JP4487459B2 - 乗用型作業機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、デフ装置を介して駆動される左右前輪と左右後輪を各々独立に制動可能な左右後輪ブレーキ装置若しくは左右後輪を各々独立に駆動を停止するサイドクラッチを備えた乗用型作業機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来技術としては、例えば特開昭58−463号公報及び特開平3−243429号公報に開示されているように、操縦ハンドル及びステアリング機構により前輪を操向操作すると、ステアリング機構の動作をリミットスイッチにより電気的に検出して、制御装置によって旋回中心側のサイドブレーキを自動的に制動側に操作するように構成したり、ステアリング機構の動作により制御弁を切換操作して、油圧シリンダによって旋回中心側のサイドブレーキを自動的に制動側に操作するように構成したものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術のステアリング機構により前輪を操向操作すると、旋回中心側のサイドブレーキが自動的に制動側に操作されるように構成した場合、圃場の条件によっては、旋回中心側の後輪によって耕盤を荒らしてしまうことがあり、また、旋回が行なえないような事態もあった。
【0004】
この発明は、ステアリングハンドルの操作と左右後輪のブレーキ装置若しくはサイドクラッチとを連繋する際に、耕盤を荒らすことなく、あらゆる圃場における旋回条件に適応した適切な旋回形態が得られるように構成することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決すべく、請求項1記載の発明は、フロントデフ装置(E)を介して駆動される左右前輪(6)と該左右前輪(6)を操向操作するステアリングハンドル(16)左右後輪(7)を各々独立に制動可能なサイドブレーキ(J)、左右後輪(7)の駆動を各々独立して停止するサイドクラッチ(I)を装備した乗用型作業機において、ステアリングハンドル(16)の回転操作により回転するピットマンアーム(175)と、該ピットマンアーム(175)に設けた作動ローラ(177)と、該作動ローラ(177)に押されて作動する従動体(179)と、該従動体(179)の左右両側部と左右の操作アーム(147L,147R)を連結する左右ロッド(180)を設け、作動ローラ(177)には大径部(177a)と小径部(177b)を設け、操作ワイヤ(186)を介して作動ローラ(177)を操作する操作レバー(188)を設け、該操作レバー(188)をブレーキ連繋位置に操作し、且つ機体旋回の為にステアリングハンドル(16)により左右前輪(6)が所定量以上に操向操作されると、作動ローラ(177)の大径部(177a)が従動体(179)を押し、操作アーム(147L,147R)が操作されて旋回中心側の後輪(7)サイドクラッチ(I)が自動的に切れて駆動が停止すると共にサイドブレーキ(J)が自動的に制動作動され、操作レバー(188)をクラッチ連繋位置に操作し、且つ機体旋回の為にステアリングハンドル(16)により左右前輪(6)が所定量以上に操向操作されると、作動ローラ(177)の小径部(177b)が従動体(179)を押し、操作アーム(147L,147R)が操作されて旋回中心側の後輪(7)のサイドクラッチ(I)が自動的に切れて駆動が停止するがサイドブレーキ(J)は作動せず、操作レバー(188)を連係解除位置に操作すると、作動ローラ(177)が従動体(179)から外れた位置となり、機体旋回の為にステアリングハンドル(16)により左右前輪(6)が所定量以上に操向操作されても、左右後輪(7)が駆動状態のままとなる構成としたことを特徴とする乗用型作業機としたものである。従って、機体旋回の為にステアリングハンドル(16)により左右前輪(6)を所定量以上に操向操作するとき、旋回中心側の後輪(7)のサイドブレーキ(J)が自動的に制動作動されるようにすると、自動的に旋回半径が小さくなり作業効率が向上する。また、機体旋回の為にステアリングハンドル(16)により左右前輪(6)を所定量以上に操向操作するとき、旋回中心側の後輪(7)のサイドクラッチ(I)が自動的に切れて駆動が停止するがサイドブレーキ(J)は作動しないようにすると、自動的に旋回半径が小さくなり作業効率が向上すると共に、旋回中心側の後輪(7)が遊転状態となるので、耕盤を傷めることを防止して然も泥土の持ち上げも少なくなり良好な旋回が行える。
【0006】
請求項2記載の発明は、フロントデフ装置(E)を介して駆動される左右前輪(6)と該左右前輪(6)を操向操作するステアリングハンドル(16)左右後輪(7)を各々独立に制動可能なサイドブレーキ(J)、左右後輪(7)の駆動を各々独立して停止するサイドクラッチ(I)を装備した乗用型作業機において、ステアリングハンドル(16)の回転操作により回転するピットマンアーム(175)と、該ピットマンアーム(175)に設けた作動ローラ(177)と、該作動ローラ(177)に押されて作動する従動体(179)と、該従動体(179)の左右両側部と左右の操作アーム(147L,147R)を連結する左右ロッド(180)を設け、作動ローラ(177)には大径部(177a)と小径部(177b)を設け、操作ワイヤ(186)を介して作動ローラ(177)を操作する操作レバー(188)を設け、該操作レバー(188)をブレーキ連繋位置に操作し、且つ機体旋回の為にステアリングハンドル(16)により左右前輪(6)が所定量以上に操向操作されると、作動ローラ(177)の大径部(177a)が従動体(179)を押し、操作アーム(147L,147R)が操作されて旋回中心側の後輪(7)のサイドクラッチ(I)が自動的に切れて駆動が停止すると共にサイドブレーキ(J)が自動的に制動作動され、操作レバー(188)をクラッチ連繋位置に操作し、且つ機体旋回の為にステアリングハンドル(16)により左右前輪(6)が所定量以上に操向操作されると、作動ローラ(177)の小径部(177b)が従動体(179)を押し、操作アーム(147L,147R)が操作されて旋回中心側の後輪(7)のサイドクラッチ(I)が自動的に切れて駆動が停止すると共にサイドブレーキ(J)が半ブレーキ状態に作動し、操作レバー(188)を連係解除位置に操作すると、作動ローラ(177)が従動体(179)から外れた位置となり、機体旋回の為にステアリングハンドル(16)により左右前輪(6)が所定量以上に操向操作されても、左右後輪(7)が駆動状態のままとなる構成としたことを特徴とする乗用型作業機としたものである
【0007】
【発明の効果】
この発明によると、圃場条件が良い(耕盤が浅い圃場)場合には、操作レバー188をブレーキ連繋位置に操作し、畦際での旋回時にステアリングハンドル16を回すと、旋回側の後輪クラッチが切れて更にブレーキが作動して急旋回でき、作業能率が良くて作業時間が短縮できる。また、圃場条件が悪い(耕盤が深い圃場)場合には、操作レバー188をクラッチ連繋位置に操作すると、畦際での旋回時にステアリングハンドル16を回すと、旋回側の後輪クラッチが切れて(ブレーキは作動しないか又は半ブレーキ状態となる)小回りができて作業能率が良く、然も、旋回側の後輪7は遊転状態又は半ブレーキ状態であるので耕盤を傷めることもなく泥土の持ち上げも少なくなり、良好な作業が行える。更に、圃場条件が非常に悪い(耕盤が深くて、然も、耕盤が柔らかい粘土質の圃場)場合には、操作レバー188を連繋解除位置に操作する。すると、畦際での旋回時にステアリングハンドル16を回しても、左右後輪7は駆動状態のままで、前進駆動力が大きくて良好に旋回でき、泥土の持ち上げも少なく良好な作業が行える
【0008】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施例である8条植え乗用型田植機を図面に基づき詳細に説明する。走行車両1に昇降用リンク装置2で田植装置3を装着すると共に施肥装置4を設け、全体で乗用施肥田植機として構成されている。走行車両1は、駆動輪である左右各一対の前輪6,6および後輪7,7を有する四輪駆動車両である。
【0009】
メインフレーム10の上にミッションケース11とエンジン12が前後に配設されており、該ミッションケース11の後部上面に油圧ポンプ13が一体に組み付けられ、またミッションケース11の前部からステアリングポスト14が上方に突設されている。
【0010】
そして、ステアリングポスト14の上端部にステアリングハンドル16と操作パネル17が設けられている。機体の上部には操縦用のフロアとなるステップ19が取り付けられ、エンジン12の上方部に操縦席20が設置されている。前輪6,6は、ミッションケース11の側方に変向可能に設けた前輪支持ケース22,22に軸支されている。また、後輪7,7は、ローリング杆23の左右両端部に一体に取り付けた後輪支持ケース24,24に軸支されている。ローリング杆23はメインフレーム10の後端部に突設したローリング軸25で進行方向と垂直な面内で回動自在に支持されている。
【0011】
エンジン12の回転動力は、ベルト31を介して油圧ポンプ13の駆動軸であるカウンタ軸32に伝えられ、さらに該カウンタ軸からベルト33を介して油圧式変速装置HSTの入力軸35に伝えられ、油圧式変速装置HSTの出力軸36からベルトを介してミッション入力軸34に伝えられる。尚、ミッション入力軸34上には、メインクラッチ43が設けられており、油圧式変速装置HSTの駆動力はメインクラッチ43を介してミッション入力軸34に伝動される。メインクラッチ43は周知の多板クラッチであり、図中の44はメインクラッチ軸側の摩擦板、45はミッション入力軸側の摩擦板、46は両摩擦板を押し付けるスプリング、47,48は切替操作用の固定部材と摺動部材である。
【0012】
ミッションケース11のケーシング40の前部には、ミッション入力軸34、カウンタ軸50、走行一次軸51、走行二次軸52、植付一次軸53、植付二次軸54がそれぞれ平行に支承されている。ミッション入力軸34のギヤG1とカウンタ軸50のギヤG2、およびギヤG2と走行一次軸51のギヤG3がそれぞれ互いに噛合しており、ミッション入力軸34の回転が走行一次軸51に順方向に伝えられる。
【0013】
主変速装置Bとして、走行一次軸51に前記ギヤG3とギヤG4がそれぞれ定位置に嵌着され、走行二次軸52に互いに一体に成形されたギヤG5,G6が軸方向に摺動自在に嵌合している。シフタ56でギヤG5,G6を移動させ、ギヤG4,G5が噛合すると低速の作業速、ギヤG3とギヤG4が噛合すると高速の路上走行速になる。また、植付一次軸53にはギヤG4に常時噛合するギヤG7とバックギヤG8が嵌着されており、ギヤG6をバックギヤG8に噛合させると後進速になる。ギヤG5,G6がいずれのギヤとも噛合しない位置がニュートラルになる。この主変速装置Bの操作するチェンジレバー90は操作パネル17に設けられている。
【0014】
また、株間変速装置Cとして、植付一次軸53に互いに一体に成形されたギヤG9,G10が軸方向に摺動自在に嵌合しているとともに、植付二次軸54にギヤG11,G12がそれぞれ取り付けられている。シフタ57でギヤG9,G11を適宜に移動させることにより、ギヤG9とギヤG10、ギヤG10とギヤ11、およびギヤG10とギヤG12の3通りの組み合わせが得られ、3段階の株間切替を行える。植付二次軸54からベベルギヤG13,G14を介して植付部伝動軸58に伝動される。
【0015】
ケーシング40の後部には、リヤアクスル60,60とフロントアクスル61,61が支承され、前記走行二次軸52からリヤデフ装置Dを介してリヤアクスル60,60に伝動されるとともに、リヤデフ装置Dからフロントデフ装置Eを介して左右フロントアクスル61,61に伝動される。そして、左右フロントアクスル61,61により各々左右前輪6,6が駆動回転される構成となっている。
【0016】
リヤデフ装置Dは、走行二次軸52のギヤG15に噛合するギヤG16が外周部に形成された容器63を備え、該容器内の縦軸64に取り付けた一次ベベルギヤG17と左右のリヤアクスル60,60に各別に取り付けた二次ベベルギヤG18,G18とが互いに噛合する状態で収納されており、各アクスルに伝動される駆動力が適宜変動するようになっている。
【0017】
フロントデフ装置Eもリヤデフ装置Dと同様の構成で、図中の65は容器、66は縦軸、G19はリヤデフ装置側のギヤ、G20はフロントデフ装置側のギヤ、G21は縦軸66に取り付けたベベルギヤ、G22はフロントアクスル61に取り付けたベベルギヤである。上記リヤデフ装置Dおよびフロントデフ装置Eにはデフ機能を停止し、左右両アクスルに駆動力が均等に伝動されるようにするデフロック装置F,Hが設けられている。このデフロック装置F(H)は、容器63(64)に形成された爪69(70)とアクスルの角棒部に嵌合するデフロック部材71(72)の爪73(74)とアクスル50(51)を互いに固定するようになっている。この後輪のデフロック装置Fを操作するデフロックレバー91は操作パネル17に設けられている。尚、前輪のデフロック装置Hは、ステップ19に設けたデフロックペダル91’を踏み込むとデフ機能が停止される構成となっている。このデフロックレバー91及びデフロックペダル91’は、共に機体の前部に配置されており、例えば圃場の畦を乗り越えて機体を圃場から出す時等に、操縦者は機体から降りて機体の前方に立って(自分の身体をウエイト代わりにする為に機体の前端部に乗って)機体を前進若しくは後進させてこの畦越えを安全に行うが、この時、左右前輪6,6の何れか又は左右後輪7,7の何れかが空回りした場合に即座に操縦者は機体前部にあるデフロックレバー91及びデフロックペダル91’を容易な姿勢で操作できてデフロック状態にして安全に畦越えを行うことができる。
【0018】
リヤアクスル60,60はベベルギヤG23,G24,…によってサイドクラッチ軸76,76に伝動連結され、さらに該サイドクラッチ軸からリヤ出力軸77,77にサイドクラッチI,Iを介して伝動される。サイドクラッチIは多板クラッチであり、80はサイドクラッチ軸側の摩擦板、81はリヤ出力軸側の摩擦板である。82はリヤ出力軸77に摺動自在に嵌合する作動筒で、板ばね83によって両摩擦板を押し付ける方向に付勢されており、常時はサイドクラッチIが入った状態となっている。シフタ85で作動筒82を付勢方向と逆向きに移動させると、サイドクラッチIが切れる。
【0019】
更に、リヤ出力軸77,77には後輪ブレーキ装置J,Jが設けられている。後輪ブレーキ装置Jは、リヤ出力軸77に取り付けたディスク87,…にプレッシャプレート88,…を押し付けて制動するものであり、このプレッシャプレート88,…の駆動も前記作動筒82で行う。すなわち、常時はサイドクラッチIが入で、後輪ブレーキ装置Jが掛かっていない状態であり、シフタ85を操作して作動筒82を付勢方向と逆向きに移動させると、サイドクラッチIが切れるとともに、後輪ブレーキ装置Jが掛かるのである。これらサイドクラッチIおよび後輪ブレーキ装置Jの操作(左右シフタ85・85の操作)は、後述のステップ19上に設けたペダル140又はステアリングハンドル16の操作に連繋して行われる。
【0020】
リヤ出力軸77,77の後端部はケーシング40外に突出し、この突出端部に前記後輪支持ケース24,24に伝動する左右後輪伝動軸89,89が接続されている。そして、この左右後輪伝動軸89,89により各々左右後輪7,7が駆動回転される構成となっている。
【0021】
チェンジレバー90の操作位置は、後から前方に操作する順に後進速、ニュートラル、作業速、路上走行速となっている。また、デフロックレバー91を前方に操作するとデフロック、後方に操作するとデフオンとなる。
従って、圃場内で田植作業を行なう場合には、デフロックレバー91をデフロックにし、チェンジレバーを作業速にシフトし、田植装置3の苗載台に苗を載置し施肥装置4の肥料タンクに粒状肥料入れて、各部を駆動させて前進すると、左右後輪7,7のデフロック装置Fはデフロックされてデフ機能が停止した状態であるので、機体の直進性が良くて良好な田植作業と施肥作業が同時に行なえる。また、路上走行の場合には、リヤデフ装置D及びフロントデフ装置E共にデフ機能が働く状態に操作すれば、安全に走行できる。
【0022】
油圧式変速装置HSTは、操縦席20の右側に設けられたHST操作レバー110にて操作される。機体斜め前方から見た作動説明用斜視図である図5に示すように、HST操作レバー110は、機体に前後方向に軸111にて回動自在に支持された操作レバー基部112に軸113にて左右方向に回動自在に支持されており、クランク状に操作される構成になっている。尚、112aは、操作レバー基部112を操作位置で止める為の一般的な皿バネよりなる付勢機構である。
【0023】
そして、操作レバー基部112は、ロッド114にて機体に回動自在に支持された位置決め軸115のアーム116に連結されている。位置決め軸115には、扇型のカム板117が固定されており、このカム板117には、HST操作レバー110がニュートラル位置Nの時にバネ118にて付勢されているポジションローラ119が嵌入する円弧溝117Nと、HST操作レバー110が前進最大速位置Fの時にバネ118にて付勢されているポジションローラ119が嵌入する円弧溝117Fと、HST操作レバー110が後進最大速位置Rの時にバネ118にて付勢されているポジションローラ119が嵌入する円弧溝117Rとが形成されている。
【0024】
また、位置決め軸115には、HST操作アーム120が設けられており、このHST操作アーム120が油圧式変速装置HSTのトラニオン軸121に固定されたトラニオン操作アーム122にロッド123にて連結されている。
従って、HST操作レバー110をニュートラル位置Nにしている時には、カム板117の円弧溝117Nにポジションローラ119が嵌入して、油圧式変速装置HSTはニュートラルに保持されて機体は停止状態である。そして、HST操作レバー110をニュートラル位置Nから前進最大速位置Fに向けて操作するほど、ロッド114・アーム116・位置決め軸115・HST操作アーム120・ロッド123・トラニオン操作アーム122・トラニオン軸121と連携して作動し、トラニオン軸121が前進方向に徐々に操作されて、機体は徐々に前進速度が速くなる。逆に、HST操作レバー110をニュートラル位置Nから後進最大速位置Rに向けて操作するほど、ロッド114・アーム116・位置決め軸115・HST操作アーム120・ロッド123・トラニオン操作アーム122・トラニオン軸121と連携して作動し、トラニオン軸121が後進方向に徐々に操作されて、機体は徐々に後進速度が速くなる。
【0025】
一方、機体に前後方向に回動自在に支持されたスロットルレバー130に連結された操作ワイヤー131がエンジン12のアクセル作動機構に連携しており、スロットルレバー130を増速方向に操作すると操作ワイヤー131はイ方向に作動してアクセル作動機構を全開方向に向けて作動させてエンジン12の回転を上げる。そして、この操作ワイヤー131の中途部に係合部材132が固定されており、前記位置決め軸115に上下方向に設けられた2つの上アーム133Rと下アーム133Fに各々連結された操作ワイヤ134R・134Fが共にアクセル連動アーム135の下端に連結され、このアクセル連動アーム135は機体に回動自在に支持され、その上部はフック状部135aになっており係合部材132のエンジン側の操作ワイヤー131を抱き込むように構成されている(フック状部135aは、操作ワイヤー131の外側を自由に移動できるようになっている。換言すると、操作ワイヤー131は、フック状部135aの内側を自由にイ方向及び反イ方向に移動できる構成となっている)。
【0026】
従って、スロットルレバー130を増速及び減速方向に操作すると、操作ワイヤー131を介してエンジン12の回転数を調節できる。一方、HST操作レバー110をニュートラル位置Nから前進最大速位置F又は後進最大速位置Rに向けて操作するほど、下アーム133F又は上アーム133Rの回動により操作ワイヤ134F・134Rを引いてアクセル連動アーム135のフック状部135aをロ方向に移動させるので、フック状部135aが係合部材132に接当して操作ワイヤー131をイ方向に作動してアクセル作動機構を全開方向に向けて作動させてエンジン12の回転を上げる。即ち、HST操作レバー110にて車速を速くするほど連動して、エンジン12の回転数も上がるように構成されている。従って、HST操作レバー110にて変速操作とエンジン12の回転数の操作が同時に行えるので、操作性が良くて作業効率が良い(スロットルレバー130を操作する必要がない)。また、HST操作レバー110がニュートラル位置Nでスロットルレバー130を最低速に減速した時に、フック状部135aが係合部材132に接当し始める構成となっているので、HST操作レバー110がニュートラル位置Nではスロットルレバー130にて自由にエンジン12の回転数を上下調節でき、HST操作レバー110をニュートラル位置Nから前進最大速位置F又は後進最大速位置Rに向けて途中まで操作しているときには、自動的に連動して上げられたスロットル位置からスロットルレバー130にて自由にエンジン12の回転数を上げることができる。
【0027】
140はクラッチとブレーキを共に操作するペダルであって、詳細の構成は後述するが、ステアリングハンドル16の右下側に配置されており、このペダル140を踏み込むとメインクラッチが切れ、続いて左右後輪ブレーキがかかり、機体は停止する。このペダル140と上記位置決め軸115の下アーム133Fとを操作ワイヤ141にて連携している。即ち、HST操作レバー110をニュートラル位置Nから前進最大速位置Fに向けて操作しているときに上記のように自動的に連動してエンジン回転数は上げられているが、この時、ペダル140を踏み込むと(メインクラッチが切れるまで踏み込んだ時点で)、操作ワイヤ141が引かれて下アーム133FをHST操作レバー110がニュートラル位置Nになるまで回動させる。従って、HST操作レバー110を前進最大速位置Fに向けて操作して機体を前進させているときに、ペダル140を踏み込むと(メインクラッチが切れるまで踏み込んだ時点で)、HST操作レバー110は自動的にニュートラル位置Nになり(エンジン回転数も自動的に下がる)、安全に機体を停止させることができる。
【0028】
次に、図6・図7に基づいて、ペダル140の連携構成と左右後輪7・7のサイドクラッチIおよび後輪ブレーキ装置Jの作動構成を説明する。
ペダル140の基部は、機体に回動自在に支持された回動支軸142に固定されている。そして、回動支軸142の左端部には、クラッチ作動アーム149が固定されており、クラッチ作動アーム149の先端には下方に向けて作動ロッド150が設けられ、作動ロッド150の下端は、機体に回動自在に支持されたクラッチシフタ151に設けられたアーム152の先端部に連結されている。そして、クラッチシフタ151は、前記摺動部材48を作動させてメインクラッチ43を入・切操作できる構成になっている。
【0029】
一方、機体に上端部が回動自在に支持された左右油圧シリンダー144L・144Rの進出及び退入する左右油圧ロッド144La・144Raの下端部が、機体に回動自在に支持された左右カウンターアーム145L・145Rの上部に連結されている。そして、各左右カウンターアーム145L・145Rの下部から後方に向けて左右連結ロッド146L・146Rが設けられ、各左右連結ロッド146L・146Rの後端はサイドクラッチIおよび後輪ブレーキ装置Jを操作する左右シフタ85・85を操作する左右操作アーム147L・147Rに連結されている。
【0030】
また、図7に示す油圧回路図において、油圧式変速装置HSTは、可変容量形のHSTポンプPと固定容量形のHSTモータMとをHST回路に有し、このHSTポンプPの入力軸35をエンジン側から駆動することによって、HST回路の油圧により出力軸36側のHSTモータMを連動することができる一般的なものである。このHSTポンプPは、HST操作レバー110の操作によってニュートラル位置Nから前進最大速位置F方向(正方向)へ回動することにより斜板角によってHSTモータMの回転が正方向へ順次増速され、又中立域へ戻すことにより順次減速される。又、ニュートラル位置Nから後進最大速位置R方向(逆方向)へ回動することにより、同様に逆方向への回転が順次増速される。
【0031】
このHST回路の油圧をHSTモータM側から取出して、シャトル弁153及び減圧弁154を通して、左右比例電磁バルブ155L・155Rにより切替えられた油圧が、前記左右油圧シリンダー144L・144Rに供給されるように構成している。
【0032】
そして、ペダル140を踏込み操作してメインクラッチ43を切操作し、更に、踏込み操作すると、ペダル140はブレーキ作動スイッチSW1を押してON操作し、上記左右比例電磁バルブ155L・155Rを同時に切替えて左右油圧シリンダー144L・144R両方に油圧を供給して、左右油圧ロッド144La・144Raが進出して左右カウンターアーム145L・145Rを回動させ、左右後輪7・7のサイドクラッチIおよび後輪ブレーキ装置Jを操作する左右シフタ85・85を操作する左右操作アーム147L・147Rを同時に作動させて、左右後輪7・7共にサイドクラッチが切れてブレーキが作動する。
【0033】
このように、ブレーキ用油圧源をHST回路の油圧を利用することにより、特別にブレーキ用油圧源を別途設けなくても良くて、構成が簡潔となり安価な機械を得ることができる。また、左右油圧シリンダー144L・144Rをペダル140近傍の前部外装ケース(ボンネット)156内に縦方向に配置すれば、コンパクトで見栄えが良く、更に、機械の小型化が可能となる。
【0034】
次に、田植装置3は、走行車両1に昇降用リンク装置2で昇降自在に装着されているのであるが、その昇降させる構成と田植装置3の構成について説明する。
先ず、走行車両1に基部が回動自在に設けた一般的な油圧シリンダー160のピストン上端部を昇降用リンク装置2に連結し、走行車両1に設けた油圧ポンプ13にてソレノイド油圧バルブ161を介して油圧シリンダー160に圧油を供給・排出して、油圧シリンダー160のピストンを伸進・縮退させて昇降用リンク装置2に連結した田植装置3が上下動されるように構成されている。
【0035】
田植装置3は、昇降用リンク装置2の後部にローリング軸を介してローリング自在に装着されたフレームを兼ねる植付伝動ケース162と、該植付伝動ケース162に設けられた支持部材に支持されて機体左右方向に往復動する苗載台163と、植付伝動ケース162の後端部に装着され前記苗載台163の下端より1株分づつの苗を分割して圃場に植え付ける苗植付け具164…と、植付伝動ケース162の下部にその後部が枢支されてその前部が上下揺動自在に装着された整地体であるセンターフロート165・サイドフロート166…等にて構成されている。センターフロート165・サイドフロート166…は、圃場を整地すると共に苗植付け具164…にて苗が植付けられる圃場の前方を整地すべく設けられている。
【0036】
167は両端にユニバーサルジョイントを有するPTO伝動軸であって、施肥駆動ケース168の動力を田植装置3の植付伝動ケース162に伝達すべく設けている。169はセンターフロート165前部の上下位置を検出するポテンショメータにより構成されるセンターフロートセンサーであって、センターフロート165の前部上面とリンクにより連携されている。そして、センターフロートセンサー169のセンターフロート165前部の上下位置検出に基づいて、制御装置170の田植装置昇降手段によりソレノイド油圧バルブ161を制御して油圧シリンダー160にて田植装置3の上下位置を制御するように構成されている。
【0037】
即ち、センターフロート165の前部が外力にて適正範囲以上に持ち上げられた時には油圧ポンプ13にてミッションケース11内から汲み出された圧油を油圧シリンダー160に送り込んでピストンを突出させ昇降用リンク装置2を上動させて田植装置3を所定位置まで上昇せしめ、また、センターフロート165の前部が適正範囲以上に下がった時には油圧シリンダー160内の圧油をミッションケース11内に戻して昇降用リンク装置2を下動させて田植装置3を所定位置まで下降せしめ、そして、センターフロート165の前部が適正範囲にあるとき(田植装置3が適正な所定位置にある時)には油圧シリンダー160内の圧油の出入りを止めて田植装置3を一定位置に保持せしめるべく設けられている。このように、センターフロート165を田植装置3の自動高さ制御のための接地センサーとして用いている。
【0038】
171は操縦ハンドル10の下方に配置されたフィンガーレバーであって、該フィンガーレバー171を上下方向に操作するとポテンショメータにより構成されるフィンガーレバースイッチ172が作動されて、制御装置170のPTOクラッチ作動手段によりPTOクラッチ作動SOL173を操作して、施肥駆動ケース168内に設けられた動力を断接するPTOクラッチを操作して施肥装置4及び田植装置3への動力を入切り操作できるように構成されていると共に、制御装置170の田植装置昇降手段により、ソレノイド油圧バルブ161を操作して手動にて田植装置3を上下動できるように構成されている。
【0039】
即ち、フィンガーレバー171を「上」に操作すると、PTOクラッチが切れ施肥装置4及び田植装置3の作動が停止し且つソレノイド油圧バルブ161が強制的に田植装置3を上昇する側に切換えられる。
そして、フィンガーレバー171を「上」に操作した後に、フィンガーレバー171を「下」に1回操作すると、ソレノイド油圧バルブ161がセンターフロート165の上下動にて切換えられる自動制御状態となり、田植装置3が上昇された状態であればセンターフロート165が接地して適正姿勢になるまで田植装置3は下降する。更にもう一回、フィンガーレバー171を「下」に操作すると、ソレノイド油圧バルブ161がセンターフロート165の上下動にて切換えられる自動制御状態のままで、PTOクラッチが入り施肥装置4及び田植装置3が駆動される。以降、フィンガーレバー171を「下」に操作する度に、ソレノイド油圧バルブ161がセンターフロート165の上下動にて切換えられる自動制御状態のままで、PTOクラッチが入りと切りに交互に切り換えられる。
【0040】
ここで、ステアリングハンドル16にて前輪6,6が操向操作される部分の構成について図8に基づいて説明する。
ステアリングハンドル16は、ステアリングポスト14内に設けられたステアリング軸上部に固定されており、ステアリング軸の回転はミッションケース11内に設けられたステアリング変速歯車を介して減速されて出力軸174に伝動される。そして、出力軸174の下端は、ミッションケース11底面から突出してピットマンアーム175が固定されている。ピットマンアーム175の前部左右側と左右前輪支持ケース22,22とは左右ロッド176,176にて連結されている。従って、ステアリングハンドル16を回動操作すると、ステアリング軸・ステアリング変速歯車・出力軸174・ピットマンアーム175・左右ロッド176,176・左右前輪支持ケース22,22へと伝達されて、左右前輪6,6が左右操向操作される。
【0041】
そして、ピットマンアーム175の前部上面には、左右センサ押片182、182が設けられており、ステアリングハンドル16を左右何れかに200度回転させると、ミッションケース11の底面に固定された左右ブレーキ作動スイッチ183L・183RがONになる(ステアリングハンドル16は左右に最大360度〜400度回転する)。
【0042】
即ち、例えば、前記ステアリングハンドル16を左に200度以上回転させた時に左ブレーキ作動スイッチ183LがONになると、制御装置170の左右ブレーキ作動手段により左比例電磁バルブ155Lが切替えられて、前記左油圧シリンダー144Lに油圧が供給され左油圧ロッド144Laが進出して左カウンターアーム145Lを回動させ、左後輪7のサイドクラッチIおよび後輪ブレーキ装置Jを操作する左シフタ85を操作する左操作アーム147Lを作動させて、左後輪7のサイドクラッチが切れてブレーキが作動する。逆に、ステアリングハンドル16を右に200度以上回転させた時には右ブレーキ作動スイッチ183RがONになり、制御装置170の左右ブレーキ作動手段により右比例電磁バルブ155Rが切替えられて、右油圧シリンダー144Rに油圧が供給され右後輪7のサイドクラッチが切れてブレーキが作動する。従って、畦際で機体を旋回させる為に、ステアリングハンドル16を左右何れかに最大まで回すと、自動的に旋回する方向の後輪7のサイドクラッチが切れてブレーキが作動し、急旋回(小回り)できて、作業性が良い(従来のように、別途、サイドブレーキを踏まなくてもよい)。尚、直進植付け作業時に、進路補正でステアリングハンドル16を操作することがあるが、この直進進路補正ではステアリングハンドル16を200度以上操作することはないので、直進植付け作業時に後輪片ブレーキが利いてしまうようなことはなく、良好な直進植付け作業が行える。
【0043】
一方、図9はデフロックペダル91’の作用を説明する斜視図であり、デフロックペダル91’の下端に連携したデフ作動アーム216と前記前輪のデフロック装置Hとが作動ロッド217にて連繋されており、また、デフ作動アーム216の下方には前輪デフロックスイッチSW2が配置されている。従って、デフロックペダル91’を踏み込み操作すると、機体に回動自在に設けられたデフ作動アーム216が回動して作動ロッド217を引き前輪のデフロック装置Hのデフ機能が停止操作され、前輪デフロックスイッチSW2が押されてONになる。そして、前輪デフロックスイッチSW2が押されてONになると、制御装置170の左右ブレーキ作動手段により左右比例電磁バルブ155L・155Rが切替えられて、左右油圧シリンダー144L・144Rの油圧が排出され左右油圧ロッド144La・144Raが退入して、左右後輪7・7のサイドクラッチが入りブレーキが作動しなくなる(左右後輪7・7共に駆動状態となる)。
【0044】
従って、畦際で機体を旋回させる為に、ステアリングハンドル16を左右何れかに200度以上回すと、自動的に旋回する方向の後輪7のサイドクラッチが切れてブレーキが作動し急旋回(小回り)できて作業性が良いのであるが、この畦際旋回時に、左右前輪6・6の何れかが湿田で耕盤の深い部分に入ってしまって左右前輪6・6が空転をして機体が前進できなくなってしまうような事態になることがある。このような事態の時には、操縦者はデフロックペダル91’を踏み込んで前輪のデフロック装置Hのデフ機能が停止するように操作して、左右前輪6・6が同駆動回転する状態にして機体を前進させようとするが、上記のとおり、デフロックペダル91’を踏み込むと、前輪デフロックスイッチSW2が押されてONになり制御装置170の左右ブレーキ作動手段により左右油圧シリンダー144L・144Rの油圧が排出されように左右比例電磁バルブ155L・155Rが切替えられるので、サイドクラッチが切れてブレーキが作動していた後輪7が駆動状態となり、機体の前進駆動力が増すので左右前輪6・6が湿田で耕盤の深い部分に入った事態から良好に脱出することができる。また、この脱出時に左右後輪7・7が共に駆動状態となるので、左右後輪7・7が湿田で泥土を持ち上げて圃場を乱すようなことも防止できる。
【0045】
次に、田植装置3を自動的に上昇させる制御構成について説明する。
先ず、チェンジレバー90を後進速に操作すると、チェンジレバー90の基部に設けた接当片190が接当してONになるバックリフトスイッチ191が設けられており、制御装置170の田植装置上昇手段によりソレノイド油圧バルブ161を制御して油圧シリンダー160にて田植装置3を最大位置まで上昇させるように構成されている。
【0046】
このように、チェンジレバー90を後進速に操作すると、自動的に田植装置3を最大位置まで上昇させるように構成しておくと、圃場の畦際で機体を旋回させる為等に機体を畦に向かって後進させる時に、自動的に田植装置3は最大位置まで上昇しているので、田植装置3が畦に衝突して破損することが未然に防止でき作業性が良い。
【0047】
一方、操作パネル17には、田植装置3の自動上昇を行わせる状態と行わせない状態とに切替える自動リフト切替えスイッチ192が設けられており、即ち、自動リフト切替えスイッチ192を自動にしていると、上記のようにバックリフトスイッチ191がONになると自動的に田植装置3は制御装置170の田植装置上昇手段により自動上昇される。そして、自動リフト切替えスイッチ192をOFFにしていると、バックリフトスイッチ191がONになっても田植装置3は自動上昇されない。尚、自動リフト切替えスイッチ192をOFFにして、バックリフトスイッチ191がONになっても田植装置3が自動上昇しない状態にしておくと、機体を後進で納屋等にしまう時にチェンジレバー90を後進速に操作しても田植装置3が自動上昇しないので、田植装置3を下げたまま後進することができ、納屋の入口上部や納屋内の他の部材に田植装置3をぶつけてしまうような事態が回避できる。
【0048】
尚、上記の実施例では、ステアリングハンドル16を左又は右に200度以上回転させた時に左又は右ブレーキ作動スイッチ183L・183RがONになると、制御装置170の左右ブレーキ作動手段により左又は右比例電磁バルブ155L・155Rが切替えられ、左又は右油圧シリンダー144L・144Rに油圧が供給されて左又は右後輪7・7のサイドクラッチが切れてブレーキが作動する構成としたが、左右油圧シリンダー144L・144Rから左右操作アーム147L・147Rへの連繋機構中の左右連結ロッド146L・146Rの長さを短くして、左右油圧シリンダー144L・144Rに油圧が供給されて左右油圧ロッド144La・144Raが進出しても左右後輪7・7のサイドクラッチIのみが切れて後輪ブレーキ装置Jは作動しないように構成すれば、畦際でステアリングハンドル16を左又は右に200度以上回転させて旋回する際に、旋回する側の左又は右後輪7のサイドクラッチIのみが切れて後輪ブレーキ装置Jは作動しないので、旋回する側の左又は右後輪7は遊転状態となり圃場を乱すことが少なくなり耕盤を傷めることも少なくて良好な苗植付け作業が行える(但し、若干旋回半径が大きくなる)。
【0049】
最後に、図12・図13に示す実施例について説明する。
上記の実施例では、左右後輪7・7のサイドクラッチ・ブレーキをステアリングハンドル16の回転角度の検出で左右油圧シリンダー144L・144Rを伸縮させて作動させる構成を示したが、第2実施例は、ステアリングハンドル16の回転により機械式連繋構成で左右後輪7・7のサイドクラッチI・ブレーキJを作動させるものである。
【0050】
ステアリングハンドル16の回転操作により回転する出力軸174の下端に固定したピットマンアーム175の後部上面に、作動ローラ177が回転自在に設けられており、その作動ローラ177の左右両側を囲むように平面視でコ字状に切り欠かれた切欠き部178を有する従動体179がミッションケース11の底面に回動自在に支持されている。そして、従動体179の左右両側部には、左右操作アーム147L・147Rに連結された左右ロッド180,180が摺動自在に設けられており、従動体179の左右両側部前面が左右ロッド180,180に緩衝機構181,181を介して連携されている。
【0051】
そして、作動ローラ177は、ピットマンアーム175に設けた貫通孔184に摺動自在に設けた作動ピン185の上端部に溶接固定されており、作動ローラ177には大径部177aと小径部177bとが設けられている。そして、作動ピン185の下端には操作ワイヤ186の一端が固定され、ピットマンアーム175上面と作動ローラ177下面との間には圧縮バネ187が設けられている。また、操作ワイヤ186の他端は、ステアリングハンドル16の近くに設けた操作レバー188に連結している。即ち、操作レバー188をブレーキ連繋位置に操作したのが図13の状態で、作動ローラ177の大径部177aが従動体179の切欠き部178に位置し、操作レバー188をクラッチ連繋位置に操作すると、操作ワイヤ186が引かれて作動ローラ177の小径部177bが従動体179の切欠き部178に位置し、操作レバー188を連繋解除位置に操作すると、操作ワイヤ186が更に引かれて作動ローラ177が従動体179の切欠き部178から外れた位置になるように構成されている。
【0052】
従って、操作レバー188をブレーキ連繋位置に操作した状態で、ステアリングハンドル16を200度(機体を右旋回させる意思を持って作業者が右に回す量)以上右に回すと、ピットマンアーム175も右回動し作動ローラ177がハ方行に回動し従動体179の切欠き部178の左側面178aを大径部177aが押す為に、従動体179を二方向に回動させ右ロッド180を大きく引き、右操作アーム147Rが操作されて右後輪クラッチが切れて更にブレーキが作動し、右急旋回(右小回り)できる。逆に、ステアリングハンドル16を左に回すと、ピットマンアーム175も左回動し作動ローラ177が反ハ方行に回動し従動体179の切欠き部178の右側面178bを大径部177aが押す為に、従動体179を反二方向に回動させ左ロッド180を大きく引き、左操作アーム147Lが操作されて左後輪クラッチが切れてブレーキが作動し、左急旋回(左小回り)できる。
【0053】
また、操作レバー188をクラッチ連繋位置に操作した状態で、ステアリングハンドル16を200度以上右に回すと、ピットマンアーム175も右回動し作動ローラ177がハ方行に回動し従動体179の切欠き部178の左側面178aを小径部177bが押す為に、従動体179を二方向に回動させ右ロッド180を少し引き、右操作アーム147Rが操作されて右後輪クラッチが切れ(ブレーキは作動しない)、右小回りできる。逆に、ステアリングハンドル16を左に回すと、ピットマンアーム175も左回動し作動ローラ177が反ハ方行に回動し従動体179の切欠き部178の右側面178bを小径部177bが押す為に、従動体179を反二方向に回動させ左ロッド180を少し引き、左操作アーム147Lが操作されて左後輪クラッチが切れ(ブレーキは作動しない)、左小回りできる。
【0054】
更に、操作レバー188を連繋解除位置に操作した状態では、ステアリングハンドル16を200度以上左右に回して、ピットマンアーム175が左右回動し作動ローラ177が反ハ方行又はハ方行に回動しても、従動体179の切欠き部178から作動ローラ177は外れた位置にあるので、従動体179を回動させることはなく、左右後輪7・7は駆動状態のままである。
【0055】
よって、圃場条件が良い(耕盤が浅い圃場)場合には、操作レバー188をブレーキ連繋位置に操作する。すると、畦際での旋回時にステアリングハンドル16を回すと、旋回側の後輪クラッチが切れて更にブレーキが作動して急旋回でき、作業能率が良くて作業時間が短縮できる。
【0056】
また、圃場条件が悪い(耕盤が深い圃場)場合には、操作レバー188をクラッチ連繋位置に操作する。すると、畦際での旋回時にステアリングハンドル16を回すと、旋回側の後輪クラッチが切れて(ブレーキは作動しない)小回りができて作業能率が良く、然も、旋回側の後輪7は遊転状態であるので耕盤を傷めることもなく泥土の持ち上げも少なくなり、良好な苗植付け作業が行える。
【0057】
更に、圃場条件が非常に悪い(耕盤が深くて、然も、耕盤が柔らかい粘土質の圃場)場合には、操作レバー188を連繋解除位置に操作する。すると、畦際での旋回時にステアリングハンドル16を回しても、左右後輪7・7は駆動状態のままで、前進駆動力が大きくて良好に旋回でき、泥土の持ち上げも少なく良好な苗植付け作業が行える。
【0058】
尚、上記の実施例では、操作レバー188をクラッチ連繋位置に操作すると、ステアリングハンドル16を200度以上左右に回した場合に旋回側の後輪クラッチが切れてブレーキは作動しない構成としたが、旋回側の後輪クラッチが切れてブレーキが半ブレーキ状態に作動するように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である8条植え乗用型田植機を示す全体側面図である。
【図2】図1に示す乗用型田植機の全体平面図である。
【図3】走行車両の伝動構成を示す概略平面図である。
【図4】ミッションケースの展開断面図である。
【図5】油圧式変速装置HSTの操作構成を示す斜視図である。
【図6】主クラッチ及び後輪サイドクラッチ・ブレーキの操作構成を示す斜視図である。
【図7】油圧回路図である。
【図8】左右前輪の操向構成を示す斜視図である。
【図9】前輪用のデフロックペダルの作用説明用斜視図である。
【図10】チェンジレバー部の斜視図である。
【図11】制御系のブロック回路図である。
【図12】実施例を示す左右前輪の操向構成と後輪サイドクラッチ・ブレーキの連繋機構の斜視図である。
【図13】実施例の要部の一部断面拡大図である。
【符号の説明】
乗用型走行車両左右前輪左右後輪16ステアリングハンドル、147L,147R:操作アーム、175:ピットマンアーム、177:作動ローラ、177a:大径部、177b:小径部、179:従動体、180:左右ロッド、186:操作ワイヤ、188:操作レバー、フロントデフ装置サイドクラッチ:サイドブレーキ

Claims (2)

  1. フロントデフ装置(E)を介して駆動される左右前輪(6)と該左右前輪(6)を操向操作するステアリングハンドル(16)左右後輪(7)を各々独立に制動可能なサイドブレーキ(J)、左右後輪(7)の駆動を各々独立して停止するサイドクラッチ(I)を装備した乗用型作業機において、ステアリングハンドル(16)の回転操作により回転するピットマンアーム(175)と、該ピットマンアーム(175)に設けた作動ローラ(177)と、該作動ローラ(177)に押されて作動する従動体(179)と、該従動体(179)の左右両側部と左右の操作アーム(147L,147R)を連結する左右ロッド(180)を設け、作動ローラ(177)には大径部(177a)と小径部(177b)を設け、操作ワイヤ(186)を介して作動ローラ(177)を操作する操作レバー(188)を設け、該操作レバー(188)をブレーキ連繋位置に操作し、且つ機体旋回の為にステアリングハンドル(16)により左右前輪(6)が所定量以上に操向操作されると、作動ローラ(177)の大径部(177a)が従動体(179)を押し、操作アーム(147L,147R)が操作されて旋回中心側の後輪(7)サイドクラッチ(I)が自動的に切れて駆動が停止すると共にサイドブレーキ(J)が自動的に制動作動され、操作レバー(188)をクラッチ連繋位置に操作し、且つ機体旋回の為にステアリングハンドル(16)により左右前輪(6)が所定量以上に操向操作されると、作動ローラ(177)の小径部(177b)が従動体(179)を押し、操作アーム(147L,147R)が操作されて旋回中心側の後輪(7)のサイドクラッチ(I)が自動的に切れて駆動が停止するがサイドブレーキ(J)は作動せず、操作レバー(188)を連係解除位置に操作すると、作動ローラ(177)が従動体(179)から外れた位置となり、機体旋回の為にステアリングハンドル(16)により左右前輪(6)が所定量以上に操向操作されても、左右後輪(7)が駆動状態のままとなる構成としたことを特徴とする乗用型作業機。
  2. フロントデフ装置(E)を介して駆動される左右前輪(6)と該左右前輪(6)を操向操作するステアリングハンドル(16)左右後輪(7)を各々独立に制動可能なサイドブレーキ(J)、左右後輪(7)の駆動を各々独立して停止するサイドクラッチ(I)を装備した乗用型作業機において、ステアリングハンドル(16)の回転操作により回転するピットマンアーム(175)と、該ピットマンアーム(175)に設けた作動ローラ(177)と、該作動ローラ(177)に押されて作動する従動体(179)と、該従動体(179)の左右両側部と左右の操作アーム(147L,147R)を連結する左右ロッド(180)を設け、作動ローラ(177)には大径部(177a)と小径部(177b)を設け、操作ワイヤ(186)を介して作動ローラ(177)を操作する操作レバー(188)を設け、該操作レバー(188)をブレーキ連繋位置に操作し、且つ機体旋回の為にステアリングハンドル(16)により左右前輪(6)が所定量以上に操向操作されると、作動ローラ(177)の大径部(177a)が従動体(179)を押し、操作アーム(147L,147R)が操作されて旋回中心側の後輪(7)のサイドクラッチ(I)が自動的に切れて駆動が停止すると共にサイドブレーキ(J)が自動的に制動作動され、操作レバー(188)をクラッチ連繋位置に操作し、且つ機体旋回の為にステアリングハンドル(16)により左右前輪(6)が所定量以上に操向操作されると、作動ローラ(177)の小径部(177b)が従動体(179)を押し、操作アーム(147L,147R)が操作されて旋回中心側の後輪(7)のサイドクラッチ(I)が自動的に切れて駆動が停止すると共にサイドブレーキ(J)が半ブレーキ状態に作動し、操作レバー(188)を連係解除位置に操作すると、作動ローラ(177)が従動体(179)から外れた位置となり、機体旋回の為にステアリングハンドル(16)により左右前輪(6)が所定量以上に操向操作されても、左右後輪(7)が駆動状態のままとなる構成としたことを特徴とする乗用型作業機。
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