JP4291245B2 - 電気アクチュエータ駆動制御回路 - Google Patents

Description

本発明は、電気アクチュエータ、特に内燃エンジン用の電気燃料噴射器(fuel injector)を駆動するための回路に関し、詳しくは、請求項１の導入部で定義されたタイプの制御回路に関する。

こうした制御回路は、添付図面の図１に概略的に示されている。この図１において、符号１は、自動車内のバッテリなどの直流電源を示す。この実施形態において、電源１は、アースＧＮＤに接続された負極と、全体を符号２で示したチョッパー回路に接続された正極を有する。電気アクチュエータ３は、例えば内燃エンジンの電気燃料噴射器であり、チョッパー回路２に接続される。

符号４は、チョッパー回路２に適用するために設計された電子制御ユニットを示し、起動(activation)時間ｔ_ｉはそれぞれの場合に予め定められており、初期時間ｔ_ｓと最終時間ｔ_ｅとの間でなる。コマンド信号ＣＳは、実質的にＰＷＭ（パルス幅変調）方式であり、所定のオン／オフスイッチング期間ｐおよび可変デューティサイクルを伴う。従って、チョッパー回路２は、上述した起動時間ｔ_ｉに対応する公称持続期間(nominal duration)を持つ相応のチョップ電流Ｉの流れを電気アクチュエータ３内に生じさせる。

電気噴射器を駆動するための制御回路において、電流チョップ周波数は特に高くないため、電流は際立った振幅リップルを有する。

もし各燃料噴射動作の持続期間がオープンループで制御されている場合、噴射器を完全に閉じるのに必要な時間は、電気噴射器の起動時間終わりの電流が到達する瞬間値に依存する。添付図面の図２において、上側グラフは、先行技術による回路で駆動される電気噴射器での電流Ｉの定性的経過を示し、下側グラフは、電気噴射器に関連したチョッパー回路に相応に印加されるコマンド信号ＣＳの経過を示す。ここから判るように、図示した経過の例では、電流Ｉは、持続期間の立ち上がり段階ｔ_ｒを有し、続いて期間ｔ_ｐである最初のチョップ段階のピーク値を有し、続いて期間ｔ_ｈである維持値領域における後続のチョップ段階を有する。信号ＣＳは、段階ｔ_ｒでハイレベル（ＯＮ）となり、段階ｔ_ｐおよび段階ｔ_ｈでオン／オフ式の経過を有し、一定のスイッチング期間ｐと、段階ｔ_ｐでの高いデューティサイクルと、段階ｔ_ｈでの低いデューティサイクルを伴う。

コマンド信号ＣＳは、初期時間ｔ_ｓでスタートし、最終時間ｔ_ｅで終了する。時間ｔ_ｅでの電流Ｉの強度は、一般に、最小値Ｉ_ＨＭＩＮと最大値Ｉ_ＨＭＡＸとの間となる。従って、電気噴射器が再び完全に閉じるのは、期間Ｅの範囲で変化する瞬間に生じ、これは実際の噴射時間の決定する際の誤差を表す。

ドイツ特許公開公報ＤＥ ３７ ２２ ５２７ 米国特許公報ＵＳ ５ １３４ ５３７ 米国特許公報ＵＳ ４ ２６６ ２６１

本発明の目的は、電気アクチュエータでの電流がオープンループで制御される電気アクチュエータを駆動するための制御回路を提供することであり、この回路によって先行技術による手法の上記不具合を克服できる。

この目的および他の目的は、制御回路を持つ本発明によって達成され、この主な特徴的性質は添付の請求項１で定義される。

本発明の更なる特徴的性質および利点は、添付した図面を参照しつつ、非限定的な例を提供するだけの詳細な説明から明らかとなろう。

本発明に係る制御回路は、図１に概略的に示したものと実質的に同じ構成を有する。しかしながら、制御ユニット４は、異なる手法でチョッパー回路２を駆動する。

極めて簡潔であるが、本発明に係る制御回路において、制御ユニット４は、最終時間ｔ_ｅ前の電気アクチュエータ３の起動時間ｔ_ｉの範囲に包含される最後(last)の全体(whole)または完了(complete)スイッチング期間を決定するように設計されている。この最後の完了スイッチング期間は、図３に係る上側グラフにおいてＰで示されている。このグラフは、図２の上側グラフに対応しており、起動時間ｔ_ｉの最終部分において、破線は、先行技術による制御回路を用いて生ずる電流の経過を示し、一方、連続線は、本発明による回路を用いて達成される電流の経過を示している。グラフ表示についての同様な方法が図３の下側グラフで用いられ、コマンド信号ＣＳの経過を示している。

一般に、制御ユニット４が、初期時間ｔ_ｓと、電流Ｉの立ち上がり段階の期間ｔ_ｒと、次の電流強度チョップ段階の期間ｔ_ｐ、ｔ_ｈを把握していることから、起動時間ｔ_ｉの範囲に包含される最後の完了スイッチング期間Ｐの決定は、かなり単純明快である。個々のスイッチング期間の期間ｐもまた既知である。従って、電気アクチュエータ３が起動（電気噴射器の場合にはオープンにするため）されるときはいつでも、制御ユニット４は、１つまたはそれ以上の外部制御パラメータに基づいて起動時間ｔ_ｉを決定し、そして、他の上記パラメータの値が既知であることから、起動時間ｔ_ｉ内に含まれる最後の完了スイッチング期間Ｐを容易に決定することができる。

誤差Ｅを除去あるいは少なくとも実質的に低減するために、本発明に係る制御回路の制御ユニット４はまた、段階ｔ_ｈの間に印加されるデューティサイクルに従って、図３においてｔ_ｆで示した起動時間ｔ_ｉの最終区間を割り当てるように設計されており、この最終区間は、最後の完了期間Ｐと、ｒで示すスイッチング期間の次の部分とを含む。

それ故、制御ユニット４は、上述のデューティサイクルに従って実行される最終区間の割り当てに対応するようにして、最終区間ｔ_ｆの間にチョッパー回路２を駆動する。コマンド信号は、最終区間ｔ_ｆにおいて、図３でｔ’_ｏｎで示す区間は「オン」となり、ｔ’_ｏｆｆで示す区間は「オフ」となる。

この制御方法の結果、起動時間ｔ_ｉの最後において、電気アクチュエータ３に流れる電流強度Ｉは、実質的に上記で定義した最小値Ｉ_ＨＭＩＮとみなされる。電気アクチュエータの実際の停止時間（電気噴射器の実際の完全閉鎖）は、高い精度で決定され、図２においてＥで示した、先行技術による制御システムに典型的な誤差による影響を受けなくなる。

上記のものは、厳密に言うと、電気アクチュエータでの電流Ｉの経過がリニア区間、即ち、直線区間によって合理的に表現されるという条件に対して、明らかに適用可能である。しかしながら、厳密でなくても、定量的な見地からの評価に適切な条件であれば、本発明に係る制御システムは、本当の、即ち、実際の電流Ｉの経過を用いて、実際の起動時間（実際の噴射時間）での誤差の顕著な低減化を達成することができる。

明らかに、本発明の原理を変更することなく、実施形態および構成の詳細は、添付の請求項に規定された本発明の範囲から逸脱することなく、非限定の例を用いて説明し図示したものに関して大きく変えることも可能である。

電気アクチュエータを駆動するための制御回路の概略図である。 先行技術による回路における電気アクチュエータでの制御信号および電流の経過例を示す。 図２に示したものと同様な２つのグラフのセットであり、これらのグラフは、本発明に係る回路における電気バルブでのコマンド信号の経過および対応した電流の経過を示す。

Claims (1)

1. 電気アクチュエータ（３）を駆動するための制御回路であって、
   直流電源（１）と、
   前記電源（１）と電気アクチュエータ（３）との間に配置されたチョッパー回路（２）と、
   所定の起動時間（ｔ_ｉ）において、所定のオン／オフスイッチング期間（Ｐ）および所定のデューティサイクルを有する、実質的にＰＷＭ方式のコマンド信号（ＣＳ）を、チョッパー回路（２）に印加して、電気アクチュエータ（３）において、前記起動時間（ｔ_ｉ）に対応する公称持続期間を有する相応のチョップ電流（Ｉ）を生成するように設計された電気制御ユニット（４）とを備え、
   上記ユニット（４）は、起動時間（ｔ_ｉ）の範囲に含まれる最後の全体または完了スイッチング期間（Ｐ）を検出し、
   前記所定のデューティサイクルに従って、前記起動時間（ｔ_ｉ）の範囲にある前記最後の完了スイッチング期間（Ｐ）および次のスイッチング期間（ｒ）の部分とからなる最終区間（ｔ_ｆ）を分割することにより、前記最終区間（ｔ _ｆ ）を、オンオフスイッチングを１回で完了するように調整されたオン時間（ｔ’ _ｏｎ ）およびオフ時間（ｔ’ _ｏｆｆ ）に分割し、
   前記最終区間（ｔ_ｆ）において、前記オン時間（ｔ’ _ｏｎ ）および前記オフ時間（ｔ’ _ｏｆｆ ）に従って、チョッパー回路（２）を駆動することを特徴とする制御回路。

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