JP4298247B2 - 高流動コンクリート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬化前には、自己充填性(高い流動性)及び良好な材料分離抵抗性を有し、施工性に極めて優れるとともに、硬化後には、圧縮強度等の機械的特性に優れる高流動コンクリートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、圧縮強度等の機械的特性に優れるコンクリートの開発が行なわれている。
例えば、粒径50Å〜0.5μmの無機固体粒子A(例えば、シリカダスト粒子)と、粒径0.5〜100μmかつ粒子Aより少なくとも1オーダー大きい固体粒子B(例えば、少なくとも20質量%がポルトランドセメントからなるもの)と、表面活性分散剤(例えば、高縮合ナフタレンスルホン酸/ホルムアルデヒド縮合体等のコンクリートスーパープラスチサイザー)と、追加の素材C(石、金属繊維等からなる群より選択されるもの)とを含む水硬性複合材料(コンクリート)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この文献に記載されている水硬性複合材料は、硬化後に100MPa以上の圧縮強度を有し、機械的特性に優れる。
【0003】
【特許文献1】
特公昭60−59182号公報(請求の範囲、第32頁63欄第1表)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、機械的特性(圧縮強度等)に優れるコンクリートは、次のような利点を有する。
▲1▼ 現場打ちで建築物等を構築する場合には、コンクリート層の厚さを薄くすることができるので、コンクリートの打設量が少なくなり、労力の軽減、コストの削減、利用空間の増大等を図ることができる。
▲2▼ プレキャスト部材を製造する場合には、該プレキャスト部材の厚さを薄くすることができるので、軽量化を図ることができ、運搬や施工が容易になる。
▲3▼ 耐摩耗性や、中性化・クリープ等に対する耐久性が向上する。
現在、これらの利点▲1▼〜▲3▼に鑑みて、前述の特許文献1に開示された水硬性複合材料(コンクリート)よりも機械的特性に優れるコンクリートが望まれている。
【0005】
また、現場打ちで建築物等を構築する場合や、プレキャスト部材を製造する場合においては、コンクリートの打設時間の短縮化や、打設後のコンクリート等に加える振動の所要時間の短縮化等の観点から、流動性及び材料分離抵抗性に優れる高流動コンクリートを用いることが有利である。
【0006】
しかしながら、前述の特許文献1に開示された水硬性複合材料(コンクリート)では、硬化前における流動性及び材料分離抵抗性の向上と、硬化後の機械的特性(圧縮強度等)の向上を両立させることは、困難であった。例えば、120MPaを超える圧縮強度を発現させようとする場合には、水/結合材比を小さくする必要があるため、流動性が小さくなり、自己充填性が得られない。一方、自己充填性を確保しようとすると、水/結合材比及び減水剤の量が大きくなり、120MPaを超える圧縮強度を発現することは困難である。
そこで、本発明は、硬化前には、自己充填性(高い流動性)及び良好な材料分離抵抗性を有し、施工性に優れるとともに、硬化後には、120MPaを超える圧縮強度を有する等、機械的特性に優れる高流動コンクリートを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、特定の粒度を有する材料を特定の配合割合で配合させることによって、上記目的を達成することができるとの知見を得、本発明に到達した。
すなわち、本発明(請求項1)の高流動コンクリートは、(A)ブレーン比表面積2,500〜5,000cm2/gのセメント100質量部と、(B)BET比表面積5〜25m2/gの微粒子10〜40質量部と、(C)ブレーン比表面積5,000〜30,000cm2/gの無機粒子A10〜50質量部と、(H)ブレーン比表面積2,000〜5,000cm 2 /gの無機粒子B5〜35質量部と、(D)細骨材と、(E)粗骨材と、(F)減水剤と、(G)水とを含み、かつ、上記無機粒子Aが、上記セメント及び上記無機粒子Bよりも大きなブレーン比表面積を有しており、上記セメントと上記無機粒子Bのブレーン比表面積の差が、100 cm 2 /g以上であり、上記無機粒子Aと上記無機粒子Bの合計量が、上記セメント100質量部に対して10質量部を超え、55質量部以下であり、上記水の量が、上記セメント、微粒子、無機粒子A及び無機粒子Bの合計量100質量部に対して10〜30質量部であることを特徴とする。
このように構成した高流動コンクリートは、硬化前には、自己充填性(高い流動性)及び良好な材料分離抵抗性を有し、施工性に優れるとともに、硬化後には、120MPaを超える圧縮強度を有する等、機械的特性に優れる。
【0009】
上記高流動コンクリートは、金属繊維、有機繊維及び炭素繊維からなる群より選ばれる1種以上の繊維を含むことができる(請求項2)。
このように金属繊維等の繊維を含むことによって、曲げ強度等を向上させることができる。
上記高流動コンクリートは、「JIS A 1150(コンクリートのスランプフロー試験方法)」に準じて測定されるスランプフロー値が45〜80cmであり、かつ、材齢91日まで水中養生した後の圧縮強度が120N/mm2以上である物性を有することができる(請求項3)。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する
本発明で使用するセメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントが挙げられる。
本発明において、コンクリートの早期強度を向上させようとする場合には、早強ポルトランドセメントを使用することが好ましく、コンクリートの流動性を向上させようとする場合には、中庸熱ポルトランドセメントや低熱ポルトランドセメントを使用することが好ましい。
【0011】
セメントのブレーン比表面積は、2,500〜5,000cm2/g、好ましくは3,000〜4,500cm2/gである。該値が2,500cm2/g未満であると、水和反応が不活発になって、120MPaを超える圧縮強度が得られ難い等の欠点があり、5,000cm2/gを超えると、セメントの粉砕に時間がかかり、また、所定の流動性を得るための水量が多くなるため、硬化後の収縮量が大きくなる等の欠点がある。
【0012】
本発明で使用する微粒子としては、シリカフューム、シリカダスト、フライアッシュ、スラグ、火山灰、シリカゾル、沈降シリカ等が挙げられる。
一般に、シリカフュームやシリカダストは、そのBET比表面積が5〜25m2/gであり、粉砕等をする必要がないので、本発明の微粒子として好適である。
【0013】
微粒子のBET比表面積は、5〜25m2/gである。該値が5m2/g未満であると、コンクリートを構成する粒子の充填性に緻密さを欠くため、120MPaを超える圧縮強度が得られ難い等の欠点があり、25m2/gを超えると、所定の流動性を得るための水量が多くなるため、120MPaを超える圧縮強度が得られ難い等の欠点がある。
【0014】
微粒子の配合量は、セメント100質量部に対して10〜40質量部、好ましくは20〜40質量部である。配合量が10質量部未満では、120MPaを超える圧縮強度を発現させることが困難となり、機械的特性が低下するとともに、流動性が極端に低下する。一方、配合量が40質量部を超えると、流動性が低下する。
【0015】
無機粒子A及び必要に応じて配合される無機粒子Bは、セメント以外の無機粒子であり、スラグ、石灰石粉末、長石類、ムライト類、アルミナ粉末、石英粉末、フライアッシュ、火山灰、シリカゾル、炭化物粉末、窒化物粉末等が挙げられる。中でも、スラグ、石灰石粉末、石英粉末は、コストの点や硬化後の品質安定性の点で好ましく用いられる。
なお、無機粒子Aと無機粒子Bは、同じ種類の粉末を使用してもよいし、異なる種類の粉末を使用してもよい。
【0016】
無機粒子Aは、ブレーン比表面積が5,000〜30,000cm2/g、好ましくは6,000〜20,000cm2/gのものである。このブレーン比表面積の数値範囲内であれば、無機粒子Aとして、2種以上の無機粒子を用いてもよい。
また、無機粒子Aは、セメント及び必要に応じて配合される無機粒子Bよりもブレーン比表面積が大きいものである。
無機粒子Aのブレーン比表面積が5,000cm2/g未満であると、セメントとのブレーン比表面積の差が小さくなり、自己充填性を確保することが困難になる等の欠点があり、30,000cm2/gを超えると、粉砕に手間がかかるため、材料が入手し難くなったり、所定の流動性が得られ難くなる等の欠点がある。
また、無機粒子Aが、セメント及び必要に応じて配合される無機粒子Bよりも大きなブレーン比表面積を有することによって、無機粒子Aが、セメント及び必要に応じて配合される無機粒子Bと、微粒子との間隙を埋めるような粒度を有することになり、自己充填性等を確保することができる。
【0017】
無機粒子Aとセメントのブレーン比表面積の差は、硬化前の作業性(施工性)と硬化後の強度発現性の観点から、1,000cm2/g以上が好ましく、2,000cm2/g以上がより好ましい。
また、無機粒子Bを配合する場合、無機粒子Aと無機粒子Bのブレーン比表面積の差は、硬化前の作業性(施工性)と硬化後の強度発現性の観点から、1,000cm2/g以上が好ましく、2,000cm2/g以上がより好ましい。
【0018】
無機粒子Aの配合量は、セメント100質量部に対して10〜50質量部、好ましくは15〜40質量部である。配合量が10質量部未満では、流動性が低下する。一方、配合量が50質量部を超えると、硬化後120MPaを超える圧縮強度を発現させようとした場合、自己充填性を確保することが困難となり、施工性が極端に低下する。
【0019】
無機粒子Bのブレーン比表面積は、2,000〜5,000cm2/gである。また、セメントと無機粒子Bとのブレーン比表面積の差は、硬化前の作業性(施工性)と硬化後の強度発現性の観点から、好ましくは100cm2/g以上、より好ましくは200cm2/g以上である。
無機粒子Bのブレーン比表面積が2,000cm2/g未満であると、自己充填性を確保することが困難になるおそれがある。
【0020】
無機粒子Bの配合量は、セメント100質量部に対して35質量部以下、好ましくは5〜35質量部、より好ましくは10〜30質量部である。配合量が35質量部を超えると、硬化後120MPaを超える圧縮強度を発現させようとした場合、流動性が低下し、施工性が低下するおそれがある。
無機粒子Bを配合する場合、無機粒子Aと無機粒子Bの合計量は、セメント100質量部に対して10質量部を超え、55質量部以下、好ましくは25〜55質量部である。合計量が55質量部を超えると、硬化後120MPaを超える圧縮強度を発現させようとした場合、自己充填性を確保することが困難となり、施工性が極端に低下するおそれがある。
【0021】
細骨材としては、通常のコンクリートに使用する細骨材を使用することができる。具体的には、例えば、川砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂等又はこれらの混合物が挙げられる。
細骨材の配合量は、高流動コンクリートの作業性等の観点から、セメント、微粒子、無機粒子A及び及び必要に応じて配合される無機粒子Bの合計量100質量部に対して、好ましくは30〜100質量部である。
なお、細骨材は、75μm以下の粒子の含有量が2.0質量%以下のものを用いることが好ましい。該細骨材を用いることによって、無機粒子Bを配合しない結合材において、該結合材の量が多い高流動コンクリートの作業性等が良好になる。
【0022】
粗骨材としては、通常のコンクリートに使用する粗骨材を使用することができる。具体的には、例えば、砂利、砕石等又はこれらの混合物が挙げられる。
粗骨材の配合量は、高流動コンクリートの作業性等の観点から、セメント、微粒子、無機粒子A及び及び必要に応じて配合される無機粒子Bの合計量100質量部に対して、好ましくは50〜150質量部である。
【0023】
減水剤としては、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系の減水剤、AE減水剤、高性能減水剤又は高性能AE減水剤を使用することができる。これらのうち、減水効果の大きな高性能減水剤又は高性能AE減水剤を使用することが好ましい。
【0024】
減水剤の配合量は、セメント、微粒子、無機粒子A及び必要に応じて配合される無機粒子Bの合計量100質量部に対して、固形分換算で0.1〜4.0質量部が好ましく、0.2〜1.0質量部がより好ましい。配合量が0.1質量部未満では、混練が困難になるとともに、流動性が低くなり、自己充填性が得られない。配合量が4.0質量部を超えると、材料分離や著しい凝結遅延が生じ、また、硬化後の機械的特性が低下することもある。
なお、減水剤は、液状または粉末状のいずれでも使用することができる。
【0025】
水の量は、セメント、微粒子、無機粒子A及び必要に応じて配合される無機粒子Bの合計量100質量部に対して、好ましくは10〜30質量部、より好ましくは12〜25質量部である。水の量が10質量部未満では、混練が困難になるとともに、流動性が低下し、自己充填性が得られない。水の量が30質量部を超えると、硬化後の機械的特性(圧縮強度等)が低下する。
【0026】
本発明においては、硬化後の曲げ強度等を大幅に高める観点から、高流動コンクリート中に金属繊維、有機繊維及び炭素繊維から選ばれる1種以上の繊維を含ませることが好ましい。
金属繊維としては、鋼繊維、ステンレス繊維、アモルファス繊維等が挙げられる。中でも、鋼繊維は、強度に優れており、また、コストや入手のし易さの点からも好ましいものである。金属繊維の寸法は、高流動コンクリート中における金属繊維の材料分離の防止や、硬化後の曲げ強度の向上の点から、直径が0.01〜1.0mm、長さが2〜30mmであることが好ましく、直径が0.05〜0.5mm、長さが5〜25mmであることがより好ましい。また、金属繊維のアスペクト比(繊維長/繊維直径)は、好ましくは20〜200、より好ましくは40〜150である。
【0027】
金属繊維の形状は、直線状よりも、何らかの物理的付着力を付与する形状(例えば、螺旋状や波形)が好ましい。螺旋状等の形状にすれば、金属繊維とマトリックスとが引き抜けながら応力を担保するため、曲げ強度が向上する。
【0028】
金属繊維の好適な例としては、例えば、直径が0.5mm以下、引張強度が1〜3.5GPaの鋼繊維からなり、かつ、120MPaの圧縮強度を有する高流動コンクリートに対する界面付着強度(付着面の単位面積当たりの最大引張力)が3MPa以上であるものが挙げられる。本例において、金属繊維は、波形または螺旋形の形状に加工することができる。また、本例の金属繊維の周面上に、マトリックスに対する運動(長手方向の滑り)に抵抗するための溝または突起を付けることもできる。また、本例の金属繊維は、鋼繊維の表面に、鋼繊維のヤング係数よりも小さなヤング係数を有する金属層(例えば、亜鉛、錫、銅、アルミニウム等から選ばれる1種以上からなるもの)を設けたものとしてもよい。
【0029】
金属繊維の配合量は、高流動コンクリート中の体積百分率で、好ましくは4%以下、より好ましくは0.5〜3%、特に好ましくは1〜3%である。配合量が4%を超えると、混練時の作業性等を確保するために単位水量が増大するうえ、配合量を増やしても金属繊維の補強効果が向上しないため、経済的でなく、さらに、混練物中でいわゆるファイバーボールを生じ易くなるので、好ましくない。
【0030】
有機繊維としては、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、アラミド繊維等が挙げられる。
有機繊維の寸法は、高流動コンクリート中における有機繊維の材料分離の防止や、硬化後の破壊エネルギーの向上の点から、直径が0.005〜1.0mm、長さが2〜30mmであることが好ましく、直径が0.01〜0.5mm、長さが5〜25mmであることがより好ましい。また、有機繊維のアスペクト比(繊維長/繊維直径)は、好ましくは20〜200、より好ましくは30〜150である。
有機繊維の配合量は、高流動コンクリート中の体積百分率で、好ましくは10%以下、より好ましくは1〜9%、特に好ましくは2〜8%である。配合量が10%を超えると、混練時の作業性等を確保するために単位水量が増大するうえ、配合量を増やしても有機繊維の補強効果が向上しないため、経済的でなく、さらに、混練物中でいわゆるファイバーボールを生じ易くなるので、好ましくない。
炭素繊維としては、PAN系炭素繊維やピッチ系炭素繊維が挙げられる。
炭素繊維の寸法及び配合量は、上述の有機繊維と同様である。
【0031】
本発明において、高流動コンクリートのスランプフロー値は、作業性や材料の分離防止等の観点から、好ましくは45〜80cm、より好ましくは50〜78cmである。
なお、本明細書中において、スランプフロー値とは、「JIS A 1150(コンクリートのスランプフロー)」の試験方法に準じて測定された値をいう。
上記スランプフロー試験において、スランプフローが50cmに達するまでの時間は、作業性等の観点から、好ましくは35秒以下、より好ましくは30秒以下である。
【0032】
本発明において、高流動コンクリートのVロート通過時間は、作業性等の観点から、好ましくは85秒以下、より好ましくは75秒以下である。
なお、本明細書中において、Vロート通過時間とは、土木学会規準コンクリート標準示方書「JSCE-F 512」の試験方法に準じて測定された値をいう。
本発明において、高流動コンクリートを材齢91日まで水中養生した後の圧縮強度は、好ましくは120N/mm2以上、より好ましくは130N/mm2以上、さらに好ましくは140N/mm2以上、特に好ましくは150N/mm2以上である。
本発明において、高流動コンクリートを材齢28日まで水中養生した後の圧縮強度は、好ましくは100N/mm2以上、より好ましくは105N/mm2以上、特に好ましくは110N/mm2以上である。
なお、本明細書中において、圧縮強度とは、「JIS A 1108(コンクリートの圧縮強度試験方法)」の試験方法に準じて測定された値をいう。
【0033】
本発明の高流動コンクリートの混練方法は、特に限定されるものではなく、例えば、(a)水、減水剤、粗骨材以外の材料(具体的には、セメント、微粒子、無機粒子A、無機粒子B及び細骨材)を予め混合して、プレミックス材を調製しておき、該プレミックス材、水、減水剤及び粗骨材をミキサに投入し、混練する方法、(b)粉末状の減水剤を用意し、水、粗骨材以外の材料(具体的には、セメント、微粒子、無機粒子A、無機粒子B、減水剤及び細骨材)を予め混合して、プレミックス材を調製しておき、該プレミックス材、水及び粗骨材をミキサに投入し、混練する方法、(c)各材料を各々個別にミキサに投入し、混練する方法、等を採用することができる。
【0034】
混練に用いるミキサは、通常のコンクリートの混練に用いられるどのタイプのものでもよく、例えば、揺動型ミキサ、パンタイプミキサ、二軸練りミキサ等が用いられる。また、養生方法も特に限定するものではなく、気中養生や蒸気養生等を行なえばよい。
【0035】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。
[1.使用材料]
以下に示す材料を使用した。
【0036】
[2.コンクリートの配合及び混練]
表1に示す配合の結合材及びその他の材料を使用して、表2に示す配合のコンクリートを調製した。混練は、2軸強制練りミキサ(0.1m3)を用いて、180秒間行なった。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
[3.評価]
調製されたコンクリートの物性を次のようにして評価した。
(1)スランプフロー
「JIS A 1150(コンクリートのスランプフロー試験方法)」に準じて、スランプフロー値を求めた。
(2)50cm到達時間
上記スランプフロー試験において、スランプフローが50cmに達するまでの時間を測定した。
(3)Vロート通過時間
土木学会規準コンクリート標準示方書「JSCE-F 512」に準じて、Vロート通過時間を測定した。
(4)圧縮強度
各配合物を、φ10×20cmの型枠を用いて成形した。成形後、2日間型枠内で養生し、脱型した。その後、材齢28、91日まで水中養生し、「JIS A 1108(コンクリートの圧縮強度試験方法)」に準じて圧縮強度を測定した。
結果を表3に示す。
【0040】
【表3】
【0041】
表3から、本発明の高流動コンクリート(実施例1〜18)では、水/結合材比が13〜20質量%と小さい場合であっても、スランプフロー値が67〜75cm、スランプフローの50cm到達時間が7〜27秒、Vロート通過時間が27〜69秒であり、作業性や施工性に優れることがわかる。また、本発明の高流動コンクリートでは、材齢28日で100N/mm2以上、材齢91日で140N/mm2以上の高強度を発現することがわかる。
一方、セメントと微粒子(シリカフューム)のみを含む結合材を用いた比較例1、2のコンクリートでは、スランプフロー値、スランプフローの50cm到達時間、及びVロート通過時間が、高流動コンクリート(実施例1〜18)における値と比べて劣り、作業性や施工性が劣るものであった。
また、セメントと無機粒子のみを含む結合材を用いた比較例3、4のコンクリートでは、スランプフロー値、スランプフローの50cm到達時間、及びVロート通過時間が、高流動コンクリート(実施例1〜18)における値と比べて劣り、作業性や施工性が劣るものであった。
【0042】
【発明の効果】
本発明の高流動コンクリートは、硬化前には、自己充填性(高い流動性)及び良好な材料分離抵抗性を有し、施工性に極めて優れるとともに、硬化後には、120MPaを超える圧縮強度を有する等、機械的特性に優れる。
Claims (3)
- (A)ブレーン比表面積2,500〜5,000cm2/gのセメント100質量部と、(B)BET比表面積5〜25m2/gの微粒子10〜40質量部と、(C)ブレーン比表面積5,000〜30,000cm2/gの無機粒子A10〜50質量部と、(H)ブレーン比表面積2,000〜5,000cm 2 /gの無機粒子B5〜35質量部と、(D)細骨材と、(E)粗骨材と、(F)減水剤と、(G)水とを含み、かつ、上記無機粒子Aが、上記セメント及び上記無機粒子Bよりも大きなブレーン比表面積を有しており、上記セメントと上記無機粒子Bのブレーン比表面積の差が、100 cm 2 /g以上であり、上記無機粒子Aと上記無機粒子Bの合計量が、上記セメント100質量部に対して10質量部を超え、55質量部以下であり、上記水の量が、上記セメント、微粒子、無機粒子A及び無機粒子Bの合計量100質量部に対して10〜30質量部であることを特徴とする高流動コンクリート。
- 金属繊維、有機繊維及び炭素繊維からなる群より選ばれる1種以上の繊維を含む請求項1に記載の高流動コンクリート。
- 「JIS A 1150(コンクリートのスランプフロー試験方法)」に準じて測定されるスランプフロー値が45〜80cmであり、かつ、材齢91日まで水中養生した後の圧縮強度が120N/mm2以上である請求項1又は2に記載の高流動コンクリート。
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