JP4303545B2 - 可動エレメント装置 - Google Patents

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Description

本発明は、可動エレメントと可動エレメントに隔離した電極との間の静電気力で可動エレメントを駆動する可動エレメント装置に関し、特に静電駆動MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーを駆動し角度を検出する際に用いて好適な可動エレメント装置に関するものである。
近年、データトラフィックの爆発的増大に応えるべく、大容量フォトニックネットワークの構築が進められている。メッシュ状フォトニックネットワークにおいて、フレキシブルな運用を実現するには、ネットワークノードにおいて任意のパスを交換(クロスコネクト)機能の実現が不可欠であり、そのためには、MEMS技術を適用したマイクロミラーによる光スイッチが有望である。
図20,図21は上述のMEMS技術を適用した一般的なマイクロミラーユニット(MEMSミラー)100を示す図であり、図20はその上視図、図21はその機構を説明するための図である。図21に示すように、マイクロミラーユニット100は、基板101上部にミラーデバイス102が中空の空間を空けて固設されている。
さらに、ミラーデバイス102は、図20に示すように、X軸,Y軸の2軸を回動軸として回動可能に構成されたものであって、ミラー103,ミラー103を支持するY軸トーションバー104y,ミラー103の外周に設けられY軸トーションバー104yに接続された第1フレーム105−1,Y軸トーションバー104yと第1フレーム105−1とを通じてミラー103を支持するX軸トーションバー104xおよび第1フレーム105−1外周に設けられX軸トーションバー104xに接続された第2フレーム105−2をそなえて構成されている。
また、このマイクロミラーユニット100の基板101上には、ミラー103をX軸,Y軸を中心としてそれぞれ回動させるための静電気力をミラー103に供給するための二対の電極がそなえられている(図21中においてはY軸を中心として回動させるための一対の電極106a,106bについてのみ図示している)。
これにより、これら一対の電極106a,106bのうちで、電極106aを正電極、電極106bを負電極として、それぞれの電極106a,106bに対して互いに異なる電圧信号を駆動信号♯1,♯2として供給すると、電極106a側または電極106b側からミラー103にかかる静電気力が変化する。これにより、Y軸トーションバー104yがねじれて、ミラー103がティルト(即ち、面位が偏向)することができるようになっている。
このように角度が変化したミラー103の反射面103aに光が入射すると、反射する光の方向が変わる。従来の光スイッチにおいても、マイクロミラーが有するこのような機能を光の方路切り替えに利用している。
ところで、上述のごときマイクロミラーユニット100によって光スイッチを構成する際の課題として、光の入出力を行なう光ファイバの直径が非常に小さいことから、反射光を出力側の光ファイバに高精度で導くために、ミラー103の面位の偏向角度(以下、単に角度という場合がある)を精細に制御する必要がある。
ここで、ミラー103の角度を検出する際には、ミラー103の角度が、ミラー103と駆動電極106aとの間の静電容量121の値CPおよびミラー103と駆動電極106aとの間の静電容量122の値CNと一意に対応することが知られているので、図21に示すように、ミラー103の角度センサとして、静電容量センサ110を適用することが考えられている。
図22は、上述のミラー103の角度センサとして適用される従来の静電容量センサ110を示す模式図であり、この図22に示す静電容量センサ110は、静電容量の検出対象となる2つの容量121,122(値はそれぞれCP,CNと表記する)を入力容量とし、増幅回路111と帰還容量112(CF)とを有する、反転増幅回路型の加算回路構成を有している。更に、この静電容量センサ110においては、十分高い周波数において、利得(Gain)は式(1)により決定される。
Gain = (CP−CN)/CF …(1)
例えばCF=1pFとした場合の利得の周波数特性を図23に示す。この図23に示すように、高周波の利得は(CP−CN)の増加に従って増大している。従って、既知の入力振幅に対する出力振幅の変動から、静電容量の変動(CP−CN)を検知することが可能である(例えば特許文献1、特許文献2)。
特許第2936286号公報(12〜14ページ,図8,図10) 特開平5―281256号公報(2〜3ページ,図4)
上述の図22に示す技術においては、ミラー103を駆動するための駆動信号を供給するための2本の配線のみならず、静電容量センサ110において検出対象となる静電容量のアンプに接続される側の電位を検出対象ごとに全て分離するための配線も独立して必要となる。
したがって、特にMEMSミラーアレイのように、検出対象となるミラーである可動エレメントがアレイ状に複数配置されているような場合には、個々のミラー103の電位を分離する(取り出す)ために配線数が増加し、配線構成が複雑になり、また、MEMSミラーアレイをなす隣接ミラー間も絶縁する必要があり、製造工程が複雑になるという課題もある。特許文献1〜2に記載された静電容量を検出する装置においても同様である。
たとえば、上述の図22に示す静電容量センサ110を適用して、100チャンネル規模の大規模な光スイッチを構成しようとする場合には、ミラー側電位を分離することにより配線が増加し、導電体であるシリコンを別電位にするために隣接ミラー間を絶縁させる必要が生ずるなどの製造上の困難を伴うので、仮想接地(つまりミラー電位)の分離が困難となるのである。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、可動エレメント装置を接地し、可動エレメントを動作させる電極を通じて静電容量を検出することにより、可動エレメント装置との配線構成を簡素化しながら、高精度に静電容量を検出することができるようにした可動エレメント装置を提供することを目的とする。
の発明による可動エレメント装置は、接地された可動エレメントと、静電気力により該可動エレメントを動作させる第1および第2の電極とを備え、該可動エレメントの共振周波数より周波数の低い第1および第2の駆動信号をそれぞれ該第1および該第2の電極に印加し該可動エレメントの動作を制御するとともに、該共振周波数より周波数の高い検出信号を該第1および第2の電極に印加し該可動エレメントと該第1および第2の電極との間の静電容量を検出し、該駆動信号および該検出信号を正相入力より入力し、該電極を逆相入力に接続し、出力を該逆相入力に帰還させた差動増幅部を備え、該差動増幅部の帰還容量および帰還抵抗は、該駆動信号に対する該差動増幅部の利得が略1であり、該検出信号に対する該差動増幅部の利得が該静電容量の変化により変化する値であり、該差動増幅部の出力に基づき該可動エレメントの動作を検出することを特徴とする。
の発明による可動エレメント装置は、第の発明による可動エレメント装置であって、該該可動エレメントの位置および方向を変化させる際に、該駆動信号の変化に連動して該差動増幅部の帰還抵抗を減少させることを特徴とする。
このように、本発明による可動エレメント装置では、可動エレメント装置を接地し、可動エレメントを動作させる電極を通じて静電容量を検出することにより、可動エレメント装置との配線構成を簡素化しながら、高精度に静電容量を検出することができる。
また、本発明による可動エレメント装置では、駆動信号および検出信号を正相入力より入力し、電極を逆相入力に接続し、出力を逆相入力に帰還させた差動増幅部を備えることにより、検出対象となる静電容量の値に応じた利得で検出信号が増幅された信号を、静電容量の値の検出結果として出力することができる。すなわち、検出対象の静電容量をなす片側の電極として機能する電極4aによって、可動エレメント駆動と静電容量検知とを両立させることができる。
これにより、可動エレメントをアレイ状に配置する際には、複数の可動エレメントを接地し、共通の電位となるように構成することができるので、可動エレメントごとの電位を配線により取り出す必要がなくなり、可動エレメント装置との配線構成を簡素化しながら、高精度に静電容量を検出することができ、歩留まり向上や特性改善に資するという利点がある。
また、本発明の光スイッチ制御装置および光スイッチング装置によれば、静電容量センサ部の各静電容量センサにより、ティルトミラー駆動と静電容量検知とを両立させることができる。これにより、静電容量センサとティルトミラーとの間で必要な配線構成としては、少なくとも電極と増幅回路の逆相入力とを接続するための2本の配線のみとして、配線構成を簡素化させることができる。更には、ティルトミラーをアレイ状に配置したミラーアレイを構成する際には、複数のティルトミラーを共通の電位となるように構成することができるので、ティルトミラーごとの電位を配線により取り出す必要がなくなり、ミラーアレイとの配線構成を簡素化しながら、高精度に静電容量を検出することができ、歩留まり向上や特性改善に資するという利点がある。
また、第1静電容量検出回路,第2静電容量検出回路および差信号出力部により、電極静電容量変位を求めることができるので、要求されるティルトミラー角度制御のために必要な微小容量変動を検出することができ、ひいてはティルトミラーを高精度に角度制御することができる利点もある。
以下、図面を参照することにより、本発明の実施の形態について説明する。
〔a〕第1実施形態の説明
図1は本発明の第1実施形態を示す図で、この図1において、10は静電容量センサであり、この静電容量センサ10は、可動エレメント3aの基準姿勢に対する姿勢変位を、可動エレメント3aと可動エレメント3aに隔離して配置された電極4との間の静電容量で検出するためのものである。即ち、可動エレメント3aと可動エレメント3aに隔離して配置された電極4との間の静電気力により可動エレメント3aが変位する可動エレメント装置1における上記の可動エレメント3aと電極4との間の静電容量を検出するためのものである。
たとえば、可動エレメントとしてのミラー3aをそなえるとともにミラー3aに隔離して配置された電極4との間の静電気力によりミラー3aが変位(面位が偏向)する可動エレメント装置としてのMEMSミラーユニット1において、静電容量センサ10は、このミラー3aと電極4との間の静電容量を検出するためのものである。本実施形態にかかる静電容量センサ10にて検出しうる静電容量についても、前述の図22の場合と同様に、ミラー1の角度制御のためのミラー角度を検出するための情報として用いることができるようになっている。
なお、図1中のMEMSミラーユニット1は、基板2をそなえるとともに、基板2と中空な空間を隔てて固設されたミラーデバイス3をそなえ、基板2上にはミラー3aの反射裏面に対向して電極4が形成されている。又、図1中においては、ミラーデバイス3としてはミラー3aおよびトーションバー3bに着目して図示しており、ミラー3aおよびトーションバー3bを支持する外郭フレームや基板2との固設部分等については図示を省略している。
ここで、第1実施形態にかかる静電容量センサ10においては、増幅回路13Aと、帰還容量(容量値をCFと表記する)13Bと、帰還抵抗(抵抗値をRFと表記する)13Cとをそなえるとともに、検出対象となる静電容量(容量値をCPと表記する)11を増幅回路13Aの逆相入力に接続しているので、これらの増幅回路13A,帰還容量13B,帰還抵抗13Cおよび検出対象の静電容量11により、非反転増幅回路13Uを構成している。
また、上述のMEMSミラーユニット1は、例えば図2に示すような周波数応答特性を持つ。即ち、MEMSミラーユニット1は、機械的な共振特性を持ち、共振周波数(例えば1kHz程度の周波数)よりも低周波では安定的な回転効率を有しているが、共振周波数よりも高周波では回転効率が急激に減衰するようになっている。トーションバー3bのバネ定数をk、ミラー3aの慣性モーメントをIとすると、MEMSミラーユニット1の共振周波数frは、式(2)に示すようになる。
Figure 0004303545
本実施形態にかかる静電容量センサ10においては、MEMSミラーユニット1の上述のごとき特性を利用して、MEMSミラーユニット1の応答する低周波領域では固定利得で動作させる一方、応答しない高周波に静電容量センサ用の信号を重畳することによって、MEMSミラーユニット1と静電容量センサ10との配線構成を、増幅回路13Aの逆相入力とミラー3a駆動用の電極4とを接続するだけで(ミラー3aの電位を分離させることなく)、駆動と静電容量検出を両立させることができる。
つまり、増幅回路13Aの正相入力には、容量検出用信号とともに、容量検出用信号よりも低周波を有し可動エレメントとしてのミラー3aの変位を変化させるための駆動信号が重畳された信号を入力する一方、ミラー3aの電位を接地電位として検出対象となる静電容量を増幅回路13Aの逆相入力に接続するように構成されている。
これにより、ミラー3aの電位を基準電位(例えば接地電位)とし、静電容量センサ10とMEMSミラーユニット1との間で必要な配線構成としては、少なくとも電極4と増幅回路13Aの逆相入力とを接続するための1本の配線のみとしている。
ところで、上述の非反転増幅回路13Uの利得(Gain)は、図3に示すように、帰還インピーダンスをZf,逆相入力インピーダンスをZiとすると、式(3)から得ることができる。
Gain=1+Zf/Zi …(3)
また、図1において、帰還インピーダンスZfおよび逆相入力インピーダンスZiはそれぞれ式(4),(5)に示すようになる。
Figure 0004303545
したがって、図1に示す非反転増幅回路13Uの利得としては、式(6)に示すようになる。尚、fは増幅回路13Aの正相入力に入力される信号の周波数である。
Figure 0004303545
また、カットオフ周波数をfcとすると、(2πfc)CF・RF=1となるので、fcとしては式(7)のように表すことができる。
fc=1/2πCF・RF …(7)
ここで、入力信号の周波数fがカットオフ周波数よりも十分小さい(f<<fc)場合には、式(6)は式(6A)に示すように書き直すことができ、周波数fがカットオフ周波数よりも十分大きく(f>>fc)場合には、式(6)は式(6B)に示すように近似することができる。
Gain=1 …(6A)
Gain=1+CP/CF …(6B)
すなわち、正相入力に入力される信号について、ミラー3aの応答する(ミラー3aの面位が偏向する)低周波領域では利得1のボルテージホロアとして動作し、応答しない高周波においては、CPに応じて利得が上昇する。
これにより、この増幅回路13Aでは、静電容量を検出するための容量検出用信号を増幅回路13Aの正相入力に入力すると、検出対象となる静電容量11の値(CP)に応じた利得で容量検出用信号が増幅された信号を、静電容量11の検出結果として出力することができる。
また、第1実施形態における静電容量センサ10においては、増幅回路13Aからの出力から、駆動信号の低周波成分を除去するハイパスフィルタとしての容量15をそなえており、これにより、上述の検出対象となる静電容量11の値に応じた利得で容量検出用信号が増幅された信号を高精度に出力することができ、ミラー3aを駆動するための低周波信号についても無駄なく電極4に供給される。
なお、MEMSミラーユニット1としては、共振周波数fr〔式(2)参照〕程度以下の低周波を持つ駆動信号で駆動するので、式(7)に示すカットオフ周波数fcとしては、共振周波数よりも十分大きくなる値となるように、静電容量センサ10としての回路パラメータ(CF,RF)を設定する。
また、上述のハイパスフィルタ15としては、RCフィルタ、LCフィルタ、アクティブフィルタ等、様々な構成が適用できる。
上述の構成により、本発明の第1実施形態にかかる静電容量センサ10では、低周波の駆動信号と駆動信号よりも高周波の容量検出用信号との重畳信号が、静電容量センサ10を構成する増幅回路13Aの正相入力に入力する。正相入力から入力された信号は増幅されて、低周波成分については利得1で増幅されるとともに、高周波成分については検出対象の静電容量値CPと帰還容量値CFとの差に応じた利得で増幅されて出力される。
すなわち、低周波成分については、増幅回路13A,帰還容量13B,帰還抵抗13CおよびMEMS容量11からなる非反転増幅回路13Uは利得1のボルテージホロアとして動作するので、低周波成分の駆動信号は電極4に利得1で供給される。
また、MEMSミラーユニット1が応答しない高周波の容量検出信号については、上述の式(6B)により、検出対象のMEMS容量11の値CPに応じた利得で増幅されるので、静電容量センサ10では、増幅回路13Aの正相入力に入力された信号が式(6B)の利得値に応じて増幅された信号を、上述の静電容量11の検出信号としてハイパスフィルタ15を介して出力する。
図4,図5は例えばCF=1pFの場合の静電容量センサ10による利得の周波数特性を示す図であり、図4はハイパスフィルタ15によるフィルタ処理前後によるその特性を、図5はCPの値に応じたハイパスフィルタ15出力における利得の周波数特性を、それぞれ示している。
すなわち、この図4ないし図5に示すように、低周波の利得は1で、高周波の利得は静電容量11の値CPの増加に従って増大しているので、利得は上述の式(6A),(6B)に従って上昇していることがわかる。従って、既知の入力振幅に対する出力振幅の変動から、静電容量11の変動値CPを一意に導出することができる。なお、本発明が、特性例に示すパラメータに縛られないことは、言うまでもない。
換言すれば、静電容量センサ10からの出力信号のレベル値に応じたCP値を予め準備しておくことで、ミラー3aの駆動中において常時静電容量11についての検出信号を出力することができる。
これにより、静電容量センサ付きの可動エレメント装置としてのMEMSミラーユニット1においては、低周波成分の信号が駆動信号として静電容量センサ10を経由して電極4に供給され、ミラー3aが所望の面位に角度調整される一方、高周波成分についても同様に電極4に印加されるがミラー3aの面位は変化しない。静電容量センサ10では、この高周波成分として出力される出力信号を、検出対象となる静電容量11の値即ちミラー3aの角度検出を行なうための値をあらわすレベルで出力している。
このように、本発明の第1実施形態にかかる静電容量センサ10によれば、増幅回路13Aと、帰還容量13Bと、帰還抵抗13Cとともに、検出対象となる静電容量11を増幅回路13Aの逆相入力に接続して非反転増幅回路13Uを構成するとともに、静電容量11の値CPを検出するための容量検出用信号を増幅回路13Aの正相入力に入力するとともに、検出対象となる静電容量11の値CPに応じた利得で容量検出用信号が増幅された信号を、静電容量11の値CPの検出結果として出力することができるので、検出対象となる静電容量11をなす片側の電極として機能するミラー3aの電位を基準電位として静電容量センサ10を構成することができる。
言い換えれば、静電容量11をなす片側の電極として機能する電極4aによって、MEMSミラー駆動と静電容量検知とを両立させることができる。これにより、MEMSミラーユニット1をアレイ状に配置したMEMSミラーアレイを構成する際には、複数のミラーユニット1をなすミラー本体3を共通の電位となるように構成することができるので、従来技術(図21参照)のごとくミラー3aごとの電位を配線により取り出す必要がなくなり、可動エレメント装置との配線構成を簡素化しながら、高精度に静電容量を検出することができ、歩留まり向上や特性改善に資するという利点がある。
〔b〕第2実施形態の説明
図6は本発明の第2実施形態を示す図で、この図6に示す第2実施形態においては、前述の第1実施形態の場合と同様に、MEMSミラーユニット1を、静電容量センサ20を介した駆動信号による静電気力で駆動するとともに、静電容量センサ20においてMEMSミラーユニット1のミラー3aと電極との間の静電容量を検出するものであるが、ミラー3aの面位の角度を正確に計算するために、2つの電極4a,4bとミラー3a間の静電容量の差を検出することができるようになっている点が異なっている。
前述の第1実施形態にかかる静電容量センサ10においては、少なくとも静電容量11の値CPの大きな変動を検出するには十分であるが、第2実施形態にかかる静電容量センサ20においては、MEMSミラーユニット1のミラー3aを高精度に角度制御するために、電極4aとミラー3aとの間の静電容量21の値CPおよび電極4bとミラー3aとの間の静電容量22の値CNとの差分(静電容量変位)CP−CNを求めることにより、静電容量センサ10の角度制御を行なう際に必要な微小容量変動の検出を実現できるようになっている。尚、図6中において、図1と同一の符号はほぼ同様の部分を示している。
ここで、この図6に示すMEMSミラーユニット1においては、静電容量センサ20を通じてミラー3aの駆動信号が2つの電極4a,4bに供給されてミラー3aの面位が可変するようになっている。即ち、2つの電極4a,4bを通じて、第1駆動信号,第2駆動信号がそれぞれ印加されて、これらの第1駆動信号および第2駆動信号が協働することでミラー3aの面位を可変するための静電気力を生成するようになっている。
また、第2実施形態にかかる静電容量センサ20においては、ミラー3aの面位の角度を正確に計算するために、上述の電極4aと基準電位(例えば接地電位)のミラー3aとによる静電容量CPと、電極4bとミラー3aとによる静電容量CNとの差(CP−CN)を検出することができるようになっている。
換言すれば、静電容量センサ20は、可動エレメントとしてのミラー3aとミラー3aに隔離して配置された一対の電極4a,4bそれぞれとの間の静電気力により、ミラー3aが変位する可動エレメント装置としてのMEMSミラーユニット1におけるミラー3aと一対の電極4a,4bそれぞれとの間の静電容量21,22間の変位を検出するもので、第1静電容量検出回路23,第2静電容量検出回路24および差信号出力部27をそなえて構成されている。
ここで、第1,第2静電容量検出回路23,24は、ともに前述の第1実施形態にかかる静電容量センサ10と同様の回路構成を有している。
また、第1静電容量検出回路23は、第1増幅回路23Aと、第1帰還容量(容量値をCFとする)23Bと、第1帰還抵抗(抵抗値をRFとする)23Cをそなえるとともに、ミラー3aと(一対の電極4a,4bをなす)第1電極4aとの間の第1静電容量(容量値をCPと記載する)21を第1増幅回路23Aの逆相入力に接続して非反転増幅回路23Uを構成する。
これにより、第1静電容量検出回路23においては、第1増幅回路23Aの正相に(第1静電容量21の値CPを検出するための)第1容量検出用信号を入力して、第1静電容量21の値CPに応じた利得で第1容量検出用信号が増幅された信号を出力するようになっている。換言すれば、第1静電容量検出回路23では、第1静電容量CPを検出するための信号を出力する。
具体的には、第1静電容量検出回路23における第1増幅回路23Aの正相入力に、上述の第1容量検出用信号と、第1容量検出用信号よりも低周波を有しミラー3aの変位を変化させるための第1駆動信号とが重畳された信号を入力する一方、ミラー3aの電位を基準電位(接地電位)として検出対象となる第1静電容量21を第1増幅回路23Aの逆相入力に接続するように構成されている。
また、第2静電容量検出回路24は、第2増幅回路24Aと、第2帰還容量(容量値をCFとする)24Bと、第2帰還抵抗(抵抗値をRFとする)24Cとをそなえ、ミラー3aと(一対の電極をなす)第2電極4bとの間の第2静電容量(容量値をCNと記載する)22を第2増幅回路24Aの逆相入力に接続して非反転増幅回路24Uを構成する。
これにより、第2静電容量検出回路24においては、第2増幅回路24Aの正相に第2静電容量値CNを検出するための第2容量検出用信号を入力して、第2静電容量22の値CNに応じた利得で第2容量検出用信号が増幅された信号を出力するようになっている。換言すれば、第2静電容量検出回路24では、第2静電容量22の値CNを検出するための信号を出力する。
具体的には、第2静電容量検出回路24における第2増幅回路24Aの正相入力に、上述の第2容量検出用信号と、第2容量検出用信号よりも低周波を有しミラー3aの変位を変化させるための第2駆動信号とが重畳された信号を入力する一方、ミラー3aの電位を基準電位(接地電位)として検出対象となる第2静電容量22を第2増幅回路22aの逆相入力に接続するように構成されている。
さらに、第1静電容量検出回路23は、第1増幅回路23Aからの出力から、第1駆動信号の成分を除去する第1ハイパスフィルタとしての容量25Aをそなえ、第2静電容量検出回路24についても、第2増幅回路24Aからの出力から、第2駆動信号の成分を除去する第2ハイパスフィルタとしての容量26Aをそなえている。
これにより、第1静電容量検出回路23では、ミラー3aと電極4aとの間の第1静電容量21の値CPを検出するための信号として、第1容量検出用信号が増幅された信号を第1駆動信号の低周波成分を除去した上で出力することができるようになっている。同様に、第2静電容量検出回路24では、ミラー3aと電極4bとの間の第2静電容量22の値CNを検出するための信号として、第2容量検出用信号が増幅された信号を第2駆動信号の低周波成分を除去した上で出力することができるようになっている。
また、差信号出力部27は、第1,第2静電容量検出回路23,24からの出力の差により、ミラー3aと一対の電極4a,4bそれぞれとの間の静電容量による静電容量変位を検出するための信号を出力するものであり、第1,第2静電容量検出回路23,24からの出力信号についてインピーダンス整合させるための抵抗27B,27C,増幅回路27Aおよび帰還抵抗27Dをそなえて構成されている。
すなわち、帰還抵抗27Dを増幅回路27Aの逆相入力に接続するとともに、第1,第2静電容量検出回路23,24からの出力信号についてそれぞれ抵抗27B,27Cを介して逆相入力に接続されて、これらの第1,第2静電容量検出回路23,24からの出力信号の差分を出力するようになっている。
ところで、第1容量検出信号は、第1静電容量検出回路23により前述の第1実施形態における式(6B)に示す利得で増幅されて出力されるようになっている。又、第2容量検出信号は、第2静電容量検出回路24により前述の第1実施形態における式(6B)に準じて、式(6C)に示す利得で増幅されて出力されるようになっている。
Gain=1+CN/CF …(6C)
上述の第1,第2容量検出用信号として入力された信号の振幅をほぼ同一とし、第1,第2静電容量検出回路23,24の帰還容量CFの値についてもほぼ同一の値としているので、上述の差信号出力部27において出力する第1,第2静電容量検出回路23,24からの出力信号の差分信号の利得としては、上述の第1,第2容量検出信号の高周波域において式(8)に示すようになる。
Gain=(1+CP/CF)−(1+CN/CF)
=(CP−CN)/CF …(8)
式(8)における帰還容量CFの値は予め設定された既知の値である。従って、静電容量センサ20においては、上述の容量変位CP−CNに応じた利得で出力信号を出力するようになっている。
上述の構成により、本発明の第2実施形態においても、低周波の第1駆動信号と第1駆動信号よりも高周波の第1容量検出用信号との重畳信号が、静電容量センサ20の第1静電容量検出回路23を構成する増幅回路23Aの正相入力に入力する。同様に、低周波の第2駆動信号と、第2駆動信号よりも高周波の第2容量検出用信号との重畳信号が、静電容量センサ20の第2静電容量検出回路24を構成する増幅回路24Aの正相入力に入力する。
それぞれの増幅回路23A,24Aの正相入力から入力された信号は増幅されて、低周波成分については利得1で増幅されるとともに〔式(6A)参照〕、高周波成分についてはそれぞれの検出対象の静電容量値CP,CNと帰還容量値CFの値に応じた利得〔式(6B),(6C)参照〕で増幅されて出力される。
そして、上述のごとく増幅回路23A,24Aで増幅され出力された低周波成分および高周波成分の重畳信号は、帰還容量23B,24Bおよび帰還抵抗23C,24Cを通じて電極4a,4bにそれぞれ印加され、接地されたミラー3aとの間で静電気力が与えられる。
電極4a,4bに印加された低周波成分および高周波成分の信号のうちで、前述の図2に示すように、高周波成分によって発生する静電気力によっては、ミラー3aが回転するようなトルクを発生しないが、低周波成分によって発生する静電気力によって、ミラー3aが回転するようなトルクを発生させることができる。
換言すれば、電極4a,4bに印加される低周波成分の信号によって、協働してミラー3aを回転させることができる。この場合においては、電極4aに電圧を印加するための静電容量センサ20入力を正相入力とし、電極4bに電圧を印加するための静電容量センサ20入力を逆相入力としている。
ところで、増幅回路23A,24Aで上述のごとく増幅された低周波成分および高周波成分の重畳信号は、ハイパスフィルタとしての容量25A,26Aにおいて低周波成分がカットオフされて、高周波成分の信号のみが差信号出力部27に出力される。
差信号出力部27の増幅回路27Aでは、容量25A,26Aからの高周波信号をそれぞれ入力抵抗27B,27Cを通じて逆相に入力されて、これら逆相に入力された信号の差信号を静電容量センサ20の出力信号として出力する。これにより、静電容量センサ20の利得としては、前述の式(8)に示すように、静電容量21の容量値CPと静電容量22の容量値CNとの差(CP−CN)に応じた値となる。
したがって、既知の第1,第2静電容量検出用信号の入力振幅に対する出力振幅の変動から、容量値の差CP−CNを検出することができるのである。そして、この容量差CP−CNの値から、一意にミラー3aの面位角度を特定することができる。
換言すれば、静電容量センサ20の正相,逆相入力としてそれぞれ重畳して入力される信号のうちで、低周波成分の信号についてはミラー3aの面位を変化させるために働き、高周波成分の信号については、上述の低周波成分の信号によって変化したミラー3aの面位の角度を検出するための信号として働く。
図7,図8は例えばCF=1pFの場合の静電容量センサ20による利得の周波数特性を示す図であり、図7はハイパスフィルタとしての容量25A,25Bによるフィルタ処理前後によるその特性を、図8はCP−CNの値に応じた静電容量センサ20出力における利得の周波数特性を、それぞれ示している。
すなわち、この図7ないし図8に示すように、低周波の利得は1で、高周波の利得は静電容量11の値CP−CNの増加に従って増大しているので、利得は上述の式(8)に従って上昇していることがわかる。従って、既知の第1,第2静電容量検出用信号の入力振幅に対する出力振幅の変動から、静電容量21,22の変動値CP−CNを一意に導出することができる。
換言すれば、静電容量センサ20からの出力信号のレベル値に応じたCP−CN値を予め準備しておくことで、ミラー3aの駆動中において常時静電容量21,22の差についての検出信号を出力することができる。なお、本発明が、特性例に示すパラメータに縛られないことは、言うまでもない。
このように、本発明の第2実施形態にかかる静電容量センサ20によれば、第1静電容量検出回路23および第2静電容量検出回路24により、前述の第1実施形態の場合と同様に、ミラー3aの電位を基準電位(例えば接地電位)として静電容量センサ20を構成することができ、検出対象となる静電容量21,22をなす片側の電極として機能するミラー3aの電位を基準電位として静電容量センサ20を構成することができる。
言い換えれば、静電容量21,22をなす片側の電極として機能する電極4a,4bによって、MEMSミラー駆動と静電容量検知とを両立させることができる。これにより、静電容量センサ20とMEMSミラーユニット1との間で必要な配線構成としては、少なくとも電極4a,4bと増幅回路23A,24Aの逆相入力とを接続するための2本の配線のみとして、配線構成を簡素化させることができる。更には、MEMSミラーユニット1をアレイ状に配置したMEMSミラーアレイを構成する際には、複数のミラーユニット1をなすミラー本体3を共通の電位となるように構成することができるので、従来技術(図21参照)のごとくミラー3aごとの電位を配線により取り出す必要がなくなり、MEMSミラーアレイとの配線構成を簡素化しながら、高精度に静電容量を検出することができ、歩留まり向上や特性改善に資するという利点がある。
また、第1静電容量検出回路23,第2静電容量検出回路24および差信号出力部27により、電極4aとミラー3aとの間の静電容量21の値CPおよび電極4bとミラー3aとの間の静電容量22の値CNとの差分CP−CNを求めることができるので、MEMSミラーユニット1として要求されるミラー3aの角度制御のために必要な微小容量変動を検出することができ、ひいてはMEMSミラーユニット1のミラー3aを高精度に角度制御することができる利点もある。
〔c〕第3実施形態の説明
図9は本発明の第3実施形態にかかる静電容量センサ30を示す図であり、この図9に示す静電容量センサ30は、前述の第2実施形態におけるものに比して、低周波成分の利得を1以外の値とするために、第1静電容量検出回路33の増幅回路23Aおよび第2静電容量検出回路34の増幅回路24Aの逆相入力に、付加抵抗33D,34Dがそれぞれ接続されている点が異なっており、それ以外については基本的に同様の構成を有している。尚、図9中、図6と同一の符号は、同様の部分を示している。
換言すれば、第1増幅回路23A,帰還容量23B,帰還抵抗23Cおよび負荷抵抗33Dとともに、増幅回路23Aの正相入力に接続された検出対象となる静電容量21により、非反転増幅回路33Uを構成する。同様に、第2増幅回路24A,帰還容量24B,帰還抵抗24C,負荷抵抗34Dおよび静電容量22により、非反転増幅回路34Uを構成する。
また、第1静電容量検出回路33の利得は以下の式(9)となり、カットオフ周波数fc1,fc2は、それぞれ式(10a),(10b)となる。
Figure 0004303545
カットオフ周波数fc1,fc2については、ほぼ等しい値としながら、第1,第2実施形態の場合と同様、ミラー3aの共振周波数frよりも十分大きく設定することが望ましい。式(9)において、入力信号の低周波成分に対しては(f<<fc≒fc1≒fc2)、式(9)に示す利得は式(11a)に示すように、入力信号の高周波成分に対しては(f>>fc≒fc1≒fc2)、式(9)に示す利得は式(12a)に示すように、それぞれ近似することができる。
Figure 0004303545
非反転増幅回路34Uの利得についても同様に、入力信号の低周波成分に対しては式(11b)に示すように、入力信号の高周波成分に対しては式(12b)に示すように、それぞれ近似することができる。
Figure 0004303545
すなわち、上述の非反転増幅回路33Uは、ミラー3aの応答する低周波領域では任意の固定利得を有するアンプとして動作し、応答しない高周波においては、静電容量21の値CPに応じて利得が上昇する。非反転増幅回路34Uにおいても同様に、ミラー3aの応答する低周波領域では任意の固定利得を有するアンプとして動作し、応答しない高周波においては、静電容量22の値CNに応じて利得が上昇する。
なお、差信号出力部27では、前述の第2実施形態の場合と同様に、容量25A,26Aからの(低周波成分が除去された後の)高周波信号の差信号を静電容量センサ30の出力信号として出力する。即ち、第3実施形態にかかる静電容量センサ30の利得としても、式(13)に示すように、静電容量21の容量値CPと静電容量22の容量値CNとの差(CP−CN)に応じた値となる。換言すれば、静電容量センサ30においても、上述の容量変位CP−CNに応じた利得で出力信号を出力するようになっている。
Figure 0004303545
上述の構成により、本発明の第3実施形態にかかる静電容量センサ30でにおいても、低周波の第1駆動信号と第1駆動信号よりも高周波の第1容量検出用信号との重畳信号が、静電容量センサ30の第1静電容量検出回路33を構成する増幅回路23Aの正相入力に入力する。同様に、低周波の第2駆動信号と、第2駆動信号よりも高周波の第2容量検出用信号との重畳信号が、静電容量センサ30の第2静電容量検出回路34を構成する増幅回路24Aの正相入力に入力する。
それぞれの増幅回路23A,24Aの正相入力から入力された信号は増幅されて、低周波成分については式(11a),(11b)に示す利得で増幅されるとともに、高周波成分についてはそれぞれの検出対象の静電容量値CP,CNと帰還容量値CFの値に応じた利得〔式(12a),(12b)参照〕で増幅されて出力される。
そして、上述のごとく増幅回路23A,24Aで増幅され出力された低周波成分および高周波成分の重畳信号は、帰還容量23B,24B,帰還抵抗23C,24Cおよび負荷抵抗33A,34Aを通じて電極4a,4bにそれぞれ印加され、接地されたミラー3aとの間で静電気力が与えられる。
このとき、前述の第1,第2実施形態の場合と同様に、電極4a,4bに印加された低周波成分および高周波成分の信号のうちで、前述の図2に示すように、高周波成分によって発生する静電気力によっては、ミラー3aが回転するようなトルクを発生しないが、低周波成分によって発生する静電気力によって、ミラー3aが回転するようなトルクを発生させることができる。
また、増幅回路23A,24Aで上述のごとく増幅された低周波成分および高周波成分の重畳信号は、ハイパスフィルタとしての容量25A,26Aにおいて低周波成分がカットオフされて、高周波成分の信号のみが差信号出力部27に出力され、差信号出力部27では、容量25A,26Aからの高周波信号の差信号を静電容量センサ30の出力信号として出力する。
これにより、静電容量センサ30の利得としては、前述の式(13)に示すように、静電容量21の容量値CPと静電容量22の容量値CNとの差(CP−CN)に応じた値となる。
したがって、既知の第1,第2静電容量検出用信号の入力振幅に対する出力振幅の変動から、容量値の差CP−CNを検出することができるのである。そして、この容量差CP−CNの値から、一意にミラー3aの面位角度を特定することができる。
図10,図11は例えばCF=1pF、CP−CN=0.2 pF、RF/RLの値を「1」,「10」または「100」とした場合の静電容量センサ30による利得の周波数特性を示す図であり、図10はハイパスフィルタとしての容量25A,25Bによるフィルタ処理前によるその特性を、図11は静電容量センサ30出力における上記RF/RLの値に応じた利得の周波数特性を、それぞれ示している。
すなわち、この図10ないし図11に示すように、低周波の利得は、RF/RLの値を「1」,「10」,「100」とした場合にそれぞれ「2」,「11」,「101」となり、RF/RLに応じて増大しているので、利得は上述の式(11a),(11b)に従って上昇していることがわかる。
また、高周波の利得については前述の第2実施形態の場合と同様にCP−CNの値にしたがって上昇する。即ち、既知の第1,第2静電容量検出用信号の入力振幅に対する出力振幅の変動から、静電容量21,22の変動値CP−CNを一意に導出することができる。これにより、静電容量センサ30からの出力信号のレベル値に応じたCP−CN値を予め準備しておくことで、ミラー3aの駆動中において常時静電容量21,22の差についての検出信号を出力することができる。なお、本発明が、特性例に示すパラメータに縛られないことは、言うまでもない。
このように、本発明の第3実施形態にかかる静電容量センサ30においても、前述の第2実施形態の場合と同様に、検出対象となる静電容量21,22をなす片側の電極として機能するミラー3aの電位を基準電位として静電容量センサ30を構成することができる。これにより、静電容量センサ20とMEMSミラーユニット1との間で必要な配線構成としては、少なくとも電極4a,4bと増幅回路23A,24Aの逆相入力とを接続するための2本の配線のみとして、配線構成を簡素化させることができる。
言い換えれば、静電容量21,22をなす片側の電極として機能する電極4a,4bによって、MEMSミラー駆動と静電容量検知とを両立させることができる。更には、MEMSミラーユニット1をアレイ状に配置したMEMSミラーアレイを構成する際には、複数のミラーユニット1をなすミラー本体3を共通の電位となるように構成することができるので、従来技術(図21参照)のごとくミラー3aごとの電位を配線により取り出す必要がなくなり、MEMSミラーアレイとの配線構成を簡素化しながら、高精度に静電容量を検出することができ、歩留まり向上や特性改善に資するという利点がある。
また、第1静電容量検出回路33,第2静電容量検出回路34および差信号出力部27により、電極4aとミラー3aとの間の静電容量21の値CPおよび電極4bとミラー3aとの間の静電容量22の値CNとの差分CP−CNを求めることができるので、MEMSミラーユニット1として要求されるミラー3aの角度制御のために必要な微小容量変動を検出することができ、ひいてはMEMSミラーユニット1のミラー3aを高精度に角度制御することができる利点もある。
さらに、負荷抵抗33D,34Dにより、電極4a,4bに供給される低周波の駆動信号を1よりも大きい利得で供給することができるので、低周波の駆動信号としては、前述の第2実施形態の場合よりも小さい振幅の信号を入力すれば足りる。
〔d〕第4実施形態の説明
図12は本発明の第4実施形態にかかる静電容量センサ40を示す図であり、この図12に示す静電容量センサ40においてもMEMSミラーユニット1におけるミラー3aの面位角度を検出する際に適用しうるものである。
そして、この図12に示す静電容量センサ40は、前述の第2実施形態におけるものに比して、帰還抵抗として、抵抗値をタイミングに応じて切り替え可能に構成された第1,第2帰還抵抗43C,44Cをそなえている点が異なっており、それ以外については基本的に同様の構成を有している。尚、図12中、図6と同一の符号は、同様の部分を示している。
ここで、第1帰還抵抗43Aは、並列に接続された2つの抵抗44C−1,44C−2をそなえるとともに、抵抗44C−2の抵抗44C−1への並列接続状態を電気的にオンオフ制御するためのスイッチ44C−3をそなえて構成されている。このスイッチ44C−3としては、例えばトランジスタ等により構成することができる。
また、スイッチ43C−3,44C−3はそれぞれ、ミラー3aの角度を駆動制御するための前述の第1,第2駆動信号を生成する図示しない駆動制御部から、ミラー3aの面位角度の切り替え制御タイミングに応じたオンオフ制御信号を受けて切り替えられるようになっている。
具体的には、上述のミラー3aの面位切り替えを行なうために、第1,第2駆動信号が立ち上がるタイミングにおいては、スイッチ43C−3,44C−3をオン制御して、第1,第2帰還抵抗43A,44Aとしての帰還抵抗値を小さくする。これにより、静電容量CP,CNの充電スピードを速め、上述の第1,第2駆動信号が立ち上がるのを早め(スルーレートを向上させ)、ミラー3aの面位が可動する応答性も早めている。
一方で、第1,第2帰還抵抗43A,44Aを、上述の第1,第2駆動信号が立ち上がるタイミングにおいてミラー3aの面位が可動する応答性を早める設定とすると、ミラー3aの面位角度の検出を行なう回路43U,44Uとしてのカットオフ周波数fc〔式(7)参照〕が、ミラー本体3の共振周波数frに近づくことになる。従って、ミラー3aの面位角度を安定的に検出するためには、上述のごときミラー3aの面位が可動する応答性を早めるスイッチ設定を切り替えることが必要である。
そこで、上述の第1,第2駆動信号が立ち上がるタイミングにおいてスイッチ43C−3,44C−3をオンとしてから、ミラー3aが共振せずに面位切り替え応答が十分得られる時間(例えば1ミリ秒程度のミリ秒オーダー)の経過後にはスイッチ43C−3,44C−3をオフ制御して、第1,第2帰還抵抗43A,44Aとしての帰還抵抗値を大きくして、回路43U,44Uとしてのカットオフ周波数fcが大きくなるようにする。
具体的には、ミラー3aの角度を切り替える際に、切り替えのための低周波信号(第1,第2駆動信号)が電極4a,4bに供給されるタイミングに同期してスイッチ43C−3,44C−3をオンとして帰還抵抗値を小さくする一方、スイッチオン時点から電極4a,4bによりミラー3aの角度が目標角度周辺まで回動する程度の時間経過後にスイッチ43C−3,44C−3をオフとして、帰還抵抗値を大きくする。
すなわち、第1,第2駆動信号が立ち上がるタイミングから上述の時間経過するまでの間以外においては、スイッチ43C−3,44C−3をオフとして、回路43U,44Uとしてのカットオフ周波数fcをミラー本体3の共振周波数frよりも十分大きくして、ミラー3aの面位角度を安定的に検出できるようにしている。
上述の構成により、本発明の第4実施形態にかかる静電容量センサ40においても、第1駆動信号と第1容量検出用信号との重畳信号が、増幅回路23Aの正相入力に入力する。同様に、低周波の第2駆動信号と第2容量検出用信号との重畳信号が増幅回路24Aの正相入力に入力する。
それぞれの増幅回路23A,24Aの正相入力から入力された信号は増幅されて、低周波成分については利得1で増幅されるとともに〔式(6A)参照〕、高周波成分についてはそれぞれの検出対象の静電容量値CP,CNと帰還容量値CFの値に応じた利得〔式(6B),(6C)参照〕で増幅されて、容量25A,26Aを通じて高周波成分のみが出力される。
ところで、上述のごとく増幅回路23A,24Aで増幅された低周波成分および高周波成分の重畳信号は、帰還容量23B,24Bおよび帰還抵抗43C,44Cを通じて電極4a,4bにそれぞれ印加され、接地されたミラー3aとの間で静電気力が与えられる。ミラー3aは、上述の重畳信号成分のうちで、特に低周波成分となる第1,第2駆動信号に応答して回動する。
さらに、差信号出力部27の増幅回路27Aでは、容量25A,26Aからの高周波信号をそれぞれ入力抵抗27B,27Cを通じて逆相に入力されて、これら逆相に入力された信号の差信号を静電容量センサ40の出力信号として出力する。これにより、静電容量センサ40の利得としては、前述の式(8)に示すように、静電容量21の容量値CPと静電容量22の容量値CNとの差(CP−CN)に応じた値となる。
したがって、既知の第1,第2静電容量検出用信号の入力振幅に対する出力振幅の変動から、容量値の差CP−CNを検出することができるのである。そして、この容量差CP−CNの値から、一意にミラー3aの面位角度を特定することができる。
また、ミラー3aの角度を切り替える際に、切り替えのための低周波信号(第1,第2駆動信号)が電極4a,4bに供給されるタイミングに同期してスイッチ43C−3,44C−3をオンとしているので、帰還抵抗値が小さくなって第1,第2駆動信号の立ち上がりが早まり、ミラー3aの面位が可動する応答性も早まる。
さらに、上述のスイッチ43C−3,44C−3をオンとした時点から電極4a,4bによりミラー3aの角度が目標角度周辺まで回動する程度の時間経過後にスイッチ43C−3,44C−3をオフとしているので、帰還抵抗値が大きくなり、回路43U,44Uとしてのカットオフ周波数fcをミラー本体3の共振周波数frよりも十分大きくすることができるので、ミラー3aの面位角度を安定的に検出することができる。
このように、本発明の第4実施形態にかかる静電容量センサ40によれば、第1静電容量検出回路43および第2静電容量検出回路44により、前述の第2,第3実施形態の場合と同様に、ミラー3aの電位を基準電位(例えば接地電位)として静電容量センサ40を構成することができ、検出対象となる静電容量21,22をなす片側の電極として機能するミラー3aの電位を基準電位として静電容量センサ40を構成することができる。これにより、静電容量センサ40とMEMSミラーユニット1との間で必要な配線構成としては、少なくとも電極4a,4bと増幅回路23A,24Aの逆相入力とを接続するための2本の配線のみとして、配線構成を簡素化させることができる。
言い換えれば、静電容量21,22をなす片側の電極として機能する電極4a,4bによって、MEMSミラー駆動と静電容量検知とを両立させることができる。更には、MEMSミラーユニット1をアレイ状に配置したMEMSミラーアレイを構成する際には、複数のミラーユニット1をなすミラー本体3を共通の電位となるように構成することができるので、従来技術(図21参照)のごとくミラー3aごとの電位を配線により取り出す必要がなくなり、MEMSミラーアレイとの配線構成を簡素化しながら、高精度に静電容量を検出することができ、歩留まり向上や特性改善に資するという利点がある。
また、第1静電容量検出回路43,第2静電容量検出回路44および差信号出力部27により、電極4aとミラー3aとの間の静電容量21の値CPおよび電極4bとミラー3aとの間の静電容量22の値CNとの差分CP−CNを求めることができるので、MEMSミラーユニット1として要求されるミラー3aの角度制御のために必要な微小容量変動を検出することができ、ひいてはMEMSミラーユニット1のミラー3aを高精度に角度制御することができる利点もある。
さらに、帰還抵抗として、抵抗値をタイミングに応じて切り替え可能に構成された第1,第2帰還抵抗43C,44Cをそなえているので、ミラー3aの面位を切り替え制御時にはミラー3aの回動応答性を向上させるとともに、ミラー3aの面位角度の検出安定性についても図ることができる利点がある。
〔e〕第5実施形態の説明
図13は本発明の第5実施形態にかかる静電容量センサ50を示す図であり、この図13に示す静電容量センサ30においてもMEMSミラーユニット1におけるミラー3aの面位角度を検出する際に適用しうるものである。
そして、この図13に示す静電容量センサ50は、前述の第2実施形態におけるものに比して、第1,第2静電容量検出回路23,24と差信号出力部27との間に、ハイパスフィルタとしての容量25A,26Aの出力についてそれぞれサンプルホールドするサンプルホールド回路55B,56Bが介装されている点が異なっており、それ以外については基本的に同様の構成を有している。尚、図13中、図6と同一の符号は、同様の部分を示している。
ここで、サンプルホールド回路55Bは、容量25A,26Aから出力される(第1,第2容量検出用信号が増幅された)高周波信号に同期してサンプリングを行なうものであって、交流信号を直流に変換する働きを持っている。
これにより、差信号出力部27においては、静電容量21の容量値CPと静電容量22の容量値CNに応じた直流信号の振幅値信号を、サンプルホールド回路55B,56Bからそれぞれ入力されて、これらの容量値の差CP−CNに応じた振幅の直流信号を出力することができる。
上述の構成により、本発明の第5実施形態にかかる静電容量センサ50においても、第1駆動信号と第1容量検出用信号との重畳信号が、増幅回路23Aの正相入力に入力する。同様に、低周波の第2駆動信号と第2容量検出用信号との重畳信号が増幅回路24Aの正相入力に入力する。
それぞれの増幅回路23A,24Aの正相入力から入力された信号は増幅されて、低周波成分については利得1で増幅されるとともに〔式(6A)参照〕、高周波成分についてはそれぞれの検出対象の静電容量値CP,CNと帰還容量値CFの値に応じた利得〔式(6B),(6C)参照〕で増幅されて、容量25A,26Aを通じて高周波成分のみが出力される。
ところで、上述のごとく増幅回路23A,24Aで増幅された低周波成分および高周波成分の重畳信号は、帰還容量23B,24Bおよび帰還抵抗23C,24Cを通じて電極4a,4bにそれぞれ印加され、接地されたミラー3aとの間で静電気力が与えられる。ミラー3aは、上述の重畳信号成分のうちで、特に低周波成分となる第1,第2駆動信号に応答して回動する。
また、サンプルホールド回路55B,56Bでは、容量25A,26Aから出力される高周波信号に同期してサンプリングを行なって、第1,第2容量検出用信号に対して静電容量値CP,CNと帰還容量値CFの値に応じた利得で増幅された振幅値を有する直流信号として出力する。
さらに、差信号出力部27の増幅回路27Aでは、サンプルホールド回路55B,56Bからの直流信号をそれぞれ入力抵抗27B,27Cを通じて逆相に入力されて、これら逆相に入力された信号の差信号を静電容量センサ50の出力信号として出力する。これにより、静電容量センサ50の利得としては、前述の式(8)に示すように、静電容量21の容量値CPと静電容量22の容量値CNとの差(CP−CN)に応じた振幅値の直流信号となる。
したがって、既知の第1,第2静電容量検出用信号の入力振幅に対する出力振幅の変動から、容量値の差CP−CNを検出することができるのである。そして、この容量差CP−CNの値から、一意にミラー3aの面位角度を特定することができる。
このように、本発明の第5実施形態にかかる静電容量センサ50においても、第1静電容量検出回路23および第2静電容量検出回路24および差信号出力部27により、前述の第2〜第4実施形態の場合と同様の利点があるほか、サンプルホールド回路が集積された静電容量センサを構成することができるので、静電容量センサとしての機能向上とともに、この静電容量センサ50を用いてMEMSミラーアレイの制御系を構築する際には、静電容量センサ出力について交流信号から直流信号に変換するための外部機器を設ける必要がなくなるという利点もある。
〔f〕第6実施形態の説明
第6実施形態においては、MEMSミラーアレイ61b,61cを用いた光スイッチング装置60において、MEMSミラーアレイ61b,61cをなす各ミラー3aの面位角度を検出する静電容量センサとして前述の第2実施形態におけるものと同様のものを用いている。
図14は本発明の第6実施形態にかかる光スイッチング装置60を示す図であるが、この第6実施形態にかかる光スイッチング装置60においては、光スイッチ光学系61と光スイッチ制御装置65とをそなえて構成されている。
ここで、光スイッチ光学系61は、例えば図15に示すようなコリメータアレイ61a,61dをそなえるとともに、互いに90度の角度をなして配置された、入力用および出力用の2つのミラーアレイ61b,61cをそなえて構成されている。
また、この図15に示す入力コリメータアレイ61aは、方路切替対象としてN(Nは複数、図15中においては8×8個)チャンネルの光を入力光として集光(コリメート)するためのN個の入力ポート61a−1をアレイ状に配置されて構成されて、例えばN本の光ファイバの束を構成するファイバブロックからの光をそれぞれの入力ポート61a−1に導入するとともに、集光された光を入力ミラーアレイ61b側に出射することができるようになっている。
入力ミラーアレイ61bは、入力コリメータアレイ61aの入力ポート61a−1の配置に1対1で対応するように、N個のティルトミラーユニット71がアレイ状に配置されて構成されている。即ち、この入力ミラーアレイ61bは、N個のティルトミラーユニット71が入力コリメータアレイ61aからのN個のコリメート光をそれぞれ後段の出力ミラーアレイ61cへ反射させるようにアレイ状に配置されている。
同様に、出力ミラーアレイ61cは、入力ミラーアレイ61bのティルトミラーユニット71の配置に1対1で対応するように、N個のティルトミラーユニット72がアレイ状に配置されて構成されている。即ち、この出力ミラーアレイ61cは、N個のティルトミラーユニット72がティルトミラーユニット71からのN個の反射光をそれぞれ後段の出力コリメータアレイ61dへ反射させるようにアレイ状に配置されている。
さらに、出力コリメータアレイ61dは、出力ミラーアレイ61cのティルトミラーユニット72の配置に1対1で対応するように、N個の出力ポート61d−1がアレイ状に配置されて構成されて、ティルトミラーユニット72からのN個の反射光(スイッチング後のNチャンネルの光信号)をそれぞれコリメートして出力するものである。
また、上述の入力ミラーアレイ61bおよび出力ミラーアレイ61cのティルトミラーユニット71,72はともに、前述の各実施形態におけるMEMSミラーユニット1と同様に、静電気力により回動可能に構成され光信号を偏向反射させる3次元のMEMSミラー(3次元マイクロエレクトロメカニカルシステムミラー)として構成することができる。即ち、前述の図20に示すもの(符号100参照)と同様、x軸およびy軸をミラー回動軸として互いに独立して回動することができるようになっている。
すなわち、入力ミラーアレイ61bおよび出力ミラーアレイ61cの各ティルトミラーユニット71,72は、入力ポート61a−1に入力された光信号を偏向させることにより、コリメータアレイ61aから入力される光信号のチャンネルとコリメータアレイ61dから出力される光信号のチャンネルとを切り替えを行なう可動エレメントを構成し、それぞれ第2〜第5実施形態におけるMEMSミラーユニット1と同様に、基板2,ミラー本体3および上述の2つのミラー回動軸に対応して2対の電極4をそなえている。
換言すれば、後述の光スイッチ制御装置65の制御により、ミラーアレイ61b,61cの反射面についての縦方向および横方向を軸として、3次元方向に個別にミラー面の面位を可変することができるようになっており、これにより、入射された光信号の反射光路を可変することができるようになっている。
すなわち、上述の入力ミラーアレイ61bおよび出力ミラーアレイ61cにおける、面位が設定された各ティルトミラーユニット71,72が協働することにより、入力コリメータアレイ61aの各入力ポート61a−1に入力される光信号を、ミラーアレイ61b,61cの各ティルトミラーユニット71,72で順次反射させることにより、出力コリメータアレイ61dにおける任意の位置の出力ポート61d−1を通じて出力することができ、光信号のチャンネル切替(光クロスコネクト)を行なうことができる。
また、図14に示す光スイッチング装置60の光スイッチ制御装置65は、詳細には前述の第2実施形態におけるもの(符号20参照)と同様の静電容量センサ62−1〜62−mを有する静電容量センサ部62が設けられるとともに、制御部63および駆動部64−1〜64−mをそなえて構成されている。即ち、個々の静電容量センサ62−1〜62−mは、アレイ状に配置された一つのティルトミラーユニット71,72における2つのミラー回動軸のうちのいずれか一方の面位角度を検出するための静電容量を検出するようになっている。
図16は、上述のx軸およびy軸について回動可能なティルトミラーユニット71(又は72)とともに、このティルトミラーユニット71と2つの静電容量センサ62−a,62−(a+1)との結線関係について示す図である。
ここで、この図16に示すティルトミラーユニット71においては電極4a−X,4b−X,4a−Y,4b−Yがミラー本体3と一体に形成されたものであって、3b−Yはミラー3aを支持するy軸トーションバー、5−1はy軸トーションバー3b−Yを支持するフレーム、3b−Xはミラー3aをy軸トーションバー3b−Yおよびフレーム5−1を通じて支持するx軸トーションバー、5−2はx軸トーションバー3b−Xを支持する外郭フレームである。
また、ミラー3aは上述の櫛型電極4a−X,4b−Xの櫛間と嵌め合わさるように形成されたミラー側櫛型電極6a−X,6b−Xをそなえている。更に、フレーム5−1には一対の櫛型電極4a−X,4b−Xが一体に形成されるとともに、フレーム5−2には一対の櫛型電極4a−Y,4b−Yが一体に形成されている。
なお、フレーム5−1には櫛型電極4a−Y,4b−Yの櫛間と嵌め合わさるように形成されたミラー側櫛型電極6a−Y,6b−Yをそなえている。又、5−11は上述の電極4a−X,4b−Xおよび櫛型導電部5−Yを絶縁する絶縁部、5−21は上述の電極4a−Y,4b−Y間を絶縁する絶縁部であり、ミラー3a面は接地されている。
この図16に示すように、静電容量センサ62−aの第1静電容量検出回路23における非反転増幅回路23Uの正相入力には、電極4a−Yを通じてミラー3aをトーションバー3b−Xについて回動させるための低周波の駆動信号と、電極4a−Y,6a−Y間の静電容量21Yの値CPを検出するための高周波の第1容量検出用信号とが重畳された重畳信号が入力され、非反転増幅回路23Uの逆相入力は、電極4a−Yを通じて容量21Yに接続されている。
また、静電容量センサ62−aの第2静電容量検出回路24における非反転増幅回路24Uの正相入力には、電極4b−Yを通じてミラー3aをトーションバー3b−Xについて回動させるための低周波の駆動信号と、電極4b−Y,6b−Y間の静電容量22Yの値CNを検出するための高周波の第2容量検出用信号とが重畳された重畳信号が入力され、非反転増幅回路24Uの逆相入力は、電極4b−Yを通じて容量22Yに接続されている。
同様に、静電容量センサ62−(a+1)の第1静電容量検出回路23における非反転増幅回路23Uの正相入力には、電極4a−Xを通じてミラー3aをトーションバー3b−Yについて回動させるための低周波の駆動信号と、電極4a−X,6a−X間の静電容量21Xの値CPを検出するための高周波の第1容量検出用信号とが重畳された重畳信号が入力され、非反転増幅回路23Uの逆相入力は、電極4a−Xを通じて容量21Xに接続されている。
また、静電容量センサ62−(a+1)の第2静電容量検出回路24における非反転増幅回路24Uの正相入力には、電極4b−Xを通じてミラー3aをトーションバー3b−Yについて回動させるための低周波の駆動信号と、電極4b−X,6b−X間の静電容量22Xの値CNを検出するための高周波の第2容量検出用信号とが重畳された重畳信号が入力され、非反転増幅回路24Uの逆相入力は、電極4b−Xを通じて容量22Xに接続されている。
これにより、静電容量センサ62−aを通じて電極4a−Y,4b−Yに供給される一対の駆動信号によってトーションバー3b−Xがねじれてミラー3aの面位が回動するとともに、静電容量21Y,22Y間の容量差CP−CNに応じた利得で高周波の容量検出用信号が増幅されて出力される。
同様に、静電容量センサ62−(a+1)を通じて電極4a−X,4b−Xに供給される一対の駆動信号によってトーションバー3b−Yがねじれてミラー3aの面位が回動するとともに、静電容量21X,22X間の容量差CP−CNに応じた利得で高周波の容量検出用信号が増幅されて出力される。
このようにして、個々のティルトミラーユニット71,72に接続された静電容量センサ62−1〜62−mは、非反転増幅回路23U,24Uを構成する2つの増幅回路23A,24A参照の正相に、第2実施形態の場合と同様の2対の重畳信号を、対応する駆動部64−1〜64−mから後述するように入力され、逆相にはティルトミラーユニット71,72をなす電極4a−Y,4b−Y,4a−X,4b−Xに接続されている。
そして、ティルトミラーユニット71,72をなすミラー3aは、静電容量センサ62−1〜62−mを通じて上述の電極4a−Y,4b−Y,4a−X,4b−Xに供給される重畳信号のうちの低周波信号で駆動され、ミラー面位をx軸又はy軸について回動させることができる。更に、静電容量センサ62−1〜62−m出力により、x軸又はy軸について回動されたミラー面位角度を回動軸ごとに検出することができる。
なお、上述のティルトミラーユニット71としては、例えばこの図16に示す電極4a−X,4b−X,4a−Y,4b−Yのように櫛型の電極構造を有することで、単位印加電圧あたりの静電容量変動が大きくなる。即ち、この図16に示す櫛型電極構造を有するティルトミラーユニット71(72)により、ミラー3aを回動させる単位角度に対する印加電圧を小さくすることができる。
また、静電容量センサ62−1〜62−mにおいては、静電容量CPとCNの差に応じた利得の信号(静電容量検出信号)を、上述の回動軸についてのミラー面位角度を検出するための信号として制御部63に出力するようになっている。尚、この場合においては、ティルトミラーユニット71,72は2×N個あるので、m個とは2×2×N個に相当する。
したがって、静電容量センサ62−1〜62−mは、ミラーに対して静電気力による回転力を与えるための信号を供給する機能と、回転されたミラーの角度を検出する機能とを、一対の電極との結線のみで実現している。又、各ティルトミラーユニット71,72は共通の電位として例えば接地しておけばよいので、電位を分離して取り出す必要がなく、各ティルトミラーユニット71,72間を絶縁する必要もない。これにより、ティルトミラー71,72について配線構成を格段に簡素化させることができる。
また、図14に示す光スイッチング装置60の制御部63は、複数チャンネルの光信号のチャンネル切替指示を外部から受けて、静電容量センサ部62からの各ティルトミラーユニット71,72についての静電容量変位をもとに、チャンネル切替を行なうためのミラーの回動変位量を制御するための制御信号を出力するものであり、サンプルホールド回路63a,アンプ63b,A/Dコンバータ63cおよびコントローラ63dをそなえて構成されている。
ここで、サンプルホールド回路63aは、前述の第5実施形態における静電容量センサ50にそなえられたもの(符号55B,56B参照)と同様の機能を有するもので、各静電容量センサ62−1〜62−mから出力される静電容量検出信号としての高周波信号に同期してサンプリングを行なうものであって、交流信号を直流に変換する働きを持っている。
また、アンプ63bはサンプルホールド回路63aから出力される直流信号を増幅し、A/Dコンバータ63cはアンプ63bで増幅された直流信号をアナログ信号からディジタル信号に変換して、ディジタル値の静電容量検出信号としてコントローラ63dに出力する。
さらに、コントローラ63dは、光スイッチ光学系61に入力される複数チャンネルの光信号ごとの光パス設定(クロスコネクト設定)に対応する面位制御を駆動部64−1〜64−mを通じて行なわせるための制御信号を出力するものである。
具体的には、コントローラ63dは、A/Dコンバータ63cからのディジタル値の静電容量検出信号をもとに各ティルトミラー71,72のx軸、y軸の面位角度を求め、求められた面位角度に基づき、各ティルトミラー71,72のx軸、y軸の面位角度が上述の光パス設定のために最適な角度となるようにフィードバックして制御信号を出力するようになっている。
なお、上述のコントローラ63dにおいては、上述のごときティルトミラーユニット71,72のミラーを駆動させるための制御信号のほかに、静電容量センサ62−1〜62−mで静電容量CPとCNの差に応じた利得の信号を出力するための静電容量検出用信号についても、ディジタル信号として重畳して駆動部64−1〜64−mに出力するようになっている。
また、駆動部64−1〜64−mは、個々のティルトミラー71,72の回動軸について独立して回動させるためにm個設けられている。そして、各駆動部64−1〜64−mは、制御部63からの制御信号に基づいて、各ティルトミラー71,72に対する静電気力を対応する一対の電極への駆動信号を通じて供給するものであって、一対のD/Aコンバータ64aおよび一対のドライバ64bをそなえている。
ここで、D/Aコンバータ64aは、コントローラ63dからの、制御信号および静電容量検出用信号の重畳信号(ディジタル信号)をアナログの重畳信号に変換するもので、上述の制御信号成分については低周波のアナログ信号に変換され、静電容量検出用信号については、ミラーが応答しない高周波のアナログ信号に変換される。
さらに、ドライバ64bは、D/Aコンバータ64aからのアナログの重畳信号について、ティルトミラー71,72における一対の電極に供給すべき振幅値の信号に増幅するものであり、増幅された一対のアナログの重畳信号はそれぞれ、前述したように対応する静電容量センサ62−1〜62−mを通じて一対の電極に供給される。
上述の構成により、本発明の第6実施形態にかかる光スイッチング装置60においては、図17に示すように、光パス設定に応じた各ティルトミラーユニット71,72の面位制御を行なうことができる。
すなわち、制御部63のコントローラ63dで、外部からのパス設定命令を受けると(ステップA1)、このパス設定内容に応じて、図示しないディスク装置や媒体等に蓄積された制御情報データを検索し、命令に応じたパス設定を実現する面位角度に各ティルトミラーユニット71,72のミラーを設定するための制御データを持つ制御信号を、上述の静電容量検出用信号とともに駆動部64−1〜64−mに出力する。
これにより、駆動部64−1〜64−mおよび静電容量センサ62−1〜62−mによって、光パス設定対象のティルトミラーユニット71,72をなす電極に駆動信号が供給されて、そのミラーは、入力された光パス設定に対して初期値として与えられたの面位角度となるように回動する(ステップA2)。
そして、静電容量センサ62−1〜62−mでは、上述のコントローラ63dからの制御信号によって、静電容量差CP−CN(図16参照)に応じた利得で増幅された信号を、個々のティルトミラー71,72におけるミラーの面位角度を検出するために制御部63に供給する。
制御部63のコントローラ63dでは、静電容量センサ62−1〜62−mから出力される信号の振幅値と、駆動部64−1〜64−mに供給したもとの静電容量検出信号が静電容量センサ62−1〜62−mに入力する時点での振幅値とから、利得の測定値を求めるとともに、求められた利得測定値と帰還容量CFの値とを用いて、式(8)により静電容量差の値CP−CNを求め、静電容量差に一意に対応するミラーの面位角度を検出値として求める。
そして、コントローラ63dでは、検出値として求められたミラーの面位角度が、光パス設定として命令された面位角度の目標値になるようにフィードバックして制御信号を駆動部64−1〜64−mに出力する(ステップA3,ステップA4)。
このように、本発明の第6実施形態にかかる光スイッチング装置60によれば、前述の第2実施形態の場合と同様の静電容量センサ62−1〜62―mを用いて構成されているので、ミラーアレイ61b,61cをなすティルトミラーユニット71,72のミラー本体を共通の電位となるように構成することができるので、従来技術(図21参照)のごとくミラー3aごとの電位を配線により取り出す必要がなくなり、ティルトミラーアレイとの配線構成を簡素化しながら高精度に静電容量を検出することができ、歩留まり向上や特性改善に資するという利点がある。
また、ミラーアレイ61b,61cをなす各ティルトミラー71,72に静電気力を供給するための一対の電極4a−X,4b−X,4a−Y,4b−Yが、それぞれ櫛型形状の電極により構成されているので、上述のごとき利点に加え、ミラー3aを回動させる単位角度に対する印加電圧を小さくすることができ、延いては装置の消費電力を抑制させ、ミラーアレイ61b,61cの発熱についても抑制させることができる。
〔g〕第7実施形態の説明
図18は本発明の第7実施形態にかかる光スイッチング装置80を示す図であるが、この第7実施形態にかかる光スイッチング装置80は、前述の第6実施形態におけるもの(符号60参照)に比して、光パワーモニタ88およびA/Dコンバータ89をそなえ、ミラーアレイ61b,61cをなすティルトミラーユニット71,72のミラー面位角度を、出力される光信号のパワーに応じて可変する機能が付加されている点が異なっている。
第7実施形態にかかる光スイッチング装置80においては上述のごとき機能が付加されているので、温度変動やデバイス性能の経時変化によって光学的な最適点に対する最適MEMSミラー角度が変化することに対応することができるようになっている。
また、この図18に示す光スイッチング装置80においては、上述の光パワーモニタ88およびA/Dコンバータ89以外の構成については前述の図14に示す光スイッチング装置60と基本的に同様である。尚、図18中において、図14と同一の符号はほぼ同様の部分を示している。即ち、第7実施形態においても、MEMSミラーアレイ61b,61cを用いた光スイッチング装置80において、MEMSミラーアレイ61b,61cをなす各ミラー3aの面位角度を検出する静電容量センサ62−1〜62−mとして前述の第2実施形態におけるものと同様のものを用いている。
ここで、光パワーモニタ88は、光スイッチ光学系61から出力される各チャンネルの光信号のパワーを一定率分岐した上で主信号系とは別にモニタするもので、A/Dコンバータ89は、光パワーモニタ88にてモニタされた、各チャンネルにおける出力光信号のパワーのモニタ値を、アナログ信号からディジタル信号に変換するものである。
コントローラ63dは、静電容量センサ部62からの各ティルトミラー3aについての静電容量変位とともに、光パワーモニタ88からのチャンネルごとの光信号のパワーをもとに、チャンネル切替を行なうための各ティルトミラー3aの回動変位量を制御するための制御信号を出力する。
具体的には、コントローラ63dにおいては、静電容量センサ62−1〜62−mからの容量検出情報から得られる角度検出情報をもとに、外部から命令として受ける光パス設定の内容に応じてミラー面位角度をフィードバック制御しているが、この制御によってミラー面位が設定された後に、各チャンネルの出力信号光のパワーが、設定されたパスにおいて温度変動やデバイス性能の経時変化に対応した最適な出力レベルとなるように、該当する光路のティルトミラーユニット71,72のミラー面位角度を調整制御するようになっているのである。
上述の構成により、本発明の第7実施形態にかかる光スイッチング装置80では、図19に示すように、光パス設定に応じた各ティルトミラーユニット71,72の面位制御を行なうことができる。
すなわち、制御部63のコントローラ63dで、外部からのパス設定命令を受けると(ステップB1)、前述の第6実施形態の場合と同様に、命令に応じたパス設定を実現する面位角度に各ティルトミラーユニット71,72のミラーを設定するための制御データを持つ制御信号を、上述の静電容量検出用信号とともに駆動部64−1〜64−mに出力する。
これにより、駆動部64−1〜64−mおよび静電容量センサ62−1〜62−mによって、光パス設定対象のティルトミラーユニット71,72をなす電極に駆動信号が供給されて、そのミラーは、入力された光パス設定に対して初期値として与えられたの面位角度となるように回動する(ステップB2)。
そして、静電容量センサ62−1〜62−mでは、上述のコントローラ63dからの制御信号によって、静電容量差CP−CN(図16参照)に応じた利得で増幅された信号を、個々のティルトミラー71,72におけるミラーの面位角度を検出するために出力する。この静電容量差CP−CNの値に応じた信号は制御部63のサンプルホールド回路63a,アンプ63b,A/Dコンバータ63cによる信号処理が施されたのちにコントローラ63dに入力される。
制御部63のコントローラ63dでは、A/Dコンバータ63cからの静電容量差CP−CNの値に応じた信号をもとに静電容量差の値CP−CNを求めるとともに、静電容量差に一意に対応するミラーの面位角度を検出値として求める。
そして、コントローラ63dでは、この検出値として求められたミラーの面位角度が、光パス設定として命令された面位角度の目標値になるようにフィードバックして制御信号を駆動部64−1〜64−mに出力する(ステップB3)。
コントローラ63dでは、このようにしてミラーの面位角度を目標値となるように設定したのちに、続いて温度変動やデバイス性能の経時変化対応して最適な出力光のパワーが得られるような面位制御を行なう。
すなわち、コントローラ63dにおいては、光パワーモニタ88においてモニタされた光スイッチ光学系61から出力される各チャンネルの光信号のパワーをA/Dコンバータ89を通じてディジタル信号として入力されて、各チャンネルの出力信号光のパワーが設定されたパスにおいて最適な出力レベルとなるように、該当する光路のティルトミラーユニット71,72のミラー面位角度を調整制御する(ステップB4,B5)。これによって、最終的に入力された命令に対する光パス設定動作が完了する(ステップB6)。
このように、本発明の第7実施形態にかかる光スイッチング装置80においても、前述の第2実施形態の場合と同様の静電容量センサ62−1〜62―mを用いて構成されているので、ミラーアレイ61b,61cをなすティルトミラーユニット71,72のミラー本体を共通の電位となるように構成することができるので、従来技術(図21参照)のごとくミラー3aごとの電位を配線により取り出す必要がなくなり、ミラーアレイ61b,61cとの配線構成を簡素化しながら、高精度に静電容量を検出することができ、歩留まり向上や特性改善に資するという利点がある。
また、光パワーモニタ88およびA/Dコンバータ89を設けているので、温度変動やデバイス性能の経時変化によって光学的な最適点に対応する最適ミラー角度が変化することに適応することができ、装置80の長期的利用にわたっての信頼性を確保することができる利点もある。
〔h〕その他
上述の第1〜第5実施形態ではMEMSミラーユニット1のミラー面位を検出するために、第6,第7実施形態においても光スイッチ光学系61のミラーアレイ61b,61cをなすミラー面位を検出するために、それぞれ静電容量を検出しているが、本発明によればこれに限定されず、静電容量センサ10,20,30,40,50,62−1〜62−mとしてはこれ以外の可動エレメントの基準姿勢に対する姿勢変位を検出するために静電容量を検出するように構成してもよい。
このとき、姿勢変位を検出するための容量検出用信号である高周波成分の信号のみを静電容量センサ10,20,30,40,50,62−1〜62−mに入力させるようにしてもよい。この場合においては、ハイパスフィルタとしての容量15,25A,26Aについては省略することができる。
また、上述の各実施形態において、ハイパスフィルタとして容量15,25A,26Aを用いているが、これ以外の公知の構成を持つハイパスフィルタを用いることとしてもよい。
さらに、第1実施形態にかかる静電容量センサ10、第6,第7実施形態における静電容量センサ62−1〜62−mには、第3実施形態におけるものと同様の負荷抵抗(符号33D,34D参照)を設けることとしてもよい。このようにすれば、少なくとも静電容量センサ10,62−1〜62−mに入力される時点での駆動信号(第1,第2駆動信号)としての信号レベルを、負荷抵抗がない場合よりも低くしておくことができる。
また、第1実施形態にかかる静電容量センサ10、第6,第7実施形態における静電容量センサ62−1〜62−mには、第4実施形態におけるものと同様のスイッチを含んだ帰還抵抗(符号43C,44C)をそなえることとしてもよい。このようにすれば、前述の第4実施形態の場合と同様に、ミラー3aの面位を切り替え制御時にはミラー3aの回動応答性を向上させるとともに、ミラー3aの面位角度の検出安定性についても図ることができる利点がある。
さらに、第1実施形態にかかる静電容量センサ10、第6,第7実施形態における静電容量センサ62−1〜62−mには、第5実施形態の場合と同様のサンプルホールド回路を設けることとしてもよい。このようにすれば、静電容量センサ10,62−1〜62−mの外部に設けるべきサンプルホールド回路(図14,図18の符号63a参照)をそなえる必要がなくなる。
また、第6,第7実施形態にかかる光スイッチング装置60,80において、光スイッチ光学系61としては、図15に示すもの以外に様々な構成があり、本発明は図15にて示した構成に縛られることなく様々な構成に適用することが可能である。又、ミラーアレイ61b,61cをなすティルトミラーユニット71,72としても、上述の図16に示すような櫛型電極構造以外のものを適用してもよいし、また2軸を回動させるミラー構造以外のものを用いることもできる。
〔i〕付記
(付記1) 可動エレメントの基準姿勢に対する姿勢変位を、該可動エレメントと該可動エレメントに隔離して配置された電極との間の静電容量で検出するための静電容量センサであって、
増幅回路と、帰還容量と、帰還抵抗とをそなえ、検出対象となる前記静電容量を該増幅回路の逆相入力に接続して非反転増幅回路を構成するとともに、
前記静電容量を検出するための容量検出用信号を該増幅回路の正相入力に入力するとともに、検出対象となる前記静電容量の値に応じた利得で前記容量検出用信号が増幅された信号を、前記静電容量の検出結果として出力するように構成されたことを特徴とする、静電容量センサ。
(付記2) 該増幅回路の正相入力には、前記容量検出用信号とともに、前記容量検出用信号よりも低周波を有し該可動エレメントの変位を静電気力で変化させるための駆動信号が重畳された信号を入力する一方、前記可動エレメントの電位を接地電位として検出対象となる前記静電容量を該増幅回路の逆相入力に接続するように構成され、
かつ、該増幅回路からの出力から、前記駆動信号の成分を除去するハイパスフィルタをそなえて構成されたことを特徴とする、付記1記載の静電容量センサ。
(付記3) 該増幅回路の逆相入力に負荷抵抗が接続されていることを特徴とする、付記1記載の静電容量センサ。
(付記4) 該帰還抵抗の値をタイミングに応じて切り替えることを特徴とする、付記1記載の静電容量センサ。
(付記5) 該ハイパスフィルタの出力についてサンプルホールドするサンプルホールド回路をそなえて構成されたことを特徴とする、付記2記載の静電容量センサ。
(付記6) 可動エレメントと該可動エレメントに隔離して配置された一対の電極それぞれとの間の静電気力により、該可動エレメントが変位する可動エレメント装置における上記の可動エレメントと一対の電極それぞれとの間の静電容量による静電容量変位を検出する静電容量センサであって、
第1増幅回路と、第1帰還容量と、第1帰還抵抗とをそなえ、前記可動エレメントと前記一対の電極をなす第1電極との間の第1静電容量を該第1増幅回路の逆相入力に接続して非反転増幅回路を構成するとともに、前記第1静電容量を検出するための第1容量検出用信号を該第1増幅回路の正相に入力するとともに、前記第1静電容量の値に応じた利得で前記第1容量検出用信号が増幅された信号を出力するように構成された第1静電容量検出回路と、
第2増幅回路と、第2帰還容量と、第2帰還抵抗とをそなえ、前記可動エレメントと前記一対の電極をなす第2電極との間の第2静電容量を該第2増幅回路の逆相入力に接続して非反転増幅回路を構成するとともに、前記第2静電容量を検出するための第2容量検出用信号を該第2増幅回路の正相に入力するとともに、前記第2静電容量の値に応じた利得で前記第2容量検出用信号が増幅された信号を出力するように構成された第2静電容量検出回路と、
上記の第1,第2静電容量検出回路からの出力の差により、上記の可動エレメントと一対の電極それぞれとの間の静電容量による静電容量変位を検出するための信号を出力する差信号出力部と、をそなえて構成されたことを特徴とする、静電容量センサ。
(付記7) 上記の第1静電容量検出回路が、第1増幅回路の正相入力に前記第1容量検出用信号とともに、前記第1容量検出用信号よりも低周波を有し該可動エレメントの変位を変化させるための第1駆動信号が重畳された信号を入力する一方、前記可動エレメントの電位を接地電位として検出対象となる前記第1静電容量を該第1増幅回路の逆相入力に接続するように構成され、かつ、該第1増幅回路からの出力から、前記第1駆動信号の成分を除去する第1ハイパスフィルタをそなえて構成され、
上記の第2静電容量検出回路が、第2増幅回路の正相入力に前記第2容量検出用信号とともに、前記第2容量検出用信号よりも低周波を有し該可動エレメントの変位を変化させるための第2駆動信号が重畳された信号を入力する一方、前記可動エレメントの電位を接地電位として検出対象となる前記第2静電容量を該第2増幅回路の逆相入力に接続するように構成され、かつ、該第2増幅回路からの出力から、前記第2駆動信号の成分を除去する第2ハイパスフィルタをそなえて構成されたことを特徴とする、付記6記載の静電容量センサ。
(付記8) 該第1,第2増幅回路の逆相入力のそれぞれに負荷抵抗が接続されていることを特徴とする、付記6記載の静電容量センサ。
(付記9) 該第1,第2帰還抵抗の値をタイミングに応じて切り替えることを特徴とする、付記6記載の静電容量センサ。
(付記10) 該第1静電容量回路が、該第1ハイパスフィルタの出力についてサンプルホールドする第1サンプルホールド回路をそなえるとともに、該第2静電容量回路が、該第2ハイパスフィルタの出力についてサンプルホールドする第2サンプルホールド回路をそなえて構成されたことを特徴とする、付記7記載の静電容量センサ。
(付記11) 可動エレメントと該可動エレメントに隔離して配置された電極との間の静電気力により該可動エレメントが変位する可動エレメント装置における上記の可動エレメントと電極との間の静電容量を検出する静電容量センサであって、
該可動エレメントの変位を変化させるための低周波の駆動信号と前記駆動信号よりも高周波を有して前記静電容量を検出するための容量検出用信号とが重畳された信号を正相に入力する一方、前記可動エレメントの電位を接地電位として検出対象となる前記静電容量を前記電極を介して逆相入力に接続する増幅回路と、
該増幅回路の出力を前記逆相入力に帰還するための並列接続された帰還容量および帰還抵抗と、
該増幅回路からの出力から、前記低周波の信号成分を除去するハイパスフィルタと、をそなえ、
該ハイパスフィルタから、検出対象となる前記静電容量の値に応じた利得で前記容量検出用信号が増幅された信号を出力するように構成されたことを特徴とする、静電容量センサ。
(付記12) 可動エレメントと該可動エレメントに隔離して配置された一対の電極それぞれとの間の静電気力により、該可動エレメントが変位する可動エレメント装置における上記の可動エレメントと一対の電極それぞれとの間の静電容量による静電容量変位を検出する静電容量センサであって、
該可動エレメントの変位を変化させるための低周波の第1駆動信号と前記第1駆動信号よりも高周波を有して前記可動エレメントと前記一対の電極をなす第1電極との間の第1静電容量を検出するための第1容量検出用信号とが重畳された信号を正相に入力する一方、前記可動エレメントの電位を接地電位として前記第1静電容量を逆相入力に接続する第1増幅回路と、該第1増幅回路の出力を前記逆相入力に帰還するための並列接続された第1帰還容量および第1帰還抵抗と、該第1増幅回路からの出力から前記低周波の信号成分を除去する第1ハイパスフィルタと、をそなえ、前記第1静電容量を検出するための第1静電容量検出回路と、
該可動エレメントの変位を変化させるための低周波の第2駆動信号と前記第2駆動信号よりも高周波を有して前記可動エレメントと前記一対の電極をなす第2電極との間の第2静電容量を検出するための第2容量検出用信号とが重畳された信号を正相に入力する一方、前記可動エレメントの電位を接地電位として前記第2静電容量を逆相入力に接続する第2増幅回路と、該第2増幅回路の出力を前記逆相入力に帰還するための並列接続された第2帰還容量および第2帰還抵抗と、該第2増幅回路からの出力から前記低周波の信号成分を除去する第2ハイパスフィルタと、をそなえ、前記第2静電容量を検出するための第2静電容量検出回路と、
上記の第1,第2静電容量検出回路からの出力の差により、上記の可動エレメントと一対の電極それぞれとの間の静電容量による静電容量変位を検出するための信号を出力する差信号出力部と、をそなえて構成されたことを特徴とする、静電容量センサ。
(付記13) 該可動エレメントが、アレイ状に複数個一体に配置されていることを特徴とする、付記1〜12のいずれか1項記載の静電容量センサ。
(付記14) 該可動エレメントが、ティルトミラーであることを特徴とする、付記1〜13のいずれか1項記載の静電容量センサ。
(付記15) 該電極が、櫛型形状の電極により構成されたことを特徴とする、付記1〜14のいずれか1項記載の静電容量センサ。
(付記16) 静電気力により回動可能に構成され光信号を偏向反射させるためのティルトミラーをアレイ状に配置して構成されたミラーアレイをそなえ、複数チャンネルの光信号のチャンネル切り替えを行なう光スイッチ光学系を制御する光スイッチ制御装置であって、
上記のティルトミラーと当該ティルトミラーに隔離して配置され前記静電気力を供給するための一対の電極それぞれとの間の静電容量により、当該ティルトミラーについての静電容量変位を検出する静電容量センサを、該ミラーアレイをなすティルトミラーの回動軸ごとにそなえられた静電容量センサ部と、
前記複数チャンネルの光信号のチャンネル切替指示を受けて、該静電容量センサ部からの各ティルトミラーについての静電容量変位をもとに、前記チャンネル切替を行なうための各ティルトミラーの回動変位量を制御するための制御信号を出力する制御部と、
該制御部からの制御信号に基づいて、各ティルトミラーに対する静電気力を対応する一対の電極への駆動信号を通じて供給する駆動部と、をそなえ、
かつ、該静電容量センサ部における各静電容量センサが、
該駆動部からの対応するティルトミラーの回動変位量を変化させるための低周波の第1駆動信号と前記第1駆動信号よりも高周波を有して該対応するティルトミラーと前記対応する一対の電極をなす第1電極との間の第1静電容量を検出するための第1容量検出用信号とが重畳された信号を正相に入力する一方、該対応するティルトミラーの電位を接地電位として前記第1静電容量を逆相入力に接続する第1増幅回路と、該第1増幅回路の出力を前記逆相入力に帰還するための並列接続された第1帰還容量および第1帰還抵抗と、該第1増幅回路からの出力から前記低周波の信号成分を除去する第1ハイパスフィルタと、をそなえ、前記第1静電容量を検出するための第1静電容量検出回路と、
該駆動部からの該対応するティルトミラーの変位を変化させるための低周波の第2駆動信号と前記第2駆動信号よりも高周波を有して該対応するティルトミラーと前記対応する一対の電極をなす第2電極との間の第2静電容量を検出するための第2容量検出用信号とが重畳された信号を正相に入力する一方、該対応するティルトミラーの電位を接地電位として前記第2静電容量を逆相入力に接続する第2増幅回路と、該第2増幅回路の出力を前記逆相入力に帰還するための並列接続された第2帰還容量および第2帰還抵抗と、該第2増幅回路からの出力から前記低周波の信号成分を除去する第2ハイパスフィルタと、をそなえ、前記第2静電容量を検出するための第2静電容量検出回路と、
上記の第1,第2静電容量検出回路からの出力の差により、上記の対応するティルトミラーと一対の電極それぞれとの間の静電容量による静電容量変位を検出するための信号を出力する差信号出力部と、をそなえて構成されたことを
特徴とする、光スイッチ制御装置。
(付記17) 静電気力により回動可能に構成され光信号を偏向反射させるためのティルトミラーをアレイ状に配置して構成されたミラーアレイをそなえ、複数チャンネルの光信号のチャンネル切り替えを行なう光スイッチ光学系と、
上記のティルトミラーと当該ティルトミラーに隔離して配置され前記静電気力を供給するための一対の電極それぞれとの間の静電容量により、当該ティルトミラーについての静電容量変位を検出する静電容量センサを、該ミラーアレイをなすティルトミラーの回動軸ごとにそなえられた静電容量センサ部と、
前記複数チャンネルの光信号のチャンネル切替指示を受けて、該静電容量センサ部からの各ティルトミラーについての静電容量変位をもとに、前記チャンネル切替を行なうための各ティルトミラーの回動変位量を制御するための制御信号を出力する制御部と、
該制御部からの制御信号に基づいて、各ティルトミラーに対する静電気力を対応する一対の電極への駆動信号を通じて供給する駆動部と、をそなえ、
かつ、該静電容量センサ部における各静電容量センサが、
該駆動部からの対応するティルトミラーの回動変位量を変化させるための低周波の第1駆動信号と前記第1駆動信号よりも高周波を有して該対応するティルトミラーと前記対応する一対の電極をなす第1電極との間の第1静電容量を検出するための第1容量検出用信号とが重畳された信号を正相に入力する一方、該対応するティルトミラーの電位を接地電位として前記第1静電容量を逆相入力に接続する第1増幅回路と、該第1増幅回路の出力を前記逆相入力に帰還するための並列接続された第1帰還容量および第1帰還抵抗と、該第1増幅回路からの出力から前記低周波の信号成分を除去する第1ハイパスフィルタと、をそなえ、前記第1静電容量を検出するための第1静電容量検出回路と、
該駆動部からの該対応するティルトミラーの変位を変化させるための低周波の第2駆動信号と前記第2駆動信号よりも高周波を有して該対応するティルトミラーと前記対応する一対の電極をなす第2電極との間の第2静電容量を検出するための第2容量検出用信号とが重畳された信号を正相に入力する一方、該対応するティルトミラーの電位を接地電位として前記第2静電容量を逆相入力に接続する第2増幅回路と、該第2増幅回路の出力を前記逆相入力に帰還するための並列接続された第2帰還容量および第2帰還抵抗と、該第2増幅回路からの出力から前記低周波の信号成分を除去する第2ハイパスフィルタと、をそなえ、前記第2静電容量を検出するための第2静電容量検出回路と、
上記の第1,第2静電容量検出回路からの出力の差により、上記の対応するティルトミラーと一対の電極それぞれとの間の静電容量による静電容量変位を検出するための信号を出力する差信号出力部と、をそなえて構成されたことを
特徴とする、光スイッチング装置。
(付記18) 該光スイッチ光学系から出力されるチャンネルごとの光信号のパワーをモニタする光パワーモニタをそなえ、
該制御部が、該静電容量センサ部からの各ティルトミラーについての静電容量変位とともに、該光パワーモニタからのチャンネルごとの光信号のパワーをもとに、前記チャンネル切替を行なうための各ティルトミラーの回動変位量を制御するための制御信号を出力するように構成されたことを特徴とする、付記17記載の光スイッチング装置。
(付記19) 該ミラーアレイをなす各ティルトミラーに前記静電気力を供給するための一対の電極が、それぞれ櫛型形状の電極により構成されたことを特徴とする、付記17記載の光スイッチング装置。
(付記20) 接地された可動エレメントと、静電気力により該可動エレメントを動作させる電極とを備えた可動エレメント部を複数備えた可動エレメント装置。
(付記21) 接地された可動エレメントと、
静電気力により該可動エレメントを動作させる電極とを備え、
該可動エレメントの共振周波数より周波数の低い駆動信号を該電極に印加し該可動エレメントの動作を制御するとともに、該共振周波数より周波数の高い検出信号を該電極に印加し該可動エレメントと該電極との間の静電容量を検出することを特徴とする可動エレメント装置。
(付記22) 接地された可動エレメントと、
静電気力により該可動エレメントを動作させる第1および第2の電極とを備え、
該可動エレメントの共振周波数より周波数の低い第1および第2の駆動信号をそれぞれ該第1および該第2の電極に印加し該可動エレメントの動作を制御するとともに、該共振周波数より周波数の高い検出信号を該第1および第2の電極に印加し該可動エレメントと該第1および第2の電極との間の静電容量を検出することを特徴とする可動エレメント装置。
(付記23) 該駆動信号および該検出信号を正相入力より入力し、該電極を逆相入力に接続し、出力を該逆相入力に帰還させた差動増幅部を備え、
該差動増幅部の帰還容量および帰還抵抗は、該駆動信号に対する該差動増幅部の利得が略1であり、
該検出信号に対する該作動増幅部の利得が該静電容量の変化により変化する値であり、
該差動増幅部の出力に基づき該可動エレメントの動作を検出することを特徴とする付記21または付記22記載の可動エレメント装置。
(付記24) 該該可動エレメントの位置および方向を変化させる際に、該駆動信号の変化に連動して該差動増幅部の帰還抵抗を減少させることを特徴とする付記23記載の可動エレメント装置。
本発明の第1実施形態を示す図である。 MEMSミラーユニットの周波数応答特性の一例を示す図である。 本発明の第1実施形態における非反転増幅回路の利得について説明するための図である。 本発明の第1実施形態にかかる静電容量センサの特性について示す図である。 本発明の第1実施形態にかかる静電容量センサの特性について示す図である。 本発明の第2実施形態を示す図である。 本発明の第2実施形態にかかる静電容量センサの特性について示す図である。 本発明の第2実施形態にかかる静電容量センサの特性について示す図である。 本発明の第3実施形態を示す図である。 本発明の第3実施形態にかかる静電容量センサの特性について示す図である。 本発明の第3実施形態にかかる静電容量センサの特性について示す図である。 本発明の第4実施形態を示す図である。 本発明の第5実施形態を示す図である。 本発明の第6実施形態を示す図である。 本発明の第6実施形態に適用される光スイッチ光学系を示す図である。 本発明の第6実施形態の要部を示す図である。 本発明の第6実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の第6実施形態を示す図である。 本発明の第6実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。 MEMS技術を適用した一般的なマイクロミラーユニットを示す図である。 MEMS技術を適用した一般的なマイクロミラーユニットを示す図である。 ミラーの角度センサとして適用される従来の静電容量センサを示す模式図である。 図22に示す静電容量センサの周波数特性を示す図である。
符号の説明
1 MEMSミラーユニット(可動エレメント装置)
2 基板
3 ミラー本体
3a ミラー
3b,3b−X,3b−Y,104x,104y トーションバー
4,4a,4b,106a,106b 電極
4a−X,4b−X,4a−Y,4b−Y 櫛型電極
5−1,5−2,105−1,105−2 フレーム
5−11,5−21 絶縁部
6a−X,6b−X,6a−Y,6b−Y 櫛型第2電極
10,20,30,40,50,62−1〜62−m,62−a,62−(a+1),110 静電容量センサ
13A,23A,24A,27A,111 増幅回路
13B,23B,24B,112 帰還容量
13C,23C,24C,27D,43C,44C 帰還抵抗
13U,23U,24U,33U,34U 非反転増幅回路
15,25A,26A 容量(ハイパスフィルタ)
11,21,22,21X,22X,21Y,22Y,121,122 静電容量
23 第1静電容量検出回路
24 第2静電容量検出回路
27 差信号出力部
27B,27C 入力抵抗
33D,34D 負荷抵抗
43C−1,43C−2,44C−1,44C−2 抵抗
43C−3,44C−3 スイッチ
55B,56B,63a サンプルホールド回路
60,80 光スイッチング装置
61 光スイッチ光学系
61a,61d コリメータアレイ
61a−1,61d−1 ポート
61b,61c ミラーアレイ
62 静電容量センサ部
63 制御部
63b アンプ
63c A/Dコンバータ
63d コントローラ
64−1〜64−m 駆動部
64a D/Aコンバータ
64b ドライバ
65 光スイッチ制御装置
71,72 ティルトミラーユニット
88 光パワーモニタ
89 A/Dコンバータ
100 マイクロミラーユニット
101 基板
102 ミラーデバイス
103 ミラー

Claims (2)

  1. 接地された可動エレメントと、
    静電気力により該可動エレメントを動作させる第1および第2の電極とを備え、
    該可動エレメントの共振周波数より周波数の低い第1および第2の駆動信号をそれぞれ該第1および該第2の電極に印加し該可動エレメントの動作を制御するとともに、該共振周波数より周波数の高い検出信号を該第1および第2の電極に印加し該可動エレメントと該第1および第2の電極との間の静電容量を検出し、
    該駆動信号および該検出信号を正相入力より入力し、該電極を逆相入力に接続し、出力を該逆相入力に帰還させた差動増幅部を備え、
    該差動増幅部の帰還容量および帰還抵抗は、該駆動信号に対する該差動増幅部の利得が略1であり、
    該検出信号に対する該差動増幅部の利得が該静電容量の変化により変化する値であり、
    該差動増幅部の出力に基づき該可動エレメントの動作を検出することを特徴とする可動エレメント装置。
  2. 該可動エレメントの位置および方向を変化させる際に、該駆動信号の変化に連動して該差動増幅部の帰還抵抗を減少させることを特徴とする請求項記載の可動エレメント装置。
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