JP4300718B2 - 共振型dc−dcコンバータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、共振型DC−DCコンバータ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハイブリッド車を含む電気自動車では走行用モータへは高圧の主バッテリから給電し、種々の補機へは低圧の補機バッテリから給電する二電源方式が種々の点で有益である。通常の内燃機関車においても種々の要因により高圧の主バッテリ及び低圧負荷給電用の補機バッテリの両方を搭載する二バッテリ電源系を搭載する機運が生じている。この二電源方式の車両用電源系では、補機バッテリを小容量とし、主バッテリからDC−DCコンバータ装置を通じて補機バッテリに送電するのが種々の点で合理的な選択である。
【0003】
この車両用のDC−DCコンバータ装置は、入力直流電圧から単相交流電圧を形成するインバータ、この単相交流電圧の降圧を行うトランス、このトランスの出力電圧を整流する整流器、整流された電圧を平滑するチョークコイル及び平滑コンデンサからなる平滑回路により構成されている。この種の車両用DC−DCコンバータは、車両の低圧負荷供給電力の大部分を賄う必要があるため、信号伝送線以外の配線はブスバーにより構成される。
【0004】
また、インバータのスイッチング素子の損失を低減するために共振回路を用いた共振型DC−DCコンバータが知られている。この共振型DC−DCコンバータでは、トランスのコイルの漏れインダクタンスとその分布容量やコンデンサなどとの共振を用いてインバータのスイッチング周波数(断続周波数)又はその高調波周波数にて共振現象生じさせ、インバータのスイッチング素子の断続過渡期間における電流低減による損失、発熱の低減あるいは出力向上などを図っている。
【0005】
上記した車両用DC−DCコンバータでは、トランスの一次コイルのターン数が二次コイルのそれよりも多く、当然、分布容量も一次コイルの方が大きいので、トランスの一次コイル側で共振回路を構成するのが通常である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の共振型DC−DCコンバータでは、共振回路の共振周波数をインバータのスイッチング周波数又はその高調波周波数と略合致させる必要があるが、その共振回路は、トランスの漏れインダクタンスを含むため、その高精度の管理が容易ではなかった。特に、車両用では、トランスのコイルがブスバーにより構成されるために、そのターン数の変更によるトランスの漏れインダクタンスの調整は容易ではなかった。
【0007】
上記共振回路の共振周波数の調整のために、トランスの漏れインダクタンスの代わりにあるいはそれに加えて、トランスのコイルと直列接続されたインダクタ(共振コイルと呼ぶ)を追設し、必要に応じてこの共振コイルのターン数を変更することも考えられるが、予め準備された種々のターン数をもつ共振コイルから最適なターン数のものを選択することになるため、準備する部品点数が多くなり、作業も複雑となるという問題があった。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、共振周波数の調整及び製造が容易な大電流用(ブスバー使用)共振型DC−DCコンバータを及びその製造方法を提供することを、その目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の共振型DC−DCコンバータは、スイッチング素子の断続により入力直流電力を交流電力に変換するインバータと、前記インバータが出力する交流電力を電圧変換するトランスと、ブスバーをコイル状に巻回してなり、前記トランスのコイルと直列接続されて共振する共振コイルと、前記共振コイルの一部又は全部を埋設する樹脂部材と、前記共振コイルの軸芯方向に延設されて前記樹脂部材の底面に密着する放熱プレートとを備え、前記樹脂部材は、前記共振コイルに嵌挿される磁性コアが変位可能に嵌挿されるコア嵌挿孔を有することを特徴としている。
【0010】
すなわち、本構成によれば、DC−DCコンバータの電圧変換用のトランスのコイル(一次コイル又は二次コイル)と直列に共振コイルを接続し、この共振コイルにより、あるいは、それとトランスのコイルの漏れインダクタンスとより共振回路のインダクタを構成して、共振型DC−DCコンバータを構成する。本発明では特に、所定回数巻回されて共振コイルをなすブスバーを、樹脂部材で固定するので、機械振動などによるその変形により共振コイルのインダクタンスや分布容量の変化を防止することができる。また、共振コイルのブスバーの樹脂皮膜被覆による電気絶縁を省略することができるので、ブスバーの端末処理(絶縁皮膜剥離)も不要となり、作業が簡単となる。すなわち、共振コイル用のブスバーの機械的固定と電気絶縁を同時に行うことができる。
【0011】
更に、前記樹脂部材が、前記共振コイルに嵌挿される磁性コアが変位可能に嵌挿されるコア嵌挿孔を有することを特徴としている。本構成によれば、この樹脂部材は、共振コイル用のブスバーに嵌挿されるコアを移動可能に収容するコア嵌挿孔を部品点数を増大することなく確保することができ、簡素な構造で共振コイルのインダクタンスを容易に調整することが可能となる。
また、前記共振コイルの軸芯方向に延設されて前記樹脂部材の底面に密着する金属製で接地された放熱プレートを有するので、樹脂部材及び共振コイルを通じてインバータやトランスのコイルの熱を良好に放熱することができるとともに、放熱プレートと共振コイルとの間の静電容量の増加により共振コイルの分布容量を増大させて共振回路に必要なインダクタンス値を低減することができる。
【0013】
請求項2記載の構成は請求項1記載の共振型DC−DCコンバータにおいて更に、前記共振コイルが、前記トランスのコイルと同一のブスバーで形成されていることを特徴としているので、製造工程が簡素となり、信頼性が向上する。
【0014】
請求項3記載の構成は請求項1または2記載の共振型DC−DCコンバータにおいて更に、前記樹脂部材が、前記トランスのコイルと、前記トランスのコイルを前記共振コイルに接続するブスバーとを埋設するので、トランスのコイルと共振コイル用のブスバーとを一体に固定でき、かつ、トランスのコイルと共振コイル用のブスバーとの間に作用する漏れインダクタンスや分布容量の変動も低減することができ、共振回路の共振周波数の変動を低減することができる。
【0016】
請求項4記載の構成は請求項1乃至3のいずれか記載の共振型DC−DCコンバータの製造方法において、前記トランスのコイル及び前記共振コイルは、インサート成形により前記樹脂部材に埋設されることを特徴とするので、製造工程が簡素となる。
【0017】
【発明を実施するための態様】
本発明のDC−DCコンバータを用いた二バッテリ搭載型車両用の降圧型DC−DCコンバータ装置の好適な態様を以下の実施例を参照して説明する。
【0018】
【実施例1】
この実施例の降圧DC−DCコンバータ装置を図1に示すその回路図を参照して以下に説明する。
(回路構成)
1はDC−DCコンバータ、V1は高圧バッテリである。
【0019】
DC−DCコンバータ1において、2はインバータ、3はトランス、41、42は整流部をなす一対のダイオード(整流器)、5は平滑用のチョークコイル、6は平滑コンデンサ、7はマイコン製のコントローラ、8は共振コイルである。
【0020】
トランス3は、フェライト製のコア30、一次コイル31、第一の二次コイル32及び第二の二次コイル33を有している。一次コイル31と共振コイル8とは接続用のブスバー9により接続されているが、この実施例では、ブスバー9と共振コイル8用のブスバーとは同じ長板状導体片(ブスバー)で構成されている。また、一次コイル31、接続用のブスバー9、共振コイル8用のブスバーを同じ長板状導体片で構成してもよい。二次コイル32、33の一端は接地され、他端はダイオード41、42を通じてチョークコイル5に接続されている。
【0021】
インバータ2から出力された高圧交流電圧は、トランス3の一次側からみた漏れインダクタンス、分布容量と、共振コイル8の漏れインダクタンス、分布容量とともにLC共振回路を構成し、このLC共振によりインバータ2のスイッチング素子の断続過渡期間における損失が低減される。
【0022】
トランス3は入力電圧を降圧し、両二次コイル32、33は異なる半波期間ごとに交互に半波整流電圧をダイオード41、42、チョークコイル5を通じて外部の低圧負荷に出力する。コントローラ7は、DC−DCコンバータ1の出力電圧を所定の基準電圧と比較し、その比較結果に基づいて、インバータ2の4つのスイッチング素子(IGBT)のPWMデューテイ比を増減し、送出する交流電力をフィードバック制御する。この種のDC−DCコンバータは周知であるので、これ以上の説明は省略し、この実施例の特徴部分を図2を参照して以下に説明する。図2は、共振コイル8近傍を示す縦断面図である。
【0023】
共振コイル8は、裸の長板状銅片(ブスバー)を螺旋巻回して構成され、その両端は、一次コイル31に延設される接続用ブスバー9、インバータ2に延設される接続用ブスバー10を構成している。
【0024】
共振コイル8及びブスバー9、10、不図示の一次コイル31は、樹脂インサート成形により形成された板状の樹脂プレート(本発明で言う樹脂部材)11に埋設されており、接続用ブスバー10の不図示の端部は露出してインバータ2の一対の出力端子の一方に接続されている。
【0025】
樹脂プレート11は、共振コイル8の軸芯に沿って軸方向に形成された一端開口のコア嵌挿孔110を有し、棒状のフェライト製のコア80がコア嵌挿孔11に軸方向変位可能に挿入されている。
【0026】
12は冷却用のアルミ平板製の放熱プレートであり、接地されている。放熱プレート12は、薄い樹脂プレート11を介して共振コイル8に対面しており、これにより共振コイル11から放熱プレート12に良好な放熱が行われる。また、共振コイル8と放熱プレート12との間に分布容量が形成される。
【0027】
この実施例では、共振回路の共振周波数を所定値とするためにコア80が軸方向に調整した後、接着剤で固定するので、共振回路の共振周波数を容易に好適値にすることができる。
【0028】
(変形態様)
共振コイル8の一部は樹脂プレート11から露出しても良い。
【0029】
本発明の関連発明を図3を参照して以下に説明する。図3は、共振コイル8近傍を示す縦断面図である。
【0030】
この関連発明の特徴は、実施例1で説明した共振コイル8の一部のターンの上半分を樹脂プレート11から露出させ、更に共振コイル8の露出したターンの必要部分を、銅板製の短絡導体13をはんだ付けすることにより短絡したものである。コア80は、樹脂プレート11に完全に埋設されている。
【0031】
この関連発明では、共振回路の共振周波数を所定値とするために短絡導体13と共振コイル8の露出ターンとの接続箇所を変更するだけで、共振コイル8の有効ターン数を容易に調節でき、共振回路の共振周波数を容易に好適値にすることができる。
(変形態様)
最後に短絡導体13を含む露出ブスバーを樹脂モールド被覆してもよい。
(変形態様)
上記実施例1および関連発明において、共振回路に単体のコンデンサを追設して共振回路の必要インダクタンスを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の共振型DC−DCコンバータ装置を示す回路図である。
【図2】 図1の共振コイル近傍を示す縦断面図である。
【図3】 関連発明の共振型DC−DCコンバータの共振コイル近傍を示す縦断面図である。
【符号の説明】
2 インバータ
3 トランス
41、42 ダイオード(整流器)
5 チョークコイル
8 共振コイル
Claims (4)
- スイッチング素子の断続により入力直流電力を交流電力に変換するインバータと、
前記インバータが出力する交流電力を電圧変換するトランスと、
ブスバーをコイル状に巻回してなり、前記トランスのコイルと直列接続されて共振する共振コイルと、
前記共振コイルの一部又は全部を埋設する樹脂部材と、
前記共振コイルの軸芯方向に延設されて前記樹脂部材の底面に密着する放熱プレートと、
を備え、
前記樹脂部材は、前記共振コイルに嵌挿される磁性コアが変位可能に嵌挿されるコア嵌挿孔を有することを特徴とする共振型DC−DCコンバータ。 - 請求項1記載の共振型DC−DCコンバータにおいて、
前記共振コイルは、前記トランスのコイルと同一のブスバーで形成されていることを特徴とする共振型DC−DCコンバータ。 - 請求項1または2記載の共振型DC−DCコンバータにおいて、
前記樹脂部材が、前記トランスのコイルと、前記トランスのコイルを前記共振コイルに接続するブスバーとを埋設することを特徴としている共振型DC−DCコンバータ。 - 請求項1乃至3のいずれか記載の共振型DC−DCコンバータの製造方法において、
前記トランスのコイル及び前記共振コイルは、インサート成形により前記樹脂部材に埋設されることを特徴とする共振型DC−DCコンバータの製造方法。
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