JP4295947B2 - 脚式移動ロボット及びその移動制御方法 - Google Patents

脚式移動ロボット及びその移動制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の可動脚を備えた脚式移動ロボット及びその移動制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、人や猿などの2足直立歩行を行う動物を模した脚式移動ロボットに関する研究開発が進展し、実用化への期待も高まってきている。2足直立による脚式移動ロボットは、クローラ式や4足又は6足式のロボットなどに比べて不安定であり、姿勢制御や歩行制御が複雑になるが、作業経路上に凹凸のある歩行面(不整地や障害物など)、あるいは階段やはしごなど不連続な歩行面に対応することができるなど、柔軟な移動作業を実現できるという点で優れている。
【0003】
人間の作業空間や居住空間のほとんどは、2足による直立歩行という人間が持つ身体メカニズムや行動様式に合わせて形成されている。言い換えれば、人間の住空間は、車輪その他の駆動装置を移動手段とした現状の機械システムが移動するにはあまりに多くの障壁が存在する。機械システム、すなわちロボットが様々な人的作業を支援又は代行し、さらに人間の住空間に深く浸透していくためには、ロボットの移動可能範囲が人間のそれとほぼ同じであることが好ましい。これが、脚式移動ロボットの実用化が大いに期待されている所以である。人間型の形態を有していることは、ロボットが人間の住環境との親和性を高める上で必須であると言える。
【0004】
2足歩行による脚式移動を行うタイプのロボットについての姿勢制御や安定歩行に関する技術は既に数多く提案されている。その中の多くは、ZMP(Zero Moment Point)を歩行の安定度判別の規範として用いている。ZMPによる安定度判別規範は、歩行系から路面には重力と慣性力並びにこれらのモーメントが作用し、これらと路面から歩行系への反作用としての床反力及び床反力モーメントとがバランスするというダランベールの原理に基づく。力学的推論の帰結として、足裏の接地点と路面の形成する支持多角形の辺上あるいはその内側にピッチ及びロール軸モーメントが零となる点が存在し、この点をZMPと言う。
【0005】
ZMP規範に基づく2足歩行制御には、足底着地点を予め決定でき、路面形状に応じた足先の運動学的拘束条件を考慮し易いなどの利点がある。また、ZMPを安定度判別規範とすることは、力ではなく軌道を運動制御上の目標値として扱うことを意味するので、技術的に実現性が高まる。なお、ZMPの概念並びにZMPを歩行ロボットの安定度判別規範に適用する点については、Miomir Vukobratovic著”LEGGED LOCOMOTION ROBOTS”(加藤一郎外著『歩行ロボットと人工の足』(日刊工業新聞社))に記載されている。
【0006】
ロボットの可動脚(下肢)の先端部に設けられる足部の構成としては、遊脚(路面に接地していない側の脚)の着地時に路面から受ける衝撃、すなわちZ軸方向(足裏面に対して直交する方向又はヨウ軸に沿う方向)の衝撃を緩和するために、ゴムなどの弾性シートを足裏に接着したもの、あるいはこの弾性シートの破損や変形を防止するためにさらにその下面に金属板などを接着したものが知られている。また、足裏面にZ軸方向の衝撃を吸収するための板バネを介して金属板などを設けたものも知られている。
【0007】
また、足部には、ロボット本体の主制御部が可動脚を含む各部の運動を制御するための基礎情報を検出するための種々のセンサが設けられている。例えばZMPを安定判別規範としてロボットの運動制御を行う場合には、実際のZMPを測定するため、足部の路面に対する接地面に、ZMP検出用の複数の力センサが配設される。足部に設けられるセンサとしては、路面への足部の接地の有無を検出するためのセンサ、路面上に接地された足部の該路面に対する滑りを検出するためのセンサなども設けられる場合がある。
【0008】
これらのセンサの検出値は、A/D変換されてロボット本体に設けられる主制御部に取り込まれ、主制御部によって、これらの検出値に基づいて実際のZMPの算出、その他の必要な演算処理が行われ、ロボットの歩行動作を含む各部の制御に供される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ロボットに歩行動作は、ロボット本体の主制御部が足部の目標位置に至る軌道を計算し、上述したZMPの検出結果などに基づいて、その軌道を修正しつつ、可動脚に配設された各アクチュエータなどを制御することによりなされる。
【0010】
しかしながら、ロボットが歩行動作を行う路面(床面)上には、種々の障害物(路面の凹凸、何らかの独立した物体を含む)が存在し、歩行動作中に、足部が該障害物に衝突ないし干渉し、いわゆる躓きが生じ、姿勢の安定性が崩れ、歩行が困難となったり、最悪の場合には転倒に至る場合がある。また、ロボットは平坦な路面のみならず、段差や階段の昇降をもできることが望ましい。
【0011】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ロボットが歩行する路面上に何らかの障害物がある場合であっても、安定的に歩行動作を継続できるようにすることである。また、段差や階段の昇降を容易に行えるようにすることも目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の第1の観点に係る脚式移動ロボットは、可動脚と、前記可動脚の先端部に前記可動脚に対して遊動可能に設けられる足本体と、前記足本体に設けられた前記足本体の側部への外力の作用を検出する少なくとも一つの加速度センサと、前記加速度センサの出力を含む情報に基づき前記可動脚の運動を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記足本体を前進方向へ移動する前進動作中に、前記加速度センサの出力に基づき該足本体が障害物に干渉したことを検出した場合に、前記足本体を後退方向へ移動する後退動作を行い、この後退動作中に前記足本体を鉛直方向へ移動する上昇動作を実施し、前記後退動作の終了後、前記前進動作を行い、この前進動作中に前記足本体を鉛直方向へ移動する上昇動作を実施するように構成される。
【0013】
本発明によると、足本体の側部への外力の作用を検出するセンサを備えているので、その出力(検出値)に基づいて制御手段が該足部が何らかの障害物に衝突ないし干渉したことを判断することが可能であり、該障害物を回避するための制御を行うことができるようになる。従って、安定的に歩行動作を継続することができるようになる。
【0014】
前記センサとしては、足裏面(ロボットが直立しているときに、路面に接地する部分により構成される面又はヨウ軸に直交する面)に略平行な面内で、ある特定の方向(例えば、ロボットの前後方向又は左右方向)の加速度を検出する加速度センサ又は当該方向に作用する圧力を検出する圧力センサなどを例示することができる。
【0015】
本発明において、前記センサの出力を演算処理し、演算結果を前記制御手段に供給する足部処理手段を、前記足本体に設けてもよい。前記センサの出力に基づく足本体が障害物に衝突ないし干渉したことの判断やその他の処理を、該足部処理手段に行わせて、その処理結果をロボット本体の制御手段に供給することにより、ロボット本体の制御手段の処理負担を軽減することができる。
【0016】
また、前記足本体は、該足本体の側部に離間して対面するように設けられた外枠部、及び該外枠部と該足本体の側部との間に介装された緩衝手段を有することができる。足本体の側部が障害物に衝突ないし干渉した場合には、当該足本体にその反力が直接作用することになり、ロボットが姿勢を崩したり、足本体が損傷してしまう場合があるが、このような緩衝手段と外枠部材を設けることにより、障害物に対して当該外枠部材が衝突ないし干渉することになり、その反力は緩衝手段により軽減されて足本体に伝達されるので、姿勢の崩壊や足本体の損傷を抑制することができるようになる。また、軽い干渉の場合には、回避動作を積極的に行うまでもなく、該干渉を解消することができるという利点もある。
【0017】
前記制御手段によって実行される制御としては、具体的には、以下のようなものを例示することができる。すなわち、前記足本体を第1方向へ移動する第1動作中に、前記センサの出力に基づき該足本体が障害物に干渉したことを検出した場合に、該第1動作を中断する。次いで、前記足本体を前記第1方向と逆の第2方向へ戻す第2動作を実施する。前記第2動作の後若しくは該第2動作と一部を重複させて、前記足本体を前記第1方向及び前記第2方向と異なる第3方向へ移動する第3動作を実施する。前記第3動作の後若しくは該第3動作と一部を重複させて、前記第1動作を再開する。このような制御を実施することにより、姿勢の安定性を崩すことなく障害物を速やかに回避することができるようになる。また、段差や階段の昇降をも容易に行うことができるようになる。
【0018】
上記目的を達成するための本発明の第2の観点に係る脚式移動ロボットの移動制御方法は、可動脚と、該可動脚の先端部に設けられる足本体とを備えた脚式移動ロボットの移動制御方法であって、前記足本体を第1方向へ移動する第1動作中に、前記センサの出力に基づき該足本体が障害物に干渉したことを検出した場合に、該第1動作を中断するステップと、前記足本体を前記第1方向と逆の第2方向へ戻す第2動作を実施するステップと、前記第2動作の後若しくは該第2動作と一部を重複させて、前記足本体を前記第1方向及び前記第2方向と異なる第3方向へ移動する第3動作を実施するステップと、前記第3動作の後若しくは該第3動作と一部を重複させて、前記第1動作を再開するステップとを含んで構成される。
【0019】
上記目的を達成するための本発明の第3の観点に係る脚式移動ロボットの移動制御プログラムは、可動脚と、該可動脚の先端部に設けられる足本体と、該足本体の側部への外力の作用を検出するセンサとを備えた脚式移動ロボットの移動制御プログラムであって、前記足本体を第1方向へ移動する第1動作中に、前記センサの出力に基づき該足本体が障害物に干渉したか否かを判断する手段と、前記足本体が前記障害物に干渉したと判断された場合に、該第1動作を中断する手段と、前記足本体を前記第1方向と逆の第2方向へ戻す第2動作を実施する手段と、前記第2動作の後若しくは該第2動作と一部を重複させて、前記足本体を前記第1方向及び前記第2方向と異なる第3方向へ移動する第3動作を実施する手段と、前記第3動作の後若しくは該第3動作と一部を重複させて、前記第1動作を再開する手段とを備えて構成される。
【0020】
上記目的を達成するための本発明の第4の観点によれば、本発明の第3の観点に係る脚式移動ロボットの移動制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な情報記録媒体が提供される。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0022】
図1及び図2は、本発明の実施に供される「人間型」の脚式移動ロボット100が直立している様子を前方(図1)及び後方(図2)の各々から眺望した様子を示している。図示の通り、脚式移動ロボット100は、脚式移動を行う可動脚としての左右2足の下肢110と、体幹部120と、左右の上肢130と、頭部140とで構成される。
【0023】
左右各々の下肢110は、大腿部111と、膝関節112と、頸部113と、足首114と、足部150とで構成され、股関節115によって体幹部120の略最下端にて連結されている。また、左右各々の上肢130は、上腕131と、肘関節132と、前腕133とで構成され、肩関節134によって体幹部120の上方の左右各側縁にて連結されている。また、頭部140は、首関節141によって体幹部120の略最上端中央に連結されている。
【0024】
なお、以下では、説明の便宜上、足部150の説明において、足部150の裏面の路面(床面)に当接する部分を含んで構成される面をX−Y平面とし、該X−Y平面内において、ロボットの前後方向をX軸とし、ロボットの左右方向をY軸とし、これらに直交する方向をZ軸として説明する。
【0025】
各関節には、アクチュエータが配設されている。該アクチュエータの駆動によってロボットの動作は実現される。装置の外観上で余分な膨らみを排してヒトの自然形状に近似させることや、2足歩行という不安定構造体に対して姿勢制御を行うなどの種々の要請から、関節アクチュエータは小型且つ軽量であることが好ましい。このため、本実施の形態では、ギア直結型で且つサーボ制御系をワンチップ化してモータ・ユニットに内臓したタイプの小型ACサーボ・アクチュエータを搭載することとした。なお、脚式ロボットに適用可能な小型ACサーボ・アクチュエータに関しては、例えば本出願人に既に譲渡されている特願平11−3386号明細書に開示されている。
【0026】
体幹部120の内部には、図1及び図2上では見えていない主制御ユニットや電源回路その他の周辺機器類が搭載されている。
【0027】
図3は、脚式移動ロボット100の制御システムの構成の概略を示している。主制御ユニット(制御手段)300は、CPU(Central Processing Unit)301と、RAM(Random Access Memory)302と、動作パターンなどが格納されているROM(Read Only Memory)303と、脚式移動ロボット100に搭載される各種センサ(不図示)の出力としてのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器(不図示)を備えて構成され、これらはバス304を介して相互に接続されている。
【0028】
ROM303には、上記のデータの他、CPU301がこのロボットを全体的に制御するためのプログラム及び後述する障害回避動作を実行するための障害物回避プログラム(移動制御プログラム)が予め格納されている。これらのプログラム及び情報は、コンピュータ読み取り可能な情報記録媒体に格納されたものを、書込装置を用いて当該ROM303に書き込むことによりインストールされる。
【0029】
また、詳細は後述するが、バス304には、一対の足部150にそれぞれ設けられた足部センサ処理ユニット(足部処理手段)400が不図示の入出力制御部(I/O部)を介して接続されている。
【0030】
CPU301は、ROM303に蓄えられている情報、各種センサの出力、及び足部センサ処理ユニット400から供給される情報などに基づいて、脚式移動ロボット100の動作を生成し、各関節に配置されたACサーボ・アクチュエータ306への指令値を決定する。
【0031】
また、これらのACサーボ・アクチュエータ306は、バス304を介して主制御ユニット300に接続され、CPU301で計算された各関節に対する指令値を受け取ることが可能となっている。ACサーボ・アクチュエータ306は、この指令値に従って作動され、脚式移動ロボット100の歩行動作及び後述する障害物回避動作を含む各種の動作が実現される。
【0032】
次に、足部150及び下肢(可動脚)110との連結部の構造について説明する。図4は、足部150及び下肢(可動脚)110との連結部分の断面構成を示す図である。
【0033】
足部(足本体)150は、左右各々の下肢110の足首114に連結される足甲部材1101及び路面に直接接地される足底部材1151を備えて構成され、足底部材1151を足甲部材1101に遊動可能に取り付けた二重構造となっている。
【0034】
下肢110の足首114の脚側連結部1001には、連結固定位置決め突起1002と、電気接続用のコネクタ1003が配置されている。連結固定位置決め突起1002の側面には切欠部1004が形設されている。
【0035】
一方、足部150を構成する足甲部材1101の上部に形設された連結部には、連結固定位置決め凹部1102と、電気接続用コネクタ1103と、コネクタ1003の収容部1104と、連結固定用アクチュエータ1105が配設されている。
【0036】
連結固定用アクチュエータ1105の略先端には、位置決めピン1106が連結固定位置決め凹部1102の底面に沿う前後方向(X軸方向)に出没自在に取り付けられている。この位置決めピン1106は、連結固定位置決め凹部1102の内部に進出した状態では、連結固定位置決め突起1002の側面に形設された切欠部1004に嵌合するようになっている。図4に示す状態では、連結固定用アクチュエータ1105の作動により、位置決めピン1106は埋没しているので、連結固定位置決め突起1002を連結固定位置決め凹部1102に対して挿脱自在となっている。
【0037】
足底部材1151はその上面が開放された略矩形箱状の部材であり、略矩形板状の底板部1152及びその周囲に沿って一体的に立設された側板部(外枠部)1153を有している。底板部1152の上面は足甲部材1101の下面に摺動可能に当接している。ここでは、底板部1152の下面により足部150の足裏面が構成される。底板部1152の下面と側板部1153の外面との境界部分は、路面の凹凸などへの躓きを抑制するため、R面(円弧面)又は滑らかな曲面となっている。
【0038】
足底部材1151の側板部1153の内側の形状は、足甲部材1101の側面の形状に対して僅かに大きい相似形状となっている。足甲部材1101の側面は、足底部材1151の側板部1153の内面に僅かな隙間(遊び)をもって対面しており、これにより足底部材1151は足甲部材1101に対して、該足甲部材1101の下面に沿って、すなわちX−Y平面内において、任意の方向に遊動できるようになっている。
【0039】
足底部材1151は、遊脚時に足甲部材1101から落下しないように、且つX−Y平面内における遊動を制限しないように、不図示の保持機構を介して足甲部材1101に取り付けられている。この保持機構は、足底部材1151の交換のため、容易な操作で着脱する機構をも備えていることが望ましい。
【0040】
足底部材1151の側板部1153の内面と足甲部材1101の側面の間には、緩衝部材(緩衝手段)1154が介装されている。この緩衝部材1154としては、ここでは、無端状のゴムシートを採用し、足底部材1151の側板部1153の内面と足甲部材1101の側面の間の隙間を完全に埋めるように介装されている。但し、緩衝部材1154はこのようなものに限定されず、板バネ、スポンジ、固形ないし半流動体状の粘性手段を採用してもよい。
【0041】
また、足部の組立時に足底部材1151の側板部1153の内面と足甲部材1101の側面の間の隙間に、硬化ないし凝固した状態で弾性及び/又は粘性を生じるような接着剤を充填して、相互に接着するようにしてもよく、このようにすることで、当該隙間への異物の進入が防止できるとともに、足底部材1151を足底部材1101に遊動可能に取り付けるための保持機構を採用することなく、同様の効果を得ることができるので都合がよい。
【0042】
なお、ここでは、足底部材1151は足甲部材1101に対して、該足甲部材1101の下面に沿って任意の方向に遊動できるように構成したが、X軸方向やY軸方向などのように特定の方向にのみ遊動できるように構成してもよい。また、上述したような緩衝部材は、足底部材1151の側板部1153の内面と足甲部材1101の側面の間の隙間を完全に埋めるように介装すれば、その隙間に異物などの進入を防止することができる点で好ましいが、必ずしもそのようにする必要はなく、間欠的に配設するようにしてもよい。また、緩衝部材は必須ではなく、緩衝部材を完全に省略してもよい。
【0043】
また、この実施形態では足部150を足甲部材1101と底板部1152を有する足底部材1151とで構成しているが、足底部材1151の底板部1152を省略して、矩形状の側板部1153のみとし、足甲部材1101の裏面を路面に対する接地面としてもよい。この場合、当該側板部1153は足甲部材1151の側面に対する外力の作用に対して、これを保護する外枠部材(外枠部)となる。この場合の外枠部材1153は、足甲部材1101の側面を全体的に取り囲むことになるが、必ずしもこのような構成にする必要はなく、外枠部材1153として、足甲部材1101の側面の一部(例えば、ロボットの正面側の側面)のみに対面する部材とし、これを緩衝部材を介して取り付けるようにしてもよい。
【0044】
図5は、足甲部材1101が脚側連結部1001に対して取り付けられた状態での連結部分の断面構成を示す図である。
【0045】
連結固定位置決め突起1002が連結固定位置決め凹部1102内に完全に挿入された状態で、連結固定用アクチュエータ1105の作動により位置決めピン1106を進出させ、連結固定位置決め突起1002の先端部を切欠部1004に嵌合させることによって、足甲部材1101は脚側連結部1001に対して強固に連結される。
【0046】
このとき、脚側のコネクタ1003は、収容部1104内に収容され、その最奥部のコネクタ1103に機械的に嵌合するとともに、コネクタ1003の端子とコネクタ1103の対応する端子とが電気的に接続される。この結果、脚側、すなわちロボット本体側から足甲部材1101への電力の供給及び相互間におけるデータ通信が可能な状態となる。
【0047】
足甲部材1101の連結固定位置決め凹部1102の底面には、さらに凹部1111が形成されており、この凹部1111には、電気回路基板1112が収容されている。電気回路基板1112を設ける位置は、足甲部材1101上であれば、他の位置にしてもよい。この電気回路基板1112には、足部センサ処理ユニット400及び電源ユニットなどが搭載されている。
【0048】
図6は、足部センサ処理ユニットの構成の概略を示している。足部センサ処理ユニット(足部処理手段)400は、CPU401と、RAM402と、ROM403と、足部150に搭載される各種センサ406,407の出力としてのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器405と、不図示の入出力制御部(I/O部)を備えて構成され、これらはバス404を介して相互に接続されている。
【0049】
足部センサ処理ユニット400の入出力制御部は、主制御ユニット300の入出力制御部と、不図示の通信ケーブルにより相互に接続されている。これにより、足部センサ処理ユニット400と主制御ユニット300とは、相互間でデータ通信を行うことができるようになっている。なお、この通信ケーブルは、コネクタ1103、1003を介して分離可能に接続される。
【0050】
ROM403には、CPU401によって実行される、センサ出力処理プログラムなどのプログラムが格納されているとともに、後述する足情報も格納されている。
【0051】
足甲部材1101には、力センサ406や加速度センサ407などのセンサが配設されている。力センサ406は、Z軸方向の圧力を検出するセンサであり、図示は省略するが、足甲部材1101の下面(足底部材1151の上面に当接する面)に配設されている。これらの力センサ406は、ZMPを算出するために用いられるもので、この実施の形態では、足甲部材1101の下面の四隅近傍にそれぞれ、すなわち4個設けられている。
【0052】
これらの力センサ406は、それぞれ金属ダイヤフラムと4つの歪ゲージからなり、4つの歪ゲージでブリッジ回路を形成し、該歪ゲージを金属ダイヤフラムに貼着して構成される。足甲部材1101の下面が足底部材1151の上面に当接しているとき、前記金属ダイヤフラムの変形量(歪量)が電気信号として出力されるので、この出力を換算することにより、力センサ406の配置された位置に作用する足底部材1151からのZ軸方向の力を求めることができる。但し、力センサ406はこのような構成のものに限定されず、他の構成のものを採用してもよい。ZMP検出用の力センサ406の数や配設位置も上記に限定されない。
【0053】
また、足甲部材1101には加速度センサ407も搭載されている。この加速度センサ407は、足部150のX,Y,Zの3軸方向の加速度を検出するものであり、特に限定されないが、例えば、バネ要素及びダンパー要素で支持されたおもり要素を有し、該おもり要素の変位を計測する振動計を用いることができる。なお、ここではX,Y,Zの3軸方向の加速度を検出するものとしたが、これらの内の1軸又は2軸方向のみの加速度を検出するもの、あるいは任意の1軸方向の加速度を検出するものとしてもよい。加速度センサ407を設ける位置は、特に限定されず、足甲部材1101の任意の位置に設けることができる。
【0054】
この加速度センサ407の出力は足部センサ処理ユニット400に送られ、CPU401は、これに基づき足部(足裏接地面、X−Y平面)の水平面に対する傾斜角度を算出する。また、片脚支持期においては、遊脚側の加速度センサ407の検出値の変化に基づいて、遊脚に衝撃が加えられたときのその衝撃の大きさを算出したり、ロボットの歩行動作中などにおける躓きの検出を行い、後述する障害物回避動作を行うための基礎情報の一つとして利用される。
【0055】
足部センサ処理ユニット400によって求められたこれらの情報も、上述したZMPと同様に主制御ユニット300に転送され、各部を制御するための基礎情報として用いられる。
【0056】
これらのセンサ406,407は、図示しないオペアンプを介して足部センサ処理ユニット400のA/D変換器405に電気的に接続されている。各センサ406、407の出力のゲイン調整は、A/D変換器405のダイナミックレンジに応じて予め行われていることは言うまでもない。
【0057】
足部センサ処理ユニット400のROM403には、足部150に関する情報として、以下に示すような足情報が予め記憶されている。
【0058】
足情報とは、主制御ユニット300が軌道計算、その他の演算を実行する際に必要とされる当該足部150に固有な情報を含む情報であり、具体的には、足識別情報、足構造情報、足センサ情報などで構成される。
【0059】
足識別情報は、足部150を他の足部から識別するために付与された識別情報(ID)である。足構造情報は、足甲部材1101及び足底部材1151並びにその構成部材の寸法(形状)、材質、重量、接地面の摩擦係数などの情報である。足構造情報のうち、足底部材1151の路面に対する接地部(接地面)の形状(足底形状)は制御演算上、特に重要である。これらは、例えば数式(二次元近似式)やビットマップ形式で表現することができる。
【0060】
足センサ情報は、足甲部材1101に配設されている各種センサについての情報であり、その識別情報(該センサを他のセンサから識別するためのID)、個数、配置、特性などで構成される。この実施の形態では、足甲部材1101には、ZMP検出用の力センサ406、衝突検出若しくは路面傾き検出用の加速度センサ407が配設されているので、これらのセンサについてのセンサ情報が記憶される。足甲部材1101(又は足底部材1151)に、他のセンサ、例えば、接地面の路面に対する接地、非接地を検出する路面接地検出センサ、着地した足部150の路面に対するずれ(滑り)を検出するセンサ、X軸方向又はY軸方向の圧力を検出する力センサなどを設けることもでき、その場合には、それらのセンサについてのセンサ情報が記憶される。
【0061】
ここでは、足情報をデータの書き換えができないROMに記憶するようにしたが、データの書き換えができるEPROM、SRAM、電源バックアップを条件としてDRAMなどに記憶するようにしてもよい。この場合には、足情報として、動的に変化する情報をも記憶せしめて、必要に応じて随時書き換えるようにすることができる。例えば、足センサ情報として、センサの経時的な特性変化を示すログ情報を記憶させるようにするとよい。
【0062】
足情報としては、上記の他に、足部150に関するあらゆる情報を記憶することができる。なお、足部150に直接関係のない情報を記憶しておいてもよい。
【0063】
足甲部材1101に設けられた足部センサ処理ユニット400のROM403に記憶された足情報は、足甲部材1101の交換などにより、足甲部材1101が下肢110の足首114に連結された時、この脚式移動ロボットの初期化時(電源投入時又はリセット時)、又はその他の必要な時に、そのCPU401によりバス404を介して読み出され、入出力制御部及び通信ケーブルを介して、主制御ユニット300に送られ、該主制御ユニット300によって、各アクチュエータ306などへの指令値を求めるための演算を含む各種の制御演算に用いられる。
【0064】
なお、足甲部材1101の足首114への連結をアクチュエータ1105を用いて行うようにしたが、手動式のレバーを採用して、同様の機能を実現するようにしてもよい。この場合、当該手動式レバーの操作を、ロボットの腕部並びに手部を用いて行うことにより、足部脱着に伴う足部の固定及び開放を自律的に行うことができる。
【0065】
また、様々な路面への適応が必要であることが想定される場合には、ロボットが1つ又は特定の複数個の足部(スペア)を携帯しながら脚式作業を行うことも有効である。未知の路面を歩行するロボットの場合、歩行して向かった先で路面対応のために足部の交換が必要になる可能性もある。例えば災害救助や惑星探索などのように難作業現場においては、路面があらかじめ特定できない場合が多い。逆言すれば、このような困難且つ過酷な状況こそ、歩行ロボットの活動が本来求められている作業環境であるとも言える。
【0066】
足部センサ処理ユニット400において、力センサ406、加速度センサ407のセンサ出力は、一定周期ごとにあるいは必要に応じてサンプリングされ、ZMPや足部の傾斜角度などの値も一定周期ごとにあるいは必要に応じて算出される。
【0067】
足部センサ処理ユニット400による演算結果の主制御ユニット300への転送は、主制御ユニット300が所定の周期であるいは必要に応じてポーリングによって各足部についての足部センサ処理ユニット400に情報(演算結果)の転送を要求して、これに応じて該情報を転送する。但し、各足部についての足部センサ処理ユニット400側から、主制御ユニット300のCPU301に対して割り込みをかけて、該情報を転送するようにしてもよい。場合によっては、これらの双方により該情報を転送するようにしてもよい。
【0068】
上述した実施の形態においては、足部センサ処理ユニット400のCPU401により、力センサ406及び加速度センサ407の出力に基づく所定の演算が実行され、演算結果を主制御ユニット300に転送するものとしたが、2つのCPUを設けて、ZMPの演算と、足部の傾き又は躓きの検出のための演算などを別々のCPUにより行うようにしてもよい。
【0069】
また、足部センサ処理ユニット400と主制御ユニット300とは、それぞれに設けられた入出力制御部及びこれらを接続する通信ケーブルを介して相互に接続する形態としたが、足部センサ処理ユニット400のバス404と主制御ユニット300のバス304とを直接接続する形態を採用してもよい。さらに、足部センサ処理ユニット400及び主制御ユニット300に無線でデータ通信を行うためのデータ送受信装置及び/又は無線で電力を供給する電力送受信装置を配設すれば、これらの間を接続するケーブルなどを省略することができ、その分だけ構成が簡略化されるとともに、足部の交換作業も容易になる。
【0070】
次に、主制御ユニット400によって実行される障害物回避のための移動制御について、図7に示すフローチャートを参照して説明する。
【0071】
まず、主制御ユニット400は、各種センサからの情報、ROM303の足情報、その他の情報に基づいて、足部150の軌道計算を実施しつつ、その結果に基づいて、遊脚(足部150)を移動する(ステップ701)。足部150の移動中において、足部150が路面に正常に着地したか否かを判断し(ステップ702)、正常に着地したと判断された場合には、この処理を終了する。なお、足部150の路面に対する着地の有無は、例えば、足部150に設けられた着地を検出するセンサの出力に基づいて判断される。
【0072】
ステップ702において、足部150が未だ正常に着地していないと判断された場合には、加速度センサ407の出力に基づいて足部150が障害物に衝突ないし干渉(以下、単に干渉という)したか否かが判断される(ステップ703)。この判断は、この実施の形態では、足部センサ処理ユニット400によって加速度センサ407の出力に基づいて行われ、干渉が検出された場合に、その判断結果が主制御ユニット300に送られてくるようになっている。但し、主制御ユニット300がこの判断を行うようにしてもよい。
【0073】
ステップ703において、障害物に対して干渉していないと判断された場合には、ステップ701に戻って、足部150の移動を継続する。ステップ703において、障害物に対して干渉したと判断された場合には、所定の障害物回避動作が行われた後(ステップ704)、ステップ701に戻って、足部150の移動を継続する。
【0074】
この障害物回避動作は、第1回避動作(ここでは後退動作)及び第2回避動作(ここでは上昇動作)から構成される。第1回避動作は、足部150の障害物に対する干渉を解消するための動作であり、例えば、障害物に干渉する直前の該足部の移動方向を第1方向として、該第1方向とは逆向きの第2方向に足部150を若干量だけ移動させる動作である。この場合の若干量とは、足部150が該障害物に対する干渉を解消できる程度の予め決められた量である。この量は、足底部材1151の足甲部材1101に対する遊動可能量などを考慮して決定される。
【0075】
第2回避動作は、障害物への干渉が解消された足部150を該障害物に対して迂回させるための動作であり、前記第1方向及び前記第2方向とは異なる第3方向へ足部150を所定量だけ移動する動作である。例えば、該第1方向及び第2方向に略直交する方向へ足部150を所定量だけ移動する。ここでは、鉛直上方向に移動するものとした。この場合の所定量としては、該障害物を迂回することを十分に期待できる程度の大きさに設定することができる。但し、障害物の大きさは、必ずしも予期できないので、このロボットの大きさやロボットの主たる用途、場所などを考慮して適宜に値に設定すればよい。
【0076】
上述した第1回避動作における若干量及び第2回避動作における所定量は、予め適宜に決めておくものとして説明したが、その何れか一方又は双方をその時点で動的に決定するようにしてもよい。例えば、このロボットがCCDなどの視覚センサを備えている場合には映像認識によって、該障害物の大きさや形状の概略を特定することができるので、その認識結果に基づいて設定するようにできる。
【0077】
また、上述した説明では、第1回避動作を行った後に、第2回避動作を行うようにしており、その方が障害物回避の確実性が高いが、障害物回避の高速化の観点からは、これらを同時にあるいは一部を重複させて並行的に行うようにするとよい。
【0078】
第2回避動作における移動方向(第3方向)は、一般的には、路面に存在する若干の段差や小物などの障害物を回避することが多いと考えられるので、鉛直上方向への移動とすることがより多くの場面で効果的であると考えられる。但し、水平面内での移動など、他の方向への回避動作であってもよい。回避の方向についても、予め決めておいてもよいが、上述したようなCCDなどの視覚センサを備えている場合には該障害物の映像認識結果に基づいて、動的に決定するようにしてもよい。なお、上述した第1回避動作は本発明にいう第2動作に相当し、上述した第2回避動作は本発明にいう第3動作に相当する。
【0079】
図8は、路面上に存在する物体を回避する動作を示している。同図は、A地点に接地している足部150をB地点に移動する場合を考えている。足部150を通常の軌道計算に従って移動すると、足部150の先端部が障害物としての物体500に衝突する。このとき、加速度センサ407の出力から求められる加速度が急激に変化するので、主制御ユニット300は、足部150が何らかの障害物に衝突したことを認識する。ここで上述した回避動作を行い、すなわち、足部150の後退と上昇を行い、軌道を再計算して、B地点に向けて移動を行い、当該B地点に着地する。なお、同図では、障害物回避動作としての後退と上昇の前半部分を同時に行い、さらに後退の終了後、B地点への移動と上昇の後半部分を同時に行うようにして、動作速度を速めている。但し、後退の終了後に上昇を行い、上昇の終了後にB地点へ向けた移動を開始するようにしてもよい。
【0080】
通常のロボットの歩行に際しては、路面上の凹凸などとの干渉を回避する観点から、足部150を鉛直上方向にある程度持ち上げてから、着地点の上まで水平移動を行い、その後に鉛直下向きに降下して、着地点に着地するという制御が行われている。これは路面の凹凸の有無に拘わらず、一律に行われるため、ロボットの歩行動作を遅くすることになる。しかしながら、上述したような回避動作を行うことができる本実施形態のロボットは、人間の歩行動作により近い放物線状の歩行軌道を採用することが可能となり、障害物がない場合に高速歩行を実現することができ、障害物がある場合にも、それほど動作速度を低下させることなく安定した歩行を行うことができる。
【0081】
図9は、路面上に存在する段差や階段の昇りを行う場合の動作を示している。同図は、A地点に接地している足部150をA地点よりも高いB地点に移動する場合を考えている。足部150を通常の軌道計算に従ってA地点と同じ高さのC地点に向けて移動すると、足部150の先端部が障害物としての段差600に衝突する。このとき、加速度センサ407の出力から求められる加速度が急激に変化するので、主制御ユニット300は、足部150が何らかの障害物に衝突したことを認識する。ここで上述した回避動作を行い、すなわち、足部150の後退と上昇を行い、軌道を再計算して、C地点(又はC地点とB地点の間の仮想地点)に向けて移動を行う。このとき、足部150が再度障害物に衝突したことを認識する。ここで、再度上述した回避動作を行い、B地点に着地することになる。このような動作を順次行うことによって、階段昇りをも容易に行うことができる。
【0082】
上述した実施の形態においては、足部150に設けた加速度センサ407の出力に基づいて、足部150の障害物への干渉の有無を判断するようにしたが、本発明はこれに限定されず、加速度センサ407に代えて、圧力センサ(ZMP検出用センサとは別の足部150の側部に作用する圧力を検出するもの)を足部150に設け、該圧力センサの出力から障害物への干渉の有無を判断するようにしてもよい。この場合の圧力センサは、足甲部材1101の側面又は足底部材1151の側板部1153の何れに設けてもよく、足甲部材1101の緩衝部材1154との当接面に設け、あるいは足底部材1151の側板部1153の緩衝部材1154との当接面に設けてもよい。また、何らかの障害物への干渉を検出できるセンサであれば、他の種類のセンサでも勿論よい。
【0083】
上述した本発明の実施の形態によれば、足部150に設けられた加速度センサ407の出力に基づいて、足部150の障害物への干渉を検出し、所定の回避動作を行って、該障害物を迂回して、該足部150を着地させるようにしたので、障害物の有無に拘わらず、安定した歩行動作を行うことができるとともに、段差や階段昇りも容易に行うことができる。
【0084】
また、足底部材1151は足甲部材1101に遊動可能に取り付けられるとともに、これらの間に緩衝部材1154を介装したので、ロボットの歩行動作時に、何らかの障害物に足部150が干渉した場合であっても、緩衝部材1154の作用により、足甲部材1101への衝撃が少ないとともに、軽微な干渉である場合には、足底部材1151の遊動によって直ちに解消することが可能である。
【0085】
さらに、足部150に設けられた加速度センサ407の出力に基づいて、同じく足部150に設けられた足部センサ処理ユニット400が当該足部150の障害物への干渉の有無を判断するための所定の演算処理を実行し、演算結果をロボット本体の主制御ユニット300に転送するようにしたので、その分だけ該主制御ユニット300の処理負担が軽減され、主制御ユニット300は他の演算処理に専念することができ、緊急度の高い処理を良好な応答性をもって実行できるようになる。
【0086】
また、足部150に配設された各種センサ406,407は、足部センサ処理ユニット400に接続され、足部センサ処理ユニット400と主制御ユニット300とが通信ケーブルによって接続されているため、ロボット内部の配線は、各種センサ406,407と主制御ユニット300とを直接接続する場合と比較して、ロボット内部の配線やコネクタ部の構成を簡易なものとすることができる。上述した無線通信によってデータ通信する場合には、通信のチャネル数を少なくできるという利点もある。
【0087】
さらに、足部の各種センサ406,407と、その検出値に基づいて演算処理を行う足部センサ処理ユニット400との間は、非常に近いので、センサ出力に重畳されるノイズが少なくなり、より正確な処理結果を得ることができる。
【0088】
上述した実施の形態では、加速度センサ407を足甲部材1101に設けるものとしたが、足底部材1151に設けてもよく、このようにした場合、足底部材1151に設けた加速度センサの出力に基づき足部の障害物への干渉を検出してから、足底部材1151が足甲部材1101に対して相対的に遊動限界にまで遊動し、足甲部材1101にその衝撃が完全に伝達されるまでには、ある程度のタイムラグがあるので、この間に、上述した回避動作を行うための処理を行うことができるようになり、ロボットの姿勢制御性、姿勢安定性を向上することができる。
【0089】
上述した実施の形態のように、加速度センサ407を、遊動可能な足底部材1151ではなく、足甲部材1101に設けた場合には、センサ407を足底部材1151側に設ける場合と比較して、センサ407と足部センサ処理ユニット400をつなぐ配線に可動部がなく、配線によって足底部材1151の遊動が阻害されたり、足底部材1151の遊動により該配線が損傷したりすることが少ない。
【0090】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。従って、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0091】
【発明の効果】
本発明によれば、足本体の側部への外力の作用を検出するセンサを備えているので、その検出値に基づいて制御手段が該足部が何らかの障害物に衝突ないし干渉したことを判断することが可能であり、該障害物を回避するための制御を行うことができるようになる。従って、安定的に歩行動作を継続することができるようになるという効果がある。また、段差や階段昇りを容易に行い得るようになるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る脚式移動ロボットの斜め前方から見た斜視図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係る脚式移動ロボットの斜め後方から見た斜視図である。
【図3】 本発明の実施の形態に係る脚式移動ロボットの主制御ユニットの構成を示す図である。
【図4】 本発明の実施の形態の足部を足首から分離した状態における該足部及び連結部の構成を示す断面図である。
【図5】 本発明の実施の形態の足部を足首に連結した状態における該足部及び連結部の構成を示す断面図である。
【図6】 本発明の実施の形態に係る脚式移動ロボットの足部センサ処理ユニットの構成を示す図である。
【図7】 本発明の実施の形態の主制御ユニットによる障害物回避処理を示すフローチャートである。
【図8】 本発明の実施の形態の障害物を回避する様子を示す図である。
【図9】 本発明の実施の形態の段差又は階段昇りを行う様子を示す図である。
【符号の説明】
150…足部
300…主制御ユニット(制御手段)
400…足部センサ処理ユニット(足部処理手段)
407…加速度センサ(センサ)
1101…足甲部材
1112…足部電気回路基板
1151…足底部材
1153…側板部(外枠部)
1154…緩衝部材(緩衝手段)

Claims (6)

  1. 可動脚と、前記可動脚の先端部に前記可動脚に対して遊動可能に設けられる足本体と、前記足本体に設けられた前記足本体の側部への外力の作用を検出する少なくとも一つの加速度センサと、前記加速度センサの出力を含む情報に基づき前記可動脚の運動を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記足本体を前進方向へ移動する前進動作中に、前記加速度センサの出力に基づき該足本体が障害物に干渉したことを検出した場合に、前記足本体を後退方向へ移動する後退動作を行い、この後退動作中に前記足本体を鉛直方向へ移動する上昇動作を実施し前記後退動作の終了後、前記前進動作を行い、この前進動作中に前記足本体を鉛直方向へ移動する上昇動作を実施するように制御することを特徴とする脚式移動ロボット。
  2. 前記加速度センサの出力を演算処理し、演算結果を前記制御手段に供給する足部処理手段を、前記足本体に設けたことを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット。
  3. 前記足本体は、該足本体の側部に離間して対面するように設けられた外枠部、及び該外枠部と該足本体の側部との間に介装された緩衝手段を有することを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット。
  4. 可動脚と、該可動脚の先端部に前記可動脚に対して遊動可能に設けられる足本体とを備えた脚式移動ロボットの移動制御方法であって、前記足本体を前進方向へ移動する第1動作中に、加速度センサの出力に基づき該足本体が障害物に干渉したことを検出した場合に、前記足本体を後退方向へ移動する後退動作を行い、この後退動作中に前記足本体を鉛直方向へ移動する上昇動作を実施するステップと前記後退動作の終了後、前記前進動作を行い、この前進動作中に前記足本体を鉛直方向へ移動する上昇動作を実施するステップと、を含むことを特徴とする脚式移動ロボットの移動制御方法。
  5. 可動脚と、該可動脚の先端部に前記可動脚に対して遊動可能に設けられる足本体と、該足本体の側部への外力の作用を検出する加速度センサとを備えた脚式移動ロボットの移動制御プログラムであって、前記足本体を前進方向へ移動する第1動作中に、前記加速度センサの出力に基づき該足本体が障害物に干渉したか否かを判断する手段と、前記足本体が前記障害物に干渉したと判断された場合に、前記足本体を後退方向へ移動する後退動作を行い、この後退動作中に前記足本体を鉛直方向へ移動する上昇動作を実施する手段と前記後退動作の終了後、前記前進動作を行い、この前進動作中に前記足本体を鉛直方向へ移動する上昇動作を実施する手段と、を備えたことを特徴とする脚式移動ロボットの移動制御プログラム。
  6. 請求項5に記載の脚式移動ロボットの移動制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な情報記録媒体。
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