JP4297321B2 - 半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよびこれを用いたラマン増幅器 - Google Patents

半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよびこれを用いたラマン増幅器 Download PDF

Info

Publication number
JP4297321B2
JP4297321B2 JP2002218881A JP2002218881A JP4297321B2 JP 4297321 B2 JP4297321 B2 JP 4297321B2 JP 2002218881 A JP2002218881 A JP 2002218881A JP 2002218881 A JP2002218881 A JP 2002218881A JP 4297321 B2 JP4297321 B2 JP 4297321B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semiconductor laser
diffraction grating
laser device
wavelength
oscillation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2002218881A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003110194A (ja
Inventor
順自 吉田
直樹 築地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Original Assignee
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD. filed Critical THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Priority to JP2002218881A priority Critical patent/JP4297321B2/ja
Publication of JP2003110194A publication Critical patent/JP2003110194A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4297321B2 publication Critical patent/JP4297321B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
  • Semiconductor Lasers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エルビウム添加ファイバ増幅器(EDFA:Erbium Doped Fiber Amplifier)やラマン増幅器などの励起用光源に適した半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよびこれを用いたラマン増幅器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットをはじめとする様々なマルチメディアの普及に伴って、光通信に対する大容量化の要求が大きくなっている。従来、光通信では、光ファイバによる光の吸収が少ない波長である1310nmもしくは1550nmの帯域において、それぞれ単一の波長による伝送が一般的であった。この方式では、多くの情報を伝達するためには伝送経路に敷設する光ファイバの芯数を増やす必要があり、伝送容量の増加に伴ってコストが増加するという問題点があった。
【0003】
そこで、高密度波長分割多重(DWDM:Dense-Wavelength Division Multiplexing)通信方式が用いられるようになった。このDWDM通信方式は、主にEDFAを用い、この動作帯域である1550nm帯において、複数の波長を使用して伝送を行う方式である。このDWDM通信方式あるいはWDM通信方式では、1本の光ファイバを用いて複数の異なる波長の光信号を同時に伝送することから、新たな線路を敷設する必要がなく、ネットワークの伝送容量の飛躍的な増加をもたらすことを可能としている。
【0004】
このEDFAを用いた一般的なWDM通信方式では、利得平坦化の容易な1550nm帯から実用化され、最近では、利得係数が小さいために利用されていなかった1580nm帯にまで拡大している。しかしながら、EDFAで増幅可能な帯域に比して光ファイバの低損失帯域の方が広いことから、EDFAの帯域外で動作する光増幅器、すなわちラマン増幅器への関心が高まっている。
【0005】
エルビウムのような希土類イオンを媒体とした光増幅器がイオンのエネルギー準位によって利得波長帯が決まるのに対し、ラマン増幅器は、励起光の波長によって利得波長帯が決まるという特徴を持ち、励起光波長を選択することによって任意の波長帯を増幅することができる。
【0006】
ラマン増幅では、光ファイバに強い励起光を入射すると、誘導ラマン散乱によって、励起光波長から約100nm程度長波長側に利得が現れ、この励起された状態の光ファイバに、この利得を有する波長帯域の信号光を入射すると、この信号光が増幅されるというものである。したがって、ラマン増幅器を用いたWDM通信方式では、EDFAを用いた通信方式に比して、信号光のチャネル数をさらに増加させることができる。
【0007】
図31は、WDM通信システムに用いられる従来のラマン増幅器の構成を示すブロック図である。図31において、ファブリペロー型の半導体発光素子180a〜180dとファイバグレーティング181a〜181dとがそれぞれ対となった半導体レーザモジュール182a〜182dは、励起光のもとになるレーザ光を偏波合成カプラ61a,61bに出力する。各半導体レーザモジュール182a,182bが出力するレーザ光の波長は同じであるが、偏波合成カプラ61aによって異なる偏波面をもった光を合成している。同様にして、各半導体レーザモジュール182c,182dが出力するレーザ光の波長は同じであるが、偏波合成カプラ61bによって異なる偏波面をもった光を合成している。偏波合成カプラ61a,61bは、それぞれ偏波合成したレーザ光をWDMカプラ62に出力する。なお、偏波合成カプラ61a,61bから出力されるレーザ光の波長は異なる。
【0008】
WDMカプラ62は、アイソレータ60を介して偏波合成カプラ61a,61bから出力されたレーザ光を合波し、WDMカプラ65を介し、励起光として増幅用ファイバ64に出力する。この励起光が入力された増幅用ファイバ64には、増幅対象の信号光が、信号光入力ファイバ69からアイソレータ63を介して入力され、励起光と合波してラマン増幅される。
【0009】
増幅用ファイバ64内においてラマン増幅された信号光(増幅信号光)は、WDMカプラ65およびアイソレータ66を介してモニタ光分配用カプラ67に入力される。モニタ光分配用カプラ67は、増幅信号光の一部を制御回路68に出力し、残りの増幅信号光を出力レーザ光として信号光出力ファイバ70に出力する。
【0010】
制御回路68は、入力された一部の増幅信号光をもとに各半導体発光素子180a〜180dの発光状態、たとえば光強度を制御し、ラマン増幅の利得帯域が平坦な特性となるようにフィードバック制御する。
【0011】
図32は、ファイバグレーティングを用いた半導体レーザモジュールの概要構成を示す図である。図32において、この半導体レーザモジュール201は、半導体発光素子202と光ファイバ203とを有する。半導体発光素子202は、活性層221を有する。活性層221は、一端に光反射面222が設けられ、他端に光出射面223が設けられる。活性層221内で生じた光は、光反射面222で反射して、光出射面223から出力される。
【0012】
半導体発光素子202の光出射面223には、光ファイバ203が配置され、光出射面223と光結合される。光ファイバ203内のコア232には、光出射面223から所定位置にファイバグレーティング233が形成され、ファイバグレーティング233は、特性波長の光を選択的に反射する。すなわち、ファイバグレーティング233は、外部共振器として機能し、ファイバグレーティング233と光反射面222との間で共振器を形成し、ファイバグレーティング233によって選択された特定波長のレーザ光が増幅されて出力レーザ光241として出力される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した半導体レーザモジュール201(182a〜182d)は、ファイバグレーティング233と半導体発光素子202との間隔が長いため、ファイバグレーティング233と光反射面222との間の共振によって相対強度雑音(RIN:Relative Intensity Noise)が大きくなる。ラマン増幅では、増幅の生じる過程が早く起こるため、励起光強度が揺らいでいると、ラマン利得も揺らぐことになり、このラマン利得の揺らぎがそのまま増幅された信号強度の揺らぎとして出力されてしまい、安定したラマン増幅を行わせることができないという問題点があった。
【0014】
また、上述した半導体レーザモジュール201は、ファイバグレーティング233を有した光ファイバ203と、半導体発光素子202とを光結合する必要があり、組立時の光軸合わせに時間と労力とがかかるとともに、共振器内における機械的な光結合であるために、レーザの発振特性が機械的振動などによって変化してしまうおそれがあり、安定した励起光を提供することができない場合が生じるという問題点があった。
【0015】
なお、ラマン増幅器としては、図31に示したラマン増幅器のように信号光に対して後方から励起する後方励起方式のほかに、信号光に対して前方から励起する前方励起方式および双方向から励起する双方向励起方式がある。現在、ラマン増幅器として多用されているのは、後方励起方式である。その理由は、弱い信号光が強い励起光とともに同方向に進行する前方励起方式では、励起光強度が揺らぐという問題があるからである。したがって、前方励起方式にも適用できる安定した励起光源の出現が要望されている。すなわち、従来のファイバグレーティングを用いた半導体レーザモジュールを用いると、適用できる励起方式が制限されるという問題点があった。
【0016】
また、ラマン増幅器におけるラマン増幅では、信号光の偏波方向と励起光の偏波方向とが一致することを条件としている。すなわち、ラマン増幅では、増幅利得の偏波依存性があり、信号光の偏波方向と励起光の偏波方向とのずれによる影響を小さくする必要がある。ここで、後方励起方式の場合、信号光は、伝搬中に偏波がランダムとなるため、問題は生じないが、前方励起方式の場合、偏波依存性が強く、励起光の直交偏波合成、デボラライズなどによって偏波依存性を小さくする必要がある。すなわち、偏光度(DOP:Degree Of Polarization)を小さくする必要がある。
【0017】
さらに、ラマン増幅は、得られる増幅率が比較的低いため、高出力のラマン増幅用励起光源の出現が望まれていた。
【0018】
この発明は上記に鑑みてなされたもので、安定し、高利得を得ることができるラマン増幅器用光源に適した半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよびこれを用いたラマン増幅器を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明にかかる半導体レーザ装置は、レーザ光を発光する活性層の出力側または反射側あるいは出力側および反射側の双方に回折格子を設け、前記活性層が形成する利得領域と前記回折格子の波長選択特性とを含む発振パラメータの組み合わせ設定によって発振波長スペクトルの半値幅内に2本以上の発振縦モードを含むレーザ光を出力することを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、レーザ光を発光する活性層の出力側または反射側あるいは出力側および反射側の双方に回折格子を設け、前記活性層が形成する利得領域と前記回折格子の波長選択特性とを含む発振パラメータの組み合わせ設定によって発振波長スペクトルの半値幅内に2本以上の発振縦モードを含むレーザ光を出力するようにしている。
【0021】
この発明によれば、前記回折格子の波長選択特性とを含む発振パラメータの組み合わせ設定によって、波長が安定化され、かつ発振波長スペクトルの半値幅内に2本以上、好ましくは3本以上の発振縦モードを含むレーザ光を出力するようにしている。
【0022】
また、この発明にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記出力側あるいは反射側に設けられた回折格子の上部に設けられ、かつ前記活性層の上部に設けられた電極と空間的に分離された波長制御電極を備えたことを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、活性層の上部に設けられた電極とは独立して、波長制御電極から該波長制御電極の下部に設けられた回折格子に可変の電流注入を行うことができる。
【0024】
また、この発明にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記波長制御電極は、該波長制御電極に流入する電流を空間的に制限する櫛歯構造を有することを特徴とする。
【0025】
この発明によれば、波長制御電極の内部に櫛歯構造をもたせ、波長制御電極に注入された電流を空間的に不均一な電流として回折格子に流入し、回折格子の波長選択性にチャープをかけることができるようにしている。
【0026】
また、この発明にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記回折格子と前記活性層との間に前記レーザ光の位相調整を行う位相調整部と、前記位相調整部の上部に設けられ、前記電極および前記波長調整部と空間的に分離された位相調整電極と、を備えたことを特徴とする。
【0027】
この発明によれば、位相調整部が設けられることによって、活性層から出力されるレーザ光の出力低下の抑制や、縦モードホッピングによる電流−光出力特性に現れるキンクの抑制や、精度良く所望の発振波長を実現するなど発振安定動作の向上を図ることができる。
【0028】
また、この発明にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記発振波長の中心波長のシフト量に対応させて、前記出力側の回折格子の反射波長モード間隔と前記反射側の回折格子の反射波長モード間隔との差が設定されることを特徴とする。
【0029】
この発明によれば、いわゆるバーニア効果を利用し、回折格子の領域に電流を注入することによって、各反射波長モードがシフトし、各反射波長モードが一致した波長をもつマルチモード発振を行うようにしている。
【0030】
また、この発明にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、発振波長が1100〜1550nmであることを特徴とする。
【0031】
この発明によれば、発振波長を1100〜1550nmとし、光ファイバの伝送帯域に適した波長帯域の信号光のラマン増幅を行うようにしている。
【0032】
また、この発明にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記発振波長スペクトルの半値幅は、3nm以下であることを特徴とする。
【0033】
この発明によれば、前記発振波長スペクトルの半値幅を、3nm以下とし、ラマン増幅時の波長合成を効率的に行うようにしている。
【0034】
また、この発明にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記活性層が形成する共振器長は、800μm以上であることを特徴とする。
【0035】
この発明によれば、前記活性層が形成する共振器長を、800μm以上とし、発振縦モードのモード間隔を短くすることによって、前記発振波長スペクトルの半値幅内に含まれる発振縦モード数を増大するとともに、高出力動作を可能にしている。
【0036】
また、この発明にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記活性層が形成する共振器長は、3200μm以下であることを特徴とする。
【0037】
この発明によれば、前記活性層が形成する共振器長を、3200μm以下とし、発振縦モードのモード間隔を0.1nm以上とし、ラマン増幅時における誘導ブリルアン散乱の影響を低減するようにしている。
【0038】
また、この発明にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記回折格子は、グレーティング周期に所定の周期揺らぎを持たせたことを特徴とする。
【0039】
この発明によれば、前記回折格子に、グレーティング周期に所定の周期揺らぎを持たせたるようにし、これによって、発振波長スペクトルの半値幅を広げるようにしている。
【0040】
また、この発明にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記回折格子は、前記グレーティング周期をランダムあるいは所定周期で変化させたグレーティングであることを特徴とする。
【0041】
この発明によれば、前記回折格子を、前記グレーティング周期をランダムあるいは所定周期で変化させたグレーティングとし、これによって、回折格子に周期的揺らぎを発生させ、発振波長スペクトルの半値幅を広げるようにしている。
【0042】
また、この発明にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、レーザ光の出射端面に設けた第1反射膜と、前記レーザ光の反射端面に設けた第2反射膜とをさらに備えたことを特徴とする。
【0043】
この発明によれば、第1反射膜を、レーザ光の出射端面に設けて、ファブリペローモードの反射を抑制し、第2反射膜を、前記レーザ光の反射端面に設けることによって、回折格子と第2反射膜により、確実な反射を行わせ、レーザ光の出力効率を高めている。
【0044】
また、この発明にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記発振パラメータは、前記回折格子の結合係数を含むことを特徴とする。
【0045】
この発明によれば、前記発振パラメータに、前記回折格子の結合係数を含めるようにし、該回折格子の結合係数を変化させることによって、発振波長スペクトルの半値幅を変化させ、該半値幅内に含まれる発振縦モードの複数化を行うようにするとともに、第1反射膜側の回折格子の結合係数と回折格子長との積を大きな値とすることによってレーザ光の効率的な反射をも行うことができる。
【0046】
また、この発明にかかる半導体レーザモジュールは、この発明にかかる半導体レーザ装置と、前記半導体レーザ装置から出射されたレーザ光を外部に導波する光ファイバと、前記半導体レーザ装置と前記光ファイバと光結合を行う光結合レンズ系とを備えたことを特徴とする。
【0047】
この発明によれば、ファイバグレーティングを用いない半導体レーザ装置を用いて該半導体レーザ装置の共振器が物理的に分離されていないため、光軸合わせなどを行う必要がなく、機械的振動などによってレーザの発振特性が変化しにくくなり、安定したレーザ光を信頼性高く、かつ安定して出力することができる。
【0048】
また、この発明にかかる半導体レーザモジュールは、上記の発明において、前記半導体レーザ装置の温度を制御する温度制御装置と、前記光結合レンズ系内に配置され、光ファイバ側からの反射戻り光の入射を抑制するアイソレータとをさらに備えたことを特徴とする。
【0049】
この発明によれば、ファイバグレーティングを用いない半導体レーザ装置を用いているため、インライン式のファイバ型と異なり、偏波依存型のアイソレータを使用することができ、挿入損失の小さい半導体レーザモジュールを実現することができる。
【0050】
また、この発明にかかるラマン増幅器は、この発明にかかる半導体レーザ装置、あるいはこの発明にかかる半導体レーザモジュールを広帯域ラマン増幅用の励起光源として用いたことを特徴とする。
【0051】
この発明によれば、この発明にかかる半導体レーザ装置、あるいはこの発明にかかる半導体レーザモジュールを広帯域ラマン増幅用の励起光源として用い、上述した各半導体レーザ装置あるいは各半導体レーザモジュールの作用効果を奏するようにしている。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよびラマン増幅器の好適な実施の形態について説明する。
【0053】
(実施の形態1)
まず、この発明の実施の形態1について説明する。図1は、この発明の実施の形態1である半導体レーザ装置の長手方向の縦断面図である。また、図2は、図1に示した半導体レーザ装置のA−A線断面図である。さらに、図3は、図1に示した半導体レーザ装置のB−B線断面図である。図1〜図3において、この半導体レーザ装置20は、反射膜14側において、n−InP基板1の(100)面上に、順次、n−InPによるバッファ層と下部クラッド層とを兼ねたn−InPクラッド層2、圧縮歪みをもつGRIN−SCH−MQW(Graded Index-Separate Confinement Heterostructure Multi Quantum Well)活性層3、およびp−InPクラッド層6、p−InGaAsPコンタクト層7が積層された構造を有する。
【0054】
また、半導体レーザ装置20は、出射側反射膜15側において、n−InP基板1の(100)面上に、順次、n−InPによるバッファ層と下部クラッド層とを兼ねたn−InPクラッド層2、InGaAsPの光導波路層4,5、およびp−InPクラッド層6が積層された構造を有する。
【0055】
InGaAsP光導波路層4内には、出射側反射膜15から250μm延び、膜厚20nmを有したp−InGaAsPの回折格子13が、ピッチ約220nmで周期的に形成され、GRIN−SCH−MQW活性層3の利得領域から、中心波長1.48μmのレーザ光を選択するようにしている。この回折格子13は、出射側反射膜15に接する配置にすることが望ましいが、必ずしも接する配置にしなくても、回折格子13の機能を発揮する範囲内、たとえば20μm〜100μm程度の範囲内で出射側反射膜15から離隔する配置としてもよい。ここで、回折格子長は、250μmとしたが、実際にはこの限りではなく、回折格子長Lgと回折格子の結合係数κとの積κLgを0.5よりも小さく、より好ましくは0.1程度になるように回折格子長および回折格子の材料が決定される。このことにより、縦多モード安定動作が可能になるとともに、レーザ光の出射効率が高まり、結果的に高効率のレーザ出力を実現することができる。
【0056】
この回折格子13を含む光導波路層4、光導波路層5、およびGRIN−SCH−MQW活性層3は、順次長手方向(レーザ光出射方向)に隣接配置される。光導波路層4,5、GRIN−SCH−MQW活性層3、およびn−InPクラッド層2の上部は、メサストライプ状に加工され、メサストライプの両側は、電流ブロッキング層として形成されたp−InPブロッキング層8とn−InPブロッキング層9によって埋め込まれている。また、p−InGaAsPコンタクト層7の上面には、p側電極10が形成され、n−InP基板1の裏面には、n側電極11が形成される。
【0057】
半導体レーザ装置20の長手方向の一端面である光反射端面には、反射率80%以上、好ましくは98%以上の高光反射率をもつ反射膜14が形成され、他端面である光出射端面には、反射率が2%以下、好ましくは0.1%以下の低光反射率をもつ出射側反射膜15が形成される。反射膜14と出射側反射膜15を含んだ回折格子13とによって形成された光共振器のGRIN−SCH−MQW活性層3内に発生した光は、反射膜14によって反射し、光導波路層5,4および出射側反射膜15を介し、レーザ光として出射されるが、この際、光導波路層4内に設けられた回折格子13によって波長選択されて出射される。なお、光導波路層5は設けなくてもよい。
【0058】
この実施の形態1における半導体レーザ装置20は、ラマン増幅器の励起用光源として用いられることを前提とし、その発振波長λ0は、1100nm〜1550nmであり、共振器長Lは、800μm以上3200μm以下としている。ところで、一般に、半導体レーザ装置の共振器によって発生する縦モードのモード間隔Δλは、等価屈折率を「n」とすると、次式で表すことができる。すなわち、
Δλ=λ0 2/(2・n・L)
である。ここで、発振波長λ0を1480μmとし、実効屈折率を3.5とすると、共振器長Lが800μmのとき、縦モードのモード間隔Δλは、約0.39nmとなり、共振器長が3200μmのとき、縦モードのモード間隔Δλは、約0.1nmとなる。すなわち、共振器長Lを長くすればするほど、縦モードのモード間隔Δλは狭くなり、単一縦モードのレーザ光を発振するための選択条件が厳しくなる。
【0059】
一方、回折格子13は、そのブラッグ波長によって縦モードを選択する。この回折格子13による選択波長特性は、図4に示す発振波長スペクトル30として表される。
【0060】
図4に示すように、この実施の形態1では、回折格子13を有した半導体レーザ装置20による発振波長スペクトル30の半値幅Δλhで示される波長選択特性内に、発振縦モードを複数存在させるようにしている。従来のDBR(Distributed Bragg Reflrector)半導体レーザ装置あるいはDFB(Distributed Feedback)半導体レーザ装置では、共振器長Lを800μm以上とすると、単一縦モード発振が困難であったため、かかる共振器長Lを有した半導体レーザ装置は用いられなかった。しかしながら、この実施の形態1の半導体レーザ装置20では、共振器長Lを積極的に800μm以上とすることによって、発振波長スペクトルの半値幅Δλh内に複数の発振縦モードを含ませてレーザ出力するようにしている。図4では、発振波長スペクトルの半値幅Δλh内に3つの発振縦モード31〜33を有している。
【0061】
複数の発振縦モードを有するレーザ光を用いると、単一縦モードのレーザ光を用いた場合に比して、レーザ出力のピーク値を抑えて、高いレーザ出力値を得ることができる。たとえば、この実施の形態1に示した半導体レーザ装置では、図5(b)に示すプロファイルを有し、低いピーク値で高レーザ出力を得ることができる。これに対し、図5(a)は、同じレーザ出力を得る場合の単一縦モード発振の半導体レーザ装置のプロファイルであり、高いピーク値を有している。
【0062】
ここで、半導体レーザ装置をラマン増幅器の励起用光源として用いる場合、ラマン利得を大きくするために励起光出力パワーを増大することが好ましいが、そのピーク値が高いと、誘導ブリルアン散乱が発生し、雑音が増加するという不具合が発生する。誘導ブリルアン散乱の発生は、誘導ブリルアン散乱が発生する閾値Pthを有し、同じレーザ出力パワーを得る場合、図5(b)に示すように、複数の発振縦モードを持たせ、そのピーク値を抑えることによって、誘導ブリルアン散乱の閾値Pth内で、高い励起光出力パワーを得ることができ、その結果、高いラマン利得を得ることが可能となる。
【0063】
また、発振縦モード31〜33の波長間隔(モード間隔)Δλは、0.1nm以上としている。これは、半導体レーザ装置20をラマン増幅器の励起用光源として用いる場合、モード間隔Δλが0.1nm以下であると、誘導ブリルアン散乱が発生する可能性が高くなるからである。この結果、上述したモード間隔Δλの式によって、上述した共振器長Lが3200μm以下であることが好ましいことになる。
【0064】
このような観点から、発振波長スペクトル30の半値幅Δλh内に含まれる発振縦モードの本数は、複数であることが望ましい。ところで、ラマン増幅では、増幅利得に偏波依存性があるため、信号光の偏波方向と励起光の偏波方向とのずれによる影響を小さくする必要がある。このための方法として、励起光を無偏光化(デポラライズ)する方法があり、具体的には、2台の半導体レーザ装置20からの出力光を方法のほか、デポラライザとして所定長の偏波面保持ファイバを用いて、1台の半導体レーザ装置20から出射されたレーザ光を、この偏波面保持ファイバに伝搬させる方法がある。無偏光化の方法として、後者の方法を使用する場合には、発振縦モードの本数が増大するに従ってレーザ光のコヒーレンシーが低くなるので、無偏光化に必要な偏波面保持ファイバの長さを短くすることができる。特に、発振縦モードが4,5本となると、急激に、必要な偏波面保持ファイバの長さが短くなる。従って、ラマン増幅器に使用するために半導体レーザ装置20から出射されるレーザ光を無偏光化する場合に、2台の半導体レーザ装置の出射光を偏波合成して利用しなくても、1台の半導体レーザ装置20の出射レーザ光を無偏光化して利用することが容易となるので、ラマン増幅器に使用される部品数の削減、小型化を促進することができる。
【0065】
ここで、発振波長スペクトル幅が広すぎると、波長合成カプラによる合波ロスが大きくなるとともに、発振波長スペクトル幅内における波長の動きによって、雑音や利得変動を発生させることになる。このため、発振波長スペクトル30の半値幅Δλhは、3nm以下、好ましくは2nm以下とする必要がある。
【0066】
さらに、従来の半導体レーザ装置では、図32に示したように、ファイバグレーティングを用いた半導体レーザモジュールとしていたため、ファイバグレーティング233と光反射面222との間の共振によって相対強度雑音(RIN)が大きくなり、安定したラマン増幅を行うことができないが、この実施の形態1に示した半導体レーザ装置20では、ファイバグレーティング233を用いず、出射側反射膜15から出射したレーザ光をそのまま、ラマン増幅器の励起用光源として用いているため、相対強度雑音が小さくなり、その結果、ラマン利得の揺らぎが小さくなり、安定したラマン増幅を行わせることができる。
【0067】
また、図32に示した半導体レーザモジュールでは、ファイバグレーティング233を有する光ファイバ203と半導体発光素子202とを光結合させる必要があり、半導体レーザ装置の組立時における光軸合わせを行う際、共振器内に機械的な結合を必要とするため、振動などによってレーザの発振特性が変化する場合が発生するが、この実施の形態1の半導体レーザ装置では、機械的な振動などによるレーザの発振特性の変化がなく、安定した光出力を得ることができる。
【0068】
この実施の形態1によれば、半導体レーザ装置20が回折格子13によって波長選択を行い、発振波長を1100nm〜1550nm帯とし、共振器長Lを800μm〜3200μm帯とすることによって、発振波長スペクトル30の半値幅Δλh内に複数の発振縦モード、好ましくは4本以上の発振縦モードをもつレーザ光を出力するようにしているので、ラマン増幅器の励起用光源として用いた場合に、誘導ブリルアン散乱を発生せずに、安定し、かつ高いラマン利得を得ることができる。
【0069】
また、ファイバグレーティングを用いた半導体レーザモジュールのように、ファイバグレーティングをもつ光ファイバと半導体発光素子との光結合を共振器内において行わないので、機械的振動などによる不安定出力を回避することができる。
【0070】
(実施の形態2)
つぎに、この発明の実施の形態2について説明する。上述した実施の形態1では、GRIN−SCH−MQW活性層3の出射側に回折格子13を設け、共振器長Lを長くすることによって、発振波長スペクトル30の半値幅Δλh内の縦モード数が複数となるようにしていたが、この実施の形態2では、GRIN−SCH−MQW活性層3の反射側にも回折格子を設けるようにしている。
【0071】
図6は、この発明の実施の形態2である半導体レーザ装置の縦断面図である。この半導体レーザ装置は、図1〜図3に示した半導体レーザ装置20の回折格子13に対応する回折格子13aを有するとともに、GRIN−SCH−MQW活性層3の反射膜14側にも、光導波路4bを設け、この光導波路4b内に回折格子13bを設けている。その他の構成は、半導体レーザ装置20と同じであり、同一構成部分には、同一符号を付している。
【0072】
この場合、さらに各回折格子13a,13bの結合係数κと回折格子長Lga,Lgbとの積を変化させることによって、所望の発振波長スペクトル30の半値幅Δλhを得ることができ、この半値幅Δλh内に複数の発振縦モードをもったレーザ光を発振させることができる。また、回折格子13bの結合係数κと回折格子長Lgbとの積を、回折格子13aの結合係数κと回折格子長Lgaとの積に比して大きくすることによって、例えば積κ・Lgb=3程度とし、反射率を99%とすることによって、回折格子13a自体によってレーザ光のほとんどを反射することができ、高効率の半導体レーザ装置を実現することができる。さらに、回折格子13aの結合係数κと回折格子長Lgaとの積を小さな値、たとえば積κ・Lga=0.1程度にすることによって、レーザ光の出射効率が高まり、結果的に高効率のレーザ出力を実現することができる。ここでは、結合係数と回折格子長との積κLgを反射側でκLgb=3程度、出射側でκLga=0.1程度としたが、反射側は、κLgb>2、出射側はκLga<0.5であってもよい。
【0073】
これによって、回折格子13a,13bによる波長選択特性を満足させつつ、出射側反射膜15を1%以下、より好ましくは0.1%以下にすることで、ファブリペロー型共振器の発振モードの影響を小さくすることができ、しかも高効率のレーザ出力を実現することができる。
【0074】
なお、上述した実施の形態2では、反射膜14側および出射側反射膜15側の双方に回折格子13a,13bを設けた構成としたが、これに限らず、反射膜14側のみに回折格子13aを設けた構成としても、この実施の形態2とほぼ同等な作用効果を奏することができる。
【0075】
(実施の形態3)
つぎに、この発明の実施の形態3について説明する。上述した実施の形態1,2では、回折格子13あるいは回折格子13a,13bが中心波長に対して揺らぎを持つ波長選択性によって、複数本の発振縦モードを出力するようにしていたが、この実施の形態3では、回折格子13あるいは回折格子13a,13bに対して積極的に揺らぎをもたせ、発振縦モードの数を増やすことができる半導体レーザ装置を得るようにしている。
【0076】
図7は、この発明の実施の形態3である半導体レーザ装置の構成を示す縦断面図である。図7において、この半導体レーザ装置では、実施の形態1に示した回折格子13に代わって、回折格子47を設けている。この回折格子47は、GRIN−SCH−MQW活性層3の出射側反射膜15側に設けられ、そのグレーティング周期を周期的に変化させたチャープドグレーティングであり、この回折格子47の波長選択性に揺らぎを発生させ、発振波長スペクトルの半値幅Δλhを広げ、半値幅Δλh内の発振縦モードの本数を増大するようにしている。その他の構成は、実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
【0077】
図8は、回折格子47のグレーティング周期の周期的変化を示す図である。図8に示すように、回折格子47は、平均周期が220nmであり、±0.02nmの周期揺らぎ(偏差)を周期Cで繰り返す構造を有している。この±0.02nmの周期揺らぎによって、発振波長スペクトルの半値幅Δλh内に3〜6本程度の発振縦モードをもたせることができる。
【0078】
たとえば、図9は、異なる周期Λ1,Λ2の回折格子を有する半導体レーザ装置の発振波長スペクトルを示す図である。図9において、周期Λ1の回折格子は、波長λ1の発振波長スペクトルを形成し、この発振波長スペクトル内に3本の発振縦モードを選択する。一方、周期Λ2の回折格子は、波長λ2の発振波長スペクトルを形成し、この発振波長スペクトル内に3本の発振縦モードを選択する。したがって、周期Λ1,Λ2の回折格子による複合発振波長スペクトル40は、この複合発振波長スペクトル40内に4〜5本の発振縦モードが含まれることになる。この結果、単一の発振波長スペクトルを形成するときに比べ、一層多くの発振縦モードを容易に選択出力することができ、光出力の増大をもたらすことができる。
【0079】
なお、回折格子47の構成としては、一定の周期Cでグレーティング周期を変化させるチャープドグレーティングに限らず、グレーティング周期を、周期Λ1(220nm+0.02nm)と周期Λ2(220nm−0.02nm)との間でランダムに変化させるようにしてもよい。
【0080】
さらに、図10(a)に示すように、周期Λ3と周期Λ4とを一回ずつ交互に繰り返す回折格子として、周期揺らぎを持たせるようにしてもよい。また、図10(b)に示すように、周期Λ5と周期Λ6とをそれぞれ複数回、交互に繰り返す回折格子として、周期揺らぎを持たせるようにしてもよい。さらに、図10(c)に示すように、連続する複数回の周期Λ7と連続する複数回の周期Λ8とをもつ回折格子として、周期揺らぎを持たせるようにしてもよい。また、周期Λ1,Λ3,Λ5,Λ7と周期Λ2,Λ4,Λ6,Λ8のとの各間の離散的な異なる値をもつ周期を補完して配置するようにしてもよい。
【0081】
この実施の形態3では、半導体レーザ装置に設けられる回折格子をチャープドグレーティングなどによって、平均周期に対して±0.01〜0.2nm程度の周期ゆらぎをもたせ、これによって、反射帯域の半値幅を所望の値に設定し、最終的に発振波長スペクトルの半値幅Δλhを決定し、半値幅Δλh内に複数の発振縦モードが含まれるレーザ光を出力するようにし、実施の形態1あるいは実施の形態2と同様な作用効果をもった半導体レーザ装置を実現することができる。
【0082】
つぎに、この発明の実施の形態4について説明する。上述した実施の形態1〜3では、回折格子13の上部にp−InGaAsPコンタクト層7およびp側電極10を設けなかったが、この実施の形態4では、回折格子13の上部にp−InGaAsPコンタクト層7およびp側電極10にそれぞれ対応し、独立したp−InGaAsPコンタクト層7aおよびp側電極10aを設け、回折格子13に対して積極的に電流注入制御を行うようにしている。
【0083】
図11は、この発明の実施の形態4である半導体レーザ装置の長手方向の縦断面図である。また、図12は、図11に示した半導体レーザ装置のA−A線断面図である。さらに、図13は、図11に示した半導体レーザ装置のB−B線断面図である。この実施の形態4である半導体レーザ装置200は、回折格子13の上部にp−InGaAsPコンタクト層7aおよびp側電極10aを設けており、その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。なお、光導波路層5は設けておらず、光導波路層5が設けられた部分にはGRIN−SCH−MQW活性層3が延設されている。
【0084】
ここで、回折格子13への電流注入の増減は、この半導体レーザ装置200の波長選択特性を変化させることができる。これは、半導体の屈折率が注入キャリア密度に関連して変化するというプラズマ効果のためである。さらに、電流注入の増減は、回折格子13の温度変化を来たし、回折格子13の屈折率を変化させる。この結果、回折格子13への電流注入変化によって半導体レーザ装置200の出力波長を変化させることができる。
【0085】
なお、図11に示すように、回折格子13の領域をGRIN−SCH−MQW活性層3の領域から分離する構造とすることによって、一層安定かつ効率的なレーザ出力を達成することができる。特に、光導波路層4内に回折格子13を設けることによって、GRIN−SCH−MQW活性層3への電流注入増減によって生じる、望まない波長シフトを抑制することができる。さらに、p側電極10,10aが分離されているため、GRIN−SCH−MQW活性層3に対する電流制御と回折格子13に対する電流制御とを各別に行うことができる。すなわち、それぞれ、GRIN−SCH−MQW活性層3に対する電流注入変化によって光出力制御を行い、回折格子13に対する電流注入変化によって波長選択制御を行うという波長可変レーザを実現できる。このため、光導波路層4と回折格子13の材料は、電流注入変化による材料の屈折率変化に従って選択される。
【0086】
ここで、図14は、上述した波長可変レーザとしての半導体レーザ装置200の反射特性を示している。図14に示すように、反射膜14は、80%以上の反射率を有し、ほぼこの反射率は変化しない。これは、たとえば、高反射率を有する誘電体多層膜を反射側劈開面にコーティングすることによって実現できる。ところが、図14に示すように、出射側反射膜15の反射特性は、回折格子13による波長選択特性を有する。この回折格子13の物理特性は、回折格子13が、図4に示すような多重モード発振を許容するに十分な帯域幅の光を反射するような選択がなされる。すなわち、図14に示した反射曲線30´は、図4に示した発振波長スペクトル30に対応する。さらに、図14において、反射曲線30´は、p側電極10aを介して回折格子13に注入される電流値に対応して波長がシフトする。図15は、注入電流の変化によって達成される波長変化の具体例を示している。図15に示すように、回折格子13への注入電流によって2nm以上波長可変することができる。
【0087】
(実施の形態5)
つぎに、この発明の実施の形態5について説明する。図16は、この発明の実施の形態5である半導体レーザ装置の長手方向の縦断面図である。図16において、この半導体レーザ装置210は、図11に示した半導体レーザ装置200の全ての構成を有し、同一構成部分には同一符号を付しているが、p側電極10a内に櫛歯構造の回折格子13´を有する点が、半導体レーザ装置200と異なる。回折格子13´は、p側電極10から電気的に絶縁されてもよいし、破線で示すようにp側電極10に電気的に接続されていてもよい。
【0088】
p側電極10aから注入される電流は、回折格子13´の櫛歯構造の間隙から流入するため、光導波路層4内の回折格子13の領域において、櫛歯構造に依存した不均一な電流分布となる。この結果、p側電極10aに対する注入電流を変化させると、回折格子13の光学的間隔は、効果的にチャープされる。換言すれば、注入電流の変化によって、回折格子13の周期を変化させることができる。すなわち、p側電極10aに対する注入電流を変化させることによって、可変波長レーザを実現することができる。
【0089】
(実施の形態6)
つぎに、この発明の実施の形態6について説明する。図17は、この発明の実施の形態6である半導体レーザ装置の長手方向の縦断面図である。図17において、この半導体レーザ装置は、GRIN−SCH−MQW活性層3と、波長選択機能を有する回折格子13が含まれる光導波路層4との間に、独立した位相制御層として機能する光導波路層5を設けている。
【0090】
この位相制御層として機能する光導波路層5を含む位相制御領域は、n−InP基板1上に、n−InPクラッド層2、光導波路層5、p−InPクラッド層6、p−InGaAsPコンタクト層7b、p側電極10bが順次積層された構造によって実現される。
【0091】
この光導波路層5は、p側電極10を介したGRIN−SCH−MQW活性層3に対する制御と、p側電極10aを介した回折格子13に対する制御とは、独立してp側電極10bを介して電流注入がなされ、位相制御がなされる。位相制御の調整が悪い場合には出力低下、縦モードホップに起因するI−L曲線に発現するキンクや発振波長の設計波長からのシフトなどの発振状態の不安定動作を来すが、光導波路層5に注入される電流を変化させることによって、光導波路層5の屈折率が変化し、これによって、GRIN−SCH−MQW活性層3と光導波路層4との間における位相不整合を解消することができる。
【0092】
(実施の形態7)
つぎに、この発明の実施の形態7について説明する。図18は、この発明の実施の形態7である半導体レーザ装置の長手方向の縦断面図である。図18において、この半導体レーザ装置は、実施の形態6に示した半導体レーザ装置の構成に、さらに実施の形態6の光導波路層4に対応した光導波路層4bを反射膜14側に設けている。この光導波路層4bには回折格子13bが含まれる。光導波路層4bの上部に形成されたp−InGaAsPコンタクト層7cおよびp側電極10cは、GRIN−SCH−MQW活性層3の上部に設けられたp−InGaAsPコンタクト層7およびp側電極10と物理的に分離され、電気的に絶縁されている。なお、出射側反射膜15側に設けられた実施の形態6の光導波路層4に対応する構成は、光導波路層4aであり、回折格子13aが含まれる。回折格子13aの長さはLgaであり、回折格子13bの長さはLgbである。
【0093】
ここで、回折格子13a,13bは物理的に分離された領域に形成され、かつp側電極10a,10cによってそれぞれ独立して電流注入を行うことができ、回折格子13a,13bの波長選択性を個別に制御することができる。これによって、さらに波長選択性を詳細かつ柔軟に設定することができる。さらに、破線で示すように、光導波路層4bに隣接した光導波路層5aを形成することが可能であり、この場合、光導波路層5aの上部には、独立したp−InGaAsPコンタクト層7dおよびp側電極10dが設けられる。
【0094】
この実施の形態7に示すように、出射側反射膜15側と反射膜14側との双方に回折格子4a,4bを設けると、各回折格子4a,4bの離散的な反射モードのバーニア効果によって広い可変波長域を実現することができる。
【0095】
図19に示すように、回折格子13bによって選択される波長がλ1〜λnとし、回折格子13aによって選択される波長がλ1´〜λn´とすると、λ1´〜λn´の各波長間隔は、λ1〜λnの各波長間隔に比してほんの少し異なるように設定される。この選択状態において、それぞれ電流注入の変化ΔIを与えると、各波長λ1〜λnおよび各波長λ1´〜λn´は、シフトする。バーニア効果は、この状態において、波長λ1〜λnと波長λ1´〜λn´とが一致する波長のみが発振波長して選択出力される。図19では、波長λ1と波長λ1´とが一致し、波長λ1(=λ1´)が発振波長として選択される。例えば数十nm程度の波長シフトレンジを実現できる。なお、回折格子13aあるいは回折格子13bの一方の選択波長のみを電流注入量変化によってシフトさせてもよいし、回折格子13a,13bの双方の選択波長を、それぞれ独立して電流注入量変化によってシフトさせるようにしてもよい。
【0096】
図20〜図23は、この実施の形態7の具体例を示している。図20は、この発明の実施の形態7の具体例である半導体レーザ装置の一部破断図である。図20において、この半導体レーザ装置は、長さ1200μmの活性領域(3)と長さ200μmの前部回折格子領域(4a/13a)と長さ750μmの後部回折格子領域(4b/13b)とを形成している。
【0097】
図21は、回折格子の周期構成を示す図である。図21に示すよに、回折格子は、1400nmに一致する周期Λ1から1500nmに一致する周期Λnまでリニアにチャープされている。このリニアなチャープ周期Δsは各回折格子内の反射モード間隔を決定する。ここで、図20に示した回折格子領域(4a/13a)の反射モード間隔は9.7nmであり、回折格子領域(4b/13b)の反射モード間隔は8.7nmである。このような回折格子構造は、上述したバーニア効果に要求されるモード間隔の違いを与える。
【0098】
図22は、図20に示した半導体レーザ装置における前部回折格子領域と後部回折格子領域の反射モードの波長間隔を示している。図22において波長λ1〜λnは、反射率2%以下の前部回折格子領域における選択波長を示し、波長λ1´〜λn´は、反射率95%以上の後部回折格子領域における選択波長を示している。図22において、波長λ1と波長λ1´のみが一致し、その他の波長、たとえば、波長λ2と波長λ2´、波長λ3と波長λ3´、などは一致していない。この場合、前部回折格子領域あるいは後部回折格子領域のいづれか一方あるいは双方に対する電流注入量を変化させて反射モードをシフトさせることによって、他の波長、たとえば波長λ2と波長λ2´のみを一致させることができる。このようにして、広範囲の波長シフトを実現できる可変波長レーザとしての半導体レーザ装置が得られる。
【0099】
図23は、図20に示した半導体レーザ装置のマルチモード可変波長範囲を示す図である。図23では、電流変化量±80mAで、103nmという広範囲の波長シフトを実現している。
【0100】
さらに、この実施の形態7の変形例について説明する。この変形例では図20に対応した半導体レーザ装置であるが、後部回折格子領域が電流注入変化されずに、固定されたやや平坦な反射特性を有する回折格子が含まれ波長選択特性はシフトしない。これに対し、前部回折格子領域には電流注入変化が与えられ、、離散的な反射モードλ1〜λnが広範囲に出現している。図24は、この変形例に対応した後部回折格子領域と前部回折格子領域の選択波長特性を示す図である。上述したように、後部回折格子領域の選択波長特性は固定であり、平坦な特性を有するため、この後部回折格子領域の選択波長領域に含まれる前部回折格子領域の反射モードの複数の波長が選択されることなる。したがって、マルチモードスペクトルの出力が複数選択されるが、この選択されたマルチモードスペクトルのうちの不要なマルチモードスペクトルは、選択的な減衰機構を用い、あるいは半導体レーザ装置の外部に波長減衰器を接続することによって排除すればよい。
【0101】
なお、上述した実施の形態6において示した回折格子13に、実施の形態3で示した異なる周期Λ1,Λ2を有する回折格子47を設け、チャーピングによって選択波長スペクトルを広げるようにしてもよい(図25参照)。また、図26に示すように、回折格子13の構造を回折格子13´のような構造としてもよい。回折格子13は、光導波路層4内に設けられ、p−InPクラッド層6と分離された構造であったが、回折格子13´は、光導波路層4とp−InPクラッド層6との境界面にそれぞれの櫛歯構造によって形成している。これによって、回折格子の形成が容易になる。
【0102】
(実施の形態8)
つぎに、この発明の実施の形態8について説明する。この実施の形態4では、上述した実施の形態1〜3で示した半導体レーザ装置をモジュール化したものである。
【0103】
図27は、この発明の実施の形態8である半導体レーザモジュールの構成を示す縦断面図である。図27において、この半導体レーザモジュール50は、上述した実施の形態1〜3で示した半導体レーザ装置に対応する半導体レーザ装置51を有する。半導体レーザモジュール50の筐体として、セラミックなどによって形成されたパッケージ59の内部底面上に、温度制御装置としてのペルチェ素子58が配置される。ペルチェ素子58上にはベース57が配置され、このベース57上にはヒートシンク57aが配置される。ペルチェ素子58には、図示しない電流が与えられ、その極性によって冷却および加熱を行うが、半導体レーザ装置51の温度上昇による発振波長ずれを防止するため、主として冷却器として機能する。すなわち、ペルチェ素子58は、レーザ光が所望の波長に比して長い波長である場合には、冷却して低い温度に制御し、レーザ光が所望の波長に比して短い波長である場合には、加熱して高い温度に制御する。この温度制御は、具体的に、ヒートシンク57a上であって、半導体レーザ装置51の近傍に配置されたサーミスタ58aの検出値をもとに制御され、図示しない制御装置は、通常、ヒートシンク57aの温度が一定に保たれるようにペルチェ素子58を制御する。また、図示しない制御装置は、半導体レーザ装置51の駆動電流を上昇させるに従って、ヒートシンク57aの温度が下がるようにペルチェ素子58を制御する。このような温度制御を行うことによって、半導体レーザ装置51の波長安定性を向上させることができ、歩留まりの向上にも有効となる。なお、ヒートシンク57aは、たとえばダイヤモンドなどの高熱伝導率をもつ材質によって形成することが望ましい。これは、ヒートシンク57aがダイヤモンドで形成されると、高電流注入時の発熱が抑制されるからである。
【0104】
ベース57上には、半導体レーザ装置51およびサーミスタ58aを配置したヒートシンク57a、第1レンズ52、および電流モニタ56が配置される。半導体レーザ装置51から出射されたレーザ光は、第1レンズ52、アイソレータ53、および第2レンズ54を介し、光ファイバ55上に導波される。第2レンズ54は、レーザ光の光軸上であって、パッケージ59上に設けられ、外部接続される光ファイバ55に光結合される。なお、電流モニタ56は、半導体レーザ装置51の反射膜側から漏れた光をモニタ検出する。
【0105】
ここで、この半導体レーザモジュール50では、他の光学部品などによる反射戻り光が共振器内に戻らないように、半導体レーザ装置52と光ファイバ55との間にアイソレータ53を介在させている。このアイソレータ53には、ファイバグレーティングを用いた従来の半導体レーザモジュールと異なり、インライン式のファイバ型でなく、半導体レーザモジュール50内に内蔵できる偏波依存型のアイソレータを用いることができるため、アイソレータによる挿入損失を小さく、さらに低い相対強度雑音(RIN)を達成することができ、部品点数も減らすことができる。
【0106】
この実施の形態8では、実施の形態1〜7で示した半導体レーザ装置をモジュール化しているため、偏波依存型のアイソレータを用いることができ、挿入損失を小さくすることができ、低雑音化および部品点数の減少を促進することができる。
【0107】
(実施の形態9)
つぎに、この発明の実施の形態9について説明する。この実施の形態9では、上述した実施の形態8に示した半導体レーザモジュールをラマン増幅器に適用したものである。
【0108】
図28は、この発明の実施の形態9であるラマン増幅器の構成を示すブロック図である。このラマン増幅器は、WDM通信システムに用いられる。図28において、このラマン増幅器は、上述した実施の形態8に示した半導体レーザモジュールと同一構成の半導体レーザモジュール60a〜60dを用い、図31に示した半導体レーザモジュール182a〜182dを、上述した半導体レーザモジュール60a〜60dに置き換えた構成となっている。
【0109】
各半導体レーザモジュール60a,60bは、偏波面保持ファイバ71を介して、複数の発振縦モードを有するレーザ光を偏波合成カプラ61aに出力し、各半導体レーザモジュール60c,60dは、偏波面保持ファイバ71を介して、複数の発振縦モードを有するレーザ光を偏波合成カプラ61bに出力する。ここで、半導体レーザモジュール60a,60bが発振するレーザ光は、同一波長である、また、半導体レーザモジュール60c,60dが発振するレーザ光は、同一波長であるが半導体レーザモジュール60a,60bが発振するレーザ光の波長とは異なる。これは、ラマン増幅が偏波依存性を有するためであり、偏波合成カプラ61a,61bによって偏波依存性が解消されたレーザ光として出力するようにしている。
【0110】
各偏波合成カプラ61a,61bから出力された異なる波長をもったレーザ光は、WDMカプラ62によって合成され、合成されたレーザ光は、WDMカプラ65を介してラマン増幅用の励起光として増幅用ファイバ64に出力される。この励起光が入力された増幅用ファイバ64には、増幅対象の信号光が入力され、ラマン増幅される。
【0111】
増幅用ファイバ64内においてラマン増幅された信号光(増幅信号光)は、WDMカプラ65およびアイソレータ66を介してモニタ光分配用カプラ67に入力される。モニタ光分配用カプラ67は、増幅信号光の一部を制御回路68に出力し、残りの増幅信号光を出力レーザ光として信号光出力ファイバ70に出力する。
【0112】
制御回路68は、入力された一部の増幅信号光をもとに各半導体レーザモジュール60a〜60dのレーザ出力状態、たとえば光強度を制御し、ラマン増幅の利得帯域が平坦な特性となるようにフィードバック制御する。
【0113】
この実施の形態5に示したラマン増幅器では、たとえば図32に示した半導体発光素子180aとファイバグレーティング181aとが偏波面保持ファイバ71aで結合された半導体レーザモジュール182aを用いず、実施の形態1〜7で示した半導体レーザ装置が内蔵された半導体レーザモジュール60aを用いるようにしているので、偏波面保持ファイバ71aの使用を削減することができる。なお、上述したように、各半導体レーザモジュール60a〜60dは、複数の発振縦モードを有しているため、偏波面保持ファイバ長を短くすることができる。この結果、ラマン増幅器の小型軽量化とコスト低減を実現することができる。
【0114】
なお、図28に示したラマン増幅器では、偏波合成カプラ61a,61bを用いているが、図29に示すように半導体レーザモジュール60a,60cから、それぞれ偏波面保持ファイバ71を介して直接WDMカプラ62に光出力するようにしてもよい。この場合、半導体レーザモジュール60a,60cの偏波面は、偏波面保持ファイバ71に対して45度となるように入射する。これによって、偏波面保持ファイバ71から出力される光出力の偏波依存性がなくすことができ、一層、小型かつ部品点数の少ないラマン増幅器を実現することができる。
【0115】
また、半導体レーザモジュール60a〜60d内に内蔵される半導体レーザ装置として実施の形態3に示した半導体レーザ装置を用いると、発振縦モード数が多いため、必要な偏波面保持ファイバ71の長さを短くすることができる。特に、発振縦モードが4,5本になると、急激に、必要な偏波面保持ファイバ71の長さが短くなるため、ラマン増幅器の簡素化と小型化を促進することができる。さらに、発振縦モードの本数が増大すると、コヒーレント長が短くなり、デポラライズによって偏光度(DOP:Degree Of Polarization)が小さくなり、偏波依存性をなくすことが可能となり、これによっても、ラマン増幅器の簡素化と小型化とを一層促進することができる。
【0116】
また、上述した実施の形態1〜7が有する作用効果をラマン増幅器に与えることができる。たとえば、ファイバグレーティングを用いた半導体レーザモジュールに比して相対強度雑音(RIN)を低減することができるので、ラマン利得の揺らぎを抑えることができ、安定したラマン増幅を行うことができる。
【0117】
さらに、このラマン増幅器では、ファイバグレーティングを用いた半導体レーザモジュールに比して光軸合わせが容易であり、共振器内に機械的な光結合がないため、この点からも、ラマン増幅の安定性、信頼性を高めることができる。
【0118】
さらに、上述した実施の形態1〜7の半導体レーザ装置では、複数の発振モードを有しているため、誘導ブリルアン散乱を発生させずに、高出力の励起光を発生することができるので、安定し、かつ高いラマン利得を得ることができる。
【0119】
また、図28および図29に示したラマン増幅器は、後方励起方式であるが、上述したように、半導体レーザモジュール60a〜60dが安定した励起光を出力するため、前方励起方式であっても、双方向励起方式であっても、安定したラマン増幅を行うことができる。
【0120】
この図28あるいは図29に示したラマン増幅器は、上述したようにWDM通信システムに適用することができる。図30は、図28あるいは図29に示したラマン増幅器を適用したWDM通信システムの概要構成を示すブロック図である。
【0121】
図30において、複数の送信機Tx1〜Txnから送出された波長λ1〜λnの光信号は、光合波器80によって合波され、1つの光ファイバ85に集約される。この光ファイバ85の伝送路上には、図28あるいは図29に示したラマン増幅器に対応した複数のラマン増幅器81,83が距離に応じて配置され、減衰した光信号を増幅する。この光ファイバ85上を伝送した信号は、光分波器84によって、複数の波長λ1〜λnの光信号に分波され、複数の受信機Rx1〜Rxnに受信される。なお、光ファイバ85上には、任意の波長の光信号を付加し、取り出したりするADM(Add/Drop Multiplexer)が挿入される場合もある。
【0122】
なお、上述した実施の形態9では、実施の形態1〜7に示した半導体レーザ装置あるいは実施の形態8に示した半導体レーザモジュールを、ラマン増幅用の励起光源に用いる場合を示したが、これに限らず、たとえば、980nm,1480nmなどのEDFA励起用光源として用いることができるのは明らかである。
【0123】
【発明の効果】
以上説明したように、の発明によれば、レーザ光を発光する活性層の出力側または反射側あるいは出力側および反射側の双方に回折格子を設け、前記活性層が形成する利得領域と前記回折格子の波長選択特性とを含む発振パラメータの組み合わせ設定によって波長が安定化され、かつ発振波長スペクトルの半値幅内に2本以上、好ましくは3本以上の発振縦モードを含むレーザ光を出力するようにしているので、ファイバグレーティングを用いた半導体レーザ装置に比して、共振器内に雑音が入り込む余地がないため、相対強度雑音が低減され、ラマン増幅器に用いた場合に安定したラマン増幅を行うことができるという効果を奏する。
【0124】
また、共振器が物理的に分離されていないため、光軸合わせなどを行う必要がなく、組立が容易になるとともに、機械的振動などによってレーザの発振特性が変化しにくくなり、安定したレーザ光を信頼性高く出力することができ、ラマン増幅器に用いた場合に安定かつ信頼性の高いラマン増幅を行うことができるという効果を奏する。
【0125】
さらに、複数の発振縦モードの存在によって光出力ピーク値を抑えて、光出力パワーを増大させることができ、ラマン増幅器に用いた場合に、誘導ブリルアン散乱を抑えつつ、高いラマン増幅を行うことができるという効果を奏する。
【0126】
また、複数の発振縦モードの存在によって、偏光度が小さくなり、偏波面保存ファイバ長を短くすることができ、小型軽量化を促進できるとともに、コストを低減することができるという効果を奏する。
【0127】
さらに、当該半導体レーザ装置内の回折格子によって波長ロックを行うようにしているので、出力されたレーザ光を導く光ファイバからの反射戻り光の入射を防ぐためのアイソレータの組み込みが容易になるという効果を奏する。
【0128】
また、ファイバグレーティングを用いた半導体レーザ装置に生じる注入電流−光出力特性上のキンクの発生を抑えることができ、安定したレーザ光を出力することができるという効果を奏する。
【0129】
また、この発明によれば、活性層の上部に設けられた電極とは独立して、波長制御電極から該波長制御電極の下部に設けられた回折格子に可変の電流注入を行うことができるので、活性層におけるレーザ光の出力に影響を与えずに発振波長の中心波長を可変にシフトすることができるという効果を奏する。
【0130】
また、の発明によれば、波長制御電極の内部に櫛歯構造をもたせ、波長制御電極に注入された電流を空間的に不均一な電流として回折格子に流入し、回折格子の波長選択性にチャープをかけることができるようにしているので、所望の帯域を有した複数の発振縦モードを出力することができるという効果を奏する。
【0131】
また、の発明によれば、位相調整部が設けられることによって、活性層から出力されるレーザ光の出力低下の抑制や、縦モードホッピングによる電流−光出力特性に現れるキンクの抑制や、精度良く所望の発振波長を実現するなど発振安定動作の向上を図ることができるという効果を奏する。
【0132】
また、の発明によれば、いわゆるバーニア効果を利用し、回折格子の領域に電流を注入することによって、各反射波長モードがシフトし、各反射波長モードが一致した波長をもつマルチモード発振を行うようにしているので、発振波長を広帯域にシフトする制御を行うことができるという効果を奏する。
【0133】
また、の発明によれば、発振波長を1100〜1550nmとしているので、光ファイバの伝送帯域に適した波長帯域の信号光のラマン増幅を行うことができるという効果を奏する。
【0134】
また、の発明によれば、前記発振波長スペクトルの半値幅を、3nm以下、好ましくは2nm以下としているので、ラマン増幅時の波長合成を効率的に行うことができるという効果を奏する。
【0135】
また、の発明によれば、前記活性層が形成する共振器長を、800μm以上とし、発振縦モードのモード間隔を短くすることによって、前記発振波長スペクトルの半値幅内に含まれる発振縦モード数を増大するようにしているので、発振波長スペクトルの半値幅内に含まれる発振縦モードの複数化を容易に行うことができるとともに高出力動作を可能にするという効果を奏する。
【0136】
また、の発明によれば、前記活性層が形成する共振器長を、3200μm以下とし、発振縦モードのモード間隔を0.1nm以上とし、ラマン増幅時における誘導ブリルアン散乱の影響を低減するようにしているので、安定したラマン利得を得ることができるという効果を奏する。
【0137】
また、の発明によれば、前記回折格子のグレーティング周期に所定の周期揺らぎを持たせ、これによって発振波長スペクトルの半値幅を広げるようにしているので、発振波長スペクトルの半値幅内に含まれる発振縦モード数の複数化を容易に行うことができるという効果を奏する。
【0138】
また、の発明によれば、前記回折格子を、前記グレーティング周期をランダムまたは所定周期で変化させたグレーティングとし、これによって回折格子に周期揺らぎを発生させ、発振波長スペクトルの半値幅を広げるようにしているので、発振波長スペクトルの半値幅内に含まれる発振縦モード数の複数化を容易に行うことができるという効果を奏する。
【0139】
また、の発明によれば、第1反射膜を、レーザ光の出射端面に設けて、ファブリペローモードの反射を抑制し、第2反射膜を、前記レーザ光の反射端面に設けることによって、回折格子と第2反射膜により、確実な反射を行わせ、レーザ光の出力効率を高めているので、レーザ光を高効率に出力することができる半導体レーザ装置を実現することができるという効果を奏する。
【0140】
また、の発明によれば、前記発振パラメータに、前記回折格子の結合係数を含めるようにし、該回折格子の結合係数を変化させることによって、発振波長スペクトルの半値幅を変化させ、該半値幅内に含まれる発振縦モードの複数化を行うようにするとともに、第1反射膜側の回折格子の結合係数と回折格子長との積を大きな値とすることによってレーザ光の効率的な反射をも行うことができるので、発振波長スペクトルの半値幅内に含まれる発振縦モード数の複数化を容易に行うことができるとともに、高効率のレーザ出力を可能にするという効果を奏する。
【0141】
また、の発明によれば、ファイバグレーティングを用いない半導体レーザ装置を用いて該半導体レーザ装置の共振器が物理的に分離されていないため、光軸合わせなどを行う必要がなく、機械的振動などによってレーザの発振特性が変化しにくくなり、安定したレーザ光を信頼性高く、かつ安定して出力することができる半導体レーザモジュールを実現することができるという効果を奏する。
【0142】
また、の発明によれば、ファイバグレーティングを用いない半導体レーザ装置を用いているため、インライン式のファイバ型と異なり、偏波依存型のアイソレータを使用することができ、挿入損失の小さい半導体レーザモジュールを実現することができるという効果を奏する。
【0143】
また、の発明によれば、この発明にかかる半導体レーザ装置、あるいはこの発明にかかる半導体レーザモジュールを広帯域ラマン増幅用の励起光源として用い、上述した各半導体レーザ装置あるいは各半導体レーザモジュールの作用効果を奏するようにしているので、安定かつ信頼性の高いラマン増幅を行うことができるという効果を奏する
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1である半導体レーザ装置の構成を示す縦断面図である。
【図2】図1に示した半導体レーザ装置のA−A線断面図である。
【図3】図1に示した半導体レーザ装置のB−B線断面図である。
【図4】図1に示した半導体レーザ装置の発振波長スペクトルと発振縦モードとの関係を示す図である。
【図5】単一発振縦モードと複数発振縦モードとのレーザ光出力パワーの関係および誘導ブリルアン散乱の閾値を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態2である半導体レーザ装置の構成を示す縦断面図である。
【図7】この発明の実施の形態3である半導体レーザ装置の構成を示す縦断面図である。
【図8】図7に示したチャープドグレーティングの構成を示す図である。
【図9】図7に示したチャープドグレーティングを適用した場合の発振波長スペクトルを示す図である。
【図10】周期揺らぎのあるグレーティングの変形例を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態4である半導体レーザ装置の構成を示す縦断面図である。
【図12】図11に示した半導体レーザ装置のA−A線断面図である。
【図13】図11に示した半導体レーザ装置のB−B線断面図である。
【図14】後部端面と前部回折格子領域における反射モードスペクトルを示す図である。
【図15】回折格子に電流注入した場合における発振波長の注入電流依存性を示す図である。
【図16】この発明の実施の形態5である半導体レーザ装置の構成を示す縦断面図である。
【図17】この発明の実施の形態6である半導体レーザ装置の構成を示す縦断面図である。
【図18】この発明の実施の形態7である半導体レーザ装置の構成を示す縦断面図である。
【図19】後部回折格子領域と前部回折格子領域における反射モードスペクトルを示す図である。
【図20】この発明の実施の形態7である半導体レーザ装置の具体例を示す破断図である。
【図21】回折格子の周期設定を示す図である。
【図22】バーニア効果を説明する図である。
【図23】回折格子への電流注入による発振波長の注入電流依存性を示す図である。
【図24】この発明の実施の形態7の変形例を説明する図である。
【図25】この発明の実施の形態7の応用例の構成を示す縦断面図である。
【図26】回折格子を櫛歯構造にした一例を示す図である。
【図27】この発明の実施の形態8である半導体レーザモジュールの構成を示す縦断面図である。
【図28】この発明の実施の形態9であるラマン増幅器の構成を示すブロック図である。
【図29】この発明の実施の形態9の応用例を示す図である。
【図30】図28あるいは図29に示したラマン増幅器を用いたWDM通信システムの概要構成を示すブロック図である。
【図31】従来のラマン増幅器の概要構成を示すブロック図である。
【図32】図31に示したラマン増幅器に用いた半導体レーザモジュールの構成を示す図である。
【符号の説明】
1 n−InP基板
2 n−Inpクラッド層
3 GRIN−SCH−MQW活性層
4,5 光導波路層
6 p−InPクラッド層
7,7a,7b,7c,7d p−InGaAsPコンタクト層
8 p−InPブロッキング層
9 n−InPブロッキング層
10,10a,10b,10c,10d p側電極
11 n側電極
13,13´13a,13b,47 回折格子
14 反射膜
15 出射側反射膜
20,51,200,210半導体レーザ装置
30,30´ 発振波長スペクトル
31〜33 発振縦モード
40 複合発振波長スペクトル
50,60a〜60d 半導体レーザモジュール
52 第1レンズ
53,63,66 アイソレータ
54 第2レンズ
55 光ファイバ
56 電流モニタ
57 ベース
57a ヒートシンク
58 ペルチェ素子
58a サーミスタ
59 パッケージ
61a,61b 偏波合成カプラ
62,65 WDMカプラ
64 増幅用ファイバ
67 モニタ用光分配カプラ
68 制御回路
69 信号光入力ファイバ
70 信号光出力ファイバ
71 偏波面保存ファイバ
81,83 ラマン増幅器
L 共振器長
Lg,Lga,Lgb 回折格子長
Pth 閾値

Claims (11)

  1. 光増幅器の励起光源用の半導体レーザ装置において、
    レーザ光を発光する活性層の出力側および反射側の双方に設けた回折格子と、
    前記出力側あるいは反射側に設けられた回折格子の上部に設けられ、かつ前記活性層の上部に設けられた電極と空間的に分離された波長制御電極と、を備え、
    前記活性層が形成する利得領域に対する共振器長と前記回折格子の波長選択特性と前記回折格子の結合係数との組み合わせ設定によって発振波長スペクトルの半値幅内に2本以上の発振縦モードを含むレーザ光を出力するとともに、前記波長制御電極から前記回折格子の少なくとも一方への電流注入によって、該電流注入した回折格子の選択波長をシフトさせることを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 前記回折格子と前記活性層との間に前記レーザ光の位相調整を行う位相調整部と、
    前記位相調整部の上部に設けられ、前記電極および前記波長調整部と空間的に分離された位相調整電極と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  3. 発振波長が1100〜1550nmであることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体レーザ装置。
  4. 前記発振波長スペクトルの半値幅は、3nm以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の半導体レーザ装置。
  5. 前記活性層が形成する共振器長は、800μm以上、3200μm以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の半導体レーザ装置。
  6. 前記回折格子は、グレーティング周期に所定の周期揺らぎを持たせたことを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の半導体レーザ装置。
  7. 前記回折格子は、前記グレーティング周期をランダムまたは所定周期で変化させたグレーティングであることを特徴とする請求項に記載の半導体レーザ装置。
  8. レーザ光の出射端面に設けた第1反射膜と、
    前記レーザ光の反射端面に設けた第2反射膜と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の半導体レーザ装置。
  9. 請求項1〜に記載の半導体レーザ装置と、
    前記半導体レーザ装置から出射されたレーザ光を外部に導波する光ファイバと、
    前記半導体レーザ装置と前記光ファイバと光結合を行う光結合レンズ系と、
    を備えたことを特徴とする半導体レーザモジュール。
  10. 前記半導体レーザ装置の温度を制御する温度制御装置と、
    前記光結合レンズ系内に配置され、光ファイバ側からの反射戻り光の入射を抑制するアイソレータと、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項に記載の半導体レーザモジュール。
  11. 請求項1〜に記載の半導体レーザ装置、あるいは請求項または10に記載の半導体レーザモジュールを広帯域ラマン増幅用の励起光源として用いたことを特徴とするラマン増幅器。
JP2002218881A 2001-07-27 2002-07-26 半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよびこれを用いたラマン増幅器 Expired - Lifetime JP4297321B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002218881A JP4297321B2 (ja) 2001-07-27 2002-07-26 半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよびこれを用いたラマン増幅器

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-228669 2001-07-27
JP2001228669 2001-07-27
JP2002218881A JP4297321B2 (ja) 2001-07-27 2002-07-26 半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよびこれを用いたラマン増幅器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003110194A JP2003110194A (ja) 2003-04-11
JP4297321B2 true JP4297321B2 (ja) 2009-07-15

Family

ID=26619482

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002218881A Expired - Lifetime JP4297321B2 (ja) 2001-07-27 2002-07-26 半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよびこれを用いたラマン増幅器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4297321B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4533608B2 (ja) * 2003-09-12 2010-09-01 富士通株式会社 波長可変レーザ
TWI251393B (en) * 2004-03-31 2006-03-11 Nec Corp Tunable laser
JP2006019516A (ja) * 2004-07-01 2006-01-19 Fujitsu Ltd 波長可変レーザ及びその制御方法
JP5028805B2 (ja) * 2006-01-23 2012-09-19 富士通株式会社 光モジュール
US7627013B2 (en) * 2006-02-03 2009-12-01 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Light source module
JP5022015B2 (ja) * 2006-12-14 2012-09-12 日本オプネクスト株式会社 半導体レーザ素子及びそれを用いた光モジュール
JP5287460B2 (ja) 2009-04-17 2013-09-11 富士通株式会社 半導体レーザ
US9077144B2 (en) 2013-09-30 2015-07-07 Jds Uniphase Corporation MOPA laser source with wavelength control

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003110194A (ja) 2003-04-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3682417B2 (ja) 半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよびこれを用いたラマン増幅器
US6950452B2 (en) Semiconductor laser module and method for simultaneously reducing relative intensity noise (RIN) and stimulated brillouin scattering (SBS)
EP1298767A2 (en) Device and method for providing a tunable semiconductor laser
US6614823B2 (en) Semiconductor laser device having a diffraction grating on a light reflection side
US20030021314A1 (en) Distributed bragg reflector semiconductor laser suitable for use in an optical amplifier
US6947463B2 (en) Semiconductor laser device for use in a laser module
JP4297321B2 (ja) 半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよびこれを用いたラマン増幅器
JP2003152274A (ja) 半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよびこれを用いたラマン増幅器
US20030133482A1 (en) Semiconductor laser device and method for reducing stimulated brillouin scattering (SBS)
US6925102B2 (en) Semiconductor laser device, semiconductor laser module, and Raman amplifier using the device or module
US20030068125A1 (en) Semiconductor laser device, semiconductor laser module and optical fiber amplifier using the semiconductor laser module
EP1418653A1 (en) Semiconductor laser device, semiconductor laser module, and optical fiber amplifier using semiconductor laser module
JP4234353B2 (ja) 半導体レーザモジュールおよびこれを用いた光ファイバ増幅器
JP2002374037A (ja) 半導体レーザモジュール、それを用いたファイバ増幅器と光通信システム
JP3752171B2 (ja) 半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよびこれを用いたラマン増幅器
JP3725498B2 (ja) 半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよびこれを用いたラマン増幅器ならびにwdm通信システム
JP2003179304A (ja) 半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよび半導体レーザモジュールを用いた光ファイバ増幅器
JP4043929B2 (ja) 半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよびこれを用いたラマン増幅器
JP2003174230A (ja) 半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよび半導体レーザモジュールを用いた光ファイバ増幅器
JP4336127B2 (ja) 光ファイバ増幅器
JP2003174229A (ja) 半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよびこれを用いたラマン増幅器
EP1283573A2 (en) A distributed bragg reflector semiconductor laser
JP4162905B2 (ja) 光ファイバ増幅器
EP1255336A2 (en) Semiconductor laser device having a diffraction grating on a light emission side
JP2003234539A (ja) 半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよび光ファイバ増幅器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050704

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080718

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080729

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080929

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081202

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090317

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090409

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4297321

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120424

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120424

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130424

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130424

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140424

Year of fee payment: 5

EXPY Cancellation because of completion of term