JP4292698B2 - 画像形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、間接電子写真法により作成されたトナー像を記録媒体上に転写するとともに、その転写の際にトナー像を記録媒体上に定着する転写・定着同時方式を採用したプリンタ及び複写機等において、良好な光沢特性と画質を提供できる画像形成方法並びに画像形成装置及びそれに用いる記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタル間接電子写真法を用いてカラー画像の作成が盛んに行われてきている。デジタル間接乾式電子写真法では、一般的に熱可塑性の樹脂に顔料・染料などの色材を混合したイエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色トナーを、画像情報を光情報に変換して露光光としてデジタル的にアドレスされた像担持体である感光体上に静電的に担持させてトナー像を形成し、該トナー像を記録媒体に静電的に転写させた後、加熱加圧により溶融固着させ画像を形成している。
【0003】
間接乾式電子写真法で使用するトナーは、5μm〜12μmの粒子直径をもち、記録媒体上には、一色あたり0.3〜1.2mg/cm2 の重量を転写することが一般的である。また、熱可塑性のトナーは、一層から四層記録媒体上に転写され、加熱溶融時には、軟化し溶融状態にはなるが、加熱加圧状態においても一般的な記録媒体である紙の中にすべてが浸透するわけではなく、記録媒体上に5μmから20μm程度盛り上がって形成される。
【0004】
このように形成された記録媒体上の画像の入力画像面積率と画像光沢の関係を図1に示す。 図1は、記録媒体として、高光沢コート紙であるキャストコート紙(エナメルコート/米子加工製紙株式会社)と中光沢コート紙であるJコート紙(富士ゼロックス)と低光沢紙である非塗工普通紙のJ紙(富士ゼロックス)にマゼンタ画像を万線スクリーンを用いて入力画像面積率を変えて作成した画像のJIS P 8142に準拠した75度鏡面光沢度を測定した結果である。図2は、このようにして得られたキャストコート紙上の画像の三次元表面粗さ計による40%画像面積率部分の画像プロファイルである。図1及び図2からもわかるように、ベタ画像部では、比較的高光沢となるが、中間調領域や、ハイライト領域では、万線やドットの構造が凸状に記録媒体から盛り上がっているため、入射光の散乱が大きくなり、人物画像のように濃度階調が比較的大きい画像を形成した場合に、高光沢領域と低光沢領域が混在した画像となり違和感を覚える。さらに、こうした凹凸画像は、画像表面での乱反射の影響により色再現性が低下して鮮明性の低い画像となることが知られている。またさらに、透明記録媒体上の表面凹凸画像は、OHPで投影する場合においても、透過光の散乱により、発色が低下することが知られている。
【0005】
このようなカラー画像の品質を向上させるために、特開昭63−92965号公報では、記録媒体上に透明樹脂層を設け、該記録媒体上にトナーを転写した後、ロール熱定着機でトナーを該透明樹脂層中に埋め込む方法が提案されている。この方法によれば画像の凹凸はある程度緩和されるものの、従来と同様に定着用加熱ロールに離型剤としてシリコーン系オイルを塗布している影響で、トナーと透明樹脂との間に低表面張力のシリコーンオイル皮膜ができ、トナーが透明樹脂層に十分埋め込まれずに、なおトナー像部分が凸状に表面に突出している。
【0006】
また、例えば特開平5−216322号公報には、同様の目的で20〜200μm厚の熱可塑性樹脂からなる透明樹脂層を表面に設けた記録媒体に静電的にトナーを転写し、その後ベルト状定着機でトナーを透明樹脂層に埋め込む方法が提案されている。ベルト状定着機は、トナーを記録媒体に定着後冷却した後ベルトから剥離しうるため、トナーの自己凝集力をベルトへの付着防止力として使うことができ、離型剤が不要であり、且つ、十分な加熱時間が得られるため、表面の凹凸が緩和されるとしている。しかしながら、該公報に記載されたトナー樹脂と熱可塑性表面層樹脂の種類では、溶融したトナー樹脂と熱可塑性樹脂が記録媒体表面層での相溶性が十分ではなく、表面塗工層内部の界面において屈接率の差を生じ色再現性の低下を招いたり、若干の凹凸が残ることが明らかとなった。
【0007】
また、前記の各公報に記載の画像形成方法では、記録媒体へのトナー像の転写はいずれも静電的に行われており、記録媒体の表面に設けた熱可塑性樹脂は誘電率が低いために、例えば、多色のトナーを多重転写する際、特に最終転写色で転写率が低下し、色むらが発生したり、色の再現領域が低下するという問題点がある。
【0008】
この誘電率低下による画像転写の欠点を解消するために、特開平5−273781号公報では、熱可塑性透明樹脂に無機酸化物微粒子を分散含有し、誘電率を増加させた記録方法が提案されている。しかしながら、一般に記録媒体の基材に使用される紙の構造はミクロ的にみれば不均一であり、記録媒体の持つ電気的不均一性に起因する転写時の電界の乱れは避けることが難しく、色むらの発生や、粒状性の悪化を発生させるという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、画像濃度や画像面積率に拘らず、画像光沢が記録媒体と同一であり、色再現性に優れ、色むらの発生がなく、粒状性に優れ、さらに、1mmから3mm直径程度の微少な光沢の不均一性もない、画像光沢の均一性に優れた画像形成方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、記録媒体表面の透明樹脂層とトナーに用いられるトナー樹脂の物性の相関関係に着目し、トナーをみだれなく記録媒体に移行させる方法と、記録媒体に用いる透明樹脂材料とトナーとの軟化点を調整することにより、上記の目的を達成しうることを見出し本発明を完成した。
【0011】
即ち、本発明の画像形成方法は、トナー像を保持してトナー像形成位置からトナー像転写位置に搬送するトナー像保持体により、転写位置に搬送されたトナー像を所定の記録媒体に転写する画像形成方法において、該搬送されたトナー像を記録媒体に密着させ、加熱しながら転写すると共に定着する転写・定着工程を含み、該記録媒体として、基材の少なくともトナー像を転写する面に熱可塑性の透明樹脂層を有し、該透明樹脂の、フローテスターで測定した見かけ粘度η’(Pa・s)が1×104 Pa・sとなる温度として定義された軟化点(Tmp)が、フローテスターでトナー自体を秤量して測定した見かけ粘度η’(Pa・s)が1×104 Pa・sとなる温度として定義された該トナーの軟化点(Tmt)に対して+10℃から−30℃の範囲にあり、且つ、該透明樹脂層を構成する樹脂材料と、溶融状態にある該トナーとの接触角が40°以下であるか、又は、該透明樹脂層を構成する樹脂材料がポリエステル樹脂系の構成単位を含む記録媒体を用い、トナー像転写位置から下流において該記録媒体表面の透明樹脂の温度が透明樹脂の軟化点(Tmp)より10℃以上低温となる時点で該記録媒体を該トナー像保持体から剥離することを特徴とする。
【0012】
熱可塑性透明樹脂の軟化点(Tmp)とトナーの軟化点(Tmt)とを前記範囲とすることにより、両者の樹脂の所定温度における相溶性が良好となり、トナー像が記録媒体表面の透明樹脂層中に平滑に埋め込まれて、表面にトナーの付着に起因する凹凸がない平坦な画像を形成することができる。
【0013】
さらに、上述の方法において、前記トナー像の表面温度が、トナー像転写位置に達するまでにトナーの軟化点(Tmt)以上の温度となるように予熱される工程を含むことを特徴とする画像形成方法がより好ましい。
【0014】
また、さらに、上述の方法において、トナー像転写位置から下流において該記録媒体表面の透明樹脂の温度が透明樹脂の軟化点(Tmp)より10℃以上低温となる時点で該記録媒体を該トナー像保持体から剥離することを特徴とする画像形成方法が好ましい。
【0015】
上述の方法において用いる記録媒体としてより好ましい態様は、溶融トナーと記録媒体表面に設けられた透明樹脂層を構成する透明樹脂との接触角が40度以下となる透明樹脂層を設けた記録媒体を使用することを特徴とする画像形成方法である。
【0016】
さらに記録媒体表面に設ける層を構成する熱可塑性透明樹脂の重量平均分子量(Mw)が5000〜60000の範囲にありかつ、数平均分子量(Mn)が、2000〜5000の範囲にありかつ、Mw/Mnが2〜15の範囲にあることがより好ましい画像形成方法である。
【0017】
さらに記録媒体表面に設ける熱可塑性透明樹脂として、ポリエステル樹脂系の構成単位を含む樹脂を用いることが望ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
さらに詳細に本発明の画像形成方法及びこの方法に好適に使用しうる画像形成装置について、電子写真方式の流れに従って説明する。
【0024】
プリンタや複写機においては、高速かつ高画像品質を提供できる方式として、デジタル電子写真方式が広く採用されている。この方式においては、結像光学系で所定サイズのスポット径に調整された光ビームを用いて感光媒体の光走査を行い、パルス幅変調手段で決定された画像濃度信号に応じた光ビームのオンオフ時間によって感光媒体上に画像濃度信号に対応した面積変調の潜像形成が行われる。この潜像はトナーにより顕像化され、画像形成が行われる。
【0025】
なお、トナー像を形成する画像形成工程は上記の電子写真方式に限るものではなく、たとえば、所定のトナー像保持体上に、デジタル処理された画像データに基づいて、トナーを直接飛翔させることにより、トナー像保持体上にトナー像を形成する工程であってもよい。また、前記画像形成工程が、所定のトナー像保持体上に、デジタル処理された画像データに基づいて、磁気潜像を形成し、その磁気潜像に基づいてトナー像がトナー像保持体上に形成される工程であってもよく、また、前記画像形成工程が、所定のトナー像保持体上に、ディジタル処理された画像データに基づいて、直接電荷像を書き込み、静電潜像を形成した後、その静電潜像に基づいてトナー像がトナー像保持体上に形成される工程であってもよい。
【0026】
カラー画像を形成する場合の各色の記録媒体上のトナー量は、その色素の含有量にもよるが、一般的には0.4mg/cm2 〜0.7mg/cm2 になるように露光条件又は現像条件が設定される。
【0027】
こうしてトナー像保持体上に形成されたトナー像は、移動可能な前記トナー像保持体ごと搬送されてもよく、一旦、中間転写媒体上に一次転写された後、記録媒体への転写位置に搬送され、転写・定着を同時に行ってもよい。後者の場合、その中間転写体が本発明にいうトナー像保持体に相当する。
【0028】
以下に、電子写真方式に基づいて、トナー像をトナー像保持体(以下、適宜、画像保持体又は態様に合わせて、中間転写体と称する)上に静電転写した後、記録媒体に、転写、定着を同時に行う方式について説明する。
【0029】
中間転写体は、一般的な記録媒体である紙のように、環境(温湿度)による影響を受けにくく、表面性、抵抗値など物性的に安定しているので、密着して静電転写が行え、適切な物性値を与えてやれば、前述したような転写電界の乱れなどによるトナー像の乱れやムラはほとんど生じない。静電転写時において中間転写体に要求される重要な因子は、その表面抵抗率Rs(Ω/□)とその体積抵抗率Rv(Ω・cm)であり、Rsは108 <Rs<1016の範囲にあることが望ましく、また、Rvは107 <Rv<1015の範囲にあることが望ましい。Rs,Rvがこれらの範囲より小さいと電荷がひろがってしまい、これらの範囲よりも大きいと電荷がたまりすぎてしまう結果になるからである。
【0030】
中間転写体上に静電転写されたトナー像は、トナーが集合された画素である網点や万線構造により形成されており、その面積率によって画像濃度を得るようにしている。このトナー像が転写・定着位置において記録媒体に転写・定着される。従って、直接記録媒体に対してトナー像を静電的に多重転写することはないため、前述したような画像の乱れがなく、画像保持体上に鮮明でかつ転写むらのない画像が得られる。
【0031】
転写・定着部においては、画像保持体である中間転写体とトナー像と記録媒体は一体となって密着されるとともに加熱され、粉体トナーが溶融状態となり個々のトナーが融着して一つの平滑なフィルム状となる。この時、トナー像への効率的な熱伝達及び記録媒体へ溶融トナーを沈みこませて凹凸のない画像を形成する目的で、中間転写体と記録媒体の密着が必要であり、これが実現できずところどころに空気が入ったりすると、空気のあるところとないところで熱容量が変わりトナー像が均一に溶融せず、転写・定着ムラが数mm直径程度の微小なグロスむらとなる。
【0032】
前記の如く、記録媒体へ溶融トナーを沈み込ませて表面を平滑にするためや、微小なグロスむらを防止するために、本発明の画像形成方法においては、使用される記録媒体の表面に熱可塑性の透明樹脂層を設ける必要がある。本発明者が鋭意検討した結果、記録媒体表面に設ける熱可塑性樹脂は、その軟化点(Tmp)がトナーの軟化点(Tmt)に対して、ほぼ同等か低いほうが、記録媒体表面の熱可塑性樹脂とトナーが同じ温度に加熱されていてもトナーを沈みこませる効果が高く、記録媒体が画像保持体との接着力が高くなりより密着するため、微小なグロスむらの発生もなくなるため好ましい。即ち、記録媒体表面に設ける熱可塑性樹脂は、その軟化点(Tmp)がトナーの軟化点(Tmt)に対して、+10℃から−30℃の範囲〔Tmt−30(℃)≦Tmp(℃)≦Tmt+10(℃)〕にある樹脂が好ましい。より望ましくは、記録媒体表面に設ける熱可塑性樹脂は、その軟化点(Tmp)がトナーの軟化点(Tmt)に対して、±0℃か−20℃の範囲〔Tmt−20(℃)≦Tmp(℃)≦Tmt(℃)〕にある樹脂である。記録媒体表面に設ける熱可塑性樹脂の軟化点(Tmp)がトナーの軟化点(Tmt)を10℃を超えて高くなると、溶融したトナーが記録媒体表面の透明樹脂層への沈みこみが悪化する。また、熱可塑性樹脂の軟化点(Tmp)がトナーの軟化点(Tmt)に対して30℃を下回る樹脂を使用すると、溶融したトナーが記録媒体表面層内で拡散しすぎるために、画像の先鋭性や粒状性が悪化したり、記録媒体表面層樹脂の溶融粘度が低下しすぎることにより、トナー像保持体からの剥離不良を発生しやすくなる。
【0033】
ここで、トナーの軟化点(Tmt)及び記録媒体の表面に設けた透明樹脂層を構成する樹脂材料の軟化点(Tmp)は、次のように定義される。
【0034】
島津製作所(株)製フローテスターCFT500Cを用い、開始温度80℃〜max温度170℃、昇温速度3℃/min、予熱時間300sec、シリンダー圧力10kgf/cm2 、ダイL×D=1.0mm×1.0mmの条件で等速昇温した時の軟化状態を測定する。試料としては、トナーについてはトナーの樹脂のみを分取するのは困難であるため、トナー自体を秤量して用い、記録媒体表面に設ける透明樹脂は、1〜3g精秤した微粉末を用いる。プランジャー断面積は10cm2 とする。測定方法は、等速昇温するに従い、試料は徐々に加熱され流出がはじまる。さらに昇温すると溶融状態となった試料が大きく流出し、プランジャー降下が停止し、1回の測定を終了する。各温度における流出量を60〜150℃まで3℃きざみで測定し、見かけ粘度η’(Pa・s)を得る。この際、見かけ粘度η’(Pa・s)が1×104 Pa・sとなる温度を、それぞれ、トナーの軟化点(Tmt)及び記録媒体表面に設ける透明樹脂の軟化点(Tmp)と定義する。
【0035】
トナー像の転写位置においては、トナー像を挟んで対向するトナー中間転写体と記録媒体との密着をよくするために、中間転写体の表面には弾性体層を設けることが好ましい。弾性体層の硬度はゴム硬度10度〜80度、厚さは10μm〜300μmが望ましい。中間転写体表面の弾性体層のゴム硬度が10度を下回る場合は、中間転写体表面の摩耗が早く、画像光沢が得られなくなる。また、80度を上回るとトナーを包みこみにくくなるため、微小な光沢むらが発生しやすくなる。また、弾性体層の厚さが10μmを下回る時には、トナーを包みこみにくくなるため、微小な光沢むらが発生しやすくなり、300μmを超えると転写・定着部において有効な加熱を行うための電力が多大となり、いずれも好ましくない。
【0036】
通常、この転写・定着部は、内部にハロゲンランプ等の熱源を有する加熱ロール及びそれに対して中間転写体、トナー像並びに記録媒体を挟んで圧接する加圧ロールで構成され、そのニップ圧は1×103 Pa〜1×106 Paの範囲が望ましく、この範囲より低い圧力では中間転写体、トナー像及び記録媒体の密着が不十分で溶融トナーの記録媒体への浸透が不十分であったり、微小なグロスむらが発生しやすく、高い圧力では中間転写体、記録媒体への応力が強くなってしわが発生したり、高圧力を支えるための機構・装置が複雑になるという障害が起こる。上記、加熱ロールに替えて、耐熱性支持体の上に通電発熱体を設け、表面を耐熱・耐磨耗性層を被覆した固定の発熱部材を用いてもよい。
【0037】
図3は本発明の画像形成方法におけるトナー像の転写・定着位置における挙動を示す模式図である。トナー像保持体(中間転写体)10の表面に形成され、搬送されるトナー像12は転写・定着位置において記録媒体14と密着される。記録媒体14は、基材16上に透明樹脂層18が形成された構造を有し、トナー像12は、加圧ロール20、加熱ロール22によって記録媒体14表面の透明樹脂層18に加熱、密着され、転写される。このとき、記録媒体14表面樹脂層18の軟化点(Tmp)がトナーの軟化点(Tmt)に対して、+10℃から−30℃の範囲にあるため、記録媒体14、トナー像12、画像保持体10の三者が密着している領域内において、トナー像12が溶融して記録媒体14表面にある透明樹脂層18に沈みこむことにより、転写された画像は、良好な発色であり、且つ、平滑で光沢に優れている。この時の加熱・加圧条件によっては、トナー像12の溶融粘度が低下する前に記録媒体14表面の透明樹脂層18を構成する樹脂材料の粘度が低くなり、トナーが弾性力を保持したまま透明樹脂層18中に沈みこむことになり、密着力解放後にわずかに***したり透明樹脂層18中で十分溶融していない状態となることがある。その場合、発色や光沢がやや劣る結果となることあるため、上記記録媒体14、トナー像12、画像保持体10の三者が密着している領域の時間を十分とるか、加熱温度を高くするなど、転写・定着条件を制御することが好ましい。
【0038】
本発明者らは、さらに、画像保持体である転写・定着位置の上流部分において、画像保持体10のトナー像12と接している表面を加熱して、トナー像12を予熱することにより、転写・定着条件の煩雑な調整を行うことなく、優れた転写画像を形成しうること、さらに、この予熱はトナーの軟化点(Tmt)以上にしておくと好適であることを見出した。
【0039】
図4は本発明の画像形成方法において、前記好ましいトナー像の予熱を行った場合の転写・定着位置における挙動を示す模式図である。トナー像保持体(中間転写体)10の表面のトナー像は転写・定着位置の上流において予めトナーの軟化点(Tmt)近傍まで加熱され溶融状態のトナー像12Aとなっている。即ち、トナーがあらかじめ低粘度の状態で、記録媒体14、トナー像12A、画像保持体10の三者が密着しているニップ領域に入る。
【0040】
ここで、トナー像12Aは、加圧ロール20、加熱ロール22によって記録媒体14表面の透明樹脂層18に加熱、密着され、転写されるが、このとき、記録媒体14表面樹脂層18の軟化点(Tmp)がトナーの軟化点(Tmt)に対して、+10℃から−30℃の範囲にあり、さらに、記録媒体14表面の透明樹脂層が溶融するとともに、すでに溶融状態のトナー像12Aを表面層中に沈みませることが可能となり、トナー自体の貯蔵弾性率も低下しているため、密着力解放後に画像部分が記録媒体表面樹脂層から***することも、トナーが記録媒体表面樹脂層中で溶融不十分となることもなく、光沢特性、発色ともに優れた画像を形成しうる。
【0041】
画像保持体である中間転写体やトナー像を予め加熱する手段としては、図4に示すように、転写・定着位置に固定された加熱ロール等の転写のための加熱手段に、転写位置の上流の部位における所定の搬送時間にわたって、中間転写体及びトナー像が密着するように搬送することにより加熱を行えば、格別の加熱手段を付加することなく、転写・定着用の加熱手段を利用して予熱工程を行うこともできるが、さらに、転写・定着位置に固定された転写のための発熱部材とは別に、発熱ランプ、内部に熱源を有する加熱ロールなどの加熱(予熱)手段を転写・定着位置の上流に設けてもよい。加熱手段はこれらに限定されるものではなく、好適な温度までトナー像を加熱することができれば、公知のいかなる加熱手段を適用してもよい。
【0042】
トナーが転写された記録媒体と画像保持体である中間転写体とは密着した状態で搬送され、剥離位置において剥離されるが、これらの剥離に際しては、該記録媒体の画像保持体と接している表面温度が、記録媒体表面に設けられた透明樹脂の軟化点(Tmp)より10℃以上低温となる温度で画像保持体から剥離される
【0043】
図5は、透明樹脂の軟化点(Tmp)と剥離位置における記録媒体の温度の差と、その時点で剥離された記録媒体表面のオフセットグレードとの関係を示すグラフである。ここで、オフセットグレードは以下の基準に従って評価した。
【0044】
Figure 0004292698
【0045】
Figure 0004292698
【0046】
図5より明らかなように、剥離時の記録媒体の表面温度が、記録媒体表面に設けられた透明樹脂の軟化点(Tmp)に対して10℃を下回る温度差である場合、剥離後の画像形成された記録媒体の表面状態が良好であるが、これは、記録媒体表面に設けられた透明樹脂層が十分な凝集力を保持していない、軟化した状態のまま剥離されると、剥離時に画像保持体に記録媒体表面の透明樹脂が転移したり記録媒体表面が粗れた状態になるオフセット現象が発生し、得られた画像の光沢を低下させる場合があるためと考えられる。
【0047】
ここで、記録媒体の表面温度は、記録媒体表面に予め熱電対を設置しておき、画像保持体とトナーが転写・定着された後、記録媒体が画像保持体から剥離されるまでの温度をモニターすることで測定することができる。
【0048】
記録媒体の表面温度を下げる冷却手段は必ずしも必要ではなく、例えば、転写・定着位置から剥離位置までの距離を長くする、雰囲気温度を低くするなどの方法により、好適な剥離状態とすることができるが、転写・定着位置の下流であって、且つ、剥離位置の上流部分に冷却手段を設けることにより、効率的に好適な表面状態の画像を形成しうる。
【0049】
図6は中間転写体10とトナー像12及び記録媒体14が密着したまま搬送される転写・定着位置の下流部分に、冷却ファン24を配置して、冷風をあてて冷却している状態を示す概略図である。
【0050】
冷却手段としては、前記冷却ファン24を配置する方法、中間転写体又は記録媒体に室温程度の低温部材を冷却手段として接触させて、熱を高温部から低温部へ移動させる方法等により上述の効率的な冷却効果を得ることができる。後者の場合、接触させる冷却手段をベルト状にして循環移動させ、ベルト周上の一部を加熱・加圧ニップ出口の中間転写体又は記録媒体に接触させ、冷却位置とは別の場所でベルトを冷却した後、再利用することで、連続して冷却効果を得ることができる。このように、加熱・加圧ニップ出口下流における中間転写体又は記録媒体の冷却位置とは別の場所で、冷却手段であるベルトなどの冷却媒体を他の低温体との熱交換を行うことにより、画像形成装置内の温度等に影響を与えることなく、効率的な冷却を行うことができる。この低温体との熱交換としては、例えば、加熱・加圧領域に到達する前の低温の中間転写体に接触させるなどして、行うこともできる。
【0051】
また、加熱・加圧ニップ出口の冷却手段として、ヒートパイプの様な熱交換機を用いて熱移動させることもできる。
【0052】
上記加熱・加圧ニップ出口の冷却手段は、加熱体側と加圧体側のどちらか一方又は、両側に設けても効果があるが、比較的低温の加圧体側に設けることで、冷却手段の昇温が抑えられ、また加熱体の熱を奪う量も少なくでき、熱的に効率良く転写・定着ができる。
【0053】
本発明の画像形成方法に用いるトナーの結着樹脂としては、公知のものが使用可能である。例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルトルエン、クロルスチレン、アミノスチレン等のスチレン及びその誘導体、あるいは置換体の単独重合体、共重合体、メタクリル酸及びメチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類の単独又は共重合体、アクリル酸及びメチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアクリル酸エステル類の単独又は、共重合体、ブタジエン、イソプレン等のジエン類、アクリロニトリル、ビニルエーテル類、無水マレイン酸、塩化ビニル、酢酸ビニル等のビニル系単量体等のビニル系単量体の単独又は、他の単量体との共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン等を単独もしくは、混合した形で用いることができるが、特にポリエステル系の構成単位を含むものが好適である。
【0054】
上記ポリエステルは、多価アルコールと多塩基性カルボン酸との反応によって製造することができる。ポリエステルを構成する多価アルコールとして、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1、2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノール等のジオール類、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物、その他の2価のアルコールを挙げることができる。
【0055】
多塩基性カルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸、メタコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、シクロヘキサンジカルンボン酸、コハク酸、これらの酸無水物、アルキルエステル、その他の2塩基性カルボン酸を挙げることができるがこれに限定されるものではない。
【0056】
これらトナー結着樹脂に混合する着色剤としては、公知の顔料、染料が使用できる。また、帯電制御の目的などで、従来知られているトナー用外添剤を使用することができる。
【0057】
本発明の画像形成方法に好適に使用しうる記録媒体は、基材上に特定の軟化点を有する熱可塑性の透明樹脂層が形成されてなるものである。ここで、基材に用いられる材料は、特に限定するものではなく、従来知られている記録媒体の基材材料を任意に選択して用いることができる。具体的には、例えば、酸性又は中性の上質紙や中質紙、更紙、再生紙、合成紙等が使用できる。これらに使用される填料は特に限定されるものではなく、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、チョーク等の炭酸カルシウムや、カオリン、焼成クレー、パイロフィライト、セリサイト、タルク等のケイ酸類や、二酸化チタン等の無機填料及び、尿素樹脂、スチレン等の有機顔料が利用できる。サイズ剤も特に限定されるものではない。ロジン系サイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、中性サイズ剤等のサイズ剤が使用でき硫酸バンド、カチオン化澱粉等、適当なサイズ剤と繊維との定着剤を組み合せて使用する。このほかに、紙力増強剤、染料、pH調整剤等を添加してもかまわない。
【0058】
さらにこれら基材には白色顔料塗工層を設けてもよい。
白色顔料塗工層に使用する白色顔料としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、非晶質シリカ、コロイダルシリカ、ホワイトカーボン、カオリン、焼成カオリン、デラミネートカオリン、アルミノ珪酸塩、セリサイト、ベントナイト、スメクサイト等の鉱物質顔料やポリスチレン樹脂微粒子、尿素ホリマリン樹脂微粒子、微小中空粒子やその他の有機系顔料等を単独もしくは複数組み合せて使用できるがこれに限るものではない。白色顔料を結着するための樹脂は、水溶性接着剤あるいはエマルジョン、ラテックス等を単独、又は混合して使用できる。例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、澱粉類、ゼラチン、カゼイン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アクリル酸アミドーアクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミドーアクリル酸ーメタクリル酸3元共重合体、スチレンーアクリル樹脂、イソブチレンー無水マレイン酸樹脂、カルボキシメチルセルロース等の水溶性樹脂やアクリル系エマルジョン、酢ビ系エマルジョン、塩化ビニリデンエマルジョン、ポリエステル系エマルジョン、スチレンーブタジエンラテックス、アクリルニトリルーブタジエンラテックス等が使用されるが、特に限定されるものではない。また、上述した白色顔料とカゼインなどをもちいて、キャストーティング法で塗工面を仕上げたものはより高平滑となり望ましい。このほか白色顔料塗工層には、色調を調整するため染料や有色顔料を微量添加したり、視感的白さを向上させるため蛍光染料を添加することもできる。さらに、分散剤、消泡剤、可塑剤、pH調整剤、滑剤、流動変性剤、固化促進剤、耐水化剤、サイズ剤等の各種助剤を必要に応じて適宜添加することもできる。
【0059】
上述する紙系基材以外では、耐熱温度が100℃以上のポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリスルフォンフィルム、ポリフェニレンオキサイドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、セルロースエステルフィルム等の耐熱性のフィルム状物も利用できる。
本発明の記録媒体は、これら基材又は基材に白色顔料層を設けたシートの少なくともトナー像を転写する面に、溶融トナーを転写・定着し、記録媒体表面層内に浸透させるための熱可塑性の透明樹脂層を設けてなるものである。樹脂層を形成する熱可塑性の透明樹脂は、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルトルエン、クロルスチレン、アミノスチレン等のスチレン及びその誘導体、あるいは置換体の単独重合体、共重合体、メタクリル酸及びメチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類の単独又は共重合体、アクリル酸及びメチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアクリル酸エステル類の単独又は、共重合体、ブタジエン、イソプレン等のジエン類、アクリロニトリル、ビニルエーテル類、無水マレイン酸、塩化ビニル、酢酸ビニル等のビニル系単量体等のビニル系単量体の単独又は、他の単量体との共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン等を単独もしくは、混合した形で用いることができるが、特にポリエステル系の構成単位を含む樹脂(以下、適宜、ポリエステル系樹脂と称する)が好適である。ポリエステル系樹脂は、多価アルコールと多塩基性カルボン酸との反応によって製造することができる。ポリエステルを構成する多価アルコールとして、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1、2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノール等のジオール類、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物、その他の2価のアルコールをあげることができるがこれらに限られるものではない。好ましくは、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物が望ましい。
【0060】
多塩基性カルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸、メタコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、シクロヘキサンジカルンボン酸、コハク酸、これらの酸無水物、アルキルエステル、その他の2塩基性カルボン酸を挙げることができるがこれに限定されるものではない。
【0061】
またこれらの透明樹脂層に、その表面電気抵抗を調整する目的で、画質を損なわない程度の配合量につき、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カリシウム、硫酸ナトリウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の無機物を単独又は2種以上混合して配合しても構わない。また、記録媒体の摩擦係数制御等の目的で、画質を損なわない程度の微量に限り、スチレン系等の硬質プラスチック微粒子を混合することができる。
【0062】
前記基材上に設けられる熱可塑性透明樹脂層の厚さは、2μmから20μmが好ましく、さらに好ましくは、4μmから15μmの範囲である。この範囲を下回ると溶融したトナーを樹脂層中に十分に埋め込むことができず、表面にトナーに起因する凸部を有する平滑ではない画像が形成され、光沢も不十分となる。また、厚みがこの範囲を超えると透明樹脂層の屈折率に起因する画像鮮鋭度や発色性の低下を生じる虞があり、さらに、厚みのある樹脂層を軟化させるための加熱に要するエネルギーが増加するため、いずれも好ましくない。
【0063】
これらのポリエステル系樹脂の軟化点(Tmp)は、前述したように、トナーの軟化点(Tmt)に対して+10℃から−30℃好ましくは、±0℃から−20℃の範囲を選択する。
【0064】
重量平均分子量(Mw)は5000〜60000の範囲にあり、数平均分子量(Mn)が2000〜5000であり、Mw/Mnは2〜15の範囲にあることが望ましい。分子量及び分子量分布がこの範囲の上限を超えると熱可塑性の透明樹脂層の軟化点が上昇し、トナーの埋まり込みがわるくなる。また、この範囲の下限を下回ると熱可塑性の透明樹脂層が柔らかくなりすぎるために、場合によっては、オフセット現象を引き起こすことがあるため好ましくない。
【0065】
熱可塑性透明樹脂の分子量の測定方法は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって行った。すなわち、測定装置として、全自動高温高速クロマトグラフ(Waters ALS/GPC 150C,Waters社製)を使用し、溶媒として、テトラヒドロフランを用いて、流速=1.0ml/min、温度=40℃、検出器=示差屈折計(RI)の条件で測定した。
【0066】
記録媒体表面に形成された透明樹脂層と溶融トナーとの界面で生じる光の散乱や、溶融トナーが記録媒体の透明樹脂層表面から盛り上がる状態は、溶融トナーと透明樹脂層との相溶性にも関連しており、相溶性が良好な樹脂同士を用いることにより、より平滑で優れた均一の光沢を有する画像を形成しうる。これらの樹脂の相溶性の基準として、本発明においては溶融状態となったトナーと透明樹脂層の接触角を採用し、この接触角が40度以下であるものを相溶性が良好であると判定する。この接触角の測定は、つぎの方法による。
【0067】
(1)島津製作所(株)製の錠剤成形器ハンドプレスSSP−10型の直径13mm高さ33mmの凹状形状をした錠剤枠に粉体トナーを充填し、ハンドプレスで1トンの荷重を1分間加え、トナーディスクを成形する。この時の標準的なディスクの大きさは、直径13m、厚さ1.2mm、重さ0.18gである。
【0068】
(2)ホットプレート上に記録媒体を基材がホットプレート面に接するように配置し、トナーディスクを該記録媒体の透明樹脂層と接するように置き、90秒間設定温度で放置する。その後、記録媒体とトナーディスクを23℃の大気中に放置してあるアルミプレート上に記録媒体を接するように置いて急冷させる。この時、設定温度は、トナーの軟化点(Tmt)+10℃とする。
【0069】
(3)共和界面化学(株)製の接触角測定装置を使用し、トナーが固化した後の透明樹脂層と接する裾野の角度を4点(90°ずつ回転させて)測定し、その平均値をトナー接触角とした。
【0070】
透明樹脂層の溶融トナーとの接触角は、40度以下が好ましくは、さらには、30度以下であることが望ましい。この上限を超える場合には、転写・定着後に中間転写体から記録媒体を剥離した後に記録媒体表面層にトナー像の***が生じる場合があり、特に中間調画像領域やハイライト画像領域において光沢の低下を招いたり、発色が悪化することがある。
【0071】
以上詳述したように本発明の画像形成方法によれば、画像の乱れや、色むらの発生なくトナー像を記録媒体の透明樹脂層に埋めこむことができるため、全画像面積率領域で均一な光沢を得ることができ、粒状性が良好で、色むらの発生の無いカラー画像を形成することができる。
【0072】
また、この画像形成方法に好適に使用し得る記録媒体の構成は前記のとおりであり、この記録媒体を用いることにより、本発明の画像形成方法の効果が達成できる。
【0073】
【実施例】
以下に実施例を用いてさらに詳細に本発明を説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0074】
〔記録媒体の作製1〕
記録媒体は、市販のキャストコート紙である坪量127.9g/m2 のエナメルコート紙(米子加工紙株式会社)を基材として用い、その表面に、下記表1にしめす特性を有するポリエステル系樹脂6種類からなる透明樹脂層を形成することにより作製した。
【0075】
下記表1に示す如きポリエステル系樹脂6種類(PE1、PE2、PE3、PE4、PE5、PE6)を用意し、それぞれ20重量部を酢酸エチル80重量部に混合し、溶解するまで撹拌したのち、得られた6種類のポリエステル溶液を前記エナメルコート紙(基材)上にメイヤーバーを用いて塗工した。十分乾燥させた後の樹脂層の厚みが7μmとなるようにした。このようにして得られた記録媒体をそれぞれ、P1、P2、P3、P4、P5及びP6とした。
【0076】
さらに、基材として100μm厚の透明ポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、該基材上にポリエステル系樹脂PE1、PE3、PE6を紙基材の場合と同様の方法で3μm厚になるように塗工し、表1にしめすような3種類のOHPフィルムを得て、それぞれOHP1、OHP2及びOHP3とした。これらの記録媒体を用いて、次に示すトナーと画像形成装置で画像を形成した。
【0077】
これら透明樹脂層を構成するポリエステル系樹脂6種類(PE1、PE2、PE3、PE4、PE5、PE6)の軟化点(Tmp)、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を前記した方法で測定した結果及びMw/Mnを算出した結果を表1に合わせて示した。
【0078】
【表1】
Figure 0004292698
【0079】
〔トナーの作製〕
下記表2に示した原料組成の多価アルコールと、多価カルボン酸をステンレススチール製撹拌機、ガラス製窒素ガス導入管及び硫化式コンデンサーを持つ1リットル容量の4つ口丸底フラスコ中に入れ、このフラスコをマントルヒータにセットした。次いで、ガス導入管から窒素ガスを導入し、フラスコ内を不活性ガス雰囲気に保ちながら昇温した。その後、0.05のジブチルスズオキシドを加えて、反応物の温度を200℃に保ち、所定の時間反応させてポリエステル系樹脂PE7及びPE8を得た。
【0080】
得られたポリエステル系樹脂(PE7)100重量部に対して、イエロー顔料6重量部を混合し、エクストリューダーにより溶融し、混練した後、冷却して、ジェットミルにより粉砕し、粉砕物を分級して体積平均直径7μmのイエロートナーを得た。同様に、ポリエステル系樹脂(PE7)100重量部に対して、マゼンタ顔料4.5重量部、シアン顔料4.5重量部及びカーボンブラック4重量部をそれぞれ混合し、体積平均直径7μmのマゼンタトナー、シアントナー、黒トナーを得た。前記イエロートナーを加えて4色のトナーセットAを得た。(トナーAと称する。)
また、ポリエステル系樹脂(PE8)を用いて、同様の方法によりトナーセットB(トナーBと称する。)を得た。
【0081】
なお、トナーの平均粒径は7μmのものを用いた。図7にこれらのトナーの温度/粘度特性を示す。
【0082】
【表2】
Figure 0004292698
【0083】
〔画像の記録1〕
図8は、本実施例の画像形成方法に用いる画像形成装置26を示す構成図である。
【0084】
この画像形成装置26において、ベルト状の中間転写体10は、ローラ28、29、及び加熱ロール22により支持されて図中に示す矢印方向に回転を行う。転写・定着位置には、加熱ロール22に対向して加圧ロール20が配置されている。加熱ロール22と加圧ロール20は図8とは逆の配置とすることもでき、また、加圧ロール20を内部に熱源を持つ加熱ロールとしてもよい。中間転写体10の周辺にはイエロー、マゼンタ、シアン、黒に対応する4つの感光体30Y、30M、30C、30Bが配置され、それぞれ帯電器32Y、32M、32C、32Bにより一様に帯電された後、濃度信号に応じ光ビームパルス幅変調装置によってオンオフされる光ビーム走査装置34により露光され、静電潜像が形成される。各感光体上の静電潜像は、それぞれ、黒、イエロー、マゼンタ、シアン色のトナーが入った現像器36Y、36M、36C、36Bにより現像され、面積変調により濃度を表すいわゆるディジタル画像の各色トナー像が各感光体30Y、30M、30C、30B上に形成される。この各色トナー像は、順次、転写器38Y、38M、38C、38Bにより、中間転写体10に転写され、中間転写体10上に複数色のトナー像が形成される。
【0085】
加圧ロール20は、トレイ40からの記録媒体Pの送紙に伴い、加熱ロール22に圧接する。その後、前記複数色のトナー像を保持した中間転写体10と記録媒体Pが、タイミングを合わせて加熱、加圧ロール22及び20の間を移動し、加圧・加熱される。軟化点以上に加熱されたトナーは軟化、溶融し、記録媒体Pに浸透し、その後固化することで転写・定着が行われる。
【0086】
この転写・定着位置より加硫に配置された冷却装置24は、加熱領域から一体となって搬送される中間転写体10及び記録媒体Pを冷却するもので、これによりトナーは凝集固化し、記録媒体Pとの強い接着力が生じ、記録媒体の透明樹脂も固化して、オフセットを防止できる。冷却装置24により冷却された中間転写体10及び記録媒体Pは搬送され、曲率半径の小さなロール29において記録媒体Pが記録媒体P自体の腰の強さによって中間転写体10からトナーとともに分離され、カラー画像が形成される。
【0087】
記録媒体Pに転写・定着されたトナー像の表面及び記録媒体表面は、密着状態で搬送される中間転写体10の表面により平滑化されるため、表面が均一で、且つ、高い光沢を有する画像が形成される。
【0088】
本発明の方法に用いられる画像形成装置の感光体30Y、30M、30C、30Bは公知のものが使用でき、例えば、各種無機感光体(Se、a−Si、a−SiC、CdS等)の他に、各種有機感光体等も用いることができる。
【0089】
この感光体30Y、30M、30C、30Bによって、前記表1に示す記録媒体及び表2に示すトナーを用いて画像を形成した。各色の記録媒体上のトナー量は、0.65mg/cm2 に設定した。
【0090】
光ビーム走査装置34に用いる光ビームの径は、20μmとし、コントラストの高い画像が得られるようにした。
【0091】
中間転写体10は、ベース層と表面層の2層構造のものを用いた。ベース層は、カーボンブラックを添加した厚さ70μmのポリイミドフィルムを用いた。本実施例では、トナー像を感光体から中間転写体に静電的に、画像乱れなく転写するために、ベース層の体積抵抗率はカーボンブラックの添加量を変化させ、1010Ωcmに調整した。
【0092】
なお、ベース層としては、本実施例では厚さ70μmのポリイミドフィルムを用いたが、例えば厚さ10〜300μmの耐熱性の高いシートを使用することが可能であり、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリアミドなどのポリマーシート等を用いることが可能である。
【0093】
また、表面層は、トナー像を感光体から中間転写体に静電的に画像乱れなく転写するために、その体積抵抗率を1014Ωcmに調整し、中間転写体から記録媒体への同時転写・定着を行うときに、トナー像を挟み中間転写体と記録媒体の密着をよくするために、ゴム硬度40度、厚さ50μmのシリコーン共重合体による弾性体層を設けた。シリコーン共重合体は弾性を有し、その表面が常温でトナーに対して粘着性を示し、さらに、記録媒体へトナーを効率的に移行させるために、溶融して流動化したトナーを離し易くする特性を有しているため、中間転写体の表面層には最適である。
【0094】
なお、この表面層は、例えば厚さ1〜100μmの離型性の高い樹脂層を使用することが可能であり、例えば、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン等を用いることが可能である。
【0095】
加熱及び加圧ロールとしては金属ロール、又は、金属ロール上にシリコーンゴム等の耐熱弾性層を有したものを用いることができる。加熱ロールの内部には熱源が配置され、その加熱温度は、中間転写体が記録媒体にトナーを転写・定着する上流で、トナー軟化点(Tmt)以上となるように設定、制御した。また、加熱領域は、加熱領域での感光体1とトナー像及び記録紙Pが十分に密着し部分的な浮きが発生せず、かつ記録媒体Pにしわやずれが発生しないように設定した。そのニップ圧力は1×103 Pa〜1×106 Paの範囲が適当である。本実施例では加熱、加圧ロールとして、アルミニウムの中空ロール上に硬度55度のシリコーンゴムを厚さ3mmで積層したものを用い、加熱ロール内部の熱源としては、ハロゲンランプを使用した。なお、ニップ圧力は5.0×105 Paに設定した。
【0096】
また、本実施例では、冷却装置24の風量を調整することにより、記録媒体の中間転写体からの剥離時の、中間転写体と接する記録媒体表面の温度が70℃となるように調整した。
【0097】
また、中間転写体、トナー像の搬送速度は160mm/sであり、スクリーンは垂直万線を用い、線数は200線で行った。
〔画像の評価〕
上記方法にて形成されたトナー画像の画像光沢、発色性、粒状性及び、色むらの評価を行った。
【0098】
画像光沢、発色性、粒状性、色むらの評価は、入力画像面積率0〜100%について、10%きざみで2×2cmのY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)、PB(三色黒)のパッチを出力し、目視により画像光沢の均一性、発色性、粒状性、色むらをを下記基準により判定することで行った。
【0099】
(画像評価基準)
◎:特に良好。
○:良好。
△:やや良好(許容できるレベル)。
×:悪い(許容できない)。
【0100】
(実施例1〜8、比較例1〜4)
記録媒体P1〜6と、トナーA、Bの組合せを用いて、前述した〔画像の記録1〕記載の手順で画像を形成し、得られた画像を前記基準で評価した結果を表3に示す。
【0101】
また、記録媒体OHP1〜3とトナーAの組合せを用いて、前記と同様に画像を形成し、得られた画像を下記の基準で評価した結果を表4に示す。
【0102】
【表3】
Figure 0004292698
【0103】
【表4】
Figure 0004292698
【0104】
この結果より、本発明の画像形成方法である〔画像の記録1〕を適用して、記録媒体の表面に設けられた熱可塑性のポリエステル系樹脂の軟化点(Tmp)がトナーの軟化点(Tmt)に対し、+10〜−30℃の範囲にあり、記録媒体の表面に設けられた熱可塑性のポリエステル系樹脂の重量平均分子量(Mw)が5000〜60000であり、数平均分子量(Mn)が2000〜5000であり、Mw/Mnが2〜15である実施例1〜5については、すべての画像面積率領域において同一光沢を示し、色むらがなく、粒状性に優れ、微小な光沢むらも無い発色が良好な画像が得られた。また、同様の範囲にある実施例7〜8については、OHPで投影した場合の発色性がよく、濁りの無いシャープな画像が得られた。また、実施例においても、Mw、Mn、Mw/Mnの範囲が上述した好ましい範囲を外れている実施例6は、粒状性に優れ、微小な光沢むらが無い発色が良好な画像が得られたが、光沢均一性及び発色性については許容レベルではあるものの、分子量が好適な範囲にある前記各実施例に比較するとやや低下しいることがわかった。
【0105】
また、Tmp−Tmtが本発明の範囲を外れている比較例1〜4は、画像面積率に対する光沢の均一性が劣ったり、発色性、粒状性などに劣る画像となった。
【0106】
図9に結果の一例として、実施例2、実施例4と比較例1の用紙部及び各入力画像面積率に対する75度鏡面光沢度の測定結果をしめす。比較例とくらべて前記各実施例の光沢が画像面積率に依存せず、均一で且つ、優れた光沢を有する画像であることが分かる。
【0107】
〔画像の記録2〕
図10に示すように、加圧ロール20と加熱ロール22の位置を逆に配置した他は前記〔画像の記録1〕に用いのと同様の装置42を用いて、加熱ロール22の加熱温度をトナー軟化点(Tmt)+30℃となるように設定、制御した以外は、前記〔画像の記録1〕と同様の方法を用いて画像を形成した。図10は、本実施例の〔画像の記録2〕記載の画像形成方法に用いる画像形成装置42を示す構成図である。
【0108】
(実施例9〜12、比較例5、6)
記録媒体P1〜6と、トナーAの組合せを用いて、前述した〔画像の記録2〕記載の手順で画像を形成し、得られた画像を前記基準で評価した結果を表5に示す。
【0109】
【表5】
Figure 0004292698
【0110】
実施例9〜12で形成された画像は、粒状性に優れ、微小な光沢むらが無く、また、光沢の均一性、発色性についてもほぼ良好であった。ただし、加熱ロールと加圧ロールのニップに入る時の上流で、中間転写体及びトナー像が加熱ロールと密着して、トナーの軟化点以上に加熱されている実施例1〜5と比較すると、光沢の均一性、発色性ともに若干の低下がみられた。即ち、転写位置の上流においてトナー像がその軟化点以上に加熱されることにより、本発明の製造方法のなかでも、特に優れた画像を形成しうることがわかる。
【0111】
〔記録媒体の作製2〕
記録媒体P2に用いるポリエステルPE2を基材である紙に塗工する際に、記録媒体の電気抵抗を調整する目的で、ポリエステルPE2に予めリン酸エステル系界面活性剤を、酢酸エチル80重量部、ポリエステルPE2、20重量部に対して、0.1重量部、0.2重量部、0.4重量部、1重量部混合した他は、前記実施例2に用いた記録媒体P2と同様にして記録媒体を作成し、それぞれの記録媒体をP7、P8、P9、P10とした。また、これらの樹脂の軟化点(Tmp)はそれぞれ90℃、90℃、89℃、88℃であった。
【0112】
(実施例13〜16)
記録媒体P2及び、前記〔記録媒体の作製2〕により得られた記録媒体P7、P8、P9、P10のトナーAとの接触角を、前記発明の詳細な説明の欄に記載したのと同様の方法により測定した結果を表6に示す。
【0113】
さらに、これらの記録媒体とトナーAとの組合せで前記〔画像の記録2〕記載の手順で画像を形成し、得られた画像を前記基準で評価した結果を表6に示す。
【0114】
【表6】
Figure 0004292698
【0115】
表6に示すように、記録媒体の表面に設けられた熱可塑性のポリエステル系樹脂の軟化点(Tmp)がトナーの軟化点(Tmt)に対し、+10〜−30℃の範囲にあり、記録媒体の表面に設けられた熱可塑性のポリエステル系樹脂の重量平均分子量(Mw)が5000〜60000であり、数平均分子量(Mn)が2000〜5000であり、Mw/Mnが2〜15であり、トナーとの接触角が40度以下である実施例2、13、14については、すべての画像面積率領域において同一光沢を示し、色むらがなく、粒状性に優れ、微小な光沢むらが無い発色が良好な画像が得られた。一方、トナーとの接触角が大きく、相溶性の低い透明樹脂表面を有する記録媒体を用いた実施例15及び16については、粒状性に優れ、微小な光沢むらが無い発色が良好な画像が得られたが、光沢均一性及び発色性は許容レベルではあるものの、前記の相溶性の良好な各実施例に比較するとやや低下していた。これらの実施例のなかでも、表面に形成された透明樹脂層中に界面活性剤を含有せず、接触角が最も小さい実施例2が特に優れていた。
【0116】
これらの実施例及び比較例からも明らかなように、本発明の画像形成方法よれば、転写電界の乱れや、トナー同士のクーロン反発力に起因すると見られる中間調画像品質の劣化を生じることなく、転写率が良好で、記録媒体そのものや、ハイライト領域から中濃度部、高濃度部の全領域において画像光沢が均一で、粒状性がよく、さらに色バランスが良好でトナーの透明性に優れた高発色高画質の画像を得ることができた。
【0117】
本発明の画像形成方法は、プリンタ及び複写機等の画像形成に好適に使用しうる。
【0118】
【発明の効果】
この発明は、以上の画像形成方法よりなるもので、画像濃度や画像面積率に拘らず、画像光沢が記録媒体と同一であり、色再現性に優れ、色むらの発生がなく、粒状性に優れ、さらに、微少な光沢の不均一性もない、画像光沢の均一性に優れた効果を奏する
【図面の簡単な説明】
【図1】 各種基材上に入力画像面積率を変えて作成した画像の75度鏡面光沢度を測定した結果を示すグラフである。
【図2】 キャストコート紙上に形成されたトナー画像の三次元表面粗さ計による40%画像面積率部分の画像プロファイルである。
【図3】 本発明の画像形成方法におけるトナー像の転写・定着位置における挙動を示す模式図である。
【図4】 本発明の画像形成方法において、好ましいトナー像の予熱を行った場合の転写・定着位置における挙動を示す模式図である。
【図5】 透明樹脂の軟化点(Tmp)と剥離位置における記録媒体の温度差と、剥離された記録媒体表面のオフセットグレードとの関係を示すグラフである。
【図6】 転写・定着位置の下流部分に配置された冷却ファンにより、密着したまま搬送される中間転写体、トナー像及び記録媒体が冷却される状態を示す概略図である。
【図7】 実施例に用いたトナーの温度/粘度特性を示す図である。
【図8】 実施例の〔画像の形成1〕に用いられる画像形成装置の構成図である。
【図9】 発明の実施例及び比較例の画像面積率と光沢の関係を示す図である。
【図10】 実施例の〔画像の形成2〕に用いられる画像形成装置の構成図である。
【符号の説明】
10 トナー像保持体(中間転写体、画像保持体)
12 トナー像
12A 溶融状態のトナー像
14 記録媒体
16 基材
18 透明樹脂層
20 加圧ロール
22 加熱ロール
24 冷却装置
26 画像形成装置
28、29 中間転写体搬送ロール
30Y、30M、30C、30B 感光体
32Y、32M、32C、32B 帯電器
34 露光装置(ビーム走査装置)
36Y、36M、36C、36B 現像器
40 用紙トレイ
P 記録媒体
42 画像形成装置

Claims (4)

  1. トナー像を保持してトナー像形成位置からトナー像転写位置に搬送するトナー像保持体により、転写位置に搬送されたトナー像を所定の記録媒体に転写する画像形成方法において、
    該搬送されたトナー像を記録媒体に密着させ、加熱しながら転写すると共に定着する転写・定着工程を含み、
    該記録媒体として、基材の少なくともトナー像を転写する面に熱可塑性の透明樹脂層を有し、該透明樹脂のフローテスターで測定した見かけ粘度η’(Pa・s)が1×104 Pa・sとなる温度として定義された軟化点(Tmp)が、フローテスターで測定した見かけ粘度η’(Pa・s)が1×104 Pa・sとなる温度として定義された該トナーの軟化点(Tmt)に対して+10℃から−30℃の範囲にあり、
    且つ、該透明樹脂層を構成する樹脂材料と、溶融状態にある該トナーとの接触角が40°以下である記録媒体を用い
    前記トナー像転写位置よりも下流側で、前記記録媒体の透明樹脂層の表面温度が前記の如く定義された該透明樹脂の軟化点(Tmp)より10℃以上低温となった後に、前記記録媒体を前記トナー像保持体から剥離する工程を含む、ことを特徴とする画像形成方法。
  2. トナー像を保持してトナー像形成位置からトナー像転写位置に搬送するトナー像保持体により、転写位置に搬送されたトナー像を所定の記録媒体に転写する画像形成方法において、
    該搬送されたトナー像を記録媒体に密着させ、加熱しながら転写すると共に定着する転写・定着工程を含み、
    該記録媒体として、基材の少なくともトナー像を転写する面に熱可塑性の透明樹脂層を有し、該透明樹脂層を構成する樹脂材料がポリエステル樹脂系の構成単位を含み、該透明樹脂のフローテスターで測定した見かけ粘度η’(Pa・s)が1×104 Pa・sとなる温度として定義された軟化点(Tmp)が、フローテスターで測定した見かけ粘度η’(Pa・s)が1×104 Pa・sとなる温度として定義された該トナーの軟化点(Tmt)に対して+10℃から−30℃の範囲にある記録媒体を用い
    前記トナー像転写位置よりも下流側で、前記記録媒体の透明樹脂層の表面温度が前記の如く定義された該透明樹脂の軟化点(Tmp)より10℃以上低温となった後に、前記記録媒体を前記トナー像保持体から剥離する工程を含む、ことを特徴とする画像形成方法。
  3. 前記トナー像保持体に保持されたトナー像を、トナー像転写位置に搬送されるまでにトナー像表面温度が、前記の如く定義されたトナーの軟化点(Tmt)以上の温度となるように予熱する工程を含む、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成方法。
  4. 前記透明樹脂層を構成する樹脂材料の重量平均分子量(Mw)が5000〜60000の範囲にあり、数平均分子量(Mn)が2000〜5000の範囲にあり、且つ、Mw/Mnが2〜15の範囲にあることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の画像形成方法。
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