JP4297319B2 - 粘接着テープ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基材フィルムの片面に粘着剤層を設け、粘着剤層側に通常のセパレータを設けてなる粘接着テープに関するものである。さらに詳しくはシリコンウェハ等の半導体装置を製造するにあたりウェハ等を固定し、ダイシングし、さらにリードフレームや半導体チップと重ね合わせるための接着工程に使用される半導体ウェハ用ダイシング−ダイボンド用粘接着テープに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ICなどの半導体装置の組立工程においては、パターン形成後の半導体ウェハ等は個々のチップに切断分離(ダイシング)する工程と、チップをリードフレーム等にマウントする工程、そして樹脂等で封止する工程からなっている。
ダイシング工程は、半導体ウェハをあらかじめ粘着テープに貼り付けて固定した後、チップ形状に沿ってダイシングを行う工程であり、マウント工程は、チップを粘着テープから剥離(ピックアップ)させ、樹脂等で封止する工程では、該チップを接着固定用の接着剤でリードフレーム等に固定する。
【0003】
上記目的に使用するテープとしては、通常の感圧接着タイプのものと紫外線、電子線など放射線により硬化して粘着力が低下する性質を有するテープがあり、いずれもダイシングする際にはウェハが剥離したりしない、十分な粘着力を必要とし、ピックアップの際には容易に剥離できる性質が要求される。
また、マウント工程においては、チップとリードフレーム等において十分な接着力が要求される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記工程に使用されるダイシング用粘着テープとリードフレーム等への接着剤の機能を兼ね備え、接着剤の塗布の作業性を改善し、プロセスを簡略化させた粘接着テープが種々提案されている(例えば、特開平2−32181号、特開平8−53655号等)。
上記公報に開示されている粘着テープは、ダイシング後、チップ裏面に粘着剤層を付けたままでピックアップし、リードフレーム等にマウントした後加熱などにより硬化接着させるいわゆるダイレクトダイボンディングを可能にし、接着剤の塗布工程を省略できるようにするものである。
しかしながら、特開平2−32181号にて開示されている粘接着剤は、一般に高温乾燥する際の塗布液の粘度が低く、またテープ基材の表面エネルギーが40dyne/cm と低いものを使用しているため、塗布液の濡れ性が低く、基材に塗布してもはじきが発生しやすく、歩留りが低い。さらに、シリコーン離型剤を処理した剥離材に上記塗布液を塗布・乾燥し、テープ基材に貼合するいわゆる転写塗工は、該組成物の塗布液ではさらに困難であった(特開平8−53655号記載)。また、特開平2−32181号、特開平8−53655号においては、エポキシ樹脂と熱活性型潜在性エポキシ樹脂硬化剤を配合した粘着剤が開示されているが、この硬化剤が吸湿性のため湿気により硬化を促進させ、可使時間を低下させるため保存安定性が悪いという問題点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために鋭意検討した結果、前述した粘接着テープに使用される粘接着組成物として、少なくとも主鎖の炭素鎖に結合基として放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基及び、エポキシ基含有基、及びカルボキシル基含有基を有するアクリル系粘接着組成物を用いた際、放射線照射時には炭素−炭素二重結合による架橋反応により粘着剤が硬化し、その後熱を加えることによりエポキシ基とカルボキシル基が架橋反応を生じてさらに硬化することが可能であることを見出し、熱硬化性樹脂及び熱活性型潜在性エポキシ樹脂硬化剤を添加することなく放射線硬化及び熱硬化性を有する粘接着テープを開発するに至り、可使時間が長く、保存安定性に優れる粘接着テープを発明するに至った。
本発明は、熱硬化性樹脂及び熱活性型潜在性エポキシ樹脂硬化剤を添加することなく放射線硬化と熱硬化の2段階の硬化反応を呈することが可能な保存安定性に優れる粘接着テープに関するものである。さらに詳しくはダイシング時には粘着剤層とウェハ及び基材フィルムとが剥離しない十分な粘着力を有し、ピックアップの際には放射線硬化により粘着剤層にチップ裏面を密着させて、基材フィルムから剥離でき、マウント工程においては、チップとリードフレーム等において十分な接着力が得られるいわゆるダイレクトダイボンディングを可能にするのに好適なものである。
すなわち本発明は、
(1)基材フィルムの少なくとも片面に粘着剤層を設けてなる半導体ウェハ用ダイシング−ダイボンディング用粘接着テープにおいて、粘着剤の樹脂成分が、少なくとも放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基、エポキシ基含有基、及びカルボキシル基を含有する基をそれぞれ有するアクリル系粘着剤であり、かつゲル分率が60%以上であることを特徴とする半導体ウェハ用ダイシング−ダイボンディング用粘接着テープ、
(2)前記アクリル系粘着剤が、(メタ)アクリル酸エステル、カルボキシル基含有不飽和化合物およびヒドロキシル基含有不飽和化合物を共重合させて得られるアクリル系共重合体に、この共重合体のカルボキシル基又はヒドロキシル基に対して付加反応することが可能な官能基及び炭素−炭素二重結合を有する化合物を付加反応させて得られた共重合体Aと、(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ基含有不飽和化合物およびヒドロキシル基含有不飽和化合物を共重合させて得られるアクリル系共重合体に、この共重合体のエポキシ基又はヒドロキシル基に対して付加反応することが可能な官能基及び炭素−炭素二重結合を有する化合物を付加反応させて得られた共重合体Bとを混合させて得られたことを特徴とする(1)に記載の半導体ウェハ用ダイシング−ダイボンディング用粘接着テープ、
(3)アクリル系共重合体中全構成成分中のエポキシ基含有基を有する構成成分の割合が1〜30mol%、カルボキシル基含有基を有する構成成分の割合が1〜30mol%、炭素−炭素二重結合含有基を有する構成成分の割合が1〜10mol%であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の半導体ウェハ用ダイシング−ダイボンディング用粘接着テープ、
(4)放射線照射後のシリコンウェハと粘接着テープの剥離力は、0.5〜50N/25mm、粘接着テープと基材フィルムとの剥離力は0.5N/25mm以下で、シリコンウェハと粘接着テープの剥離力が基材フィルムと粘接着テープの剥離力より大きいことを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の半導体ウェハ用ダイシング−ダイボンディング用粘接着テープ、
(5)アクリル系共重合体は、架橋剤を、アクリル系共重合体100重量部に対して、0.01〜5.0重量部、及び/または光重合開始剤をアクリル系共重合体100重量部に対して0.01〜5重量部の範囲で加えたことを特徴とする(2)又は(3)に記載の半導体ウェハ用ダイシング−ダイボンディング用粘接着テープ、及び
(6)前記基材フィルムとして、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリウレタン、スチレン−エチレン−ブテン共重合体、及びペンテン系共重合体からなる群から選ばれる1種または2種以上を用いたことを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の半導体ウェハ用ダイシング−ダイボンディング用粘接着テープ
を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる粘接着剤は、少なくとも炭素−炭素結合からなる主鎖に放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基及び、エポキシ基含有基、及びカルボキシル基含有基を有するアクリル系共重合体もしくはアクリル系共重合体の混合物もしくはその架橋物からなるものである。
このようなアクリル系共重合体は、(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシル基含有不飽和化合物、カルボキシル基含有不飽和化合物、エポキシ基含有不飽和化合物等からなる共重合体(A)に、これらの共重合体の官能基に対して付加反応することが可能な官能基及び炭素−炭素二重結合を有する化合物(B)を付加反応して得られる。本発明でいう不飽和化合物とは放射線硬化しうる炭素−炭素二重結合を少なくとも1つ有する化合物をいう。
【0007】
上記の(メタ)アクリル酸エステルの例としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。
また、ヒドロキシル基含有不飽和化合物の例としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
カルボキシル基含有不飽和化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。
エポキシ基含有不飽和化合物としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
前記の付加反応することが可能な官能基と炭素−炭素二重結合を有する化合物(B)としては、例えばヒドロキシル基と反応可能な2−イソシアネートエチルメタクリレート等のイソシアネート化合物、エポキシ基と反応可能なカルボキシル基を有するアクリル酸、メタクリル酸、カルボキシル基と反応可能なエポキシ基含有不飽和化合物が挙げられる。
【0008】
共重合体の製造にはエポキシ基含有基、及びカルボキシル基含有基及びヒドロキシル基含有基を有する不飽和化合物に加えて、(メタ)アクリル酸エステルから1種単独もしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお上記アクリル系共重合体の合成法としては、
(1)(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシル基含有不飽和化合物、カルボキシル基含有不飽和化合物、エポキシ基含有不飽和化合物等からなる共重合体(A)に、これらの共重合体の官能基に対して付加反応することが可能な官能基及び炭素−炭素二重結合を有する化合物(B)を付加反応する方法、
(2)エポキシ基含有不飽和化合物、ヒドロキシル基含有不飽和化合物、(メタ)アクリル酸エステルからなる共重合体(A-1)と、カルボキシル基含有不飽和化合物、ヒドロキシル基含有不飽和化合物、(メタ)アクリル酸エステルからなる共重合体(A-2)とを別々に共重合し、上記共重合体(A-1)と(A-2)に、炭素−炭素二重結合を有しエポキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基のいずれかと反応可能な官能基を有する化合物(B)をそれぞれ付加反応させたのち、両者を混合する方法などにより合成することが可能であり、いずれの方法においても同様の効果が得られる。
また、上記アクリル系共重合体は、エポキシ基あるいはカルボキシル基の濃度が高くなると、重合時にエポキシ基とカルボキシル基が反応しやすくなるため、例えば、エポキシ基含有不飽和化合物、ヒドロキシル基含有不飽和化合物、(メタ)アクリル酸エステルからなる共重合体(A-1)と、カルボキシル基含有不飽和化合物、ヒドロキシル基含有不飽和化合物、(メタ)アクリル酸エステルからなる共重合体(A-2)とを別々に共重合し、上記共重合体(A-1)と(A-2)に、炭素−炭素二重結合を有しヒドロキシル基と反応可能な官能基を有する化合物(B)をそれぞれ付加反応させたのち、両者を混合することにより調製することが好ましい。
【0009】
本発明に用いるアクリル系共重合体の分子量としては、好ましくは重量平均分子量で1万〜100万、さらに好ましくは5万〜50万である。
本発明のアクリル系重合体の全構成成分(繰り返し単位)中、炭素−炭素二重結合含有基を有する構成成分の割合としては、好ましくは1〜20mol%であり、1〜10mol%がより好ましい。炭素−炭素二重結合含有基の割合が低すぎると放射線照射時の架橋度が不充分であるため、ピックアップ工程で容易に粘接着剤層と基材フィルム層で剥離することができないことがあり、割合が高すぎると放射線照射時の架橋度が高くなりすぎ、その後の加熱硬化が十分に進行しないことがある。
【0010】
また、アクリル系共重合体の全構成成分に対し、エポキシ基含有基を有する構成成分の割合は、好ましくは1〜30mol%であり、5〜20mol%がより好ましい。カルボキシル基含有基を有する構成成分の割合は好ましくは1〜30mol%であり、5〜20mol%がより好ましい。エポキシ基とカルボキシル基の割合が低すぎると加熱時の架橋度が不充分であるため、マウント工程においてチップとリードフレーム等との十分な接着力が得られないことがある。また双方の割合が高すぎると、ダイシング時にウェハを固定する十分な粘着力が得られない。
このようにして得られるアクリル系共重合体は、必要に応じてポリイソシアネート化合物またはアルキルエーテル化メラミン化合物またはアルキルエーテル化メラミン化合物等の架橋剤を配合することができる。架橋剤の添加量は、アクリル系共重合体100重量部に対して0.01〜5.0重量部が好ましい。
【0011】
なお、本発明の放射線硬化性粘着剤を紫外線照射によって硬化させる場合には、必要に応じて、光重合開始剤、例えばイソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、α-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシメチルフェニルプロパン等を使用することができる。これら光重合開始剤の配合量はアクリル系共重合体100重量部に対して0.01〜5重量部が好ましい。
本発明においてこの粘着剤のゲル分率は、例えば以下のようにして求められる。すなわち粘接着テープの粘接着層約0.05gを秤取し、キシレン50mlに120℃で24時間浸漬した後、200メッシュのステンレス製金網で濾過し、金網上の不溶解分を110℃にて120分間乾燥する。次に、乾燥した不溶解分の重量を秤量し、下記に示す式にてゲル分率を算出する。
ゲル分率(%)=(不溶解分の重量/秤取した粘着剤層の重量)×100
本発明においては、粘着剤中に低分子成分が存在していると、テープ製造後に長期保管している間に、低分子成分がテープ表面に移行し粘接着特性を損なう恐れがあるため、ゲル分率が高いことが望ましく、通常60%以上、好ましくは 70%以上である。
【0012】
また、上記粘接着剤には、ダイボンド後の導電性、熱伝導性の付与を目的として金属製微粉末やその他導電性もしくは熱伝導性に優れる材料を添加することも可能である。
また、上記粘接着剤には、熱安定性向上を目的として金属酸化物やガラス等の微粉末を添加することも可能である。
粘接着剤塗布層の厚さは、5〜50μmが好ましい。
【0013】
本発明に用いられる基材フィルムとしては、放射線透過性を有するものであれば公知のものを使用することができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマーなどのα−オレフィンの単独重合体または共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル等のエンジニアリングプラスチック、またはポリウレタン、スチレン−エチレン−ブテンもしくはペンテン系共重合体等の熱可塑性エラストマーが挙げられる。またはこれらの群から選ばれる2種以上が混合されたものもしくは複層化されたものでもよい。
フィルムの厚みは50〜200μmが好ましく用いられる。本発明の、粘接着テープは、使用前は粘着剤層側に保護のためセパレータ(剥離フィルム)が貼着されている。
【0014】
このようにして得られた粘接着テープは、ダイシング時には粘着剤層とウェハ及び基材フィルムと剥離しない十分な粘着力を有し、ピックアップの際には放射線硬化により粘着剤層とチップ裏面が密着した状態で、基材フィルムから剥離でき、加熱によりリードフレーム等に接着することが可能である。
ダイシング時のシリコンウェハと粘接着テープの剥離力(剥離するに必要な力)は、好ましくは0.5〜10N/25mm、より好ましくは1〜5N/25mmであり、放射線照射後のシリコンウェハと粘接着テープの剥離力は0.5〜50N/25mm、基材フィルムと粘接着テープの粘着剤層との剥離力は0.5N/25mm以下が好ましい。この場合にもちろん剥離力の関係は、前者の方が後者より大きいことが必要である。
次いで、マウント工程においては、加熱することにより粘接着層中のエポキシ基とカルボキシル基の硬化反応により、ICチップとリードフレームもしくはICチップとICチップとの接着が実現される。この場合の加熱温度は、特に制限するものではないが、通常は100〜200℃が好ましく、加熱時間は、1〜60分間が好ましい。
【0015】
【実施例】
次に、本発明を実施例に基づき、更に詳細に説明する。尚、以下の実施での各特性は、次のように試験した。
【0016】
1.ゲル分率:粘着剤層約0.05gを秤取し、キシレン50mlに120℃で24時間浸漬した後、200メッシュのステンレス製金網で濾過し、金網上の不溶解分を110℃にて120分間乾燥する。次に、乾燥した不溶解分の重量を秤量し、下記に示す式にてゲル分率を算出した。
ゲル分率(%)=(不溶解分の重量/秤取した粘着剤層の重量)×100
【0017】
2.保存安定性
実施例、比較例に基づいて作成した粘接着テープについて、60℃、85%RHの環境下に1週間放置し、室温に1時間放置したのち被着体に貼合したものと、加熱処理しない粘接着テープを被着体に貼合したものの剥離力を測定し、剥離力の変化率を確認することで保存安定性を評価した。
剥離力の測定法としては、JIS Z 0237に従って測定した。(テープを幅25mm、長さ約250mmに切断し、SUS 304鋼板を280番の耐水研磨紙で表面研磨したものを被着体として用い、質量2000gのゴムローラーにて圧着させたものを90度引き剥がし法にて測定。)
変化率(%)=(加熱放置前後の粘着力差/加熱放置前の剥離力)×100
とし、
放置前後での剥離力変化率が30%未満:○
放置前後での剥離力変化率が30%以上:×
にて判定した。
【0018】
3.ダイシング性評価(チップ飛びの確認)
実施例、比較例に基づいて作成した粘接着テープに下記の条件にてウェハを貼合し、ダイシングした際のチップの飛散の有無を確認した。
チップ飛び無し :○
ウェハ外周部の不完全な形状のチップの飛散のみ:△
チップ飛び有り :×
にて判定した。
【0019】
4.せん断接着力
実施例、比較例に基づいて作成した粘接着テープに下記の条件にてウェハを貼合し、ダイシングし紫外線を照射した後、高密度ポリエチレン樹脂フィルム層と剥離し、シリコンウェハに貼着し、39.2kPaの荷重をかけて150℃で30分保持し粘接着層を硬化させたのち、プッシュプルゲージを用いて常温(23℃)と200℃でのせん断接着力を測定した。
【0020】
3.及び4.のダイシング条件としては、以下の条件とした。
ダイシング装置 :ディスコ社製 DAD−340
ブレード :ディスコ社製 NBC−ZH2050 27HEDD
ブレード回転数 :40000rpm
切削速度 :100mm/sec
切り残し厚み :50μm
ダイシングサイズ :5mm角
ウェハ :Siウェハ
ウェハサイズ :6インチ
ウェハ厚み :350μm
ウェハの裏面研削粗さ:#2000研磨面
【0021】
共重合体Aの合成
共重合体Aは、ブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸を原料として、下記表1の配合比で重合を行い共重合体を得た。
この重合体に2−イソシアネートエチルメタクリレートを下記表1の配合比で付加反応させ、共重合体Aを得た。なお、A7は参考例である。
【0022】
【表1】
Figure 0004297319
【0023】
共重合体Bの合成
共重合体Bは、ブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルメタクリレートを原料として、下記表2の配合比で重合を行い共重合体を得た。
この重合体に2−イソシアネートエチルメタクリレートを下記表2の配合比で付加反応させ、共重合体Bを得た。なお、B7は参考例である。
【0024】
【表2】
Figure 0004297319
【0025】
粘接着テープの作成
共重合体A及び共重合体Bの合成により得られた共重合体A、Bと、硬化剤としてポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製、商品名コロネートL)、光開始剤としてα-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを下記表Cの配合比で混合し、粘接着剤を得た。
各々乾燥後の粘接着剤厚さを30μmとし、高密度ポリエチレン樹脂フィルム(100μm)に塗工し、粘着テープを作成した。
これにより共重合体AとBとは加熱乾燥工程で共重合体A、及びBの有するヒドロキシル基と硬化剤のイソシアネート基官能基の反応により硬化反応を生じる他、共重合体A及びBの含有する炭素−炭素二重結合が光硬化反応可能である他、共重合体Aの有するカルボキシル基と共重合体Bの有するエポキシ基が加熱により硬化反応を起こすことができる。
【0026】
【表3】
Figure 0004297319
【0027】
【表4】
Figure 0004297319
【0028】
比較例1として、ビスフェノール系グリシジル型エポキシ樹脂(エピコート828、エピコート1002、(いずれも商品名)ジャパンエポキシレジン社製)各々300重量部、熱活性型潜在性エポキシ樹脂硬化剤(サンエイドSI−100L(商品名)三新化学工業社製)18重量部配合した。
【0029】
【表5】
Figure 0004297319
【0030】
【表6】
Figure 0004297319
【0031】
【発明の効果】
このように本発明によれば、ダイシングの際にはダイシングテープとして使用でき、マウントの際には接着剤として使用でき、また保存安定性のよい粘接着テープを提供することができる。

Claims (6)

  1. 基材フィルムの少なくとも片面に粘着剤層を設けてなる半導体ウェハ用ダイシング−ダイボンディング用粘接着テープにおいて、粘着剤の樹脂成分が、少なくとも放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基、エポキシ基含有基、及びカルボキシル基を含有する基をそれぞれ有するアクリル系粘着剤であり、かつゲル分率が60%以上であることを特徴とする半導体ウェハ用ダイシング−ダイボンディング用粘接着テープ。
  2. 前記アクリル系粘着剤が、(メタ)アクリル酸エステル、カルボキシル基含有不飽和化合物およびヒドロキシル基含有不飽和化合物を共重合させて得られるアクリル系共重合体に、この共重合体のカルボキシル基又はヒドロキシル基に対して付加反応することが可能な官能基及び炭素−炭素二重結合を有する化合物を付加反応させて得られた共重合体Aと、(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ基含有不飽和化合物およびヒドロキシル基含有不飽和化合物を共重合させて得られるアクリル系共重合体に、この共重合体のエポキシ基又はヒドロキシル基に対して付加反応することが可能な官能基及び炭素−炭素二重結合を有する化合物を付加反応させて得られた共重合体Bとを混合させて得られたことを特徴とする請求項1に記載の半導体ウェハ用ダイシング−ダイボンディング用粘接着テープ。
  3. アクリル系共重合体中全構成成分中のエポキシ基含有基を有する構成成分の割合が1〜30mol%、カルボキシル基含有基を有する構成成分の割合が1〜30mol%、炭素−炭素二重結合含有基を有する構成成分の割合が1〜10mol%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体ウェハ用ダイシング−ダイボンディング用粘接着テープ。
  4. 放射線照射後のシリコンウェハと粘接着テープの剥離力は、0.5〜50N/25mm、粘接着テープと基材フィルムとの剥離力は0.5N/25mm以下で、シリコンウェハと粘接着テープの剥離力が基材フィルムと粘接着テープの剥離力より大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体ウェハ用ダイシング−ダイボンディング用粘接着テープ。
  5. アクリル系共重合体は、架橋剤を、アクリル系共重合体100重量部に対して、0.01〜5.0重量部、及び/または光重合開始剤をアクリル系共重合体100重量部に対して0.01〜5重量部の範囲で加えたことを特徴とする請求項2又は3に記載の半導体ウェハ用ダイシング−ダイボンディング用粘接着テープ。
  6. 前記基材フィルムとして、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリウレタン、スチレン−エチレン−ブテン共重合体、及びペンテン系共重合体からなる群から選ばれる1種または2種以上を用いたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体ウェハ用ダイシング−ダイボンディング用粘接着テープ。
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