JP4318816B2 - 四輪駆動車両 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの駆動力が直接的に伝達される主駆動輪と、エンジンの駆動力の一部が油圧クラッチを介して間接的に伝達される副駆動輪とを備え、前記油圧クラッチは主駆動輪および副駆動輪の回転数差により発生する油圧で締結される四輪駆動車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
二輪駆動状態および四輪駆動状態をドライバーの操作により選択する第1フォークシャフトと、ニュートラルレンジ、ローレンジおよびハイレンジをドライバーの操作により選択する第2フォークシャフトとを備え、第1フォークシャフトが四輪駆動状態を選択し、第2フォークシャフトがローレンジまたはハイレンジを選択して車両が実際に四輪駆動状態になっているときに、表示ランプを点灯してドライバーに報知するものが、特公昭63−5296号公報により公知である。
【0003】
また主駆動輪がスリップして副駆動輪との間に回転数差が発生すると、主駆動輪から副駆動輪に駆動力を伝達して自動的に二輪駆動状態から四輪駆動状態に切り換えるものが、本出願人により既に提案されている(特許第2516095号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上記特公昭63−5296号公報に記載されたものは、ドライバーの操作で二輪駆動状態および四輪駆動状態を切り換えているが、車輪のスリップ状態等に応じて二輪駆動状態および四輪駆動状態を自動的に切り換えるものでは、車両が四輪駆動状態に移行してもドライバーはそのことを容易に認識することができなかった。
【0005】
また特許第2516095号公報に記載されたものにおいて、車両が四輪駆動状態になったことをドライバーに報知するには、主駆動輪の駆動力を副駆動輪に伝達する油圧クラッチに作用する油圧を監視し、この油圧が所定のしきい値を越えた場合にインジケータを点灯させれば良いように思われる。しかしながら、二輪駆動状態から四輪駆動状態への切り換えは、油圧クラッチに作用する油圧だけで決まるものではなく、エンジンが発生するトルクや路面の摩擦係係数によっても変化する。
【0006】
即ち、油圧ポンプが発生する油圧は主駆動輪および副駆動輪の回転数差が大きいほど大きくなるが、路面摩擦係数が小さくて主駆動輪がスリップし易ければ、エンジントルクが小さくても前記回転数差は大きくなり、路面摩擦係数が大きくて主駆動輪がスリップし難ければ、エンジントルクが大きくても前記回転数差は小さくなる。これとは別に、旋回時には内輪差の関係から主駆動輪および副駆動輪の回転数差が発生するため、油圧ポンプが油圧を発生する。従って、路面摩擦係数が小さく、エンジントルクが大きく、かつ操舵角が大きいときに発生する油圧が最も大きくなる。
【0007】
また、前進加速運動の場合には、ギヤポジションが同じであれば、エンジンのピークパワーポイントまではアクセル開度が大きいほど駆動輪に加わるトルクが大きくなり、同じアクセル開度であれば、減速比の大きいギヤポジションほど駆動輪に加わるトルクが大きくなる。油圧クラッチに作用する油圧の大きさに応じて主駆動輪および副駆動輪間のトルク配分比がだいたい決まり、副駆動輪に配分されたトルクがその時点で車両を加速できるものであれば、車両は四輪駆動状態となる。
【0008】
つまり副駆動輪にトルクが配分されても、そのトルクが与えられた時点において車両を加速するまでの駆動力を発生することができなければ、副駆動輪は車両を加速できず四輪駆動状態にはならない。従って、路面摩擦係数が大きいほど車両は四輪駆動状態になり易い。
【0009】
このように、二輪駆動状態から四輪駆動状態への切り換えは車両の運転状態および外部環境に応じて変化するため、油圧クラッチに作用する油圧を所定のしきい値と比較するだけでは不充分である。
【0010】
具体的には、車庫入れ時には操舵角が大きくなることが多く、前輪および後輪間に回転数差が発生するので油圧クラッチに油圧が作用するが、この状態においては車速は極低速でスロットルは低開度である。そしてオートマチックトランスミッション搭載車両では、ブレーキペダルを踏みつつ進行方向とは反対向きの駆動力を加えることもある。またマニュアルトランスミッション搭載車両では、クラッチペダルを踏みつつ車両を惰行させるときなどは、駆動力が出ておらず副駆動輪はおろか主駆動輪にも駆動力が伝達されていない。このような車庫入れ時にドライバーは四輪駆動状態を望んでいないため、前記しきい値を単に低めに設定するとインジケータが点灯してドライバーに違和感を持たせてしてしまうことになる。この不具合を解消すべく、逆に前記しきい値を単に高めに設定すると、車両の発進時や急加速時に四輪駆動状態になってもインジケータが点灯しない可能性がある。
【0011】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、四輪駆動車両がドライバーが期待する四輪駆動状態になったことを確実に報知できるようにすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、エンジンの駆動力が直接的に伝達される主駆動輪と、エンジンの駆動力の一部が油圧クラッチを介して間接的に伝達される副駆動輪とを備え、前記油圧クラッチは主駆動輪および副駆動輪の回転数差により発生する油圧で締結される四輪駆動車両において、四輪駆動状態にあることをドライバーに報知する報知手段と、四輪駆動状態にあることをドライバーに表示するか否かを、前記主駆動輪および前記副駆動輪の回転数差の増大に応じて増大する前記油圧ならびにエンジン負荷の両方に基づいて判定する電子制御ユニットとを備え、前記電子制御ユニットは、前記主駆動輪および前記副駆動輪の回転数差の増大に応じて増大する前記油圧がしきい値以上であり、かつエンジン負荷がしきい値以上である場合に、ドライバーに表示すべき四輪駆動状態にあると判定して、ドライバーに報知すべく前記報知手段を作動させることを特徴とする四輪駆動車両が提案される。
【0013】
上記構成によれば、油圧クラッチが締結して主駆動輪および副駆動輪が共に駆動される四輪駆動状態になると、そのことが報知手段によりドライバーに報知されるので、ドライバーは現在の車両の駆動状態を容易かつ確実に認識することができる。しかも主駆動輪および副駆動輪の回転数差により発生する油圧がしきい値以上であることと、エンジン負荷がしきい値以上であることとをアンド条件として報知手段が作動するので、実質的に四輪駆動状態になっていないときに報知手段が作動すること防止でき、その上、スロットルを低開度としている低トルク領域でのタイトターンに伴う主駆動輪および副駆動輪の回転数差により油圧が発生しても、その油圧で報知手段が作動してドライバーに違和感を与えることが防止される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0015】
図1〜図5は本発明の一実施例を示すもので、図1は四輪駆動車両の前進時における動力伝達系を示す図、図2は四輪駆動車両の後進時における動力伝達系を示す図、図3は第1、第2油圧ポンプの回転数差と発生する油圧との関係を示すグラフ、図4は四輪駆動レベルを表示するインジケータを示す図、図5はインジケータの作動を説明するフローチャートである。
【0016】
図1に示すように、四輪駆動車両の前部に搭載されたエンジンEの出力は変速機1を介して前輪側の差動装置2に入力され、その差動装置2の出力はドライブシャフト3,3を介して主駆動輪たる左右の前輪Wf,Wfに伝達される。差動装置2に入力されたエンジンEの出力は傘歯車装置4を介して後述する動力伝達装置Tに入力され、その動力伝達装置Tの出力は傘歯車装置5を介して後輪側の差動装置6に伝達され、更に差動装置6の出力はドライブシャフト7,7を介して副駆動輪たる左右の後輪Wr,Wrに伝達される。
【0017】
動力伝達装置Tは、前輪側の傘歯車装置4から延びる入力軸8により駆動される第1油圧ポンプPfと、後輪側の傘歯車装置5に接続する出力軸9により駆動される第2油圧ポンプPrと、前記入力軸8と出力軸9との間の駆動力の伝達・遮断を司る油圧クラッチCと、該油圧クラッチCを制御する油圧制御回路とから構成される。
【0018】
第1油圧ポンプPfは、トロコイドポンプからなり、車両の前進時には吐出ポートとなり後退時には吸入ポートとなる第1ポート10と、前進時には吸入ポートとなり後退時には吐出ポートとなる第2ポート11とを有している。また第2油圧ポンプPrは、同じくトロコイドポンプからなり、車両の前進時には吸入ポートとなり後退時には吐出ポートとなる第3ポート12と、前進時には吐出ポートとなり後退時には吸入ポートとなる第4ポート13とを有している。そして、第1ポート10と第3ポート12とが第1連結油路14を介して接続され、第2ポート11と第4ポート13とが第2連結油路15を介して接続されている。
【0019】
第1連結油路14および第2連結油路15と油圧クラッチCの作動油圧室16との間には、前記変速機1が前進段にあるか後退段にあるかにより切り換えられる切換弁17が配置されている。この切換弁17はソレノイドあるいは油圧により作動するスプール18を備え、このスプール18により区画される第1弁室19および第2弁室20の間には、第1弁室19から第2弁室20へ向けての流れを規制する一方向弁21と、第1弁室19と第2弁室20との差圧が所定値になると、第1弁室19と第2弁室20との間を連通し、第1弁室19から第2弁室20へ向けての流れを許容するリリーフ弁22とが設けられている。この切換弁17の作動により、前進時にあっては、図1に示すように、第2連結油路15とオイルタンク23との間が第2弁室20を介して連通し、第1連結油路14と油圧クラッチCの作動油圧室16との間が、バイパス油路24、第1弁室19、作動油圧供給油路25を介して連通し、しかも油圧クラッチCの作動油圧室16に作用する油圧が所定値以上になると、リリーフ弁22を介してオイルタンク23へ圧力が逃げるようになっている。そして後退時にあっては、図2に示すようにスプール18が前方に移動し、第1連結油路14とオイルタンク23との間が第2弁室20を介して連通し、第2連結油路15と油圧クラッチCの作動油圧室16との間が第1弁室19を介して連通し、しかも油圧クラッチCの作動油圧室16に作用する油圧が所定値以上になるとリリーフ弁22を介してオイルタンク23へ圧力が逃げるようになっている。
【0020】
油圧クラッチCの作動油圧室16とオイルタンク23との間には、油圧クラッチCの作動油圧室16の油圧特性を調整するためのオリフィス26が設けられている。
【0021】
図4には車両が四輪駆動状態になったことをドライバーに報知するためのインジケータ27が示される。インジケータ27は本発明の報知手段を構成するもので、LED等で構成された5個のセグメントを備えている。前輪Wf,Wfから後輪Wr,Wrに伝達される駆動力が最も小さい四輪駆動レベル1の状態では下端のLEDだけが点灯し、前記駆動力が最も大きい四輪駆動レベル5の状態では全てのLEDが点灯し、四輪駆動レベル2〜4の状態では、それに応じた2個乃至4個のLEDが点灯する。このインジケータ27の作動は、油圧クラッチCの作動油圧室16に作用する油圧pを検出する油圧センサSaと、エンジンEのスロットル開度θthを検出するスロットル開度センサSbとからの信号が入力される電子制御ユニットUにより制御される。
【0022】
次に、前述の構成を備えた本発明の実施例の作用を説明する。
【0023】
前進発進時には、エンジンEの駆動力が変速機1、差動装置2、ドライブシャフト3,3を介して前輪Wf,Wfに伝達されるとともに、その駆動力は差動装置2から傘歯車装置4および入力軸8を介して第1油圧ポンプPfに伝達され、この第1油圧ポンプPfを駆動する。このとき油圧クラッチCは遮断された状態にあり、出力軸9に接続した第2油圧ポンプPrは停止した状態にある。したがって、オイルタンク23から第2弁室20および第2連結油路15を介して第1油圧ポンプPfの第2ポート11に吸入されたオイルは、第1ポート10から第1連結油路14へ吐出されてバイパス油路24に全量が流入し、第1弁室19を介して油圧クラッチCの作動油圧室16に油圧を作用させる。すると、前述のように油圧クラッチCが係合して出力軸9、傘歯車装置5、差動装置6およびドライブシャフト7,7を介して後輪Wr,Wrが駆動されるとともに、前記出力軸9に接続された第2油圧ポンプPrが駆動される。このようにして、油圧クラッチCが係合して後輪Wr,Wrに駆動力が分配されると、後輪Wr,Wrの回転速度の増大に応じて第1油圧ポンプPfの吐出油が第1連結油路14を介して第2油圧ポンプPrに吸入され、第2油圧ポンプPrの吐出油が第2連結油路15を介して第1油圧ポンプPfに吸入されるようになる。そして第1油圧ポンプPfの吐出量と第2油圧ポンプPrの吸入量との差に応じて油圧クラッチCの作動油圧室16に作用する油圧、すなわち油圧クラッチCの係合力が自動的に変化し、前後輪間の回転速度差が実質的に0になる例えば定速走行状態に達すると、油圧クラッチCの作動油圧室16に油圧が作用しなくなって後輪Wr,Wrへの駆動力の分配が断たれる。
【0024】
ここでオリフィス26の上流側の油圧p、すなわち油圧クラッチCの作動油圧室16に作用する油圧pは、第1、第2油圧ポンプPf,Prの吐出量(吸入量)差の2乗、つまり第1、第2油圧ポンプPf,Prの回転数差Δωの2乗に比例して変化するため、その油圧pの変化は図3に示すような放物線状となる。そして、回転数差Δωが所定値まで増加して油圧pがリリーフ弁22のセット荷重に対応するp3に達すると、作動油圧供給油路25内の圧油は前記リリーフ弁22からオイルタンク23に戻されて油圧pは一定値p3に保持される。したがって、リリーフ弁22のセット荷重の設定により油圧pの最大値、すなわち油圧クラッチCの伝達トルクの上限値を適宜に設定することができる。この油圧クラッチCの伝達トルクの上限値は、例えばエンジンEの出力トルクの30%に設定される。
【0025】
また、定速走行時に前輪Wf,Wfのみが摩擦係数の低い路面を踏んだ場合、あるいは急加速しようとした場合には、前輪Wf,Wfが過渡的にスリップ状態になることがある。このような状態においては、入力軸8に接続された第1油圧ポンプPfの吐出量が出力軸9に接続された第2油圧ポンプPrの吸入量を上回り、前述と同様に油圧クラッチCが係合して後輪Wr,Wrに対して駆動力が分配される。
【0026】
車輪に制動力が作用すると、前後輪の制動力配分は一般に前輪Wf,Wf側が後輪Wr,Wr側より高く設定されているので、急制動時等において前輪Wf,Wfが後輪Wr,Wrよりも先にロックする。また、定速走行からのエンジンブレーキは前輪Wf,Wfのみ作用するので、この場合も過渡的には前輪Wf,Wfの回転速度が後輪Wr,Wrよりも低くなる。このような場合には、第2油圧ポンプPrの吐出量が第1油圧ポンプPfの吸入量を上回り、第2連結油路15に過剰なオイルが吐出される。更に、前輪Wf,Wfが完全にロックした場合には、第1油圧ポンプPfが停止して第2油圧ポンプPrのみが回転するため、この第2油圧ポンプPrの吐出油の全量が過剰となる。しかしながら、この過剰な吐出油は、第2連結油路15から第2弁室20、一方向弁21、第1弁室19、バイパス油路24および第1連結油路14を経て第2油圧ポンプPrの第3ポート12へと還流する。このようにして、後輪Wr,Wrの回転速度が前輪Wf,Wfの回転速度を上回る場合には、油圧クラッチCの作動油圧室16に油圧が作用することはなく、該油圧クラッチCは遮断状態に保持される。
【0027】
車両の後退時には、第1、第2両油圧ポンプPf,Prの回転方向が共に逆になり、吐出ポートと吸入ポートとの関係が上記とは逆の関係になるが、変速機1に連動して切換弁17のスプール18が図2の位置に移動するため、基本的な作動原理は前進時と同様にして行なわれる。
【0028】
すなわち、後退発進時あるいは後退急加速時等に前輪Wf,Wfの回転速度が後輪Wr,Wrの回転速度より大きくなると、第1油圧ポンプPfの吐出量が第2油圧ポンプPrの吸入量を上回るため、第2ポート11からの吐出量と第4ポートからの吸入量の差に相当するオイルが、第2連結油路15から第1油室19および作動油圧供給油路25を介して油圧クラッチCの作動油圧室16に供給され、後輪Wr,Wrに駆動力を分配すべく油圧クラッチCが接続される。そして前進時と同様に、後輪Wr,Wr側の回転速度の増大に応じて第1油圧ポンプPfの吐出量と第2油圧ポンプPrの吸入量の差が減少し、定速走行状態になると油圧クラッチCの作動油圧室16に油圧が作用しなくなって前後輪間の接続が断たれる。
【0029】
また、後退制動時には、第1油圧ポンプPfの回転速度が第2油圧ポンプPrのそれを下回るため、前進制動時の場合と同様に、作動油圧供給油路25への吐出圧は発生せず、油圧クラッチCは係合しない。このとき、第2油圧ポンプPrの第3ポート12からの吐出油の一部は、第1連結油路14、バイパス油路24、第2弁室20、一方向弁21、第1弁室19および第2連結油路15を経て第4ポート13へ還流する。そして前輪Wf,Wfが完全にロックすると、第3ポート12からの吐出油の全量が前記経路を経て第4ポート13へ還流し、この場合も油圧クラッチCは係合せず、前後輪間の連結は遮断された状態となる。
【0030】
次に、インジケータ27の作動について説明する。
【0031】
図3において、前輪Wf,Wfおよび後輪Wr,Wrの回転数差Δωに応じて発生する油圧pがしきい値p1未満である場合には、インジケータ27の点灯は行わない。なぜならば、しきい値p1未満の油圧pは車輪が僅かにスリップしただけで発生するため、その油圧pが発生する度にインジケータ27を点灯してドライバーに四輪駆動状態になったことを報知するとドライバーが煩わしく感じるからである。しかも前記しきい値p1未満の油圧pにより後輪Wr,Wrに伝達される駆動力は僅かなものであって車両が完全に四輪駆動状態になったとはいえず、この状態でインジケータ27を点灯することは適切でないためである。
【0032】
尚、前記しきい値p1は、低摩擦係数の路面において油圧クラッチCが四輪駆動状態となる締結力を発生し始めるしきい値として設定されるが、このしきい値p1に対応する油圧クラッチCの締結力が発生しても、一般のアスファルト路面のような摩擦係数では副駆動輪である後輪Wr,Wrが車両を駆動するまでのトラクションを発生するには至らない。つまり、エンジンEの出力、路面の状況、操舵角の大きさ、路面の勾配等の要因により四輪駆動状態となる油圧pの大きさは様々であり、一概に特定することはできない。
【0033】
ところで、油圧クラッチCを締結する油圧pは車輪がスリップした場合に発生するだけでなく、車庫入れ等において車両がスロットルを低開度としている低トルク領域でタイトターンを行った場合にも発生する。すなわち、車両がスロットルを低開度としている低トルク領域でタイトターンを行っている間、操舵輪である前輪Wf,Wfの移動軌跡の半径は非操舵輪である後輪Wr,Wrの移動軌跡の半径よりも大きいため、前輪Wf,Wfに接続された第1油圧ポンプPfの回転数が後輪Wr,Wrに接続された第2油圧ポンプPrの回転数よりも大きくなり、その結果発生した油圧pで油圧クラッチCが締結して駆動力が後輪Wr,Wrに伝達される。
【0034】
図3に示すしきい値p1以上の油圧pが発生した場合、スロットルを高開度としている高トルク領域では滑り易い路面で四輪駆動状態になるが、通常の路面で車両がスロットルを低開度としている低トルク領域でタイトターンを行った場合にしきい値p1以上の油圧pが発生しても、後輪Wr,Wrには四輪駆動状態になるまでの駆動力が伝達されることはない。
【0035】
図3に示すしきい値p2以上の油圧pは低摩擦係数の路面において、スロットルを高開度としている高トルク領域で走行する場合、若しくはそれに類するような特殊な走行状態にのみ発生する油圧であり、一般走行では殆ど発生することがなく、もちろん車庫入れ時に発生することはない。従って、インジケータ27を点灯させる油圧pをしきい値p2未満に設定しないと、通常の運転を行うドライバーはインジケータ27から四輪駆動状態になっていることの報知を受ける機会がなくなってしまう。
【0036】
しかしながら、インジケータ27を点灯させる油圧pをしきい値p1以上かつしきい値p2未満に設定すると、車庫入れ等で車両がスロットルを低開度としている低トルク領域でタイトターンを行って前記しきい値p1以上の油圧pが発生した場合に、本来点灯してほしくないインジケータ27が点灯してしまう可能性がある。そこで本実施例では、油圧pがしきい値p1以上であり、かつエンジン負荷としてのスロットル開度θthがしきい値θth1(例えば、全開開度の8分の1)以上であることを条件としてインジケータ27を点灯するようになっている。
【0037】
而して、車庫入れ等において車両がスロットルを低開度としている低トルク領域でタイトターンを行う場合にはスロットル開度θthがしきい値θth1未満であるため、スロットルを低開度としている低トルク領域でタイトターンを行ったためにしきい値p1以上の油圧pが発生しても、インジケータ27が不必要に点灯するのを確実に防止することができ、車両が実際に四輪駆動状態になった場合にのみインジケータ27を点灯させることができる。
【0038】
次に、上記作用を図5のフローチャートに基づいて再度説明する。
【0039】
先ず、ステップS1で油圧センサSaで検出した油圧クラッチCの油圧pがしきい値p1以上でなければ、ステップS5でインジケータ27による四輪駆動状態の表示を行わない。これにより、車両が完全に四輪駆動状態になっていないのに、のべつインジケータ27が点灯するのを防止することができる。前記ステップS1で油圧センサSaで検出した油圧クラッチCの油圧pがしきい値p1以上であっても、ステップS2でスロットル開度センサSbで検出したスロットル開度θthがしきい値θth1以上でなければ、ステップS5でインジケータ27による四輪駆動状態の表示を行わない。これにより、車庫入れ等でスロットルを低開度としている低トルク領域でタイトターンを行った場合にインジケータ27が不必要に点灯してドライバーが違和感を受けるのを防止することができる。
【0040】
前記ステップS1で油圧センサSaで検出した油圧クラッチCの油圧pがしきい値p1以上であり、かつ前記ステップS2でスロットル開度センサSbで検出したスロットル開度θthがしきい値θth1以上であれば、ステップS3で四輪駆動レベルが1〜5の何れのレベルにあるかを、油圧pの大きさに基づいて演算する。そしてステップS4で前記演算した四輪駆動レベルに基づいてインジケータ27の5個のセグメントの点灯を制御することにより、ドライバーに現在の車両の駆動状態を報知する。
【0041】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0042】
例えば、報知手段としのインジケータ27は実施例のLEDを用いたものに限定されず、液晶やランプを用いたものでも良く、またスピーカ、チャイム、ブザー等の音響を用いたものであっても良い。
【0043】
またエンジン負荷は実施例のスロットル開度θthに限定されず、アクセル開度や吸気管内絶対圧であっても良い。
【0044】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載された発明によれば、油圧クラッチが締結して主駆動輪および副駆動輪が共に駆動される四輪駆動状態になると、そのことが報知手段によりドライバーに報知されるので、ドライバーは現在の車両の駆動状態を容易かつ確実に認識することができる。しかも主駆動輪および副駆動輪の回転数差により発生する油圧がしきい値以上であることと、エンジン負荷がしきい値以上であることとをアンド条件として報知手段が作動するので、実質的に四輪駆動状態になっていないときに報知手段が作動すること防止でき、その上、スロットルを低開度としている低トルク領域でのタイトターンに伴う主駆動輪および副駆動輪の回転数差により油圧が発生しても、その油圧で報知手段が作動してドライバーに違和感を与えることが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】四輪駆動車両の前進時における動力伝達系を示す図
【図2】四輪駆動車両の後進時における動力伝達系を示す図
【図3】第1、第2油圧ポンプの回転数差と発生する油圧との関係を示すグラフ
【図4】四輪駆動レベルを表示するインジケータを示す図
【図5】インジケータの作動を説明するフローチャート
【符号の説明】
C 油圧クラッチ
E エンジン
p 油圧
p1 しきい値
電子制御ユニット
Wf 前輪(主駆動輪)
Wr 後輪(副駆動輪)
θth スロットル開度(エンジン負荷)
θth1 しきい値
27 インジケータ(報知手段)

Claims (1)

  1. エンジン(E)の駆動力が直接的に伝達される主駆動輪(Wf)と、エンジン(E)の駆動力の一部が油圧クラッチ(C)を介して間接的に伝達される副駆動輪(Wr)とを備え、前記油圧クラッチ(C)は主駆動輪(Wf)および副駆動輪(Wr)の回転数差により発生する油圧(p)で締結される四輪駆動車両において、
    四輪駆動状態にあることをドライバーに報知する報知手段(27)と、四輪駆動状態にあることをドライバーに表示するか否かを、前記主駆動輪(Wf)および前記副駆動輪(Wr)の回転数差の増大に応じて増大する前記油圧(p)ならびにエンジン負荷(θth)の両方に基づいて判定する電子制御ユニット(U)とを備え、
    前記電子制御ユニット(U)は、前記主駆動輪(Wf)および前記副駆動輪(Wr)の回転数差の増大に応じて増大する前記油圧(p)がしきい値(p1)以上であり、かつエンジン負荷(θth)がしきい値(θth1)以上である場合に、ドライバーに表示すべき四輪駆動状態にあると判定して、ドライバーに報知すべく前記報知手段(27)を作動させることを特徴とする四輪駆動車両。
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