JP4306940B2 - 光学シート製造用円筒形状型の洗浄方法 - Google Patents

光学シート製造用円筒形状型の洗浄方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置等において照明用面光源素子として使用されるバックライト等に使用されるプリズムシート、拡散シート及びプロジェクションテレビやマイクロフィルムリーダー等の表示画面として用いられる投写スクリーンに使用されるレンチキュラーレンズシート等の光学シートの製造の技術分野に属するものであり、更に詳しくは活性エネルギー線硬化樹脂による凹凸部を有する長尺光学シートを連続して製造する際に使用される円筒形状型を洗浄する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、カラー液晶表示装置を備えた携帯用ノートパソコンや、携帯用液晶テレビあるいはビデオ一体型液晶テレビなどにおいては、液晶表示装置の消費電力が大きいことがバッテリーによる駆動時間を伸ばすための障害になっている。中でも、液晶表示装置に使われているバックライトの消費電力の装置全体の消費電力に占める割合は大きく、このバックライト消費電力をできる限り低く抑えることがバッテリーによる装置の駆動時間を伸ばし、上記製品の実用価値を高める上で重要な課題とされている。しかし、バックライトの消費電力を抑えることによって、バックライトの輝度を低下させたのでは液晶表示が見難くなり好ましくない。そこで、実開平3−69184号公報等では、バックライトの光学的な効率を改善することにより、バックライトの輝度を犠牲にすることなく消費電力を抑えるために、表面にプリズム列等のレンズ単位を多数形成したレンズシートを、導光体の出射面側に載置したバックライトが提案されている。
【0003】
このようなレンズシートとしては、特開平5−196808号公報や特開平6−59129号公報等で提案されているように、レンズパターンの精確な転写性や生産性等の観点から、紫外線硬化性組成物等の活性エネルギー線硬化性組成物を用いてレンズ部を形成したものが使用されてきている。例えば、透明樹脂フィルムや透明樹脂シート等の透光性基材上に活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物からなるレンズ部が一体に形成されている。
【0004】
一方、プロジェクションテレビやマイクロフィルムリーダー等の投写スクリーンにおいては、良好な画像を得るために、両面にレンチキュラーレンズを形成したレンチキュラーレンズシートが使用されている。従来、このようなレンチキュラーレンズシートは、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、スチレン樹脂等の透明樹脂材料を射出成形あるいは押出成形する方法や、樹脂板にレンズ型を当接させ加熱加圧することによりレンズ型のレンチキュラーレンズ転写パターンを樹脂板の表面に転写する押圧成形する方法等が知られている。
【0005】
しかしながら、射出成形法では、大きなサイズのレンチキュラーレンズシートの成形は難しく、比較的小さなサイズのレンチキュラーレンズシートしか成形できない。また、押圧成形法では、樹脂板およびレンズ型の加熱冷却サイクルに長時間を要するため、レンチキュラーレンズシートの大量生産を行うためには多数のレンズ型が必要となり、大型のレンチキュラーレンズシートを製造するためには生産装置に莫大な費用がかかる。
【0006】
これに対して、活性エネルギー線硬化性組成物を板状のレンズ型内に注入した後、活性エネルギー線を照射して該組成物を硬化、賦型させる方法等が提案されているが、活性エネルギー線硬化性組成物を用いる方法は、成形時間を短縮でき生産性を向上させることができるものの、レンズ型内へ組成物を注入する際に泡等の巻き込み等の問題点を有しており、これを解決するためには、別途、組成物の脱泡処理を行ったり、組成物をゆっくりと注入する等の方法を採用する必要があり、大量生産のためには未だ十分なものではなかった。特に、レンズ型の転写パターン形状によっては、その溝部に気泡が閉じこめられるために、気泡が発生し易く、一旦発生した気泡は容易に除去することができず、気泡によるレンズ欠陥をまねくという問題点を有していた。
【0007】
このような気泡の発生を防止する方法として、特開平1−192529号公報に記載されているように、紫外線硬化性組成物をレンズ型に組成物溜まりを形成するように供給した後、組成物溜まりにベースフィルムを載せてそのベースフィルムを介して加圧ロールで組成物をレンズ型上に均しながらベースフィルムを積層し、紫外線を照射して硬化、賦型させ脱型する方法が提案されている。
【0008】
また、画像の高精細度化への要求が高まってきており、この要求に応えるべくレンチキュラーレンズのファインピッチ化へ対応するため、特開平1−159627号公報や特開平3−64701号公報等では、紫外線硬化性組成物を用い円筒状レンズ型を用いて透光性基材の両面にレンチキュラーレンズを連続的に形成する方法が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように紫外線硬化性組成物を用いて微細な凹凸形状の凹凸部を有する光学シートを連続して長尺状に形成する際には、円筒状型を回転させながら、該円筒状型の外周面に沿ってその回転の向きに透光性基材を同一の速度で走行させ、該透光性基材と円筒状型との間に紫外線硬化性組成物を供給し、該組成物の層に対して透光性基材を介して紫外線を照射することで組成物を重合硬化させ、紫外線硬化樹脂からなる凹凸部となした上で、円筒状型からの離型を行う。
【0010】
以上のような紫外線硬化樹脂からなる光学シートの製造のための円筒形状型は、微細凹凸形状の転写パターンの形成された外周面が金属からなるものが一般的である。このような型を長期にわたって継続使用すると、型の表面性状が不均一になってシート離型の際の付着力が部分的に異なるようになり、該型の表面に硬化または半硬化の樹脂または硬化性組成物が付着しやすくなることがある。このような樹脂の型表面への付着が顕著になると、形成される光学シートの凹凸部の表面形状が損なわれ、所要の光学性能が得られなくなることがある。
【0011】
特に、近年、表示画面の一層の大型化が要求され、表示される画像の質の一層の向上が要求されている。このために、光学シートの表面に形成される微細凹凸部としてピッチの小さい繰り返しパターンのものが要求されており、そのための微細な表面構造は表面性状不均一が発生しやすくなり、光学シート製造の歩留の向上がますます困難になる。従って、型の表面状態を適時良好なものに回復させることは長尺光学シート製造の歩留を向上させ更に光学シートの品質を向上させる上で極めて重要なことである。
【0012】
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたもので、紫外線硬化性組成物などの活性エネルギー線硬化性組成物を用い円筒状型を用いて透光性基材の少なくとも一方の面に活性エネルギー線硬化樹脂からなる微細凹凸部を有する長尺光学シートを製造する際に、良好な品質の光学シートを長期にわたって製造すべく、円筒形状型の表面状態を良好なものに回復させることを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、以上の如き目的を達成するもとして、
表面に微細凹凸形状が形成された外周面を持つ円筒形状型の前記外周面と透光性基材の一方の面との間に活性エネルギー線硬化性組成物を供給して前記型と前記透光性基材との間に組成物層を形成し、前記透光性基材を通して活性エネルギー線を照射して前記組成物層を硬化し賦形して前記微細凹凸形状に対応する形状を持ち活性エネルギー線硬化樹脂からなる凹凸部を形成し、該凹凸部及び前記透光性基材を一体として前記型から離型することにより、表面に前記凹凸部を備えた光学シートを連続して製造するのに利用される前記円筒形状型を洗浄する方法であって、
前記型を、純水と、純水1リットルに対しアルキルエーテルカルボン酸塩1〜10g、ノニオン系界面活性剤0.5〜5g及びエチレンジアミン四酢酸塩0.001〜0.01gとを含んでなる洗浄剤で洗浄することを特徴とする、光学シート製造用円筒形状型の洗浄方法、
が提供される。
【0014】
本発明の一態様においては、前記円筒形状型は、前記微細凹凸形状がプリズムやレンチキュラーレンズ等のレンズ単位の繰り返し配列に対応する形状であるレンズ型である。
【0015】
本発明の一態様においては、前記ノニオン系界面活性剤はポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルである。
【0016】
本発明の一態様においては、前記型を前記洗浄剤中に浸漬し及び/または洗浄剤を掛け流す第1の洗浄剤処理工程と、
該第1の洗浄剤処理工程の後に、前記型に対してメタノールを掛け流すメタノール処理工程と、
該メタノール処理工程の後に、前記型を前記洗浄剤中に浸漬し及び/または洗浄剤を掛け流す第2の洗浄剤処理工程と、
該第2の洗浄剤処理工程の後に、前記型の表面の残留物を除去する仕上げ処理工程と、
を含む。
【0018】
本発明の一態様においては、前記第1の洗浄剤処理工程の前に前記型に対してアセトンを掛け流し更にメタノールを掛け流すアセトン・メタノール処理工程を行い、更に、前記第1の洗浄剤処理工程に続いて前記型に対してアセトンを掛け流すアセトン処理工程を行う。
【0019】
本発明の一態様においては、前記仕上げ処理工程は、前記型に対してノニオン系界面活性剤をシャワーし、続いて純水をシャワーし、続いて純水を掛け流し、続いてエタノールを掛け流し、続いて温風吹き付けにより前記型を乾燥させるものである。
【0020】
本発明の一態様においては、前記型の外周面は金属からなる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0022】
図1は、本発明の方法により洗浄される円筒形状レンズ型を用いて製造されるレンズシート19の一例を示す模式的断面図である。レンズシート19は、カラー液晶表示装置を備えた携帯用ノートパソコンや、携帯用液晶テレビあるいはビデオ一体型液晶テレビなどの液晶表示装置のバックライト等の面光源素子の正面輝度を向上させるために使用されるプリズムシートを示すものであり、このプリズムシートが本発明でいう光学シートに該当する。図1に示されているように、レンズシート19では、透光性基材2の一方の面上に多数のレンズ単位(プリズム列)からなるレンズ部3が活性エネルギー線硬化樹脂により形成され、透光性基材2とレンズ部3との間に緩和層1が介在している。
【0023】
緩和層1は、レンズ部3と同一の活性エネルギー線硬化樹脂で一体的に形成される。この緩和層1を、レンズ部3のレンズ高さ(H)の1〜30%の厚さに形成することによって、活性エネルギー線硬化性組成物の硬化時の重合収縮による斑点状模様の発生を抑止することができる。
【0024】
レンズシート19のレンズ部3の表面形状は、その目的に応じて、図1に示したようなプリズム列が互いに平行に多数形成されたプリズム面の他に、断面半円状あるいは半楕円状等のレンチキュラーレンズが互いに平行に多数形成されたレンチキュラーレンズ面や波型レンズ面等の形状であってもよい。更に、表面形状としては、レンズ部のみに限られることはなく、マット形状、ホログラム形状などの微細凹凸形状であってもよい。
【0025】
また、図1のレンズシートの他方の面上にも多数のレンズ単位からなるレンズ部を形成して両面レンズシートとすることができる。そのような両面レンズシート29の例を図2に示した。図2においては、透光性基材2の他方の面にも多数のレンズ単位(プリズム列)からなるレンズ部4が活性エネルギー線硬化樹脂により形成され、透光性基材2とレンズ部4との間に緩和層1’が介在している。これらレンズ部3,4としては、透光性基材2の両方の表面に、同一の種類やサイズのレンズ形状を形成してもよいし、または異なる種類やサイズのレンズ形状を形成してもよい。また、レンズ部3,4の厚さは10〜150μm程度、レンズ単位のピッチは10〜150μm程度とすることが好ましい。活性エネルギー線硬化樹脂でレンズ部を形成するので、液晶表示装置などの高精細化に対応可能な面光源素子等に使用されるファインピッチのレンズシートに適しており、レンズ単位のピッチが10〜100μmの範囲であることが好ましく、さらに好ましくは10〜50μmの範囲である。
【0026】
さらに、レンズ単位がプリズム列である場合には、プリズム列の頂角は50〜160゜の範囲内とすることが好ましい。一般的に、光源、光源と対向する一側面を光入射面とし、この光入射面と略直角の一表面を光出射面とする導光体、及び導光体の光出射面上に配置されるプリズムシートから基本的に構成される液晶表示装置用の面光源素子(エッジライト方式)では、プリズム面が液晶パネル側となるようにプリズムシート19を配置する場合には、プリズム列の頂角は80〜100゜程度の範囲であり、好ましくは85〜95゜の範囲である。一方、プリズム面が導光体側となるようにプリズムシート19を配置する場合には、プリズム列の頂角は50〜75゜程度の範囲であり、好ましくは55〜70゜の範囲である。活性エネルギー線硬化樹脂からなるレンズ部3,4は、面光源素子の輝度の向上等の点から、高い屈折率を有するものが好ましく、具体的には、その屈折率が1.5以上である。
【0027】
図3及び図4は、プロジェクションテレビやマイクロフィルムリーダー等の投写スクリーンに使用されるレンチキュラーレンズを形成したレンチキュラーレンズシートであり、それぞれ出射面側に形成されたレンチキュラーレンズの形状が異なる例である。図3は、出射面側(図における上面側)に形成されたレンチキュラーレンズ単位の隣接するものどうしの間の谷部に光吸収層Bを形成したものである。図4は、出射面側に形成されたレンキュラーレンズ単位の隣接するものどうし間に凸部を形成して、その凸部の上面に光吸収層Bを形成したものである。尚、光吸収層Bは、光吸収層なしの長尺レンズシートを製造した後に、付与することができる。
【0028】
レンチキュラーレンズシートは、図3及び図4に示したように、透光性基材2の一方の面上に多数の第1のレンチキュラーレンズ単位を含んでなる第1のレンズ部5(出射面レンチキュラーレンズ部)が活性エネルギー線硬化樹脂により形成され、他方の面上に多数の第2のレンチキュラーレンズレンズ単位を含んでなる第2のレンズ部6(入射面レンチキュラーレンズ部)が活性エネルギー線硬化樹脂により形成されており、透光性基材2と第1および第2のレンズ部5,6との間にそれぞれ緩和層1,1’が介在している。緩和層1,1’は、通常は、レンズ部5,6と同一の活性エネルギー線硬化樹脂で一体的に形成される。この緩和層1,1’を、レンズ高さ(H,H’)の1〜30%の厚さに形成することによって、活性エネルギー線硬化性組成物の硬化時の重合収縮による斑点状模様の発生を抑止することができる。
【0029】
レンチキュラーレンズシートにおいては、レンズ部5,6の厚さは50〜1000μm程度、レンズ単位のピッチは50〜1000μm程度とすることが好ましい。特に、活性エネルギー線硬化樹脂でレンチキュラーレンズを形成する本発明においては、ファインピッチのレンチキュラーレンズシートに適しており、レンズ単位のピッチが50〜500μmの範囲であることが好ましく、さらに好ましくは50〜450μmの範囲である。
【0030】
レンズシートにおいて、緩和層1,1’は前記の通りレンズ高さの1〜30%の厚さとすることが好ましい。なお、レンズ高さとは、図1〜図4に示した通り、レンズ部3〜6の高さ(H,H’)であり、緩和層1,1’が活性エネルギー線硬化樹脂でレンズ部と一体的に形成されている場合には活性エネルギー線硬化樹脂の層厚から緩和層1,1’の厚さを除いた厚さをいう。この緩和層1,1’は、レンズ部3〜6の形成に際して、活性エネルギー線硬化型樹脂の重合収縮によるレンズ型内での樹脂の不足を補充することによりレンズ形状(レンズ部の表面形状)の変形を緩和させるものであり、この緩和層1,1’の厚さがレンズ高さの1%未満であると、緩和層1,1’での重合収縮によるレンズ形状の変形の緩和の効果が不十分となる傾向にあり、逆にレンズ高さの30%を超えると緩和層1,1’の厚み斑抑制の制御が困難となり、厚み斑(不均一)による光学特性の低下を招く傾向にある。緩和層1,1’の厚さは、好ましくはレンズ高さの1〜25%の範囲であり、さらに好ましくは3〜15%の範囲である。また、図1および図2に示したような液晶表示装置の面光源素子用のプリズムシート等のピッチまたは厚さが数十μm程度の微細なレンズ単位を形成する場合には、緩和層1,1’は薄いものが好ましく、例えば、1〜10μm程度の範囲とすることが好ましく、さらに好ましくは1〜5μmの範囲である。さらに、レンチキュラーレンズシートでは、例えば、緩和層1,1’の厚さは5〜30μm程度の範囲とすることが好ましく、さらに好ましくは5〜15μmの範囲である。
【0031】
また、レンズシートを構成する透光性基材2は、紫外線、電子線等の活性エネルギー線を透過する材料であれば特に限定されず、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリメタクリルイミド系樹脂等の透明樹脂のシートやフィルムが好ましい。特に、レンズ部3〜6の屈折率よりも屈折率が低く、表面反射率の低いポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレートとポリフッ化ビニリデン系樹脂との混合物、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂からなるものが好ましい。透光性基材2の厚さは、レンズシートの用途によっても異なるが、例えば50〜500μm程度の範囲のものが使用される。なお、透光性基材2には、活性エネルギー線硬化樹脂からなる緩和層1,1’との密着性を向上させるために、表面にアンカーコート処理等の密着性向上処理を施したものが好ましい。
【0032】
レンズシートの緩和層1,1’およびレンズ部3〜6を形成する活性エネルギー線硬化樹脂としては、紫外線、電子線等の活性エネルギー線で硬化させたものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ポリエステル類、エポキシ系樹脂、ポリエステルアクリレート及び/またはポリエステルメタクリレート(以下、ポリエステル(メタ)アクリレートと記載:その他についても同様)、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系樹脂等が挙げられる。中でも、(メタ)アクリレート系樹脂がその光学特性等の観点から特に好ましい。このような硬化樹脂に使用される活性エネルギー線硬化性組成物としては、取扱い性や硬化性等の点で、多価(メタ)アクリレート、モノ(メタ)アクリレート、および活性エネルギー線による光重合開始剤を主成分とすものが好ましい。代表的な多価(メタ)アクリレートとしては、ポリオールポリ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、エポキシポリ(メタ)アクリレート、ウレタンポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上の混合物として使用される。また、モノ(メタ)アクリレートとしては、モノアルコールのモノ(メタ)アクリル酸エステル、ポリオールのモノ(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられるが、後者の場合には、金属型を使用する場合には水酸基の影響であると思われる金属型との離型困難性を低減するために、少量で使用するのがよい。また、金属型を使用する場合には、(メタ)アクリル酸およびその金属塩についても、高い極性を有していることから、少量で使用するのがよい。
【0033】
図5は、円筒形状レンズ型(ロール型)7を用いた長尺レンズシート製造の説明図であり、図6はそこで用いられるレンズ型7の斜視図である。
【0034】
図5及び図6に示されている円筒形状レンズ型7は、円筒状ロール16の外周面にレンズシートの多数のレンズ単位に対応する多数のレンズ単位転写部が形成されたレンズ部転写パターン18を有する。レンズ型7としては、レンズ単位転写部がアルミニウム、黄銅、鋼等の金属製のものや、シリコン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ABS樹脂、フッソ樹脂、ポリメチルペンテン樹脂等の合成樹脂製のものや、Ni電鋳法で作製したもの等が使用される。耐熱性や強度等の観点からレンズ単位転写部その他が金属製のものを使用することが望ましい。レンズ型には、各種腐食防止のために銅やニッケル等のメッキ層32を表面に施すことが好ましい。
【0035】
図7に示されているように、レンズ部転写パターンが形成された薄板レンズ型35を円筒状ロール16の外周面に巻き付けて固定した円筒形状レンズ型7’を使用することもできる。また、緩和層1をより均一に形成するためには、円筒形状レンズ型7’の外周面に軸方向に関して両端部において中央部より径方向の高さが高い厚肉の段部36を形成した段付きレンズ型を使用することが好ましい。
【0036】
図5において、レンズ型7には、そのレンズ部転写パターン面に沿って長尺の透光性基材9(図1〜4における透光性基材2)が供給されており、レンズ型7と透光性基材9との間に活性エネルギー線硬化性組成物10が樹脂タンク12から供給ノズル13を介して連続的に供給される。透光性基材9の外側(レンズ型7の側と反対の側)には、供給された活性エネルギー線硬化性組成物10の厚さを均一にさせるためのニップロール8が設置されている。ニップロール8としては、金属製ロール、ゴム製ロール等が使用される。また、活性エネルギー線硬化性組成物10の厚さを均一にさせるためには、ニップロール8の真円度、表面粗さ等について高い精度で加工されたものが好ましく、ゴム製ロールの場合にはゴム硬度が60度以上の高い硬度のものが好ましい。このニップロール8は、活性エネルギー線硬化性組成物10の厚さを正確に調整することが必要であり、圧力調整機構11によって圧力印加操作がなされるようになっている。この圧力調整機構11としては、油圧シリンダー、空気圧シリンダー、各種ネジ機構等が使用できるが、機構の簡便さ等の観点から空気圧シリンダーが好ましい。空気圧は、圧力調整弁等によって制御される。
【0037】
レンズ型7と透光性基材9との間に供給される活性エネルギー線硬化性組成物10は、緩和層1を一定厚さに形成させるために一定の粘度に保持することが好ましい。粘度範囲は、形成する緩和層1の厚さによっても異なるが、一般的には、40℃において20〜3000mPa・Sの範囲の粘度とすることが好ましく、さらに好ましくは100〜1000mPa・Sの範囲である。活性エネルギー線硬化性組成物10の粘度が20mPa・S未満の場合には、緩和層1の形成のためにはニップ圧を極めて低く設定するか、成形スピードを極端に速くすることが必要となる。しかし、ニップ圧を極めて低くすると圧力調整機構11の安定作動ができなくなる傾向にあり、緩和層1の厚み斑を引き起こしやすくなる。また、成形スピードを極端に速くすると活性エネルギー線の照射量が不足し活性エネルギー線硬化性組成物10の硬化が不十分となる傾向にある。一方、活性エネルギー線硬化性組成物10の粘度が3000mPa・Sを超えると、レンズ型のレンズ部転写パターンの細部まで十分に活性エネルギー線硬化性組成物10が行き渡らず、レンズ形状の精確な転写が困難となったり、気泡の混入による欠陥が発生しやすくなったり、成形速度の極端な低下による生産性の悪化をもたらす傾向にある。このように活性エネルギー線硬化性組成物10の粘度を一定に保持させるためには、活性エネルギー線硬化性組成物10の温度制御が行えるように、樹脂タンク12の外部や内部にシーズヒーター、温水ジャケット等の熱源設備を設置しておくことが好ましい。
【0038】
活性エネルギー線硬化性組成物10をレンズ型7と透光性基材9との間に供給した後、活性エネルギー線硬化性組成物10がレンズ型7と透光性基材9との間に挟まれた状態で、活性エネルギー線発光光源14から活性エネルギー線を透光性基材9を通して照射して、活性エネルギー線硬化性組成物10を重合硬化し、レンズ型7に形成されたレンズ部転写パターンの転写を行う。活性エネルギー線照射装置14としては、化学反応用ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、可視光ハロゲンランプ等が使用される。活性エネルギー線の照射量としては、200〜600nmの波長の積算エネルギーが0.01〜50J/cm2 となる程度とすることが好ましい。また、活性エネルギー線の照射雰囲気としては、空気中でもよいし、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下でもよい。次いで、透光性基材9と重合硬化された活性エネルギー線硬化樹脂で形成されたレンズ部とが一体化されたレンズシートをレンズ型7から離型する。
【0039】
尚、図5において、31はタンク内を減圧するための真空ポンプである。
【0040】
図8は、図2に示したような両面レンズシート29の製造の説明図であり、基本的には、図5に示されるような透光性基材9に対するレンズ部の形成を第1面に対して行う第1段階S1と第2面に対して行う第2段階S2とが順次実行される。即ち、第1段階S1は上記図5と同一であり、第2段階S2は第1段階S1で第1面にプリズム部の形成された長尺シート19を透光性基材として用いること及びレンズ型7’として所要のレンズ部転写パターンを有するものを用いること以外は第1段階S1と同様である。第2段階S2では、第1段階S1における部分または部材と同様の部分または部材は、同一符号に「’」を付した符号で指示されている。第2段階S2を経て長尺両面レンズシート29が形成される。
【0041】
このようにして製造される両面レンズシート29は、図2に示したように、透光性基材2の両面側にそれぞれ緩和層1、1’を介して配置されたレンズ部3,4において断面形状が略三角形状の多数のプリズム列が並列して連設されてなるものであり、一方のレンズ部3に形成されたプリズム列の頂角は50°〜75°の範囲であることが好ましく、他方のレンズ部4に形成されたプリズム列の頂角は110°〜160°の範囲であることが好ましい。
【0042】
図9及び図10は、以上のようなレンズシート製造に用いられる円筒形状レンズ型7,7’を洗浄するのに好適な本発明の洗浄方法の例を示すフローシートである。以下、これらのフローシートを参照しながら、本発明方法について説明する。
【0043】
図9において、エアーブロー工程ST1は、レンズシート製造装置から取り外したレンズ型に付着している樹脂固形物や塵埃などの異物を除去するためのものであり、洗浄の前処理である。このエアーブロー工程ST1では、型の特に外周面に比較的小さな力で付着している付着物が除去される。
【0044】
次に、第1の洗浄剤処理工程ST2は、レンズ型を洗浄剤中に浸漬し、この洗浄剤中でレンズ型を例えば上下方向などに往復移動させることで洗浄剤を攪拌するものである。洗浄剤は浸漬槽に収容され、レンズ型は適宜の保持手段に保持され、該保持手段を駆動手段により駆動して洗浄剤中で移動させる。
【0045】
洗浄剤は、起泡剤とノニオン系界面活性剤と金属イオン封鎖剤とを含むものである。起泡剤としては、アニオン系界面活性剤が好ましく用いられ、例えばアルキルエーテルカルボン酸塩[R−O−(CH2 CH2 O)CH2 COONa](例えば、商品名Akypo RLM 45NV:日光ケミカル株式会社製)が用いられる。ノニオン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル[R−C64 −O−(CH2 CH2 O)n −H](例えば、商品名NP−10:日光ケミカル株式会社製)が用いられる。金属イオン封鎖剤としては、例えばエチレンジアミン四酢酸金属塩[以下の化1及び化2の混合体](例えば、商品名クレワットN2:帝国化学産業株式会社製)が用いられる。
【0046】
【化1】
Figure 0004306940
【0047】
【化2】
Figure 0004306940
【0048】
洗浄剤中における上記各成分の含有量は、好ましくは、起泡剤が1〜10g/リットルであり、ノニオン系界面活性剤が0.5〜5g/リットルであり、金属イオン封鎖剤が0.001〜0.01g/リットルである。洗浄剤中のその他の成分は、純水である。
【0049】
第1の洗浄剤処理工程ST2の処理時間は20分間程度である。この処理時間中、最初の5分間及び最後の5分間においてのみ型を洗浄剤中で例えば上下動させることで洗浄剤を攪拌させながら処理工程を実行することができる(即ち、途中の10分間は洗浄剤中での型の上下動による洗浄剤の攪拌を停止する)。
【0050】
次に、メタノール処理工程ST3は、浸漬槽から取り出されたレンズ型に対して、メタノールを全面均等に掛け流すものであり、例えば常温で約8秒間にわたって細口ボトルに収容されているメタノールの掛け流しを実行する。
【0051】
次に、第2の洗浄剤処理工程ST4は、レンズ型を洗浄剤中に浸漬し、この洗浄剤中でレンズ型を例えば上下方向などに往復移動させることで洗浄剤を攪拌するものである。これは、第1の洗浄剤処理工程ST2と同様にして、浸漬槽に収容された洗浄剤中で、レンズ型を上下方向に移動させることで行うことができる。第2の洗浄剤処理工程ST4では、上記第1の洗浄剤処理工程ST2で用いたと同様な洗浄剤が用いられる。但し、この第2の洗浄剤処理工程ST4は、例えば約13秒間という比較的短い時間内で、レンズ型を洗浄剤中で2〜3回上下動させればよい。
【0052】
以上の第1の洗浄剤処理工程ST2から第2の洗浄剤処理工程ST4までは、型の表面に強固に付着している樹脂や効果性組成物を可溶化させ、膨潤させ、洗浄剤中またはメタノール中に分散させることにより、型の表面からの樹脂などの除去を促進させることを目的としてなされるものである。
【0053】
浸漬槽内の洗浄剤は45℃程度に加温される。洗浄剤中において、起泡剤特に上記のアルキルエーテルカルボン酸塩の含有量が1g/リットル未満である場合やノニオン系界面活性剤特に上記のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの含有量が0.5g/リットル未満である場合には、型の表面の汚れ除去の効果を十分に高めることが困難である。一方、上記起泡剤の含有量が10g/リットルを越える場合や上記のノニオン系界面活性剤の含有量が5g/リットルを越える場合には、発泡が多くなり、仕上げ処理工程に時間がかかるようになり、洗浄の工程全体としてみた場合、時間がかかりすぎ、コスト的にも不利となりやすい。また、金属イオン封鎖剤特に上記のエチレンジアミン四酢酸金属塩の含有量が0.001g/リットル未満の場合には、十分な金属イオン除去効果を得ることが困難になりやすい。一方、上記の金属イオン封鎖剤の含有量が0.01g/リットルを越える場合には、型の表面特にそこに形成されているめっき層の腐食が顕著になりやすい。
【0054】
次に、仕上げ処理工程ST5は、浸漬槽から取り出されたレンズ型に対して、例えば次のような処理を実行することで、上記第2の洗浄剤処理工程ST4の完了後におけるレンズ型の表面での残留物を除去するものである。即ち、例えば温度45℃程度で1分間程度にわたって上記ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(例えば、上記の商品名NP−10)などのノニオン系界面活性剤を0.5〜5g/リットル含有するリンス剤をシャワーするリンスシャワーと、これに続いて例えば温度40℃程度で1分間程度にわたって純水をシャワーする純水シャワーと、これに続いて例えば温度40℃程度で10秒間程度にわたって細口ボトルに収容されている純水を掛け流す純水掛け流しと、これに続いて例えば細口ボトルに収容されているエタノールを掛け流すエタノール掛け流しとを行い、これに続いて20秒間程度にわたって温風吹き付けによりレンズ型を乾燥させるものである。
【0055】
図10は、図9に示されている処理工程に加えて、第1の洗浄処理工程ST2の前にレンズ型に対してアセトンを掛け流し更にメタノールを掛け流すアセトン・メタノール処理工程ST2’を行い、更に、第1の洗浄剤処理工程ST2に続いてレンズ型に対してアセトンを掛け流すアセトン処理工程ST2”を行うものである。
【0056】
アセトン・メタノール処理工程ST2’では、例えば常温で約10秒間にわたって細口ボトルに収容されているアセトンの掛け流しを実行し、続いて常温で約8秒間にわたって細口ボトルに収容されているメタノールの掛け流しを実行する。また、アセトン処理工程ST2”では、例えば常温で約8秒間にわたって細口ボトルに収容されているアセトンの掛け流しを実行する。
【0057】
この図10の形態は、図9の形態よりもレンズ型の表面の汚れ(付着物の程度)が大きい場合に適用して効果的である。
【0058】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0059】
[実施例1]
図7に示したように、厚さ1.0mm,400mm×690mmの黄銅(JIS黄銅3種)の薄板の表面に、ピッチ50μm、高さ25μm、頂角90゜の断面直角二等辺三角形状のプリズム列を多数並列してなるプリズム部を転写形成するためのプリズム部転写パターンを形成した薄板レンズ型35を準備した。但し、厚肉の段部36は形成されていなかった。薄板レンズ型35には無電解ニッケルメッキを施した。次いで、薄板レンズ型35を固定するため、直径220mm、長さ450mmのステンレス製の円筒状ロール16を用意し、円筒状ロール16の外周面上に薄板レンズ型35を巻き付け、ネジで固定し、円筒レンズ型を得た。
【0060】
図5に示したように、以上のようにして得た円筒レンズ型7に近接するようにゴム硬度80°のNBR製ゴムロール(ニップロール)8を配置した。円筒レンズ型7とゴムロール8との間に円筒レンズ型7より若干幅の広い厚さ125μmのポリエステルフィルム(透光性基材)9を円筒レンズ型7に沿って供給し、ゴムロール8に接続した空気圧シリンダー(圧力調整機構)11により、ゴムロール8と円筒レンズ型7との間でポリエステルフィルム9をニップした。この時の空気圧シリンダー11の動作圧は0.1MPaであった。空気圧シリンダー11として、エアチューブ直径32mmのSMC製エアシリンダーを使用した。さらに、円筒レンズ型7の下方に紫外線照射装置(活性エネルギー線照射装置)14を設置した。紫外線照射装置14は、120W/cmの紫外線強度を持ち、容量9.6kWのウエスタンクォーツ社製の紫外線照射ランプとコールドミラー型平行光リフレクター及び電源からなる。紫外線硬化性組成物(活性エネルギー線硬化性組成物)10は、屈折率調整用成分および触媒等を予め混合しておき、樹脂タンク12に投入した。樹脂タンク12は、紫外線硬化性組成物10に接する部分は全てステンレススチール(SUS304)製とした。また、紫外線硬化性組成物10の液温度を制御するための温水ジャケット12aを有しており、温調機30により40℃に調整された温水を温水ジャケットに供給し、樹脂タンク12内の紫外線硬化性組成物10の液温を40℃±1℃の範囲内に保持した。さらに、真空ポンプ31により樹脂タンク12内を真空状態にすることにより、投入時に発生した泡を脱泡除去した。
【0061】
紫外線硬化性組成物10は以下の通りで、粘度は300mPa・S/25℃に調整した。
【0062】
フェノキシエチルアクリレート 50重量部
(大阪有機化学工業社製ビスコート#192)
ビスフェノールA−ジエポキシ−アクリレート 50重量部
(共栄社油脂化学工業社製エポキシエステル3000A)
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン
(チバガイギー社製ダロキュア1173) 1.5重量部
樹脂タンク12内を常圧に戻し、タンクを密閉した後、樹脂タンク12内に0.02MPaの空気圧をかけ、樹脂タンク12の下部にあるバルブを開くことにより、紫外線硬化性組成物10を40℃±1℃に温度制御された配管28を通し、同じく40℃±1℃に温度制御された供給ノズル13からゴムロール8と円筒レンズ型7との間にニップされているポリエステルフィルム9の一方の面上に供給した。供給ノズル13は、岩下エンジニアリング社製のMN−18−G13ニードルを取り付けた同社製のAV101バルブを使用した。三菱電機製0.2kWギアドモーター(減速比1/200)で毎分3.5mの周速で矢印方向に円筒レンズ型7を回転させながら、紫外線硬化性組成物10が円筒レンズ型7とポリエステルフィルム9の間に挟まれた層状態にあるうちに、紫外線照射装置14から紫外線を照射し、紫外線硬化性組成物10を重合硬化させ円筒レンズ型7のプリズム部転写パターンを転写させた。その後、円筒レンズ型7より離型し、長尺プリズムシート(レンズシート)を得た。
【0063】
以上のようにして1000mの長尺レンズシートを製造した後に、図9に示される工程に従って、レンズ型の洗浄を行った。第1及び第2の洗浄剤処理工程ST2,ST4で使用された洗浄剤の組成は、起泡剤としてアルキルエーテルカルボン酸塩(商品名Akypo RLM 45NV)2g/リットル、ノニオン系界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(商品名NP−10)1g/リットル、金属イオン封鎖剤としてエチレンジアミン四酢酸金属塩(商品名クレワットN2)0.005g/リットル、その他純水であった。
【0064】
第1の洗浄剤処理工程ST2の処理時間は20分間であり、最初の5分間及び最後の5分間においてのみ型を洗浄剤中で上下動させることで洗浄剤を攪拌させた。第2の洗浄剤処理工程ST4の処理時間は13秒間であり、型を洗浄剤中で上下動させることで洗浄剤を攪拌させた。
【0065】
仕上げ処理工程ST5では、温度45℃で1分間にわたって上記ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(商品名NP−10)を1g/リットル含有するリンス剤をシャワーするリンスシャワーと、温度40℃で1分間にわたって純水をシャワーする純水シャワーと、温度40℃で10秒間にわたって純水を掛け流す純水掛け流しと、10秒間のエタノール掛け流しとを行い、これに続いて20秒間の温風吹き付けによりレンズ型を乾燥させた。
【0066】
以上のようにして洗浄されたレンズ型を用いて再び1000mの長尺レンズシートを製造した。そして、このようなレンズ型の洗浄と長尺レンズシートの製造とを10回繰り返した。
【0067】
得られたプリズムシートの断面を走査型電子顕微鏡(日本電子社製JSM−840A、2000倍)で確認したところ、プリズム列の高さ及び頂角並びにその配列ピッチは全長にわたってほぼ設計値通りであった。
【0068】
[比較例1]
洗浄剤組成において、アルキルエーテルカルボン酸塩(商品名Akypo RLM 45NV)0.5g/リットルとし、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(商品名NP−10)0.1g/リットルとしたこと以外は、実施例1と同様にして、長尺レンズシートの製造とレンズ型の洗浄とを行った。
【0069】
得られたプリズムシートについて、実施例1と同様にして評価を行ったところ、ところどころにプリズム列形状の変形が認められた。
【0070】
[比較例2]
洗浄剤組成において、アルキルエーテルカルボン酸塩(商品名Akypo RLM 45NV)15g/リットルとし、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(商品名NP−10)10g/リットルとしたこと以外は、実施例1と同様にして、長尺レンズシートの製造とレンズ型の洗浄とを行った。
【0071】
得られたプリズムシートについて、実施例1と同様にして評価を行ったところ、ところどころにプリズム列形状の変形が認められた。
【0076】
[実施例2]
レンズ型の洗浄を図10に示される工程に従って行い、且つ1回のレンズシート製造において2000mの長尺シートを製造したこと以外は、実施例1と同様にして、長尺レンズシートの製造とレンズ型の洗浄とを行った。
【0077】
得られたプリズムシートについて、実施例1と同様にして評価を行ったところ、プリズム列の高さ及び頂角並びにその配列ピッチは全長にわたってほぼ設計値通りであった。
【0078】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、特定の洗浄剤による第1及び第2の洗浄剤処理工程を用いることで、レンズ型などの型の表面の汚れを十分に除去して、効率的に型の表面状態を良好なものに回復させることが可能となり、これにより良好な品質のレンズシートなどの光学シートを長期にわたって製造することが可能になり、型の寿命を長くすることができ、光学シート製造のコスト低減を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】片面レンズシートの一例を示す模式的断面図である。
【図2】両面レンズシートの一例を示す模式的断面図である。
【図3】両面レンチキュラーレンズシートの一例を示す模式的断面図である。
【図4】両面レンチキュラーレンズシートの一例を示す模式的断面図である。
【図5】円筒形状レンズ型を用いた片面レンズシート製造の説明図である。
【図6】レンズ型の斜視図である。
【図7】レンズ型の斜視図である。
【図8】円筒形状レンズ型を用いた両面レンズシートの製造の説明図である。
【図9】本発明の洗浄方法を説明するためのフローシートである。
【図10】本発明の洗浄方法を説明するためのフローシートである。
【符号の説明】
1,1’ 緩和層
2 透光性基材
3,4,5,6 レンズ部
7,7’ 円筒形状レンズ型
8 ニップロール
9 透光性基材
10 活性エネルギー線硬化性組成物
11 圧力調整機構
12 樹脂タンク
12a 温水ジャケット
13 供給ノズル
16 円筒状ロール
18 レンズ部転写パターン
19 片面レンズシート
21 両面レンズシート
29 両面レンズシート
30 温調機
35 薄板レンズ型
36 段部
B 光吸収層
H,H’ レンズ高さ
S1 第1段階
S2 第2段階

Claims (4)

  1. 表面に微細凹凸形状が形成された外周面を持つ円筒形状型の前記外周面と透光性基材の一方の面との間に活性エネルギー線硬化性組成物を供給して前記型と前記透光性基材との間に組成物層を形成し、前記透光性基材を通して活性エネルギー線を照射して前記組成物層を硬化し賦形して前記微細凹凸形状に対応する形状を持ち活性エネルギー線硬化樹脂からなる凹凸部を形成し、該凹凸部及び前記透光性基材を一体として前記型から離型することにより、表面に前記凹凸部を備えた光学シートを連続して製造するのに利用される前記円筒形状型を洗浄する方法であって、
    前記型を、純水と、純水1リットルに対しアルキルエーテルカルボン酸塩1〜10g、ノニオン系界面活性剤0.5〜5g及びエチレンジアミン四酢酸塩0.001〜0.01gとを含んでなる洗浄剤で洗浄することを特徴とする、光学シート製造用円筒形状型の洗浄方法。
  2. 前記型を前記洗浄剤中に浸漬し及び/または洗浄剤を掛け流す第1の洗浄剤処理工程と、
    該第1の洗浄剤処理工程の後に、前記型に対してメタノールを掛け流すメタノール処理工程と、
    該メタノール処理工程の後に、前記型を前記洗浄剤中に浸漬し及び/または洗浄剤を掛け流す第2の洗浄剤処理工程と、
    該第2の洗浄剤処理工程の後に、前記型の表面の残留物を除去する仕上げ処理工程と、
    を含むことを特徴とする、請求項1に記載の光学シート製造用円筒形状型の洗浄方法。
  3. 前記第1の洗浄剤処理工程の前に前記型に対してアセトンを掛け流し更にメタノールを掛け流すアセトン・メタノール処理工程を行い、更に、前記第1の洗浄剤処理工程に続いて前記型に対してアセトンを掛け流すアセトン処理工程を行うことを特徴とする、請求項2に記載の光学シート製造用円筒形状型の洗浄方法。
  4. 前記仕上げ処理工程は、前記型に対してノニオン系界面活性剤をシャワーし、続いて純水をシャワーし、続いて純水を掛け流し、続いてエタノールを掛け流し、続いて温風吹き付けにより前記型を乾燥させるものであることを特徴とする、請求項2または3に記載の光学シート製造用円筒形状型の洗浄方法。
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