JP4310065B2 - ステージ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、半導体デバイスの製造装置あるいは検査装置または、微小な位置決めを必要とする顕微鏡や各種工作機械等に用いられるステージ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ステージ装置は、上記半導体デバイスの製造装置、検査装置或いはその他の精密部品の製造装置等に幅広く使用されているが、ここでは主に、半導体デバイスの製造或いは検査を行う装置(以下基板処理装置)のステージ装置及びそれに用いられる駆動機構と案内機構等に関する従来技術について説明する。
近年LSIなどの半導体の集積度はますます向上しており、半導体のパターンの線幅は0.2μm以下と非常に微細なものになってきている。これに伴い、このような高集積度の半導体の製造装置あるいは検査装置に用いられるステージ装置には非常に高い精度を要求される。
【0003】
このステージ装置は、半導体製造用の基板(ウエハ、レチクル)を以下のように保持し自在に動かす機能を有している。
(1)基板保持機能:一般には、真空チャック、静電チャック、メカニカルチャックなど行われるが、最近は、静電チャックが主流である。このチャックの下に、以下(2)ないし(5)の機能をそれぞれ自在に行える機構が配置されている。
(2)Z軸方向移動機能:すなわち基板をチャック上で水平に保持し、この基板の鉛直軸方向(上下方向)の高さを調節する機能である。主に露光や検査時のフォーカス合わせに機能を発揮する。
(3)Θ軸方向移動機能:チャックで保持された基板の鉛直軸周りの回転方向位置を調節する機能である。後に説明する走査軸の走査ラインとウエハ上のパターン列との微小な傾き偏差を補正するのに機能を発揮する。
(4)X軸方向移動機能:チャックで保持された基板を水平方向に移動する機能である。一般には、X軸は走査軸とも呼ばれ、基板上のパターン配列に沿って、端から端までを露光又は検査するために移動する。
(5)Y軸方向移動機能:チャックで保持された基板を、上記X軸方向と水平面内で直交するY軸方向に移動する機能である。一般には、Y軸はステップ軸とも呼ばれ、基板上のパターン配列刻みのために移動する。
この他に、(6)基板の搬入搬出時に用いる基板プッシング機能と呼ばれるものがある。一般には、上記(2)のZ軸方向移動機能とは異なり、ステージ装置に基板を載置するとき及びそこから基板を取り出すとき基板を鉛直軸方向に突き上げる。
以上の機能を行う機構は最下位に配置された定盤(定盤状のベースプレート)によりしっかりと支持されている。
基板処理装置では、更に、ベースプレートの下に、床から伝達される振動を遮断するための除振機能を有する除振装置が配置される。また、最近ではステージ装置の可動体の移動に伴なう振動を積極的に減衰(相殺)する機能を合わせ持った除振装置も普及し始めている。
基板処理装置用のステージ装置は、以上のような機能を備えた、メカトロニクスの集合体である。これらの各動作を静かに高精度に実現することが要求される隠れた重要装置である。
【0004】
さて、ステージ装置のX軸及びY軸方向の動作に目を向けると、大きく3通りの使い方がある。
(a)これまでのステップアンドリピートを行うステッパなどの露光装置で主流であったように、基板処理時に、ステージ装置の動作が停止(ステージ装置のX軸、Y軸及びΘ軸の可動テーブルが停止)する方法。そのため、ステージの動作に伴う振動等が減衰した後に、基板処理をすればよい。
(b)X軸(ステップ軸)の可動テーブルは停止しているが、Y軸(走査軸)の可動テーブルは基板処理時にも移動させて使う。後に述べる電子ビーム描画装置や検査装置などで用いる方法。
(c)X軸及びY軸テーブル共に、自在に動かしながら基板処理を実施する方法。
【0005】
上記(a)では問題にならないが、上記(b)及び(c)の様に、一定速度で可動テーブルをしたがって基板を動かして連続的に露光を行ったり、検査のためのデータを収集する装置では、移動中の基板の速度の変動、振動が非常に大きな問題になっている。
【0006】
更に、ステージ装置の上記各テーブルのような可動要素の動きを高精度化するために必須の要素として、位置検出器がある。最近では光学系を用いた検出方法が主流である。しかし、ナノメートルオーダの変位を検出する干渉光学系の精度も厳しくなっている。例えば、場の雰囲気を占めるガスと場の温度勾配によってガス密度差が生じ、干渉光が揺らぐことで精度の劣化が生じている。この劣化が大きな問題になるほどの微細な検出が必要とされてきている。
【0007】
そして、超LSIなど微細、かつ、高精度なパターンを必要とする場合、従来の光を照射してフォトレジスト膜に露光する方法では、光の波長による制限があって所要のパターニングを得られない。これを打破する一つの方法として、光の代わりに電子ビームを使用する方法がある。この方法は電子ビーム露光(荷電ビーム露光)や電子ビーム描画(荷電ビーム描画)などと呼ばれる各方式があり、盛んに開発が進められている。この場合、電子ビームが照射される空間は真空であり、クリーンな真空が必須である。また検査装置として電子ビーム(荷電ビーム)を用いる装置でも同様である。
【0008】
この時、クリーンな真空を維持しつつ、基板を高精度に、かつ、滑らかに移動させるステージ装置が必要とされている。この要求に対して、現在存在するステージ装置は、リニアモーションガイド(LMガイド)、クロスローラガイド、すべりガイドなどの接触式直動案内と、ボールネジ・ナットとサーボモータや超音波モータを組み合わせた駆動機構、又は摩擦駆動機構と呼ばれる、プッシュシャフトを2つのローラで挟み、ローラをサーボモータや超音波モータで駆動することでプッシュシャフトを滑らかに動かす駆動機構とを組み合わせたものなどがある。いずれも接触式であるため、潤滑剤の使用が不可欠となっている。
【0009】
近年では、構造部材にファインセラミクスを用い、直動案内にはクロスローラガイドを使用し、駆動機構にはダイレクト超音波モータを組み合わせたXYステージ装置も実用化されており、高精度で高分解能な送りが実現できていると報告されている。
更に進んで、静圧軸受を直動案内に用いたXYステージ装置も提案され、近年最も精力的に開発が進められており、単体では高精度な案内が実現されている。しかし、このステージ装置ではガス供給配管やガス排出配管などが必要であるため、さらに工夫が必要な領域である。
【0010】
【解決しようとする課題】
ステージ装置において、滑らかで、高精度な基板の移動が求められる中で、ボールネジによる駆動機構の場合、ネジ軸の曲がりを完全に無くすことは不可能であり、ネジ軸の1回転ごとにボールネジの振れ回りが生じ、位置精度に悪影響を与えてしまう。また、高速回転するとその振れ回りに起因する振動が生じること、およびボールの循環時にボール同士、ボールとリターンチューブとの衝突による騒音、振動が生じる。
【0011】
また、近年見られる超音波モータでダイレクト駆動するステージでは、ステップアンドリピートするステッパなどでは使用できるが(露光時には、ステージ装置の各可動テーブルは停止している)、可動テーブルを移動させながら露光または検査する基板処理装置への適用としては速度むらが大きく、振動もあり使用に耐え得ない状況である。
更に、静圧軸受を直動案内にしたXYステージ装置では、ガス供給配管やガス排出配管が滑らかな移動を妨げる原因となっている。
【0012】
一方、基板の処理空間を装置内空間ならびにクリーンルーム環境から隔離し、できるだけガスの存在しないクリーンな空間が求められている中で、従来の接触式駆動機構並びに直動案内機構には、潤滑剤が不可欠であり、この潤滑剤が蒸発して電子光学機器の表面に付着し、電子ビームがあたると黒色タール化して電気的不良導体の膜を、該電子光学系の表面に作り、静電気を帯びてしまう原因となる問題がある。
また、光を用いる露光装置や検査装置でも、位置検出のための干渉光が空間を占めるガスの密度差によって揺らぎ、精度を劣化させている。
【0013】
更に、基板の処理空間外に、駆動機構や直動案内機構を配置する考え方がある中で、使用する機器を真空対応等の特殊な仕様物としないで済むという利点があるが、これを実現するためには、空間隔離機能を有する手段すなわちシール機構が必要になる。基板の処理空間内への回転軸導入には、磁性流体シールが良く用いられるが、磁性流体の蒸発があり、雰囲気を汚染する。また、直動軸のシールには耐え得ない。そして、直動軸のシールとしてよく用いられるべローズシールは、滑らかな移動を妨げ、かつ、寿命が短いなどの問題がある。
【0014】
また、USP4,191,385(1980年;VaCuum-Sealed Gas-Bearing Assembly)に見られる、非接触シールの考え方がある。このシールは、移動面と静止面を小さい隙間を挟んで向かい合わせにし、その面に真空引きポートを複数段備え、段階的に圧力差を維持できるようにするものである。非接触のため、ステージの移動を滑らかなものとできるはずである。しかしながら、これまで実用に耐え得るものは実現できていない。その第一の理由としては、ステージの移動に伴い隙間の変動が生じやすい構造であったため、シール性能の信頼性が乏しく、また、二面間に作用する静圧が変動するために、ステージにヨーイングやピッチングが発生してしまい易いという問題がある。第二の理由としては、静止側面である真空チャンバの変形量がシール隙間量の管理上、無視できないほど大きいためである。
【0015】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、固定要素と可動要素との摺動接触をなくして可動要素の移動の円滑なステージ装置を提供することである。
本発明が解決しようとする他の課題は、可動要素の駆動を誤差なく円滑に常時均一に行えるステージ装置を提供することである。
本発明が解決しようとする別の課題は、処理空間となる真空チャンバを画成するハウジングの歪みの影響を受けず可動要素の精密な位置測定が可能なステージ装置を提供することである。
本発明が解決しようとする更に別の課題は、可動要素を円滑にかつ正確な速度で確実に移動可能にして可動要素を移動させながら基板等の処理を行えるようにしたステージ装置を提供することである。
【0016】
【発明が解決するための手段】
今後、益々微細化が進む半導体の製造装置を提供するためには、基板処理時には、ステップ軸すなわちX軸可動要素すなわちX軸テーブルは停止し、走査軸すなわちY軸可動要素すなわちY軸テーブルは滑らかに移動させて使うステージ装置が不可欠である。この課題に対して、本願は実現性のあるステージ装置を提供するものである。
【0017】
本発明は、半導体製造装置用のステージ装置であって、固定要素及び可動要素を備えていて前記可動要素がY軸に沿って移動するY軸ステージと、固定要素及び可動要素を備えていて前記可動要素がX軸に沿って移動するX軸ステージとを備えるステージ装置において、
前記Y軸ステージの可動要素側に前記X軸ステージの固定要素を配置し、
前記Y軸を走査軸とし、前記X軸をステップ軸とし、
前記Y軸ステージの固定要素と可動要素との間に非接触シール装置を備えて構成されている。
【0018】
前記ステージ装置において、前記Y軸ステージの前記可動要素を移動可能に案内する前記固定要素には静圧軸受を設け、前記静圧軸受の軸受面と同一面上に、前記非接触シール装置を設け、前記非接触シール装置を備えた前記可動要素の案内部の断面形状を角型とし、前記Y軸ステージの前記固定要素を強固なベース上に設置してもよい。
また、前記ステージ装置において、少なくとも前記X軸ステージを収容する真空チャンバを画成するハウジングが、四角形の平面形状を有し、前記ハウジングが四隅において前記ベースにより支持されていてもよい。この場合において、前記Xステージの可動要素の位置を検出するレーザ干渉式変位計を備え、前記レーザ干渉式変位計の干渉計の固定基準面を前記ハウジングの隅部としても、或いは、前記Xステージの可動要素の位置を検出するレーザ干渉式変位計を備え、レーザ干渉式変位計の干渉計の固定基準面をチャンバ外の前記ベースの表面とし、前記干渉計の固定用台座は前記ハウジングの底壁を貫通し、貫通した底壁と前記台座との隙間にはシール装置を備えていてもよい。
更に、前記ステージ装置において、前記Y軸ステージの可動要素の表面に水分が付着するのを防止する防湿板を備えていても、前記Y軸ステージの可動要素の表面に水分が付着するのを防止するための乾燥ガス供給シャワーノズルを備えていてもよい。更にまた、前記ステージ装置が、ステージ装置の前記ベースと反対側に、少なくとも電子線又は荷電粒子線を照射する照射装置を備えていてもよい。
【0019】
より具体的には、本願においては、下記の▲1▼ないし▲4▼のような手段を講じることによって、実現性のあるステージ装置の提供を可能にしている。
▲1▼走査軸すなわちY軸テーブルは、基板の処理空間すなわち真空チャンバ外に配置する。
▲2▼ステップ軸すなわちX軸テーブル、その上に載るΘ軸テーブル、Z軸テーブル等は、基板の処理空間に配置する。
▲3▼そのため、走査軸ステージに、非接触(真空)シール装置を設ける。走査軸ステージの固定要素すなわちステータ部は、丈夫な定盤状のベースプレート上に配置され、直動案内として非接触の静圧軸受けを採用する。また静圧軸受け面の基板の処理空間側すなわち走査軸ステージの可動要素すなわち可動テーブル側に非接触(真空)シール装置を備える。
この静圧軸受面と真空シール面は同一面あることが望ましい。この非接触隙間は、10μm以下で、望ましくは5μm程度である。この小さい隙間を維持しつつ、精度の良いステージを実現するためには、先に延べた定盤状のベースプレート上にY軸ステージを配置することが望ましい。
▲4▼従って、従来のXYステージ装置では、Y軸ステージ(ステップ軸ステージ)の固定要素すなわちステータが固定面にあり、Y軸ステージの可動要素すなわち可動テーブル上にX軸ステージ(走査軸ステージ)が配置されていたが、本発明では、Y軸ステージを走査軸ステージとし、その走査軸ステージの可動テーブル上に配置されたX軸ステージをステップ軸ステージとして使用する。
【0020】
次に、なぜステップ軸ステージを走査軸ステージの可動テーブル(以下走査軸テーブル)上に載せるかについて、以下に説明する。説明を簡単にするために、ウエハではなく、正方形の角型レチクルの処理を考える。
まずステップ軸ステージの可動テーブル(以下ステップ軸テーブル)は、1枚のレチクルを処理するにあたり、その走行距離を考えると有効レチクル幅の1〜2倍程度である。これに対して、走査軸テーブルは、例えば(極端な例であるが、)直線パターンを線幅0.1μmで間隔0.1μmで描画しようとすれば(有効レチクル幅/(0.1μm×2))×有効レチクル幅程度となる。
例えば、有効レチクル幅=130mmとすれば、ステップ軸テーブルの走行距離=130〜260mm、走査軸テーブルの走行距離=84,500,000mm=84.5kmである。その差は、325,000倍である。この試算上では、走行距離の99.999%が走査軸テーブルの移動距離である。比較にならない程の差である。従って、走査軸ステージ用の駆動機構並びに直動案内機構は、処理空間外であることが、処理空間の清浄度維持に重要である。そのため、走査軸テーブル上にステップ軸ステージを載せる構造がよいのである。
言い換えれば、ステージ装置を搭載した電子ビーム露光機などのメンテナンスサイクルを飛躍的に伸ばすことができる。
【0021】
次に、なぜ走査軸ステージ(走査軸ステージのステータ部と可動テーブルとの間)に非接触真空シールを配置するかについて、その重要性について説明する。まず、基板処理中に移動する走査軸テーブルは、その性能として滑らかな(一定速度での)移動が最も重要である。このために、直動案内機構は、非接触機構とすることが望ましい。このために、静圧軸受の採用がもっとも望ましいことは周知の事実である。
しかし、この静圧軸受を基板処理空間に配置してしまうと、先に述べた二つの問題がある。一つは、ガス供給用の配管が必要であり、従って、可動要素すなわちテーブル側へのガス供給は、その配管が滑らかな移動を妨げてしまうことである。二つ目は、ガスの排出方法の問題である。過去に、基板処理空間にそのまま放出してしまい、大きな真空ポンプで排気する案もあったが、ウエハ処理空間の清浄度低下、真空度の低下が著しく、実用化していない。このために、ベローズ状の配管で排気配管を備える文献もあるが、結果的にその配管が滑らかな移動を妨げてしまう。
【0022】
従って、非接触な静圧軸受の特徴を十分に活かすには、静圧軸受機構を基板処理空間外に配置する他に無い。また、先の問題点から、ステップ軸(Y軸)ステージの上に載るタイプの走査軸(X軸)ステージには、直動案内機構を静圧軸受化するメリットは限りなく少ない。
十分に静圧軸受を活かす上で基板処理空間外に配置したとしてもその運動をウエハ処理空間内に伝達する必要がある。その連結構造物に、接触シール機構を採用しては、結局滑らかな移動を妨げることになり、ここに非接触シールを採用することは必要不可欠である。
【0023】
続いて、走査軸(Y軸)ステージの上に積載されるステップ軸(X軸)ステージは、その使用環境の特徴として、1)走行距離は少ない。2)ウエハ処理中は、停止している。3)下位の走査軸ステージの動きを妨げない構造が望ましい。などが挙げられる。
従って、配管などを不用としたいため、接触式の直動案内機構を採用し、駆動機構は微小位置決めの得意な方式を採用する。例えば、直動案内には、クロスローラガイド。駆動機構には、ダイレクト・リニア超音波モータが望ましい。個々の要素技術は、周知の事実であり、その性能も高精度化が進んでいる。
【0024】
直動案内に接触式を採用したために、その接触面には潤滑剤が必要であるが、その走行距離が比較的に少ない。先にも述べた通り、従来からの基板処理空間に全てのステージ機能を配置するステージ装置と比べると、全走行距離の99%以上である走査軸を基板処理空間外に配置している。また、ステップ軸ステージは基板処理中に動作停止していることから、実用上の問題にはならないほどの改善結果が得られる。
以上に述べた構造を採用することによって、将来性と実現性のあるステージ装置を提供することができる。
【0025】
続いて、以上に述べたステージ装置をより現実化するための3つの課題について以下に述べる。
(1)真空チャンバの固定方法
電子線を用いて、基板の加工や検査をするには、電子線を照射する空間を真空状態にする必要がある。そのため、真空チャンバを備える。しかし、真空チャンバの外表面には、大気圧が作用しており、チャンバ壁面に作用する圧力差によって、壁面は変形する。
この問題は、大きく2つの問題を生じさせる。
i)ステージ装置の初期調整を大気圧空間で行ったあと、実動作は真空中となるために、チャンバ壁面の変形に伴なうステージ装置の性能の劣化、
ii)大気圧の変動に伴なうステージ装置の性能の劣化、
(2)レーザ干渉計の固定方法
不用意に取付け基準面を選択すると、チャンバに作用する圧力変動によって、レーザ干渉計による変位検出の誤差が増大する。
(3)部材表面に付着する水分の影響
差動排気シールを介して大気と真空を連通する部材表面に吸着した水分によりチャンバ内の圧力が劣化する。
本発明では、前述の列挙事項を考慮し、ステージ装置の構成を前述のようにすることによって、上記のような諸問題を解決し、実用可能なステージ装置を提供する。
【0026】
【実施の形態】
以下図面を参照して本発明のステージ装置の実施形態について説明する。
図1ないし図3において、この実施形態によるステージ装置が全体を10で概略的に示されている。ステージ装置10は、剛性につくられたベースプレート11と、そのベースプレート11の上に配置された走査軸すなわちY軸ステージ20と、Y軸ステージ上に配置されたステップ軸すなわちX軸ステージ40と、Y軸ステージ20上に配置されたΘ軸ステージ50と、Y軸ステージ上に配置されていて、X軸ステージ40、Θステージ50を収容する処理空間である真空チャンバCを画成するハウジング60と、を備えていて、それらは図1ないし図3に示されるような位置関係に配置されている。
【0027】
図2ないし図4において、走査軸ステージすなわちY軸ステージ20は、ベース1の上面に固定された固定要素すなわちステータ部21と、ステータ部21に関してX軸方向(図1及び図2において左右方向)に直線移動可能に配置された複数(この実施形態では2個)の可動要素すなわち可動テーブル26とを備えている。ステータ部21は各可動テーブル毎に平行に設けられていて、各々が、ベースプレート11の上面111に固定された下側部分22と、上側部分23と、両部分の間に配置された複数の中間部分24とを備えている。下側部分22と上側部分23との間には直線状にのびて貫通する通路25が形成されている。各通路25には平板状の可動テーブル26が移動可能に配置されている。
【0028】
図1ないし図5において、Y軸ステージには角型の非接触シール装置31を内臓した静圧案内機構30が設けられている。この静圧案内機構30は、各ステータの通路25に対して設けられていて、可動テーブル26を無接触で移動可能に案内するようになっている。静圧案内機構30の非接触シール装置31は、ステータ21の下側部分22の上面221及び上側部分23の下面231の通路25に面する位置に形成された、内側から低圧溝32、中圧溝33及び高圧溝34と、逃がし溝35とを備えている。静圧案内機構30は、また、非接触シール装置に隣接して非接触の静圧軸受けを備えている。静圧軸受けは、通路の伸長方向に沿って一直線上に並べて形成された複数の開口(この実施形態では平面形状が円形)36を有している。低圧溝32、中圧溝33及び高圧溝34は、それぞれ、図4に部分的に示されるように、平面形状が陸上競技場のトラックのように直線部分及び曲線部分を有する周回するループ状になっていて、通路内において可動テーブル26の対向する面に向かって開口している。したがって、低圧溝、中圧溝、高圧溝及び逃がし溝は通路或いは可動テーブル26の長手方向中心軸線の両側で線対称に配置されている。逃がし溝は外側の高圧溝34と複数の開口36との間で一直線上に伸びている。低圧溝32、中圧溝33及び高圧溝34は下側部分22及び上側部分23に形成された通路321、331及び341をそれぞれ介して図示しない排気管に接続されるようになっている。また各開口36はそれぞれに対して下側部分22又は上側部分23に形成された通路361を介して図示しないガス供給管を介してガス供給源に接続されるようになっている。各開口36内には公知の構造の静圧軸受けパッド362が配置されている。
【0029】
中間部分24は下側部分及び上側部分と共に通路25を画成するようにステータの両側部に配置されていて、その内側面(図4において通路25側の面)241には、通路25に開口する複数の開口(この実施形態では平面形状が円形)37が中間部分の伸長方向したがって通路25の伸長方向に沿って形成されている。各開口37は、それぞれに対して中間部分24に形成された通路371を介して図示しないガス供給管を介してガス供給源に接続されるようになっている。各開口37内にも公知の構造の静圧軸受けパッド372が配置されている。各開口36、37及び静圧軸受けパッド362、372は前記静圧軸受けを構成している。
【0030】
上記のような構成の静圧案内機構31は、静圧軸受けパッド362を介して可動テーブル26の下面261及び上面262に向かってガスの静圧を作用させ、可動テーブル26をステータ21の下側部分の上面221からガス圧の力で浮き上がらせ、また可動テーブル26が上側部分23の下面231には接触しないようにしている。そしてステータ21の下側部分22及び上側部分23と可動テーブル26との隙間(5ないし10ミクロン)はほぼ一定に保たれている。一方、中央部分24に設けられた静圧軸受けパッド372からも可動テーブル26の側面263に向かってガスの静圧が作用し、側面と中央部分の内側面241とが接触しないようにその隙間を一定に保っている。静圧軸受けパッド362及び372を介して送り出されたガスは、それらの隙間を通して逃がし溝35に至り、その逃がし溝35を介して大気に逃がされる。また一部のガスは、高圧溝34、中圧溝33及び低圧溝32を介して排出される。本実施形態では、非接触シールの構造として、高圧溝34(高圧と言っても、大気圧以下の真空で、低真空を意味する)、中圧溝33(中真空)、低圧溝32(高真空)を備えており、これらの溝は、理想的には別々の真空ポンプに接続される。それぞれ、真空引きする圧力と流量が異なるからである。このような構成によって、圧力の高い順に静圧軸受パッド362>ガス逃がし溝35>高圧溝34>中圧溝33>低圧溝32>真空となる。これらの構造によって圧力隔壁でしきられた大気空間と真空との間に、非接触シール内臓の静圧案内ステージを実現可能にしている。
【0031】
各可動テーブル26の上面262には、図2に示されるように複数(この実施形態では2個)の支柱27が直立状態で固定されている。これらの支柱27は、ステータ21の上側部分23にY軸方向(図2において左右方向)に伸長させ形成されかつ通路25と外部とに貫通する長溝233及びステータの上に配置されていて、処理空間である真空チャンバCを画定するハウジング60の低壁61に形成された同じ形状の長溝611を通してチャンバC内に突出している。各可動テーブル26に取り付けられた支柱27の上端には、ステップ軸すなわちX軸ステージ40の固定要素すなわち固定プレート41が固定されている。
【0032】
上記Y軸ステージ20において、動作時、各可動テーブル26は静圧案内機構30の静圧軸受けパッド362、372の作用により通路25内でステータ21と無接触で移動可能に案内支持されている。また非接触シール装置31の作用により通路25を介して真空チャンバC内にガスが流入するのが防止されている。このような状態の下で、例えば、可動テーブルに接続された図示しないリニアモータのような駆動機構により可動テーブル26を直線移動させると、可動テーブル26及びその上に載せられたXステージ、Θステージは円滑に移動する。
【0033】
図6及び図7において、Y軸ステージの変形例が示されている。この変形例のY軸ステージ20aが、図2及び図3に示される構造と相違する点は、各可動テーブルの上に配置された2本の柱27を可動テーブル26a上で一体化して1個のブラケット27aとし、そのブラケット柱27aの内部に貫通穴271aを形成した点である。可動テーブル26aの内部にも新たに長手方向に伸びる穴264aが形成されている。穴271aは穴264aと連通し、穴264aは可動テーブル26aの端部まで続いている。この穴は、X軸ステージ40、Θ軸ステージ等のY軸ステージより上部にある機器に関わるケーブルや配管(エア配管、真空配管など)を通すようになっている。例えば、可動テーブル26aの端部では、真空と大気間をシールし且つケーブルや配管機能を維持する真空コネクタ265aを備えている。また、真空コネクタ265aに代えて、真空と大気間シールをX軸ステージの固定プレート41側に備えてもよく、ここでの特徴ある利点は、可動テーブル26aの中を配線・配管ダクト化している点である。
また、可動テーブル26aは、両端部に設けた連結バー266aを介して隣の可動テーブルと連結され、一体化されている。そして、連結バー266aにリニアモータ29aを連結している。このリニアモータは、ベース10側の固定部に永久磁石を含む静磁場磁気回路を備え、連結バー側の可動部に動磁場を発生させるコイルを配置してある。このコイルにはヨークは無く、一般にコアレスと呼ばれる形式である。その他の点では図1ないし図4に示された実施形態と同じであるから詳細な説明は省略する。
【0034】
図8及び図9において、ステップ軸すなわちX軸ステージ40とΘ軸ステージ50の詳細な構造が示されている。X軸ステージ40は、Y軸ステージ20の可動テーブル26の上の複数の支柱27に固定された固定テーブル41と、固定テーブルの上面411に設けられた一対の平行な直線状のLMガイドすなわちガイドレール42上に移動可能に配置された可動テーブル43と、可動テーブル用の駆動機構45とを備えている。固定テーブル41はX軸方向(図8で左右方向)に長く伸びが長方形になっており、可動テーブル43は略正方形になっている。可動テーブル43の上面431の直行する2辺上には後述するレーザ干渉式変位計のミラー71が取り付けられている。駆動機構45は、固定テーブル41のX軸方向に伸びる側部に一対の軸受け412により回転可能に支持されたボールねじ451と、可動テーブル43の対応する側部に取り付けられていてボールねじ451と螺合する公知の構造のボールナット452と、ボールねじ451を回転させる非磁性の超音波モータ453とを備えている。
【0035】
Θ軸ステージ50は、X軸ステージ40の可動テーブル43の上面431上に鉛直軸O−Oを中心として回動自在に配置された円板状の回動テーブル51と、回動テーブルの回転を案内するガイド装置52と、回動テーブル51を保持する保持装置53と、回動テーブルを回動させる駆動機構54とを備えている。ガイド装置52は、可動テーブル43の上面431に形成された円形(軸線O−Oを中心とする)のガイド溝521と、回動テーブル51の下面512に形成された対応するガイド溝522と、両ガイド溝内で転動する複数のセラミックボール523及びそのリテーナ(図示せず)で構成されている。ガイド溝521及び522は断面形状がV形又は逆V形になっている。セラミックボール523及びリテーナから成るセットは3セットあり、円形のガイド溝の円周方向に120度間隔で配置されている。これらのガイド装置の構造自体は公知の構造のものでよいので、詳細な説明は省略する。保持装置53は可動テーブル43の上面431に上記セットに対応して配置されたアーム部材531と、このアーム部材531に回転自在に取り付けられ外周面が回動テーブル51の上面511と係合する押さえローラ532とを備えている。回動機構54は、雄及び雌のラップねじからなるリードねじ送り装置541と、そのリードねじ送り装置541の雄ねじを回転させる非磁性の超音波モータ542とを備え、回動テーブル51の外周に取り付けられた突起状のバー543を押すことで+(プラス)の回動送り量を与え、−(マイナス)の回動送り量はコイルばね544によって与えるようになっている。
回動テーブル51の上に、ウエハ等の基板を積載するためのウエハチャックやそのウエハをロボットハンドで搬入搬出するためにウエハをチャック面からわずかに上げるウエハプッシャなどを備えるが、本願の発明の要旨から外れる内容であるので、ここでは省略する。
【0036】
次に、以上で述べたステージ装置をより現実化するための三つのポイントについて以下に述べる。
1.真空チャンバの固定方法
電子線を用いて、基板の加工や検査等の処理を行うには、電子線を照射する空間を真空状態にする必要がある。そのため、前述のように真空チャンバCを画成するハウジング60を備える。しかし、ハウジングの外壁面には、大気圧が作用しており、ハウジングの内、外壁面に作用する圧力差によって、壁が変形する問題がある。
この問題は、前記(1)i)及びii)において既に説明したような二つの大きな問題を生じさせる。そこでハウジングの壁の変形について図10を参照して説明する。
【0037】
図10[A]において、説明を簡素化するために、チャンバを画成するハウジング60の下半分について、実線図示のコの字状の形状の部材100が変形する場合について説明する。部材100の内外に作用する力が同じの場合には、部材100の底壁101、左右(図10において)の側壁102は、実線図示のように、平坦の状態を保っている。しかしながら底壁101及び側壁102の外側表面全体に均一の力を作用させた場合、底壁及び左右側壁は、破線のように変形する(なお、実際には変形は肉眼で見た場合わずかであるが、説明のために誇張して描かれている)。
例えば、0.1MPaの差圧が1m2の面積に等分布荷重として作用すると、作用力の合計は10tonになる。厚さ50mmの1m×lmの鋼板であれば、約0.2mmの最大たわみを発生する。しかし、図10より明らかなように、部材100の隅部すなわち底壁と側壁との接合部は変形が極めて少ないことがわかる。したがって、立体形の箱状につくられたハウジング60について考えた場合でも、ハウジングの壁の変形の少ない部分は隅部であることは容易に理解できる。そこで、ベースプレート11へのハウジングの固定位置を隅部にすることで、ハウジングの変形に伴なう取付け基準面であるベースへの影響を限りなく少なくできる。
【0038】
このため、ベースプレート11に対するハウジング60の固定方法は、図2及び3に示されるように、ハウジング60の底壁61の四隅に対応するベースプレート11の上面111上に設置台112を配設固定し、その設置台112上にハウジングを載せている。そしてハウジングの四方の側壁62と設置台112とを連結板113及びボルト(図示せず)により固定するようにしている。
この場合、図10[B]で示される様に変形するハウジング60の底壁にY軸ステージ20のステータ部21をリジットに固定した場合を想像する。例えばボルト締結した場合である。チャンバC内を真空に引くと、ハウジング60の底壁61は破線のように変形しようとする。そのため、ボルト締結されたステータ21はハウジングの底壁に引っ張られる。すなわち、Y軸ステージのステータ21を固定した基準面であるベースプレート11の上面すなわちベース面111をも引っ張ることになり、従って、ベース面の平面度を極端に損なうことになる。
そこで、この問題を回避するために、Y軸ステージのステータ21とハウジング60の底壁61との連結はリジット結合せずに、隙間をあける構造とする。このようにすると、底壁61とステータ21の上側部分23との間の隙間から長溝611を介してチャンバ内に空気が流入する恐れがあるため、これを防止する目的で、底壁61の下面612と上側部分23の上面との間には長溝を周回するシール装置が設けられる。
【0039】
図11にはハウジング60の底壁61とステータ21の上側部分23との間の隙間を密封するシール装置65の実施例が3つ挙げられている。図11[A]に示されるシール装置65はいわゆるOリングシール651を使用した例である。Oリングシール651は比較的太目を選択する。その根拠は、シール性能の維持の観点より、チャンバとスライダステータ面との隙間の変動を考慮し、最大隙間の場合には、Oリングシールのつぶし代が15〜20%程度確保でき、最小隙間の時には、Oリングシールのつぶし代を20〜25%程度確保できるようにOリングの太さを選定する。この場合、底壁61の下面612及び上側部分23の上面231にOリングシール651を収容する浅い溝を設けてOリングシールの位置決めし易くしてもよい。図11[B]に示されるシール装置65aは、ベローズ型のシール部材651aを使用する例である。このベローズ型シール部材651aは筒状になっていて、一端が底壁61に密閉して固定され、他端が上側部材に密閉して固定される。図11[C]に示されるシール装置65bは、ダイヤフラム型のシール部材651bを使用する例である。コスト的には、Oリングタイプが比較的優位である。しかし、寿命の面では、チャンバの大気開放頻度が少ないのであれば、ベロ一夕イプが優位といえる。
【0040】
2.レーザ干渉計の固定方法
次に、ステージ装置の可動テーブル(X軸及びY軸方向に変位可能な可動テーブルであって、X軸ステージがY軸ステージの上にある場合はX軸ステージの可動テーブルで、その逆の場合はY軸ステージの可動テーブル)の位置を高分解能でかつ長いストロークを検出できるレーザ干渉計の固定方法について述べる。図12には代表的な可動テーブルのX軸とY軸の変位量を検出する構成例を示す。
効果的な説明のため、簡略化した構成機器を示している。四角い真空チャンバCの内部には、ステージの最上位可動テーブルaがある。可動テーブルaのX軸方向とY軸方向の変位を測定し、位置制御するために、可動テーブルaの上には、レーザ干渉式変位計70用のミラー71が設けられている。ここでは、L型のバーミラー例を示す。なお、レーザ干渉式変位計70を構成する各要素はここの一般的な説明でもまた本発明の実施形態でも同じであるから同じ参照番号で説明する。ミラー71に相対するように、真空チャンバを画成するハウジングbの側壁cの内面近くに干渉計72が設けられ、このミラー71と干渉計72との相対変位を検出する。
【0041】
そのために、ハウジングb外には、レーザ光源73を設け、そこから発射したレーザビームは、窓dを通してチャンバC内に導入され、ビームスプリッタ74で2方向に分岐され、分岐されたレーザービームは、それぞれ、干渉計72に入射され、干渉計内で更に2つに分岐される。干渉計内で分岐されたレーザビームの1方は、ミラー71へと向かい、ミラーに反射されたレーザービームは再び干渉計72に戻る。この時、干渉計内では、先に内部で分岐されたもう一方のレーザビームがあり、このレーザビームと反射されて戻ってきたレーザビームとがミックスされ、ミックスされたレーザビームをレシーバ75で受光する。レシーバ75で受光したレーザビームを信号処理回路で処理し、物理量であるX軸方向やY軸方向の変位量の相当信号を出力する。これが、レーザ干渉式変位計である。
言うまでもなく重要な位置関係を1つ挙げるとすれば、干渉計72とミラー71の位置関係である。このため、干渉計72の固定方法(構造)が適切でないと、検出した変位量相当信号には、測定する可動テーブルの変位と干渉計の変位とが含まれることになる。
【0042】
図13においてレーザ干渉式変位計の上記要素の従来の固定例が示されている。干渉計72は、通常、台座fによって、ハウジングの底壁の上面に配設固定されているか、或いは、図示していないハウジングの上壁に台座を釣り下げるようにして干渉計を取付けることがある。
しかしながら、先に説明したように、ハウジングの壁は、そこに作用する圧力によって変形し、大気圧の変化も影響して、逐次その変形量は変化しているといってよい。従って、図13に示されるような干渉計の固定方式は好ましくない。
【0043】
本発明においてはこのような問題を以下に説明するような手段で解決している。
図14は、ハウジングのの最も変形しない面を基準面として干渉計を固定する実施例を示す。前述のように、ハウジング60は変形の最も少ないその四隅でベースプレート11に固定されている。そこで、チャンバC内には底壁でもっとも変形の少ない四隅を基準にした3点支持のL型台座76(L型の両端及び直角に曲がっている部分で支持)を設け、その上に本発明のステージ装置に設けられるレーザ干渉式変位計70の干渉計71を配置する構造になっている。そして、ビームスプリッタ72も台座76上に配置できるので、お互いの高さ合わせも容易である。このように、チャンバの変形がもっとも少ない場所を基準面として干渉計の構成要素を取り付ける構造を採用している。なおL型台座の構造は、図の例に限定するものではなく、同じ効果を奏し得る物ならなんでもよい。
【0044】
図15には、ベースプレート11の上面111を基準面として干渉計を固定する実施例を示す。干渉計72は、台座76a上に配置され、台座76aは、ハウジング60の底壁61に形成された貫通穴614を通して伸びる支柱部分761aを有し、その支柱部分の下端はベースプレート11の上面111に固定されている。ハウジングの底壁61と、その底壁の貫通穴614を通して伸びるロッド上の台座76aの支柱部分との管の隙間を密閉するためにシール装置チャンバ底板の貫通穴と台座貫通部材との間には、シール装置が設けられている。
【0045】
図16において、隙間を密閉するシール装置66の幾つかの実施例が示されている。図16[A]は、シール装置66がOリングシール661で構成された例である。このOリングシール661の太さの選定は、前記シール装置65のOリングシールの場合と同じである。台座76aにはフランジ部762aが形成され、そのフランジ部とハウジング60の底壁61とは、隙間を隔てて配置され、その隙間をOリングシール661でシールしている。図16[B]は、シール装置66aが弾性シール部材として筒上のべローズ661aを採用した実施例であり、その一端は底壁の下端に密閉して固定され、他端はベースに密閉して固定されている。また、図16[C]は、シール装置66bが弾性シール部材としてダイアフラム661bを採用した実施例であり、そのダイアフラムの内周は台座に密閉して固定され、外周は底壁に密閉して固定されている。更に、図16[D]は、シール装置66cが、Oリングシール661cで構成されている実施例であり、ここでは二つのOリングシールが貫通穴内に配置され、その外周側が底壁側の部材に密封係合し、内周側が台座の支柱部分の外周と密封係合する。ハウジングの底壁の変形が略上下方向成分のみと近似できる場合には、摺動性の良好なOリングを選定することで、むやみに太いOリングを採用せずともシール機能を達成できる。滑りやすいOリングとしては、例えば、NTN社製のベアリー商品カタログ「CAT.No.5100に掲載された「すべるOリング」などが効果的である。
【0046】
3.可動テーブル表面の水分吸着防止
続いて、走査軸すなわちY軸ステージ20に静圧軸受けと差動排気シールを設けるにあたり、実用的に留意すべき課題とその解決方法について述べる。
図17を参照しながら説明する。Y軸ステージ20のステータ部21とその中を貫通する可動テーブル26を備え、可動テーブル26は、既に説明したように、静圧軸受けを有する静圧案内機構30によってガイドされ、真空チャンバC内の真空と静圧軸受けなどがある大気空間との間に差動排気シールすなわち非接触シール装置31を備える。差動排気用の配管はステータ部21側に接続される。このようにして可動テーブル26は、図示しない駆動源を大気空間に配置して、走査方向すなわちY軸方向に駆動される。
【0047】
そして、可動テーブル26が図17で実線で示された状態(これを初期状態とする)にあるとすると、可動テーブルの左側の部分の表面は、クリーン大気に露出している。次に右方向に移動させ破線の位置まで移動させると、はじめに大気に露出していた可動テーブルの表面の一部が、移動の結果、真空中に露出することになる。
実験によると、移動するサイクルに同期して、チャンバC内の圧力の劣化が確認できた。そのこで、装置全体を3種類のガス空間の場合について、チャンバ圧力変化の傾向を測定した。
▲1▼工業用窒素ガス(純度99.9999%)=非常に乾いたガス
▲2▼ドライエアー(静圧軸受け用に、圧縮空気をさらにドライヤで乾燥した空気)
▲3▼通常のクリーンな大気(湿度50%ぐらいの空気9
結果、圧力変動の傾向は、▲3▼>>▲2▼>▲1▼=0であった。▲2▼は▲3▼の10分の1ぐらいに改善された。この結果より、圧力変動の主原因は大気の湿度、すなわち水分であるといえる。
単純に、装置に外側全体を非常に乾燥したガスで覆うことも対策である。しかし、非常に良好な平面度の定盤面を実現するには、一般には、石定盤を採用する。天然の石を使うので、精度維持のためには、湿度管理が必要であり、通常は湿度50%前後が望ましい。
【0048】
そこで、できるだけ大掛かりでなく、簡便に問題を解決する実施例が図18に示されている。可動テーブル26の表面に付着する水分を低減するために、防湿板29がステータ部21の通路25の開口部周囲を囲むようにして端面に配置固定されている。図18[A]は、可動テーブル26が左側に寄って停止している状態を示す。防湿板29は上下に分割した構造や可動テーブル26の周囲を囲むように(貫通する角穴を備えた)一体構造でも良い。
図18[A]では、可動テーブル26の左側端のハッチング部分は、クリーンな大気に露出しているが、右方向に移動すると、図18[B]に示されるように、クリーンな大気に露出していた(ハッチングした)可動テーブル表面は、真空側に露出しなくなる。
【0049】
図18[C]に防湿板29の機能を説明する図を示す。防湿板29は、ステータ部に配置されるが、そのステータ部内には、静圧軸受けが配置されている。この静圧軸受けには、先の実験で用いた▲2▼ドライエアーが供給されている。また、そのドライエアーは通路の開口部に近接して配置された静圧軸受けの静圧軸受けパッド部を介してドライエアを通路内に吹き出すようになっている。このドライエアは通路を通って大気側へ排出しなければならない。従って、防湿板29の近くには、既に乾いたガスが供給されている。この乾いたガスの排出路を防湿板29で可動テーブル26の表面に沿わせることで、1石2鳥の効用を得られる。
また、効率の良い静圧軸受けのために、排出されるドライエアの流量が少なく、可動テーブル表面の十分な防湿効果が得られない場合には、図18[D]に示されるように、防湿板29の直近に乾燥したガスを供給するシャワーノズル29’を設けると良い。
【0050】
次に、スキャン軸の駆動源として、別の実施例を図19に示す。スキャン軸の駆動性能で最も重要な性能は、定速度安定性である。さらに、位置精度の安定性には、駆動源からの発熱を抑制する必要がある。さらに、制御の応答性向上のためには、大きな推力を必要とする。これら3つの要求を達成する駆動源として、油圧シリンダー29bが最適である。 油圧シリンダ29bは、作動流体が液体であるから、非圧縮性流体であり、制御しやすい特性でもある。また、油圧シリンダのシリンダ自身を作動流体でガイドすることで、より高精度の位置決めや速度安定性を獲得することができる。
詳しくは、例えば文献:H. J. J. Kraakman et. al. 「A Precision lathe with hydrostatic bearings and drive 」、 PHILIPS TECHNICAL REVIEW, Vol. 30, No. 5, 1969年を参考にするとよい。
【0051】
上記ステージ装置10において、処理されるべき基板はΘ軸ステージ50の回動テーブル51上に設けられた図示しない保持装置により保持される。そして図3に示される荷電ビーム装置80から荷電ビームが照射されて基板処理が行われる。この処理を開始する前に、基板を荷電ビーム装置に対して位置決めする場合には、Y軸ステージ、X軸ステージ及びΘ軸ステージを前述のように動作させて行う。また、処理の途中で基板を荷電ビーム装置に対して一定距離ステップ移動させる時には、X軸ステージ40の可動テーブル41を移動させて行う。更に基板を連続的に移動させながら処理を行う場合には、Y軸ステージの一対の可動テーブル26を連続移動させながら行う。
【0052】
次に図20において、荷電ビーム装置80の一例を説明する。荷電ビーム装置80は、荷電ビームを放出する電子銃81と、電子銃から放出された荷電ビームをステージ装置上に載置された基板Wに照射する一次光学系82と、試料から放出された二次電子が投入される二次光学系83と、検出器84とを備えている。一次光学系82は、電子銃81から放出された荷電ビームを集束する2段の静電レンズからなるレンズ系821、822と、偏向器823と、荷電ビームをその光軸が対象の面に垂直になるように偏向するウイーンフィルタすなわちE×B分離器824と、2段の静電レンズからなるレンズ系825、826と、を備え、それらは、図1に示されるように電子銃81を最上部にして順に、荷電ビームの光軸が試料Sの表面(試料面)に鉛直な線に対して傾斜して配置されている。
二次光学系83は基板Wから放出された二次電子が投入される光学系で、一次光学系のE×B型分離器824の上側に配置された2段の静電レンズからなるレンズ系831、832を備えている。検出器84は、二次光学系83を介して送られた二次電子を検出する。
【0053】
電子銃81から放出された荷電ビームは、電子銃の正方形開口で整形され、2段のレンズ系821及び822によって縮小され、偏光器823で光軸を調整されてE×B分離器824の偏向中心面に一辺が1.25mmの正方形に結像される。E×B分離器824は、試料の法線に垂直な平面内において、電界と磁界とを直交させた構造となっており、電界、磁界、電子のエネルギの関係が一定の条件を満たす時には電子を直進させ、それ以外の時にはこれら電界、磁界及び電界のエネルギの相互の関係により所定方向に偏向されるようになっている。電子銃からの荷電ビームを試料Sに垂直に入射させ、また試料から放出された二次電子を検出器84の方向に直進させるように設定されている。E×B分離器で偏向された成形ビームはレンズ系67、68で1/5に縮小されて基板に照射される。基板Wから放出されたパターン画像の情報を持った二次電子はレンズ系826、825及び831、832で拡大され、検出器84で二次電子画像を形成する。この4段の拡大レンズは、レンズ系825及び826が対称タブレットレンズを形成し、レンズ系831及び832もやはり対称タブレットレンズを形成しているので無歪みレンズとなっている。
【0054】
次に図21及び図22を参照して本発明による半導体デバイスの製造方法の実施例を説明する。
図21は、本発明による半導体デバイスの製造方法の一実施例を示すフローチャートである。この実施例の製造工程は以下の主工程を含んでいる。
(1)ウエハを製造するウエハ製造工程(又はウエハを準備するウエハ準備工程)
(2)露光に使用するマスクを製造するマスク製造工程(又はマスクを準備するマスク準備工程)
(3)ウエハに必要な加工処理を行うウエハプロセッシング工程
(4)ウエハ上に形成されたチップを1個ずつ切り出し、動作可能にならしめるチップ組立工程
(5)できたチップを検査するチップ検査工程
なお、上記のそれぞれの主工程は更に幾つかのサブ工程からなっている。
【0055】
これらの主工程中の中で、半導体デバイスの性能に決定的な影響を及ぼすのが(3)のウエハプロセッシング工程である。この工程では、設計された回路パターンをウエハ上に順次積層し、メモリやMPUとして動作するチップを多数形成する。このウエハプロセッシング工程は以下の各工程を含んでいる。
(A)絶縁層となる誘電体薄膜や配線部、或いは電極部を形成する金属薄膜等を形成する薄膜形成工程(CVDやスパッタリング等を用いる)
(B)この薄膜層やウエハ基板を酸化する酸化工程
(C)薄膜層やウエハ基板等を選択的に加工するためにマスク(レチクル)を用いてレジストパターンを形成するリソグラフィー工程
(D)レジストパターンに従って薄膜層や基板を加工するエッチング工程(例えばドライエッチング技術を用いる)
(E)イオン・不純物注入拡散工程
(F)レジスト剥離工程
(G)更に、加工されたウエハを検査する工程
なお、ウエハプロセッシング工程は必要な層数だけ繰り返し行い、設計通り動作する半導体デバイスを製造する。
【0056】
図22は、図21のウエハプロセッシング工程の中核をなすリソグラフィー工程を示すフローチャートである。このリソグラフィー工程は以下の各工程を含む。
(a)前段の工程で回路パターンが形成されたウエハ上にレジストをコートするレジスト塗布工程
(b)レジストを露光する露光工程
(c)露光されたレジストを現像してレジストのパターンを得る現像工程
(d)現像されたレジストパターンを安定化するためのアニール工程
上記の半導体デバイス製造工程、ウエハプロセッシング工程、リソグラフィー工程については、周知のものでありこれ以上の説明を要しないであろう。
上記(G)の検査工程又は上記(c)の露光工程に、本発明に係る欠陥検査装置及び欠陥検査方法、露光装置及び露光方法を用いると、微細なパターンを高精度で安定して検査又は露光ができるので、製品の歩留まりの向上、欠陥製品の出荷防止が可能と成る。
【効果】
従来のステージ装置を基板処理空間に配置した半導体製造装置に比べて、本願のステージ装置を用いれば、以下の効果が得られる。
(イ)走査軸の滑らかな移動性能を達成できる。
(ロ)基板1枚処理あたりのステージ走行距離の99%以上を基板処理空間外とできるため、処理空間の清浄度維持を向上でき、直動案内機構の寿命も伸び、メンテナンスサイクルを飛躍的に伸ばすことができる。
(ハ)今後の超LSIなど、微細、かつ、高精度なパターンを必要とする場合、光の波長による制限があって所要のパターニングを得られない。これを打破する一つの方法として、光の代わりに電子ビームを使用する方法がある。この電子ビームを用いた、露光、描画、検査装置に不可欠なステージ装置を提供できる。
更に、より現実的な課題に対して、
(ニ)チャンバに作用する差圧変動に起因するステージ基準面の変形を防止できる。
(ホ)チャンバに作用する差圧変動に起因する変位測定誤差を改善できる。
(ヘ)スキャン軸ストロークによる圧力変動を改善できる。
(ト)スキャン軸の駆動を油圧シリンダ化することによって、低発熱、高応答性、高速度安定性を両立でき、より高精度なステージ装置とできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のステージ装置の一実施形態を示す平面図である。
【図2】図1の線A−Aに沿って見た断面図である。
【図3】図1の線B−Bに沿って見た断面図である。
【図4】図2に示されるY軸ステージに組み込まれた静圧案内機構を示す拡大断面図である。
【図5】図4の線D−Dに沿って見た図である。
【図6】Y軸ステージの変形例を示す側面図である。
【図7】図6のY軸ステージの断面図であって、図2と同様の断面で示す図である。
【図8】X軸ステージの拡大平面図である。
【図9】図8に示されたX軸ステージの側面図である。
【図10】[A]ハウジングの変形を説明する図で、[B]はその変形に対する対策を説明する図である。
【図11】Y軸ステージとハウジングとの間に設けるシール装置を説明する図である。
【図12】レーザ干渉型変位計とステージ装置との関係を説明する図である。
【図13】従来のレーザ干渉型変位計の構成要素の取り付け方法を説明する図である。
【図14】本発明のレーザ干渉型変位計の構成要素の支持方法を説明する図である。
【図15】本発明のレーザ干渉型変位計の構成要素の支持方法の変形例を説明する図である。
【図16】レーザ干渉型変位計の干渉計用の台座とハウジングとの隙間をシールするシール装置の説明図である。
【図17】Y軸ステージの可動テーブルの直線移動に伴なう真空チャンバ内の圧力変動に関する説明図である
【図18】Y軸ステージの可動テーブルの直線移動に伴なう真空チャンバ内の圧力変動に対する改善策の説明図である。
【図19】Y軸ステージの可動テーブル用の駆動機構の変形例を示す図である。
【図20】本発明のステージ装置と共に基板の処理に使用される荷電ビーム装置の概略構成図である。
【図21】本発明による半導体デバイスの製造方法の一実施例を示すフローチャートである。
【図22】図21のウエハプロセッシング工程の中核をなすリソグラフィー工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 ステージ装置 11 ベーステーブル
20 Y軸ステージ 21 ステータ部
22 可動テーブル 30 静圧案内機構
40 X軸ステージ 41 固定プレート
43 可動テーブル 45 駆動機構
50 Θ軸ステージ 51 回動テーブル
60 ハウジング 61 底壁
65、65a、65b シール装置
66、66a、66b、66c シール装置
70 レーザ干渉型変位計 76,76a 台座

Claims (6)

  1. 半導体製造装置用のステージ装置であって、固定要素及び可動要素を備えていて前記可動要素がY軸に沿って移動するY軸ステージと、固定要素及び可動要素を備えていて前記可動要素がX軸に沿って移動するX軸ステージとを備えるステージ装置において、
    前記Y軸ステージの可動要素側に前記X軸ステージの固定要素を配置し、
    前記Y軸を走査軸とし、前記X軸をステップ軸とし、
    前記Y軸ステージの固定要素と可動要素との間に非接触シール装置を備え、
    少なくとも前記X軸ステージを収容し、外壁面には大気圧が作用し、かつ、内部に真空チャンバを画成する箱状のハウジングを備え、
    設置台が前記ハウジングの底壁の四隅に対応して配設されることによって前記ハウジングがベースプレートに固定され
    前記Y軸ステージの前記固定要素を前記ベースプレート上に設置し、
    前記Y軸ステージは前記ハウジング外に配置され、
    ステージ装置の前記ベースプレートと反対側に、少なくとも電子線又は荷電粒子線を照射する照射装置を備えることを特徴とするステージ装置。
  2. 請求項1に記載のステージ装置において、前記Y軸ステージの前記可動要素を移動可能に案内する前記固定要素には静圧軸受を設け、前記静圧軸受の軸受面と同一面上に、前記非接触シール装置を設け、前記非接触シール装置を備えた前記可動要素の案内部の断面形状を角型としたことを特徴とするステージ装置。
  3. 請求項1または2に記載のステージ装置において、前記Xステージの可動要素の位置を検出するレーザ干渉式変位計を備え、
    前記レーザ干渉式変位計が配置される台座を備え、
    前記台座は前記ハウジングの隅部で支持されていることを特徴とするステージ装置。
  4. 請求項1または2に記載のステージ装置において、前記Xステージの可動要素の位置を検出するレーザ干渉式変位計を備え、レーザ干渉式変位計の干渉計の固定基準面をチャンバ外の前記ベースプレートの表面とし、前記干渉計の固定用台座は前記ハウジングの底壁を貫通し、貫通した底壁と前記台座との隙間にはシール装置を備えたことを特徴とするステージ装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載のステージ装置において、前記Y軸ステージはステータ部とその中を貫通する可動テーブルとを備え、
    前記ステータ部に、前記可動テーブルの表面に水分が付着するのを防止する防湿板を備えたことを特徴とするステージ装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載のステージ装置において、前記Y軸ステージの可動要素の表面に水分が付着するのを防止するための乾燥ガス供給シャワーノズルを備えたことを特徴とするステージ装置。
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