JP4311218B2 - シール構造 - Google Patents

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Description

本発明は、環状隙間をシールするシール構造、特にエンジンのシリンダヘッドに対して燃料インジェクターを挿入固定した状態において燃料インジェクター外周とシリンダヘッドの取付孔内周との環状隙間を、燃料インジェクターの先端でシールするシール構造に関
する。
従来のシール構造は、図10に示すような直噴エンジンの内燃機関において、燃料インジェクターから直接燃焼室内のピストン上面へ燃料が噴射される際の燃料インジェクター周りのシールである。
詳しくは、図11に示すように、燃料インジェクターと、燃料インジェクターを挿入固定したシリンダヘッドの取付孔と、の間に設けられた環状隙間を、燃料インジェクター用燃焼ガスシール(以下、先端シールと称す)を用いてシールするシール構造を示している。先端シールは、燃料インジェクターの先端の燃料噴射を行うノズル部の直後でシールを行うシールである。このような先端シールは、特許文献1,2に記載されたものが公知である。
図11に示すように、燃料インジェクターは、先端のノズル部から燃料を噴射するもので、ノズル部をシリンダヘッド内の燃焼室に向けて、シリンダヘッドの取付孔に挿入固定している。これによって、燃料インジェクターの外周面と、シリンダヘッドの取付孔の内周面と、の間に環状隙間を形成している。
燃料インジェクターの延びる軸方向において、燃焼室側が加圧側Eであり、反対側が反加圧側Aであり、加圧側Eから反加圧側Aに向けて燃焼ガスの圧力Pが発生する。
燃料インジェクターの外周面には、先端シールを装着するための外周径が一回り小さい環状溝が設けられている。
従来のシール構造は、図12(a)の燃料インジェクター101外周の断面矩形に凹む環状溝102に、図12(b)の断面矩形の先端シール103を装着した構成であった。
図12(b)の先端シール103は、破線で示すように外径がシリンダヘッドの取付孔104の径よりも大きく、内径が環状溝102の溝底径よりも小さいものである。このため、先端シール103は、図12(c)に示すように、環状溝102へ装着すると、径方向が圧縮状態となり、先端シール103の内外径が各々の対向面(環状溝102の溝底外周面及び取付孔104内周面)に対して面圧を生じてシールを行っていた。
また、従来の別のシール構造は、図13(a)の燃料インジェクター201外周の断面矩形に凹むものであって、溝底の軸方向中央に突起部205を有する環状溝202に、図13(b)の断面矩形の先端シール203を装着した構成もあった。
先端シール203は、図13(c)に示すように、環状溝202へ装着すると、先端シール203の内径の軸方向中央が環状溝202の溝底の突起部205によって押され、先端シール203の外径(特に軸方向中央部分)がシリンダヘッドの取付孔204内周に対する面圧を生じてシールを行っていた。
特開平10−078135号公報 特開平11−013593号公報
図12、図13のシール構造に用いる先端シール103,203は、耐圧、耐熱を考慮してPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の樹脂からなる。
樹脂は性質上、ゴム材のような弾性回復力が無いので、樹脂製の先端シール103,203には長期使用の結果クリープが生じてしまう。図12に示したシール構造で先端シール103にクリープが生じると、図14(a)に示すように先端シール103は外径が大きく縮径してしまい、内径が少し拡径してしまう。また、図13に示したシール構造で先端シール203にクリープが生じると、図14(b)に示すように先端シール203は環状溝202の溝底の突起部205に直接押される内径の軸方向中央が凹んで環状凹部Rを形成してしまう。
先端シールがクリープによって変形してしまうと、シールを行うための面圧が低下してしまい、長期使用後においてシール構造は初期のシール性能を維持できなくなる。
また、先端シールには、次のような特有の環境下で用いられている。
(1)高温(通常は150℃以下であるが、場合によっては瞬間的に400℃〜500℃になる可能性がある。)となる。
(2)耐薬品性(燃焼ガス成分、ガソリン)が必要である。
(3)圧力PがMAX15MPa程度と高圧である。
(4)先端シールを装着するスペースが狭い。
よって、従来のゴム、ウレタン等の材質のパッキンでは、温度、耐薬品性の点において使用できないものであった。また、樹脂製シール部材とゴム製シール部材とを組み合わせた2部材によるシール構造では、ゴムを使用しているため、温度、耐薬品性の問題が生じ、更にこのシール構造では、2つのシール部材を重ねて使用するためにシール部材全体の径方向の厚みが厚くなってしまうが、先端シールを装着する箇所は非常に小さいため、この2つのシール部材をインジェクター先端の環状溝に装着するにはスペースの問題が生じてしまう。したがって、従来のパッキンでは対応できないものであった。故に、シール性を向上させるために、シール部材自身を工夫するには限りがある。そこで、本願では、インジェクター先端の環状溝の形状を工夫することで、シール性を向上させることを試みた。このように環状溝側を工夫することによって、特別な形状及び材質のシール部材を用いることは不要となる。
本発明は上記従来技術に鑑みてなされたもので、その目的は、長期使用しても初期のシール性能を発揮し続けることが可能なシール構造を提供することにある。
上記課題を解決する本発明のシール構造にあっては、燃料インジェクターの外周とシリンダヘッドの取付孔内周との間の環状隙間を燃料インジェクター用燃焼ガスシールでシールするシール構造であって、
燃料インジェクターの外周に前記燃焼ガスシールが配置される環状溝を、加圧側において同等径の溝底を有する角溝部と、反加圧側において前記角溝部の溝底径から反加圧側に向かうほど縮径するテーパ溝底を有するテーパ溝部と、をつなげて設け、
前記環状溝に装着後の前記燃焼ガスシールは、厚みが環状溝の角溝部の溝底とシリンダヘッドの取付孔との間の距離よりも薄い断面矩形状で、前記テーパ溝部から前記角溝部側へ前記テーパ溝部のテーパ角に傾いたまま延出し、内周面が前記角溝部側で溝底から浮き上がると共に、加圧側端部の外周面が前記シリンダヘッドの取付孔内周に接触することを特徴とする。
この構成では、環状溝への装着状態で燃料インジェクター用燃焼ガスシールの加圧側端部の外周面が前記シリンダヘッドの取付孔内周に接触するので、初期シール性能を発揮できる。また、燃料インジェクター用燃焼ガスシールの角溝部側の内周面が溝底から浮き上がっており、クリープが生じても加圧側からの圧力で内周面がさらに外径方向へ押圧され
ることで、外周面がシリンダヘッドの取付孔内周に接触してシールを行うための面圧を常時発生することができ、長期使用しても初期シール性能を発揮し続けることができる。
燃料インジェクターの外周とシリンダヘッドの取付孔内周との間の環状隙間を燃料インジェクター用燃焼ガスシールでシールするシール構造であって、
燃料インジェクターの外周に前記燃焼ガスシールが配置される環状溝を形成し、
該環状溝の溝底の軸方向中央に、外径方向に突出した突起部を設けると共に、
前記環状溝の溝底の軸方向両端側に、前記環状溝の軸方向両端に向かうにつれて溝深さが浅くなるテーパ面をそれぞれ設け、
前記燃焼ガスシールの断面形状が矩形であることを特徴とする。
この構成では、突起部が押すことによる軸方向中央位置での押圧だけでなく、環状溝の軸方向両端側の2つのテーパ面に乗り上げたことによる軸方向両端側位置での押圧によって、燃料インジェクター用燃焼ガスシールにシリンダヘッドの取付孔に対する面圧が、軸方向中央及び軸方向両端で生じて、初期シール性能を発揮できる。また、燃料インジェクター用燃焼ガスシールが初めから環状溝の溝底の軸方向両端側のテーパ面に乗り上げているので、燃料インジェクター用燃焼ガスシールがクリープしても加圧によりテーパ面に乗り上げ、面圧が発生するため、シール性が良好であり、長期使用しても初期シール性能を発揮し続けることができる。
また、燃焼ガスシールの断面形状が矩形であるので、燃料インジェクター用燃焼ガスシールの環状溝への装着状態で、燃料インジェクター用燃焼ガスシールの軸方向両端部がそれぞれ環状溝の溝底のテーパ面に乗り上げる乗り上げ量が増加し、乗り上げで生じた押圧によるシリンダヘッドの取付孔に対する面圧が大きく高まり、シール性能を向上することができる。
本発明のシール構造は、長期使用しても初期のシール性能を発揮し続けることができる。
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。
(第1実施形態)
図1〜図3を参照して、本発明の第1実施形態に係るシール構造について説明する。図1は第1実施形態に係るシール構造を示す断面図である。図2(a)は第1実施形態に係るシール構造の環状溝形状を示す半断面図である。図2(b)は第1実施形態に係るシール構造の燃料インジェクター用燃焼ガスシール(以下、先端シールと称す)を示す半断面図である。図2(c)は第1実施形態に係るシール構造の環状溝に先端シールを配置した状態を示す半断面図である。図2(d)は第1実施形態に係るシール構造が加圧側から圧力を受けた状態を示す半断面図である。
環状溝2は、図2(a)に示すように、加圧側Eにおいて同等径の溝底を有する角溝部5と、反加圧側Aにおいて角溝部5の溝底径から反加圧側Aに向かうほど縮径するテーパ溝底を有するテーパ溝部6と、をつなげて設けられている。
言い換えると、環状溝2は、加圧側Eに溝深さが等しい角溝部5と、反加圧側Aに反加圧側Aに向かうほど角溝部5の溝深さから溝深さが深くなるテーパ溝部6と、からなり、両溝部5,6は、角溝部5の反加圧側Aに、テーパ溝部6の加圧側Eが接続され、両溝部5,6は、連続している。
角溝部5は、軸方向の溝幅において溝深さが常に一定の環状の溝部分である。
テーパ溝部6は、軸方向の溝幅について、溝深さが、加圧側Eは角溝部5と等しいが反加圧側Aに向かうほど深くなっている環状の溝部分である。テーパ溝部6の溝底は、一定の角度で深くなっており(縮径されており)テーパ状のテーパ溝底である。このテーパ溝底のテーパ角θは、軸方向線をθ=0°の基準として、0°よりも大きく、70°以内に設定される。
本実施形態の先端シール3は、図2(b)に示すように、断面矩形で、円筒状のカットされていないエンドレスタイプのシールリングである。また、その材質は、耐薬品性、耐圧性及び耐熱性の高いPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の樹脂からなる。
図2(b)の破線で示した燃料インジェクター1及びシリンダヘッドの取付孔4と対比して示すように、先端シール3の軸方向長さHは、環状溝2の軸方向幅よりもやや短いものである。また、先端シール3の外径が環状溝2の角溝部5の溝底径と略同等で、内径が環状溝2のテーパ溝部6のテーパ溝底の最も深い部分の径φBと略同等であり、厚みTは環状溝2の角溝部5の溝底とシリンダヘッドの取付孔4との間の距離よりも薄い。
以上の構成において、燃料インジェクター1の環状溝2に先端シール3を装着することで、図2(c)のように、先端シール3がテーパ溝部6のテーパ角のまま角溝部5側へも延出して配置される。
このとき、先端シール3は、反加圧側A端部をテーパ溝部6の反加圧側溝壁面61に当接させて、環状溝2全体からみると反加圧側Aに寄せて配置された状態となる。このように、先端シール3が、環状溝2の反加圧側Aに寄せられていても、加圧側E端部は軸方向長さDだけ角溝部5側へテーパ角θの傾きのまま延出し、角溝部5側で先端シール3の内周面が溝底から浮き上がっている。
また、図2(c)の状態での先端シール3の加圧側E端部の最大外径φDsは、図2(a)のシリンダヘッドの取付孔4内周径φAと比べると、φDs>φAとなっている。
そして、先端シール3を装着した燃料インジェクター1をシリンダヘッドの取付孔4に挿入固定することで、図1や図2(d)に示すシール構造が成立する。
本実施形態の図1に示すシール構造では、先端シール3は、テーパ溝部6から角溝部5側へテーパ溝部6のテーパ角θの傾きのまま延出し、内周面が角溝部5側で溝底から浮き上がると共に、加圧側E端部の外周面がシリンダヘッドの取付孔4内周に接触する状態となる。
このため、先端シール3は、環状溝2への配置時にφDs>φAを満たすことから、シール構造としては加圧側E端部の外周面がシリンダヘッドの取付孔4内周に接触し、シリンダヘッドの取付孔4に対する面圧が、加圧側E端部で生じて初期シール性能を発揮できる。
また、先端シール3の角溝部5側の内周面が溝底から浮き上がっており、クリープが生じても、図2(d)に示すように加圧側Eからの圧力で内周面がさらに外径方向へ押圧されることで、加圧側E端部の外周面がシリンダヘッドの取付孔4内周に接触してシールを行うための面圧を常時発生することができ、長期使用しても初期シール性能を発揮し続けることができる。
なお、本実施形態では、図2(b)に示す断面矩形の先端シール3を用いた。しかし、本発明のシール構造では、図1のシール構造時の状態を満たすシールであれば、先端シール3の形状は限定されるものではない。例えば図3のようにテーパ角を持って径が両端で異なる形状等でも本発明のシール構造に適用できる。
(参考例1)
先端シールが従来技術の図14で示したようにクリープによって変形してしまうと、シールを行うための面圧が低下してしまい、長期使用後においてシール構造は初期のシール性能を維持できなくなる。
このような先端シールのクリープによるシール性能の低下を防止するために、図4に示すようなシール構造を採用する場合もあった。
図4に示すシール構造では、図4(a)の環状溝302の溝底における反加圧側Aの部分に反加圧側Aに向かうにつれて溝深さが浅くなる(外周径が大きくなる)テーパ面306が形成してある。非装着時において図4(b)に示すように断面矩形の先端シール303は、図4(c)の環状溝302への装着状態で加圧側Eからの圧力Pによって環状溝302の反加圧側Aに押される。圧力Pによって反加圧側Aへ移動する燃料インジェクター用燃焼ガスシールは、テーパ面306へ乗り上げ、乗り上げた反力でシリンダヘッドの取付孔304内周に対して反加圧側Aに行く程高まる面圧を生じる(いわゆるセルフシール機能)。
しかし、図4に示すシール構造は、加圧側Eからの圧力Pが低い場合には、先端シール303のテーパ面306側への押しが弱いため、テーパ面306への乗り上げが少なく、乗り上げることによる反力も小さくなり、面圧を生じさせ難いことからシール性能が不安定であった。
(第2実施形態)
上記参考例1の不具合を解消することを目的とするのが本実施形態である。図5を参照して、本発明の第2実施形態に係るシール構造について説明する。図5(a)は第2実施形態に係るシール構造の環状溝形状を示す半断面図である。図5(b)は第2実施形態に係るシール構造の先端シールを示す半断面図である。図5(c)は第2実施形態に係るシール構造を示す半断面図である。
以下の実施形態では、上述した実施形態と同様の構成については同符号を付して詳しい説明は省略する。
環状溝2は、溝底の軸方向中央に、外径方向に突出した環状突起(突起部)7を有している。環状突起7は、加圧側斜面7aと反加圧側斜面7bとで形成された断面三角形状の突起である。本実施形態では、環状突起7の斜面7a,7bの傾斜角度は対称に等しくなっている。
なお、環状突起7の加圧側斜面7aと反加圧側斜面7bとは軸方向線から立ち上がる傾斜角度が異なっていてもよい。斜面7a,7bの傾斜角度は、軸方向線を0°に基準として、0°よりも大きく、90°以下となる範囲で適宜選択できる。5°〜60°の範囲であると好適である。
一方、環状溝2の溝底における環状突起7に隣接した加圧側Eに、加圧側Eに向かうにつれて溝深さが浅くなる(外周径が大きくなる)テーパ面8を設けている。他方、環状溝
2の溝底における環状突起7の反加圧側Aに、反加圧側Aに向かうにつれて溝深さが浅くなる(外周径が大きくなる)テーパ面9を設けている。本実施形態では、両テーパ面8,9の傾斜角度は対称に等しくなっている。
なお、加圧側Eのテーパ面8と反加圧側Aのテーパ面9とは立ち上がる傾斜角度が異なっていてもよい。テーパ面8,9の傾斜角度は、0°よりも大きく、90°未満となる範囲で適宜選択できる。5°〜60°の範囲であると好適である。
以上のように、環状溝2の溝底は、環状突起7の斜面7a,7b及びテーパ面8,9からなり軸方向断面W字形状である。
一方、図5(b)に示すように、本実施形態の先端シール3は、断面矩形で、円筒状のカットされていないエンドレスタイプのシールリングである。
図5(b)に破線で示した燃料インジェクター1及びシリンダヘッドの取付孔4と対比して示すように、先端シール3の軸方向長さは、環状溝2の軸方向幅よりもやや短いものである。また、先端シール3の外径がシリンダヘッドの取付孔4の径よりも大きく、内径が環状溝2の溝底の最も深い部分の径よりも小さいものである。
以上の構成において、燃料インジェクター1の環状溝2に先端シール3を装着し、装着状態で燃料インジェクター1をシリンダヘッドの取付孔4に挿入固定することで、図5(c)のシール構造が成立する。
本実施形態の図5(c)に示すシール構造では、先端シール3の加圧側E端部及び反加圧側A端部が両テーパ面8,9に乗り上げ、かつ、軸方向中央が環状突起7によって外径方向へ押された状態となる。
特に、先端シール3の環状溝2への装着状態で、先端シール3の軸方向両端部は角部分がつぶされるために、それぞれの環状溝2の溝底のテーパ面8,9に乗り上げる乗り上げ量が増加し、乗り上げで生じた押圧によるシリンダヘッドの取付孔4に対する面圧が大きく高まっている。
このため、先端シール3は、装着時に、環状突起7の軸方向中央位置での押圧だけでなく、環状溝2の加圧側E及び反加圧側Aの両テーパ面8,9に乗り上げたことによる軸方向両端側の押圧によって、シリンダヘッドの取付孔4に対する面圧が、加圧側E端部、軸方向中央、反加圧側A端部の3つに別れて生じて初期シール性能を発揮できる。また、先端シール3が初めから環状溝2の加圧側E及び反加圧側Aの両テーパ面8,9に乗り上げているので、先端シール3がクリープしても加圧によりテーパ面8,9に乗り上げ、面圧が発生するため、シール性が良好であり、長期使用しても初期シール性能を発揮し続けることができる。
(第3実施形態)
次に第2実施形態と同様に上記参考例1の不具合を解消することを目的とする第3実施形態を説明する。図6(a)は第3実施形態に係るシール構造の環状溝形状を示す半断面図である。図6(b)は第3実施形態に係るシール構造の先端シールを示す半断面図である。図6(c)は第3実施形態に係るシール構造を示す半断面図である。第3実施形態では、第2実施形態から燃料インジェクター1の環状溝2の断面形状を変更したシール構造である。
本実施形態でも、第2実施形態と同様に、環状溝2の溝底の軸方向中央に、外径方向に
突出した環状突起(突起部)7を有している。環状突起7は、第2実施形態と異なり、頂上に軸方向に延びる環状平面である面部7cを有する断面矩形の突起である。
一方、環状溝2の溝底における環状突起7の加圧側Eに、加圧側Eに向かうにつれて溝深さが浅くなるテーパ面8を設けている。他方、環状溝2の溝底における環状突起7の反加圧側Aに、反加圧側Aに向かうにつれて溝深さが浅くなるテーパ面9を設けている。本実施形態でも、両テーパ面8,9の傾斜角度は対称に等しくなっている。
ここで、環状溝2の溝底において、環状突起7とテーパ面8,9との間には、それぞれ軸方向面部10,11が設けられている。軸方向面部10,11は、軸方向に延びる環状平面である。
以上のように、環状突起7の頂上の面部7cや、環状突起7とテーパ面8,9とをつなぐ軸方向面部10,11を設けていても、第2実施形態と同様な効果を得ることができる。
(第4実施形態)
次に第2実施形態と同様に上記参考例1の不具合を解消することを目的とする第4実施形態を説明する。図7は第4実施形態に係るシール構造の環状溝形状を示す半断面図である。図8は第4実施形態に係るシール構造の先端シールを示す半断面図である。図9は第4実施形態に係るシール構造を示す半断面図である。第4実施形態では、第3実施形態と同様に第2実施形態から燃料インジェクター1の環状溝2の断面形状を変更したシール構造である。
本実施形態でも、第2実施形態と同様に、環状溝2の溝底の軸方向中央に、外径方向に突出した環状突起(突起部)7を有している。環状突起7は、第2実施形態と異なり斜面7a,7bの傾斜角度が最大の直角(90°)に立ち上がっており、頂上に軸方向に延びる環状平面である面部7cを有する断面矩形の突起である。
一方、環状溝2の溝底における環状突起7の加圧側Eに、加圧側Eに向かうにつれて溝深さが浅くなるテーパ面8を設けている。他方、環状溝2の溝底における環状突起7の反加圧側Aに、反加圧側Aに向かうにつれて溝深さが浅くなるテーパ面9を設けている。本実施形態でも、両テーパ面8,9の傾斜角度は対称に等しくなっている。
ここで、環状溝2の溝底において、環状突起7とテーパ面8,9との間には、それぞれ軸方向面部10,11が設けられている。軸方向面部10,11は、軸方向に延びる環状平面である。
以上のように、環状突起7の頂上の面部7cや、環状突起7とテーパ面8,9とをつなぐ軸方向面部10,11を設けていても、第2実施形態と同様な効果を得ることができる。
第1実施形態に係るシール構造を示す断面図である。 (a)は第1実施形態に係るシール構造の環状溝形状を示す半断面図である。(b)は第1実施形態に係るシール構造の燃料インジェクター用燃焼ガスシールを示す半断面図である。(c)は第1実施形態に係るシール構造の燃料インジェクター用燃焼ガスシールを環状溝に配置した状態を示す半断面図である。(d)は第1実施形態に係るシール構造の圧力作用時を示す半断面図である。 第1実施形態に係る他の例のシール構造の燃料インジェクター用燃焼ガスシールを示す半断面図である。 (a)は参考例1のシール構造の環状溝形状を示す半断面図である。(b)は参考例1のシール構造の燃料インジェクター用燃焼ガスシールを示す半断面図である。(c)は参考例1のシール構造を示す半断面図である。 (a)は第2実施形態に係るシール構造の環状溝形状を示す半断面図である。(b)は第2実施形態に係るシール構造の燃料インジェクター用燃焼ガスシールを示す半断面図である。(c)は第2実施形態に係るシール構造を示す半断面図である。 (a)は第3実施形態に係るシール構造の環状溝形状を示す半断面図である。(b)は第3実施形態に係るシール構造の燃料インジェクター用燃焼ガスシールを示す半断面図である。(c)は第3実施形態に係るシール構造を示す半断面図である。 4実施形態に係るシール構造の環状溝形状を示す半断面図である。 第4実施形態に係るシール構造の燃料インジェクター用燃焼ガスシールを示す半断面図である。 第4実施形態に係るシール構造を示す半断面図である。 シール構造が用いられる直噴エンジン概要を示す図である。 シール構造が用いられる燃料インジェクターを示す図である。 (a)は従来技術のシール構造の環状溝形状を示す半断面図である。(b)は従来技術のシール構造の燃料インジェクター用燃焼ガスシールを示す半断面図である。(c)は従来技術のシール構造を示す半断面図である。 (a)は従来技術のシール構造の環状溝形状を示す半断面図である。(b)は従来技術のシール構造の燃料インジェクター用燃焼ガスシールを示す半断面図である。(c)は従来技術のシール構造を示す半断面図である。 従来技術の燃料インジェクター用燃焼ガスシールにクリープが生じた状態を示す図である。
符号の説明
1 燃料インジェクター
2 環状溝
3 燃料インジェクター用燃焼ガスシール(先端シール)
4 取付孔
5 角溝部
6 テーパ溝部
7 環状突起
7a 加圧側斜面
7b 反加圧側斜面
7c 面部
8,9 テーパ面
10,11 軸方向面部
12 溝底61 反加圧側溝壁面

Claims (2)

  1. 燃料インジェクターの外周とシリンダヘッドの取付孔内周との間の環状隙間を燃料インジェクター用燃焼ガスシールでシールするシール構造であって、
    燃料インジェクターの外周に前記燃焼ガスシールが配置される環状溝を、加圧側において同等径の溝底を有する角溝部と、反加圧側において前記角溝部の溝底径から反加圧側に向かうほど縮径するテーパ溝底を有するテーパ溝部と、をつなげて設け、
    前記環状溝に装着後の前記燃焼ガスシールは、厚みが環状溝の角溝部の溝底とシリンダヘッドの取付孔との間の距離よりも薄い断面矩形状で、前記テーパ溝部から前記角溝部側へ前記テーパ溝部のテーパ角に傾いたまま延出し、内周面が前記角溝部側で溝底から浮き上がると共に、加圧側端部の外周面が前記シリンダヘッドの取付孔内周に接触することを特徴とするシール構造。
  2. 燃料インジェクターの外周とシリンダヘッドの取付孔内周との間の環状隙間を燃料インジェクター用燃焼ガスシールでシールするシール構造であって、
    燃料インジェクターの外周に前記燃焼ガスシールが配置される環状溝を形成し、
    該環状溝の溝底の軸方向中央に、外径方向に突出した突起部を設けると共に、
    前記環状溝の溝底の軸方向両端側に、前記環状溝の軸方向両端に向かうにつれて溝深さが浅くなるテーパ面をそれぞれ設け、前記燃焼ガスシールの断面形状が矩形であることを特徴とするシール構造。
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