JP4312868B2 - 包装計量システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は包装計量システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の包装計量システムを本発明の実施形態を示す図1を用いて説明する。図1において、組合せ計量装置1から排出された内容物Mは、シュート203に落下した後、製袋包装機200によって連続的に包装される。製袋包装機200は、上方から落下する内容物Mを筒状のフィルムF内に充填した状態で、該フィルムFにおける内容物Mの上方の端部F1をエンドシーラ202で溶着する(シールする)と共に切断して商品M1を連続的に製造する。製造された商品M1は重量チェッカー300まで搬送されて、内容物Mの重量が所定の範囲か否かをチェックされる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
かかる包装計量システムにおいて、内容物Mがポテトチップスのような嵩張るものである場合には、漏斗状に形成されたシュート203の経路が細くなった部分A1で内容物M同士が干渉し合って流れが遅くなったり、時には、内容物Mがブリッジを形成して、完全に詰まってしまうこともある。しかも、かかるシステムは高速運転されているから、詰まり始めると短時間に多量の内容物Mが堆積する。多量に堆積した内容物Mを取り除いてシステムを再稼働させるには、多くの時間と労力を要するのでシステムの稼働率が著しく低下する。
したがって、本発明の目的は、商品が包装されるまでの内容物の流れの異常を逸早く検出して、包装計量システムの高い稼働率や生産性(歩留り)を維持することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本第1発明の包装計量システムは、筒状に成形したフィルム内に内容物を充填して包装する包装機と、該包装機で包装された商品を計量する計量コンベヤとを備えた包装計量システムであって、前記計量コンベヤで測定した計量値の過不足に基づいて、前記内容物の流れの異常を検出する検出手段と、その検出結果を知らせる報知手段とを設けた包装計量システムであって、前回計量した商品の過不足量と今回計量した商品の過不足量とが補完関係にある場合(以下、この症状を「前後症」という。)には、袋をシールするタイミングがずれていると判別してこれを報知するようにしたことを特徴とする。
本第2発明の包装計量システムは、筒状に成形したフィルム内に内容物を充填して包装する包装機と、該包装機で包装された商品を計量する計量コンベヤとを備えた包装計量システムであって、前記計量コンベヤで測定した計量値の過不足に基づいて、前記内容物の流れの異常を検出する検出手段と、その検出結果を知らせる報知手段とを設けた包装計量システムであって、前回計量した商品の過不足量と今回計量した商品の過不足量とが補完関係にある場合には、その過不足量に基づいて袋のシールタイミングを調整するようにしたことを特徴とする。
オペレータは、報知手段により内容物の流れの異常を知り、早期に適切な処理を行うことができる。
【0005】
本発明において、「内容物」とは、計量されて袋詰めにされる集合物をいい、「商品」とは、該集合物が袋詰めにされたものをいう。
「内容物の流れ」とは、計量装置などのホッパから排出された内容物が袋内に充填されるまでの内容物の流れをいう。
「報知手段」としては、たとえば、液晶表示器、CRTディスプレイないし警告灯などを用いることができる。
【0006】
「検出手段」は、前記商品の計量値の過不足の傾向から、本来収容されるべき袋に対し内容物が遅れて到達しているか否かといった流れの異常を検出する。
「過不足の傾向」とは、連続する複数個の商品について得られた過不足に関する情報のことをいい、たとえば、過不足の時間的変化(過不足についての時間的要素を加味した概念)を含む。
【0007】
「過不足の傾向」としては、たとえば、計量値の不足が連続して検出された場合がある。かかる場合には、内容物が途中で詰まっていることが多いので包装動作を停止させるのが好ましい。
「過不足の傾向」の他の場合としては、前後症の場合、つまり、前回計量した商品の過不足量と今回計量した商品の過不足量とが補完関係にある場合がある。「補完関係にある」とは、前後の商品に不足と過量とが発生し、かつ、前回計量した商品の過不足量と今回計量した商品の過不足量との和がゼロに等しいか、あるいは、ゼロに近い値であることをいう。
かかる補完関係は、以下のような場合に生じる。すなわち、計量・包装速度を上げると、落下中の先行する内容物の集合と、後続の内容物の集合との境目が接近するために、袋のシールタイミングがずれていると、先行の内容物に後続の内容物の一部が混じったり、或いは、先行の内容物の一部が後続の内容物に取り込まれて袋詰めされることによって生じる。この傾向は、内容物が嵩張るもの程、顕著に現れ、特に、ボトルネックになっているシュートの出口部分A1で落下中の内容物にブレーキが掛かることによって生じる。したがって、シールタイミングがずれていることを報知したり、シールタイミングを調整することが好ましい。
該前後症の頻度が所定の頻度よりも高くなった場合には、やがて、内容物のブリッジが発生して、経路が内容物により完全に閉塞されることがあるので、当該事態を報知することが好ましい。
一方、前後症が発生した場合において、「過不足量」が所定の許容範囲を越える場合には、内容物のブリッジによって閉塞されつつあると断定することができるから、包装機の包装動作を停止させるのが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1〜図3は第1実施形態を示す。
まず、本発明が適用される製袋充填包装システムの概略について説明する。
図1において、100は搬送コンベヤ、1は組合せ計量装置、200は製袋包装機(包装機)、300は重量チェッカー(計量コンベヤ)、400はシールチェッカー、700は箱詰装置である。
【0009】
前記搬送コンベヤ100は、商品の内容物Mを組合せ計量装置1の分散フィーダ2の中央部へ落下させる。組合せ計量装置1は多数の計量ホッパ(図示せず)内に供給された内容物Mの重量を組み合わせることで、内容物Mを一まとめにして、目標重量または目標重量に近い組合せ計量値Wcとし、下方の製袋包装機200に内容物Mを落下させる。
【0010】
前記製袋包装機200は、いわゆる縦型ピロー包装機で、フィルムロールFrから巻き出したシート状のフィルムFを縦シーラ201で溶着して筒状に形成し、上方から落下する内容物Mを該筒状のフィルムF内に充填した状態で、前記フィルムFにおける内容物Mの上方の端部F1をエンドシーラ202で溶着する(シールする)と共に切断して商品M1を一定のサイクルタイムで連続的に包装する(たとえば、特開平4−128105号公報参照)。
【0011】
包装済の商品M1は下方に落下すると共に、前倒具301によって受取コンベヤ302上に倒されて搬送される。商品M1は受取コンベヤ302から重量チェッカー300に搬送される。
【0012】
前記重量チェッカー300は、図2に示すように、商品M1の重量を計量するロードセルのような重量検出器305と、重量検出器305に支持されたコンベヤ310を有している。図1の重量チェッカー300は、商品M1を斜め上方に向って搬送しながら後述する方法で、商品M1の重量を計って検査する。商品M1は重量チェッカー300からシールチェッカー400に搬送される。
【0013】
前記シールチェッカー400は、重量チェッカー300から搬送された商品M1を押え具401で上から押さえながら搬送し、その間に、包装袋のシール不良および商品M1の長さを検査する。振り分け装置500は、シールチェッカー400から受け取った商品M1を前記各検査結果に基づいて、不良であれば系外に排出すると共に、良品であれば下流に搬送する。商品M1は振り分け装置500および整列搬送装置600などからなる搬送装置を介して下流の箱詰装置700に搬送される。箱詰装置700は、段ボール箱B内に商品M1を箱詰する。
【0014】
つぎに、本第1実施形態における要部の構成について説明する。
図2に示すように、包装コントローラ20およびチェッカー制御部30は、図示しないインターフェイスを介して互いに接続されていると共に、アクチュエータやモータなどの機器に接続されている。組合せコントローラ10およびチェッカー制御部30は、図示しないインターフェイスを介して互いに接続されている。
【0015】
前記包装コントローラ20は、製袋包装機200の制御を行うと共に、製袋包装機200の包装毎に商品M1の排出タイミングに合わせて、チェッカー制御部30に包装完了信号aを出力する。
組合せコントローラ10は、組合せ計量装置1の制御を行うと共に、組合せ計量装置1が組合せ計量を行う毎に前記組合せ計量値Wcをチェッカー制御部30に送る。組合せコントローラ10と包装コントローラ20とは、連動信号Tで結ばれて、内容物を排出する計量機側と、それを受け取る包装機側との連携動作が行われるようになっている。
【0016】
前記チェッカー制御部30は、マイコン(マイクロコンピュータ)35、重量検出回路306、商品検出回路307およびモータ制御回路309を有している。重量検出回路306およびモータ制御回路309はマイコン35に図示しないインターフェイスを介してそれぞれ接続されている。重量検出回路306は前記重量検出器305に接続されており、重量検出器305からの計量信号を受け取る。
【0017】
前記商品検出回路307は、商品検出器308に接続されている。商品検出器308は、たとえば、光検出器からなり、図1に示すように、受取コンベヤ302とコンベヤ310との間に設けられている。商品検出器308が商品M1を検出すると、この商品M1の検出タイミングに合わせて、図2の商品検出回路307が重量検出回路306に商品検出信号bを出力する。重量検出回路306は該商品検出信号bに基づいて、計量信号から振動成分を除去した重量信号cを所定のタイミングでマイコン35に出力する。マイコン35は、後述するように、商品M1の内容物Mの重量、つまり、後計量値Wsを算出する。
前記モータ制御回路309は、コンベヤ310の駆動モータ(図示せず)などの制御を行う。
【0018】
つぎに、本第1実施形態における商品M1の流れの異常の検出原理について説明する。
組合せ計量装置1による組合せ計量値Wcと重量チェッカー300による後計量値Wsとは、本来、互いに一致すべきである。したがって、後計量値Wsが組合せ計量値Wcに一致しない場合(過不足)が検出されたときには、内容物Mの流れに異常が発生していると推定することができる。該流れの異常としては、詰まりが生じつつある場合や前後症が生じた場合が考えられる。
前後症が生じる場合には、連続不足が生じないから、図2(b)に示すように、後計量値Wsの不足が2回連続して検出された場合には、ブリッジによって詰まりが発生しつつあると断定することができる。したがって、かかる不足が所定回以上連続した場合には、後述するように包装動作を停止させる。
【0019】
一方、図2(c)に示すように、前後症が生じた場合、すなわち、前後の商品M1の過不足量(たとえば、組合せ算出値Wcと後計量値Wsとの差)が補完関係である場合には、一般に、シールタイミングがずれていると考えられる。すなわち、先行する内容物Mの集合の最後尾の内容物Mが、袋に到達する前にシール動作が行われ、当該最後尾の内容物Mが次の袋に混入することによって前後症が生じたと考えられる。したがって、この場合には、エンドシーラ202のシールタイミングを所定時間遅らせる。
【0020】
前記マイコン35は、CPU31、ROM32およびRAM33を有している。RAM33は計量履歴記憶部33aを有している。図2(b)に示すように、計量履歴記憶部33aには、同一の商品M1についての組合せ計量値Wcと後計量値Wsとが互いに関連付けられて記憶される。該計量履歴は、1回前からn回前までの計量について各商品M1ごとに記憶される。CPU31は、計量手段31aおよび流れ異常検出手段31bを備えている。計量手段31aは、重量検出回路306から出力された重量信号cに基づいて商品M1の風袋込みの総重量を算出する。CPU31は、該総重量から商品M1の風袋を減算して後計量値Wsを算出する。流れ異常検出手段31bは、同一の商品M1についての後計量値Wsと組合せ計量値Wcとを比較して、後計量値Wsが不足であるか否かの判別を行う。
【0021】
マイコン35には、タッチスクリーン(報知手段)34および警報手段320が図示しないインターフェイスを介して接続されている。タッチスクリーン34は、たとえば、液晶表示器を備えており、CPU31からの出力に応じて流れ異常の表示などを行う。警報手段320は、CPU31からの信号によってブザー音を出力すると共に、警告灯を点灯するものである。
【0022】
つぎに、本第1実施形態の包装計量システムの運用について、図3のフローチャートを用いて説明する。
本システムがスタートすると、ステップS1で商品検出器308が商品M1の検出を開始する。商品検出器308が商品M1を検出するとステップS2に進む。ステップS2では、前記重量信号cに基づいて、計量手段31aが商品M1の風袋込みの総重量を算出してステップS3に進む。ステップS3では、計量手段31aが当該総重量から商品M1の風袋を減算して後計量値Ws1 を算出してステップS4に進む。
【0023】
ステップS4では、CPU31が該後計量値Ws1 に基づいて商品M1の重量チェックを行う。後計量値Wsが上限値以上か、あるいは、下限値以下の場合には、商品M1が重量不良であると判別して、ステップS5に進む。一方、上限値から下限値の間にある場合には、ステップS1に戻る。ステップS5では、振り分け装置500が当該重量不良の商品M1を系外に排出してステップS6に進む。
【0024】
ステップS6では、流れ異常検出手段31bが、後計量値Ws1 と組合せ算出値Wc1 との比較を行い、後計量値Ws1 が組合せ算出値Wc1 を越える場合には、過量であると判別してステップS7に進む。一方、後計量値Ws1 が組合せ算出値Wc1 よりも少ない場合には、不足であると判別してステップS20に進む。
【0025】
ステップS7では、流れ異常検出手段31bが、前回の商品M1について算出した後計量値Ws0 と当該後計量値Ws0 に対応する組合せ算出値Wc0 との比較を行う。後計量値Ws0 が組合せ算出値Wc0 よりも少ない場合には、不足であると判別してステップS8に進む。一方、後計量値Ws0 が組合せ算出値Wc0 を越える場合には、過量であると判別してステップS10に進む。
【0026】
ステップS8では、流れ異常検出手段31bが下記の(1)式に基づいて前後症の算出を行う。
今回の後計量値Ws1 +前回の後計量値Ws0 ≒今回の組合せ算出値Wc1 +前回の組合せ算出値Wc0 …(1)
流れ異常検出手段31bは、上記(1)式が成立する場合、前後症が生じたと判別してステップS9に進む。一方、(1)式が成立しない場合、ステップS10に進む。ステップS10では、CPU31がタッチスクリーン34に「製袋包装機に異常がありませんか。」などの内容を表示させる。
【0027】
ステップS9では、CPU31がタッチスクリーン34に「前後症が発生しました。」などの内容を表示させると共に、エンドシーラ202のシールタイミング時間を所定時間遅らせて、ステップS1に戻る。
【0028】
このように、前後症が発生した場合には、自動的にエンドシーラ202のシールタイミング時間を所定時間遅らせるので、シールタイミングのずれを改善して重量不良の商品M1の生産を防止することができるから、システムの高い生産性を維持することができる。
また、ステップS1からステップS9までの動作を繰り返すことで、最適なシールタイミングを得ることができるから、システムのより高い稼働率を維持することができる。
【0029】
ステップS20では、流れ異常検出手段31bが、前回の後計量値Ws0 と組合せ算出値Wc0 との比較を行い、後計量値Ws0 が組合せ算出値Wc0 を越える場合には、過量が生じたと判別してステップS8に進む。一方、後計量値Ws0 が組合せ算出値Wc0 よりも少ない場合には、不足が生じたと判別してステップS21に進む。
【0030】
ステップS21では、CPU31が係数カウンタをインクリメントしてステップS22に進む。ステップS22では、CPU31が当該係数カウンタの値が所定の値(たとえば、3回)になったか否かの判別を行い、係数カウンタの値が所定の値になった場合、すなわち、不足が所定回数連続した場合、ステップS24に進む。一方、係数カウンタの値が所定回数でない場合は、ステップS23に進む。なお、係数カウンタはシステムのスタート時に初期化されると共に、ステップS6またはステップS20で過量と判別された場合にゼロクリアされる。
【0031】
ステップS23では、つまり、重量不足が2回連続した場合は、CPU31が「重量不足が発生しました。」などの内容をタッチスクリーン34に表示させる。ステップS24では、「重量不足が3回連続して発生しました。シュートや製袋包装機に詰まりが生じているものと思われます。」という内容をCPU31がタッチスクリーン34に表示させると共に、システムを停止させる。同時に、CPU31は警報手段320にブザー音を出力させると共に、警告灯を点灯させて、システムが停止したことをオペレータに知らせる。オペレータはタッチスクリーン34の表示内容から流れの異常を知ることができるから、これにより、迅速な回復作業が可能となり、システムの高い稼働率を維持することができる。
【0032】
ところで、前述の第1実施形態では、前後症が生じた場合において、エンドシーラ202のシールタイミングを一定時間づつ遅らせるようにしたが、商品M1の過不足量に応じてシールタイミングを調整するようにしてもよい。かかるシールタイミングの調整方法を図4にしたがって説明する。
まず、エンドシーラ202の細部について説明する。
図4に示すように、エンドシーラ202は、アーム210と、それらの先端に設けられ、袋F2を左右方向から挟持して熱シールする一対のシールジョー202aとを備えている。アーム210の基部は、図示しないサーボモータに連結されている。左右のシールジョー202aは、サーボモータの回動によって、矢印方向に互いに逆回転し、二点鎖線で示すように回動することで、袋F2を挟持しながら下降して、袋F2の上端部F1をシールすると共に、図示しないカッタで裁断する(たとえば、特開平5−278729号公報参照)。
包装コントローラ20は組合せコントローラ10から、内容物Mの排出完了信号を受信すると、設定時間T秒後にシールジョー202aの回動を開始させる。
【0033】
つぎに、シールタイミングの調整方法について説明する。
前述の図3に示すステップS8で、CPU31が前後症が発生していると判別すると、流れ異常検出手段31bが後計量値Ws0 から組合せ算出値Wc0 を減算して過不足量を算出する。CPU31は、当該過不足量を組合せ算出値Wc0 で除算すると共に、所定の基準時間Δtを乗算して調整時間tを算出する。
CPU31は、設定時間Tに当該調整時間tを加算して、エンドシーラ202の作動タイミングを該調整時間t秒遅らせることで、エンドシーラ202の調整を行う。
【0034】
このように、前後症が発生した場合には、商品M1の過不足量に応じてエンドシーラ202のシールタイミング時間を自動的に遅らせるので、シールタイミングのずれを逸早く改善して重量不良の商品M1の生産を防止することができるから、システムのより高い生産性を維持することができる。
【0035】
ところで、前記第1実施形態では、前後症が生じた場合(図3のステップS9)に、エンドシーラ202のシールタイミング時間を自動で遅らせるようにした。その他に、本システムでは、前後症が生じた頻度を算出し、該頻度が所定の基準頻度よりも高くなった場合にオペレータがシステムの調整を行うようにすることもできる。この場合を次の第2実施形態で説明する。
【0036】
図5ないし図7は第2実施形態を示す。
図5に示すように、RAM33は基準頻度記憶部33bおよび計量履歴記憶部33cを有している。図6に示すように、計量履歴記憶部33cには、組合せ計量値Wcおよび後計量値Wsの他に前後症であると判別された場合には、当該過量を生じた後計量値Wsに前後症を意味するフラグ「1」が関連付けられて記憶される。
【0037】
前記基準頻度記憶部33bには、基準頻度が記憶されている。流れ異常検出手段31bは、計量履歴記憶部33cにおける所定回数(たとえば過去100回分)について、前後症が生じた回数を求め、前記所定回数で除算することで前後症の頻度を算出する。流れ異常検出手段31bは、基準頻度記憶部33bから基準頻度を読み出し、当該前後症の頻度との比較を行う。
その他の構成は、第1実施形態と同様であり、同一部分または相当部分に同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0038】
つぎに、本第2実施形態の包装計量システムの運用について、図3および図7のフローチャートを用いて説明する。
前述の第1実施形態の運用において、図3に示すステップS8で、CPU31が前後症が発生していると判別すると、図7に示すステップS15に進む。ステップS15では、「前後症が発生しました。」などの内容をタッチスクリーン34に表示させる。オペレータは前後症の発生をタッチスクリーン34から知ることができるので、早期に適切な処理を行うことができる。
【0039】
次のステップS16では、所定の回数(たとえば、100回)ごとに、計量履歴記憶部33cの記憶内容に基づいて前後症の頻度を求め、ステップS17に進む。ステップS17では、流れ異常検出手段31bが基準頻度記憶部33bから基準頻度を読み出し、該基準頻度と前記前後症の頻度との比較を行う。当該頻度が基準頻度を越える場合には、ステップS18に進む。一方、該頻度が基準頻度以下の場合には図3のステップS1に戻る。
ステップS18では、CPU31が、前後症の頻度と共に、「前後症が度々発生しております。」などの内容をタッチスクリーン34に表示させる。
【0040】
このように、前後症の頻度が高くなった場合には、当該事態をタッチスクリーン34に表示させる。したがって、オペレータは当該表示内容に基づいて、シールタイミングの調整などを行うことができるから、重量不足の商品M1の生産を防止することにより、システムの高い生産性を維持することができる。
【0041】
ところで、前後症が生じた場合において、後計量値Wsの過不足量が所定の許容範囲を越えるような場合には、ブリッジが生じて、内容物Mの経路が閉塞される寸前であると考えられる。この場合について次の第3実施形態で説明する。
【0042】
図8および図9は第3実施形態を示す。
図8に示すように、RAM33は、計量履歴記憶部33cおよび許容範囲記憶部33dを有している。許容範囲記憶部33dには所定の許容範囲が記憶されている。流れ異常検出手段31bは、前後症を検出した場合、当該後計量値Wsが許容範囲内であるか否かの判別を行う。
その他の構成は、第1実施形態と同様であり、同一部分または相当部分に同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0043】
つぎに、本第3実施形態の包装計量システムの運用について、図3および図9のフローチャートを用いて説明する。
前述の第1実施形態の運用において、図3に示すステップS8で、CPU31が前後症の発生を判別すると、図9に示すステップS30に進む。ステップS30では、前後症が発生した旨の内容をタッチスクリーン34に表示させて、ステップS31に進む。
【0044】
ステップS31では、流れ異常検出手段31bが許容範囲記憶部33dから許容範囲を読み出して、後計量値Wsが許容範囲内であるか否かの判別を行う。後計量値Wsが許容範囲を越える場合には、ステップS32に進む。一方、許容範囲内である場合には、ステップS10(図3)に戻る。
【0045】
ステップS32では、「大幅な過不足が発生しています。そのため、シュートや製袋包装機に詰まりが生じているものと思われます。」という内容をCPU31がタッチスクリーン34に表示させると共に、システムを停止させる。同時に、CPU31は警報手段320にブザー音を出力させると共に、警告灯を点灯させて、システムが停止したことをオペレータに知らせる。オペレータはタッチスクリーン34の表示内容から流れの異常を知ることができるから、これにより、迅速な回復作業が可能となり、システムの高い稼働率を維持することができる。
【0046】
また、前述の各実施形態において、流れ異常検出手段31bは、重量チェッカー300で測定した後計量値Wsの過不足に基づいて内容物Mの流れの異常を検出するので、流れの異常を検出するための専用の検出器などを別途設ける必要がないから、経済的である。
【0047】
なお、前記第1実施形態において、前後症が発生したと判別された場合、シールタイミングの調整を繰り返し行うようにしたが、シールタイミングの調整を所定回数行っても前後症が発生する場合には、経路に内容物Mが詰まりかけていると断定することができる。したがって、警告表示をタッチスクリーン34に表示させると共に、警報手段320にブザー音を出力させたり警告灯を点灯させて、システムを停止させるようにしてもよい。
【0048】
また、各実施形態において、後計量値Wsから組合せ計量値Wcを減算して後計量値Wsの過不足を判別したが、本発明では組合せ計量値Wcの代わりに、組合せ目標値や、重量チェッカー300が商品M1の重量を検査するための上下限重量や、過去のn回分の後計量値の平均値などを用いてもよい。
【0049】
また、CPU31の機能を複数のCPUで分散処理するようにしてもよい。たとえば、図10に示すように、前述の各実施形態における流れの異常検出の機能を有するリモコン(リモートコントローラ)15を設け、チェッカー制御部30および包装コントローラ20に接続してもよい。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の包装計量システムによれば、検出手段が計量コンベヤで測定した計量値の過不足の傾向に基づいて、内容物の流れの異常を検出し、報知手段がその異常を知らせるので、オペレータが逸早く内容物の流れの異常を知り、早期に適切な処理を行うことができる。したがって、システムの高い稼働率を維持することができる。
【0051】
また、計量値の不足が連続して検出された場合には、包装動作を停止させるようにすれば、包装機や包装機の上流側などに内容物が詰まって多量に堆積するのを防止できるから、システムの高い稼働率を維持することができる。
【0052】
一方、前回計量した商品の過不足量と今回計量した商品の過不足量とが補完関係にある場合(前後症が生じた場合)、これを報知するようにすれば、詰まりが生じる可能性があることを事前に知ることができる。また、袋のシールタイミングを自動的に調整するようにすれば、重量不良の商品の生産を防止することができるから、システムの高い稼働率を維持することができる。
さらに、商品の過不足量に応じて袋のシールタイミングを調整するようにすれば、シールタイミングのずれを逸早く改善することができるから、システムのより高い生産性を維持することができる。
【0053】
また、前後症の頻度を算出し、該頻度が所定の基準頻度よりも高くなった場合に、当該事態を報知するようにすれば、詰まりを生じる前にオペレータが適切な処理を行うことができるので、システムのより高い稼働率を維持することができる。
【0054】
また、前後症が発生した場合において、商品の過不足量が所定の許容範囲を越えるような場合には、包装動作を停止するようにすれば、包装機や包装機の上流側などに内容物が詰まって多量に堆積するのを防止することができるから、システムのより高い稼働率を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる包装計量システムを示す概略側面図である。
【図2】同システムの要部を示す概略構成図および計量履歴記憶部の記憶内容を示す図表である。
【図3】同システムの運用を示すフローチャートである。
【図4】エンドシーラの動作を示す概略側面図である。
【図5】本発明の第2実施形態にかかる包装計量システムを示す概略構成図である。
【図6】計量履歴記憶部の記憶内容を示す図表である。
【図7】同システムの運用を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第3実施形態にかかる包装計量システムを示す概略構成図である。
【図9】同システムの運用を示すフローチャートである。
【図10】変形例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
200:製袋包装機
300:重量チェッカー(計量コンベヤ)
31b:流れ異常検出手段
34:タッチスクリーン(報知手段)
F:フィルム
M:内容物
M1:商品
Claims (4)
- 筒状に成形したフィルム内に内容物を充填して包装する包装機と、
該包装機で包装された商品を計量する計量コンベヤとを備えた包装計量システムであって、
前記計量コンベヤで測定した計量値の過不足に基づいて、前記内容物の流れの異常を検出する検出手段と、
その検出結果を知らせる報知手段とを設けた包装計量システムであって、
前回計量した商品の過不足量と今回計量した商品の過不足量とが補完関係にある場合(以下、この症状を「前後症」という。)には、袋をシールするタイミングがずれていると判別してこれを報知するようにした包装計量システム。 - 筒状に成形したフィルム内に内容物を充填して包装する包装機と、
該包装機で包装された商品を計量する計量コンベヤとを備えた包装計量システムであって、
前記計量コンベヤで測定した計量値の過不足に基づいて、前記内容物の流れの異常を検出する検出手段と、
その検出結果を知らせる報知手段とを設けた包装計量システムであって、
前回計量した商品の過不足量と今回計量した商品の過不足量とが補完関係にある場合には、その過不足量に基づいて袋のシールタイミングを調整するようにした包装計量システム。 - 請求項1もしくは2において、
前記前後症の頻度を算出し、該頻度が所定の基準頻度よりも高くなった場合には、当該事態を報知するようにした包装計量システム。 - 請求項3において、
前後商品の過不足量が所定の許容範囲を越えるような場合には、前記包装動作を停止させるようにした包装計量システム。
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