JP4305895B2 - 電磁緩衝器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボール螺子ナットに螺子軸を回転自在に螺入することにより、ボール螺子ナットの直線運動を螺子軸を介してモータの回転運動に変換する機構を有し、モータのシャフトの回転運動に起因する電磁力で減衰力を発生する電磁緩衝器に関し、特に上記螺子軸の回転運動をモータに伝達する動力伝達手段の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に車両の車体と車軸との間に懸架バネと並列にして油圧緩衝器を介在させたサスペンションが知られており、このサスペンションは車体を懸架するとともに路面からの振動等の入力を減衰して車両の乗り心地と操縦性を向上させ、或いは車体の変位を抑制して車高を一定に保持している。
【0003】
他方、サスペンションの一部に油圧緩衝器等と併設した電磁緩衝器を組み込み、車体変化時にモータに電流を流して電磁力を発生し、この電磁力を車体変化を抑制する減衰力として利用する車両用のサスペンションも、例えば、特開平5−44758号公報に開示されているように公知である。
【0004】
しかしながら、上記の油圧緩衝器を利用したサスペンションでは、高減衰力が得られる反面油が必要であり、この油の漏れを防止するシール機構や複雑なバルブ機構を必要とする。
【0005】
同様に電磁緩衝器を使用したサスペンションでは、電源、コントローラ等を必要とし、構造が複雑化し、コスト的にも不利である。
【0006】
そこで、最近油、エアや電源等を必要としない新しい電磁緩衝器が研究され、その論文も公表されている。
【0007】
この電磁緩衝器の基本構造は、例えば、図2のモデルに示すように、ボール螺子ナット5と、当該ボール螺子ナット5を保持するフランジ34と、アイ型ブラケット38が固着されたフランジ37と、上記各フランジ34、37を連結するガイドロッド36と、ボール螺子ナット5内に回転自在に螺合した螺子軸4と、螺子軸4の上端にカップリング2とシャフト3aを介して結合したモータ3とで構成したものである。
【0008】
そして、この電磁緩衝器を、例えば、車体と車軸との間に介在させてサスペンションとして利用する場合、電磁緩衝器の上端をモータ3の上に設けられたフランジ28に固着されたブラケット40を介して車体側に結合し、電磁緩衝器下端を上記アイ型ブラケット38を介して車軸側に結合させる。
【0009】
この場合、モータ3は、下端をフランジ30及び連結ロッド31を介してフランジ32に結合し、上記フランジ32の内周にはボール軸受9を固定し、そのボール軸受9内に螺子軸4の上部を回転自在に挿入させている。
【0010】
更に、フランジ32は、フランジ35に連結ロッド33により連結され、フランジ35に設けられた孔の中には上記ガイドロッド36が摺動可能に挿入されおり、ボール螺子ナット5の直線運動のみが許容されるようになっている。
【0011】
この電磁緩衝器を利用するサスペンションの構想によれば、例えば、路面からの振動入力でボール螺子ナット5が矢印a方向に直線運動すると、ボール螺子ナット5内の螺子軸4は、ボール螺子ナット5内のボールと螺子軸4の外周の螺施溝3aに案内されて回転運動に変換される。
【0012】
このため、螺子軸4の回転運動が、螺子軸4の上端に取り付けられたカップリング2を介してシャフト3aの矢印b方向の回転運動として伝達され、これによりモータ3に誘導起電力が発生し、特には図示しないがモータ3の各電極を電源を介さずに短絡するか所望の電磁力を得られるように制御回路に接続しておけば、モータ3内のソレノイドに上記誘導起電力に起因する電流が流れ、モータ3は電磁力を発生する。
【0013】
そして、この時、上記シャフト3aの回転方向とは逆方向に電磁力が発生するようにモータ3の各電極を短絡又は制御回路に接続しておけば、この電磁力に起因してシャフトの回転に抗するトルクが発生し、モータ3のシャフト3aの回転を抑制することとなる。
【0014】
すると、シャフト3aの回転を抑制することは、上記螺子軸4の回転を抑制することであるから、上記トルクはボール螺子ナット5の直線運動を抑制する減衰力として作用する。
【0015】
即ち、上記の作用は、ボール螺子ナット5がアイ型ブラケット38に連結されているので、電磁緩衝器の伸縮運動を抑制する減衰力として作用することとなる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来の螺子軸4とモータ3のシャフト3aをカップリング等により接続することにより、モータ3に螺子軸4の回転運動を伝達する構成を採用している電磁緩衝器においては、電磁緩衝器を実際に車両に適用した際に、以下の不具合を生じる恐れがある。
【0017】
即ち、ボール螺子ナットの直線運動に伴い螺子軸4が回転して、その回転運動をモータ3に伝達するが、モータ3の内部にある回転子の慣性モーメントが比較的大きく減衰力に対する影響は無視できない。
【0018】
ここで、上記減衰力に対する影響は、どのようなものかを説明する。
【0019】
概ね、電磁緩衝器に発生する荷重(減衰力)は、モータの回転子の慣性モーメントと螺子軸の慣性モーメントとカップリングの慣性モーメントとモータの発生する電磁力の総和であり、モータの回転子の慣性モーメントは、モータのシャフトの角加速度が、上記電磁緩衝器の伸縮運動の加速度に比例することから、電磁緩衝器の伸縮運動の加速度に比例する。
【0020】
そして、この上記回転子の慣性モーメントは、上述の通り上記伸縮運動の加速度に比例することから、路面等から電磁緩衝器に入力される緩衝器の軸方向の力に対し、モータの電磁力に依存しない減衰力を発生することになり、特に急激な軸方向の力が入力された場合には、より高い減衰力を発生することになる。
【0021】
従って、常に電磁力に依存した減衰力に先んじてモータの回転子の慣性モーメントによる減衰力が発生することとなり、更に上述した通り、上記モータの回転子の慣性モーメントは比較的大きいので、上記回転子の慣性モーメントの減衰力に対する影響を抑制することができれば、従来の電磁緩衝器を車両に適用した場合に比べ、乗り心地を向上することが可能になる。
【0022】
このため、電磁緩衝器の制御を考えた場合には、上記電磁緩衝器の伸縮運動の加速度に依存するモータの回転子の慣性モーメントにより発生する減衰力は制御しづらく、出来れば上記慣性モーメントの影響が少ないほうが好ましい。
【0023】
他方、モータは、電磁緩衝器の他の部品に比べて高価であるので、出来る限りその損傷を防止したいが、電磁緩衝器に急激で大きな軸力が負荷された場合には、電磁緩衝器の伸縮運動の速度は速くなり、電磁緩衝器の構成上、前記伸縮運動の早さに比例して、螺子軸の回転速度も速くなる。
【0024】
すると、螺子軸の回転運動が、モータのシャフトに伝わるが、負荷が急激であると、シャフトの回転速度も螺子軸の回転速度と同様電磁緩衝器の伸縮速度に比例して速くなるが、モータの許容回転速度を超えた場合には、モータ自身が発する熱によりモータのソレノイドを形成する導線の絶縁被膜の化学変化等により絶縁性が劣化し、その結果漏電等を生じ、モータ自体が損傷する危惧がある。
【0025】
従って、上述の通りモータは電磁緩衝器の減衰力を発生する必要不可欠な部品であるから、モータの損傷は、即ち電磁緩衝器の緩衝器としての機能を損なうこととなる。
【0026】
そこで、本発明は、上記の不具合を勘案して創案されたものであって、その目的とするところは、特にモータの回転子の慣性モーメントによる減衰力の影響を抑制すると共に、電磁緩衝器を車両に適用する際にあっても、車両の乗り心地の向上を図り、また、モータが発生する熱による損傷を防止し、安価に電磁緩衝器の修理を可能とすることにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するため、本発明の課題解決手段は、ボール螺子ナットとボール螺子ナット内に回転自在に螺合した螺子軸とを有する電磁緩衝器本体と、上記螺子軸に動力伝達手段を介して結合したモータを有してなり、ボール螺子ナットの直線運動を螺子軸の回転運動に変換し、この回転運動を動力伝達手段を介してモータのシャフトに伝達して当該モータに電磁力を発生させ、この電磁力に起因する上記シャフトの回転に抗するトルクをボール螺子ナットの直線運動を抑制する減衰力として利用する電磁緩衝器において、上記動力伝達手段の全部または一部に弾性変形部材を用いて、上記螺子軸の回転トルクにより当該動力伝達手段の全部又は一部が弾性変形することにより、上記螺子軸の回転運動の始動時又は速度の変化時に上記螺子軸の回転を時間的に遅せて上記モータのシャフトに伝達させることを特徴とするものである。
【0029】
更に、上記動力伝達手段をトーションバーとしたことを特徴とするものである。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。
【0031】
図1は、本発明における電磁緩衝器の側面断面図である。
【0032】
本発明における電磁緩衝器は、図1に示すようにモータ3が、ハウジング8及びケース7を介して、外筒13の上方に固定されており、モータ3のシャフト3aはケース7内に回転自在に挿入された動力伝達手段たるトーションバー1及びカップリング2を介して螺子軸4の上端に連結されている。
【0033】
一方、螺子軸4は、その上方を軸受保持部材10、11を介してケース7に固定されたボール軸受9に回転自在に挿入され、かつ、中空ロッド6の上方に結合されたボール螺子ナット5内に回転自在に螺合され、この螺子軸4と中空ロッド6とボール螺子ナット5とで電磁緩衝器本体Dが構成されている。
【0034】
尚、外筒13は、無くても使用可能であるが、例えば、電磁緩衝器を車両のサスペンションとして取り付けられる場合には、路面からの飛び石や、雨水等が直接ボール螺子ナット5や螺子軸4に当たることを防止するために設けたほうが好ましい。
【0035】
上記構成により、中空ロッド6下方に結合された車軸側アイ型ブラケット(図示せず)から、車両走行中の突き上げ入力や振動等による螺子軸4に対する中空ロッド6の直線運動が、螺子軸4とボール螺子ナット5の組み合わせにより螺子軸4の回転運動に変換され、螺子軸4の回転運動は、上記動力伝達手段たるトーションバー1及びカップリング2を介してモータ3のシャフト3aに伝達される。
【0036】
尚、ボール螺子ナット5の構造は特に図示しないが、例えば、ボール螺子ナットの内周には、螺子軸の螺旋状の螺子溝に符合するように螺旋状のボール保持部が設けられており、前記保持部に多数のボールが配在されてなり、ボール螺子ナットの内部にはボールが循環可能なように前記螺旋状保持部の両端を連通する通路が設けられているものであって、螺子軸を前記ボール螺子ナットに螺入された場合に、螺子軸の螺旋状の螺子溝にボール螺子ナットのボールが嵌合し、螺子軸の回転運動に伴いボール自体も螺子軸の螺子溝との摩擦力により回転するので、ラックアンドピニオン等の機構に比べ滑らかな動作が可能である。
【0037】
上述のように、螺子軸4には、ボール螺子ナット5が螺子溝に沿って回転自在に装着され、ボール螺子ナット5が上下方向の直線運動をすると、ボール螺子ナット5のボールが上下方向に移動するが、この時、当該ボールは螺子軸4の螺旋状の螺子溝に沿って移動するから、螺子軸4は強制的に回転駆動される。
【0038】
即ち、上記機構によりボール螺子ナット5の直線運動が螺子軸4の回転運動に変換されることになり、結果的に中空ロッド6の直線運動が螺子軸4の回転運動に変換されることとなる。
【0039】
尚、中空ロッド6の直線運動を回転運動に変換する機構としては上記の機構が好ましいが、同様の効果がある機構であればボール螺子ナット5と螺子軸4の組み合わせによらなくても良い。
【0040】
ここで、特に図示はしないが、モータ3は制御回路等(図示せず)に接続されるか、直接モータ3の各電極(図示せず)同士をつなぎ閉回路としておき、且つ、電磁力に起因するシャフト3aの回転に抗するトルクを発生するようにしておくことにより、モータに電磁力を発生するようにしてあり、所望の減衰力を得られるよう調整しておく事が必要であるが、伝達された回転運動によりモータ3の磁石(図示せず)の発する磁界をモータ3のソレノイド(図示せず)が横切ることとなりソレノイドに電流が流れて、電磁力が発生し、後述するこの電磁力に起因してシャフト3aと動力伝達手段と螺子軸4の回転運動を抑制する方向にトルクが発生し、その螺子軸4の回転運動を抑制するから、外筒13から中空ロッド6が出没する直線運動を抑制する減衰力を得ることができる。
【0041】
即ち、モータ3は、電磁力発生源として使用されるものであり、様々なモータ、例えば直流モータや交流モータ、誘導モータ等が使用可能である。
【0042】
そして、例えば直流モータを例に取ると、特に図示しないが、直流ブラシ付モータであれば、モータ3内に磁界発生用の複数の永久磁石とソレノイドと電機子とヨークと整流子とフレームとシャフトとから構成され、シャフトには電機子が設けて導電線を巻きつけソレノイドを形成して、シャフトの回転によりソレノイドが上記永久磁石の発生する磁界を横切ることにより誘導起電力を発生するものである。
【0043】
尚、上記直流モータの例では、その構成上電機子が回転子ということになる。
【0044】
モータ3には、図1に示すようにシャフト3aが回転自在に挿入されており、このシャフト3aは、上述の例示した構成から電磁力の発生に伴い回転運動を呈することが可能である。
【0045】
次に、動力伝達手段について詳しく説明すると、図1に示すように、動力伝達手段は、弾性変形部材たるトーションバー1とこのトーションバー1に結合したカップリング2とにより構成されている。
【0046】
トーションバー1は、細長い棒状のトーションバー本体1cと、該本体1cの下方に設けられた本体1cに比べ大径の下側連結部1bと、該連結部1bの下端に設けられた孔1aと、該本体1cの上端に設けられた上側連結部1dとで一体に成形されている。
【0047】
カップリング2は、略筒状の形状をしており、その外周の上下側にシャフト3aとトーションバー1とを連結するための螺子孔が設けられている。
【0048】
シャフト3aには、キー溝3bが設けられており、キー溝3bにキー3cを横方向から差し込んで、シャフト3aをカップリング2の上方内周に挿入し結合した際に、シャフト3aに対するカップリング2の空転防止として用いられる。
【0049】
そして、上記カップリング2下端には、トーションバー1の上端が挿入されカップリング2に結合される。
【0050】
さらに、螺子軸4の上端をトーションバー1の孔1aに挿入し螺子軸4とトーションバー1とが結合される。モータ3のシャフト3a同様に、螺子軸4の上端にはキー4aが設けられており、このキー4aによりトーションバー1に対する螺子軸4の空転が防止される。
【0051】
次に作用について、説明する。
【0052】
上述した構成により、電磁緩衝器を車両のサスペンションとして適用した際、車両の走行中に路面からの突き上げ入力、振動等の衝撃が中空ロッド6に作用すると、この中空ロッド6が外筒13に沿って伸縮方向に直線運動する。
【0053】
この直線運動はボール螺子ナット5と螺子軸4のボール螺子機構により、螺子軸4の回転運動に変換される。
【0054】
螺子軸4が上述したように回転運動を呈すると、トーションバー1が螺子軸4の上端部に連結されているので、トーションバー1も回転する。
【0055】
すると、上述のようにトーションバー1とカップリング2が連結されているので、トーションバー1の回転運動が、カップリング2に伝達されてカップリング2も回転する。
【0056】
そして、上記カップリング2の回転運動は、カップリング2がモータ3のシャフト3aに連結されているから、上記モータ3のシャフト3aも回転することとなる。
【0057】
モータ3のシャフト3aが回転運動を呈すると、モータ3内のソレノイドが磁石の磁界を横切ることとなり、誘導起電力が発生し、上述の通りモータ3の各電極を短絡等しておき、且つ、モータ3の電磁力に起因するシャフト3aの回転に抗するトルクを発生するようにソレノイドに電流が流れる様にしてあるため、上記シャフト3aの回転に抗するトルクがシャフト3aの回転運動を抑制することとなる。
【0058】
このシャフト3aの回転運動を抑制する作用は、シャフト3aがトーションバー1とカップリング2を介して螺子軸4に連結されているので、螺子軸4の回転運動を抑制するように働く。
【0059】
すると、上記モータ3の電磁力に起因するシャフト3aの回転に抗するトルクは、螺子軸4の回転運動を抑制するので、中空ロッド6の外筒13に沿う伸縮方向の直線運動を抑制する減衰力として作用し、路面からの衝撃エネルギを吸収緩和し、車両の乗り心地を向上し、操案性を向上させる。
【0060】
以上、一連の動作により、電磁緩衝器としての機能を発揮することができる。
【0061】
このとき、螺子軸4の回転運動に起因して回転運動を呈するトーションバー1は、回転しようとする力、即ちトルクが負荷されると、その力を吸収し、上記トルクに応じて捩じられながら、そのトルクを上記カップリング2ひいてはシャフト3aに伝達するから、トーションバー1の回転運動がシャフト3aに直接的に伝達されず、特に螺子軸4の回転始動時又は回転速度に変化がある場合には、モータ3のシャフト3aの回転速度の変化が、その螺子軸4の回転速度の変化に時間的に遅れる現象を呈することとなる。
【0062】
そうすると、上記の現象は、中空ロッド6の伸縮始動時又は伸縮速度に変化があった場合、つまり、中空ロッド6に電磁緩衝器の軸方向の力が負荷され外筒13に対する中空ロッド6の直線運動始動時又は直線運動加速度が変化する場合、モータ3の回転子の慣性モーメントの発生を時間的に遅らせるように作用する。
【0063】
この事は、モータ3の回転子の慣性モーメントによる減衰力の発生を時間的に遅らせることとなるので、電磁緩衝器の伸縮始動時又は速度変化初期の制御しにくい減衰力の発生を抑制することとなり、ひいては、この電磁緩衝器を車両に適用した場合には、従来の電磁緩衝器に比して車両の乗り心地を向上することが出来る。
【0064】
尚、トーションバー1は、モータ3のシャフト3aと螺子軸4の回転運動を伝達するものであるので、螺子軸4又はモータ3に起因するトルクに対し強度を確保できる材質のものであれば良いが、本発明の意図するところは、上記螺子軸4の回転運動の始動時又は速度の変化時に上記螺子軸4の回転を時間的に遅れて上記モータ3のシャフト3aに伝達させることであるから、設計上、トーションバー1の横断面の断面積や材質を変えることによって、トーションバー1のねじれ剛性を調節し、上記回転速度のずれを、電磁緩衝器を適用する車両に最適なものとすることが好ましい。
【0065】
また、例えば、上記回転トルクによるモータ3のシャフト3aの角加速度が0からある値に変化した場合に1秒後にモータ3のシャフト3aの回転速度が許容回転速度に達するようなトルクがトーションバー1に負荷された場合に、トーションバー1が切断されるようにトーションバー1のせん断強さを設定することとしておけば、電磁緩衝器を車両に適用した際、上記中空ロッド6に急激な路面等からの入力による軸力が負荷された場合に、上記トーションバー1が切断されて、電磁緩衝器の急激な伸縮運動に起因するシャフト3aの回転速度がモータ3の許容回転速度を超えることを抑制することも出来る。
【0066】
以上より、モータ3のシャフト3aの回転速度が、モータ3の許容回転速度を超えることを抑制できるから、モータ3自体が発生する熱によるモータ3の損傷を防止することが出来る。
【0067】
更に、本発明に係る電磁緩衝器が車両に適用された際、上述のように、トーションバー1が切断されても、減衰効果は失われるが、懸架バネを電磁緩衝器と併設しておけば、車両は懸架バネでバランスしている状態となり走行不能という事態は回避することができる。
【0069】
尚、トーションバー1は、上述の通り、細長い棒状のトーションバー本体1cと、該本体1cの下方には設けられた本体1cに比べ大径の下側連結部1bと、該連結部の下端に設けられた孔1aと、該本体1cの上端に設けられた上側連結部1dとで一体に成形されているが、上記トルクにより捩れを生ずる部分を有していれば、他の形状としても良い。
【0070】
カップリング2についても、動力を伝達するために用いられるものであるから、その形状は他の形状でも良く、その材質も螺子軸4又はシャフト3aから伝達されるトルクに対し充分な剛性を確保できるものであれば良いが、なるべく、慣性モーメントが小さいものが望ましい。
【0071】
【発明の効果】
各請求項の発明によれば、動力伝達手段の全部または一部に弾性変形部材を用いて、螺子軸の回転トルクにより当該動力伝達手段の全部又は一部が弾性変形することにより、上記螺子軸の回転運動の始動時又は速度の変化時に上記螺子軸の回転を時間的に遅せて上記モータのシャフトに伝達させることとしたので、以下の効果を奏する。
【0072】
電磁緩衝器の伸縮速度の変化があった場合に、伸縮始動時又は伸縮速度の変化に時間的に遅れてモータの回転子の慣性モーメントが発生させることが出来る。従って、モータの回転子の慣性モーメントによる減衰力の発生を時間的に遅らせることとなるので、電磁緩衝器の伸縮速度変化初期のモータの回転子の慣性モーメントに起因する減衰力の発生を抑制することなる。
【0073】
同様に、上述の回転子の慣性モーメントにより発生する減衰力の制御の困難性等の弊害をより少なくすることが可能となる。
【0074】
また、電磁緩衝器の伸縮速度変化初期のモータの回転子の慣性モーメントに起因する減衰力の発生を抑制出来るから、電磁緩衝器を車両に適用した際に、車両の乗り心地の悪化を防ぐことが出来る。
【0076】
さらに、請求項2に記載の発明によれば、上記した請求項1の発明の効果に加えて、動力伝達手段をトーションバーとしたことから以下の効果が得られる。
【0077】
トーションバーの構造は簡易で加工も容易であり、螺子軸及びシャフトへの取付を容易に行うことができる。
【0078】
そして、また、トーションバーを用いることにより一定のトルクがトーションバーに負荷された場合に、トーションバー本体部分が切断するように設定しておくことができる。すると、トーションバーに一定のトルクが負荷されると、トーションバーが切断されるので、モータのシャフトの回転速度がモータの許容回転速度以上になることを抑制することが出来る。
【0079】
即ち、上記シャフトの回転速度がモータの許容回転速度以上となることが抑制されるから、モータ自体が発生する熱による温度上昇を抑制できる。
【0080】
従って、上記温度上昇の抑制により、モータのソレノイドの絶縁被膜の化学変化が抑制されるので、漏電等のモータの損傷を効果的に防止することが出来る。
【0081】
また、トーションバーが切断されても、他の部品に比して高価なモータの損傷を防止することが出来るので、電磁緩衝器の修理においても、上記トーションバーを交換することにより、電磁緩衝器としての機能を回復することが出来るから修理費が安価となる効果がある。
【0082】
更に、本発明に係る電磁緩衝器が車両に適用された際、上述のように、トーションバーが切断されても、減衰効果は失われるが、懸架バネを電磁緩衝器と併設しておけば、車両は当該懸架バネでバランスしている状態となり走行不能という事態は回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における電磁緩衝器の側面断面図である。
【図2】従来の電磁緩衝器の側面断面図である。
【符号の説明】
1 トーションバー
1a 孔
1b 下側連結部
1c トーションバー本体
1d 上側連結部
2 カップリング
3 モータ
3a シャフト
3b キー溝
3c キー
4 螺子軸
4a キー
5 ボール螺子ナット
6 中空ロッド
D 電磁緩衝器本体

Claims (2)

  1. ボール螺子ナットとボール螺子ナット内に回転自在に螺合した螺子軸とを有する電磁緩衝器本体と、上記螺子軸に動力伝達手段を介して結合したモータを有してなり、ボール螺子ナットの直線運動を螺子軸の回転運動に変換し、この回転運動を動力伝達手段を介してモータのシャフトに伝達して当該モータに電磁力を発生させ、この電磁力に起因する上記シャフトの回転に抗するトルクをボール螺子ナットの直線運動を抑制する減衰力として利用する電磁緩衝器において、上記動力伝達手段の全部または一部に弾性変形部材を用いて、上記螺子軸の回転トルクにより当該動力伝達手段の全部又は一部が弾性変形することにより、上記螺子軸の回転運動の始動時又は速度の変化時に上記螺子軸の回転を時間的に遅せて上記モータのシャフトに伝達させることを特徴とする電磁緩衝器。
  2. 上記動力伝達手段をトーションバーとしたことを特徴とする請求項1に記載の電磁緩衝器。
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