JP4299011B2 - クラッチ切換機能付排水バルブ駆動ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は洗濯機などのクラッチ切換え操作部および槽内の排水を制御する排水バルブに係り、クラッチ切換え操作部を兼備えたクラッチ切換機能付排水バルブ駆動ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の洗濯機はクラッチ切換え操作部と排水バルブは別機能部品として2個の部品を使用している。
【0003】
クラッチ切換え操作部は、駆動用モーターの軸にカムを取付け、カムの表面に設けた凹凸により、クラッチレバーを上下させてクラッチ部を操作し、洗濯と脱水を切換えている。洗濯と脱水時のカムの位置制御は前記駆動用モーターの上部に設けた3接点式のスイッチと、このスイッチを適宜操作する接点カムで制御し、接点aがOFFで凹部(洗濯)、接点bがOFFで凸部(脱水)になるようにしている。
【0004】
また、別な方法としてはクラッチレバーに連結された鋼線を、駆動用モーターで巻上げたり緩めたりして洗濯と脱水を切換えるものがある。緩めて洗濯、巻上げて脱水となる。この方法の場合は前記鋼線をブレーキレバーにも接続し脱水停止の制御を行い、また、排水バルブのベローズ(弁体)にも接続して槽内の水の排水制御を行っている。
【0005】
排水バルブは、駆動用モーターの軸にカムを取付け、カム表面に設けたカムジクに連結した摺動軸でベローズ(弁体)の開閉を行い、排水を制御している。ベローズ(弁体)の閉止はコイルバネの付与力で行い、開放は駆動用モーターの回転力で行う。ベローズ(弁体)の開閉位置は枠体内に設けられた3接点式のスイッチと、このスイッチを適宜操作する接点カムで制御し、接点aがOFFでベローズ(弁体)の閉止、接点bがOFFでベローズ(弁体)の開放となるようにしている。
【0006】
また、別な方法としては、前述のクラッチ切換え操作部の末文で説明している通り、鋼線を摺動軸に接続し、駆動用モーターで前記鋼線を巻上げたり緩めたりすることで摺動軸と係合したベローズ(弁体)の開閉を行い、排水を制御している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来品はクラッチ切換え操作部と排水バルブが別機能部品として存在していることに大きな問題がある。
【0008】
駆動用モーターの軸にカムを取付けカムの動きでクラッチ切換え操作及び排水バルブのベローズ(弁体)を操作する方式は、いずれにも駆動用モーターとカム、カムの位置を制御するスイッチ機構を必要とすることから部品が重複し、価格及び品質面で不利である。
【0009】
また、駆動用モーターで鋼線を巻上げたり緩めたりすることでクラッチ切換え操作、脱水停止のブレーキレバーの操作及び排水バルブのベローズ(弁体)を操作する方式は、構成部品としては駆動モーター部とベローズ(弁体)部で済み簡素化でき、また脱水停止のブレーキレバーも操作できることから前者の方式に比べ機能追加になっている。
【0010】
しかし、同じ駆動用モーターでクラッチ切換え操作、ブレーキレバーの操作、排水バルブのベローズ(弁体)の操作と3つの操作をすることになり、駆動トルクの大きいモーターが必要になる。また、鋼線の巻上げ量、巻上げ後の位置固定などを制御する機能が必要で、この機能を全て駆動モーター部に組入れることになり複雑で高価なものになってしまう。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、従来技術に鑑みなされたもので、その目的はクラッチ切換え操作部と排水バルブの2部品が持っている別々の機能を1つの部品に纏め、低価格及び品質確保を実現するところにある。
【0012】
本発明のクラッチ切換機能付排水バルブ駆動ユニットは、従来技術の排水バルブの部品構成が原形となっている。具体的には、駆動用モーターの軸にカムを取付け、カム表面にカムジクを設け、このカムジクにベローズ(弁体)を係合した摺動軸を連結し、カムの回転でベローズ(弁体)を開閉する。閉止時はコイルバネでベローズ(弁体)を付与している。また、ベローズ(弁体)の開閉位置は枠体内に設けられた3接点式のスイッチと、このスイッチを適宜操作する接点カムで制御される。ここまでは排水バルブの機能のみである。
【0013】
本発明は、このものにクラッチ切換え操作部を追加することが課題で、これを達成するために、前記カムの表面のクラッチ切換レバーが当接する部分に凹凸を設けたこと、前記カムジクを上下2分割とし摺動可能となるようにカムを挟持する形で固定し、このカムジクはカムを載せている枠体(モーターケース)に設けられた楕円溝に沿って周回させたことを特徴としており、カム表面の凹凸の形状及び設置する位置、及び摺動軸先端の長方形リブの大きさを規制し前記3接点式のスイッチを利用しカムの回転をマイコンソフトで時間制御することにより脱水時でもベローズ(弁体)を閉止させることができるようにしたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例を説明する。
【0015】
図1、図2、図3は全自動洗濯機の外槽底部の部品構成を示す。
【0016】
1は外槽で洗濯水を入れる容器の役割を持ち、内部には脱水槽2、攪拌翼3を具備し衣類の洗濯及び脱水ができるようになっている。また、外部には電動機4、クラッチ部(減速部を含む)5及び、今回発明の重要部品であるクラッチ切換機能付排水バルブ駆動ユニット15等を具備し、クラッチ部は前記外槽の中心部に位置し前記脱水槽及び攪拌翼と連結している。電動機4の回転動力は原動プーリ4a、ベルト6、従動プーリ7を介してクラッチ部5に伝達され、クラッチ部の切換えにより洗濯時は攪拌翼3また、脱水時は脱水槽2を回転させる。
【0017】
クラッチ部はレバー取付けベース8、操作レバー12、スライダー9、操作バネ11、カラー10で構成され、クラッチ切換えは前記スライダーを上、または下に動かし保持することで行う。操作レバー12はレバー取付けベース8の支点部14で回動自在に保持され、一端にはクラッチ切換機能付排水バルブ駆動ユニット15のカム21と当接する接触指13を固定し、他端は馬蹄形で前記スライダーと2箇所で当接している。
【0018】
操作バネ11は前記スライダーを押下げ方向に付与し、支点部14に設けられたねじりコイルバネ(図示せず)は前記操作レバーに作用しスライダー9を押上げる方向に付与している。ねじりコイルバネの付与力は操作バネ11の最大付与力より大きくなっている。
【0019】
洗濯時と脱水時のクラッチ部の切り換えについて説明する。
【0020】
図1は洗濯時のクラッチ切換え状態を示す。
【0021】
操作レバー12の接触指13の先端が、クラッチ切換機能付排水バルブ駆動ユニット15のカム21の表面に設けられた凹部に位置することで、操作レバー12を介してスライダー9はねじりコイルバネの付与力により上方に押上げられ、カラー10との嵌合が外れ、従動プーリ7の回転動力は攪拌翼に伝達される。この時、操作バネ11の付与力はねじりコイルバネに抗して作用している。
【0022】
図2は脱水時のクラッチ切換え状態を示す。
【0023】
操作レバー12の接触指13の先端が、カム21の表面に設けられた凸部に位置することで、スライダー9は操作レバー12を介してねじりコイルバネの付与力に抗して押下げられカラー10嵌合し、従動プーリ7の回転動力は脱水槽に伝達される。この時、操作バネ11の付与力はねじりコイルバネに抗して作用していることから、前記接触指13がカム21の凹から凸に至る傾斜面では、その分カム回転力を軽減できることになる。
【0024】
次にクラッチ切換機能付排水バルブ駆動ユニットの部分について説明する。
【0025】
図4、図5、図6、図7は全体の部品構成の詳細を示す。
【0026】
全体は駆動用モーター24及びスイッチ部を収納し、カム21を外付けしている枠体(モーターケース)16とベローズ(弁体)18を収納している枠体(バルブケース)17で構成されている。
【0027】
始めに枠体(モーターケース)16部の構成について説明する。
駆動用モーターの出力軸24aにはDカット部24bを設け接点カム25を挿入し、双方が同期して回転できるようにし、上面には接点a27、接点com28、接点b29の3接点式のスイッチを搭載している。
【0028】
カム21は駆動用モーターの出力軸24aの先端部に挿入され、枠体16の上面に搭載する形でネジ26により固定されている。カム21の表面には凹凸形状が設けられ、表面平面部には段差部21a、長穴部21bを有し、前記長穴部にはカム軸部21cが突出した形で設けられている。
【0029】
カム軸部21cはカム軸22(上のカム軸部片)、軸カバー23(下のカム軸部片)の2部品で構成され、カム21への取付けは、カム軸22を長穴部21bに下方から挿入し、前記カム軸の軸部22cに軸カバー23を上から係合挿入し、摺動自在になるようにカム21の段差部21aを挟持する形で行っている。カム軸22の座部22b、軸カバー23の座部23aはカム21の段差部21aを挟持し、カム軸部21cに力が加わった時、軸の倒れを少なくし摺動抵抗を軽減させるために設けてある。
【0030】
カム軸22と軸カバー23の固定は前記カム軸に設けた爪部22eと前記軸カバーに設けた角穴部23bの嵌合で行っている。カム軸22の窓部22dは爪部22eが角穴部23bと嵌合する際、前記爪部の部分に弾力性を持たせ、容易に挿入できるようにするために設けてある。
【0031】
カム21に設けたカム軸22の下軸部22aは、枠体16の上面に設けられた楕円溝16aと係合し、前記カムの回転によりカム軸部21cは楕円状に回動する。これにより、前記カム軸部は楕円の長辺、短辺の長さの差により前記カムの径方向で摺動する。
【0032】
次に枠体(バルブケース)17部の構成について説明する。
【0033】
枠体17にはベローズ(弁体)18、押しバネ19、摺動軸20を内蔵し、前記押しバネは摺動軸を押付けベローズ(弁体)で枠体17の水の導入口17a(排水路の口)を塞ぐ形で設けてある。
【0034】
摺動軸20の一端にはツバ部20aを有しベローズ(弁体)18と係合し、他端は長方形リブ20bと連結部20cを有し、長方形リブはカム軸部21cを内包している。
【0035】
カム21が回転することにより、摺動軸20はカム軸部21cを介して往復運動し、ベローズ(弁体)18を開閉する。ベローズ(弁体)が開放される時の排水の流路は図5の矢印で示す通り、導入口17aから入り排水口17cから排出される。17bは受水口ですすぎ時の溢れ水が通り、排水口17cから排出される。
【0036】
以上の構成により、クラッチ切換機能と排水バルブの機能を兼備えたクラッチ切換機能付排水バルブ駆動ユニットの基本構成が成立する。
【0037】
本発明のクラッチ切換機能付排水バルブ駆動ユニット及びこれを有する洗濯機の制御について説明する。
【0038】
図8は制御回路で、駆動用モーター24は電源と接続し、回転及び時間の制御は洗濯機側に搭載されているマイコン30の信号でスイッチ素子31を操作して行う。3接点式スイッチの接点a27、接点b29のON/OFF信号はマイコン30の入力側に接続され、接点com28は駆動用モーターのタンシに接続されている。
【0039】
図9は接点カム25が3r/minで回転した時の接点a27、接点b29のON/OFFのタイムチャート図を示し、接点a、接点bは180度(10秒)毎に交互にOFFする。また、接点a、接点bのON/OFFの状態は、接点aがOFFしている時は接点bが、接点bがOFFしている時は接点aが必ずONし、これ以外の領域では接点a、接点bは共にONしている。これらは接点カム25の外周に設けた凹凸形状で決まる。
【0040】
このことから接点a、接点bのOFF信号で駆動用モーターを停止させ保持することは容易で、接点aがOFFでベローズ(弁体)の閉止(クラッチ切換えは洗濯)、接点bがOFFでベローズ(弁体)開放(クラッチ切換えは脱水)の制御が可能になる。
【0041】
また、接点aOFF点と接点bOFF点の途中で回転を停止させる必要がある場合は、OFF点を起点に時間制御することで可能になる。ただし、OFF点を起点とした場合、接点ONと同時に駆動用モーターが回転しない時はその分制御位置がずれることになる。これを解消するため、OFFからONになった点を起点に時間制御(T1/T2)することが有利である。
【0042】
図10から図17により、クラッチの切換及び排水バルブの動作の詳細について説明する。
図10、図11はカム21表面の詳細形状を示す。
【0043】
(ニ)から(ホ)間は凹、(ヘ)から(ト)(チ)(イ)(ロ)を含み(ハ)までは凸、(ホ)から(ヘ)及び(ハ)から(ニ)は傾斜になっている。カム21は矢印方向に回転し、(ヌ)は接点a27がOFFする位置で、(リ)は接点b29がOFFする位置である。(ヌ)の位置とカム軸部21cの取付け長穴部21の位置は前記操作レバー12と前記ベローズ(弁体)18の取付け方向の関係で約90度ずれている。操作レバー12とベローズ(弁体)18の取付け方向によっては(ヌ)及びカム軸部21cの位置関係は任意に変化する。
【0044】
図12から図17はカム21の回転に伴うクラッチ切換と排水バルブのベローズ(弁体)開閉状態を示す。
【0045】
カム21の回転に沿って順次説明すると、図12は接点aOFFの状態を示し、クラッチ切換部は「洗濯」、排水バルブは「閉止」となっている。この状態は洗濯機の機能の「洗濯」及び「すすぎ」時に該当する。
【0046】
この状態では洗濯機側の操作レバー12の接触指13はカム21の(ヌ)の位置(凹部)にありクラッチ部の切換えは「洗濯」、排水バルブのベローズ(弁体)18は摺動軸20がカム軸部21cで引かれていないため閉止している。
図13はクラッチ切換部が「脱水」、排水バルブは「閉止」の状態を示す。この状態では操作レバー12の接触指13はカム21の傾斜(ホ)から(ヘ)を乗越え(ト)の位置(凸部)にあり、洗濯機側のクラッチ部の切換えは「脱水」となり、排水バルブのベローズ(弁体)18はカム軸21cが楕円溝16aに沿って回動しても、摺動軸20が引かれる位置になく閉止している。
【0047】
図14はクラッチ切換部が「脱水」、排水バルブは「開放直前」の状態を示す。この状態は洗濯機この状態では操作レバー12の接触指13はカム21の(チ)の位置(凸部)にあり、洗濯機側のクラッチ部の切換えは「脱水」で、排水バルブのベローズ(弁体)18はカム軸部21cが更に楕円溝16aに沿って回動しても、摺動軸20が引かれる直前で閉止している。
【0048】
実際の制御はカム軸部21cの位置が図13と図14の中間〔カム21の(ト)と(チ)の中間〕で停止させ、「脱水」の切換点(ト)とベローズ(弁体)の開放点(チ)の間に余裕をとるようにしてある。この状態は洗濯機の機能の「洗濯」及び「すすぎ」時に使用される可能性があり、外槽1に水を入れたまま脱水槽2を回転させることができることから、この機能をうまく利用することにより大きな製品メリットを生出すことができる。
【0049】
ここまでのカム軸部21cの回転で駆動用モーター24に加わる負荷をみると、ベローズ(弁体)18を閉止する押しバネ19の付与力は、クラッチ切換えに要する荷重を受けている接触指13がカム21の傾斜(ホ)から(ヘ)を上り(チ)の位置に至るまで作用することはない。したがって、接触指13が傾斜を上る時に押しバネ19の付与力が作用することはなく、前記駆動用モーター24に加わる負荷を軽減することができる。このことには摺動軸20の長方形リブ20bの大きさに係合いがあり、大きさはカム軸部21cがカム21の(チ)の位置まできた時にバルブ軸20を引き始めるようにすることが重要である。
【0050】
また、ベローズ(弁体)18は図14の位置まで完全に閉止する必要がある。摺動軸20を操作するカム軸部21cをカム21と一体とし、同一円周上で回転させることも考えられるが、この場合は前記カム軸部の回転半径が大きくなり、前記カムの(チ)の位置で摺動軸20の連結部20cが大きく反り、前記バルブ軸全体を傾かせる荷重が増え、ベローズ(弁体)18の座りが安定せず水封性が悪くなる可能性がある。
【0051】
また、カム軸部21cの回転半径が大きくなることで、ベローズ(弁体)18を閉止する押しバネ19の付与力が作用する領域では駆動用モーター24の負荷が増える。
【0052】
このため、カム21とカム軸部21cを別体とし、枠体16に設けた楕円溝16aを回動させることは重要で、前記カム軸部が前記カムの(チ)の位置にある時は前記楕円溝の短辺に位置するようにすることで、摺動軸20の連結部20cの反りを極力小さくした。また、ベローズ(弁体)18を閉止する押しバネ19の付与力が作用する領域ではカム軸部21cの回転半径は小さくなり、駆動用モーター24の負荷を軽減することができる。
【0053】
図15はクラッチ切換部が「脱水」、排水バルブは「全開」の状態を示す。この状態は洗濯機の「脱水」機能に該当する。
【0054】
この状態では操作レバー12の接触指13はカム21の(リ)の位置(凸部)にあり、洗濯機側のクラッチ部の切換えは「脱水」で、排水バルブのベローズ(弁体)18はカム軸部21cが楕円溝16aに沿って回動し、摺動軸20は引かれ開放(全開)する。
【0055】
図16と図17はカム21の回転の戻り側(ベローズ(弁体)18が閉止に向かう側)の状態を示し、図16は図14と、図17は図13とクラッチ切換え及び排水バルブの開閉の機能は全く同じである。図16と図17(戻り側)を使用する場合の位置制御は接点b29がOFFまたはONした点を起点に時間制御することになる。
【0056】
図14側(上り側)、または図16側(戻り側)を使用するかは任意であるが、脱水槽2を回転させて洗濯した後に、図12の位置セットし攪拌翼3を回して洗濯を行なう場合には図14側(上り側)よりも図16(戻り)側を使用するのが好ましい。図14側を使用すると、図15のところで短い時間であるが、排水バルブのベローズ(弁体)18が開放するため、外槽1内の水はその間排水されることになる。排水される水量は駆動用モーター24の回転速度にもよるが、規定水量から減ることになる。これに対し、図16(戻り側)を使用すると、排水されることがなく、洗濯時の布動きに影響なく、一定の洗浄が得られる良さがある。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、従来の排水バルブの駆動用モーターに取付けられるカムの形状及び部品構成を工夫することにより、クラッチ切換え操作部と排水バルブ部を1つの製品にまとめることができるため、類似部品の重複使用がなくなり安価で高性能のクラッチ切換機能付排水バルブ駆動ユニットを得ることができる。
また、カムに設けたカム軸部を2分割し下方側端部を枠体の楕円溝と係合し回動できるようにすることで、摺動軸の傾きを抑えベローズ(弁体)の閉止を安定させ、駆動用モーターに加わる負荷を軽減することができる。また、前記カム軸部は2分割し挿入方式の爪嵌合とすることで、簡単な構成で確実に固定することができる。
【0058】
また、駆動用モーターに取付けられるカム表面の凹凸形状とベローズ(弁体)と係合する摺動軸先端に設けた長方形リブの大きさを規定し、前記カムの回転位置を3接点式のスイッチと接点カムで適宜操作することで、クラッチ切換えは「脱水」、排水バルブは「閉止」の機能を得ることができる。この機能を活用することで新しい洗濯方法が開発できる可能があり大きな効果が得られる。
【0059】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す洗濯機(洗濯時)外槽下部の概略図。
【図2】本発明の一実施例を示す洗濯機(脱水時)外槽下部の概略図。
【図3】図1、図2の下面図。
【図4】本発明の一実施例を示すクラッチ切換機能付排水バルブ駆動ユニットの平面図。
【図5】図4の主要部断面図。
【図6】図4の3接点式スイッチ部の詳細図。
【図7】本発明の一実施例を示すカム軸部の詳細図。
【図8】本発明の一実施例を示すクラッチ切換機能付排水バルブ駆動ユニットの制御回路図。
【図9】図4の3接点式スイッチのタイムチャート図。
【図10】本発明の一実施例を示すカムの詳細図。
【図11】図10の側面図。
【図12】本発明の一実施例を示すカム体の回転にともなう動作図。
【図13】本発明の一実施例を示すカム体の回転にともなう動作図。
【図14】本発明の一実施例を示すカム体の回転にともなう動作図。
【図15】本発明の一実施例を示すカム体の回転にともなう動作図。
【図16】本発明の一実施例を示すカム体の回転にともなう動作図。
【図17】本発明の一実施例を示すカム体の回転にともなう動作図。
【符号の説明】
1…外槽、2…脱水槽、3…攪拌翼、4…電動機、5…クラッチ部、6…ベルト、7…従動プーリ、8…ベース、9…スライダー、10…カラー、11…操作バネ、12…操作レバー、13…接触指、14…支点部、15…クラッチ切換機能付排水バルブ駆動ユニット、16…枠体(モーターケース)、16a…楕円溝、17…枠体(バルブケース)、18…ベローズ、19…押しバネ、20…摺動軸、20b…長方形リブ、20c…連結部、21…カム、21a…段差部、21b…長穴部、21c…カム軸部、22…カム軸、22a…下軸部、22b…座部、22c…軸部、22d…窓部、22e…爪部、23…軸カバー、23a…座部、23b…角穴部、24…駆動用モーター、24a…出力軸、25…接点カム、26…ネジ、27…接点a、28…接点com、29…接点b、30…マイコン、31…スイッチ素子。
Claims (2)
- 弁体を備える排水バルブと、前記弁体の開け閉め操作を行う駆動用モーターと、この駆動用モーターの出力軸に支持され、前記開け閉め操作の力を前記弁体に伝えるカム体とを有し、このカム体の回転でクラッチの切り換え操作をもするクラッチ切換機能付排水バルブ駆動ユニットにおいて、
前記出力軸に支持されるカム体は、駆動用モーターを収納するモータケースの外に設けられ、
前記カム体は、カム体の回転軸心より偏在して設けられ、かつ前記弁体が連結されるカム軸部と、前記カム軸部よりも外周側に配置され、かつ前記クラッチを操作するレバーが摺動自在に当接する凹凸を有し、
前記駆動用モーターと向き合わない前記カム体の反対端面側に突き出る前記カム軸部に前記弁体を連結するとともに同じ反対端面側の表面に前記凹凸を設けたことを特徴とするクラッチ切換機能付排水バルブ駆動ユニット。 - 請求項1記載のクラッチ切換機能付排水バルブ駆動ユニットにおいて、
前記カム体の回転で、前記カム軸部はカム体の回転軸心を中心として楕円形状の軌跡を描くような動きがとれるように支持され、かつ楕円形状の長辺(長径)の向きが前記往復作動の向きと同じ方向なるように構成されていることを特徴とするクラッチ切換機能付排水バルブ駆動ユニット。
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