JP4299510B2 - 乗用作業車の動力取出機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、機体の前部または後部に種々の作業機を取り付けることで、様々な作業を可能にする乗用作業車に関するものであって、より詳しくは、作業機へ動力を取り出すためのPTO軸に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エンジンの出力を変速装置において変速した後、PTO軸より動力を取り出して作業機を駆動する管理機が公知となっている。そして、動力を管理機の前方及び後方に取り出すことができるようにフロントPTO軸とリアPTO軸を備えたものも知られている。すなわち、変速装置の前方にフロントPTO軸を延出して、該フロントPTO軸に作業機へ入力するための伝動軸を連結し、管理機の前方に連結した作業機を駆動するものや、また、変速装置の後方にリアPTO軸を延出して、該リアPTO軸に作業機へ入力するための伝動軸を連結し、管理機の後方に連結した作業機を駆動するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
機体前方に向けて突出するように設けられたPTO軸、すなわち、フロントPTO軸に連結する伝動軸と、作業機と機体とを連結する昇降機構の干渉を避けるためには、フロントPTO軸を昇降機構の設けられる機体フレームに対してなるべく低い位置に設けることが好ましい。しかし、フロントPTO軸を低い位置とすることは機体の地上高を低くすることとなってしまう。また、機体前部に運転部を配置した乗用作業車においては、乗降し易いように前端に設けたステップが低くなるように配設している。しかし、機体前方に作業機を配置して駆動しようとすると、どうしてもフロントPTO軸は低く配置しなければならなくなっていたのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
請求項1においては、原動機の動力を変速部(7)を介してフロントPTO軸(9)により取り出し、前方に連結した作業機を駆動可能とした乗用作業車(1)において、該変速部(7)を内装するPTO変速ケース(64)に対し、フロントPTO軸(9)を支承するフロントPTO軸ケース(65)を左右方向の略垂直の面内で回動可能に連結付設し、前記フロントPTO軸(9)を、該PTO変速ケース(64)より下方位置の作業位置(L)と、該PTO変速ケース(64)の上下高さ範囲内にある収納位置(H)とに変更可能とし、該フロントPTO軸ケース(65)の作業位置(L)及び収納位置(H)に拘わらず、該フロントPTO軸ケース(65)は、左右のクローラ走行装置(2・2)を支持する前後方向のトラックフレーム(11・11)の内側に配設され、前記変速部(7)を支持している左右方向の支持フレーム(99・99)の下端位置より上方に配置し、該フロントPTO軸(9)の先端はクローラ(14)の離床角(θa)の形成する平面より上方に位置すべく構成したものである。
【0006】
請求項2においては、請求項1記載の乗用作業車の動力取出機構において、前記フロントPTO軸(9)の先端は、機体前後方向において、ステップ(20)の前端と、該クローラ(14)の前端の間の間隔(d1)の間に位置させたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の実施例に係る乗用作業車の全体的な構成を示す側面図、図2は同じく平面図、図3は管理機の後部に作業機を連結した状態を示す側面図、図4は同じく平面図である。
【0008】
図5は作業機昇降レバーの操作機構を示す正面図、図6は同じく平面図である。図7は乗用作業車の駆動系を示すスケルトン図、図8は乗用作業車の駆動系を示す平面図、図9はPTO変速機構を示すPTO変速ケースの展開断面図、図10は変速部を示す正面図、図11は変速部を示す側面図、図12は乗用作業車の前部を示す側面図である。
【0009】
本発明の実施例に係る乗用作業車1は、機体後方及び前方に、作業機昇降連結機構29・51を介して作業機を連結することができる。図1及び図2に示す例では、乗用作業車1の前部に昇降連結機構51を介して作業機として除雪機52を装着して、フロントPTO軸9から動力を取り出してブロワ及びオーガを駆動するようにし、乗用作業車1の後部には昇降連結機構29を介して機体前後のバランスをとるためのウェイト53を装着している。また、図3及び図4に示す例では、乗用作業車1の後部に昇降連結機構29を介して作業機としてロータリ式耕耘機54を連結し、リアPTO軸10から動力を取り出してロータリを回転駆動するようにしている。このように、乗用作業車1に連結する作業機に応じて機体の前後を選択して連結し、駆動することができるようにしている。もちろん、乗用作業車1の前後両方に作業機を連結して同時に両方の作業機を駆動するようにすることも可能である。
【0010】
ここで、乗用作業車1の全体構成について説明する。
【0011】
図1及び図2に示す如く、乗用作業車1では、左右のクローラ走行装置2・2を支持するトラックフレーム11・11間に横フレーム15・16を横設して機体フレーム3を構成し、該機体フレーム3の前上部に運転部4を配置し、該運転部4に具備される座席5の後方に原動機部6を配置するとともに、該座席5の下方に原動機部6と連動連設した変速部7を配置している。そして、該変速部7と各クローラ走行装置2・2を連動連結し、さらに、ステップ20の下方において変速部7から前方にフロントPTO軸9を突出して回転駆動可能とする一方、該変速部7から後方に向けて伝動軸83(図7)を延出し、リアPTO軸10を回転駆動可能として、前後に作業機を装着して駆動可能としている。
【0012】
前記クローラ走行装置2は、前後方向に伸延するトラックフレーム11と、該トラックフレーム11の前・後端部にそれぞれ取り付けた前・後従動輪12・13と、両前・後従動輪12・13間であって、これらよりも上方位置に配置した駆動輪8と、これら駆動輪8及び前・後従動輪12・13の間に巻回したクローラ14とを具備している。そして、前記変速部7と駆動輪8が連結されて、原動機部6に具備される原動機としてのエンジン26の動力を受けて該駆動輪8が回転駆動される構成としている。
【0013】
前記機体フレーム3は、左右一対のトラックフレーム11・11と、該トラックフレーム11・11間に横架された前後の横フレーム15・16で構成されており、該機体フレーム3の上部には図示せぬ支持体を介して平面視U字状に形成した機枠フレーム19が取り付けられている。前記機枠フレーム19は後部が高く、前部が低くなるように座席5の側方位置においてグリップが形成され、機枠フレーム19の前部にはステップ20が敷設されている。また、機枠フレーム19の後部は、斜め上方に延設され枠内に原動機部6を覆うボンネット35が配設されている。そして、前記ステップ20後部から座席5の後方までの一帯は、フロントカバー31で被覆され、さらに、機枠フレーム19の後部の下方には右側にサイドカバー32が、左側に燃料タンク36が設けられて、前記変速部7等の内部機器が外部と隔離されている。
【0014】
前記運転部4において、ステップ20の前部にステアリングコラム21が立設され、該ステアリングコラム21に挿通されたステアリング軸22の上端部には、ステアリングホイール23が取り付けられている。さらに、該ステアリングホイール23の後方位置に座席5が配置されている。前記ステップ20上のステアリングコラム21の左側部(以降、左右は機体進行方向に左右とする)には、クラッチペダル38a及び該クラッチペダル38aと連結したクラッチレバー38、また、同じく右側部にはブレーキペダル39a及び該ブレーキペダル39aと連結したブレーキレバー39が配設されている。
【0015】
また、座席5の右側方位置に変速部7と連動連結した主変速レバー24、副変速レバー41、耕深調節レバー42、乗用作業車1の前又は後に連結した作業機を昇降操作する作業機昇降レバー43、下げクッション解除レバー46等が設けられ、これらは一枚のレバーガイドプレート45に案内されている。一方、座席5の左側方位置には、変速部7と連結連動され、フロントPTO軸9の駆動の入切を操作するフロントPTO切換レバー25Fと、リアPTO軸10の回転駆動を変速操作するためのリアPTO切換レバー25Rが前後にそれぞれ配置されている。
【0016】
上述の如く座席5の右側方位置に配設された作業機昇降レバー43は、図5及び図6に示す如く、レバーアーム43aの下端部は略直角方向に曲折されて、連結プレート114に螺結されている。該連結プレート114に略直角方向に固設された平断面L字状の押圧片114aは、支持プレート102に形成された雌螺子に螺入された支持ボルト101に、遊嵌されている。また、該押圧片114aは、支持ボルト101に遊嵌された筒体107に固設されたアーム107bに当接して、該筒体107を回動させることによって、同じく筒体107に固設されたアーム107aを回動させる構成とされている。そして、アーム107aに固設されたピンにU字状に形成された上部を嵌合しているロッド111が、アーム107aの回動を受けて上下動されると、該ロッド111の下部が、支持プレート102に支承されているアーム110に固設されたピン110aを押圧して該アーム110を回動させる。該アーム110の下端には操作ワイヤ115が連結されており、従って、作業機昇降レバー43の操作により操作ワイヤ115が操作されて、作業機を昇降させる。
【0017】
上述の如く構成された作業機昇降レバー43の操作機構において、支持ボルト101に遊嵌された連結プレート114の押圧片114aは、支持ボルトに形成された六角部101bと支持プレート102の間に配置され、それぞれの間に皿バネ104が介装されている。そして、六角部101bと支持プレート102との距離を調整することによって、押圧片114aの締付トルクを調整し、作業機昇降レバーの操作荷重を調節するようにしている。支持ボルト101は支持プレート102の機体外側において螺入されているロックナット103よりも機体外側へ延設され、該延設部の端面に溝101aが形成されている。そして、押圧片114aの締付トルクの調整は、ロックナット103を緩めて前記溝101aにドライバー等の工具を作用させて、支持ボルト101を回動させ、六角部101bと支持プレート102の距離を調整し皿バネ104の伸縮状態を変更させることによって行う。但し、溝101aの代わりに二面幅としてスパナ等で支持ボルト101を回動するように構成することもできる。上述の如く支持ボルト101の機体外側端面に溝101aを形成することによって、上部に位置するレバーガイドプレート45を取り外すことなく締付トルクの調整を行うことができ、作業が簡易となり、また、他のリンク等の動きを阻害することがない。
【0018】
次に、図7及び図8を用いて、乗用作業車1の駆動機構について説明する。
【0019】
エンジン26の出力は、クラッチ機構80、ユニバーサルジョイント62及びボス、スプラインを介して、PTO変速ケース64に挿入された変速入力軸72に伝達され、該変速入力軸72からPTO変速機構82と走行変速機構81に分岐されて伝達される。PTO変速ケース64の側部には変速ケース63が連結され、これらPTO変速ケース64と変速ケース63は内部において連通されている。
【0020】
さらに、変速ケース63の側部には、旋回用HST60及び走行用HST61が配設されている。走行用HST61は油圧ポンプと油圧モータの回動軸を水平方向とし、該油圧ポンプと油圧モータが前後に位置するように配設され、また、旋回用HST60は走行用HST61の前方に配設されており、油圧ポンプと油圧モータの回動軸を水平方向とし、該油圧ポンプと油圧モータが上下に位置するように配設され、旋回用HST60及び走行用HST61はともに油圧ポート部を変速ケース63側に接続する構成となっている。
【0021】
まず、走行変速機構81について説明する。変速ケース63内部の走行変速機構81に伝達された駆動力は、該走行変速機構81から走行用HST61及び旋回用HST60に伝達される。旋回時には、旋回用HST60を作動させ左右の駆動輪8・8の回転比率を変化させて駆動力を制御し、乗用作業車1の方向転換を行う。
【0022】
前述の如くエンジン26より変速入力軸72に伝達された駆動力は、伝導パイプ70を介して旋回用HST60に伝達され、該伝導パイプ70からチェーンを介して走行用HST61に伝達される。走行用HST61の出力は副変速機構68を介して差動装置67に入力され、さらに、旋回用HST60の出力も副変速機構59を介して差動装置67に入力される。
【0023】
前記走行用HST61の出力は、差動装置67のサンギヤに接続したギヤ69に入力され、旋回用HST60の出力は差動装置67のアウターギヤに左右逆回転で入力されることによって、左右のクローラ走行装置2・2に回転数差が生じるように駆動し、旋回を行う。そして、旋回用HST60は左右のクローラ走行装置2・2の駆動比を制御するものであり、一方のクローラ走行装置2に対して他方の駆動速度を増減もしくは逆転する構成となっている。該旋回用HST60を制御することにより、旋回速度の調整を行うことが可能となる。
【0024】
なお、座席側方に配設された副変速レバー41及び主変速レバー24により、乗用作業車1の走行速度の制御が行われる。副変速レバー41は副変速機構に接続されており、該副変速レバー41を高速側に傾動した場合には、旋回用HST60の駆動速度が高速側に変速されて、走行変速を高速とした場合においても、旋回半径を小さくすることができるように構成されている。
【0025】
走行用HST61を介して変速された駆動力は、左出力軸58L及び走行用HST61の下方に配設されたパイプ92を内通する右出力軸58Rに伝達され、さらに、後方に延出された駆動伝達軸79・79に伝達される。駆動伝達軸79・79はアクスルケース91・91に内挿され、同じくアクスルケース91・91に内挿された駆動輪8・8の回動軸に駆動力が伝達される。このようにして、エンジン26の駆動力が変速された後に、駆動輪8・8に伝達され、乗用作業車1が走行駆動される。
【0026】
次に、PTO変速機構82について説明する。前記PTO変速ケース64の前部には、フロントPTO軸9を前方へ延出したフロントPTO軸ケース65が螺結され、また、PTO変速ケース64の後部より延出したPTO伝動軸83の後端はリアPTO軸ケース66に挿入され、該リアPTO軸ケース66より後方にリアPTO軸10が延出されている。このように、エンジン26からの駆動力がPTO変速ケース64内のPTO変速機構82により変速されてフロントPTO軸9及びリアPTO軸10に伝達される。
【0027】
前述の如くエンジン26より変速入力軸72に伝達された駆動力は、図9にも示す如く、一端に旋回用HST60及び走行用HST61に作動油を供給するためのHSTチャージポンプ73bを設けた伝達軸73に外嵌されたギア73aと、スライダ軸74に外嵌されたギア74aを介してスライダ軸74に伝達される。該スライダ軸74にはフロントPTO切換スライダ84がスプライン嵌合されている。フロントPTO切換スライダ84によって、フロントPTO軸9の駆動又は停止が切り換えられる。
【0028】
図11に示す如く、前記フロントPTO切換スライダ84を摺動させるシフタの回動軸であるシフタ軸95はPTO変速ケース64上方に延出されており、ロッド96を介してフロントPTO切換レバー25Fに連結連動されたレバーアーム121に連結されている。フロントPTO切換レバー25Fは座席5の左側方に設けられている。
【0029】
さらに、前記スライダ軸74から、変速軸75に外嵌されたギア75aを介して変速軸75に駆動力が伝達される。変速軸75には、前記フロントPTO切換スライダ84に噛合するギア75bが遊嵌され、また、リアPTO切換スライダ86と噛合する高速ギア75cが外嵌され、さらに、リアPTO出力軸77に遊嵌された低速ギア85に噛合する低速ギア75dが外嵌されている。
【0030】
そして、前記リアPTO出力軸77にはリアPTO切換スライダ86がスプライン嵌合されている。該リアPTO切換スライダ86のスプラインに、同じくリアPTO出力軸77に遊嵌された低速ギア85のボス部に形成されたスプラインとが嵌合して、リアPTO出力軸77を低速回転駆動され、また、リアPTO切換スライダ86の歯が高速ギア75cと噛合してリアPTO出力軸77が高速回転駆動される。このように、リアPTO切換スライダ86によってリアPTO出力軸77の駆動を、高速・低速・停止の三段階に切り換えることができる。
【0031】
前記リアPTO切換スライダ86を摺動させるシフタの回動軸であるシフタ軸94はPTO変速ケース64上方に延出されており、ロッド97を介してリアPTO切換レバー25Rに連結連動されたレバーアーム122に連結されている。リアPTO切換レバー25Rは座席5の左側方に設けられ、前記フロントPTO切換レバー25Fと前後に並設されている。フロントPTO切換レバー25F及びリアPTO切換レバー25Rによって、フロントPTO軸9及びリアPTO軸10は個々に独立して駆動することができ、従って、所望のPTO軸のみを駆動することができ動力を無駄にすることがなく、また、乗用作業車1の前後に作業機を取り付けて同時に駆動することも可能となる。
【0032】
前記リアPTO出力軸77はPTO変速ケース64後方へ延出され、後方に伝動軸83が連結され、該伝動軸83の後端がリアPTO軸ケース66に挿入されて、該リアPTO軸ケース66より後方に延出したリアPTO軸10に駆動力が伝達される。
【0033】
一方、スライダ軸74に伝達された駆動力は、フロントPTO切換スライダ84に形成されたギアから、変速軸75に遊嵌されたギア75bと、伝達軸76に外嵌されたギア76aと、フロントPTO出力軸78に外嵌されたギア78aを介してフロントPTO出力軸78に伝達される。該フロントPTO出力軸78はその前部がフロントPTO軸ケース65に内挿され、その内挿部分に外嵌されたギア78bと、フロントPTO軸9に外嵌されたギア9aとを介して、駆動力がフロントPTO軸9に伝達される。
【0034】
上述の如く構成されたPTO変速機構82の動力取出機構において、PTO変速ケース64に対し、フロントPTO軸ケース65が回動可能とされている。図9乃至図11に示す如く、PTO変速ケース64とフロントPTO軸ケース65の連通部90にはその内部にカラー89が設けられ、該カラー89によってPTO変速ケース64に対しフロントPTO軸ケース65が連通部90(フロントPTO出力軸78)を中心に略垂直方向に回動可能に連結されている。そして、PTO変速ケース64及びフロントPTO軸ケース65をPTO変速ケース64にボルト88・88・・・で螺結することによって、フロントPTO軸ケース65の姿勢が固定される。
【0035】
フロントPTO軸ケース65を回動可能とすることで、フロントPTO軸9の高さ位置を変更することができる。すなわち、図10に示す如く、乗用作業車1の前部に作業機を連結してフロントPTO軸9から作業機へ動力を伝達する際には、フロントPTO軸ケース65の長尺方向を略上下方向に向けて(作業位置Lとする)、PTO変速ケース64より低い機体左右方向略中心にフロントPTO軸9(9l)が位置するようにし、それ以外ではフロントPTO軸ケース65の長尺方向を略左右方向に向けて(収納位置Hとする)フロントPTO軸9(9h)を、PTO変速ケース64の上下高さ範囲内に位置することができるようにしている。従って、フロントPTO軸9から動力を取り出すときには、フロントPTO軸9及び該フロントPTO軸9に連結される作業機への動力取り出しのための伝動軸が、作業機の昇降連結機構と当接しない位置に配置することができ、また、乗用作業車1の前部に作業機を連結しないときには、PTO変速ケース64の下端よりフロントPTO軸9が上方に位置するようにして、フロントPTO軸ケース65の下端位置を作業位置Lと比較して高くして、機体の地上高を高くすることができるようにしている。
【0036】
なお、フロントPTO軸ケース65を作業位置Lとするときには、PTO変速ケース64前方に設けられたカバー98を外して、フロントPTO軸ケース65を所定位置まで回動させ、フロントPTO軸ケース65の上部と左右をボルト88・88・88でPTO変速ケース64に螺結する。また、フロントPTO軸ケース65を収納位置Hとするときには、フロントPTO軸ケース65を所定位置まで回動させ、フロントPTO軸ケース65の上部二箇所をボルト88h・88hでPTO変速ケース64に螺結し、カバー98を取り付け、フロントPTO軸9にキャップ87を被せて、フロントPTO軸ケース65内に土や塵等の侵入を防ぐようにする。
【0037】
そして、図12にも示す如く、フロントPTO軸ケース65の作業位置L及び収納位置Hに拘わらず、フロントPTO軸ケース65はトラックフレーム11・11の機体内側に配設され変速部7を支持している支持フレーム99・99の下端位置より上方に位置し、また、フロントPTO軸9の先端はクローラ14の離床角θaの形成する平面より上方に位置し、さらに、機体前後方向においてフロントPTO軸9の先端はステップ20前端からクローラ14前端の間の間隔(d1)に位置している。このようにして、フロントPTO軸9の保護が図られている。
【0038】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0039】
請求項1に示す如く、原動機の動力を変速部(7)を介してフロントPTO軸(9)により取り出し、前方に連結した作業機を駆動可能とした乗用作業車(1)において、該変速部(7)を内装するPTO変速ケース(64)に対し、フロントPTO軸(9)を支承するフロントPTO軸ケース(65)を左右方向の略垂直の面内で回動可能に連結付設し、前記フロントPTO軸(9)を、該PTO変速ケース(64)より下方位置の作業位置(L)と、該PTO変速ケース(64)の上下高さ範囲内にある収納位置(H)とに変更可能とし、該フロントPTO軸ケース(65)の作業位置(L)及び収納位置(H)に拘わらず、該フロントPTO軸ケース(65)は、左右のクローラ走行装置(2・2)を支持する前後方向のトラックフレーム(11・11)の内側に配設され、前記変速部(7)を支持している左右方向の支持フレーム(99・99)の下端位置より上方に配置し、該フロントPTO軸(9)の先端はクローラ(14)の離床角(θa)の形成する平面より上方に位置すべく構成したので、必要に応じてPTO軸の位置を変更することができる。
また、PTO軸を使用しないときにはPTO軸の高さを変速ケースの上下高さ範囲内として機体の地上高を高くすることができる。
また、機体前方に向けて突出するように設けられたPTO軸、すなわち、フロントPTO軸に連結する伝動軸と、作業機と機体とを連結する昇降機構の干渉を避けるためには、フロントPTO軸を昇降機構の設けられる機体フレームに対してなるべく低い位置に設けることが好ましい。しかし、フロントPTO軸を低い位置とすることは機体の地上高を低くすることとなってしまう。この不具合を本発明により解消することが出来るのである。
【0040】
請求項2に示す如く、請求項1記載の乗用作業車の動力取出機構において、前記フロントPTO軸(9)の先端は、機体前後方向において、ステップ(20)の前端と、該クローラ(14)の前端の間の間隔(d1)の間に位置させたので、フロントPTO軸9の保護が図られている。
また、機体前部に運転部を配置した乗用作業車においては、乗降し易いように前端に設けたステップが低くなるように配設している。しかし、機体前方に作業機を配置して駆動しようとすると、どうしてもフロントPTO軸は低く配置しなければならなくなっていた。この不具合を解消することが可能となったのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る乗用作業車の全体的な構成を示す側面図。
【図2】 同じく平面図。
【図3】 管理機の後部に作業機を連結した状態を示す側面図。
【図4】 同じく平面図。
【図5】 作業機昇降レバーの操作機構を示す正面図。
【図6】 同じく平面図。
【図7】 乗用作業車の駆動系を示すスケルトン図。
【図8】 乗用作業車の駆動系を示す平面図。
【図9】 PTO変速機構を示すPTO変速ケースの展開断面図。
【図10】 変速部を示す正面図。
【図11】 変速部を示す側面図。
【図12】 乗用作業車の前部を示す側面図。
【符号の説明】
1 乗用作業車
7 変速部
9 フロントPTO軸
10 リアPTO軸
63 変速ケース
64 PTO変速ケース
65 フロントPTO軸ケース
66 リアPTO軸ケース
81 走行変速機構
82 PTO変速機構
Claims (2)
- 原動機の動力を変速部(7)を介してフロントPTO軸(9)により取り出し、前方に連結した作業機を駆動可能とした乗用作業車(1)において、該変速部(7)を内装するPTO変速ケース(64)に対し、フロントPTO軸(9)を支承するフロントPTO軸ケース(65)を左右方向の略垂直の面内で回動可能に連結付設し、前記フロントPTO軸(9)を、該PTO変速ケース(64)より下方位置の作業位置(L)と、該PTO変速ケース(64)の上下高さ範囲内にある収納位置(H)とに変更可能とし、該フロントPTO軸ケース(65)の作業位置(L)及び収納位置(H)に拘わらず、該フロントPTO軸ケース(65)は、左右のクローラ走行装置(2・2)を支持する前後方向のトラックフレーム(11・11)の内側に配設され、前記変速部(7)を支持している左右方向の支持フレーム(99・99)の下端位置より上方に配置し、該フロントPTO軸(9)の先端はクローラ(14)の離床角(θa)の形成する平面より上方に位置すべく構成したことを特徴とする乗用作業車の動力取出機構。
- 請求項1記載の乗用作業車の動力取出機構において、前記フロントPTO軸(9)の先端は、機体前後方向において、ステップ(20)の前端と、該クローラ(14)の前端の間の間隔(d1)の間に位置させたことを特徴とする乗用作業車の動力取出機構。
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JP2002210566A JP4299510B2 (ja) | 2002-07-19 | 2002-07-19 | 乗用作業車の動力取出機構 |
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