JP4318686B2 - フラットケーブル用コネクタ - Google Patents
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Description
このフラットケーブル用コネクタ9は、ハウジング14のコンタクト差し込み溝18にコンタクト17を圧入固着し、操作レバー16の開閉動作により進退するスライダ15を、前記コンタクト17の挿入口22側に設けてなるものである。このフラットケーブル用コネクタは、ハウジング14の下面の位置合せ突起(図示せず)をプリント基板10の位置合せ孔(図示せず)に嵌合しつつ、プリント基板10の上のパターン電極に前記コンタクト17の後端の端子部48を半田などで電気的にかつ機械的に接続される。
(1)図7(a)のように、まず、スライダ15をハウジング14から引き出したままにし、フラットケーブル11の先端部をスライダ15の下側のフラットケーブル差込口19からコンタクト17の挿入口22に水平方向に挿入する。水平方向に挿入するためには、フラットケーブル用コネクタの図中左側に、少なくともスライダ15の図中左端からコンタクト17の挿入口22の奥までの距離mに相当する分だけの作業スペースを必要とするので、特に作業スペースの少ない小型の電子機器の接続組み立てが困難である。
(2)フラットケーブル11の挿入が手作業になり、機械化ができない。
(3)フラットケーブル11は、スライダ15の下側のフラットケーブル差込口19から電極パターンを下向きにしてコンタクト17の挿入口22に挿入するので、正しい位置まで挿入されているかどうか、途中で引っかかっているかどうかなどの確認ができない。
(4)予めフラットケーブル11を挿入してからスライダ15のくさび板部20を圧入するので、可撓性を有するフラットケーブル11がめくれたり、しわがよったりするおそれがあり、また、幅広のフラットケーブル11がくさび板部20の下面に均一な接触圧で接していないと捩れが生じ、電極パターン13と該当する接点21とが正しく接続することができず、特に、電極パターン13の間隔の狭いものでは、誤接続のおそれがある。
(5)スライダ15の進退動時に、くさび板部20がフラットケーブル11の上を摺動して電極パターン13が不必要に接点21に圧接され、可撓性を有するフラットケーブル11に対するZIFの効果が軽減される。
前記コンタクト17は、導電性と弾力性を有する金属の細板を第1ばね部43と第2ばね部44とでS字形に折曲し、このS字形の底部が底板部24のコンタクト差し込み溝18に圧入固定され、このS字形の中間部であって、前記第1ばね部43と第2ばね部44との間に、低い水平部45、上昇する傾斜部46、高い水平部47と続く段差を折曲形成し、このS字形の上部であって、第2ばね部44から前方へ伸びた先端部に、下向きV字形の接点21を形成し、この接点21のある上部と高い水平部47の間の隙間を前記くさび板部20の圧入される挿入口22となす。
前記スライダ15は、肉薄で、先端に丸みをもたせたくさび板部20と、両側の側板部31とを一体に設け、このくさび板部20の上面の両端部に、フラットケーブル11の係止孔49を係合するための上面に丸みをもたせたケーブル係止突起29を設け、このケーブル係止突起29の下面とくさび板部20の上面との間に係止凹部30を形成する。
このように、本発明によれば、作業スペースの少ない電子機器でのフラットケーブルの組み立てが容易で、かつ、機械化が可能であり、また、フラットケーブルの電極パターンと該当するコンタクトの接点とが正しく接続でき、さらに、可撓性を有するフラットケーブルに対するZIFの十分な効果が得られるという目的を達成することができる。
前記操作レバーは、操作部と、この操作部の両端部の2個ずつの舌片とを金属板により折曲形成し、一方の舌片は、下端部を折曲して回動支点部とするとともに側面を送り出しカム部となし、他方の舌片は、側面を前記ハウジングに形成した引き戻し当接部に当接して引き戻す引き戻しカム部としたので、操作レバーの操作部を倒すと、操作レバーの回動支点部と回動支持孔の係合点を支点として回動し、他方の舌片の引き戻しカム部が引き戻し当接部に当接してスライダを移動させ、くさび板部をハウジング内へ導き入れることができる。
さらに操作レバーを略水平状態になるまで前方へ押し倒すと、引き戻しカム部と引き戻し当接部が接触しながらスライダが移動してハウジングの前面に到達させることができる。
この状態では、くさび板部の下面がコンタクトに載り上がり、くさび板部の先端がコンタクトに圧入してフラットケーブルの先端部が接点の位置から所定距離だけ通り過ぎ、フラットケーブルがコンタクトの接点に確実に接触して接続状態を保持することができる。
フラットケーブルをフラットケーブル用コネクタから取り出すときには、上記方法と逆に操作レバーを持ち上げると、操作レバーの一方の舌片における送り出しカム部が送り出し当接部に当接してスライダを引き出す。スライダが完全に引き出されたらフラットケーブルを上方向に持ち上げると、フラットケーブルは、フラットケーブル用コネクタから取り出すことができる。
前記レバー支持具は、金属板をU字形に折曲して外側板部、底板部、内側板部とし、前記内側板部を前記ハウジングに形成した支持具差込み溝に嵌め込み固定し、この内側板部に形成した回動支持孔に前記回動支点部を軸支し、前記ハウジングの側板部と前記嵌め込まれた外側板部との隙間に、前記スライダの側板部を移動自在に嵌め込み、かつ、この外側板部に形成した係止長孔に前記ストッパとクリック用突起を係脱自在に嵌め込んでなるので、スライダの移動にともない、レバー支持具の係止長孔にクリック用突起が係脱してクリック感が得られる。
コンタクトは、導電性と弾力性を有する金属の細板を第1ばね部と第2ばね部とでS字形に折曲し、このS字形の底部が底板部のコンタクト差し込み溝に圧入固定され、このS字形の中間部であって、前記第1ばね部と第2ばね部との間に、低い水平部、上昇する傾斜部、高い水平部と続く段差を折曲形成し、このS字形の上部であって、第2ばね部から前方へ伸びた先端部に、下向きV字形の接点を形成し、この接点のある上部と高い水平部の間の隙間を前記くさび板部の圧入される挿入口となしたので、スライダのくさび板部とともに挿入されるフラットケーブルは、低い水平部の位置では、くさび板部の下面がコンタクトの水平部の上にあり、フラットケーブルの先端部と接点との間に隙間があってまだ接続状態にはなく、上昇する傾斜部の位置では、くさび板部の下面がコンタクトの傾斜部に差し掛かり、フラットケーブルの先端部が接点の位置から僅かな距離だけ通り過ぎ、フラットケーブルの電極パターンが接点に軽く接触して接続状態を開始し、高い水平部の位置では、くさび板部の下面がコンタクトの傾斜部から高い水平部に載り上がり、くさび板部の先端がコンタクトの挿入口に圧入してフラットケーブルの先端部が接点の位置から所定距離だけ通り過ぎ、フラットケーブルの電極パターンが接点に確実に接触して接続状態を保持する。したがって、スライダの進退動時に、くさび板部がフラットケーブルの上を摺動して電極パターンが不必要に接点に圧接されることなく確実に接続され、可撓性を有するフラットケーブルに対するZIFの著しい効果が得られる。また、スライダのくさび板部は、肉薄で、先端に丸みをもたせ、このくさび板部のケーブル係止突起は、フラットケーブルの係止孔を係合するために上面に丸みをもたせたので、フラットケーブルをスムーズに係脱でき、組立や接続の自動化がよりし易くなる。
コンタクトは、導電性と弾力性を有する金属の細板からなり、前方へ伸びた先端部に下向きV字形の接点を形成し、このコンタクトに対峙する底板部の上面に、低い水平部、上昇する傾斜部、高い水平部と続くように段差を形成し、このコンタクトの接点と底板部の上面の高い水平部の間にて前記くさび板部の圧入される挿入口を構成し、
スライダのくさび板部は、肉薄で、先端に丸みをもたせ、このくさび板部のケーブル係止突起は、フラットケーブルの係止孔を係合するために上面に丸みをもたせたので、低い水平部、上昇する傾斜部、高い水平部と続くように段差を底板部の上面に形成することで、コンタクトの形状を第1ばね部と第2ばね部とでS字形に折曲したり、第1ばね部と第2ばね部との間に、低い水平部、上昇する傾斜部、高い水平部と続く段差を折曲形成したりする必要がないとともに、ハウジングにおける底板部に多数のコンタクト差し込み溝を形成する必要がなく、構造を単純化でき、かつ、寸法誤差も少なくなり、品質のすぐれたものを安価に提供することができる。
前記スライダ15には、一体のくさび板部20に、前記フラットケーブル11の係止孔49を係止するケーブル係止突起29を形成したことを特徴とする。
前記コンタクト17は、導電性と弾力性を有する金属の細板を第1ばね部43と第2ばね部44とでS字形に折曲し、このS字形の底部が底板部24のコンタクト差し込み溝18に圧入固定され、このS字形の中間部であって、前記第1ばね部43と第2ばね部44との間に、低い水平部45、上昇する傾斜部46、高い水平部47と続く段差を折曲形成し、このS字形の上部であって、第2ばね部44から前方へ伸びた先端部に、下向きV字形の接点21を形成し、この接点21のある上部と高い水平部47の間の隙間を前記くさび板部20の圧入される挿入口22となす。
前記スライダ15は、肉薄で、先端に丸みをもたせたくさび板部20と、両側の側板部31とを一体に設け、このくさび板部20の上面の両端部に、フラットケーブル11の係止孔49を係合するための上面に丸みをもたせたケーブル係止突起29を設け、このケーブル係止突起29の下面とくさび板部20の上面との間に係止凹部30を形成する。
図2において、本発明のフラットケーブル用コネクタは、ハウジング14と、このハウジング14の左右両端に嵌め込まれる2個のレバー支持具23と、ハウジング14に進退するスライダ15と、このスライダ15を進退させる操作レバー16と、ハウジング14に挿入固着される多数個のコンタクト17とからなる。これらの各部品を組立てて操作レバー16を閉じた状態を示す図4において、具体的な寸法は、凡そ横23.6mm×縦3.4mm×奥行き6.6mmである。しかし、この寸法に限定されるものではない。
なお、ハウジング14の下面には、プリント基板10の位置合せ孔に嵌合する図示しない2個の位置合せ突起が設けられている
前記側板部31の側面には、前記レバー支持具23の係止長孔38が係脱するストッパ51とクリック用突起52が設けられている。このうち、ストッパ51は、一方が傾斜面で他方が垂直面をなし、また、クリック用突起52は、両方が傾斜面をなしている。
ハウジング14の全てのコンタクト差し込み溝18にコンタクト17をその挿入口22がケーブル差込みスペース27を向くようにして嵌め込み固定する。
図3に示すように、ハウジング14の両側の側板部53における下面の支持具差込み溝28に、それぞれレバー支持具23の内側板部36を下方から圧入固定する。
このレバー支持具23の外側板部35とハウジング14の側板部53の外側との隙間に、スライダ15を嵌め込む。すると、スライダ15のくさび板部20は、ハウジング14の底板部24の上に載り、くさび板部20の先端がハウジング14のケーブル差込みスペース27に臨ませられるとともに、スライダ15の側板部31がレバー支持具23の外側板部35とハウジング14の側板部53の外側との隙間に挿入される。このとき、図5に示すように、側板部31のストッパ51が外側板部35の左端を乗り越えて係止長孔38に係止される。
操作レバー16の両端の舌片56と舌片57を図1(a―2)に示すようにスライダ15の凹部34にそれぞれ挿入する。このとき、舌片56の下端部の回動支点部40を弾性に抗してやや外側に広げながら外側の支持具差込み溝28に沿って圧入すると、回動支点部40が内側板部36の回動支持孔39に一致したところで嵌合する。操作レバー16が直立している状態では舌片56の送り出しカム部42がスライダ15における凹部34の送り出し当接部33に当接しているため、スライダ15は、引き出された状態にある。
図1(a―1)及び(a−2)に示すように、操作レバー16が直立してスライダ15がハウジング14から引き出された状態では、くさび板部20の上面のケーブル係止突起29がハウジング14のケーブル差込みスペース27より外側に位置しているので、この左右のケーブル係止突起29にフラットケーブル11を上から被せるようにして係止孔49を嵌め込んでやや引くことにより、係止孔49をケーブル係止突起29の係止凹部30に係止させる。
この図1(a―1)の状態では、くさび板部20の下面がコンタクト17の水平部45の上にあり、フラットケーブル11の先端部と接点21との間に隙間dがあってまだ接続状態にはない。
この図1(b)の状態では、くさび板部20の下面がコンタクト17の傾斜部46に差し掛かり、フラットケーブル11の先端部が接点21の位置から僅かな距離eだけ通り過ぎ、フラットケーブル11の電極パターン13が接点21に軽く接触して接続状態を開始する。
スライダ15の移動にともない、レバー支持具23の図中左側の立ち上がり部がクリック用突起52の傾斜面に乗り上がるのでクリック感が得られる。
この図1(c―1)の状態では、くさび板部20の下面がコンタクト17の傾斜部46から高い水平部47に載り上がり、くさび板部20の先端がコンタクト17の挿入口22に圧入してフラットケーブル11の先端部が接点21の位置から距離fだけ通り過ぎ、フラットケーブル11の電極パターン13が接点21に確実に接触して接続状態を保持する。
スライダ15の移動にともない、レバー支持具23の図中左側の立ち上がり部がクリック用突起52の傾斜面を乗り越えるのでクリック感が得られるとともに、スライダ15の位置を保持する。
フラットケーブル11を組み付けないコネクタ単品状態では、スライダ15とコンタクト17は接触させてあり、コンタクト17の接点21に酸化膜の付着及び異物付着を防止している。
Claims (4)
- ハウジングと、このハウジングに取り付けられる複数のコンタクトと、前記ハウジングに両端のレバー支持具により取り付けられた操作レバーと、この操作レバーの操作により前記ハウジングに進退するスライダとを具備し、前記スライダの進退動によりフラットケーブルを前記コンタクトに接離するようにしたフラットケーブル用コネクタにおいて、
前記スライダは、両側面にストッパとクリック用突起を設けた側板部と前記フラットケーブルを案内し前記コンタクトに接離せしめるくさび板部を一体に有し、このくさび板部の上面両端部に、それぞれ前記フラットケーブルの係止孔に係止するためのケーブル係止突起を設け、
前記操作レバーは、操作部と、この操作部の両端部の2個ずつの舌片とを金属板により折曲形成し、一方の舌片は、下端部を折曲して回動支点部とするとともに側面を送り出しカム部となし、他方の舌片は、側面を前記ハウジングに形成した引き戻し当接部に当接して引き戻す引き戻しカム部とし、
前記レバー支持具は、金属板をU字形に折曲して外側板部、底板部、内側板部とし、前記内側板部を前記ハウジングに形成した支持具差込み溝に嵌め込み固定し、この内側板部に形成した回動支持孔に前記回動支点部を軸支し、前記ハウジングの側板部と前記嵌め込まれた外側板部との隙間に、前記スライダの側板部を移動自在に嵌め込み、かつ、この外側板部に形成した係止長孔に前記ストッパとクリック用突起を係脱自在に嵌め込んでなることを特徴とするフラットケーブル用コネクタ。 - ハウジングは、底板部と、天板部と、後板部と、両側の側板部とで前面を開口した箱状をなし、前記底板部と天板部との間に前面の開口から後板部までケーブル差込みスペースを形成し、このケーブル差込みスペースに臨ませて前記コンタクトを取り付けるための多数のコンタクト差し込み溝を形成し、
コンタクトは、導電性と弾力性を有する金属の細板を第1ばね部と第2ばね部とでS字形に折曲し、このS字形の底部が底板部のコンタクト差し込み溝に圧入固定され、このS字形の中間部であって、前記第1ばね部と第2ばね部との間に、低い水平部、上昇する傾斜部、高い水平部と続く段差を折曲形成し、このS字形の上部であって、第2ばね部から前方へ伸びた先端部に、下向きV字形の接点を形成し、この接点のある上部と高い水平部の間の隙間を前記くさび板部の圧入される挿入口となし、
スライダのくさび板部は、肉薄で、先端に丸みをもたせ、このくさび板部のケーブル係止突起は、フラットケーブルの係止孔を係合するために上面に丸みをもたせたことを特徴とする請求項1記載のフラットケーブル用コネクタ。 - ハウジングは、底板部と、天板部と、後板部と、両側の側板部とで前面を開口した箱状をなし、前記底板部と天板部との間に前面の開口から後板部までケーブル差込みスペースを形成し、このケーブル差込みスペースに臨ませ、かつ、天板部の下面に前記コンタクトを取り付けるための多数のコンタクト差し込み溝を形成し、
コンタクトは、導電性と弾力性を有する金属の細板からなり、前方へ伸びた先端部に下向きV字形の接点を形成し、このコンタクトに対峙する底板部の上面に、低い水平部、上昇する傾斜部、高い水平部と続くように段差を形成し、このコンタクトの接点と底板部の上面の高い水平部の間にて前記くさび板部の圧入される挿入口を構成し、
スライダのくさび板部は、肉薄で、先端に丸みをもたせ、このくさび板部のケーブル係止突起は、フラットケーブルの係止孔を係合するために上面に丸みをもたせたことを特徴とする請求項1記載のフラットケーブル用コネクタ。 - フラットケーブルの係止孔は、少なくともスライダの係止突起と接する側面が銅箔で形成されているフラットケーブルと組み合わされることを特徴とする請求項1、2又は3記載のフラットケーブル用コネクタ。
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