JP4322057B2 - 金属フッ化物のアンモニウム錯体の回収及びその再利用方法 - Google Patents

金属フッ化物のアンモニウム錯体の回収及びその再利用方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は金属フッ化物のアンモニウム錯体から金属フッ化物の無機錯体とアンモニウム塩とを回収し、更に必要に応じこれ等を有効に再利用する方法に関し、詳しくは、従来殆ど再利用出来ずに産業廃棄物として廃棄されていた金属フッ化物のアンモニウム錯体を金属フッ化物の無機錯体に変換して、再利用できる形態として回収し、同時に副生するアンモニウム塩をも含めてこれ等を再利用する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属フッ化物のアンモニウム錯体は、主にアルミニウム又はその合金の表面処理の際に生ずるものであって、これ等錯体はそのままの形では殆ど再利用することが出来ず、通常このまま産業廃棄物として処理されていた。
【0003】
この金属フッ化物のアンモニウム錯体が副生するアルミニウム又はその合金の処理例をあげれば以下の通りである。
【0004】
(イ)アルミニウム材を、Cu化合物及び/又はAg化合物を含有するフッ化水素アンモニウム(酸性フッ化アンモニウム)水溶液に浸漬する処理方法。この際、前記Cu化合物が塩基性炭酸銅で、Ag化合物が硝酸銀であることが好ましいとされている。
【0005】
(ロ)アルミニウムの表面に機能を付加する方法として、様々な表面処理が開発され、例えばその一つに特開2001−11648号公報に記載の化成処理がある。これはケイフッ化マグネシウム(MgSiF6・6H2O)とケイフッ化アンモニウム((NH42SiF6)とを含む処理液を加熱するものである。加熱した水溶液にアルミ部品を浸漬することによって、アルミ表面にNH4MgAlF6とMgAlF5・1.5H2Oとの混合物、又はNH4MgAlF6とMgAl28・2H2Oとの混合物からなる特定の化合物皮膜を形成している。ケイフッ化マグネシウムとケイフッ化アンモニウムとを含む処理液は、70℃以上に加熱されると、両成分が加水分解し、マグネシウムイオン、アンモニウムイオン、フッ素イオン、フッ酸、珪酸などが共存する状態になる。
【0006】
いずれにしても上記で示した各アルミニウム又はその合金の表面処理に於いては、金属フッ化物のアンモニウム錯体が生成する。
【0007】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、従来その再利用の方法がいまだ開発されていない上記金属フッ化物のアンモニウム錯体から、再利用可能な化合物にこれを変換して回収し、更に必要に応じこれ等を再利用する手段を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この手段は、産業廃棄物として生じた金属フッ化物のアンモニウム錯体と無機塩(R−X)とを反応させて、金属フッ化物の無機錯体とアンモニウム塩となして、この形態で回収すると共に、更に必要に応じこれ等を再利用することによって解決される。
記無機塩(R−X)のRはカチオンを、またXはアニオンを示す。
但し、前記金属フッ化物のアンモニウム錯体が、Al、Fe及びSiの少なくとも1種の金属Mを含むアンモニウムフッ化物(NH 4 ) MF の少なくとも一種であり(但しy=1、2或いは3の何れか一種、及びz=4、5、6或いは7の何れか一種を示す。)、
前記無機塩のカチオン(R)が、Na及びKの少なくとも一種である。
【0009】
【発明の作用】
本発明の金属フッ化物のアンモニウム錯体と無機塩との反応について、前者金属フッ化物のアンモニウム錯体の例として(NH43AlF6を、また後者の無機塩としてNa2SO4を代表例として化学式で示せば以下の通りである。
【0010】
2(NH43AlF6+3Na2SO4→2Na3AlF6+3(NH42SO4
【0011】
本発明に於いて使用する金属フッ化物のアンモニウム錯体としては、アルミニウム又はその合金の表面処理の工程に於いて副生するものが広く使用される。
【0013】
本発明に於いて使用する無機塩としては、R−Xで示される各種の塩が広く使用出来る。この際、Rはカチオンを、Xはアニオンを示し、Rとして具体的には、Na、Kである
【0014】
またXはアニオンを示し、具体的にはCl、SO4、F、CO3、HCO3、NO3、PO4等を例示出来、特に好ましいものとして、Cl及びSO4を例示出来る。
【0015】
本発明の上記反応の条件について以下に詳しく説明する。
(A)反応時の水の量
無機塩(R−X)を溶解させるに必要な量、もしくは無機塩(R−X)をイオン化させるに必要な量が好ましい。この点から水の量は多い方が好ましいが、100重量部の無機塩(R−X)に対して100〜100000重量部、特に好ましくは100〜10000重量部の水を用いると良い。しかし水の量があまりにも多くなった場合、回収された金属フッ化物の無機錯体との分離工程により生じた水の量が増加する為、回収されるアンモニウム塩の収量が低下する。
【0016】
洗浄に用いる水の量も、特に限定されるものではないが、同様の理由により、回収された金属フッ化物の無機錯体100重量部に対して100〜100000重量部、特に好ましくは100〜10000重量部の水を用いると良い。
【0017】
(B)反応時のpH
反応時のpHは通常5〜9である。強酸性あるいは強アルカリ性下では、金属フッ化物のアンモニウム錯体が分解し、アンモニアガスが発生する傾向がある。その為、反応は中性(pH6〜8)付近が特に好ましい。
【0018】
(C)混合順序
無機塩(R−X)を完全に溶解させた後、金属フッ化物のアンモニウム錯体と反応させても良い。また、完全に溶解させない状態で混合しても構わない。
【0019】
(D)添加方法
金属フッ化物のアンモニウム錯体は水に溶けにくいので、金属フッ化物のアンモニウム錯体は、固体のまま添加しても良いし、予め金属フッ化物のアンモニウム錯体の水分散液を調製して、これを添加しても良い。金属フッ化物のアンモニウム錯体は、無機塩(R−X)溶液に同時に添加しても良いし、どちらか一方を先に添加して、しばらくしてから他方を添加しても良い。
【0020】
(E)無機塩(R−X)の量
金属フッ化物のアンモニウム錯体におけるアンモニウム物を無機物にするのに必要な量の無機塩(R−X)を使用し、不溶残渣として効率良く金属フッ化物の無機錯体を回収するものである。この場合、金属フッ化物のアンモニウム錯体100重量部に対して無機塩(R−X)は、10〜1000重量部が好ましいが、純度の高い金属フッ化物の無機錯体を回収する為には、60〜200重量部が特に好ましい。
【0021】
(F)粒径
金属フッ化物の無機錯体の粒径は、特に限定されるものでは無い。しかし、濾過・脱水性から、粒径は大きいものが好ましい。さらに高分子凝集剤により、粒径を調製することは何ら問題無い。この際の高分子凝集剤としては従来から知られたものがいずれも使用出来、その代表例としてポリアクリルアミド系凝集剤、ポリメタアクリル酸エステル系凝集剤、ポリアクリル酸ソーダ系凝集剤、ポリアミン系凝集剤、アミノ縮合系凝集剤等の使用が可能である。その使用量は、水量に対して、5〜20ppm用いても良い。
【0022】
(G)温度
溶解、反応、及び洗浄時の水温は、室温で扱える15℃以上が良い。あまり低温で溶解させても効果に乏しく、金属フッ化物の無機錯体の回収率を低下させる。従って溶解、反応、及び洗浄時の温度は15〜100℃、好ましくは25〜90℃である。
【0023】
(H)時間等
金属フッ化物のアンモニウム錯体と無機塩(R−X)との反応時間は、特に限定されるものではないが、0.01〜48時間程度が好ましい。しかし、0.01〜12時間が工業的にも特に好ましい。また金属フッ化物のアンモニウム錯体と無機塩(R−X)との反応は、常圧下、真空下、何れで行っても良い。
【0024】
かくして得られた(回収した)金属フッ化物の無機錯体は再度水に分散させ、洗浄を行なう。純度を高めるために洗浄操作を繰り返し行っても良い。
【0025】
回収した金属フッ化物の無機錯体は、電解精錬時の融剤、メッキの融剤、乳濁剤等に再利用可能である。またアンモニウム塩は、肥料及び工業製品として再利用可能である。さらに無機塩(R−X)のアニオンにFを使用した場合、フッ化アンモニウム(NH4F)が再生される為、再度、表面処理工程に利用可能である。なお、この際、フッ化水素酸を加えて使用しても構わない。
【0026】
【実施例】
以下に本発明の代表的な例を示しながら更に具体的に説明する。尚、これらは説明の為の単なる例示であって、本発明はこれらに何等制限されるものではない。
実施例における評価は以下の(1)〜(4)の方法により実施した。
(1)金属不純物量;誘導結合プラズマ原子発光分析にて評価。
(2)粒径;粒度分布計(レーザー回折・散乱法)により評価。
(3)アンモニア含量:滴定により評価。
(4)結晶構造解析:X線回折装置(XRD)により評価。
【0027】
【実施例1】
産業廃棄物として生じた(NH43AlF6中の不純物量は、Ca:20ppm、Cu:50ppm、Fe:150ppm、Mg:850ppm、Mn:20ppm、Na:100ppm、Si<500ppmであった。
【0028】
上記産業廃棄物として生じた(NH43AlF6を243g測りとり、水2.5kgに分散させた。その後、NaClを230g加えた後、90℃で6時間攪拌を行なった。溶液のpHは7.2であった。その後、溶液を40℃まで冷却した後、吸引濾過により、沈殿物と反応濾液に分別した。
【0029】
回収した沈殿物を、40℃で水1kgに分散させ、沈殿物の洗浄を行なった後、濾過により沈殿物と洗浄濾液に分離し、沈殿物を105℃で6時間乾燥させた。
【0030】
さらに、反応濾液は130℃で4時間濃縮を行なった。濃縮液を25℃に冷却させて、結晶を析出させた。この結晶と濾液を濾過により分離し、結晶を105℃で6時間乾燥を行なった。
得られた沈殿物の重量は261gであった。また濾液を濃縮させた液から得られた結晶重量は203gであった。
得られた沈殿の平均粒子径は1.8μmであった。
【0031】
更に沈殿物及び結晶のXRD解析を行なった結果、沈殿物はNa3AlF6に、結晶はNH4Clに帰属された。またNa3AlF6中のアンモニア含量は0.02%であり、その他不純物もCa<5ppm、Cu<5ppm、Fe<5ppm、Mg<5ppm、Mn<1ppm、Si<10ppmであった。さらに、NH4Cl中のNa;0.05%であり、反応は定量的(99.7%)に進んでいることが確認された。不純物としては、Ca<5ppm、Cu<5ppm、Fe<5ppm、Mg<5ppm、Mn<1ppm、Si<10ppmであった。
【0032】
【実施例2】
産業廃棄物として生じた(NH42SiF6中の不純物量は、Ca:30ppm、Cu:20ppm、Fe:100ppm、Mg:500ppm、Mn:100ppm、Na:50ppmであった。
【0033】
上記産業廃棄物として生じた(NH42SiF6を831g測りとり、KClを730g加えた。その後、水8kgを加え、30℃で12時間攪拌を行なった。溶液のpHは7.1であった。吸引濾過により、沈殿物と反応濾液に分別した。
【0034】
回収した沈殿物を、30℃で水5kgに分散させ、沈殿物の洗浄を行なった後、濾過により沈殿物と洗浄濾液に分離し、沈殿物を105℃で8時間乾燥させた。
【0035】
さらに、反応濾液は130℃で13時間濃縮を行なった。濃縮液を25℃に冷却させて、結晶を析出させた。この結晶と濾液を濾過により分離し、結晶を105℃で5時間乾燥を行なった。
【0036】
得られた沈殿物の重量は1.03kgであった。また濾液を濃縮させた液から得られた結晶重量は505gであった。
得られた沈殿の平均粒子径は2.5μmであった。
【0037】
また沈殿物及び結晶のXRD解析を行なった結果、沈殿物はK2SiF6に、結晶はNH4Clに帰属された。またK2SiF6のアンモニア含量は0.05%であり、その他不純物もCa<5ppm、Cu<5ppm、Fe<5ppm、Mg<5ppm、Mn<1ppm、Na<5ppmであった。さらに、NH4Cl中のK;0.1%であり、反応はほぼ定量的(98.9%)に進んでいることが確認された。不純物としては、Ca<5ppm、Cu<5ppm、Fe<5ppm、Mg<5ppm、Mn<1ppm、Si<10ppm、Na<5ppmであった。
【0038】
【実施例3】
産業廃棄物として生じた(NH4)FeF6中の不純物量は、Ca:100ppm、Cu:40ppm、Mg:900ppm、Mn:20ppm、Na:200ppm、Si:400ppmであった。
【0039】
Na2SO4500gを測りとり、水10kgに溶解させた。これに上記産業廃棄物として生じた(NH4)FeF6を500g加えた。その後、Na2SO4を500g加えた後、70℃で12時間攪拌を行なった。溶液のpHは7.1であった。その後、溶液を40℃まで冷却した後、吸引濾過により、沈殿物と反応濾液に分別した。
【0040】
回収した沈殿物を、50℃で水2kgに分散させ、沈殿物の洗浄を行なった後、濾過により沈殿物と洗浄濾液に分離し、沈殿物を105℃で6時間乾燥させた。
さらに、反応濾液は130℃で18時間濃縮を行なった。濃縮液を25℃に冷却させて、結晶を析出させた。この結晶と濾液を濾過により分離し、結晶を105℃で8時間乾燥を行なった。
【0041】
得られた沈殿物の重量は350gであった。また濾液を濃縮させた液から得られた結晶重量は440gであった。
得られた沈殿の平均粒子径は2.5μmであった。
【0042】
更に沈殿物及び結晶のXRD解析を行なった結果、沈殿物はNa3FeF6に、結晶は(NH42SO4に帰属された。またNa3FeF6のアンモニア含量は0.03%であり、その他不純物もCa<5ppm、Cu<5ppm、Mg<5ppm、Mn<1ppm、Si<10ppmであった。さらに、(NH42SO4中のNa;0.03%であり、反応はほぼ定量的(99.3%)に進んでいることが確認された。不純物としては、Ca<5ppm、Cu<5ppm、Fe<5ppm、Mg<5ppm、Mn<1ppm、Si<10ppmであった。
【0043】
【実施例4】
実施例1で使用したものと同じ産業廃棄物として生じた(NH43AlF6を176g測りとり、水5.0kgに分散させた。その後、NaFを119g加えた後、90℃で6時間攪拌を行なった。溶液のpHは7.5であった。その後、溶液を40℃まで冷却した後、吸引濾過により、沈殿物と反応濾液に分別した。
【0044】
回収した沈殿物を、40℃で水1kgに分散させ、沈殿物の洗浄を行なった後、濾過により沈殿物と洗浄濾液に分離し、沈殿物を105℃で6時間乾燥させた。
【0045】
さらに、反応濾液は130℃で3時間濃縮を行なった。濃縮液を25℃に冷却させて、結晶を析出させた。この結晶と濾液を濾過により分離し、結晶を105℃で6時間乾燥を行なった。
得られた沈殿物の重量は186gであった。また濾液を濃縮させた液から得られた結晶重量は98gであった。
得られた沈殿の平均粒子径は1.6μmであった。
【0046】
更に沈殿物及び結晶のXRD解析を行なった結果、沈殿物はNa3AlF6に、結晶はNH4Fに帰属された。またNa3AlF6中のアンモニア含量は0.02%であり、その他不純物もCa<5ppm、Cu<5ppm、Fe<5ppm、Mg<5ppm、Mn<1ppm、Si<10ppmであった。さらに、NH4F中のNa;0.06%であり、反応は定量的(98.4%)に進んでいることが確認された。不純物としては、Ca<5ppm、Cu<5ppm、Fe<5ppm、Mg<5ppm、Mn<1ppm、Si<10ppmであった。
【0047】
【実施例5】
実施例1で使用したものと同じ産業廃棄物として生じた(NH43AlF6を135g測りとり、水3.5kgに分散させた。その後、Na2CO3を116g加えた後、40℃で6時間攪拌を行なった。溶液のpHは7.3であった。その後、吸引濾過により、沈殿物と反応濾液に分別した。
【0048】
回収した沈殿物を、40℃で水1kgに分散させ、沈殿物の洗浄を行なった後、濾過により沈殿物と洗浄濾液に分離し、沈殿物を105℃で6時間乾燥させた。
【0049】
さらに、反応濾液は130℃で4時間濃縮を行なった。濃縮液を25℃に冷却させて、結晶を析出させた。この結晶と濾液を濾過により分離し、結晶を105℃で6時間乾燥を行なった。
得られた沈殿物の重量は145gであった。また濾液を濃縮させた液から得られた結晶重量は97gであった。
得られた沈殿の平均粒子径は1.8μmであった。
【0050】
更に沈殿物及び結晶のXRD解析を行なった結果、沈殿物はNa3AlF6に、結晶は(NH42CO3に帰属された。またNa3AlF6中のアンモニア含量は0.04%であり、その他不純物もCa<5ppm、Cu<5ppm、Fe<5ppm、Mg<5ppm、Mn<1ppm、Si<10ppmであった。さらに、(NH42CO3中のNa;0.05%であり、反応は定量的(99.3%)に進んでいることが確認された。不純物としては、Ca<5ppm、Cu<5ppm、Fe<5ppm、Mg<5ppm、Mn<1ppm、Si<10ppmであった。
【0051】
【実施例6】
実施例1で使用したものと同じ産業廃棄物として生じた(NH43AlF6を81g測りとり、水3.5kgに分散させた。その後、NaNO3を112g加えた後、90℃で6時間攪拌を行なった。溶液のpHは7.3であった。その後、溶液を40℃まで冷却した後、吸引濾過により、沈殿物と反応濾液に分別した。
【0052】
回収した沈殿物を、40℃で水1kgに分散させ、沈殿物の洗浄を行なった後、濾過により沈殿物と洗浄濾液に分離し、沈殿物を105℃で6時間乾燥させた。
【0053】
さらに、反応濾液は130℃で4時間濃縮を行なった。濃縮液を25℃に冷却させて、結晶を析出させた。この結晶と濾液を濾過により分離し、結晶を105℃で6時間乾燥を行なった。
得られた沈殿物の重量は87gであった。また濾液を濃縮させた液から得られた結晶重量は98gであった。
得られた沈殿の平均粒子径は1.8μmであった。
【0054】
更に沈殿物及び結晶のXRD解析を行なった結果、沈殿物はNa3AlF6に、結晶はNH4NO3に帰属された。またNa3AlF6中のアンモニア含量は0.05%であり、その他不純物もCa<5ppm、Cu<5ppm、Fe<5ppm、Mg<5ppm、Mn<1ppm、Si<10ppmであった。さらに、NH4F中のNa;0.05%であり、反応は定量的(98.9%)に進んでいることが確認された。不純物としては、Ca<5ppm、Cu<5ppm、Fe<5ppm、Mg<5ppm、Mn<1ppm、Si<10ppmであった。
【0055】
【発明の効果】
本発明は従来再利用が殆ど行われずに産業廃棄物として処理されていた金属フッ化物のアンモニウム錯体を、簡単な手段により、再利用可能な金属フッ化物の無機錯体に変換することが出来、その産業上の効果は極めて大きい。

Claims (6)

  1. 産業廃棄物として生じた金属フッ化物のアンモニウム錯体と無機塩(R-X:Rはカチオン、Xはアニオンを表す。)とを溶液中で反応させ、金属フッ化物の無機錯体とアンモニウム塩とを回収することを特徴とする金属フッ化物の回収方法。
    但し、前記金属フッ化物のアンモニウム錯体が、Al、Fe及びSiの少なくとも1種の金属Mを含むアンモニウムフッ化物(NH 4 ) MF の少なくとも一種であり(但しy=1、2或いは3の何れか一種、及びz=4、5、6或いは7の何れか一種を示す。)、
    前記無機塩のカチオン(R)が、Na及びKの少なくとも一種である。
  2. 前記無機塩のアニオン(X)が、Cl、SO4、F、CO3、HCO3、NO3、PO4の少なくとも一種である請求項1に記載の方法。
  3. 前記金属フッ化物のアンモニウム錯体は、アルミニウム又はその合金の表面処理の際に生ずるものである請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記金属フッ化物のアンモニウム錯体は、不純物としてMgを含む請求項1ないし3のいずれか1項記載の方法。
  5. 前記反応時のpHは5〜9である請求項1ないし4のいずれか1項記載の方法。
  6. 請求項1ないし5いずれか1項に記載の方法で得られた金属フッ化物の無機錯体及び/又はアンモニウム塩を再利用することを特徴とする金属フッ化物のアンモニウム錯体の再利用方法。
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