JP4318073B2 - 光学素子およびこの光学素子を用いた光ファイバ光学系 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、異なる材料を積層させて構成する積層型の光学素子及びこの光学素子を用いた光ファイバ光学系に関する。また本発明は、このような積層型の光学素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバ通信で用いられる光デバイスを光信号の伝送路である光ファイバに結合させる手段として、従来、マイクロレンズと称される微小な光学素子(レンズ)が知られている。このマイクロレンズには種々の形態のものが知られており、ロッドレンズを利用したもののほか、表面に回折光学素子を形成したもの等が知られている。
【0003】
また、このような光学素子を用いて光デバイスと光ファイバとを結合させる光ファイバ光学系においては、光ファイバに入射させる光のうちの一部を取り出して(反射させて)この光量等を検出する(モニターする)ことにより、光ファイバに入射する光量を最適なものにする構成を有していることが好ましい。このようなモニター用の光の抽出、すなわち光の反射は、光ファイバの入射端面において行うのでもよいが(例えば下の特許文献参照)、光学素子の表面に設けた光反射用の光学薄膜(いわゆる反射膜)において行うのであってもよい。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−277695号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようにモニター用の光を反射させるための光学薄膜を有した光学素子においては、光学薄膜が使用環境の影響を強く受けることから耐久性が極めて低く、クラック(亀裂)や剥離が生して使用寿命が短くなるという問題があった。
【0006】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、光学薄膜に生ずるクラックや剥離の発生を防止して使用寿命の長期化を図ることが可能な構成の光学素子及びその製造方法を提供することを目的としている。また、本発明は、このような光学素子を効率よく製造することが可能な光学素子の製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するため、本発明の光学素子は、基板と、前記基板の一の表面に密着して設けられた光学薄膜と、一面側の一部が前記基板の前記一の表面に密着し、かつ前記一面側の他の一部が前記光学薄膜と密着するように設けられた第1の樹脂層と、前記基板における前記一の表面とは反対側の表面に密着して設けられた第2の樹脂層とを備え、前記第1の樹脂層および前記第2の樹脂層のうち、一方の樹脂層には前記基板と密着した面と反対側の面に回折格子が形成され、他方の樹脂層には前記基板と密着した面と反対側の面に回折格子又はレンズが形成されたことを特徴とする。
【0008】
上記光学素子において、前記光学薄膜が金、銀及びアルミニウムのうちの少なくとも一つを含む反射膜からなるのが好ましい。
【0009】
上記光学素子において、前記光学薄膜が透過型フィルター膜であることが好ましい。
【0010】
上記光学素子において、前記レンズ又は回折格子が前記第1の樹脂層又は前記第2の樹脂層に複数配設されるのが好ましい。
【0011】
また、本発明に係る光ファイバ光学系は、光デバイス、光ファイバ及び前記光デバイスと前記光ファイバとの間を結合する光結合素子とを有して構成される光ファイバ光学系において、前記光結合素子が上述した光学素子を含んで構成されるのが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。図1は本発明の実施形態に係る光学素子を平面図及び断面図(但し、一部を除いてハッチングは省略))により示したものであり、図1(A)に示す光学素子10を第1実施形態に係る光学素子、図1(B)に示す光学素子110を第2実施形態に係る光学素子、図1(C)に示す光学素子110′を第3実施形態に係る光学素子として説明する。
【0022】
第1実施形態に係る光学素子10は、平行な二つの表面21,22を有した基板20と、この基板20の一の表面(右面)21に密着して設けられた光学薄膜30と、一面(左面)側の一部41が基板20の上記一の表面21に密着し、かつ上記一面側の他の一部42が光学薄膜30と密着するように設けられた樹脂成形層40(請求の範囲における第1の樹脂層に相当)とを備えて構成されている。ここで、光学薄膜30は基板20の一の表面21の一部分に複数設けられており、また、樹脂成形層40における基板20に密着した面(左面)とは反対側の面(右面)の中央部には凸レンズ43(請求の範囲における第1の光学要素に相当)が形成されている。
【0023】
第2実施形態に係る光学素子110は、平行な二つの表面121,122を有した基板120と、この基板120の一の表面(右面)121に密着して設けられた光学薄膜130と、一面(左面)側の一部141が基板120の上記一の表面121に密着し、かつ上記一面側の他の一部142が光学薄膜130と密着するように設けられた第1樹脂成形層140(請求の範囲における第1の樹脂層に相当)と、基板120における上記一の表面121とは反対側の表面122に密着して設けられた第2樹脂成形層150(請求の範囲における第2の樹脂層に相当)とを備えて構成される。ここで、光学薄膜130は基板120の一の表面121の一部分に複数設けられており、また、第1樹脂成形層140における基板120に密着した面(左面)とは反対側の面(右面)には凸レンズ143(請求の範囲における第1の光学要素に相当)が形成されている。また、第2樹脂成形層150における基板120に密着した面(右面)とは反対側の面(左面)には回折格子152(請求の範囲における第2の光学要素に相当)が形成されている。
【0024】
また、第3実施形態に係る光学素子110′は上述の第2実施形態に係る光学素子110とその構成がほぼ同じ(同じ構成部材は同一の符号にプライム「′」を付して示す)であるが、第1樹脂成形層140に形成される光学要素が凸レンズではなく、図のように2箇所に分離して設けられた二つの回折格子(第1の回折格子145及び第2の回折格子146)からなっている。また、基板120′と第1樹脂成形層140′との間に設けられる光学薄膜は、上記第1及び第2の回折格子145,146に対応して設けられた、異なる二つの光学薄膜(第1の光学薄膜131及び第2の光学薄膜132)からなっている。
【0025】
これら第1、第2及び第3実施形態に係る光学素子10,110,110′における基板はガラスや樹脂など使用波長において透明な性質を有するのであれば特に制限はなく、石英やBK7などのガラス材料や、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン系樹脂などの透明樹脂など幅広い範囲の材料を用いることができる。樹脂層(樹脂成形層40或いは第1樹脂成形層140,140′)は、アクリル系樹脂、ウレタンアクリレート系樹脂、エポキシ系樹脂などのUV(紫外線)硬化や熱硬化可能な樹脂を広く用いることができる。また、光学薄膜は、使用する光の波長や反射或いは透過などの用途によって異なるが、特に制限はない。一例を挙げると、光学薄膜を反射膜の用途で使用する場合には、金、銀、アルミニウム等を主構成材料とし、光学薄膜を透過膜の用途で使用する場合には、SiO2、TiO2、Al23、Ta25、WO3などを主構成材料とすることができる。
【0026】
このような構成の光学素子10、110,110′では、基板と光学薄膜とが接触する部分もあれば、基板と樹脂層(樹脂成形層40或いは第1樹脂成形層140,140′)とが接触する部分もあるので、基板に入射した光は光学薄膜を通って出射するものと光学薄膜を通らずに出射するものとが併存することとなる。このため、光学薄膜に所定の波長の光に作用する反射機能や回折機能を付加しておけば、光学薄膜により伝播方向が変化した光をモニターするなどすることができ、本光学素子を多用途に用いることが可能である。
【0027】
また、上記光学素子10,110,110′では、光学薄膜が基板と樹脂層(樹脂成形層40或いは第1樹脂成形層140,140′)との間において密閉(封止)された状態となっており、光学薄膜が直接外気に暴露されることがないので、使用環境の影響を受けにくく、従って耐久性が高められる。よって従来、問題となっていたクラック(亀裂)や剥離等の発生率が極めて低率に抑えられ、使用寿命の長期化を図ることが可能である。また、上記光学素子10,110,110′のように光学薄膜を基板と樹脂層との間に密閉する構成では、例えば銀のように、外気に触れると変質し易い物質でも光学薄膜の材料として用いることが可能となる。また、金やアルミニウムは傷等がつきやすいが、このように基板と樹脂との間に金属製の反射膜を設けることで、傷等の問題が防げる。更に、従来では樹脂成形層の表面に光学薄膜を成膜していたため、樹脂材料を変えたときにはその樹脂材料と光学薄膜との密着性(すなわち相性)が問題となることがあったが、上記光学素子10,110,110′のように基板と樹脂層との間に光学薄膜を密閉する構成では、樹脂層を構成する樹脂材料と光学薄膜との間の密着性はあまり問題とはならなくなる(光学薄膜を基板に成膜する場合、例えば、基板にガラス材料を用いれば、樹脂層に光学薄膜を成膜した場合と比較して、良好な密着性が得やすい)。このため新規開発や設計変更等に要する期間を短縮することができ、製造コストの大幅な低下を実現することが可能となる。
【0028】
図2は上記本発明に係る光学素子の使用例を、光学素子が光ファイバ光学系の構成要素として使用された場合について示す図である。ここでは用いられる光学素子が上述の第2実施形態に光学素子110であるとし、その構成要素である光学薄膜130が反射膜であるとしている。この光ファイバ光学系1は、光デバイス(ここでは面発光レーザとする)2、光ファイバ3及びこれら光デバイス2と光ファイバ3との間を結合する光結合素子4とを有して構成されており、この光結合素子4が上記光学素子110からなっている。面発光レーザ2より出射した光は先ず第2樹脂成形層150の表面に形成された回折格子152に入り、この回折格子152を直進する直進光と回折格子152において回折された回折光とに分離される。そして、直進光は第2樹脂成形層150、基板120及び第1樹脂成形層140を透過した後、第1樹脂成形層140の表面に形成された凸レンズ143において集光されて光学素子110より出射し、光ファイバ3に入射される。一方、回折光は基板120の表面121の一部に設けられた光学薄膜(例えば金の薄膜からなる反射膜)130で反射されて他の光学系(例えば光量モニター)160に入射する。なお、図2に示す光ファイバ光学系1は紙面上方にも光学薄膜130が設けられているが、特に無くても構わない。なお、回折格子152が光軸に対して、上方にも回折光を生じる回折格子であれば、紙面上方にある光学薄膜130で別の光学系に回折光を導くことも可能である。
【0029】
図3は上記光ファイバ光学系1における光学素子を上述の第3実施形態に係る光学素子110′とした場合の例である。ここでは第1及び第2の光学薄膜131,132が透過型フィルター膜であるとしている。この例では、第2樹脂成形層150′の表面に形成された回折格子152′で入射光は二つの光に分岐される。分岐された光のうち一方の光(図3の右斜め上方に進んだ光)は第2樹脂成形層150′、基板120′、第1の光学薄膜131及び第1樹脂成形層140′を透過した後、第1樹脂成形層140′の表面に形成された第1の回折格子145において集光されるように出射する。一方、分岐された光のうち他方の光(図3の右斜め下方に進んだ光)は第2樹脂成形層150′、基板120′、第2の光学薄膜132及び第1樹脂成形層140′を透過した後、第1樹脂成形層140′の表面に形成された第2の回折格子146において集光されるように出射する。ここで、第1及び第2の光学薄膜(透過型フィルター膜)131,132が互いに異なる分光透過特性を有しているのであれば、入射光を2つの異なる波長域の光に分離することが可能である。
【0030】
このような構成の光ファイバ光学系1では、上記本発明に係る光学素子を備えているので、光ファイバ光学系の使用寿命も長期化することが可能となる。なお、上記例では、本発明に係る光学素子が光デバイス2と光ファイバ3との間を結合する光結合素子そのものとして用いられていたが、本発明に係る光ファイバ光学系では、本発明に係る光学素子がこのような光結合素子の少なくとも一部を構成していれば(すなわち光結合素子が本発明に係る光学素子を含んでいれば)よい。
【0031】
次に、図4を用いて本発明に係る光学素子の製造方法の一例について説明する。ここでは第1実施形態に係る光学素子10の製造方法の例のみを示すが、第2実施形態に係る光学素子110或いは第3実施形態に係る光学素子110′についても同様の方法により製造できる。
【0032】
第1実施形態に係る光学素子10を製造するには、先ず所定の形状に成形した基板20の表面に光学薄膜30を成膜した後、この光学薄膜30の上にレジスト薄膜Rをコーティングする(第1の工程)。そして、得ようとする光学薄膜30の形状に対応するパターンを石英板Sに施すことで構成されたマスクMを介して紫外光UVを照射する(図4(A)参照)。この紫外光照射の後、現像処理を行うと、紫外光が照射された部分のレジスト薄膜Rは現像液に溶け、未露光部のレジストパターンが残ることとなる(図4(B)参照)。レジストパターンとして残ったレジスト薄膜Rをベークした後エッチング液に浸すと、光学薄膜30のうちレジスト膜Rが施されていない部分は蝕刻されて除去される(ウェットエッチング工程。図4(C)参照)。その後灰化除去(アッシング)を行うと、残っているレジスト薄膜Rは除去される(図4(D)参照)。
【0033】
続いてこれを酸洗浄した後、基板20の光学薄膜30が施された面上にシランカップリング剤を塗布し、更に粘性の高い液状の紫外線硬化樹脂Jを適量滴下する(図4(E)参照)。紫外線硬化樹脂が滴下されたら、その紫外線硬化樹脂Jが滴下された面に、樹脂成形層40の表面に形成される光学要素(凸レンズ43)の表面形状の反転形状を有する型Dを押し当て、型Dと基板20との間に上記樹脂Jが充填されるようにする(第2工程。図4(F)参照)。そして、基板20と型Dとの間に充填された樹脂Jに紫外光UVを照射(又は加熱)する(第3工程。図4(G)参照)。これにより樹脂Jは硬化して表面に光学要素43を備えた所定形状の樹脂成形層40が形成され、樹脂Jから型Dを分離させれば、目的とする光学素子10が得られる(第4工程。図4(H)参照)。
【0034】
このような方法により製造された光学素子10,110,110′では、光学薄膜をウェットエッチングによりパターニングした場合でも、光学素子10,110,110′の樹脂部(樹脂成形層40或いは第1樹脂成形層140,140′と第2樹脂成形層150,150′)がエッチング液により変質することがない。また、本光学素子が電気基板に固定して用いられたとしても、最高温度で250℃から260℃にもなる鉛フリーハンダリフロー工程を通しても、クラックなどの異常が光学薄膜に起こらない。これは、樹脂に比べて熱膨張係数が小さいガラスを基板として用いた場合にその効果が顕著である。なお、上述の製造方法では、複数の光学素子を同時に製造することが可能である。この場合には、上記第4工程の後に各光学素子を分離する工程が設けられる。
【0035】
上述した光学素子の製造方法は、基板20の光学薄膜30が施された面上に液状の紫外線硬化樹脂Jを滴下した後、その紫外線硬化樹脂Jが滴下された面に型Dを押し当てて型Dと基板20との間に樹脂Jを充填するものであったが、このような方法に変えて、基板20の光学薄膜30が施された面と近接する位置に型Dを位置させておき、これら両者(型Dと基板20)の間に樹脂Jを注入して充填するようにしてもよい。
【0036】
また、上述した製造方法では、基板20の表面に光学薄膜を成膜する第1工程と、光学要素の表面形状の反転形状を有する型Dと基板20との間に樹脂を充填する第2工程との間に、第1工程において成膜された光学薄膜30の一部を除去する工程(ウェットエッチング工程)を有していたが、このような製造方法に替え、上記第1工程において、基板20表面上の所望の領域のみに光学薄膜30を成膜するようにしてもよい。図5はこのような成膜工程の一例を示すものであり、窓の開いたマスクを使用することにより上記所望の領域のみに光学薄膜を成膜するようにしたものである。図5(A),(B)に示す成膜装置は固定ステージ5の下方に回転ステージ6を有しており、この回転ステージ6の下面側に製造しようとする光学素子の基板20(或いは120,120′)が取り付けられる。基板20の下方には所定形状の窓(開口)8aが形成されたマスク8が配置されており、このマスク8の下方には蒸発粒子(光学薄膜30の成分)を照射する蒸発源7が設けられている。ここで、蒸発源7よりマスク8に向けて蒸発粒子を照射すれば、蒸発粒子はマスク8の窓8aを通り抜けたもののみが基板20上に付着することとなるので、マスク8の窓8a形状に応じた所望の形状の光学薄膜30を基板20上に形成することができる。なお、このような光学薄膜30の成膜は、必要に応じて回転ステージ6を回転させ、基板20を回転させながら行われる。なお、図5ではマスク8と基板20は一定距離離れているが、特に微細なパターンを成膜する場合には、両者は密着させることが望ましい。
【0037】
ところで、前述した光学素子10,110,110′は一つの入射光束にのみ対応するものであったが、本発明に係る光学素子では複数の入射光束に対応する形態とすることもできる。図6に示す光学素子210はその一例であり、基板220及び光学薄膜230に密着して設けられる第1の樹脂層240の表面上に第1の光学要素243(ここでは凸レンズ)が複数配設されており、基板220における光学薄膜230が設けられる側とは反対の面に設けられる第2の樹脂層250の表面上に第2の光学要素252(ここでは回折素子)が複数配設されているものである。このような構成の光学素子210は、並列処理を行う光ファイバ通信用として有用である。
【0038】
これまで本発明の好ましい実施形態について説明してきたが、本発明の範囲は上述の実施形態において示したものに限定されない。例えば、上述の実施形態においては、第1の樹脂層(樹脂成形層40或いは第1樹脂成形層140,140′)の表面に設けられる光学要素(第1の光学要素)及び第2の樹脂層(第2樹脂成形層150.150′)の表面に設けられる光学要素(第2の光学要素)はレンズ又は回折格子であったが、本発明に係る光学素子では、これらに限定されることはない。更に、第1の樹脂層、第2の樹脂層の上に積層して他の樹脂層を積層してもよい。また、本発明に係る光ファイバ光学系は、光デバイス、光ファイバ及びこれら光デバイスと光ファイバとの間を結合する光結合素子とを有した構成であればよく、上述の実施形態において示した光ファイバ光学系1の構成に限定されるものではない。更に、基板(基板20、基板120,120′)は平行な平面を有するものとして説明したが、所望の曲率を有した曲面形状であっても構わない。このとき、基板と各樹脂層との屈折率差及び基板の形状により、所定の屈折力を得るようにしてもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る光学素子によれば、クラック(亀裂)や剥離等の発生率が極めて低率に抑えられ、使用寿命の長期化を図ることが可能である。また、本発明に係る光ファイバ光学系によれば、光ファイバ光学系の使用寿命も長期化することができる。また、本発明に係る光学素子の製造方法によれば、 ウェットエッチングによりパターニングした場合でも、光学素子の樹脂部がエッチング液により変質することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A),(B),(C)はそれぞれ本発明の第1、第2および第3実施形態に係る光学素子を示しており、左側は平面図、右側は左側図中の矢視b−bより見た断面図である。
【図2】本発明に係る光学素子の使用例を、光学素子が光ファイバ光学系の構成要素として使用された場合について示す図である。
【図3】光ファイバ光学系のもう一つの例を示す図である。
【図4】上記光学素子の製造方法の一例を(A)→(H)の順で示す図である。
【図5】別形態に係る光学素子の製造方法における成膜工程の一例を示す図である。
【図6】複数の入射光束に対応する本発明に係る光学素子の概略断面図である。
【符号の説明】
1 光ファイバ光学系
2 光デバイス
3 光ファイバ
4 他の光学系
10 光学素子
20 基板
30 光学薄膜
40 樹脂成形層(第1の樹脂層)
43 凸レンズ(第1の光学要素)
110 光学素子
120 基板
130 光学薄膜
140 第1樹脂成形層(第1の樹脂層)
143 凸レンズ(第1の光学要素)
150 第2樹脂成形層(第2の樹脂層)
152 回折格子(第2の光学要素)

Claims (5)

  1. 基板と、
    前記基板の一の表面に密着して設けられた光学薄膜と、
    一面側の一部が前記基板の前記一の表面に密着し、かつ前記一面側の他の一部が前記光学薄膜と密着するように設けられた第1の樹脂層と、
    前記基板における前記一の表面とは反対側の表面に密着して設けられた第2の樹脂層とを備え、
    前記第1の樹脂層および前記第2の樹脂層のうち、一方の樹脂層には前記基板と密着した面と反対側の面に回折格子が形成され、他方の樹脂層には前記基板と密着した面と反対側の面に回折格子又はレンズが形成されたことを特徴とする光学素子。
  2. 前記光学薄膜が金、銀及びアルミニウムのうちの少なくとも一つを含む反射膜からなることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記光学薄膜が透過型フィルター膜であることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  4. 前記レンズ又は回折格子前記第1の樹脂層又は前記第2の樹脂層に複数配設されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学素子。
  5. 光デバイス、光ファイバ及び前記光デバイスと前記光ファイバとの間を結合する光結合素子とを有して構成される光ファイバ光学系において、前記光結合素子が請求項1〜4のいずれかに記載の光学素子を含んで構成されたことを特徴とする光ファイバ光学系。
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