JP4316274B2 - アクチュエータ駆動制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二つの動作軸の下に動作するアクチュエータの駆動制御装置に関し、特に、二つの動作軸回りに適正に駆動するための駆動周波数の組合せ設定を容易にさせたアクチュエータ駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のアクチュエータには、例えば固定部に外側トーションバーで揺動可能に軸支した枠状の外側可動部と、該外側可動部に上記外側トーションバーの軸方向と直交する内側トーションバーで揺動可能に軸支した内側可動部とを備え、各可動部を電磁駆動するようにしたものがある。そして、このようなアクチュエータの内側可動部に反射ミラーを設けて光ビームを二次元方向に走査する光走査装置を構成したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなアクチュエータは、各可動部をそれぞれの固有共振周波数に等しい駆動周波数で駆動した場合に最も効率良く駆動し、低電流で大振幅動作をする。
【0004】
【特許文献1】
特許第2722314号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来のアクチュエータにおいては、製造ばらつき等によりアクチュエータ毎に共振周波数が異なり、各アクチュエータについて同一の駆動周波数で駆動してもそれぞれが効率の良い動作をしない場合がある。この場合、アクチュエータ毎に適正な駆動周波数を人為的に演算して求め、設定しなければならず作業に手間がかかる。
【0006】
また、アクチュエータの共振周波数は、温度等の変化により経時変化する場合がある。この場合も、その都度アクチュエータの共振周波数を再測定し、適正な駆動周波数を求めて設定をする必要があり手間がかかる。
【0007】
そこで、本発明は上記問題点に着目してなされたもので、二つの動作軸回りに適正に駆動するための駆動周波数の組合せ設定を容易にさせたアクチュエータ駆動制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このために、請求項1の発明は、互いに異なる固有共振周波数を有し、直交する二つの動作軸の下に互いに異なる駆動周波数の組合せで駆動されるアクチュエータの駆動制御装置であって、前記各固有共振周波数を入力設定する共振周波数設定手段と、前記アクチュエータに所望の駆動をさせるための駆動条件を設定する駆動条件設定手段と、前記各固有共振周波数を中心とする所定の周波数範囲内で各周波数の組合せに対してそれぞれ駆動性能を演算し、該駆動性能が前記設定された駆動条件に適合する駆動周波数の組合せを選択設定する駆動周波数設定手段と、前記設定された駆動周波数でアクチュエータを駆動する駆動手段と、を備えて構成した。
【0009】
このような構成により、共振周波数設定手段にアクチュエータの二つの動作軸回りの固有共振周波数を入力設定し、駆動条件設定手段にアクチュエータに所望の駆動をさせるための駆動条件を設定し、駆動周波数設定手段で上記各固有共振周波数を中心とする所定の周波数範囲内で各周波数の組合せに対してそれぞれ駆動性能を演算し、該駆動性能が上記駆動条件に適合する駆動周波数の組合せを選択して設定する。これにより、アクチュエータを二つの動作軸回りに適正に駆動するための駆動周波数の組合せ設定を容易にする。
【0010】
この場合、前記共振周波数設定手段は、請求項2のように前記二つの動作軸回りの振幅を測定する測定手段を備え、周波数を変化させながら駆動して各動作軸回りの振幅を測定し、最大振幅が検出されたときの駆動周波数を前記アクチュエータの固有共振周波数として設定する構成としてもよい。
【0011】
請求項3の構成の場合においては、前記アクチュエータは、互いに異なる駆動周波数の組合せで駆動されて光ビームを二次元走査するスキャナであり、前記駆動周波数設定手段は、複数の光走査軌跡に囲まれたメッシュの数を前記駆動性能として演算して求め、該演算値が前記駆動条件として設定したメッシュ数の上限値及び下限値の範囲内となる周波数の組合せを選択設定する構成とした。この場合、前記メッシュ数は、請求項4のように前記設定された各固有共振周波数の1周期を前記駆動周波数を生成する発信器のクロック周期でそれぞれ除して共振クロックカウント数の組合せを演算し、該共振クロックカウント数を中心とする所定範囲内に他のクロックカウント数の組合せを選択し、前記共振クロックカウント数を含む全クロックカウント数について各組合せ毎にその最大公約数でそれぞれ除算することによって求めるとよい。
【0012】
また、前記アクチュエータは、請求項5のように互いに異なる駆動周波数の組合せで駆動されて光ビームを二次元走査するスキャナであり、前記異なる駆動周波数の組合せで二次元走査される光ビームが、所定の走査範囲を1回走査するのに要する1周期の走査時間を前記駆動性能として演算して求め、該演算値が前記駆動条件として設定した走査時間の上限値及び下限値の範囲内となる周波数の組合せを選択設定する構成としてもよい。この場合、前記走査時間は、請求項6のように前記共振クロックカウント数を中心とする所定範囲内のクロックカウント数の各組合せについて、それぞれの最小公倍数を演算し、該演算値に前記クロック周期を乗算することによって求めるとよい。
【0014】
そして、請求項7の構成においては、さらに前記駆動周波数設定手段は、前記二つの動作軸それぞれの駆動信号の発生タイミングを制御するタイミング制御信号を前記駆動手段に出力するタイミング制御信号発生部を備え、光ビームの二次元走査範囲内に設定した所定の目標点を光ビームの走査軌跡が通過するように前記両駆動信号の少なくとも一方の駆動信号の発生タイミングを制御するように構成した。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1に、本発明に係るアクチュエータ駆動制御装置の第1実施形態のブロック図を示す。なお、ここでは、アクチュエータを光走査用に適用した光走査装置の駆動制御装置を例に説明する。
【0016】
図1において、本第1実施形態の駆動制御装置1は、光走査装置のリサジュ走査を適正に駆動制御するものであり、共振周波数設定手段2と、駆動条件設定手段3と、駆動周波数設定手段4と、駆動手段5a,5bと、を備えて構成する。
【0017】
上記共振周波数設定手段2は、アクチュエータとしてのスキャナの、二つの動作軸(X,Y軸)回りの各固有共振周波数を入力設定するものであり、図1に示す二次元走査可能な一体型スキャナ6の第1可動部6a(X軸回り)及び第2可動部6b(Y軸回り)に対して予め測定された各固有共振周波数のデータを外部から入力設定する。
【0018】
また、上記駆動条件設定手段3は、スキャナ6の第1及び第2可動部6a,6bを適正駆動するための駆動条件を設定するものであり、駆動条件としては、例えばスキャナ6を図2に示すようなリサジュ走査したとき、光ビームが1回の走査で描く複数の走査軌跡によって囲まれたメッシュMの走査領域内のメッシュ密度、及びリサジュ走査する光ビームが1回走査するのに要する1周期の時間(以下、リサジュ周期と記載)TL等である。そして、これらの条件は、上限値及び下限値を指定して所定の範囲が外部から入力設定される。なお、本第1実施形態においては、メッシュ密度として図2中X方向のメッシュ数Mx及びY方向のメッシュ数Myを設定する場合を示している。また、図2中X,Y方向の走査幅は、それぞれ走査角度±θx,±θyに相当する。
【0019】
上記駆動周波数設定手段4は、設定された上記各固有共振周波数を含み、その近傍部で各周波数の組合せを選び、該各周波数の組合せに対してスキャナ6の駆動性能として、例えばメッシュ数Mx,Myとリサジュ周期TLと後述の駆動効率の良否を推定するための共振点との隔たりをこの順番に演算し、上記設定された駆動条件に適合する駆動周波数の組合せを選択設定するものである。
【0020】
その具体的構成の一例は、各種演算を行なう演算部7と、該演算結果について駆動条件設定手段3に入力設定された駆動条件と比較判断して適正な駆動周波数の組合せを選択する判断部8と、選択された駆動周波数及び該駆動周波数におけるメッシュ数Mx,My等を保存するメモリ9と、を備えて構成する。
【0021】
上記演算部7は、上記設定された各固有共振周波数の共振周期Trx,Tryの1周期を上記駆動信号を生成する後述の発信器12のクロック周期Tcで除して二軸の共振クロックカウント数Crx,Cryの組合せを演算する。そして、該共振クロックカウント数Crx,Cryの組合せを含み、その近傍部で選択された整数のクロックカウント数Cx,Cyの組合せを探し、各組合せ毎にそれぞれ最大公約数GCDで除算することによって各メッシュ数Mx,Myの組合せを演算する。また、上記各クロックカウント数Cx,Cyの最小公倍数LCMにクロック周期Tcを乗算してリサジュ周期TLを演算する。さらに、上記各メッシュ数Mx,Myの組合せに相当する各クロックカウント数Cx,Cyについて、上記共振クロックカウント数Crx,Cry(共振点)との隔たりとして、
共振点との隔たり=(Crx−Cx)+(Cry−Cy) (1)を演算して駆動効率の大小比較を推定する。
【0022】
また、上記判断部8は、上記各メッシュ数Mx,Myの組合せについて、駆動条件設定手段3に予め設定したメッシュ密度の駆動条件であるメッシュ数の上限値及び下限値Mxmin,Mxmax及びMymin,Mymaxと比較して、
Mxmin≦Mx≦Mxmax,Mymin≦My≦Mymax
の条件に適合したメッシュ数Mx,Myの組合せを選択する。また、上記各リサジュ周期TLについて、予め設定した駆動条件であるリサジュ周期TLの上限値及び下限値TLmin,TLmaxと比較して、
TLmin≦TL≦TLmax
の条件に適合したリサジュ周期TLを選択する。さらに、上記共振点との隔たりの演算結果がより小さくなるクロックカウント数Cx,Cyの組合せを選択する。そして、上記各駆動条件を全て満たしたクロックカウント数Cx,Cyの組合せに相当する周波数の組合せを駆動周波数として設定する。
【0023】
また、上記メモリ9は、上記設定された駆動周波数の組合せを保存し、適宜そのデータを読み出してスキャナ6の適性駆動のために使用可能とする。
【0024】
上記駆動手段5a,5bは、選択された駆動周波数でスキャナ6を駆動するものであり、それぞれ駆動信号発生部10a,10bと駆動部11a,11bと、を備え、スキャナ6を二つの動作軸回りに個別に動作をさせるようにしている。駆動信号発生部10a,10bは、駆動周波数設定手段4から供給される設定された駆動周波数のデータに基づいて、別に備えた発振器12のクロック信号CLを分周して駆動信号を生成する。また、駆動部11a,11bは、上記駆動信号に基づいて駆動電流を生成する。
【0025】
次に、このように構成した本第1実施形態の駆動制御装置1の動作を、図1〜図5を参照して説明する。
先ず、スキャナ6の第1及び第2可動部6a,6bについて予め測定された固有共振周波数の各共振周期Trx,Tryのデータが、外部から共振周波数設定手段2に対して入力設定される。なお、この場合、固有共振周波数を入力し共振周波数設定手段2内で各共振周期Trx,Tryを求めるようにしてもよい。
【0026】
次に、駆動条件として、例えばメッシュ数Mx,Myとリサジュ周期TLのデータが駆動条件設定手段3に対して外部から入力設定される。具体的には、
270≦Mx≦320,160≦My≦200
52.0msec≦TL≦52.5msec
等のように選択範囲が入力設定される。
【0027】
次に、駆動周波数設定手段4において、上記設定データを下に適正な駆動周波数が演算して求められる。その具体的手順を、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0028】
先ず、ステップS1では、図1に示す演算部7において、上記設定された各固有共振周波数に相当するクロックカウント数Crx,Cryが、共振周期Trx,Tryを発信器12のクロック周期Tcで除して求められる。例えば、共振周期Trx=1.2msec、Try=0.7msec、Tc=1μsecとすると、Crx=1200、Cry=700となる。
【0029】
次に、ステップS2では、上記クロックカウント数Crx,Cryを中心として、予め定められた範囲において整数のクロックカウント数Cx,Cyが選ばれる。例えば、クロックカウント数Cx,Cyの選択範囲が、Cx=Crx±5、Cy=Cry±5のように設定されていた場合、上記具体的数値例によれば、Cx=1195〜1205、Cy=695〜705の範囲で121通りの組合せが選択されることになる。
【0030】
次に、ステップS3において、ステップS2で選ばれたクロックカウント数Cx,Cyの各組合せについて、それぞれ最大公約数GCDで除算することによって各メッシュ数Mx,Myが演算部7で演算して求められる。例えば、上記具体的数値例によれば、演算結果は、図4に示すようなマトリクスが作成される。なお、上記演算は、例えば図5に示すマトリクスを矢印方向に中心のクロックカウント数Crx,Cryに近いところから順番に実行するようにしてもよい。ただし、演算の順番は、これに限らない。
【0031】
次に、ステップS4に進んで、図1に示す判断部8において、上記各メッシュ数Mx,Myの全ての組合せが、駆動条件設定手段3に予め設定されたメッシュ数Mx,Myの上記駆動条件の上限値及び下限値と比較され、該駆動条件に適合したメッシュ数Mx,Myの組合せが選択される。例えば、図4に示すマトリクスから、メッシュ数Mx,Myの上記駆動条件に適合する組合せを探すと、同図中A〜Eの五つが選択される。
【0032】
ステップS4の判定が全て終了すると、ステップS5に進んでリサジュ周期TLが、演算部7で上記選択されたメッシュ数Mx,Myの各組合せに相当する各クロックカウント数Cx,Cyの最小公倍数LCMにクロック周期Tcを乗算して演算される。
【0033】
そして、全ての演算が終了すると、次にステップS6において、上記各リサジュ周期TLが、予め設定したリサジュ周期TLの駆動条件の上限値及び下限値と比較され、上記駆動条件に適合したリサジュ周期TLに相当するメッシュ数Mx,Myの組合せが判断部9において判断されて選択される。例えば、上記選択された五つのメッシュ数Mx,Myの組合せについて、そのリサジュ周期TLを計算すると、A=52.026msec、B=52.325msec、C=52.624msec、D=52.976msec、E=52.374msecとなり、リサジュ周期TLの上記駆動条件に照らして見ると図4中A,B,Eの三つの組合せが選択できる。
【0034】
こうして、ステップS6においてリサジュ周期TLの上記駆動条件を満たしたメッシュ数Mx,Myについて、さらにステップS7で駆動効率の検討が行なわれる。ここで駆動効率の良否は、上記選択された各メッシュ数Mx,Myの組合せに相当する各クロックカウント数Cx,Cyについて、共振クロックカウント数Crx,Cry(共振点)からの隔たりを表す(1)式を演算して、その値の大小比較から推定する。
【0035】
次に、ステップS8に進んで、上記演算結果のうち最も小さいクロックカウント数Cx,Cyを判断部9で判断し、ステップS9でそれを選択して確定する。具体的には、上記選択されたA,B,Eの(1)式の演算結果は、A=32、B=16、E=32となり、その結果、隔たりの最も小さい(駆動効率の最も高い)図4中Bに相当するクロックカウント数Cx,Cyの(1196,700)が選択され、確定される。
【0036】
このように本第1実施形態によれば、予め設定されたスキャナ6の二つの動作軸回りの各固有共振周波数をもとに、予め設定された駆動条件に適合した各駆動周波数を演算して設定する機能を備えているので、適正な駆動周波数の組合せの設定を容易にすることができる。これによりスキャナ6に目的の駆動をさせることができる。
【0037】
また、入力データをもとに演算して適正な駆動周波数の設定をする機能を備えているので、スキャナ6の性能がばらついていても、スキャナ毎に二つの動作軸に対する適正な駆動周波数の組合せを容易に設定することができる。
【0038】
なお、適正な駆動周波数の選択は、上述したようにメッシュ数Mx,Myを最優先として駆動条件と比較判断し、続いてリサジュ周期TLと駆動効率の順番に判断するものに限られず、リサジュ周期TLを最優先に判断してもよい。例えば緻密な画像表示を目的とする場合には、メッシュ数Mx,Myが優先され、また、画像の質よりも表示速度を重視する場合には、リサジュ周期TLが優先される場合がある。
【0039】
また、上述のように例えばメッシュ数Mx,Myからリサジュ周期TLそして駆動効率の良否を推定するための共振点との隔たりの順番に適正クロックカウント数Cx,Cyの組合せを絞り込んで行く方法ではなく、設定された範囲のクロックカウント数Cx,Cyの全組合せについてメッシュ数Mx,My及びリサジュ周期TL並びに(1)式(共振点との隔たり)のそれぞれを演算し、上記クロックカウント数Cx,Cyの全組合せの内より設定した全ての駆動条件を満たしたクロックカウント数Cx,Cyの組合せを選択するようにしてもよい。なお、駆動条件を満たすクロックカウント数Cx,Cyの組合せが複数ある場合は、いずれか一つを選択すればよい。
【0040】
さらに、設定する駆動条件は一つでもよい。この場合、演算及び判断は該駆動条件に係わる駆動性能についてのみ行われることになる。
【0041】
また、上記第1実施形態において、メッシュ密度としてメッシュ数Mx,Myの替わりにメッシュサイズを設定してもよい。この場合、メッシュサイズの設定は、菱形状メッシュの対角方向の寸法Dx,Dy(図2参照)を設定することにより行う。Dxは、X方向の走査角度θxとメッシュ数Mxとにより、
Dx=θx×sin(π/Mx)≒θx×(π/Mx)
と、また、Dyは、Y方向の走査角度θyとメッシュ数Myとにより、
Dy=θy×sin(π/My)≒θy×(π/My)
と近似することができる。したがって、駆動条件としてメッシュサイズを設定する場合は、
Dx/θx<π/Mx
Dy/θy<π/My
とすれば十分細かいメッシュを設定することができる。
【0042】
なお、スキャナ6として、例えば共振周波数等のデータをメモリ等に格納できる機能を備えたものを適用した場合には、共振周波数等のデータを外部から入力することなく、起動時にスキャナ6から取得することができ、データ入力の手間を省くことができる。
【0043】
次に、本発明に係るアクチュエータ駆動制御装置の第2実施形態を、図6を参照して説明する。なお、図1と同一の要素については同一符号で示し、ここでは第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0044】
図6に示す駆動制御装置13は、スキャナ6の第1及び第2可動部6a,6bの固有共振周波数を測定して設定する共振周波数設定手段14a、14bを個別に備えている。共振周波数設定手段14a、14bの具体的構成例は、光ビームを発射するレーザ発光素子等からなる発光部15a,15b、及びスキャナ6で反射される光ビームを受光するラインCCDやPSD(位置検出素子)等からなる受光素子16a,16bを備えて構成し、第1及び第2可動部6a,6bの揺動振幅を測定する測定手段と、受光素子16a,16bの出力を処理して駆動周波数設定手段4に共振周期Trx,Tryを入力する処理部17a,17bと、を備えて構成する。なお、共振周波数設定手段14a,14bは、上記構成により第1及び第2可動部6a,6bの走査角度の時間変化も検出するものである。
【0045】
このように構成した第2実施形態は、次のように動作する。
先ず、スキャナ6を起動する。そして、発振器12のクロック信号CLの周波数を異ならせて駆動信号発生部10a,10bを駆動し、周波数の異なる駆動信号を生成する。これにより駆動部11a,11bで駆動周波数を可変しながらスキャナ6が駆動される。
【0046】
一方、発光部15からスキャナ6の第1及び第2可動部6a,6bに対して光ビームを照射し、各可動部における反射光を受光素子16a,16bで受光して各可動部の揺動振幅を検出する。そして、受光素子16a,16bで光電変換して得られた各可動部の揺動振幅の信号に基づいて処理部17a,17bで揺動周期と振幅レベルを検出する。なお、揺動振幅の検出方法には、公知の技術が適用できる。
【0047】
上述のように駆動周波数がスキャナ6の共振周波数に近づくとスキャナ6の第1及び第2可動部6a,6bの走査振幅は増大していく。したがって、処理部17a,17bで第1及び第2可動部6a,6bの揺動振幅の最大値と該最大値を示したときの揺動周期を検出することにより、第1及び第2可動部6a,6bの各共振周期Trx,Tryが特定される。この場合、例えば第1可動部6aの共振周期を測定しているときは、第2可動部6bの動作を停止してもよく、または、この逆を行ってもよい。なお、上記各共振周期Trx,Tryは、上述のように各可動部の揺動周期から求めるのではなく、駆動信号発生部10a,10bから得てもよい。
【0048】
処理部17a,17bで特定された共振周期Trx,Tryのデータは、駆動周波数設定手段4に供給され、該駆動周波数設定手段4において第1実施形態と同様の手順に従って各種演算がされて適正な駆動周波数が選択される。これにより、スキャナ6は、予め設定された駆動条件に適合した駆動周波数の下に目的の動作をする。
【0049】
なお、スキャナ6の共振周波数の自己測定は、上記起動時のみならず、例えば外部からの測定指令信号を受け取って適宜行なってもよく、また、予め組まれたスケジューリングに従って画像取得等のアプリケーションを停止するタイミングで行なってもよく、さらには、アプリケーションの停止可能な条件を自己判断して行なってもよい。
【0050】
このように本第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて、共振周波数の自己測定機能を備えているので、適当な時期に共振周波数を自己測定して調整することにより、例えば共振周波数の経時変化等の影響を排除してスキャナ6の適正な駆動状態を維持することができる。
【0051】
次に、本発明に係るアクチュエータ駆動制御装置の第3実施形態を、図7を参照して説明する。なお、図6と同一の要素については同一符号で示し、ここでは第2実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0052】
図7に示す駆動制御装置18は、駆動周波数設定手段4に、さらにスキャナ6の駆動信号の発生タイミングを制御するタイミング制御信号発生部19を備えている。このタイミング制御信号発生部19は、スキャナ6の第2可動部6bを駆動する駆動信号の発生タイミングを制御するタイミング制御信号を発生するものであり、駆動手段5bの駆動信号発生部10bに繋がって、共振周波数設定手段14a,14bからの第1及び第2可動部6a,6bの角度情報に基づき、光ビームの二次元走査範囲内の所定の目標点を光ビームのリサジュ走査軌跡が通過するように、上記駆動信号発生部10bの駆動信号の発生タイミングを自動制御するように構成している。
【0053】
次に、本第3実施形態の動作を、図7〜図10を参照して説明する。
前述のように駆動周波数の組合せを適切に設定したとしても、各可動部の駆動信号の発生タイミングが適切でないときは、図8(a)に示すようなメッシ間隔が粗密なリサジュパターンや、同図(b)に示すような二次元走査領域の二隅で折り返し、且つ同じ経路を辿って行くメッシュの粗いリサジュパターンが発生する。したがって、各可動部の駆動信号の発生タイミングを適切に調整して、同図(c)のようなメッシ間隔が均等で且つ密に配列したリサジュパターンを発生させることが望ましい。
【0054】
図8(c)のリサジュパターンにおいて、X軸及びY軸回りの駆動周波数に基づいて算出されるメッシュ数Mx,Myが奇数と偶数とからなる駆動周波数の組合せの場合は、光ビームのリサジュ走査軌跡は、図9(a)に示すように二次元走査領域の中心点P0(0,0)を通過するものとなる。一方、上記メッシュ数Mx,Myが共に奇数となる駆動周波数の組合せの場合は、リサジュ走査軌跡は、図9(b)に示すように二次元走査領域の中心部に二つの対角線がそれぞれX軸及びY軸に一致するようなメッシュを形成する。そして、そのメッシュの四頂点のXY座標は、それぞれ(πθx/2Mx,0),(−πθx/2Mx,0),(0,πθy/2My),(0,−πθy/2My)となる。したがって、図8(c)のリサジュパターンを発生させるためには、駆動周波数の組合せに応じて、上記点P0、または上記メッシュの4頂点のうちから選択したいずれか1点を目標点として設定し、走査軌跡がこの目標点を通過するように駆動信号の発生タイミングを制御する。
【0055】
次に、駆動信号の発生タイミングの制御動作を具体的に説明する。
前述したように、適正設定された駆動周波数の組合せに対するメッシュ数Mx,Myの組合せが図7のメモリ9に保存されている。このメッシュ数Mx,Myの組合せに基づいてタイミング制御信号発生部19で上記目標点が自動設定される。例えば、上記メッシュ数Mx,Myが奇数と偶数の組合せである場合には、目標点はP0となる。以下、目標点がP0の場合を例に動作説明をする。
【0056】
タイミング制御信号発生部19では、共振周波数設定手段14a,14bからの第1及び第2可動部6a,6bの角度情報に基づいてリサジュ走査軌跡のXY座標が検出される。ここで、例えば図9(a)に破線で示すようにリサジュ走査軌跡が目標点P0からずれている場合、リサジュ走査軌跡は点P1(0,θy1)と点P2(θx1,0)でY軸及びX軸と交差することになる。そこで、タイミング制御信号発生部19では、光ビームが点P1と点P2間を通過するのに要する時間txyが演算される。この演算は、図7に示す共振周波数設定手段14aで検出した第1可動部6aの時間を含む角度情報及び共振周波数設定手段14bで検出した第2可動部6bの時間を含む角度情報に基づいてされる。
【0057】
さらに、上記タイミング制御信号発生部19では、上記算出された時間txyだけ、第2可動部6bの駆動信号の発生タイミングを進めるかまたは遅らせるようなタイミング制御信号を発生する。例えば、図9(a)に示す場合は、第2可動部6b(Y方向)の駆動信号をtxy時間だけ進めることによって走査軌跡が点P0を通過するように制御することができる。
【0058】
図10は、第2可動部6bの駆動信号の発生タイミングを調整した場合に、第1及び第2可動部の動作状態の変化を示す図である。
同図に示すように、第1及び第2可動部6a,6bは、一般に駆動電流に対してそれぞれtxp,typの位相差で動作する。ここで、同図中点P1(0,θy1)の状態から点P2(θx1,0)の状態に変化するのに要する時間txyをタイミング制御信号発生部19で検出し、該時間txy分だけ第2可動部6bの駆動電流の発生タイミングを同図中矢印Fのように進めるようなタイミング制御信号を発生して制御した場合、第2可動部6bの動作は徐々に変化して行き、十分な時間経過後には第2可動部6bの走査角度は、調整前に対してtxy時間だけ進相し、1TL毎に第1及び第2可動部6a,6bの走査角度θx,θyが同時にゼロとなる瞬間が出現する。そして、このとき光ビームは、図9(a)の点P0(0,0)を照射する。これにより、リサジュ走査軌跡は点P0を通過し、目標とするリサジュ走査軌跡に一致することになる。
【0059】
このように本第3実施形態によれば、目標とするリサジュ走査軌跡上に設定した目標点P0を光ビームが通過するようにスキャナ6の第2可動部6bの駆動信号の発生タイミングを調整するように構成したので、光ビームのリサジュパターンを目標とする緻密なリサジュパターンに容易に調整することができる。また、経時変化や温度変化等によりリサジュパターンがずれた場合にも、駆動信号の発生タイミングを自動制御して目標とするリサジュパターンを描かせることができる。
【0060】
なお、リサジュパターン中央部のメッシュの4頂点のいずれか1点を目標点として設定した場合も上述と同様にして、該目標点をリサジュ走査軌跡が通過するように可動部の駆動信号の発生タイミングを制御する。また、目標点は、上記P0(0,0)及び上記メッシュの4頂点に限られず、任意の点P0(θx0,θy0)であってもよい。この場合のタイミング制御方法は、点P0(θx0,θy0)の近傍部で、ずれたリサジュ走査軌跡上にX方向の走査角度が同じとなる点P1(θx0,θy1)及びY方向の走査角度が同じとなる点P2(θx1,θy0)を検出し、該点P1と点P2間の時間差txyだけ第2可動部6bの駆動信号の発生タイミングをずらすように制御する。
【0061】
また、本第3実施形態は、第2可動部6bの駆動信号の発生タイミングを制御するものに限られず、図7中にタイミング制御信号発生部19と駆動手段5aの駆動信号発生部10aを破線で結んで示しているように、第1可動部6aの駆動信号の発生タイミングを制御するようにしてもよい。この場合、図9(a)に破線で示すようにリサジュ走査軌跡が目標点P0からずれた場合には、第1可動部6aの駆動信号の発生タイミングを時間txyだけ遅らせるように制御する。さらに、第1及び第2可動部6a,6bの双方の駆動信号の発生タイミングを制御するように構成してもよい。また、上記第3実施形態では、点P1の状態から点P2の状態に変化するのに要する時間をtxyとしたが、このtxyは、第1及び第2可動部6a,6bの駆動電流に対する位相差txp,typと駆動周波数の組合せから求めることができる。
【0062】
次に、本発明に係るアクチュエータ駆動制御装置の第4実施形態を、図11を参照して説明する。なお、図7と同一の要素については同一符号で示し、ここでは第3実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0063】
図11に示す駆動制御装置18は、第2可動部6bの駆動信号の発生タイミングを手動調整するためのモーメンタリスイッチ20と、走査光源21による光ビームがスキャナ6で走査される二次元走査領域内であって、目標とするリサジュ走査軌跡上の任意の点に定めた目標点P0(θx0,θy0)となる部位に配置した受光素子22と、該受光素子22で光ビームの通過を検知した場合に発光するLEDまたはランプ等からなる表示部23とを設けている。
【0064】
上記モーメンタリスイッチ20は、タイミング制御信号発生部19に繋がり、該タイミング制御信号発生部19において第2可動部6bの駆動信号の発生タイミングを制御するタイミング制御信号を発生させ、駆動手段5bに出力させるようにしている。なお、図11中20fは、例えば第2可動部6bの駆動信号の発生タイミングを進めるためのスイッチであり、20rは逆に遅らせるためのスイッチである。そして、それぞれ例えば1回の押下で1クロックだけ進めたりまたは遅らせたりできるようになっている。
【0065】
次に、本第4実施形態の動作を図11及び図12を参照して説明する。
本第4実施形態においては、図11に示す受光素子22が光ビームを検出し表示部23が点灯したときは、光ビームの走査軌跡は目標とするリサジュパターンを描いていると判断でき、この場合は、駆動信号の発生タイミングは現状態を維持する。一方、受光素子22が光ビームを検出せず表示部23が消灯しているときは、光ビームの走査軌跡が図12中実線で示す目標のリサジュ走査軌跡上にはなく、例えば同図中破線で示す位置にずれていると判断することができる。この場合には、表示部23の点灯及び消灯状況を見ながらモーメンタリ−スイッチ20を操作して、タイミング制御信号発生部19でタイミング制御信号を発生させ、第2可動部6bの駆動信号の発生タイミングを調整する。具体的な調整は、例えば図12に破線で示すようにリサジュ走査軌跡がずれている場合は、駆動信号の発生タイミングをスイッチ20fで進めて行うが、行き過ぎた場合には、スイッチ20rで遅らせる。
【0066】
上記調整により、表示部23が点灯したときは、光ビームのリサジュ走査軌跡が、図12中実線で示す目標とするリサジュ走査軌跡に一致したものと判断して、モーメンタリ−スイッチ20による調整を終了し、その状態を維持する。この場合、上記表示部23は、温度変化等によりリサジュ走査軌跡が再度ずれるまで点灯状態を続ける。そして、表示部23が消灯したときには、上記調整を再び実施することになる。
【0067】
このように本第4実施形態によれば、目標とするリサジュ走査軌跡上の任意の点に受光素子22を配置し、受光素子22が光ビームの通過を検知したとき点灯する表示部23を備えているので、表示部23の点灯及び消灯状態を確認することによりリサジュ走査軌跡が目標とするものであるか否かを容易に判断することができる。また表示部23が消灯している場合には、モーメンタリ−スイッチ20を手動操作して表示部23が点灯するように駆動信号の発生タイミングを調整できる構成としているので、目標とするリサジュパターンを容易に発生させることができる。
【0068】
なお、上記モーメンタリ−スイッチ20は、第2可動部6bの駆動信号の発生タイミングを調整するものに限られず、図11中にタイミング制御信号発生部19と駆動信号発生部10aとを破線で結んで示しているように、第1可動部6aの駆動信号の発生タイミングを調整するようにしてもよい。または、スイッチ20fで第1可動部6aの駆動信号の発生タイミングを調整するように、またスイッチ20rで第2可動部6bの駆動信号の発生タイミングを調整するようにしてもよい。
【0069】
また、本第4実施形態では、受光素子22を設けたが必ずしも設ける必要はない。この場合、光ビームのリサジュパターンを目視確認しながら目標とするリサジュパターンが発生するようにモーメンタリスイッチ20を操作すればよい。
【0070】
次に、本発明に係るアクチュエータ駆動制御装置の第5実施形態を、図13を参照して説明する。なお、図7と同一の要素については同一符号で示し、ここでは第3実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0071】
図13に示す駆動制御装置18は、走査光源21による光ビームがスキャナ6で走査される二次元走査領域内の任意の位置に配置した位置検出素子(PSD)24と、該位置検出素子24上を通過する光ビームの走査点の位置情報に基づいて、目標とするリサジュ走査軌跡上に設定した目標点からのずれ量を検出し、該ずれ量を補正するようにスキャナ6の第1及び第2可動部6a,6bの駆動信号の発生タイミングを制御するタイミング制御信号を発生するタイミング制御信号発生部19と、上記タイミング制御信号によって制御されたタイミングで駆動信号を発生し第1及び第2可動部6a,6bを駆動する駆動手段5a,5bとを備えて構成する。なお、上記リサジュ走査軌跡上の目標点は、位置検出素子24上に特定される。そして、位置検出素子24の座標系は、タイミング制御信号発生部19で演算して光ビームの二次元走査領域のXY座標系に変換されるため、位置検出素子24上の特定点の座標とリサジュ走査軌跡上に設定された目標点のXY座標とは一致する。
【0072】
次に、本第5実施形態の動作を、図13及び図14を参照して説明する。
先ず、目標とするリサジュ走査軌跡上に目標点P0(θx0,θy0)を設定する。この設定は、前述の各種設定データと共に駆動条件設定手段3に対して予め入力して行われる。これにより、上記目標点P0の位置情報は、メモリ9に保存される。
【0073】
次に、スキャナ6が駆動され、走査光源21の光ビームがリサジュ走査される。このとき、位置検出素子24は、該位置検出素子24上を通過する光ビームを検出し、その位置情報を逐一駆動周波数設定手段4のタイミング制御信号発生部19に送る。
【0074】
ここで、目標のリサジュ走査軌跡が得られているとすると、上記タイミング制御信号発生部19においては、上記位置検出素子24から送られてくる光ビームの位置情報に基づいて、メモリ9に保存した目標点P0を光ビームが通過した瞬間の時刻t0から例えば1TL経過後の走査点の位置が検出される。ここで、該走査点の位置が上記目標点P0に一致している場合には、タイミング制御信号発生部19は現状態をそのまま維持する。なお、上記時刻情報は、共振周波数設定手段14a,14bにより、角度情報と共に得ることができる。
【0075】
一方、上記1TL経過後の走査点の位置が経時変化や温度変化等により目標点P0(θx0,θy0)の位置に対して、図14に示す点Pt(θxt,θyt)までずれた場合には、そのずれ量Δθx,Δθyを補正するようにタイミング制御信号発生部19が動作し、第1及び第2可動部6a,6bの駆動信号の発生タイミングが制御される。
【0076】
次に、駆動信号の発生タイミング制御方法を説明する。
ここで、目標点P0近傍部における第1及び第2可動部6a,6bの走査角速度をvx0,vy0とすると、上記ずれ量を補正するために第1及び第2可動部6a,6bの駆動信号の発生タイミングを制御すべき時間tx,tyは、それぞれ次のように表すことができる。なお、上記走査角度速度vx0,vy0は、正弦的に揺動する第1及び第2可動部6a,6bの走査角度関数θx(t),θy(t)をそれぞれ時間微分したものとして近似することができる。したがって、制御時間tx,tyは、
tx≒Δθx/vx0≒Δθx/(d/dt・θx(t))
ty≒Δθy/vy0≒Δθy/(d/dt・θy(t))
となる。
【0077】
これに基づいてタイミング制御信号発生部19は、タイミング制御信号を発生して駆動信号発生部10a,10bに供給し、第1可動部6aの駆動信号の発生タイミングをtxだけ、また第2可動部6bの駆動信号の発生タイミングをtyだけずらすように制御する。これにより、目標とするリサジュパターンに自動調整する。
【0078】
このように本第5実施形態によれば、光ビームの位置情報を検出可能な位置検出素子24を二次元走査領域内の任意の位置に配置し、該位置検出素子24上に設定した目標点を基準にしてリサジュ走査軌跡のずれ量を検出し、該ずれ量に相当する時間だけ第1及び第2可動部6a,6bの駆動信号の発生タイミングを制御するように構成しているので、上記リサジュ走査軌跡のずれを自動的に補正することができる。また、経時変化や温度変化等によるリサジュパターンがずれた場合にも容易に修正することができる。
【0079】
なお、上記第4及び第5実施形態において、受光素子22及び位置検出素子24は、走査光源21による走査光を検出するものに限られず、光走査面とは反対側の面に反射ミラーを形成し、該反射ミラーで走査光源21とは別に設けた検出用光源の光ビームを走査し、該走査光を検出するようにしてもよい。
【0080】
また、上記スキャナ6は、上記実施形態で述べた二次元走査可能な一体型スキャナに限らず、一次元走査のスキャナを各動作軸が互いに直交するように組合せて構成したものであてもよい。
【0081】
そして、アクチュエータは上記スキャナに限らず、二軸の下に動作するものであればいかなるものでもよい。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のアクチュエータ駆動制御装置によれば、予め設定されたアクチュエータの二つの動作軸回りの各固有共振周波数をもとに、予め設定された駆動条件に適合した駆動周波数の組合せを演算して設定する機能を備えているので、各駆動周波数について適正な周波数の設定を容易にすることができる。したがって、アクチュエータに目的の動作させることができる。
【0083】
また、入力データをもとに演算して適正な駆動周波数の設定をする機能を備えているので、アクチュエータの性能がばらついていても、アクチュエータ毎に二つの動作軸に対する適正な駆動周波数の組合せを容易に設定することができる。
【0084】
さらに、共振周波数の自己測定機能を備えれば、適当な時期に共振周波数を自己測定して調整することができる。したがって、共振周波数の経時変化等の影響を排除してアクチュエータの適正な駆動状態を維持することができる。
【0085】
そして、アクチュエータの駆動信号の発生タイミングを二次元走査領域内に設定した目標点を光ビームのリサジュ走査軌跡が通過するようにアクチュエータの駆動信号の発生タイミングを制御するように構成したので、目標とする緻密なリサジュパターンを容易に得ることができる。また、経時変化や温度変化等により可動部の動きが変化しリサジュパターンがずれた場合にも、容易に修正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による駆動制御装置の第1実施形態を示すブロック図である。
【図2】 リサジュ走査の例を示す説明図である。
【図3】 第1実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】 第1実施形態の適正駆動周波数の組合せを探すためのクロックカウント数のマトリクスである。
【図5】 図4のマトリクスについて、演算する順番の一例を示す説明図である。
【図6】 本発明による駆動制御装置の第2実施形態を示すブロック図である。
【図7】 本発明による駆動制御装置の第3実施形態を示すブロック図である。
【図8】 駆動信号の発生タイミングずれにより発生する各種リサジュパターンを示す説明図である。
【図9】 上記第3実施形態における駆動信号の発生タイミング調整方法を示す説明図である。
【図10】 上記第3実施形態における駆動信号の発生タイミングの調整により可動部の動作状態の変化を示す説明図である。
【図11】 本発明による駆動制御装置の第4実施形態を示すブロック図である。
【図12】 上記第4実施形態における駆動信号の発生タイミング調整方法を示す説明図である。
【図13】 本発明による駆動制御装置の第5実施形態を示すブロック図である。
【図14】 上記第5実施形態における駆動信号の発生タイミング調整方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1,13,18…駆動制御装置
2,14a,14b…共振周波数設定手段
3…駆動条件設定手段
4…駆動周波数設定手段
5a,5b…駆動手段
6…スキャナ
12…発信器
19…タイミング制御信号発生部

Claims (7)

  1. 互いに異なる固有共振周波数を有し、直交する二つの動作軸のもとに互いに異なる駆動周波数の組合せで駆動されるアクチュエータの駆動制御装置であって、
    前記各固有共振周波数を入力設定する共振周波数設定手段と、
    前記アクチュエータに所望の駆動をさせるための駆動条件を設定する駆動条件設定手段と、
    前記各固有共振周波数を中心とする所定の周波数範囲内で各周波数の組合せに対してそれぞれ駆動性能を演算し、該駆動性能が前記設定された駆動条件に適合する駆動周波数の組合せを選択設定する駆動周波数設定手段と、
    前記設定された駆動周波数でアクチュエータを駆動する駆動手段と、
    を備えて構成したことを特徴とするアクチュエータ駆動制御装置。
  2. 前記共振周波数設定手段は、前記二つの動作軸回りの振幅を測定する測定手段を備え、周波数を変化させながら駆動して各動作軸回りの振幅を検出し、最大振幅が検出されたときの駆動周波数を前記アクチュエータの固有共振周波数として設定する構成としたことを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ駆動制御装置。
  3. 前記アクチュエータは、互いに異なる駆動周波数の組合せで駆動されて光ビームを二次元走査するスキャナであり、前記駆動周波数設定手段は、複数の光走査軌跡に囲まれたメッシュの数を前記駆動性能として演算して求め、該演算値が前記駆動条件として設定したメッシュ数の上限値及び下限値の範囲内となる周波数の組合せを選択設定する構成としたことを特徴とする請求項1または2に記載のアクチュエータ駆動制御装置。
  4. 前記メッシュ数は、前記設定された各固有共振周波数の1周期を前記駆動周波数を生成する発信器のクロック周期でそれぞれ除して共振クロックカウント数の組合せを演算し、該共振クロックカウント数を中心とする所定範囲内に他のクロックカウント数の組合せを選択し、前記共振クロックカウント数を含む全クロックカウント数について各組合せ毎にその最大公約数でそれぞれ除算することによって求められることを特徴とする請求項3に記載のアクチュエータ駆動制御装置。
  5. 前記アクチュエータは、互いに異なる駆動周波数の組合せで駆動されて光ビームを二次元走査するスキャナであり、前記駆動周波数設定手段は、前記異なる駆動周波数の組合せで二次元走査される光ビームが、所定の走査範囲を1回走査するのに要する1周期の走査時間を前記駆動性能として演算して求め、該演算値が前記駆動条件として設定した走査時間の上限値及び下限値の範囲内となる周波数の組合せを選択設定する構成としたことを特徴とする請求項1または2に記載のアクチュエータ駆動制御装置。
  6. 前記走査時間は、前記共振クロックカウント数を中心とする所定範囲内のクロックカウント数の各組合せについて、それぞれの最小公倍数を演算し、該演算値に前記クロック周期を乗算することによって求められることを特徴とする請求項5に記載のアクチュエータ駆動制御装置。
  7. 前記駆動周波数設定手段は、さらに前記二つの動作軸それぞれの駆動信号の発生タイミングを制御するタイミング制御信号を前記駆動手段に出力するタイミング制御信号発生部を備え、光ビームの二次元走査範囲内に設定した所定の目標点を光ビームの走査軌跡が通過するように前記両駆動信号の少なくとも一方の駆動信号の発生タイミングを制御するように構成したことを特徴とする請求項3〜6のいずれか一つに記載のアクチュエータ駆動制御装置。
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