB2側の面よりも、B1側に窪んでいる。また、二つの凹部73dは、二つの凸部63aによって挟まれた位置に配置されている。
図13(c)のバンパー構造は、アルミニウム製の補強板73D(補強板73に相当)と、バンパー本体32とを有する。そして、補強板73Dには、二つの凸部33aと、二つの凸部43aとが形成されている。二つの凸部43aの根元部分には、二つの凹部73eが形成されている。二つの凹部73eには、第4壁2a及び第7壁2c(四つの壁部のうち、外側の二つの壁部)の先端(突出部2gの先端)が収容される。それぞれの凹部73eは、本体部33bのB2側の面よりも、B1側に窪んでいる。また、二つの凹部73eは、二つの凸部43aによって挟まれた位置に配置されている。
(本構成による効果について)
図13の変形例による効果について説明する。ここでは、代表的な構造として、図13(a)のバンパー構造について説明する。このバンパー構造において、補強板73Bの、二つの凸部63aの根元部分には、第4壁2a及び第7壁2cの先端が収容される、二つの凹部73cが形成されており、二つの凹部73cは、二つの凸部63aによって挟まれた位置に配置されている。
この構成では、一体化部分(溶接ビード部73W)の剥離(分解)が抑制されるため、補強板73Bとバンパー本体92とが一体化した状態が、少なくとも、バンパー本体92が座屈変形するまで保たれる。そのため、内側へ縮む座屈(第4壁2aの中央及び第7壁2cの中央が、互いに近付く方向に変形する座屈)が抑制される。
図14のバンパー構造は、アルミニウム製の補強板83(上記の補強板73に相当)と、バンパー本体92とを有する。そして、補強板83には、二つの凸部33aと、二つの凸部(第3凸部)83bとが設けられている。二つの凸部83bの根元部分には、二つの凹部83cが形成されている。また、二つの凹部83cは、上下方向Aに関して二つの凸部83bを挟む位置に配置されている。二つの凸部83bの突出方向は、前後方向Bに沿っている。二つの凹部83cには、第4壁2a及び第7壁2cの先端が収容される。それぞれの凹部83cは、本体部33bのB2側の面よりも、B1側に窪んでいる。そして、凹部83cは、端部2hの、A1側及びA2側への移動を制限する。二つの凸部83bは、本体部33bと二つの外側ウェブ(第4壁2a及び第7壁2c)とで形成された角部に位置しており、外側ウェブを内側から補強する。
また、第4壁2a及び第7壁2cのそれぞれの先端部(端部2h)と、補強板83とは、溶接により一体化されている(図の溶接ビード部83W)。溶接ビード部83Wの一部は、凹部83cの内部に位置している。
二つの凸部83bは、内側から外側ウェブに当接することによって、外側ウェブが内側に座屈するのを抑制している。
(本構成による効果について)
図14の変形例による効果について説明する。図14のバンパー構造においては、補強板83には、第4壁2a及び第7壁2c(四つの壁部のうち、二つの壁部)によって挟まれる位置に、二つの凸部(第3凸部)83bが設けられており、それぞれの凸部83bは、補強板83(本体部33b)に対して垂直に延びており、第4壁2a及び第7壁2cの先端部(端部2h)と、補強板83とは固定されており、補強板83の、二つの凸部83bの根元部分には、第4壁2a及び第7壁2cの先端が収容される、二つの凹部83cが形成されている。
上記の構成によれば、二つの凸部83bによって、第4壁2a及び第7壁2cの座屈(第4壁2aの中央及び第7壁2cの中央が、互いに近付く方向に変形する座屈)が抑制される。そのため、バンパー構造の曲げ強度が更に向上する。
また、第4壁2a及び第7壁2cと、補強板83との一体化により、第4壁2a及び第7壁2cの、外側へ膨らむ座屈、及び、内側へ縮む座屈が抑制される。
また、二つの凹部83cに、第4壁2a及び第7壁2cの先端が収容されることにより、一体化部分(溶接ビード部83W)の剥離(分解)が抑制される。そのため、補強板83とバンパー本体92とが一体化した状態が、少なくとも、バンパー本体92が座屈変形するまで保たれる。そのため、内側へ縮む座屈(第4壁2aの中央及び第7壁2cの中央が、互いに近付く方向に変形する座屈)が抑制される。
図13及び図14のバンパー本体のヤング率をEst、バンパー本体の密度をρst、補強板のヤング率をE、補強板の密度をρとすると、ヤング率Est、Eおよび密度ρst、ρは、上記の式1を満足している。
なお、凸部83bは、基準線Wに垂直な一断面において、補強板83に対して交差する方向に延びていればよく、凸部83bは、補強板83の垂直面に対して傾いた方向に延びていてもよい。
[第7実施形態]
次に、本発明の第7実施形態におけるバンパー構造121について、図15を用いて説明する。なお、上記の実施形態と同様の部分については、図に同一の符号を付してその説明を省略する。図15は、第7実施形態に係るバンパー構造の断面図である。以下、上記の実施形態とは異なる部分を中心に説明し、上記の実施形態と同様の事項については、その説明を省略する。
(バンパー構造の構成)
バンパー構造121は、図15に示すように、バンパー本体2と、二つの補強板(第2補強板)4とを有している。バンパー構造121の断面は、B字形になっている。
二つの補強板4は、アルミニウム製であり、押出形成により製造されている。二つの補強板4は、第4壁2a及び第7壁2cに対して取り付けられている。具体的には、二つの補強板4は、第4壁2a及び第7壁2cに対して平行に配置されており、二つの補強板4は、前後方向Bに対して平行に配置されている。また、二つの補強板4及びバンパー本体2は、溶接により一体化されており、二つの補強板4の表面と、第4壁2a及び第7壁2cの表面とが密着している。また、二つの補強板4は、上下方向Aに関して、第4壁2a及び第7壁2cが、二つの補強板4によって挟まれるように配置されている。そして、一方の補強板4は、第7壁2cの下面に、他方の補強板4は、第4壁2aの上面に固定されている。
これらの補強板4は、二つの外側ウェブの外面全体に取り付けられており、外側ウェブを補強している。このように、二つの補強板4は、第4壁2a及び第7壁2cの補強材として機能する。本実施の形態において、補強板4の板厚は、2.0mmである。また、補強板4を構成するアルミニウム材のヤング率は6900MPa、密度は2700kg/mである。
(ヤング率及び密度について)
次に、第7実施形態における、ヤング率及び密度の関係について説明する。バンパー本体2のヤング率をEst、バンパー本体2の密度をρst、補強板4のヤング率をE、補強板4の密度をρとすると、Est、E、ρst、及びρは、下記の式6を満足している。
st/ρst < E/ρ ・・・(式6)
また、補強板4の板厚tが、下記の式7を満足するように設定されている。なお、tstはバンパー本体2の板厚である。
<(ρst/ρ)×tst ・・・(式7)
更に、補強板4が十分な補強効果を発揮できるようにするため、補強板4の板厚tが、下記の式8を満足するように設定されている。
0.3×tst < t ・・・(式8)
以下、各材料を上記の式6乃至式8に従って選択する理由について説明する。補強板4の座屈長さをL、補強板4の板厚をt、補強板4のヤング率をEとすると、補強板4の座屈荷重Pcrは、下記の式9で表わされる。
cr ∝ (E・t)/L ・・・(式9)
ここで、Lが一定であると仮定すると、式9は下記の式10で表わされる。
cr ∝ E・t ・・・(式10)
式10から、バンパー本体2のヤング率をEst、バンパー本体2の板厚をtst、補強板4のヤング率をE、補強板4の板厚をtとすると、下記の式11の関係を満足させることにより、バンパー本体2を効果的に補強できる。
st・tst <E・t ・・・(式11)
一方、ある材料の重量Wは、材料の密度をρとすると、下記の式12で表わされる。
W ∝ ρ・t ・・・(式12)
ここで、バンパー本体2の「被取り付け部位(後述)」の重量と、補強板4の重量とが同一となるように、補強板4を設けた場合、下記の式5の関係が満たされる。なお、被取り付け部位の面積は、バンパー本体と補強板とで同一であるとする。
ρst・tst=ρ・t ・・・(式13)
なお、本実施形態において、「被取り付け部位」とは、第4壁2a及び第7壁2cのことである。後述するように、補強板4が第2壁2k(又は第5壁2e)に取り付けられる場合には、この「被取り付け部位」は、第2壁2k(又は第5壁2e)となる。
この式13及び式11から、上述した式6の関係が導き出される。したがって、式6を満足するような材料でバンパー本体2を補強すれば、重量当たりの座屈荷重(Pcr/W)の効率的な向上が可能となる。
さらに具体的に説明する。例えば、第4壁2aとほぼ同じ重量の補強板4が、バンパー本体2に取り付けられた場合には、第4壁2a及び補強板4の重量については、第4壁2aの約2倍となるが、一方で、第4壁2a及び補強板3の座屈荷重については、第4壁2aの2倍よりも大きくなる。ここでは、補強板4が第4壁2aに取り付けられた場合について説明したが、補強板4が第7壁2cに取り付けられた場合についても同様に説明される。
本実施形態においては、Est=21000MPa、E=6900MPa、ρst=7874kg/m、ρ=2700kg/mとなっており、
st/ρst =4.30×10^(−8) [MPa・m/kg]
/ρ =3.51×10^(−7) [MPa・m/kg]
となるので、式6が満たされている。なお、バンパー構造において、式6乃至式8が満たされていればよく、式13については、必ずしも満たされていなくてもよい。
また、本実施形態においては、tst=1.4mm、t=2.0mmであるため、
(ρst/ρ)×tst= 4.08mm > t(=2.0mm)
となるので、式7が満たされている。また、
0.3×tst = 0.42mm < t(=2.0mm)
となるので、式8が満たされている。
(座屈荷重のシミュレーション結果)
次に、座屈荷重の評価結果について説明する。ここでは、図16に示すサンプル10を用いて座屈荷重を算出した。サンプル10は、鋼板12a及びアルミニウム板13から成り、鋼板12aは、アルミニウム板13によって補強されている。アルミニウム板13は、鋼板12aに対して、表面同士が密着するように固定されている。また、アルミニウム板13と鋼板12aとは平行に配置されている。
ここでは、サンプル10の上端及び下端において、アルミニウム板13及び鋼板12aに平行な方向に沿って、サンプル10を圧縮するように逆向きに二つの力を作用させて(図の矢印方向参照)、サンプル10の座屈荷重を算出した。
ここで、鋼板12aは図15の第7壁2cに相当し、アルミニウム板13は図15の補強板4に相当する。即ち、サンプル10の座屈荷重を算出することにより、バンパー構造121の第7壁2c(及び第4壁2a)の座屈荷重が分かる。鋼板12aとして、980MPa級の鋼を用い、アルミニウム板13として、7000系アルミニウム合金を用いた。鋼板12aの板厚、並びに、アルミニウム板13の板厚、重量比、板厚比、及び座屈荷重比を表3に示す。
Figure 0004324240
図17は表3の結果をグラフにしたものである。図17のグラフにおいて、横軸は、板厚1.4mmの鋼材(補強なし)の重量を基準(1.0)とした重量比を示しており、縦軸は、板厚1.4mmの鋼材(補強なし)における座屈荷重を基準とした座屈荷重比を示している。また、図17のグラフ中の「鋼板」とは、アルミニウム板13で補強されていない鋼板12aを示しており、「鋼板+アルミ板」は、サンプル10を示している。
(1)鋼板12aの板厚を2.5mmにして、アルミニウム板13で補強しなかった場合には、重量比1.79で、座屈荷重比が5.69となっている。一方、(2)鋼板の板厚を1.4mmにして、板厚3.0mmのアルミニウム板13で補強した場合には、重量比が1.74であり、重量比については(1)の場合と同様であるが、座屈荷重比については、16.63であり、(1)の場合の約3倍になっている。
上記の(1)及び(2)の例から、また、表3及び図17のグラフから分かるように、鋼板12aの板厚を増加させるよりも、鋼板12aをアルミニウム板13で補強する方が、効率的に座屈荷重を大きくすることができる。
[第8実施形態]
次に、本発明の第8実施形態におけるバンパー構造131について、図18を用いて説明する。なお、上記の実施形態と同様の部分については、図に同一の符号を付してその説明を省略する。図18は、第8実施形態に係るバンパー構造の断面図である。以下、上記の実施形態とは異なる部分を中心に説明し、上記の実施形態と同様の事項については、その説明を省略する。
バンパー構造131は、バンパー構造121に、さらに二つの補強板(第2補強板)5を加えたものである。なお、補強板5は、補強板4と同一の部材である。二つの補強板5は、二つの内側ウェブ(第2壁2k及び第5壁2e)の補強のために用いられる。具体的には、二つの補強板5は、第2壁2k及び第5壁2eに対して取り付けられている。二つの補強板5は、第2壁2k及び第5壁2eに対して平行に取り付けられており、二つの補強板5は、前後方向Bに対して平行に配置されている。また、二つの補強板5及びバンパー本体2は、溶接により一体化されており、二つの補強板5の表面と、第2壁2k及び第5壁2eの表面とが密着している。また、二つの補強板5は、上下方向Aに関して、第2壁2k及び第5壁2eによって挟まれるように配置されている。そして、一方の補強板5は、第5壁2eの上面に、他方の補強板5は、第5壁2eの下面に固定されている。
二つの補強板5は、二つの内側ウェブの外面全体に取り付けられており、内側ウェブを補強している。
(曲げ強度のシミュレーション結果)
次に、バンパー構造における曲げ強度の評価結果について説明する。ここでは、三種類のバンパー構造(図15に示したバンパー構造121、図18に示すバンパー構造131、補強板4を用いないバンパー構造(図示せず))を用いて、バンパー構造の曲げ強度を算出した。具体的には、バンパー構造の中央部(上下方向Aに関する中央部)において、前後方向Bに沿って、前方側から後方へ加圧(図15及び図18の矢印方向参照)に加圧した状態で、バンパー構造の曲げ強度を算出した。バンパー本体(鋼板)2の板厚、並びに、補強材(アルミニウム板)の有無、重量比、及び最大曲げモーメント比を表4に示す。
Figure 0004324240
図19は表4の結果をグラフにしたものである。図3のグラフにおいて、横軸は、板厚1.4mmの鋼材(補強なし)の重量を基準(1.0)とした重量比を示しており、縦軸は、板厚1.4mmの鋼材(補強なし)における最大曲げモーメントを基準とした最大曲げモーメント比を示している。図19のグラフ中の「鋼板」とは、アルミニウム板で補強されていない鋼板を示しており、「鋼板+アルミ板」は、バンパー構造121及びバンパー構造131を用いた場合を示している。
図19のグラフから、バンパー構造の補強箇所の数を、2箇所(バンパー構造121;重量比1.10)から4箇所(バンパー構造131;重量比1.19)に増加させると、曲げ強度が増大することが分かる。
また、バンパー本体2を形成する鋼板の板厚が2.0mmの場合には、最大曲げモーメント比が1.75であり、バンパー構造131においては、最大曲げモーメント比が、1.67となっている。このように、最大曲げモーメント比については、2.0mm厚の鋼板と、バンパー構造131とで同様である。一方、重量比に関しては、2.0mm厚の鋼板の重量比が1.41(重量増加率:40%)であるのに対して、バンパー構造131の重量比は、1.19(重量増加率:20%)に抑えられている。
以上のように、鋼で形成されたバンパー本体2の外側ウェブ及び内側ウェブの全面に、アルミニウムで形成された補強板が固定されることによって、各ウェブが補強される。また、バンパー本体及び補強板のヤング率および密度が、式6の関係を満足しているので、重量増加を最小限に抑えつつ曲げ強度を向上させることが可能となる。
(変形例)
なお、バンパー構造は上述した構成に限定されるものではなく、図20及び図21に示すものであってもよい。以下、図20及び図21に示す変形例について説明する。なお、上記の実施形態と同様の部分については、図に同一の符号を付してその説明を省略する。図20は、第8実施形態の第1変形例に係るバンパー構造の断面図である。図21は、第8実施形態の第2変形例に係るバンパー構造の断面図である。以下、上記の第8実施形態とは異なる部分を中心に説明し、上記の第8実施形態と同様の事項については、その説明を省略する。
図20に示すバンパー構造141は、バンパー本体2と、二つの補強板(第2補強板)14と、補強板複合体15とを有する。二つの補強板14及び補強板複合体15は、アルミニウム板を曲げて形成されている。
それぞれの補強板14(上記の補強板4に相当)は、L字形に形成されており、拡大図に示すように、補強板4及び突出壁14cからなる。突出壁14cの突出方向は、上下方向Aに沿っている。
また、バンパー本体2の前面の端部(上下端)には、窪み2b’が形成されている。拡大図に示すように、窪み2b’は、バンパー本体2の前面に対して、後方側へ窪んでいる。
そして、バンパー構造141においては、補強板14のうち、補強板4が、外側ウェブの外面全体に固定されており、突出壁14cが、第8壁2b(窪み2b’)に固定されている。そして、突出壁14cが窪み2b’に固定されているので、突出壁14cの前面位置は、第8壁2bの前面位置に一致している。すなわち、突出壁14cの前面は、第8壁2bの全面に連続して平面を形成している。
補強板複合体15は、二つの補強板5と、これらを連結する中央壁15cとを有する。中央壁15cは、上下方向Aに対して平行に延びている。そして、補強板複合体15がバンパー本体2に取り付けられた状態では、中央壁15cは、第1壁2jの面全体に密着し、また、二つの補強板5は、第2壁2k及び第5壁2eの面全体に密着している。
補強板14及び補強板複合体15については、上記の式6を満足する金属材料であれば、他の金属材料で形成されていてもよい。このような構成により、補強板の枚数が少なくなり、また、補強板の位置決めが容易となるため、バンパー構造の製作が簡便になる。
また、図21に示すバンパー構造151は、バンパー本体2と、二つの補強板24とを有する。補強板24は、アルミニウム板を曲げて形成されている。
それぞれの補強板24は、補強板4と、その両端に形成された二つの突出壁14cと、を有している。バンパー本体2に二つの補強板24が取り付けられた状態では、それぞれの補強板24において、二つの突出壁14cは、第8壁2bの前面の一部、及び、第3壁2m(又は第6壁2d)の後面の一部に対して密着している。
なお、バンパー構造141と同様に、第8壁2bの両端に、二つの窪み2b’が形成されていてもよい。また、第3壁2m及び第6壁2dの端部(上下方向Aに関する端部)にも、前後方向Bに関して窪んだ窪みが形成されていてもよい。そして、四つの突出壁14cが、これらの四つの窪みに固定されることにより、前方の二つの突出壁14cの前面位置が、第8壁2bの前面位置に一致し、且つ、後方の二つの突出壁14cの後面位置が、第3壁2m及び第6壁2dの後面位置に一致していもよい。
(本実施の形態の概要)
次に、第7実施形態及び第8実施形態に係るバンパー構造の概要について説明する。ここでは、代表的な構造として、バンパー構造121について説明する。バンパー構造121は、車体の前部に取り付けられ、基準線Wに沿って延びるものであって、板材で形成され、基準線Wに沿って延びる鋼製のバンパー本体2と、基準線Wに沿って延び、バンパー本体2に取り付けられたアルミニウム製の二つの補強板(第2補強板)4と、を有する。
バンパー本体2は、基準線Wに垂直な一断面において、(a)線状に延びる第8壁(基準壁)2bと、(b)バンパー本体2に形成され、且つ、第8壁2bと交差する方向へ突出する二つの凸部(凸部2t及び凸部2s)と、を有することで、B字形に形成されており、基準線Wに垂直な一断面において、二つの凸部は、第8壁2bに対して交差する方向に延びる、四つの壁部(第4壁2a、第2壁2k、第5壁2e及び第7壁2c)を有しており、当該四つの壁部は、第8壁2bに沿って並べて配置されており、補強板4は、第4壁2a及び第7壁2c(四つの壁部のうち、外側の二つの壁部)に対して、これらと平行に取り付けられている。そして、バンパー本体2及びそれぞれの補強板4において、下記の関係が満足されている。
(Est/ρst )<(E/ρ
st:バンパー本体のヤング率
ρst:バンパー本体の密度
:第2補強板のヤング率
ρ:第2補強板の密度
上記の構成では、バンパー本体の二つの外側ウェブ(第4壁2a及び第7壁2c)に、アルミニウムで形成された二つの補強板4が配置されるため、バンパー本体2が補強される。また、バンパー本体2及び補強板4のヤング率及び密度が、上記の関係を満足しているので、バンパー構造の重量増加が最小限に抑えられ、且つ、バンパー構造の曲げ強度が向上する。
また、バンパー構造121においては、下記の関係が満足されている。
<(ρst/ρ)×tst
st:バンパー本体2の板厚
この構成では、上記の関係が満足されているので、それぞれの補強板4を設けた場合における、バンパー構造121の取り付け対象部分の重量増加を、補強板4が取り付けられる壁部(第4壁2a又は第7壁2c)の重量に対して、2倍未満に抑えることができる。例えば、補強板4が第4壁2aに取り付けられた状態において、取り付け対象部分(補強板4及び第4壁2a)の重量が、第4壁2aの2倍未満となる。
また、バンパー構造121においては、下記の関係が満足されている。
0.3×tst < t
st:バンパー本体の板厚
この構成では、上記の関係が満足されているため、補強板4によって、バンパー構造の曲げ強度が確実に向上する。
また、上記の関係を満足するようにバンパー構造を製造すれば、バンパー構造121の重量増加が最小限に抑えられ、且つ、バンパー構造121の曲げ強度が向上する。この製造方法には、バンパー本体2に対して補強板4を取り付ける、取り付け工程が含まれる。
(各実施の形態の変形例)
上記の実施形態は具体例に過ぎず、特に本発明を限定するものではない。本発明の具体的構成については、設計変更が可能である。また、上記の実施形態に記載された作用及び効果は、上記の実施形態から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、上記の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
例えば、凸部33a、凸部43a、凸部63a、凸部83a、及び凸部83bは、補強板と一体として形成されたものではなくてもよい。例えば、これらの凸部が、板材とは別に形成されており、且つ、板材に対して、溶接等によって固定されていてもよい。
また、補強板が、各ウェブの全面にわたって結合している必要はない。例えば、補強板の表面積がウェブよりも小さく、補強板とウェブとが、表面の一部で結合していてもよい。また、ウェブの表面全体または一部に、補強板が結合していてもよい。
また、ウェブと補強板との取り付け方法に関して、これらの表面同士が接合される構成には限定されず、ウェブ表面に、補強板が埋め込まれるようにしてもよい。
また、上記の実施形態においては、衝突方向が前後方向に一致しているが、衝突方向は、前後方向に平行でなくてもよく、前後方向に対して傾いていてもよい。すなわち、衝突対象との衝突方向は、第1補強板(又は第8壁2b)に対して、垂直でなくてもよい。
また、第2補強板は、バンパー本体の外側でなく、内側に取り付けられていてもよい。例えば、図15においては、補強板が、第4壁2aの左側の面(外面)に取り付けられているが、第4壁2aの右側の面(内面)に取り付けられていてもよい。
また、上記の実施形態では、バンパー構造を車体の前部に取り付けられるものとしているが、バンパー構造は、後部に取り付けられてもよい。
また、図2、4、5、6、8、9、10、11、12、13、14、15、18、20、及び21の断面位置についても、図1と同様に、図22のE−E’位置に相当する。
1 バンパー構造
2 バンパー本体
2a、2c 外側ウェブ
2b 前側フランジ
2e、2k 内側ウェブ
2j 中央フランジ
2d、2m 後側フランジ
3 補強板(第1補強板)
4 補強板(第2補強板)

Claims (11)

  1. 車体の前部又は後部に取り付けられ、基準線(W)に沿って延びるバンパー構造(1)であって、
    板材で形成され、前記基準線に沿って延びる金属製のバンパー本体(2)と、
    前記基準線に沿って延び、前記バンパー本体に取り付けられた金属製の第1補強板(3)と、を有し、
    前記バンパー本体及び前記第1補強板は、前記基準線に垂直な一断面において、(a)線状に延びる前記第1補強板と、(b)前記バンパー本体に形成され、且つ、前記第1補強板と交差する方向へ突出する二つの凸部と、を有することでB字形に形成されており、
    前記バンパー本体及び前記第1補強板において、下記の関係が満足されていることを特徴とするバンパー構造。
    (Est/ρst )<(E/ρ
    st:バンパー本体のヤング率
    ρst:バンパー本体の密度
    :第1補強板のヤング率
    ρ:第1補強板の密度
  2. 前記基準線に垂直な一断面において、前記二つの凸部は、前記第1補強板に対して交差する方向に延びる、四つの壁部(2a、2k、2e、2c)を有しており、
    前記四つの壁部は、前記第1補強板に沿って並べて配置されており、
    前記第1補強板(33)には、前記四つの壁部のうち、内側の二つの壁部(2k、2e)を挟むように、二つの第1凸部(33a)が設けられており、
    それぞれの前記第1凸部は、前記一断面において、前記第1補強板に対して交差する方向に延びていることを特徴とする、請求項1に記載のバンパー構造。
  3. 前記基準線に垂直な一断面において、前記二つの凸部は、前記第1補強板に対して交差する方向に延びる、四つの壁部を有しており、
    前記四つの壁部は、前記第1補強板に沿って並べて配置されており、
    前記第1補強板(43)には、前記四つの壁部のうち、外側の二つの壁部(2a、2c)を挟むように、二つの第2凸部(43a)が設けられており、
    それぞれの前記第2凸部は、前記一断面において、前記第1補強板に対して交差する方向に延びていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のバンパー構造。
  4. 前記四つの壁部のうち、外側の二つの壁部の先端部と、前記二つの第2凸部とは、固定されていることを特徴とする、請求項3に記載のバンパー構造。
  5. 前記第1補強板の、前記二つの第2凸部の根元部分には、前記四つの壁部のうち、外側の二つの壁部の先端が収容される、二つの凹部(73c)が形成されており、
    前記二つの凹部は、前記二つの第2凸部によって挟まれた位置に配置されていることを特徴とする、請求項4に記載のバンパー構造。
  6. 前記第1補強板(83)には、前記四つの壁部のうち、外側の二つの壁部によって挟まれる位置に、二つの第3凸部(83b)が設けられており、
    それぞれの前記第3凸部は、前記基準線に垂直な一断面において、前記第1補強板に対して交差する方向に延びており、
    前記四つの壁部のうち、外側の二つの壁部の先端部と、前記第1補強板とは固定されており、
    前記第1補強板の、前記二つの第3凸部の根元部分には、前記四つの壁部のうち、外側の二つの壁部の先端が収容される、二つの凹部(83c)が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のバンパー構造。
  7. 前記第1補強板の材料が、アルミニウムであることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のバンパー構造。
  8. 車体の前部又は後部に取り付けられ、基準線(W)に沿って延びるバンパー構造(121)であって、
    板材で形成され、前記基準線に沿って延びる金属製のバンパー本体(2)と、
    前記基準線に沿って延び、前記バンパー本体に取り付けられた金属製の第2補強板(4)と、を有し、
    前記バンパー本体は、前記基準線に垂直な一断面において、(a)線状に延びる基準壁と、(b)前記バンパー本体に形成され、且つ、前記基準壁と交差する方向へ突出する二つの凸部と、を有することでB字形に形成されており、
    前記基準線に垂直な一断面において、前記二つの凸部は、前記基準壁に対して交差する方向に延びる、四つの壁部を有しており、
    前記四つの壁部は、前記基準壁に沿って並べて配置されており、
    前記第2補強板は、前記四つの壁部のうち少なくとも一つに対して、これらと平行に取り付けられており、
    前記バンパー本体及び前記第2補強板において、下記の関係が満足されていることを特徴とするバンパー構造。
    (Est/ρst )<(E/ρ
    st:バンパー本体のヤング率
    ρst:バンパー本体の密度
    :第2補強板のヤング率
    ρ:第2補強板の密度
  9. 下記の関係が満足されていることを特徴とする、請求項8に記載のバンパー構造。
    <(ρst/ρ)×tst
    :第2補強板の板厚
    st:バンパー本体の板厚
  10. 下記の関係が満足されていることを特徴とする、請求項8又は9に記載のバンパー構造。
    0.3×tst < t
    :第2補強板の板厚
    st:バンパー本体の板厚
  11. 前記第2補強板の材料が、アルミニウムであることを特徴とする、請求項8乃至10のいずれか一項に記載のバンパー構造。
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