JP4296595B2 - 型内被覆成形方法及び型内被覆成形用金型 - Google Patents
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Description
塗料注入後は、金型内で塗料を硬化させて、塗料が硬化した後に、金型を開いて塗料で被覆した樹脂成形品を金型より取り出す。
そのため、外観に対して高い品質が要求される自動車用の部品、例えば、バンパー、ドア、ドアミラーカバー、フェンダー等多くの部品には、前述の型内被覆成形方法の利用が検討されており、そのような理由から、前述の型内被覆成形方法や型内被覆成形用金型について、既に数多くの提案がなされており、例えば特許文献1及び2に開示されるようなものが公知である。
漏れた塗料をそのままにしておくと、漏れだした部分で硬化するため、その後の成形で金型を傷つける恐れがある。
シール機構の例として、例えば、特許文献2に記載されるような塗料の漏れ止め機構をを設ける、又、塗料硬化用ヒータにより金型キャビティ末端の塗料を強制的に硬化させて塗料の漏れ出しを防止する等といった手段が既に公知である。
また、金型に複雑な加工が必要な従来のシール機構は、製品形状により構造的に使用できない場合もあり、金型加工上の制約によって樹脂成形品の形状に制限を受ける場合が多かった。
しかし、塗料溜りを設ける方法は、長時間連続成形を行なった際に、塗料溜りに塗料がたまり、金型の清掃を余儀なくされる。特許文献1に開示の発明は、この点を考慮して、金型の清掃回数を減らすシール機構を併用しているが、成形回数が多くなれば、どうしても金型の清掃を行なわざるを得ない。
金型の清掃は、成形を一旦中止して行なう必要があるため、この清掃が連続成形を行なう上での妨げとなっていた。
(1) 固定型と可動型により形成される金型キャビティを有して、該金型キャビティのパーティングライン全周に連なる金型パーティング面を、金型開閉方向に対して略垂直な方向に延びるよう形成するとともに、該金型キャビティで成形される樹脂成形品の表面に被覆を施すための塗料注入機を備えた型内被覆成形用金型を用いて、固定型と可動型により金型キャビティを形成した後、該金型キャビティに樹脂を充填することにより樹脂成形品を成形する第1の工程、金型キャビティで成形した樹脂成形品を冷却収縮させて、樹脂成形品と金型キャビティ面との間に空隙を生じさせる第2の工程、及び、該空隙に塗料を注入して樹脂成形品を被覆する第3の工程を備え、該第1の工程から第3の工程までを順次行なう樹脂の型内被覆成形方法であって、該第1の工程において、金型パーティング面に隙間がある状態で金型キャビティを形成した後、金型キャビティに樹脂を充填し、該樹脂の充填完了後に金型を型締めすることによって、樹脂成形品を成形するとともに、金型キャビティのパーティングライン全周から金型パーティング面にバリを発生させ、該第3の工程において、金型に型締力を負荷することによって、金型パーティング面でバリを挟み込むことにより金型キャビティから塗料が漏れ出すことを防止する構成とした。
固定型と可動型により金型キャビティを形成した後、該金型キャビティに樹脂を充填することにより樹脂成形品を成形する第1の工程、該射出充填した樹脂を冷却収縮させて該金型キャビティで成形した樹脂成形品と、金型キャビティ面との間に空隙を生じさせる第2の工程、及び、該空隙に塗料を注入して樹脂成形品を被覆する第3の工程を備え、該第1の工程から第3の工程までを順次行なう樹脂の型内被覆成形方法であって、該第1の工程において、充填した樹脂の圧力により発生する型開力より、金型の型締力を小さくすることによって、金型キャビティのパーティングライン全周から金型パーティング面にバリを発生させるとともに、該第3の工程において、金型に型締力を負荷することによって、金型パーティング面でバリを挟み込むことにより金型キャビティから塗料が漏れ出すことを防止する構成とした。
(4) 固定型と可動型により形成される金型キャビティを有して、該金型キャビティで成形される樹脂成形品の表面に被覆を施すための塗料注入機を備えた型内被覆成形用金型において、該金型キャビティのパーティングライン全周に連なり、金型開閉方向に対して略垂直な方向に延びる金型パーティング面を可動型と固定型の間に形成するとともに、該金型パーティング面の外周全周に連なり、金型型閉方向に延びる嵌合部を可動型と固定型の間に形成することにより、該金型をわずかに開いた際に、金型パーティング面に隙間を形成し、該嵌合部により該隙間が外部と連通することを遮断する型内被覆成形用金型。
そして、型内被覆用の塗料を金型キャビティ内に注入する際においては、該バリを金型パーティング面で挟み込んだ状態で型締力を負荷することにより、該バリで塗料の流れをシールして該金型キャビティから塗料が漏れ出すことを防止する。
そのため、金型に特別なシール機構を施さなくとも、塗料の漏れを確実に防止できるという優れた効果を有する。
また、本発明による金型を前述の方法に用いれば、金型のパーティングライン全周にわたって、均一な大きさのバリを形成することができ、確実に塗料の漏れを防止できるという優れた効果を奏する。
図1〜図9は本発明の実施形態に係わり、図1は第1及び第2の実施形態に用いた型内被覆成型用金型について概略の構造を説明する要部断面図である。図2及び図3は型内被覆成形方法の工程を説明するため樹脂と金型の挙動を示した概念図であって、図2は第1の実施形態であり、図2は第2の実施形態である。
また、図4は本発明による型内被覆成型用金型について概略の構造を説明する要部断面図であり、図5及び図6は型内被覆成形方法の工程を説明するため樹脂と金型の挙動を示した概念図であって、図5は第3の実施形態であり、図6は第4の実施形態である。
また、図7〜図9は型内被覆成形方法の工程を記載したフローチャートであって、図7は第1の実施形態であり、図8は第2の実施形態であり、図9は第4の実施形態である。
図1に示した金型100は、可動型10、固定型20、及び塗料注入機50等を備えており、可動型10と固定型20に形成したそれぞれの金型キャビティ面を対向するように組合わせて型締めすることによって、金型100内に所望する形状の金型キャビティ15を形成する構造となっている。
また、金型100は、金型キャビティ15を形成する可動型10と固定型20の金型分割ライン(パーティングラインと称することもある)の全周から分割面(金型パーティング面と称することもある)へと連なる構造であって、該金型パーティング面は、樹脂成形品を成形する金型キャビティ15に隣接して金型キャビティ15を囲むようにして形成され、金型100の型閉方向に対して垂直になるよう形成されている。
そして、金型100は、該金型パーティング面の外周全周に連なり、金型型閉方向に延びる嵌合部を可動型10と固定型20の間に形成している。
詳細を後述するが第1の実施形態による型内被覆成形方法によれば、金型をわずかに開くことにより、金型キャビティ15のパーティングライン全周から金型パーティング面に向かって樹脂の漏れを発生させる。
金型100を用いて成形した場合において、金型キャビティ15のパーティングライン全周から金型パーティング面に侵入した樹脂Jは、型閉方向に垂直な方向に延びる金型パーティング面を進んだ後、固定型20と可動型10の嵌合部でせき止められて、それ以上先に進むことができない構造となっている。
本実施の形態における塗料注入機50は、可動型10に取り付けられて、可動型10の金型キャビティ面に配設された塗料注入口51より金型キャビティ15内に塗料を注入することができるよう構成されている。
また、塗料注入機50の塗料注入口51には図示しないバルブが取りつけられており、基材である樹脂Jの射出成形時においては、該バルブが閉じられていることによって、金型100の金型キャビティ15内に射出された樹脂Jが塗料注入口51より塗料注入機50内に進入することを防止している。
なお、本実施の形態における塗料注入機50は、可動型10側の金型キャビティ面より塗料Tを注入するよう構成したが、これに限るものではなく、金型キャビティ15内で成形した樹脂成形品の被覆したい部分と金型キャビティ面との間に生じた空隙部分に塗料を注入できるよう構成すれば良く、その条件を満たせば塗料注入機50は固定型20に取りつけられる等しても良い。
該樹脂の漏れは、金型開閉方向に対して略垂直な方向に延びる金型パーティング面の隙間を流れて行き、その後、金型パーティング面の外周に連なって金型型閉方向に延びる嵌合部でせき止められる。嵌合部まで延びた樹脂の漏れは一様の大きさと厚みとなる。
なお、この樹脂の漏れは、一般にバリと称されることがあるようなものであって、通常の成形においてバリは、樹脂成形品の寸法精度を狂わせる、あるいは金型100の寿命を短くするといった点で、成形不良としてとり扱われるものである。しかし、本発明においては、この工程で、敢えてこの樹脂漏れ(本発明ではバリと称する)を金型100内で発生させる。
なお、樹脂Jの射出時においては、バリの発生に必要な樹脂Jの量を見込んで金型キャビティ15の容積より多めの樹脂Jを射出する。また、この際におけるバリの厚さは、射出される樹脂量により調整できるので所望する厚みとすることが出来る。
この工程で、金型キャビティ15内に充填された樹脂成形品は冷却されて熱収縮するとともに、金型パーティング面に発生したバリも熱収縮する。
しかし、ここで重要な点は、金型パーティング面に発生したバリは、金型キャビティ15内で成形された樹脂成形品に比較して、肉厚が極端に小さいため、その熱収縮量は小さくわずかである。この状態で金型100を型締めしていると、可動型10は樹脂Jの収縮分だけ固定型20に近づこうとするが、その移動距離は、収縮量の小さなバリの収縮量に相当する量である。従って、樹脂成形品の冷却が進むと、金型キャビティ面と樹脂成形品との間にわずかな空隙が生じるとともに、金型パーティング面に挟まれているバリに対して、型締力が集中的に作用した状態になる。
塗料注入後は、金型キャビティ15内で塗料を硬化させた後、第4の工程に移り、金型100を開いて被覆した樹脂成形品を型内被覆成形品として金型100から取り出す。
なお、前述した第1実施形態の工程の概略を参考として図7に記載する。
従って、本発明の方法に用いる金型構造としては、金型パーティング面に対して型締力が作用させやすい構造が好適であり、金型型閉方向に対して略垂直方向に延びる金型パーティング面を有した金型を用いて成形することが好ましい。
なお、本発明で言うところの略垂直方向とは、金型型閉方向に対する垂直方向から±15度前後程度の範囲内にあることを意味している。
さらに、本発明による金型の構造として、金型パーティング面に発生したバリを均一な大きさとするために、樹脂の流れをせき止めるため、金型型閉方向に延びる嵌合部を備えた構造であることが好ましい。
なお、金型型閉方向に延びる嵌合部とは、樹脂の流れをせき止められる所謂シェアエッジ構造(一般的には食い切り構造と称される場合もある)とすることが好適であり、金型型閉方向に対して±45度前後程度の範囲内にあることを意味している。
なお、以下に説明する第2の実施形態が第1の実施形態と異なる部分は、樹脂の射出充填時に所謂射出圧縮成形を応用した点にある。
また、第2の実施形態に用いた型内被覆成形用金型100、樹脂成形品を成形する樹脂J、及び型内被覆成形用の塗料Tは、第1の実施形態と同一である。
なお、この際に金型100を型締めする型締力は、後述する射出時の樹脂の充填圧力により発生する金型100の型開力より小さくする。この様子を図3(1)に示す。
なお、樹脂Jの射出時においては、第1の実施形態と同様にバリの発生に必要な樹脂Jの量を見込んで金型キャビティ15の容積より多めの樹脂Jを射出する。
樹脂Jの射出充填が進行すると、射出充填した樹脂Jの圧力によって発生する型開力が、型締力を越えた時点で金型100がわずかに開き始め、図3(2)に示すように、金型キャビティ15のパーティングライン全周から金型パーティング面に向けてバリが発生し始める。そして、樹脂Jの射出充填が進行すると、該バリは、金型開閉方向に対して略垂直な方向に延びる金型パーティング面の間を流れて行き、その後、金型パーティング面の外周に連なって金型型閉方向に延びる嵌合部でせき止められる。そして、嵌合部まで延びたバリは一様の大きさと厚みとなる。
この工程において、該バリは、図3(3)に示すように、固定型20と可動型10との間に形成された金型パーティング面に挟み込まれた状態となっている。
第2の工程で、金型キャビティ15内に充填された樹脂成形品は冷却されて熱収縮するとともに、金型パーティング面に発生したバリも熱収縮する。この状態で樹脂成形品の冷却が進むと、前述した第1の実施形態と同様に、金型キャビティ面と樹脂成形品との間にわずかな空隙が生じるとともに、金型パーティング面に挟まれているバリに対して、型締力が集中的に作用した状態になる。
また、この際には必要に応じて型締力を増大させても良い。
しかし、金型パーティング面に入り込んだ樹脂のバリは、前述した理由により、金型パーティング面の間で強く挟み込まれて、金型キャビティ15から漏れ出そうとする塗料Tの流れを遮断するシールとなっており、金型パーティング面から塗料Tが流れ出すことを防止する。従って、金型キャビティ15から外部に塗料Tが漏れ出すことはない。
通常、塗料Tの注入圧力は、樹脂Jの射出圧力に比較して、1/5〜1/10程度であるので、樹脂Jの型開力により金型100が開き、かつ塗料Tの注入圧力により金型100が型開しない圧力に選定することが可能である。
また、必要に応じて、樹脂Jの射出充填時と塗料Tの注入時に型締力を変えて、樹脂Jの型開力により金型100が開き、塗料Tの注入圧力により金型100が型開しない状況としても良い。
そして、型内被覆用の塗料Tを金型キャビティ内に注入する際において、該バリを該金型パーティング面で挟み込んだ状態とし、型締力を負荷することによって、該金型キャビティから塗料が漏れ出すことを効果的に防止する。
なお、第2実施形態の工程の概略を参考として図8に記載する。
第2の実施形態においては、樹脂Jの射出充填時に所謂射出圧縮成形動作を利用するため、第1の実施形態と異なって金型100の型開量を型締装置で正確に制御する必要がなく、簡易な構成の型締装置を用いて成形が可能であるという利点を備えている。
なお、第3の実施形態では、第1及び第2の実施形態と異なり、図4に示すような構造の型内被覆成形用金型200(金型200と称することもある)を用いた。
図4に示した金型200は、金型キャビティ15の中心付近にゲート部8が形成されたセンターゲートの金型であるとともに、金型キャビティ15で成形される樹脂成形品の形状が円盤状の平板である。
また、金型100は、金型キャビティ15を形成する可動型10と固定型20のパーティングラインの全周から金型パーティング面と称することもあるへと連なる構造であって、該金型パーティング面は、樹脂成形品を成形する金型キャビティ15に隣接して、金型キャビティ15を囲むようにして形成されているとともに、金型100の型閉方向に対して垂直になるよう形成されている。金型200が金型100と異なる部分は、該金型パーティング面の外周全周に連なり、金型型閉方向に延びる嵌合部を可動型10と固定型20の間に形成していない点にある。
なお、第3の実施形態に用いた、基材となる樹脂成形品を成形する樹脂J、及び型内被覆成形用の塗料Tは、第1の実施形態と同一である。
図5に挙動を示した型内被覆成形方法は、第1の工程として、図示しない型締装置により金型200を型閉して、固定型20と可動型10を型締めすることにより、可動型10と固定型20を金型パーティング面で当接させて金型200を型締めする。
なお、この際に金型200を型締めする型締力は、後述する充填した樹脂の圧力により発生する型開力より小さくする。この様子を図5(1)に示す。
実際に金型200の設計を行なう際には、コンピュータによる流動解析(所謂CAE解析等)を実施してゲート方案などを決めておくことが好ましい。
図5に示す金型200においては、モールドフロウ社製の流動解析ソフトであるモールドフロウを利用してゲート配置等の解析を行なった。
この工程において、該バリは、図5(3)に示すように、固定型20と可動型10との間に形成された金型パーティング面に挟み込まれた状態となっている。
前述の補充填が完了して、金型パーティング面にバリが発生した後、第3の工程に移り、図5(4)に示すように樹脂成形品を金型キャビティ内で冷却する。そして、樹脂成形品は冷却されることにより熱収縮して、金型キャビティ面と樹脂成形品との間にわずかな空隙が生じる。
なお、この際には後述する塗料の注入前に、塗料が漏れ出さないよう必要に応じて型締力を増大させる。
しかし、金型パーティング面に入り込んだ樹脂のバリは、第2の工程で前述した理由により、金型パーティング面の間で強く挟み込まれて、金型キャビティ15から漏れ出そうとする塗料Tの流れを遮断するシールとなっており、金型パーティング面から塗料Tが流れ出すことを防止する。従って、金型キャビティ15から外部に塗料Tが漏れ出すことはない。
塗料注入後は、金型キャビティ15内で塗料を硬化させた後、第4の工程に移り、金型200を開いて被覆した樹脂成形品を型内被覆成形品として金型200から取り出す。
そして、型内被覆用の塗料Tを金型キャビティ内に注入する際において、該バリを該金型パーティング面で挟み込んだ状態とし、型締力を負荷することによって、該金型キャビティから塗料が漏れ出すことを効果的に防止する。
なお、以下に説明する第4の実施形態が第3の実施形態と異なる部分は、バリの発生に樹脂の補充填を利用した点にある。
また、第4の実施形態に用いた型内被覆成形用金型200、樹脂成形品を成形する樹脂J、及び型内被覆成形用の塗料Tは、第3の実施形態と同一である。
なお、この際に金型200を型締めする型締力は、第3の実施形態と異なり、後述する射出充填する樹脂の圧力により発生する金型200の型開力より大きくした。
射出充填完了後、金型キャビティ15内の樹脂Jにスキン層が形成された時点で、すぐに第2の工程に移行して、図6(3)に示すようにして、金型200の型開動作を行い、金型200をわずかに型開きするとともに、樹脂の充填(補充填と称することもある)を再度開始する。
金型200をわずかに開いた状態で、金型キャビティ15内に樹脂を補充填すると、該金型キャビティ15のパーティングライン全周から金型パーティング面に樹脂の漏れであるバリを発生する。この様子を図6(4)に示す。
なお、この際におけるバリの厚さは、補充填時の型開量により調整できるので所望する大きさとすることが出来る。
なお、塗料Tの注入の際に、塗料Tの注入圧力により金型200が型開しないよう型締圧力の設定に注意することは、第1の実施形態と同様である。
第4の工程で金型200を型締した際において、金型パーティング面に入り込んだ樹脂のバリは、金型パーティング面の間で強く挟み込まれて、金型キャビティ15から漏れ出そうとする塗料Tの流れを遮断するシールとなる。従って、金型キャビティ15から外部に塗料Tが漏れ出すことはない。
例えば、ゲート8から遠い部分にある金型パーティング面にバリが発生しないうちに、ゲート8から近い部分にある金型パーティング面に大きなバリが発生するといった現象である。このような場合、金型キャビティ15のパーティングライン全周から金型パーティング面に均一な大きさのバリが発生するようゲート8の配置などを工夫する必要があって金型200の設計の際に予め注意する必要がある。
従って、最初に行った射出充填により金型キャビティ15のパーティングライン付近に充填されている樹脂Jが、補充填により金型パーティング面に向けて一斉に動き出し流れ出すため、前述したゲート8からの位置の影響を最小限にして、金型キャビティのパーティングライン全周から金型パーティング面に対して均一なバリを発生させることが可能になる。
なお、前述した第4実施形態の工程の概略を参考として図9に記載する。
15 金型キャビティ
10 可動型
20 固定型
50 塗料注入機
51 塗料注入口
100 型内被覆成形用金型
F 塗料漏れ
J 樹脂
T 塗料
Claims (4)
- 固定型と可動型により形成される金型キャビティを有して、該金型キャビティのパーティングライン全周に連なる金型パーティング面を、金型開閉方向に対して略垂直な方向に延びるよう形成するとともに、該金型キャビティで成形される樹脂成形品の表面に被覆を施すための塗料注入機を備えた型内被覆成形用金型を用いて、
固定型と可動型により金型キャビティを形成した後、該金型キャビティに樹脂を充填することにより樹脂成形品を成形する第1の工程、
金型キャビティで成形した樹脂成形品を冷却収縮させて、樹脂成形品と金型キャビティ面との間に空隙を生じさせる第2の工程、
及び、該空隙に塗料を注入して樹脂成形品を被覆する第3の工程を備え、
該第1の工程から第3の工程までを順次行なう樹脂の型内被覆成形方法であって、
該第1の工程において、金型パーティング面に隙間がある状態で金型キャビティを形成した後、金型キャビティに樹脂を充填し、該樹脂の充填完了後に金型を型締めすることによって、樹脂成形品を成形するとともに、金型キャビティのパーティングライン全周から金型パーティング面にバリを発生させ、
該第3の工程において、金型に型締力を負荷することによって、金型パーティング面でバリを挟み込むことにより金型キャビティから塗料が漏れ出すことを防止する樹脂の型内被覆成形方法。 - 固定型と可動型により形成される金型キャビティを有して、金型キャビティのパーティングライン全周に連なる金型パーティング面を、金型開閉方向に対して略垂直な方向に延びるよう形成するとともに、該金型キャビティで成形される樹脂成形品の表面に被覆を施すための塗料注入機を備えた型内被覆成形用金型を用いて、
固定型と可動型により金型キャビティを形成した後、該金型キャビティに樹脂を充填することにより樹脂成形品を成形する第1の工程、
該射出充填した樹脂を冷却収縮させて該金型キャビティで成形した樹脂成形品と、金型キャビティ面との間に空隙を生じさせる第2の工程、
及び、該空隙に塗料を注入して樹脂成形品を被覆する第3の工程を備え、
該第1の工程から第3の工程までを順次行なう樹脂の型内被覆成形方法であって、
該第1の工程において、充填した樹脂の圧力により発生する型開力より、金型の型締力を小さくすることによって、金型キャビティのパーティングライン全周から金型パーティング面にバリを発生させるとともに、
該第3の工程において、金型に型締力を負荷することによって、金型パーティング面でバリを挟み込むことにより金型キャビティから塗料が漏れ出すことを防止する樹脂の型内被覆成形方法。 - 固定型と可動型により形成される金型キャビティを有して、該金型キャビティのパーティングライン全周に連なる金型パーティング面を、金型開閉方向に対して略垂直な方向に延びるよう形成するとともに、該金型キャビティで成形される樹脂成形品の表面に被覆を施すための塗料注入機を備えた型内被覆成形用金型を用いて、
該金型を型締めして可動型と固定型により金型キャビティを形成し、該金型キャビティに樹脂を充填する第1の工程、
該金型をわずかに開いて、該金型キャビティのパーティングライン全周に金型パーティング面の隙間を形成する第2の工程、
該金型キャビティに樹脂を補充填して、該金型キャビティのパーティングライン全周から金型パーティング面にバリを発生させる第3の工程、
該金型キャビティに充填した樹脂を冷却収縮させて該金型キャビティで成形した樹脂成形品と、金型キャビティ面との間に空隙を生じさせる第4の工程、
及び、該空隙に塗料を注入して樹脂成形品を被覆する第5の工程を備えて、
該第1の工程から第4の工程までを順次行なう樹脂の型内被覆成形方法であって、
該第5の工程において、金型に型締力を負荷することによって、金型パーティング面でバリを挟み込むことにより金型キャビティから塗料が漏れ出すことを防止する樹脂の型内被覆成形方法。 - 固定型と可動型により形成される金型キャビティを有して、該金型キャビティで成形される樹脂成形品の表面に被覆を施すための塗料注入機を備えた型内被覆成形用金型において、該金型キャビティのパーティングライン全周に連なり、金型開閉方向に対して略垂直な方向に延びる金型パーティング面を可動型と固定型の間に形成するとともに、該金型パーティング面の外周全周に連なり、金型型閉方向に延びる嵌合部を可動型と固定型の間に形成することにより、該金型をわずかに開いた際に、金型パーティング面に隙間を形成し、該嵌合部により該隙間が外部と連通することを遮断する型内被覆成形用金型。
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