JP4288315B2 - 熱転写受像シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーマルヘッド等を使用して熱昇華性染料を含有するインキを熱転写するための熱転写受像シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、テレビ、ビデオ、またはデジタルカメラのカラー画像、あるいはコンピューターグラフィックスのカラー画像等からハードコピーする方法として、良好な階調表現が可能である等の利点を有する昇華転写記録方法が広く利用されている。
【0003】
昇華転写記録方法においては、リボン基材上に設けられた熱昇華性染料を含有するインキ層と、基材上に設けられた熱昇華性染料を受容し得る受容層とを対向して重ね合わせ、サーマルヘッドをリボン基材側に接触し、画像情報に応じて加熱することにより、熱昇華性染料を含有するインクを、熱転写受像シートの染料受容層に移行させて、高階調性のフルカラー画像が形成される。
【0004】
このような昇華転写記録方法において使用される熱転写受像シートの基材としては、プラスチックシート、プラスチックシートと紙シート等の積層シート、合成紙等が広く使用されている。近年、昇華転写記録方法が広まるにつれて、低コストでの画像形成が強く求められている。比較的低コストの基材としては、普通紙例えば、コート紙、アート紙、キャストコート紙、PPC用紙等があげられ、これらは、一部実用化されている。
【0005】
このような普通紙を紙基材として使用した場合、その表面の染料受容層にサーマルヘッドをむらなく接触させるようにするために、染料受容層には、ある程度のクッション性が要求される。更に、比較的低エネルギー印画条件で所望の高いレベルの画像濃度を確保するためには、染料受容層にサーマルヘッドから印加される熱エネルギーの基材への拡散を有効に抑制する必要がある。そのために、熱可塑性樹脂からなるマイクロカプセル中に低沸点液化ガスを封入した熱発泡性の中空粒子(マイクロバルーンと称される)をバインダー中に分散させてなる断熱層を、基材と染料受容層との間に設けることが試みられている。
【0006】
しかし、このようなマイクロバルーンを使用した熱転写受像シートは、高速印画における高エネルギー印画条件下で、サーマルヘッドから印加される熱エネルギーにより、中空粒子が発泡、更には破裂を起こし、ピンホール状の白抜けが発生したり、印刷物に発色むらが発生したり、また、紙の抄きむらによる発色むらが発生するという問題がある。このため、マイクロバルーンを使用した従来の熱転写受像シートで得られる印画物の解像度は、不十分なものであった。
【0007】
このように、普通紙を紙基材として使用すると、熱転写受像シートのコストをある程度低減することは可能となるが、画像品位が大きく低下するという欠点があり、画像品位を低下させることなく、熱転写受像シートの製造コストを低減させることが十分に達成されていないのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の課題を解決しようとするものであり、その目的は、低コストで、優れたクッション性を有し、高速印画において、白抜けや光沢むらが発生せず、また原紙の地合いむら、抄きむら、及びクッション性の不足による発色むらが生じることなく、さらに低エネルギー印画条件下でも高品位の熱転写画像を形成し得る熱転写受像シートを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の熱転写受像シートは、パルプを主原料とする長網多層抄き原紙、及び該原紙上に設けられたキャストコート処理層を含む紙基材と、該キャストコート処理層上に形成された染料受容層とを有する熱転写受像シートにおいて、
前記キャストコート処理層は、(イ)該染料受容層と接触するキャストコート表面層と、
(ロ)該キャストコート表面層及び該原紙の間に設けられ、かつ体積中空率40%以上の中空粒子を含有し、さらに合成ゴムラテックスをバインダーとして含有する中空粒子含有を含むことを特徴とする。
また、本発明の熱転写受像シートの製造方法は、パルプを主原料とする長網多層抄き原紙上に、体積中空部40%以上の中空粒子及び合成ゴムラテックスバインダーを含有する中間粒子含有層塗工液を塗布し、中間粒子含有層を形成する工程、該中間粒子含有層上に顔料及びバインダーを含有するキャストコート表面層塗工液を塗布して、キャストコート表面層の塗布層を形成する工程、該塗布層が湿潤状態にある間に鏡面を有するキャストドラムにより圧接してキャストコート処理を行い、前記中間粒子含有層及び前記キャストコート表面層を有する多層構造のキャストコート処理層を形成する工程、及び該キャストコート処理層上に染料受容層形成用塗工液を塗工、乾燥して染料受容層を形成する工程を具備することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の熱転写受像シートは、パルプを主原料とする長網多層抄き原紙、及び該原紙上に設けられた多層構造のキャストコート処理層から実質的に構成される紙基材と、この紙基材のキャストコート処理層上に形成された染料受容層とを有し、キャストコート処理層は、染料受容層と接触するキャストコート表面層、及びこの紙基材表面層と原紙との間に設けられ、体積中空率40%以上の中空粒子を含有する中空粒子含有層を含む。
【0011】
本発明に用いられるキャストコート処理層は、少なくとも、キャストコート表面層と中空粒子含有層とに分けて形成される。従来のように、中空粒子含有層単層である場合には、十分な平滑度を付与し、かつ中空粒子の破裂による画像の劣化を防ぐためには、中空粒子の多量の添加は不可能であり、一方、中空粒子の添加量が不十分であると、良好なクッション性が得られないという問題があった。これに対し、本発明によれば、そのキャストコート表面層は、高光沢、高品位の熱転写受容シートを得るために十分な平滑度を付与するよう設計可能であり、また、中空粒子含有層は、低エネルギー印画条件で所望の高いレベルの画像濃度が十分に得られるように加熱記録手段からの熱拡散を抑制し、かつ加熱記録手段と染料受容層がむらなく接触するために十分なクッション性を有するように設計することが可能となる。
【0012】
このようにして、本発明を用いると、クッション性、高速印画性に優れ、しかも低エネルギー印画条件下においても、高濃度且つ高品位の画像を形成し得る熱転写受像シートが得られる。
【0013】
以下、本発明を図面を参照し、本発明の熱転写受像シートをより詳細に説明する。
【0014】
図1は本発明の好ましい態様の熱転写受像シートの断面図である。この熱転写受像シートは、原紙11、キャストコート処理層12から成る紙基材10及び染料受容層20が順次積層された構造を有する。
【0015】
本発明においては、紙基材10の中の原紙11として、長網2層抄き以上の長網多層抄き原紙を使用する。この理由は、長網多層抄き原紙以外の、短網単層抄き原紙、短網多層抄き原紙、円網単層抄き原紙、円網多層抄き原紙、あるいは長網単層抄き原紙を使用した場合には、地合いむらにより発色むらが発生して画像品位の低下を招くためである。
【0016】
長網多層抄きの上限に関しては、特に制限されるものではないが、製造コスト等の点から2〜4層抄きが好ましい。
【0017】
原紙11を構成するパルプは特に限定されず、針葉樹クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹クラフトパルプ(LBKP)等の叩解されたパルプを、単独あるいは混合して適宜使用することができる。また、原紙11には、必要に応じて、填料、サイズ剤、紙力強化剤等の添加剤が添加されていてもよい。
【0018】
また、原紙11のキャストコート処理層が形成される面に、原紙表面の安定化、強度向上のために表面処理を行なうことが好ましい。
【0019】
さらに、本発明においては、紙基材10の中のキャストコート処理層12は、二層以上の多層構成から成る。
【0020】
図示するように、例えばキャストコート処理層12は、キャストコート表面層12bと、下塗り層として中空粒子含有層12aとを積層した多層構造を有する。このキャストコート処理層12は、下塗り層として、体積中空部40%以上の中空粒子及びバインダーを主成分とする中間粒子含有層塗工液を塗布、乾燥または半乾燥し、さらにその上に、顔料及びバインダーを主成分とする上塗り塗被組成物を塗被し、湿潤状態にある間に鏡面を有するキャストドラムにより圧接してキャストコート処理することにより形成することができる。
【0021】
キャストコート処理層の各層に使用される顔料としては、例えばカオリン、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、プラスチックピグメント等が挙げられる。
【0022】
また、これら各層に使用されるバインダーとして、合成ゴムラテックス、澱粉、カゼイン等の蛋白質、合成樹脂系接着剤等を、単独或いは併用して用いることができる。この他、必要に応じ、消泡剤、離型剤、着色剤等の添加物が適宜用いられる。
【0023】
下塗り層は、公知の塗工方法例えばブレードコーター、エヤーナイフコーター、ロールコーター、キャストコーター、バーコーター等の装置でオンマシン或いは、オフマシンコーターによって原紙上に1層または、2層以上に分けて塗被されるが、キャスト時の蒸気透過性の点から1層で塗被することが望ましい。
【0024】
中空粒子の体積中空率は、40%以上、入手コストの点から好ましくは40〜95%である。さらに、体積中空率80%以上の中空粒子を含有することがより好ましい。中空粒子の体積中空率が40体積%未満では、十分なクッション性及び断熱効果が得られず、本発明の目的が達せられない。
【0025】
また、本発明において使用する中空粒子は、工程上あるいは発色安定性の面から、平均粒径5μm以下で、非発泡性であるか又は完全発泡済みであることが好ましい。
【0026】
本発明で使用する中空粒子は、合成樹脂から構成することができる。その合成樹脂としては、種々の樹脂が使用でき、耐熱性や入手コスト等の点から、アクリル系樹脂、アクリル系共重合体樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニリデン系共重合体樹脂が好ましく挙げられる。
【0027】
中空粒子のキャストコート処理層12における含有量は、少なすぎると十分なクッション性及び断熱効果を得ることが難しくなり、多すぎると光沢が低下するといった問題を生じることから、キャストコート処理層全顔料分中に好ましくは3〜60重量%、より好ましくは5〜40重量%である。
【0028】
キャストコート処理層12の各層及び全層厚は、特に制限はないが、全層厚で一般に5〜50g/m2 が好ましい。
【0029】
また、原紙11として、例えば3Dシートアナライザー(M/Kシステムズ製)等で測定されたフォーメーションインデックス値が100以上のものを使用することが好ましい。これにより、熱転写受像シートの画像品位を向上させることができる。なお、このフォーメーションインデックス値とは地合いの程度を表す数値である。
【0030】
また、紙基材10のキャストコート処理層12の表面のベック平滑度を600秒以上とすることが好ましい。これにより、熱転写受像シートの画像品位を更に向上させることができる。
【0031】
紙基材10の厚さには特に限定はないが、プリンターの搬送性等を考慮すると、一般的には25〜300g/m2 、好ましくは75〜200g/m2 である。
【0032】
染料受容層20は、熱転写記録媒体のインキ層の熱昇華性染料を受容し、画像が形成される層であり、従来の一般的な熱転写受像シートの染料受容層と同様の構成とすることができる。
【0033】
染料受容層20の材料としては、染料染着性を有する樹脂例えばブチラール、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリカプロラクトン、ポリビニルアセタール、エポキシ樹脂、ケトン樹脂、あるいはこれらの変性樹脂等の熱可塑性樹脂類、これらとイソシアネートなどの架橋剤との架橋生成物、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、カルナバワックス、キャンデリラワックス、エステルワックス、酸化ワックス、ライスワックス、石油樹脂系ワックス等のワックス類が挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上を混合してもよい。さらに、必要に応じて公知の添加剤を添加することもできる。
【0034】
染料受容層20の厚さは、使用形態や使用条件等に応じて適宜決定することができ、一般に2〜10g/m2 である。
【0035】
なお、染料受容層20は、上記染料染着性を有する樹脂を溶剤に溶解させて染料受容層形成用塗工液を調製し、それを紙基材10のキャストコート表面層12c上に塗工し、乾燥することにより形成することができる。
【0036】
この熱転写受像シートは、常法により製造することができる。例えば長網多層抄紙機にて多層抄紙された原紙11上に、中空粒子含有層塗工液及びキャストコート処理層形成用塗工液を、各々公知の塗工方式により塗工、乾燥し、得られた塗工層をキャストコート処理することにより、キャストコート処理層12を形成し、さらにその上に染料受容層形成用塗工液をグラビアコート、メイヤーバー、ロールコート、ブレードコート、ナイフコート等の方法により塗工、乾燥して染料受容層20を形成することにより製造される。
【0037】
以上説明した本発明の熱転写受像シートは染料受容層のクッション性に優れており、昇華熱転写記録において、高速印画条件下あるいは比較的低エネルギー条件下で高濃度且つ高解像度の画像を形成することができる。
【0038】
【実施例】
以下、実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。
【0039】
実施例1
下記紙料1を長網多層抄紙機にて2層抄きで抄紙した。
【0040】
Figure 0004288315
この抄紙の際、乾燥分中間において、原紙表面の安定化、強度向上のための表面処理として、下記サイズプレス塗工液1を塗工した。
Figure 0004288315
その結果、坪量142g/m2 、ベック平滑度65秒、フォーメーションインデックス値96の原紙を得た。
【0041】
次に、その抄紙した原紙の一方の面に、中空粒子を含有する下記キャストコート処理層形成用塗工液Aを乾燥厚で13g/m2 となるようにブレードコーターで塗工し、乾燥させた。
【0042】
Figure 0004288315
その後、下記キャストコート処理層形成用塗工液Bを乾燥厚で12g/m2 となるように塗工し、得られた塗工面を蟻酸カルシウム1%水溶液からなる凝固液に接触させてゲル化させ、そのゲル化面をプレスロールを介して、表面温度105℃のキャストドラムで、線圧100kg/cmで圧接乾燥して、中空粒子含有層及びキャストコート表面層の二層から成る総厚25g/m2 のキャストコート処理層を形成した。
【0043】
これにより、坪量167g/m2 、ベック平滑度490秒の紙基材を得た。
【0044】
Figure 0004288315
次に、得られた紙基材のキャストコート表面層上に、下記染料受容層形成用塗工液を乾燥厚で4μmとなるように塗工し、乾燥させて染料受容層を形成した。これにより、本発明の熱転写受像シートを得た。
【0045】
Figure 0004288315
熱転写受像シートの評価
下記インキ層形成用塗工液を、片面に耐熱滑性処理が施された6μm厚のポリエチレンテレフタレートシート(K230S、ダイアホイル社製)の非耐熱滑性処理面に、乾燥厚が1μmとなるように塗工し、乾燥させてインキ層を形成し、これにより熱転写記録媒体を作製した。
【0046】
Figure 0004288315
得られた熱転写記録媒体のインキ層を、熱転写受像シートの染料受容層に重ね合わせ、サーマルシミュレーターで16階調の印画(出力=0.2W/ドット:パルス幅=6msec.:ドット幅=8ドット/mm(約200dpi))を行った。そして、各熱転写受像シートの抄きむら、光沢感、発色むら、画像抜け、及び画像品位を目視により評価した。また、各評価結果により、画像品質を総合評価した。その結果を表1に示す。表中、二重丸は非常に良い、○は良い、△は劣る、を各々示す。
【0047】
実施例2
実施例1と同様にして、長網2層抄きで抄紙し、サイズプレス塗工液を適用して同様の原紙を得た。
【0048】
次に、その抄紙した原紙の一方の面に、中空粒子を含有する下記キャストコート処理層形成用塗工液Cを乾燥厚で13g/m2 となるようにオンマシンキャストバーコーターで塗工した。
【0049】
Figure 0004288315
半乾燥状態で、この上にさらに実施例1と同様にして上記キャストコート処理層形成用塗工液Bの塗工、塗工面のゲル化、キャストドラムによる圧接乾燥を行い、中空粒子含有層及びキャストコート表面層の二層から成る総厚25g/m2 のキャストコート処理層を形成した。これにより、坪量167g/m2 、べック平滑度490秒の紙基材を得た。
【0050】
次に、得られた紙基材のキャストコート表面層上に、実施例1と同様にして染料受容層を形成し、本発明の熱転写受像シートを得た。
【0051】
得られた熱転写受像シートを用いて、実施例1と同様にして評価を行なった。その結果を下記表1に示す。
【0052】
実施例3
紙料1を用いて長網多層抄紙機にて3層抄きで抄紙する以外は、実施例1と同様にして、坪量142g/m2 、べック平滑度66秒、フォーメーションインデックス値102の原紙を得た。
【0053】
次に、その抄紙した原紙の一方の面に、実施例1と同様にして上記キャストコート処理層形成用塗工液Aを乾燥厚で13g/m2 となるようにブレードコーターで塗工乾燥した。
【0054】
その後、実施例1と同様にして上記キャストコート処理層形成用塗工液Bの塗工、塗工面のゲル化、キャストドラムによる圧接乾燥を行い、中空粒子含有層及びキャストコート表面層の二層から成る総厚25g/m2 のキャストコート処理層を形成した。これにより、坪量167g/m2 、べック平滑度490秒の紙基材を得た。
【0055】
次に、得られた紙基材のキャストコート表面層上に、実施例1と同様にして染料受容層を形成し、本発明の熱転写受像シートを得た。
【0056】
得られた熱転写受像シートを用いて、実施例1と同様にして評価を行なった。その結果を下記表1に示す。
【0057】
実施例4
実施例1と同様にして長網2層抄きで抄紙を行い、サイズプレス塗工液を適用することにより、同様の原紙を得た。
【0058】
次に、その抄紙した原紙の一方の面に、上記キャストコート処理層形成用塗工液Aを乾燥厚で13g/m2 となるようにブレードコーターで塗工乾燥した。
【0059】
その後、実施例1と同様にして上記キャストコート処理層形成用塗工液Bの塗工、塗工面のゲル化を行い、線圧を150kg/cmに設定する以外は実施例1と同様にして、中空粒子含有層及びキャストコート表面層の二層から成る総厚25g/m2 のキャストコート処理層を形成した。これにより、坪量167g/m2 、べック平滑度650秒の紙基材を得た。
【0060】
次に、得られた紙基材のキャストコート表面層上に、実施例1と同様にして染料受容層を形成し、本発明の熱転写受像シートを得た。
【0061】
得られた熱転写受像シートを用いて、実施例1と同様にして評価を行なった。その結果を下記表1に示す。
【0062】
比較例1
紙料1を用いて、長網多層抄紙機ではなく長網単層抄紙機にて抄紙し、坪量142g/m2 、べック平滑度65秒、フォーメーションインデックス値32の原紙を得た。
【0063】
次に、得られた原紙の一方の面に、実施例1と同様にして、中空粒子含有層及びキャストコート表面層の二層からなるキャストコート処理層を形成した。これにより、坪量167g/m2 、ベック平滑度490秒の紙基材を得た。
【0064】
次に、得られた紙基材のキャストコート表面層上に、実施例1と同様にして染料受容層を形成し、比較のための熱転写受像シートを得た。
【0065】
得られた熱転写受像シートを用いて、実施例1と同様にして評価を行なった。その結果を下記表1に示す。
【0066】
比較例2
紙料1を用いて、長網多層抄紙機ではなく円網多層抄紙機にて4層抄きで抄紙し、同様のサイズプレス塗工液を適用し、坪量142g/m2 、ベック平滑度65秒、フォーメーションインデックス値50の原紙を得た。
【0067】
次に、得られた原紙の一方の面に、実施例1と同様にして、中空粒子含有層及びキャストコート表面層の二層からなるキャストコート処理層を形成した。これにより、坪量167g/m2 、ベック平滑度490秒の紙基材を得た。
【0068】
その後、実施例1と同様にして上記キャストコート処理層形成用塗工液Bの塗工、塗工面のゲル化、キャストドラムによる圧接乾燥を行い、中空粒子含有層及びキャストコート表面層の二層から成る総厚25g/m2 のキャストコート処理層を形成した。これにより、坪量167g/m2 、べック平滑度490秒の紙基材を得た。
【0069】
次に、得られた紙基材のキャストコート表面層上に、実施例1と同様にして染料受容層を形成し、本発明の熱転写受像シートを得た。
【0070】
得られた熱転写受像シートを用いて、実施例1と同様にして評価を行なった。その結果を下記表1に示す。
【0071】
比較例3
紙料1を長網多層抄紙機にて2層抄きで抄紙し、同様のサイズプレス塗工液を適用し、実施例1と同様の原紙を得た。
【0072】
次に、得られた原紙の一方の面に、実施例1と同様にして、キャストコート処理層形成用塗工液Aを乾燥厚で25g/m2 となるように塗工し、その後同様にして塗工面のゲル化、及びキャストドラムで圧接乾燥し、中空粒子含有層単層からなるキャストコート処理層を形成した。これにより、坪量167g/m2 、べック平滑度220秒の紙基材を得た。
【0073】
次に、得られた紙基材のキャストコート表面層上に、実施例1と同様にして染料受容層を形成し、比較のための熱転写受像シートを得た。
【0074】
得られた熱転写受像シートを用いて、実施例1と同様にして評価を行なった。その結果を下記表1に示す。
【0075】
比較例4
紙料1を長網多層抄紙機にて2層抄きで抄紙し、同様のサイズプレス塗工液を適用し、実施例1と同様の原紙を得た。
【0076】
次に、得られた原紙の一方の面に、実施例1と同様にして、キャストコート処理層形成用塗工液Bを乾燥厚で25g/m2 となるように塗工し、その後同様にして塗工面のゲル化、及びキャストドラムで圧接乾燥し、中空粒子を含有しないキャストコート処理層単層を形成した。これにより、坪量167g/m2 、べック平滑度490秒の紙基材を得た。
【0077】
次に、得られた紙基材のキャストコート表面層上に、実施例1と同様にして染料受容層を形成し、比較のための熱転写受像シートを得た。
【0078】
得られた熱転写受像シートを用いて、実施例1と同様にして評価を行なった。その結果を下記表1に示す。
【0079】
比較例5
紙料1を長網多層抄紙機にて2層抄きで抄紙し、同様のサイズプレス塗工液を適用し、実施例1と同様の原紙を得た。
【0080】
次に、得られた原紙の一方の面に、下記キャストコート処理層形成用塗工液Dを乾燥厚で13g/m2 となるようにオンマシンキャストバーコーターで塗工した。
【0081】
Figure 0004288315
その後、半導体乾燥状態で、この上にさらに上記キャストコート処理層形成用塗工液Bを乾燥厚で12g/m2 となるように塗工し、実施例1と同様にして、塗工面のゲル化、キャストドラムによる圧接乾燥を行い、二層から成る総厚25g/m2 のキャストコート処理層を形成した。これにより、坪量167g/m2 、べック平滑度490秒の紙基材を得た。
【0082】
次に、得られた紙基材のキャストコート表面層上に、実施例1と同様にして染料受容層を形成し、比較のための熱転写受像シートを得た。
【0083】
得られた熱転写受像シートを用いて、実施例1と同様にして評価を行なった。その結果を下記表1に示す。
【0084】
【表1】
Figure 0004288315
【0085】
表1から明らかなように、実施例1ないし4にかかる熱転写受像シートを用いると、各実施例に示した低エネルギー印字条件かつ高速印画条件で印画を行なった場合でも、抄きむら、発色むら、及び画像抜け等を発生することなく高濃度で光沢感に優れた高品位な画像が得られることがわかった。
【0086】
特に、実施例2のように、体積中空率が約80%以上の中空粒子を用いると、高感度かつ高品位の画像が得られることがわかった。
【0087】
また、実施例3のように、フォーメーションインデックスが100以上の原紙を用いた場合には低発色領域が特に高品位となり、あるいは実施例4のように、キャストコート処理層表面のベック平滑度が600秒以上の紙基材を用いた場合には、全体的に高品位であり、かつ特に高い光沢感を有することがわかった。
【0088】
これに対し、比較例1及び2のように、長網多層抄き原紙を使用しない場合には、地合いむら、及び抄きむらが発生した。また、比較例3のように、キャストコート処理層として、中空粒子を含まないキャストコート処理層単層を形成した場合には、画像抜けが発生し、発色むら特に低発色領域での発色むらが生じた。比較例4のように、中空粒子含有層単層を形成した場合、及び比較例5のように、使用する中空粒子の体積中空率が40%よりも低い場合には、クッション性が不足するため、発色むら特に低発色領域での発色むらが発生した。
【0089】
【発明の効果】
本発明の熱転写受像シートは、低コストで、優れたクッション性を有することから、本発明の熱転写受像シートを用いると、高速印画において白抜けや光沢むらが発生せず、また原紙の地合いむら、抄きむら、及びクッション性の不足による発色むらが生じることなく、さらに低エネルギー印画条件下でも高品位の熱転写画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の熱転写受像シートの一例を表す概略断面図である。
【符号の説明】
10…紙基材
11…原紙
12…キャストコート処理層
12a…中空粒子含有層
12b…キャストコート表面層
20…染料受容層

Claims (6)

  1. パルプを主原料とする長網多層抄き原紙、及び該原紙上に設けられたキャストコート処理層を含む紙基材と、該キャストコート処理層上に形成された染料受容層とを有する熱転写受像シートにおいて、
    前記キャストコート処理層は、(イ)該染料受容層と接触するキャストコート表面層と、
    (ロ)該キャストコート表面層及び該原紙の間に設けられ、かつ体積中空率40%以上の中空粒子を含有し、さらに合成ゴムラテックスをバインダーとして含有する中空粒子含有を含むことを特徴とする熱転写受像シート。
  2. 前記中空粒子の体積中空率は80%以上である請求項1に記載の熱転写受像シート。
  3. 前記キャストコート処理層表面のベック平滑度が、600秒以上である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
  4. パルプを主原料とする長網多層抄き原紙上に、体積中空部40%以上の中空粒子及び合成ゴムラテックスバインダーを含有する中間粒子含有層塗工液を塗布し、中間粒子含有層を形成する工程、該中間粒子含有層上に顔料及びバインダーを含有するキャストコート表面層塗工液を塗布して、キャストコート表面層の塗布層を形成する工程、該塗布層が湿潤状態にある間に鏡面を有するキャストドラムにより圧接してキャストコート処理を行い、前記中間粒子含有層及び前記キャストコート表面層を有する多層構造のキャストコート処理層を形成する工程、及び該キャストコート処理層上に染料受容層形成用塗工液を塗工、乾燥して染料受容層を形成する工程を具備することを特徴とする熱転写受像シートの製造方法。
  5. 前記中空粒子の体積中空率は80%以上である請求項4に記載の熱転写受像シートの製造方法。
  6. 前記キャストコート処理層表面のベック平滑度が、600秒以上である請求項4または5に記載の熱転写受像シートの製造方法。
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