JP4304885B2 - 噴射量測定装置の検定方法およびその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、噴射量測定装置の検定方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
噴射量測定装置の検定方法として、被測定物としての燃料噴射装置を噴射マスタに適用して噴射量測定装置の検定を行なうものがある(特開平8−121287号公報等)。
【0003】
特開平8−121287号公報によれば、噴射マスタとして噴射ばらつきの小さい燃料噴射装置を使用している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来方法では、噴射マスタ用に作製したものの噴射ばらつきでさえ問題となるきわめて高い精度が要求される噴射量測定装置の場合には、検定が困難である。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、安定した検定を可能にしつつ、高精度な検定が可能な噴射量測定装置の検定方法およびその装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1によると、被測定物から1噴射行程ごとに噴射される液体を一時的に貯留する所定容積の圧力容器と、圧力容器内の液体の圧力変化を検出する圧力変化検出手段と、圧力変化検出手段の検出結果に基いて1噴射行程内に噴射される液体の噴射量を算出する噴射量測定制御手段と、所定の基準容積量の液体を圧力容器へ充填することが可能な基準マスタ機構とを有し、基準マスタ機構から基準容積量の液体を充填させることにより圧力容器内に生じて圧力変化検出手段により検出される圧力変化、並びに被測定物から圧力容器へ流入した噴射量により生じて圧力変化検出手段により検出される圧力変化に基づいて、被測定物からの噴射量を噴射量測定制御手段により測定する噴射量測定装置の計測ばらつきを検定する検定方法において、所定の検定基準噴射量の液体を圧力容器へ疑似噴射することが可能な疑似噴射マスタ機構と、基準マスタ機構とを用い、基準マスタ機構から基準容積量の液体を充填させることにより圧力容器内に生じて圧力変化検出手段により検出される圧力変化、並びに疑似噴射マスタ機構から検定基準噴射量の液体を擬似噴射させることにより圧力容器内に生じ圧力変化検出手段により検出される圧力変化基いて噴射量測定制御手段によ算出される疑似噴射マスタ機構からの噴射量と、検定基準噴射量とを比較することで、噴射量測定装置の計測ばらつきの検定を行う
【0007】
これにより、所定の検定基準噴射量の液体を疑似噴射することが可能な疑似噴射マスタ機構を検定のための噴射マスタとして用い、疑似噴射マスタ機構から圧力容器へ検定基準噴射量の液体を擬似噴射させることにより生じた圧力変化検出手段の圧力変化に基いて噴射量測定制御手段によって算出される噴射量と、検定基準噴射量との差分等を比較して検定するので、被測定物としての燃料噴射装置を噴射マスタとして用いる検定方法場合検定ばらつきとなる噴射マスタの噴射ばらつきと噴射量測定装置の計測ばらつきとから、噴射マスタの噴射ばらつきを分離することが可能である。したがって、噴射量測定装置の検定を安定して行なうことが可能である。
【0008】
上記疑似噴射マスタ機構は、請求項2に記載のように、被測定物とは異なる部位の液体を、検定基準噴射量だけ前記圧力容器内へ押出す。
【0009】
このため、被測定物としての燃料噴射装置を噴射マスタとして用いる噴射量測定装置の検定方法に比べ、噴射マスタの噴射ばらつきの低減または除去が可能であるので、噴射量測定装置の検定の安定性が向上できる。
【0010】
本発明の請求項3によると、疑似噴射マスタ機構は、被測定物から1噴射行程中に噴射される複数回噴射のうち、少なくとも1回の噴射に対応する検定基準噴射量の液体を圧力容器へ充填する。
【0011】
これにより、被測定物から1噴射行程中に複数回噴射される噴射状態を形成できる燃料噴射装置の噴射量測定を行なう噴射量測定装置の検定において、複数回噴射されるそれぞれ噴射ごとに検定することが可能である。
【0012】
本発明の請求項4によると、疑似噴射マスタ機構による圧力容器への検定基準噴射量の充填は、前記複数回噴射される噴射のうち、1噴射行程中に噴射される噴射量の大部分を占める主噴射が噴射された後に、行われる。
【0013】
すなわち、被測定物から1噴射行程ごとに噴射される液体を一時的に貯留する所定容積の圧力容器に、1噴射行程中に噴射される噴射量の大部分を占める主噴射つまり噴射量が大きい状態となった後に、疑似噴射マスタ機構による圧力容器への検定基準噴射量の充填を行なう。
【0014】
これにより、噴射量の大部分を占める主噴射つまり噴射量が大きい状態で、疑似噴射マスタ機構から圧力容器へ検定基準噴射量の液体を擬似噴射させることにより生じた圧力変化検出手段の圧力変化に基いて噴射量測定制御手段によって算出される噴射量と、検定基準噴射量とを比較することで検定するので、噴射量が大きい状態での検定についても安定して行なうことが可能である。
【0015】
したがって、例えば被測定物としての燃料噴射装置の噴射量を変化させ、広範囲の噴射量ごとの検定を行なうことで、噴射量測定装置の測定範囲のダイナミックレンジを保証するための検定ができる。
【0016】
本発明の請求項5によると、検定基準噴射量は、圧力容器の容積に比べてきわめて小さい容積である。これにより、微小噴射量の検定に好適である。
【0017】
本発明の請求項6によると、被測定物とは異なる部位の液体を圧力容器内へ所定の基準容積量だけ充填る基準マスタ機構を用い、検定を行なう。
【0018】
被測定物とは異なる部位の液体を圧力容器内へ所定の基準容積量だけ充填る基準マスタ機構を用い、検定対象とする噴射に係わる検定、被測定物から噴射される液体を用いずに行なうことが可能である。
【0019】
本発明の請求項7によると、被測定物から1噴射行程ごとに噴射される液体を一時的に貯留する所定容積の圧力容器と、圧力容器内の液体の圧力変化を検出する圧力変化検出手段と、圧力変化検出手段の検出結果に基いて1噴射行程内に噴射される液体の噴射量を算出する噴射量測定制御手段と、所定の基準容積量の液体を圧力容器へ充填することが可能な基準マスタ機構とを有し、基準マスタ機構から基準容積量の液体を充填させることにより圧力容器内に生じて圧力変化検出手段により検出される圧力変化、並びに被測定物から圧力容器へ流入した噴射量により生じて圧力変化検出手段により検出される圧力変化に基づいて、被測定物からの噴射量を噴射量測定制御手段により測定する噴射量測定装置の計測ばらつきを検定する検定装置において、所定の検定基準噴射量の液体を圧力容器へ疑似噴射することが可能な疑似噴射マスタ機構と、基準マスタ機構から基準容積量の液体を充填させることにより圧力容器内に生じて圧力変化検出手段により検出される圧力変化、並びに疑似噴射マスタ機構から検定基準噴射量の液体を擬似噴射させることにより圧力容器内に生じ圧力変化検出手段により検出される圧力変化基いて噴射量測定制御手段によ算出される疑似噴射マスタ機構からの噴射量と、検定基準噴射量とを比較することで、噴射量測定装置の計測ばらつきの検定を行なう判定手段とを備える。
【0020】
被測定物から1噴射行程ごとに噴射される液体を一時的に貯留する所定容積の圧力容器へ、所定の検定基準噴射量の液体を疑似噴射することが可能な疑似噴射マスタ機構を備えるので、疑似噴射マスタ機構から圧力容器へ検定基準噴射量の液体を擬似噴射させることにより生じた圧力変化検出手段の圧力変化に基いて噴射量測定制御手段によって算出される噴射量と、検定基準噴射量とを比較することにより、噴射量測定装置の検定を安定して行なえる。
【0021】
本発明の請求項8によると、疑似噴射マスタ機構は、液体容積を可変にする可変容積室と、可変容積室を液密に仕切る弾性体と、弾性体を駆動することで検定基準噴射量を圧力容器へ押出す駆動装置部とを備えており、可変容積室の壁面は、弾性体が駆動装置部によって駆動されるとき、駆動方向に移動する最大移動量を規制するものであって、壁面に弾性体が当接することで検定基準噴射量を確保できる。
【0022】
疑似噴射マスタ機構は、駆動装置部によって駆動される弾性体で仕切られた可変容積室を有し、この弾性体が駆動方向に移動する最大移動量を規制するように、可変容積室の壁面が配設されているので、例えば弾性体を油圧駆動する等の駆動装置部によって、弾性体に起因して容易に壁面に弾性体が当接できる。したがって、弾性体で仕切られた可変容積室に形成される検定基準噴射量は、駆動装置部の動作に応じて、形成つまり確保、消失ができる。
【0023】
本発明の請求項9によると、弾性体は、ダイヤフラムであって、可変容積室の壁面は、ダイヤフラムの表面形状に倣うように、凹面形状に形成されている。
【0024】
このため、可変容積室を仕切る弾性体はダイヤフラムで形成されるので、例えば凹面形状に形成された壁面に倣うようにダイヤフラムの表面形状を凹面形状に形成すれば、駆動装置部の動作によってダイヤフラムが検定基準噴射量を確保するとき、可変容積室内の液圧の大小に係わらず、ダイヤフラム、および壁面の形状に起因して検定基準噴射量の完全形成が確実にできる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の噴射量測定装置の検定方法およびその装置を具体化した実施形態を図面に従って説明する。
【0026】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係わる検定装置を適用した噴射量測定装置およびその周辺装置としての検定装置のシステム全体の概略構成を表す構成図である。図2は、図1中の検定装置の要部を表す模式的構成図である。図3は、本発明の実施形態の噴射量測定装置の検定方法を説明するため、噴射量測定装置から出力される検定対象の噴射量に係わる圧力変化検出手段の圧力変化特性を示すタイムチャートである。図4は、図2中の疑似噴射マスタ機構、特に可変容積室内の動作を説明する模式図であって、図4(a)は、駆動装置部のオン動作によって所定液体容積を圧力容器へ押出した状態、図4(b)は、駆動装置部のオフ動作によって所定液体容積を圧力容器から戻した状態である。
【0027】
(本発明の検定方法および検定装置を適用する噴射量測定装置及び周辺装置の概略説明)
図1に示すように、本発明の検定装置を適用した噴射量測定装置及び周辺装置は、圧力容器1と、被測定物9に接続され、被測定物9から吐出される液体を圧力容器1内に噴射させる燃料噴射弁部2と、圧力容器1内の液体の圧力変化を検出する圧力変化検出手段3と、回転力が伝達されることで間欠噴射する被測定物9を駆動する駆動モータ4と、基準マスタ機構5と、疑似噴射マスタ機構6と、制御手段としての制御回路8と、被測定物としての燃料噴射装置9とを含んで構成されている。
【0028】
圧力容器1は、液密な所定容積を有しており、密閉状態に設定可能な排出装置部7を備えている。この圧力容器1は、燃料噴射装置9(詳しくは、この燃料噴射装置9と燃料噴射装置9に接続され圧力容器1へ噴射する燃料噴射弁部2)から1噴射行程ごとに噴射される液体を一時的に貯留することができる。なお、排出装置部7は、圧力容器1に噴射された液体を排出するように、二方電磁弁71と背圧弁72とからなる。
【0029】
燃料噴射弁部2は、圧力容器1に取付けられる燃料噴射弁2aと、燃料噴射弁2aと燃料供給装置9とを液密に連通するように接続する高圧配管2bとからなる。この燃料噴射弁2aと高圧配管2bは、例えば内燃機関に燃料噴射装置9とセットで搭載される燃料噴射弁、高圧配管でなく、噴射量測定装置用として設定されたものであっても、セットで搭載される燃料噴射弁、高圧配管による燃料噴射装置9の噴射量と、この燃料噴射弁2a、高圧配管2bによる燃料噴射装置9の噴射量とに相関がとれるものであればよい。
【0030】
圧力変化検出手段3は、圧力容器1内の液体の圧力変化を検出するものであって、周知の歪ゲージ式圧力センサ、ピエゾ式圧力センサ等の液圧検出が可能な圧力センサが用いられる。
【0031】
駆動モータ4は、外部からの回転駆動力によって高圧噴射する燃料噴射装置9を駆動できるものであればよく、モータ部4aとモータ部4aの回転軸の回転を検出するエンコーダ4bとからなる。
【0032】
基準マスタ機構5は、燃料噴射装置9から1噴射行程ごとに噴射される液体に先立ち、それぞれの1噴射行中の噴射前(図3参照)に圧力容器1へ基準容積量ΔVc(図2参照)の液体を充填するものである。なお、この基準マスタ機構5は、基準容積量ΔVcを形成、消失可能な可変容積部5aと、この可変容積部5aの基準容積量ΔVcの液体を圧力容器1へ押出す駆動装置部5bからなる。また、駆動装置部5aは、例えば図1に示すように油圧駆動装置であって、三方電磁弁51と、三方電磁弁51に接続された圧力源52と、三方電磁弁51に接続された背圧弁53からなる。
【0033】
この基準容積量ΔVcの液体の充填によって、後述の制御回路8が、噴射量判定の基準となる圧力容器1内で生じる基準圧力変化ΔPcを圧力センサ3に検知させ、この圧力変化ΔPcと、燃料噴射弁2aより圧力容器1へ流入した噴射量により生じた圧力変化ΔPとを比較し、その噴射量ΔQを、ΔQ=(ΔP/ΔPc)*ΔVcの演算式より算出することで噴射量を求める(以下、圧力比較法による燃料噴射量測定方法と呼ぶ)。
【0034】
なお、この噴射量測定方法の詳細については、噴射量測定装置の検定方法、特に測定ばらつき要因の低減、除去に係わる説明箇所で、後述する。
【0035】
疑似噴射マスタ機構6は、噴射量測定装置を検定対象として、検定用の疑似噴射をさせる機構であって、検定を行なうときに所定容積量ΔVj(図2参照)の液体を圧力容器1へ噴射する。この噴射量測定装置の検定とは、上述の圧力変化ΔPを換算することで求める噴射量測定方法に係わる圧力センサ3および圧力容器1内の液圧状態等を検定対象として、疑似噴射マスタ6が圧力容器1へ注入する所定容積ΔVjつまり所定噴射量と、疑似噴射マスタ6の所定容積ΔVjの注入により生じる圧力変化ΔPjから換算された計測噴射量Qobとを比較することである。
【0036】
なお、この疑似噴射マスタ機構6は、所定液体容積量ΔVjを形成、消失可能な可変容積部6aと、この可変容積部6aの所定液体容積量ΔVjを圧力容器1へ押出す駆動装置部6bからなり、可変容積部6aの詳細については後述する。
【0037】
制御手段としての制御回路8は、その機能を手段として説明すると、噴射量に係わる情報としての圧力センサ3の圧力変化信号、および燃料噴射装置9の回転を検出するエンコーダ4aの回転信号等のセンサ信号の入力と、および基準マスタ機構5、疑似噴射マスタ機構6、および排出装置部7を駆動する出力を行なう入出力回路(図示せず)と、図示しない圧力センサ3で検出した圧力変化結果から噴射量に換算する演算式等の制御プログラムを格納したリードオンメモリ(ROM)、各種データを格納するランダムアクセスメモリ(RAM)、各種演算処理を実行する中央処理装置としてのマイクロプロセッサ(CPU)からなる公知の構成のマイクロコンピュータとして構成されている。
【0038】
なお、制御回路の動作の詳細については後述する。
【0039】
被測定物としての燃料噴射装置9は、1噴射行程ごとに間欠噴射するものであればよく、本発明の噴射量測定装置の検定対象としては、1噴射行程中に複数回噴射されるものであっても、それぞれの噴射ごとに検定が可能である。
【0040】
(検定方法と検定装置の詳細)
図2に示すように、検定装置の要部は、圧力比較法による噴射量測定方法に係わる圧力センサ3、圧力容器1、基準マスタ機構5、および疑似噴射マスタ機構6とを含んで構成されている。
【0041】
以下、圧力センサ3、圧力容器1、基準マスタ機構5、および疑似噴射マスタ機構6それぞれの検定対象および検定の精度に係わる要因について説明する。
【0042】
圧力容器1に係わる検定対象は、圧力容器1内の液圧状態としての液体温度による影響および気泡混入の有無による影響、圧力容器1に備えられた排出装置部7の動作による圧力容器1内の密閉状態等の圧力容器1の液体漏れの有無による影響等があり、装置としての測定噴射量のばらつき要因となる。
【0043】
これに対して、本実施形態では、以下のように解決することで検定のばらつきを除去する。液体温度の影響つまり温度による液体の体積弾性率の変化については、本実施形態に用いる圧力比較法の原理により解決する。次に、気泡混入の有無による影響については圧力容器1内の下限設定液圧P0を、測定時および検定時に気泡が発生しない圧力容器1の背圧とすることで解決する。また、圧力容器1の液体漏れの有無による影響については、噴射量測定装置の検定を行なう前処理として、必要に応じ、圧力容器1の接続部に使用するシール材の交換、例えば燃料噴射弁2のガスケット(図示せず)および圧力センサ3のガスケット等の交換を実施することで解決する。
【0044】
次に、圧力センサ3に係わる検定対象は、出力信号としての出力直線安定性の影響、出力ノイズの影響があり、それぞれ装置としての噴射量測定のダイナミックレンジにわたる測定精度の低下、測定ばらつきの要因となる。
【0045】
これに対して、本実施形態では、以下のように解決することで検定のばらつきを低減または除去する。出力直線安定性の影響および出力ノイズの影響については、検定の繰返しによる平均化によって検定ばらつきを低減する。
【0046】
ここで、一般的に、圧力変化検出手段としての圧力センサ3は、検出した圧力に対する圧力信号としてのセンサ出力は、広範囲の圧力にわたって出力特性のリニアリティが保証できるものは、圧力センサ自体が高価なものとなるので、経済性を考慮して所定のリニアリティ幅(例えば±1%)を許容したものを用いる場合がある。このため、例えば測定範囲内の噴射量の少なくとも数点について検定を行なう必要がある。
【0047】
これに対して本発明の実施形態では、例えば後述の変形例(図5参照)のように、燃料噴射装置9から1噴射行程中に複数回噴射される噴射状態を利用して、1噴射行程中に噴射される噴射量の大部分を占める主噴射(例えば150mm3/st)が噴射された後に、疑似噴射マスタ機構6による検定用噴射(例えば1mm3/st)を行なうことができる。
【0048】
これにより、燃料噴射装置9から主噴射量を変えることで、上記測定範囲内の噴射量ごとの検定が可能であるので、噴射量測定のダイナミックレンジにわたって検定精度の向上が可能である。
【0049】
したがって、噴射量測定のダイナミックレンジにわたって検定精度の向上と、検定ばらつきの除去が可能である。
【0050】
基準マスタ機構5は、本実施形態に係わる方法の原理の基準となるものであるので、基準容積量ΔVc等を高精度に製作し、この基準容積量ΔVcを噴射直前に圧力容器1へ充填できる応答性を具備することが前提であり、検定の対象としては、検定の前処理としての応答性劣化有無の影響であって、確認した劣化状況に応じて基準マスタ機構5の更新を行なう。
【0051】
なお、疑似マスタ機構6については、後述する。
【0052】
(本実施形態による検定方法の原理)
図3に示すように、まず噴射前に、基準マスタ機構5によって圧力容器1へ基準容積量ΔVc(図2参照)の液体を充填する。このとき、圧力容器1内の容積V(図2参照)は、この基準容積量ΔVcに比べ十分大きい容積を有するので、圧力変化ΔPcへの影響に対してV+ΔVc=Vとみなせ、よって圧力容器1内の圧力変化ΔPcは、次式(1)で表される。
【0053】
ΔPc=(1/β)*(ΔVc/V) ・・・ (1)
ここで、1/βは、液体の体積弾性率を表し、βは、いわゆる圧縮比である。
【0054】
次に、噴射として、疑似噴射マスタ機構6によって圧力容器1へ所定液体容積量ΔVjの液体(図2参照)を噴射する。このとき、この所定液体容積量ΔVjに比べて容積Vが十分大きいので、同様にして、圧力容器1内の圧力変化ΔPjは、次式(2)で表される。
【0055】
ΔPj=(1/β)*(ΔVj/V) ・・・ (2)
なお、この基準容積量ΔVcの注入と、所定液体容積量ΔVjの噴射の時間間隔は1噴射行程中ということてきわめて短く、この間でのβの変化は生じない。
【0056】
したがって、式(1)および式(2)から、次式(3)のいわゆる圧力比較法の検定方法が導ける。
【0057】
ΔVj=(ΔPj/ΔPc)*ΔVc ・・・ (3)
これにより、上述の圧力容器1の液圧状態の検定対象となる液体の体積弾性率(1/β)の影響が除去できるので、液体の体積弾性率に係わる検定ばらつきが除去できる。
【0058】
なお、基準マスタ機構5、疑似噴射マスタ機構6は、圧力容器1へ充填した基準容積量ΔVc、所定液体容積量ΔVjの液体をそれぞれの駆動装置部5b、6bの動作によって可変容積室5a、6a内に戻せば、圧力容器1内の液圧Pkは、P0となる。
【0059】
このため、圧力容器1内の下限液圧P0を圧力容器1内に気泡が発生しない液圧以上に保持すれば、上述の圧力容器1の液圧状態の検定対象となる気泡混入が防止できるので、圧力容器1内の気泡混入に係わる検定ばらつきが除去できる。
【0060】
なお、疑似噴射マスタ機構6に換えて燃料噴射装置9の噴射による液体が圧力容器1へ流入する場合でも、排出装置部7の背圧弁を調整して液圧PkがP0となるように、燃料噴射装置9の噴射量を排出することは可能である。
【0061】
また、図3に示すように検定方法として、検定基準となる所定液体容積量ΔVjを疑似噴射すなわち検定用噴射することが可能な疑似噴射マスタ機構6を、検定のための噴射マスタとして用い、この所定液体容積量ΔVjを圧力容器1へ流入させることで圧力センサ3を介して制御回路8によって算出された噴射量(詳しくは、圧力変化ΔPjから換算された計測噴射量)Qobと、所定液体容量、つまり検定基準噴射量ΔVjとを比較して、例えば計測噴射量Qobと所定液体容積量(検定基準噴射量)ΔVjとの差分等による検定によって噴射量測定装置の測定ばらつきの検定ができる。
【0062】
しかも、被測定物としての燃料噴射装置9を噴射マスタとして用いる従来の検定方法が検定ばらつきとして噴射マスタの噴射ばらつきと噴射量測定装置の計測ばらつきを有していたのに対し、この検定方法を用いれば、噴射マスタの噴射ばらつきを分離することが可能である。
【0063】
したがって、噴射量測定装置の検定を安定して行うことができる。
【0064】
このため、疑似噴射マスタ機構6の検定用噴射による検定を繰返し行なって上述の差分(Qob−ΔVj)の平均化を行えば、噴射量測定装置の計測ばらつきを除去できるので、高精度の検定が可能である。
【0065】
この疑似噴射マスタ機構6の検定用噴射に用いる所定液体容積量(検定基準噴射量)ΔVjは、きわめて小さい容積量(例えば、1mm3/st)であることが望ましい。これにより、例えばパイロット噴射(2〜5mm3/st程度)等の噴射量を測定する噴射量測定装置の検定において、微少噴射量の検定に好適である。
【0066】
一方、基準マスタ機構5の噴射量換算に用いる基準単位となる基準容積量ΔVcは、噴射量測定装置のダイネナミックレンジを確保するため、その噴射量測定装置の計測可能な上限許容噴射量を考慮した定容積(例えば、10mm3/st程度)とすることが望ましい。
【0067】
ここで、可変容積部6aと駆動装置部6bからなる疑似噴射マスタ機構6において、図2に示すように、可変容積部6aは、液体容積を可変にする可変容積室6a1と、この可変容積室6a1を液密に仕切るダイヤフラム等の弾性体6a2とを備え、駆動装置部6bは、このダイヤフラムを駆動することで所定液体容積量ΔVjを圧力容器1へ押出すものであって、図1に示すように、三方電磁弁61と、三方電磁弁61に接続された圧力源62と、三方電磁弁61に接続された背圧弁63からなる。
【0068】
この三方電磁弁61は、2個の二方電磁弁を用いれば、ダイヤフラムを油圧駆動する駆動装置部6bの応答性向上が可能である。
【0069】
また、図4に示すように、可変容積室6a1の壁面6a1hは、ダイヤフラム6a2が駆動されるとき、駆動方向に移動する最大移動量を規制するように配設されている。これにより、ダイヤフラムは、弾性体に起因して容易に壁面6a1hに当接でき、よってダイヤフラム6a2に仕切られた可変容積の容積量ΔVjの形成、消失の可逆安定性を確保可能である。
【0070】
さらに、このダイヤフラム6a1は、ゴム材またはゴム複合材料等の非金属、あるいはステンレス鋼等の金属から形成されている。
【0071】
ゴム材またはゴム複合材料のダイヤフラム6a1において、このダイヤフラム6a1を、凹面形状の壁面6a1hに倣うように、ダイヤフラム6a1の表面形状を凹面形状に形成すれば、駆動装置部6bの動作によってダイヤフラム6a2が所定液体容積量ΔVjを確保するとき、可変容積室6a1内の液圧の大小に係わらず、ダイヤフラム6a2、および壁面6a1hの形状に起因して所定液体容積量ΔVjの完全形成が確実にできる。
【0072】
なお、ステンレス鋼のダイヤフラム6a2においても、そのダイヤフラム6a2の有功面積を、ゴム材等のダイヤフラム6a2の有功面積に比べ大きくし、所定液体容積量ΔVjに相当する押出し量を小さく抑えるようにすれば、ステンレス鋼の弾性変形内(詳しくは、ダイヤフラム6a2に加わる受圧力によって生じる弾性変形)で、弾性変形時に形成されるダイヤフラム6a2の表面形状(詳しくは、凹面形状)に倣うように、可変容積室6a1の壁面6a1hを凹面形状に形成できる。このため、壁面6a1hの凹面形状の壁面6a1hに倣うように、ステンレス鋼のダイヤフラム6a2の表面形状を凹面形状に形成することができるので、ダイヤフラム6a2、および壁面6a1hの形状に起因して所定液体容積量ΔVjの完全形成が確実にできる。
【0073】
(変形例1)
上述の実施形態では、燃料噴射装置9を噴射マスタに用いることなく、噴射前の基準マスタ機構5による圧力容器1への充填後、疑似噴射マスタ機構6による検定用噴射することで噴射量測定装置の検定を行なう検定方法を説明したのに対し、変形例1としては、1噴射行程中に複数回噴射される噴射状態を形成できる燃料噴射装置からその複数回噴射される噴射のうち、一つの噴射を検定対象として疑似噴射マスタ機構6を用いて検定し、他の噴射についてはこの燃料噴射装置からの噴射を利用する検定方法である(図5参照)。
【0074】
図5において、エンコーダ4b(図1参照)から発生される回転信号RTS1は、駆動モータ4の1回転につき1パルスであり、RTS2は、駆動モータ4の1回転につき3600パルスである。この信号RTS1は、エンコーダ4bすなわち燃料噴射装置が1回転するごとに1パルスを発生するものであり、信号RTS1のパルスとパルスの間は1噴射行程を示す。一方、信号RTS2は、燃料噴射装置が1回転するごとに3600パルスを発生するものであり、圧力容器1内に生じる圧力変化を検出するためのトリガー信号TRG(図5ではTRG1〜TRG5)を発生するタイミング信号として使用される。なお、信号RTS2のパルス数は3600パルスに限定されるものではない。
【0075】
また、駆動信号H1、Hj、H2は、それそれ基準マスタ機構5、疑似噴射マスタ機構6、排出装置部7を駆動させる駆動信号である。
【0076】
基準マスタ機構5、疑似噴射マスタ機構6は、それぞれの基準容積量ΔVc、所定液体容積量ΔVjを、駆動信号の立上りによって圧力容器1へ流入させ、逆に、駆動信号の立下がりによって圧力容器1からそれぞれの可変容積部5a、6aに戻す(図5(j)、図5(k)参照)。
【0077】
排出装置部7は、1噴射行程中の複数回噴射が終了する(図5(a)参照)と、駆動信号の立上りによって、1噴射行程中に圧力容器1へ流入した燃料噴射装置から噴射量を圧力容器1の外部へ排出させる。一方、容器1内の液圧を液圧P0に達すると、駆動信号の立下がりによって排出を停止する(図5(m)参照)。
【0078】
まず、図5(e)に示すトリガー信号TRG1のタイミングにおいて、排出装置部7の二方電磁弁71によって圧力容器1は密閉状態となっており、圧力容器1内の液圧は背圧弁72によって液圧P0に保持されている。このトリガー信号TRG1のタイミング(詳しくは、立上りタイミング)で、圧力センサ3により検出されている液圧P0が圧力容器1内の液圧情報として制御回路8へ入力される。
【0079】
次に、図5(j)に示す駆動信号H1の立上りのタイミングで、基準マスタ機構5は、基準容積量ΔVcの液体を圧力容器1へ押出す。その結果、押出された容積ΔVcの液体によって圧力容器1内の液体は、液圧変化ΔPcだけ上昇し、液圧Pcとなる(図5(b)参照)。このときの液圧Pcを、図5(f)に示すトリガー信号TRG2のタイミングで、制御回路8へ取り込む。
【0080】
なお、トリガー信号TRG1、TRG2のタイミング、および駆動信号H1の立上りのタイミングは、燃料噴射装置9または疑似噴射マスタ機構6から圧力容器1へ液体が流入される前つまり噴射前に行なわれるように設定する。
【0081】
そして、トリガー信号TRG2後、燃料噴射弁2を介して燃料噴射装置9から圧力容器1へ噴射されると(図5(a)参照)、パイロット噴射Qp、メイン噴射Qmに応じて、圧力容器1内の液体が順に液圧変化ΔPp、液圧変化ΔPmだけ上昇し、その液圧は、順に液圧Pp、液圧Pmとなる。液圧Pp、液圧Pmのそれぞれのとき、トリガー信号TRG3(図5(g)参照)、トリガー信号TRG4(図5(h)参照)のタイミングで、液圧Pp、液圧Pmを制御回路8へ取り込む。
【0082】
次に、燃料噴射装置9から圧力容器1へパイロット噴射Qp、およびメイン噴射Qm後、検定対象のアフター噴射Qaとして、図5(k)に示す駆動信号Hjの立上りのタイミングで、疑似噴射マスタ機構6によって圧力容器1へ所定液体容積ΔVjを押出す。その結果、押出された容積ΔVjの液体によって圧力容器1内の液体は、液圧変化ΔPjだけ上昇し、液圧Pjとなる(図5(b)参照)。このときの液圧Pjを、図5(f)に示すトリガー信号TRG5のタイミングで、制御回路8へ取り込む。
【0083】
圧力センサ3によって検出され、制御回路8へ入力された圧力容器1の液圧状態を表す液圧P0、Pc、Pp、Pm、Pjに基いて、制御回路8の内部処理にて、圧力変化ΔPc=Pc−P0、ΔPp=Pp−Pc、ΔPm=Pm−Pp、ΔPj=Pj−Pmを求める。
【0084】
前述の式(3)のΔVj=(ΔPj/ΔPc)*ΔVcの換算式の式中のΔPjに、それぞれ圧力変化ΔPp、ΔPm、ΔPjが代入され、換算された計測噴射量Qp、Qm、Qobが算出される。
【0085】
ここで、この計測噴射量Qobと、所定液体容積量(検定基準噴射量)ΔVjとを差分等によって比較判定することで、噴射量測定装置のアフター噴射に係わる測定ばらつきの検定ができる。
【0086】
また、この疑似噴射マスタ機構6を駆動する駆動信号Hjの立上りタイミングを変えることにより、アフター噴射以外のパイロット噴射Qp等を検定対象として検定できる。なお、疑似噴射マスタ機構6を、1噴射行程中に複数回噴射される噴射の数だけ圧力容器1に配設すれば、燃料噴射装置9からの噴射がなくても、基準マスタ機構5と、その噴射の数に対応した疑似噴射マスタ機構6によって、1噴射行程中に複数回噴射される噴射状態を測定できる噴射量測定装置の検定が、それぞれの噴射(噴射種類)を検定対象として一度に行なうことが可能である。
【0087】
なお、例えばメイン噴射Qmとアフター噴射Qaの噴射間隔が略零となる噴射状態の測定が可能な噴射量測定装置の検定をしたい場合、燃料噴射装置からのメイン噴射Qm後に、疑似噴射マスタ機構6による疑似噴射を近接させることで、噴射間隔が略零となる噴射状態での検定が行なうことができる。
【0088】
(変形例2)
変形例2としては、変形例1にて説明した燃料噴射装置からの噴射を利用する他の噴射のパイロット噴射Pp、メイン噴射Qpのうち、パイロット噴射Ppを無噴射状態として、1噴射行程中に噴射される噴射量の大部分を占める主噴射つまりメイン噴射Qmの後に、疑似噴射マスタ機構6による疑似噴射を行なうことで、噴射量が大きい噴射状態での検定を行なう検定方法である。
【0089】
これにより、燃料噴射装置9のメイン噴射Qmを調整することで、小噴射量から大噴射量の広い噴射量範囲における各噴射量Qmでの測定ばらつきの検定を行なえば、噴射量測定装置の測定範囲のダイナミックレンジを保証する検定ができる。
【0090】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、図6に示すように、いわゆる圧力分配法の測定方法による噴射量測定装置に適用する検定方法および検定装置である。
【0091】
図6(a)に示すように、定容積量Vを備えた圧力容器1に取付けられたN個(図6では6個)の疑似噴射マスタ機構6を備え、それぞれの疑似噴射マスタ機構6を順に駆動して圧力容器1へ所定液体容量ΔVjをN個に対応するN回分押出すと、図6(b)の如く圧力変化ΔPjkが検出できる。この検出の際には排出装置部7を閉じて圧力容器1を密閉状態とする。これらの圧力変化ΔPjkを検出後には排出装置部7を開放して、疑似噴射マスタ機構6によって疑似噴射された液体の総流量Qjが体積流量計10またはメスシリンダ11で計量される。
【0092】
ここで、検定したい計量噴射量ΔQobを、この計量された総流量Qjに基いて次式(4)の圧力分配法による換算式より求める。
【0093】
ΔQjk=(ΔPjk/ΣΔPjk)*Qj ・・・ (4)
これにより、計量噴射量ΔQob=ΔQjkを、N個の疑似噴射マスタ機構6の圧力変化ΔPjkに対応する所定液体容量ΔVjkと比較し、その差分(ΔQob−ΔVjk)等を判定することで、燃料噴射装置9から噴射される液体を用いることなく、検定を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係わる検定装置を適用した噴射量測定装置およびその周辺装置としての検定装置のシステム全体の概略構成を表す構成図である。
【図2】図1中の検定装置の要部を表す模式的構成図である。
【図3】本発明の実施形態の噴射量測定装置の検定方法を説明するため、噴射量測定装置から出力される検定対象の噴射量に係わる圧力変化検出手段の圧力変化特性を示すタイムチャートである。
【図4】図2中の疑似噴射マスタ機構、特に可変容積室内の動作を説明する模式図であって、図4(a)は、駆動装置部のオン動作によって所定液体容積を圧力容器へ押出した状態、図4(b)は、駆動装置部のオフ動作によって所定液体容積を圧力容器から戻した状態である。
【図5】変形例の噴射量測定装置の検定方法を説明する模式図であって、噴射量測定装置から出力される検定対象の噴射量に係わる圧力変化検出手段の圧力変化特性を示すタイムチャートである。
【図6】第2の実施形態の噴射量測定装置の検定方法およびその装置を説明する模式図であって、図6(a)は、検定装置の要部を表す構成図、図6(b)は、検定対象の噴射量に係わる圧力変化検出手段の圧力変化特性を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 圧力容器
2 燃料噴射弁
3 圧力センサ(圧力変化検出手段)
4、(4a、4B)駆動モータ、(モータ部、エンコーダ)
5 基準マスタ機構
6 疑似噴射マスタ機構
6a、6b 可変容積部、駆動装置部
6a1、6a2 可変容積室、ダイヤフラム(弾性体)
7 排出装置部
8 制御回路(制御手段)
9 燃料噴射装置(被測定物)
10 体積流量計
11 メスシリンダ
ΔVc、ΔVj 基準容積量、所定液体容積
Qob 疑似噴射マスタ機構6による圧力センサ3を介して計測した疑似噴射量(検定用噴射量)
Qp、Qm、Qa 1噴射行程中に複数回噴射される噴射の種類(パイロット噴射、メイン噴射、アフター噴射)

Claims (9)

  1. 被測定物から1噴射行程ごとに噴射される液体を一時的に貯留する所定容積の圧力容器と、該圧力容器内の液体の圧力変化を検出する圧力変化検出手段と、該圧力変化検出手段の検出結果に基いて1噴射行程内に噴射される液体の噴射量を算出する噴射量測定制御手段と、所定の基準容積量の液体を前記圧力容器へ充填することが可能な基準マスタ機構とを有し、前記基準マスタ機構から前記基準容積量の液体を充填させることにより前記圧力容器内に生じて前記圧力変化検出手段により検出される圧力変化、並びに前記被測定物から前記圧力容器へ流入した噴射量により生じて前記圧力変化検出手段により検出される圧力変化に基づいて、前記被測定物からの噴射量を前記噴射量測定制御手段により測定する噴射量測定装置の計測ばらつきを検定する検定方法において、
    所定の検定基準噴射量の液体を前記圧力容器へ疑似噴射することが可能な疑似噴射マスタ機構と、前記基準マスタ機構とを用い、
    前記基準マスタ機構から前記基準容積量の液体を充填させることにより前記圧力容器内に生じて前記圧力変化検出手段により検出される圧力変化、並びに前記疑似噴射マスタ機構から前記検定基準噴射量の液体を擬似噴射させることにより前記圧力容器内に生じ前記圧力変化検出手段により検出される圧力変化基いて前記噴射量測定制御手段によ算出される前記疑似噴射マスタ機構からの噴射量と、前記検定基準噴射量とを比較することで、前記噴射量測定装置の計測ばらつきの検定を行うことを特徴とする噴射量測定装置の検定方法。
  2. 前記疑似噴射マスタ機構は、前記被測定物とは異なる部位の液体を、前記検定基準噴射量だけ前記圧力容器内へ押出すことを特徴とする請求項1に記載の噴射量測定装置の検定方法。
  3. 前記疑似噴射マスタ機構は、前記被測定物から1噴射行程中に噴射される複数回噴射のうち、少なくとも1回の噴射に対応する前記検定基準噴射量の液体を前記圧力容器へ充填することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の噴射量測定装置の検定方法。
  4. 前記疑似噴射マスタ機構による前記圧力容器への前記検定基準噴射量の充填は、前記複数回噴射される噴射のうち、1噴射行程中に噴射される噴射量の大部分を占める主噴射が噴射された後に、行われることを特徴とする請求項3に記載の噴射量測定装置の検定方法。
  5. 前記検定基準噴射量は、前記圧力容器の容積に比べてきわめて小さい容積であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の噴射量測定装置の検定方法。
  6. 前記基準マスタ機構は、前記被測定物とは異なる部位の液体を前記圧力容器内へ前記基準容積量だけ充填することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の噴射量測定装置の検定方法。
  7. 被測定物から1噴射行程ごとに噴射される液体を一時的に貯留する所定容積の圧力容器と、該圧力容器内の液体の圧力変化を検出する圧力変化検出手段と、該圧力変化検出手段の検出結果に基いて1噴射行程内に噴射される液体の噴射量を算出する噴射量測定制御手段と、所定の基準容積量の液体を前記圧力容器へ充填することが可能な基準マスタ機構とを有し、前記基準マスタ機構から前記基準容積量の液体を充填させることにより前記圧力容器内に生じて前記圧力変化検出手段により検出される圧力変化、並びに前記被測定物から前記圧力容器へ流入した噴射量により生じて前記圧力変化検出手段により検出される圧力変化に基づいて、前記被測定物からの噴射量を前記噴射量測定制御手段により測定する噴射量測定装置の計測ばらつきを検定する検定装置において、
    所定の検定基準噴射量の液体を前記圧力容器へ疑似噴射することが可能な疑似噴射マスタ機構と、
    前記基準マスタ機構から前記基準容積量の液体を充填させることにより前記圧力容器内に生じて前記圧力変化検出手段により検出される圧力変化、並びに前記疑似噴射マスタ機構から前記検定基準噴射量の液体を擬似噴射させることにより前記圧力容器内に生じ前記圧力変化検出手段により検出される圧力変化基いて前記噴射量測定制御手段によ算出される前記疑似噴射マスタ機構からの噴射量と、前記検定基準噴射量とを比較することで、前記噴射量測定装置の計測ばらつきの検定を行う判定手段とを備えたことを特徴とする噴射量測定装置の検定装置。
  8. 前記疑似噴射マスタ機構は、液体容積を可変にする可変容積室と、該可変容積室を液密に仕切る弾性体と、該弾性体を駆動することで前記検定基準噴射量を前記圧力容器へ押出す駆動装置部とを備えており、
    前記可変容積室の壁面は、前記弾性体が、前記駆動装置部によって駆動されるとき、駆動方向に移動する最大移動量を規制するものであって、
    前記壁面に前記弾性体が当接することで前記検定基準噴射量を確保できることを特徴とする請求項7に記載の噴射量測定装置の検定装置。
  9. 前記弾性体は、ダイヤフラムであって、
    前記可変容積室の前記壁面は、該ダイヤフラムの表面形状に倣うように、凹面形状に形成されていることを特徴とする請求項8に記載の噴射量測定装置の検定装置。
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