JP5100062B2 - 密封構造 - Google Patents
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Description
Uパッキンから成る弾性シールを背面から受持する1文字型バックアップリングを用いた密封構造のものも広く知られている。(例えば、特許文献1参照)。
このようなはみ出し37が発生すると、主部材34と相手部材35の相対的運動の摩擦抵抗力が増加してスムーズな運動ができなくなり、あるいは、はみ出し37の破損を生じて、バックアップリング32の機能をはたせなくなるという問題があった。
そこで、本発明は、このような従来のバックアップリングを有する密封構造の問題を解決して、高圧力が作用した受圧状態に於て、主部材と相手部材との微小クリアランスの凹周溝への開口部位を、バックアップリングのはみ出し無しで、確実に閉塞して、弾性シールを安定姿勢で保持し、弾性シールの損傷を防ぎ、運動用としては摺動(摩擦)抵抗を軽減することを目的とする。
また、上記バックアップリングのラジアル外方辺とラジアル内方辺は、未受圧状態では、上記相手部材及び上記凹周溝の溝底面に平行である。
また、上記バックアップリングは、その横断面形状がラジアル方向に偏平細長状のホームベース型である。あるいは、上記バックアップリングは、その横断面形状がくの字型である。
また、上記バックアップリングと上記弾性シールとの間に、上記バックアップリングよりも硬度の低い横断面が縦一文字型の副バックアップリングを介装することも望ましい。そして、弾性シールがOリングであり、かつ、バックアップリングは、ポリアセタール、ポリアミド、ポリイミド、PEEK等の硬い材料から成る。
図1に示す本発明に係る密封構造の実施の形態に於て、図1(A)は未受圧(未加圧)状態を示し、図1(B)は(例えば、21MPa以上の)高圧力Pが作用した受圧(加圧)状態を示す。
凹周溝3には、弾性シール1と、この弾性シール1を低圧側Eから受持するバックアップリング2が、装着されている。図1では右方向が低圧側Eであり、左方向が高圧側Hが相当し、弾性シール1は、ニトリルゴムやアクリルゴムやシリコンゴム等の各種ゴム材から成るOリングを例示する。
バックアップリング2は、ポリアセタール,ポリアミド,ポリイミド,PEEK,高充填材入りPTFE等の硬い材質とし、その横断面形状がラジアル方向に偏平細長状のホームベース型であって、弾性シール(Oリング)1に接触する側をストレート状(平坦面状)として弾性シール1を受持し、凹周溝3の低圧側の側面3aに接触する側を未受圧状態でV字山型に形成される。
言い換えれば、バックアップリング2は所定圧力Pの受圧状態となると、相手部材20に接触して微小クリアランスC(の開口端部C0 )への弾性シール1の侵入を防ぐように、バックアップリング2は深さ方向Dに伸長する弾性変形を起こす。
なお、図8のピストンロッド11とシリンダヘッド部12との間の密封に図1に示した本発明の密封構造を適用することも可能である。つまり、内径密封用とすることもできる。また、このような運動用に適用する他に、固定用(静止用)として、図1の構造のものを適用しても自由である。
副バックアップリング15は、Oリングから成る弾性シール1と、横断面形状がくの字型である(図2で説明した)バックアップリング2との間に、介装される。副バックアップリング15は、ゴム系やPTFE系の材質として、バックアップリング2よりも柔らかい。
バックアップリング2はその横断面形状をくの字型としたことによって、凹周溝3の低圧側の側面3aに接触する側を、未受圧状態でV字山型に形成される。さらに、図3(A)に示すように、このバックアップリング2は、凹周溝3の深さの中間部(図例では深さの中央部)からラジアル外方及びラジアル内方に、しだいに増加する(三角形状の)背面間隙4,5を形成するV字山型の背面2aを有し、図3(B)に示すように、所定の高圧力Pが作用すると、Oリング(弾性シール)1は低圧側Eへ弾性的に圧縮変形し、同時に、柔らかい材質の副バックアップリング15も軸心方向に圧縮されて、ラジアル内外方向へは伸長変形し、同時に、硬質のバックアップリング2は副バックアップリング15からの押圧力を受けて、図3(A)の背面間隙4,5が消滅して、背面2aが側面3aに圧接し、バックアップリング2は、その背面2aのV字山型───くの字型───からストレート状に変化し、バックアップリング2の径方向寸法W2 が増加して、溝底面3bと相手部材20に圧接し、柔らかい副バックアップリング15のバックアップリング2側への侵入(はみ出し)を阻止している。
この図3の実施の形態の密封構造についても、外径用のみならず内径用としても自由であり、また、運動用(摺動用)のみならず固定用としても自由である。なお、後述する図4〜図7についても同様とする。
なお、低圧側Eとしての一方のバックアップリング2の構成及び作用効果は図1又は図2と同様であり、高圧側Hの他方のバックアップリング2は、密封やはみ出し防止には無関係として、遊ぶ。
なお、図7のそれ以外の構成、及び、作用効果は、図2(図1)と同様である。また、図7のU形や、その他のD形、楕円形、多角形等の横断面の弾性シール1を、図1又は図3〜図6の構成と適宜組み合わせることも、自由である。
さらに、図3及び図4に示したように、径方向寸法W2 が受圧状態で増加する形状とした硬い材質のバックアップリング2と、柔らかい材質の副バックアップリング15とを巧妙に組み合わせた構成により、図11に示した硬い材質のものの欠点と、図10に示した柔らかいものの欠点を共に解決して、かつ、弾性シール1が微小クリアランスCの開口端部C0 の方向へ侵入(はみ出す)ことを、一層確実に防止でき、高圧流体を長期の使用期間にわたり、密封できる。
また、弾性シール1がOリングであり、かつ、バックアップリング2は、ポリアセタール、ポリアミド、ポリイミド、PEEK等の硬い材料から成るので、密封構成としては簡素かつコンパクトであり、安価に多量生産も可能となる。
2 バックアップリング
2a 背面
3 凹周溝
3a 側面
3b 溝底面
4,5 背面間隙
10 主部材
15 副バックアップリング
20 相手部材
C 微小クリアランス
C0 開口端部
D 深さ方向
E 低圧側
W2 径方向寸法
Claims (6)
- 凹周溝(3)が形成された主部材(10)と、該主部材(10)に対して、微小クリアランス(C)を介して対面する相手部材(20)との間に介装される密封構造であって、上記凹周溝(3)に装着された弾性シール(1)と、該弾性シール(1)を低圧側から受持するバックアップリング(2)とを備え、さらに、上記凹周溝(3)の低圧側の側面(3a)との間に、上記凹周溝(3)の深さの中間部からラジアル外方及び内方に増加する背面間隙(4)(5)を形成するように上記バックアップリング(2)の背面形状を未受圧状態でV字山型とし、かつ、受圧状態で、上記背面間隙(4)(5)が消滅して上記バックアップリング(2)の背面(2a)がストレート状として上記凹周溝(3)の上記側面(3a)に圧接するように弾性変形すると共に、上記バックアップリング(2)のラジアル外方辺とラジアル内方辺のラジアル方向間隔寸法が高圧側へしだいに増加するように弾性変形し、かつ、上記バックアップリング(2)は受圧によって深さ方向(D)に伸長する弾性変形を起こして、受圧状態で上記相手部材(20)に接触して上記微小クリアランス(C)への上記弾性シール(1)の侵入を防ぐように構成したことを特徴とする密封構造。
- 上記バックアップリング(2)のラジアル外方辺とラジアル内方辺は、未受圧状態では、上記相手部材(20)及び上記凹周溝(3)の溝底面(3b)に平行である請求項1記載の密封構造。
- 上記バックアップリング(2)は、その横断面形状がラジアル方向に偏平細長状のホームベース型である請求項1又は2記載の密封構造。
- 上記バックアップリング(2)は、その横断面形状がくの字型である請求項1又は2記載の密封構造。
- 上記バックアップリング(2)と上記弾性シール(1)との間に、上記バックアップリング(2)よりも硬度の低い横断面が縦一文字型の副バックアップリング(15)を介装した請求項1,2,3又は4記載の密封構造。
- 弾性シール(1)がOリングであり、かつ、バックアップリング(2)は、ポリアセタール、ポリアミド、ポリイミド、PEEK等の硬い材料から成る請求項1,2,3,4又は5記載の密封構造。
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