JP4304416B2 - 光ファイバフィルタおよびその製造方法 - Google Patents

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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光フィルタに関し、特に、光ファイバの一部にフィルタ機能を果たすグレーティングが設けられた光ファイバフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバフィルタの分野では、フィルタ機能を果たす領域としてグレーティングが光ファイバ中に設けられた光フィルタが良く知られている。このグレーティングは、特定の波長を中心とした波長域の光を反射する。これにより、グレーティングを内蔵する光ファイバは、特定波長域の伝搬光を遮断する損失フィルタとして機能する。
【0003】
グレーティングは、光ファイバ中で周期的な屈折率分布を有する領域である。この領域では、屈折率がある方向に沿って所定の周期で空間的に変化する。ファイバグレーティングの構造は、光ファイバを横断する一定の屈折率を有する面が周期的に配列されたものと考えられる。この面を等屈折率面と呼ぶことにする。等屈折率面の間隔がグレーティングの周期である。グレーティングは、感光性の光ファイバ(例えば、感光材である酸化ゲルマニウムが添加された石英系ガラス)に屈折率変化を誘起させる光(例えば、酸化ゲルマニウムが添加された石英系ガラスに対しては紫外光)を照射して形成することができる。
【0004】
グレーティングを備える光ファイバフィルタは、波長多重伝送システムにおいて、合分波器や光増幅器の利得等化器として利用されている。光増幅器の利得を等化するためには、光フィルタの損失スペクトルを精密に制御する必要がある。光フィルタの損失帯域が狭いほど、過剰損失の少ない利得等化を行える。
【0005】
光ファイバの軸線に対して直交する等屈折率面から構成されるグレーティングを備えた光ファイバフィルタは、狭い損失帯域を有することが知られている。しかしながら、直交グレーティングは光ファイバの軸線に沿って光を反射する。このような反射光は、光増幅器の出力光と干渉するので、好ましくない。
【0006】
そこで、コアの軸線に対して傾斜した等屈折率面から構成されるグレーティングを備えた光ファイバフィルタが考えられた。等屈折率面が傾斜しているため、グレーティングでの反射光がコアの軸線から逸れ、クラッドに放射されやすくなる。これにより、反射光を低減することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような傾斜グレーティングを備える光ファイバフィルタは、グレーティングの傾斜角度が大きいと、反射は抑えられるが、帯域幅が広くなる。逆に、傾斜角度が小さいと、帯域幅は狭いが、反射が顕著になる。このため、狭帯域と低反射の双方を兼ね備える光ファイバフィルタが要望されている。
【0008】
そこで、本発明は、狭帯域かつ低反射の光ファイバフィルタ、およびその製造方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の光ファイバフィルタは、コアと、コアを取り囲み、コアより低い屈折率を有するクラッドとを備えている。コアにはグレーティングが形成されており、該グレーティングにより特定の波長を中心とした波長域の光を反射し、これにより特定波長域の伝搬光を遮断する損失フィルタとして機能する。このグレーティングは、コアの軸線に対して傾斜した等屈折率面が周期的に配列された構造を有している。このグレーティングは、コアのうち比屈折率差が0.1%未満であり、モードフィールド径が15μm以上であり、規格化周波数が1.5以上2.6以下である領域に形成されている。また、グレーティングの等屈折率面の傾斜角度は、コアの軸線と直交する面に対して0.5°以上4°未満である。コアの屈折率をn1、クラッドの屈折率をn2と表すと、比屈折率差ΔnはΔn=(n1−n2)/n1と表される。
【0010】
コアを伝搬する光のうち傾斜したグレーティングで反射される光は、コアの軸線からずれた方向に進む。0.1%未満という比屈折率差の小さい領域では、コアに光を閉じこめる作用が弱い。このため、反射光はコアからクラッドに放射されやすい。これにより、グレーティングの傾斜角度が小さくても反射を十分に抑えられる。グレーティングの傾斜角度を小さくすれば、損失帯域は狭くなる。したがって、本発明の光ファイバフィルタは、狭い損失帯域と低反射の双方を備えることができる。
【0012】
15μm以上というモードフィールド径は、12μm以下という、一般的なシングルモード光ファイバのモードフィールド径よりも大きい。したがって、グレーティングが形成された領域に隣接してモードフィールド径を12μm以下まで縮小するモードフィールド径変換部が設けられているとよい。これにより、本発明の光ファイバフィルタを一般的な光ファイバと容易に接続できるようになる。
【0013】
このようなモードフィールド径が一部で拡大した光ファイバフィルタは、次のような方法により製造できる。まず、コアに屈折率上昇性ドーパントが添加された光ファイバを用意する。次に、コアの一部を加熱して屈折率上昇性ドーパントを拡散させ、モードフィールド径が拡大した領域を形成する。この後、この領域にグレーティングを形成する。このグレーティングは、コアの軸線に対して傾斜した等屈折率面が周期的に配列された構造を有している。
【0014】
石英ガラス光ファイバ用の屈折率上昇性ドーパントとしては、GeO2がよく使用される。このGeO2は、光誘起屈折率変化を生じさせる感光材でもある。グレーティングは、多くの場合、GeO2が添加された石英ガラスに紫外光を照射して形成される。
【0015】
上述の製造方法では、GeO2を屈折率上昇性ドーパント兼グレーティング形成用の感光材として使用した場合、熱拡散によりコアのGeO2濃度が低下する。GeO2濃度が十分でないと、グレーティングを適切に形成することは難しい。
【0016】
この問題を解決するため、本発明者らは、第1の光ファイバと第2の光ファイバを接続して、グレーティングにより特定の波長を中心とした波長域の光を反射し、これにより特定波長域の伝搬光を遮断する損失フィルタとして機能する光ファイバフィルタを製造する方法を考えた。ここで、第1光ファイバは、その比屈折率差Δn=(n1−n2)/n1が0.1%未満であり、規格化周波数が1.5以上2.6以下であり、15μm以上である長手方向に沿って一様なモードフィールド径D1を有している。第2光ファイバは、その一端においてモードフィールド径D1を有し、このモードフィールド径D1がD1より小さいD2まで長手方向に沿って変化するモードフィールド径変換端部を有している。この方法は、モードフィールド径変換端部を介して第2光ファイバを第1光ファイバに接続する工程と、この接続の前または後に第1光ファイバにグレーティングを形成する工程を備えている。このグレーティングは、第1光ファイバのコアの軸線と直交する面に対して0.5°以上4°未満傾斜した等屈折率面が周期的に配列された構造を有している。
【0017】
グレーティングが形成される第1光ファイバは、一様なモードフィールド径D1を有しているので、屈折率上昇性ドーパントを熱拡散させずに製造できる。したがって、GeO2を屈折率上昇性ドーパント兼グレーティング形成用の感光材として使用する場合にも、グレーティングを良好に形成できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図示の便宜上、図面の寸法比率が説明のものと一致しない場合がある。
【0019】
図1は、本実施形態の光ファイバフィルタ1の構造を示す側面図である。光ファイバフィルタ1は、シングルモード光ファイバの一部にフィルタ機能を果たすグレーティング30が形成されたものである。
【0020】
光ファイバフィルタ1は、柱状のコア10と、コア10を取り囲む管状のクラッド20を有している。コア10は円形の横断面を有している。クラッド20は、コア10の側面に密着し、コア10の側面を同心に包囲する。クラッド20は円筒形の外側面を有している。コア10およびクラッド20は、いずれも石英(SiO2)ガラスから構成されている。コア10には、GeO2およびB23が添加されている。GeO2は石英ガラスの屈折率を上昇させ、B23は石英ガラスの屈折率を下降させる。クラッド20は、実質的に純粋な石英ガラスである。コア10はクラッド20よりも高い屈折率を有している。
【0021】
GeO2は、周知の通り、波長248nm又は193nm付近の紫外光に対する感光材として機能する。すなわち、GeO2が添加された石英ガラスは、この波長の紫外光が照射されると屈折率が上昇するという性質を持つようになる。GeO2の添加量や照射光の強度が大きいほど、屈折率上昇量も大きくなる。このような光誘起屈折率変化をもたらすGeO2の性質を利用して、コア10にはグレーティング30が形成されている。グレーティング30の構造は後述する。
【0022】
コア10は、幾つかの部位11〜15から構成されている。これらの部位は、図1において破線で仕切られて表示されている。
【0023】
円柱状の部位11は、長手方向に沿って一様な直径を有している。以下では、この直径をd1と表す。グレーティング30は部位11に形成されている。したがって、以下では、部位11をグレーティング部と呼ぶ。
【0024】
グレーティング部11の両端には、長手方向に沿って直径が変化する部位12および13が隣接している。部位12のうちグレーティング部11と隣接する端面は、d1の直径を有している。部位12の反対側の端面は、d1よりも小さい直径d2を有している。部位12の直径は、グレーティング部11から遠ざかるにつれて、d1からd2まで連続的かつ単調に減少する。部位13も部位12と同様である。つまり、部位13のうちグレーティング部11と隣接する端面はd1の直径を有し、部位13の反対側の端面はd1よりも小さい直径d2を有する。部位13の直径は、グレーティング部11から遠ざかるにつれて、d1からd2まで連続的かつ単調に減少する。
【0025】
部位12のうちグレーティング部11と反対側の端部には、部位14が隣接している。部位14は、長手方向に沿って一様な直径d2を有している。同様に、部位13のうちグレーティング部11と反対側の端部には、部位15が隣接している。部位15は、長手方向に沿って一様な直径d2を有している。
【0026】
これらの各部位は、その直径に応じたモードフィールド径を有している。以下では、グレーティング部11のモードフィールド径をD1、部位14および15のモードフィールド径をD2と表す。D2はD1よりも小さい。部位12および部位13は、モードフィールド径をD1からD2に変換する。そこで、部位12および部位13をモードフィールド径変換部と呼ぶことにする。
【0027】
グレーティング部11に含まれるグレーティング30は、屈折率が周期的に分布した領域である。この領域では、屈折率がある方向に沿って所定の周期で空間的に変化する。
【0028】
図1に示されるように、グレーティング30の構造は、コア10を横断する一定の屈折率を有する面32がある方向に沿って周期的に配列されたものと考えられる。この面32は等屈折率面と呼ばれる。グレーティング30の等屈折率面32は、コア10の軸線5と直交せず、軸線5に対して傾斜している。その傾斜角度θは、軸線5と直交する平面6と等屈折率面32との間の角度である。
【0029】
グレーティング30が傾斜した等屈折率面32を有しているため、グレーティング30での反射光はコア10の軸線から逸れ、クラッド20に放射されやすくなる。これにより、反射光を低減することができる。しかしながら、グレーティング30の傾斜角度が大きいと、反射は抑えられるが、光ファイバフィルタ1の損失帯域が広くなる。逆に、傾斜角度が小さいと、損失帯域は狭いが、反射の低減が不十分になる。
【0030】
そこで、本実施形態では、狭帯域かつ低反射の光ファイバフィルタを実現するため、グレーティング30が形成されているグレーティング部11の比屈折率差Δnを0.1%未満とした。
【0031】
一般に、比屈折率差Δnは、コア10のグレーティング部11の屈折率をn1、クラッド20の屈折率をn2とすると、
Δn=(n1−n2)/n1
のように表される。このように、比屈折率差Δnは、コア10とクラッド20との屈折率差を反映している。したがって、比屈折率差が小さいと、コア内に光を閉じ込める作用が弱くなる。
【0032】
本発明者らは、この点に着目し、グレーティング30が形成されるグレーティング部11の比屈折率差を抑えることで、グレーティング30で反射されるコア伝搬光がクラッド20に放射されやすいようにした。そして、本発明者らは、グレーティング部11の比屈折率差が0.1%未満であると、グレーティング30の傾斜角度が小さくても、反射を十分に抑えられることを見出した。したがって、光ファイバフィルタ1は、狭い損失帯域と低い反射という優れた特性を兼ね備えている。
【0033】
本実施形態の光ファイバフィルタにおいて、グレーティング30の傾斜角度は0.5°以上4°未満であることが好ましい。傾斜角度が0.5°未満だと、反射があまりに大きくなる。また、傾斜角度が4°以上だと、偏波特性の悪化が目立つようになる。いずれにせよ、グレーティング30の傾斜角度が4°未満と小さくても反射を十分に抑えられることは、本発明の長所である。
【0034】
また、グレーティング30が形成されている領域は、15μm以上のモードフィールド径を有し、かつ1.5以上2.6以下の規格化周波数(V値)を有することが好ましい。モードフィールド径が15μm未満だと、反射が過度に大きくなる。規格化周波数が1.5未満だと、フィルタの光遮断性能が不十分になる。規格化周波数が2.6を超えると、光ファイバフィルタが実質的に他モード化する。これにより生じる2次モード光がグレーティング30で反射され、新たな損失帯域を作る。これは好ましくない。
【0035】
部位14および部位15のモードフィールド径は、それぞれ12μm以下であることが好ましい。12μm以下という数値は、一般的なシングルモード光ファイバのモードフィールド径である。したがって、本実施形態の光ファイバフィルタ1は、一般的なシングルモード光ファイバと容易に接続できる。
【0036】
本発明者らは、本実施形態の光ファイバフィルタを実際に製造し、その損失スペクトラムおよび反射スペクトラムを測定した。測定に使用した光ファイバフィルタでは、グレーティング部11の比屈折率差Δnが0.05%であり、グレーティング部11の直径d1は25μmである。また、グレーティング30の屈折率変化(すなわち、最大屈折率と最小屈折率との差)は0.001であり、グレーティング30の長さは10mmである。グレーティング30の傾斜角度θは2°である。
【0037】
図2は、この測定結果を示している。図2に実線で示されるグラフが損失スペクトラムであり、破線で示されるグラフが反射スペクトラムである。図2に示されるように、この光ファイバフィルタは、波長1550nm付近に損失ピークを有している。この損失ピークは、半値幅が約13nmと十分に狭帯域である。また、反射は最大で約−35dBであり、低く抑えられている。このように、この光ファイバフィルタは、狭帯域と低反射という二つの優れた特性を兼ね備えていた。
【0038】
以下では、光ファイバフィルタ1の製造方法を説明する。光ファイバフィルタ1は、コア10の形状を特徴の一つとしている。このような形状のコア10は、ドーパントの熱拡散により形成できる。すなわち、GeO2が添加され直径が一様にd2のコアを有する光ファイバを用意し、その一部を加熱する。これによりGeO2を拡散させてコア径の一部を拡大させると、図1に示されるような形状のコア10が得られる。その後、位相マスク法などの公知の方法によりコア径が拡大した部分に紫外光を照射すれば、グレーティング30を形成できる。
【0039】
この製造方法には、モードフィールド径の拡大を低損失で行えるという利点がある。しかしながら、熱拡散によりGeO2の濃度が低下するため、紫外光照射によるグレーティングの形成が困難となる可能性がある。単にコアのGeO2濃度を高くするだけでは、純石英ガラスのクラッドとの間で0.1%という低い比屈折率差を実現できない。
【0040】
この問題を回避するためには、コアのGeO2濃度を高くするとともに、屈折率低下性ドーパントをコアに添加して比屈折率差を調節すればよい。屈折率低下性ドーパントとしてはB23やFが挙げられる。これらの少なくとも一つをGeO2とともにコアに添加することで、0.1%未満の比屈折率差を実現しつつGeO2濃度を高め、グレーティングを適切に形成することができる。
【0041】
また、本発明者らは、グレーティング形成領域のGeO2を熱拡散させない製造方法も考えた。図3は、この製造方法を示している。この方法では、光ファイバ2の両端に光ファイバ3および4を互いの端面同士を突き合わせて接続し、光ファイバフィルタ1を得る。光ファイバ2〜4は、光ファイバフィルタ1をその軸線に対して垂直に3分割した各部分に当たる。
【0042】
光ファイバ2のコア40は、光ファイバフィルタ1のコア10のうちグレーティング形成部11に当たる。光ファイバ2のクラッド50は、光ファイバフィルタ1のクラッド20のうち、グレーティング形成部11の側面を包囲する円筒形部分に当たる。光ファイバ2の比屈折率差は0.1%未満であり、そのモードフィールド径は長手方向に沿って一様にD1である。また、コア40には、傾斜グレーティング30が形成されている。
【0043】
一様なモードフィールド径を有する光ファイバは、GeO2を熱拡散させずに製造できる。このような光ファイバにグレーティング30を形成すれば、光ファイバ2を得ることができる。GeO2を熱拡散させないので、グレーティング30を良好に形成できる。
【0044】
光ファイバ3のコア41は、隣接する二つの部位42および44からなる。光ファイバ3の一方の端部である部位42は、光ファイバフィルタ1のコア10のうちモードフィールド径変換部12に当たる。部位44は、光ファイバフィルタ1のコア10のうち部位14に当たる。光ファイバ3のクラッド51は、光ファイバフィルタ1のクラッド20のうち、モードフィールド径変換部12および部位14の側面を包囲する部分に当たる。
【0045】
コア41の部位44は、D1より小さいD2のモードフィールド径を長手方向に沿って一様に有する。コア41の部位42は、モードフィールド径を長手方向に沿ってD2からD1に変換する。以下では、部位42をモードフィールド径変換端部と呼ぶ。モードフィールド径変換端部42では、末端に近づくにつれてモードフィールド径が連続的かつ単調に増加する。言い換えると、モードフィールド径変換端部42は、光ファイバ3の一端のモードフィールド径D1を長手方向に沿ってD2まで縮小する。
【0046】
光ファイバ4の構造は光ファイバ3と同様である。光ファイバ4のコア46は、隣接する二つの部位43および45からなる。光ファイバ4の一方の端部である部位43は、光ファイバフィルタ1のコア10のうちモードフィールド径変換部13に当たる。部位45は、光ファイバフィルタ1のコア10のうち部位15に当たる。光ファイバ4のクラッド52は、光ファイバフィルタ1のクラッド20のうちモードフィールド径変換部13および部位15の側面を包囲する部分に当たる。
【0047】
コア46の部位45は、D1より小さいD2のモードフィールド径を長手方向に沿って一様に有する。コア46の部位43は、モードフィールド径を長手方向に沿ってD2からD1に変換するモードフィールド径変換端部である。モードフィールド径変換端部43では、末端に近づくにつれてモードフィールド径が連続的かつ単調に増加する。言い換えると、モードフィールド径変換端部43は、光ファイバ4の一端のモードフィールド径D1を長手方向に沿ってD2まで縮小する。
【0048】
モードフィールド径変換端部42および43は、屈折率上昇性ドーパントの熱拡散により形成できる。したがって、長手方向に沿って一様にD2のモードフィールド径を有し、コアにGeO2が添加された光ファイバを用意し、その端部を加熱処理すれば、光ファイバ3、4を製造できる。
【0049】
光ファイバ2の両端にモードフィールド変換端部42および43を介して光ファイバ3および4をそれぞれ接続すると、光ファイバフィルタ1が得られる。光ファイバ2〜4は、例えば、融着接続してもよいし、光コネクタを用いて接続してもよい。
【0050】
なお、この方法では、光ファイバ2と光ファイバ3、4との接続の前に光ファイバ2にグレーティング30を形成するが、接続後にグレーティング30を形成してもよい。
【0051】
ここまで、本発明をその実施形態に基づいて具体的に説明してきた。しかし、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形を加えることができる。
【0052】
例えば、上記実施形態のグレーティングは一定の周期を有しているが、本発明の光ファイバフィルタのグレーティングは、長手方向に沿って周期および/または強度が変化していてもよい。このようなグレーティングは、光ファイバフィルタの損失スペクトルの形状を調整するために有効である。なお、グレーティングの強度とは、グレーティングの屈折率変化の大きさを意味する。
【0053】
また、上記実施形態ではコアにのみグレーティングが形成されているが、本発明の光ファイバフィルタのグレーティングは、コアだけでなくクラッドにも広がるように形成してもよい。
【0054】
【発明の効果】
本発明の光ファイバフィルタは、比屈折率差が0.1%未満の領域に傾斜グレーティングが形成されているので、グレーティングでの反射光がクラッドに放射されやすい。これにより、グレーティングの傾斜角度が小さくても反射を十分に抑えられる。したがって、本発明の光ファイバフィルタは、狭い損失帯域と低反射という優れた特性を兼ね備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の光ファイバフィルタ1の構造を示す側面図である。
【図2】光ファイバフィルタ1の損失スペクトラムおよび反射スペクトラムを示す図である。
【図3】光ファイバフィルタ1の製造方法を示す図である。
【符号の説明】
1…光ファイバフィルタ、5…コアの軸線、10…コア、11…グレーティング部、12および13…モードフィールド径変換部、20…クラッド、30…グレーティング、32…等屈折率面。

Claims (8)

  1. 屈折率n1を有するコアと、前記コアを取り囲み、n1より小さい屈折率n2を有するクラッドとを備え、
    前記コアの軸線に対して傾斜した等屈折率面が周期的に配列された構造のグレーティングが前記コアに形成されており、該グレーティングにより特定の波長を中心とした波長域の光を反射し、これにより特定波長域の伝搬光を遮断する損失フィルタとして機能する光ファイバフィルタであって、
    前記グレーティングは、前記コアのうち比屈折率差Δn=(n1−n2)/n1が0.1%未満であり、モードフィールド径が15μm以上であり、規格化周波数が1.5以上2.6以下である領域に形成され
    前記グレーティングの等屈折率面の傾斜角度が、前記コアの軸線と直交する面に対して0.5°以上4°未満である、光ファイバフィルタ。
  2. 前記グレーティングが形成された領域に隣接してモードフィールド径を12μm以下まで縮小するモードフィールド径変換部が設けられている請求項記載の光ファイバフィルタ。
  3. 前記グレーティングが形成された領域を含み、長手方向に沿って一様な15μm以上のモードフィールド径を有する第1の光ファイバと、前記モードフィールド径変換部を端部に備え、前記モードフィールド径変換部を介して前記第1光ファイバに接続された第2の光ファイバと、を備える請求項記載の光ファイバフィルタ。
  4. 前記第1光ファイバのコアにGeOが添加され、さらにBおよびFの少なくとも一方が添加されている請求項記載の光ファイバフィルタ。
  5. 前記グレーティングの周期が長手方向に沿って変化している請求項1記載の光ファイバフィルタ。
  6. 前記グレーティングの強度が長手方向に沿って変化している請求項1または記載の光ファイバフィルタ。
  7. 第1の光ファイバと第2の光ファイバを接続してグレーティングにより特定の波長を中心とした波長域の光を反射し、これにより特定波長域の伝搬光を遮断する損失フィルタとして機能する光ファイバフィルタを製造する方法であって、
    前記第1光ファイバは、その比屈折率差Δn=(n1−n2)/n1が0.1%未満であり、規格化周波数が1.5以上2.6以下であり、15μm以上である長手方向に沿って一様なモードフィールド径D1を有しており、
    前記第2光ファイバは、その一端においてモードフィールド径D1を有し、このモードフィールド径D1がD1より小さいD2まで長手方向に沿って変化するモードフィールド径変換端部を有しており、
    前記モードフィールド径変換端部を介して前記第2光ファイバを前記第1光ファイバに接続する工程と、
    この接続の前または後に、前記第1光ファイバにグレーティングを形成する工程と、を備え、
    前記グレーティングは、前記第1光ファイバのコアの軸線と直交する面に対して0.5°以上4°未満傾斜した等屈折率面が周期的に配列された構造を有している光ファイバフィルタの製造方法。
  8. 前記モードフィールド径D2が12μm以下である請求項記載の光ファイバフィルタの製造方法。
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