JP2007190920A - インクジェット記録用紙の製造方法 - Google Patents
インクジェット記録用紙の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007190920A JP2007190920A JP2007054534A JP2007054534A JP2007190920A JP 2007190920 A JP2007190920 A JP 2007190920A JP 2007054534 A JP2007054534 A JP 2007054534A JP 2007054534 A JP2007054534 A JP 2007054534A JP 2007190920 A JP2007190920 A JP 2007190920A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ink
- layer
- recording paper
- receiving layer
- coating liquid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Ink Jet (AREA)
- Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
Abstract
【解決手段】低透気性又は非透気性の支持体上に、少なくとも一層のインク受容層と、前記インク受容層上に設けられた光沢層とを有するインクジェット記録用紙の製造方法であって、前記支持体上にインク受容層を形成するインク受容層形成工程と、前記インク受容層上に、光沢層を形成するための塗布液を供給する塗布液供給工程と、前記支持体を、前記塗布液が供給された面が光沢ロールに接するように、前記光沢ロールとプレスロールとの間をプレスしながら通過させて塗布液層を形成した後、該塗布液層が湿潤状態又は半乾燥状態にあるうちに、前記光沢ロールから剥離するプレス工程とを備えるインクジェット記録用紙の製造方法。
【選択図】図1
Description
近年、プリンタの急速な普及や高精細・高速化、さらにはデジタルカメラの登場により、インクジェット記録方式において用いられる記録用紙にも高度な特性が要望されるようになっている。
すなわち、速いインク吸収性、高い記録濃度、優れた耐水性や保存性等の記録特性、特に、銀塩写真に匹敵する画質と表面光沢とを兼ね備えたインクジェット記録用紙の実現が強く求められている。
しかし、カレンダー仕上げにより得られる記録用紙は、光沢度が不十分であるうえに、塗工層の空隙が減少してしまうため、インク吸収性が低下し、結果として印字のにじみを生じやすくなるという問題を有している。
しかし、このような方法で得られる記録用紙は、ある程度の光沢度は得られるものの、インク吸収性は十分ではなく、インクの乾燥も遅いために、ハンドリングが悪く、インクの吸収ムラが発生しやすく、耐水性やカールも劣るという問題がある。
しかしながら、これらの方法により得られる記録用紙は、ある程度の光沢は有しているものの、超微粒子顔料を使用しているために、塗工層に十分な空隙が形成されず、依然として、満足できるインク吸収性は得られなかった。
特許文献4では、支持体に近い方から、一次粒子の平均粒径が50nm以下の気相法による合成シリカを含有する層及びコロイダルシリカを含有する層を少なくとも有するインクジェット記録用シートが提案されている。しかしながら、光沢性、耐擦傷性は向上するが、コロイダルシリカのような一次粒子体は空隙率が低くなるため、インク吸収性が低下しやすい。インク吸収性を持たせるために塗布量を低下させると、干渉縞を生じて光沢面の品質が低下したり、十分な光沢性が得られない。
また、特許文献5では、支持体上に、該支持体に近い側から、一次粒子の平均粒子径が30nm以下の気相法による合成シリカを含有する層とカチオン性コロイド粒子を含有する層とを少なくとも有するインクジェット記録用シートが提案されている。カチオン性コロイド粒子を用いることにより、印画後の画像の耐経時滲み及び耐水性が改善されるものの、特許文献4と同様に、インク吸収性が低下する問題がある。
このように、特許文献1〜5等には、インク吸収速度をなるべく低下させずに光沢性を向上するための方法については何ら記載されていない。
キャスト塗工法としては、
(1)顔料および接着剤を主成分とする顔料組成物を原紙上に塗工後、塗工層が湿潤状態にある間に鏡面仕上げした加熱した光沢ロールに圧接、乾燥させて光沢仕上げするウェットキャスト法、
(2)湿潤状態の塗工層を酸や塩、熱によりゲル状態とし、これを加熱した光沢ロールに圧接、乾燥させて光沢仕上げするゲル化キャスト法、
(3)湿潤状態の塗工層を一旦乾燥した後、これを再湿潤液で湿潤可塑化し、これを加熱した光沢ロールに圧接、乾燥させて光沢仕上げするリウェットキャスト法等が、一般に知られている。
これらのウェットキャスト法は、当業者間では、それぞれ別個の技術として認知されているものではあるが、いずれも湿潤可塑化状態にある塗工層表面を、光沢ロールに圧接、乾燥し、加熱した光沢ロールから離型して鏡面を写し取る点においては、共通するものである。
このようなウェットキャスト法により得られるキャスト塗工紙は、カレンダー仕上げされた通常の記録用紙に比較して、高い表面光沢と優れた表面平滑性を有し、優れた印刷効果が得られることから高級印刷物等の用途に専ら利用されている。
例えば、加熱した鏡面仕上げの光沢ロールに対する塗料の接着が弱い場合は、塗工層と光沢ロールの界面で剥離し、光沢ロールの鏡面を十分に写し取ることができず、いわゆる密着不良という現象を引き起こす。一方、光沢ロールと塗料との接着力より未乾燥の塗工層の方が弱い場合は、塗工層内部で破断するため、塗工層の一部が光沢ロールの表面に残り、光沢ロール汚れを引き起こす。どちらの場合も美しいキャスト面を形成することが不可能であり、品質上、操業上のトラブルとなる。
したがって、樹脂被覆紙やフィルムのような、低透気性又は非透気性の支持体を使用してキャスト塗工紙を得ることには非常に大きな困難が伴うものである。
コックリングを抑えるには、インク中の溶媒により伸びたりしない支持体を使用するか、インク受容層と支持体の間に、インク中の溶媒を通さない層を設けることが効果的である。たとえば、支持体として、樹脂被覆紙やフィルム等の低透気性又は非透気性の支持体を用いると、コックリングは効果的に抑えられる。
すなわち、本発明は以下の実施態様を含む。
[1]低透気性又は非透気性の支持体上に、少なくとも一層のインク受容層と、前記インク受容層上に設けられた光沢層とを有するインクジェット記録用紙の製造方法であって、
前記支持体上に少なくとも一層のインク受容層を形成するインク受容層形成工程と、
前記インク受容層上に、光沢層を形成するための塗布液を供給する塗布液供給工程と、
前記支持体を、前記塗布液が供給された面が光沢ロールに接するように、前記光沢ロールとプレスロールとの間をプレスしながら通過させて塗布液層を形成した後、該塗布液層が湿潤状態または半乾燥状態にあるうちに、前記光沢ロールから剥離するプレス工程と
を備えることを特徴とするインクジェット記録用紙の製造方法。
[2]前記プレス工程後に、さらに、前記塗布液層を乾燥する乾燥工程を有する[1]記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
[3]前記光沢層が、平均一次粒子径5〜100nmの顔料を含有する[1]記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
[4]前記光沢層と接する前記インク受容層の細孔分布の比表面積基準モード直径が100nm以下のみである[1]記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
[5]前記支持体がフィルム又は樹脂被覆紙である[1]記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
図1に、本発明の好ましい実施形態の一例を示す。
以下、各工程につき、より詳細に説明する。
本発明のインクジェット記録用紙の製造方法においては、まず、低透気性又は非透気性の支持体2上に、少なくとも一層のインク受容層3を形成するインク受容層形成工程を行う。
本発明において、低透気性又は非透気性の支持体とは、透気度が好ましくは500秒以上、より好ましくは1000秒以上であるような支持体を意味する。透気性は、一般に、紙や不織布などの多孔性を評価する項目として知られている透気度によって表される。透気度は、空気100mlが面積645mm2の試験片を通過するのに要する時間で表され、JIS P 8117(紙及び板紙の透気度試験方法)に規定されている。
前述のとおり、従来、キャスト塗工においては、キャスト塗工層の乾燥時、塗料の水分は蒸気となり、支持体を通って裏面に抜けるため、キャスト塗工に用いられる支持体の透気度は高い方が好ましかった。しかし、本発明においては、透気度に拘る必要はない。逆に、コックリングを抑えるためには、支持体は、水分や水蒸気を通さないことが好ましい。したがって、本発明で用いられる支持体は、平滑な表面を持つ低透気性又は非透気性のものであれば、特に材質は問わない。
好ましい支持体としては、例えば、ポリプロピレンを延伸し、特殊加工を施した、ユポ(ユポ・コーポレーション社製)に代表される合成紙や、セロハン、ポリエチレン、ポリプロピレン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル等のフィルムや、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などの樹脂で、紙などの基材表面を被覆した樹脂被覆紙が挙げられる。特に、酸化チタンを練り込んだポリエチレン樹脂で紙表面を被覆した樹脂被覆紙は、仕上がった外観が写真印画紙と同等であるため、特に好ましく用いられる。
支持体が樹脂被覆紙の場合、樹脂層の厚みに特に制限はないが、例えばポリエチレン樹脂を被覆した樹脂被覆紙の場合、ポリエチレン樹脂層の厚みは、3〜50μmが好ましく、5〜40μmがより好ましい。ポリエチレン樹脂層の厚みが3μm未満の場合は、樹脂被覆時にポリエチレン樹脂層に穴等の欠陥が生じやすくなり、厚みのコントロールに困難がある場合が多くなり、平滑性も得にくくなる。逆に50μmを超えると、コストが増加する割には、得られる効果が小さく、不経済である。
また、後述するインク受容層との接着性を高めるため、樹脂層表面に、コロナ放電処理を施したり、アンカーコート層を設けることが好ましい。
また、樹脂被覆紙の基材として紙を用いる場合、紙基材としては、木材パルプを主材料として製造されたものが好ましく用いられる。木材パルプは、各種化学パルプ、機械パルプ、再生パルプ等を適宜使用することができ、これらのパルプは紙力や平滑性、抄紙適性等を調整するために、叩解機により叩解度を調整できる。叩解度は、特に限定しないが、一般に250〜550mL(CSF:JIS−P−8121)程度が好ましい範囲である。またいわゆるECF、TCFパルプ等の塩素フリーパルプも好ましく使用できる。また、必要に応じて、木材パルプに顔料を添加することができる。顔料としては、タルク、炭酸カルシウム、クレー、カオリン、焼成カオリン、シリカ、ゼオライト等が好ましく使用される。顔料の添加により、不透明性や平滑度を高めることができるが、過剰に添加すると、紙力が低下する場合があり、顔料の添加量は、対木材パルプ1〜20質量%程度が好ましい。
本発明において、インク受容層は、低透気性又は非透気性の支持体上に少なくとも一層形成されている。インク受容層の少なくとも一層は、顔料と接着剤を含み、さらに、必要に応じて、カチオン性化合物を含むことができる。
本発明では、形成するインク受容層は一層であっても多層であってもよい。インク受容層が多層の場合、用いる顔料や接着剤は各インク受容層毎に変えることができる。このとき、例えばインク受容層が二層構造の場合、光沢層と接するインク受容層(第1層)では、光沢度を高くするために非常に微細な顔料を用い、支持体と接するインク受容層(第2層)にそれよりも大きな粒子径の顔料を用いると、第1層のインク吸収性が低くても、第2層のインク吸収性を高くなるので、光沢度とインク吸収性を共に維持又は向上させることができる。
特に好ましい顔料はコロイダルシリカ、アルミナ又は無定形シリカである。中でも、無定形シリカは、二次粒子であり、その内部に空隙を有しているので、一次粒子であるコロイダルシリカやアルミナを使用する場合より、低い顔料/樹脂比率でも、インク吸収性での問題を起こしにくい傾向にあるので、特に好ましく用いられる。
光沢層と接するインク受容層に無定形シリカを使用する場合、好ましくは平均一次粒子径3〜70nm、より好ましくは5〜40nmのものを用いる。また、無定形シリカは、好ましくは平均二次粒子径1.3μm以下、より好ましくは10〜700nmのものを用いる。平均二次粒子径が1.3μm以下であれば、細孔分布の表面積基準モード直径が100nm以下とすることができるので、ひび割れのない塗工層が得られやすく、ドット再現性、インク吸収性が良好で、かつ、インク受容層の透明性が向上するので、記録濃度も高い。
ここで、平均二次粒径とは、5%シリカ分散液をホモミキサーにて5000rpm、30分撹拌分散した直後に分散液を塗工してサンプルとし、電子顕微鏡(SEMとTEM)で観察し、1万〜40万倍の電子顕微鏡写真を撮り、5cm四方中の二次粒子のマーチン径を測定して平均したものである(「微粒子ハンドブック」、朝倉書店、p52、1991年参照)。
細孔分布の比表面積基準モード直径とは、以下に述べる方法によって比表面積細孔直径分布を求め、そのときの極大値を示す。
本発明において、細孔直径分布とは、記録層中の粒子間に形成される空隙(細孔)の直径の分布を水銀圧入法により測定したものである。細孔直径分布は、水銀圧入法により求めた空隙量分布曲線から細孔直径分布(微分曲線)を計算して求めることができる。水銀圧入法とは、水銀ポロシメトリーとも呼ばれ、耐火物41巻、6号297〜303頁/1989年に述べられているように、多孔質体の細孔構造(細孔直径や細孔容積)を測定するのに広く用いられている方法である。その測定の原理には、水銀は表面張力が大きいので、圧力をかけないと多孔質体の細孔内に侵入できないことを利用している。すなわち、水銀に加わる圧力とその時に水銀が侵入できる細孔直径との関係は下記一般式(1)に示される。
P=−4σcosθ/D (1)
ここで、P:水銀が細孔内に侵入するために要求される圧力(psi)
σ:水銀の表面張力(480dyn/cm)
θ:水銀の接触角(140°)
D:細孔直径(μm)
である。上記(1)式にσ、θの値を代入することにより、細孔直径Dを求めるための一般式(2)を得る。
D=213/P (2)
細孔直径分布は、上記の原理を利用して、水銀に加える圧力Pを除々に変化させ、そのときに細孔内に侵入した水銀の体積すなわち細孔容量Vを測定し、上記(2)式に従って換算した細孔直径Dと細孔容量Vとの関係を描き、この関係曲線の微分係数(dV/dD)を求めて縦軸とし、細孔直径Dを横軸にすることで求められる。その細孔直径分布曲線は、通常、1〜2個の極大値を有する。
細孔直径が小さいほど、記録層の光沢度は高い。本発明においては、銀塩写真様の高い光沢度のインクジェット記録体を得るために、細孔直径分布の極大値が存在するのは100nm以下、好ましくは80nm以下、さらに好ましくは70nm以下である。100nmより大きい極大値が存在すると、光沢度やドット再現性が低下し、さらに、記録層がひび割れしやすくなってしまう。
また、光沢層と接していないインク受容層に使用される無定形シリカの平均二次粒子径は、光沢層と接するインク受容層に使用される無定形シリカの平均二次粒子径より大きいことが好ましい。これは、光沢層と接していないインク受容層に使用される無定形シリカの平均二次粒子径が、光沢層と接するインク受容層に使用される無定形シリカの平均二次粒子径より小さい場合は、インク吸収性が低下する場合があるためである。
接着剤として例えばPVAを用いる場合、重合度が好ましくは3000〜5000のものが好ましく用いられる。重合度が上記範囲内のPVAを用いることにより、インク受容層のひび割れを少なくすることができ、しかもインクの溶剤による膨潤も少ないため、インク吸収速度の低下が少ない。また、PVAのケン化度の好ましい範囲は90〜100%であり、より好ましくは95〜100%である。ケン化度が90%を下まわると、インクの溶剤によるPVAの膨潤により、インク吸収速度の低下のおそれがある。
接着剤の含有量としては、顔料に対し、好ましくは、3〜100質量%、より好ましくは5〜30質量%程度が好ましい。接着剤が3質量%より少ないとインク受容層にひび割れが生じやすく、100質量%より多いと、顔料により形成される細孔を接着剤が塞ぎ、インク吸収容量の低下を招いてしまう可能性がある。
また、インク受容層には、上記のほかにも、一般的に塗工紙の製造において使用される各種顔料、分散剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤等の各種助剤を適宜添加してもよい。
インク受容層の塗工量の合計は、5〜70g/m2が好ましく、10〜50g/m2がより好ましく、15〜40g/m2が更に好ましい。また、塗工層の厚みの合計は、7〜105μmが好ましく、15〜75μmがより好ましく、22〜60μmがさらに好ましい。塗工量が5g/m2未満の場合、光沢層が十分に形成できない可能性があるのみならず、インク吸収性が低下し、記録適性が劣る場合があり、塗工量が70g/m2を超えると、塗工層の強度が低下し、記録用紙の断裁加工時や、プリンタでの記録用紙の搬送時に、トラブルを起こしやすくなるおそれがある。
塗工工程は1回でもよく、また、複数回行ってもよい。塗工工程を複数回行うと、インク受容層を多層とすることもできる。また、塗工液を複数回に分けて塗工することで、ひび割れの発生を抑制しながら多くの塗工液を塗工することができ、インク受容層のインク吸収容量を大きくすることができる。
塗膜の乾燥方法としては、特に限定はないが、従来から公知公用の熱風乾燥、ガスヒータ乾燥、高周波乾燥、電気ヒータ乾燥、赤外線ヒータ乾燥、レーザ乾燥、電子線乾燥等の各種加熱乾燥方式が適宜採用される。
次いで、インク受容層3上に、光沢層を形成するための塗布液4を供給する塗布液供給工程を行う。
本発明において、光沢層は、顔料を主成分とし、離型剤などの任意のその他の成分を含有する。
光沢層にコロイダルシリカやアルミナ等の一次粒子を用いると、空隙率が低くなるため、インク吸収速度が低下しやすい。そのため、好ましい光沢層の厚みは0.02〜4μmであり、より好ましくは0.05〜2μmである。また、インク吸収容量とインク吸収速度との兼ね合いから、光沢層の厚みは、インク受容層全体の厚みの1/10以下であることが好ましい。より好ましくは1/20以下、さらに好ましくは1/30以下である。
光沢層を形成するための塗布液は、これらの成分を適当な分散媒に分散させることにより調製される。
コロイダルシリカまたはアルミナを使用すると、光沢性が向上するため、特に好ましく用いられる。コロイダルシリカまたはアルミナは、平均一次粒子径5〜100nmが好ましく、10〜80nmがより好ましい。さらに好ましくは20〜70nmである。平均粒子径が5nm未満の場合は、インク吸収性が低下する場合があり、平均粒子径が100nmを超えると、透明性が低下するため、印字濃度が低下する傾向がある。
無定形シリカを使用する場合、好ましくは平均一次粒子径5〜100nm、より好ましくは5〜40nmのものを用いる。また、無定形シリカは、好ましくは平均二次粒子径1μm以下、より好ましくは10〜700nmのものを用いる。
水性樹脂としては、ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンおよびその共重合物、ポリメチルヒドロキシセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、酸化澱粉、カチオン化澱粉等の変性澱粉類、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類、ポリスチレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等の水性樹脂およびそれらの共重合物、変性物等が挙げられ、単独または組み合わせて使用でき、特に、スチレン・アクリル系共重合体が好ましい。
水性樹脂の平均粒子径は、20〜150nmの範囲が好ましく、20nm未満の場合は、インク吸収性が低下する場合があり、150nmを超える場合は、透明性が低下し、印字濃度が低下する場合がある。
水性樹脂のガラス転移温度は、50〜150℃の範囲が好ましい。ガラス転移温度が、50℃より低い場合は、乾燥時に光沢層の成膜が進みすぎ、光沢層の多孔性が低下し、インク吸収性が低下する場合がある。150℃より高い場合は、成膜が不足し、光沢や強度が不足する場合がある。
水性樹脂の配合量は、顔料100質量部に対し、水性樹脂が、好ましくは0〜50、より好ましくは0〜10の範囲内であることが好ましい。
カチオン性化合物としては、ポリエチレンポリアミンやポリプロピレンポリアミン等のポリアルキレンポリアミン類またはその誘導体、第2、3級アミン基や第4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、ポリビニルアミン類、ポリビニルアミジン類、ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合物に代表されるジシアン系カチオン樹脂、ジシアンジアミド−ジエチレントリアミン重縮合物に代表されるポリアミン系カチオン樹脂、エピクロルヒドリン−ジメチルアミン付加重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−二酸化イオウ共重合物、ジアリルアミン塩−二酸化イオウ共重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物、アリルアミン塩の重合物、ジアルキルアミン(メタ)アクリレート4級塩重合物、アクリルアミド−ジアリルアミン塩共重合物等のカチオン性化合物、アクリロニトリルとN−ビニルアクリルアミジン塩酸重合体、及び、その加水分解物、ポリアミジン系樹脂が例示でき、単独または数種類を組み合わせて使用しても良い。
また、カチオン化コロイダルシリカは、インク吸収速度や印字濃度が良好であるため、特に好ましく用いられる。
離型剤としては、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸等の脂肪酸類、およびそれらのナトリウム、カリウム、カルシウム、亜鉛、アンモニウム等の塩類、ステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミドおよびメチレンビスステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス等の脂肪族炭化水素類、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール類、ロート油、レシチン等の油脂類や脂質類、含フッ素界面活性剤等の各種界面活性剤、四フッ化エチレンポリマーやエチレン−四フッ化エチレンポリマー等のフッ素系ポリマー等が例示される。
これらの内、特に、脂肪族炭化水素またはその誘導体や変性物、脂肪酸またはその塩、脂質類が好ましく、中でも、脂肪族炭化水素としてはポリエチレンワックスが、脂肪酸としてはステアリン酸またはオレイン酸が、脂質としてはレシチンの使用がより好ましい。
また、光沢層には、上記のほかにも、一般的に塗工紙の製造において使用される各種顔料、分散剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤等の各種助剤を適宜添加してもよい。
塗布液中の総固形分濃度は、好ましくは0.1〜15質量%、より好ましくは0.5〜10質量%である。
光沢層の塗布量は、乾燥質量として、0.01〜3g/m2が好ましく、0.03〜2g/m2がより好ましく、0.05〜1g/m2が更に好ましい。塗布量が0.01g/m2未満の場合は、十分な光沢層を形成することが困難なために、光沢度が低くなりやすい。また、塗布量が3g/m2を超えると、光沢度は得やすいが、インク吸収性や記録濃度が低下しやすい。
空隙率は、前述した水銀圧注入法により空隙量が測定できるため、容易に測定できる。
インク受容層の空隙率aは、インクを十分に吸収できるように、45<a<80%が好ましい。より好ましくは55≦a≦75である。空隙率aが45%を下回るとインク吸収速度が低下し、また、80%を越えるとインク受容層自体の層がもろくなるため、塗工層の剥がれ等の問題がある。
光沢層の空隙率bは、光沢が十分に高くなるように、10<b≦45%が好ましい。より好ましくは20≦a≦40である。空隙率bが10%を下回るとインク吸収が阻害されるため、インク吸収速度が大幅に低下してしまう。また、空隙率bが45%を越えると、表面平滑性が低下するため、光沢が低下する恐れがある。
また、a>bであり且つa−b>25である。a−b≦25では、光沢性とインク吸収性のバランスが取れないため、問題である。
次いで、供給された塗布液4が湿潤状態または半乾燥状態にあるうちに、支持体2を、塗布液4が供給された面が光沢ロール5に接するように、光沢ロール5とプレスロール6との間をプレスしながら通過させて塗布液層7を形成した後、直ちに光沢ロール5から塗布液層7を剥離するプレス工程を行う。
湿潤又は半乾燥状態にある塗布液4を、加熱した光沢ロール5とプレスロール6との間を、塗布液4が供給された面が光沢ロール5に接するようにプレスロール6でプレスすることにより、インク受容層3上に塗布液層7が形成される。この際、プレス圧と温度により塗布液層7はインク受容層3に密着され、ひび割れのない均一な膜が形成される。
プレス工程後、塗布液層7を、ドライヤー9などの乾燥ゾーンで別途乾燥させる乾燥工程を行うことも可能である。
また、光沢ロールは、耐熱性がよく、優れた鏡面性が得られることから、金属ロールであることが好ましい。また、表面に微細な凹凸をつけて光沢性を低下させるいわゆる半光沢紙にする場合、金属ロールに微細な凹凸をつけてもよい。光沢ロールの平均線中心粗さRaは、目標とする光沢によって変わるが、例えば、10μm以下である。
プレスロールの材質は、上述のような光沢ロールとの間での加圧をより均一にするために耐熱樹脂製が好ましい。
プレスロールによる加圧は、光沢ロールとプレスロールの間の線圧が、好ましくは50〜3500N/cm、より好ましくは200〜3000N/cmになるように行うことが好ましい。光沢ロールとプレスロールの間の線圧が、50N/cm未満の場合は、線圧が均一になり難く光沢性が低下したり、塗布液層7のインク受容層3に対する密着性が低下し、表面がひび割れたりするおそれがあり、3500N/cmを超える場合は、インクジェット記録用紙を過度に加圧するためにインク受容層および光沢層の空隙を破壊するためにインク吸収性が低下するおそれがある。
本発明において、光沢ロール5から剥離した直後のインクジェット記録用紙1(支持体2、インク受容層3及び塗布液層7)中の水分は、湿潤状態又は半乾燥状態である。塗工層の水分率は、インク受容層や光沢層の塗布量により大きく影響されるが、例えば7〜100%である。
光沢ロール5から剥離した後、ワインダーで巻き取るまでの間に平衡水分に達するような場合には、調湿・乾燥装置は不要であるが、塗布速度が速く、紙等の支持体2に含まれる水分が高い場合は、光沢ロール5から剥離してワインダーで巻き取るまでの間に、調湿装置を有する調湿工程または乾燥装置を有する乾燥工程が必要である。調湿または乾燥装置の能力や仕様は、インクジェット記録用紙が光沢ロール5から剥離された時点で持っている水分と平衡水分との差および塗布速度により、適宜設定される。
なお、上述のようにして形成される光沢層8の表面は、銀塩写真様の風合いを得るためには、75°表面光沢度(JIS P 8142)が好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上、さらに好ましくは80%以上であり、かつ、幅2.0mmの光学くしを使用した時の写像性(JIS H 8686−2)が好ましくは55%以上、より好ましくは57%以上、さらに好ましくは60%以上、最も好ましくは65%以上であることが好ましい。
なお、図1では、光沢ロール5とプレスロール6とを左右に並べて配置し、光沢ロール5とプレスロール6との接線の上部に塗布液溜まりを形成して、縦方向に支持体を通過させたが、例えば、光沢ロール5とプレスロール6を上下に並べて配置し、インク受容層3上に塗布液4を供給して、横方向に支持体を通過させてもよい。
市販沈降法シリカ(商品名:ファインシールX−45、トクヤマ社製、平均一次粒子径10nm、比表面積280m2/g、平均二次粒子径4.5μm)をサンドグラインダーにより水分散粉砕した後、ナノマイザー(商品名:ナノマイザー、ナノマイザー社製)を用いて、粉砕分散を繰り返し、分級後、平均二次粒子径80nmからなる10%分散液を調製した。該分散液にカチオン性化合物として、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド(商品名:ユニセンスCP−103、センカ社製)10部を添加し、顔料の凝集と、分散液の増粘を起こさせた後、再度ナノマイザーを用いて、粉砕分散を繰り返し、平均二次粒子径250nmからなる8%分散液を調製しシリカゾルAを得た。
市販沈降法シリカ(商品名:ファインシールX−45、トクヤマ社製、平均一次粒子径10nm、比表面積280m2/g、平均二次粒子径4.5μm)をサンドグラインダーにより水分散粉砕した後、ナノマイザー(商品名:ナノマイザー、ナノマイザー社製)を用いて、粉砕分散を繰り返し、分級後、平均二次粒子径80nmからなる10%分散液を調製した。該分散液にカチオン性化合物として、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド(商品名:ユニセンスCP−103、センカ社製)10部を添加し、顔料の凝集と、分散液の増粘を起こさせた後、再度ナノマイザーを用いて、粉砕分散を繰り返し、平均二次粒子径1.3μmからなる8%分散液を調製しシリカゾルBを得た。
市販ゲル法シリカ(商品名:ニップジェルAZ600、日本シリカ社製、平均一次粒子径10nm、比表面積300m2/g)をサンドグラインダーにより水分散粉砕した後、ナノマイザー(商品名:ナノマイザー、ナノマイザー社製)を用いて、粉砕分散を繰り返し、分級後、平均二次粒子径80nmからなる10%分散液を調製した。該分散液にカチオン性化合物として、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド(商品名:ユニセンスCP−103、センカ社製)10部を添加し、顔料の凝集と、分散液の増粘を起こさせた後、再度ナノマイザーを用いて、粉砕分散を繰り返し、平均二次粒子径300nmからなる8%分散液を調製しシリカゾルCを得た。
市販気相法シリカ(商品名:レオロシールQS−30、トクヤマ社製、平均一次粒子径10nm、比表面積300m2/g)をサンドグラインダーにより水分散粉砕した後、ナノマイザー(商品名:ナノマイザー、ナノマイザー社製)を用いて、粉砕分散を繰り返し、分級後、平均二次粒子径80nmからなる10%分散液を調製した。該分散液にカチオン性化合物として、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド(商品名:ユニセンスCP−103、センカ社製)10部を添加し、顔料の凝集と、分散液の増粘を起こさせた後、再度ナノマイザーを用いて、粉砕分散を繰り返し、平均二次粒子径300nmからなる8%分散液を調製しシリカゾルDを得た。
市販沈降法シリカ(商品名:ファインシールX−45、トクヤマ社製、平均一次粒子径10nm、平均二次粒子径4.5μm)をサンドグラインダーにより水分散粉砕した後、ナノマイザー(商品名:ナノマイザー、ナノマイザー社製)を用いて、粉砕分散を繰り返し、分級後、平均二次粒子径500nmからなる20%分散液を調製しシリカゾルEを得た。
市販アルミナ粒子(商品名:AKP−G020、BET比表面積200m2/g、γ−アルミナ、住友化学社製)をサンドグライダーにより粉砕分散した後、さらにマイクロフルイダイザーを用いて粉砕分散を繰り返し、平均二次粒子径200nmからなる10%分散液に調製しアルミナゾルを得た。
CSF(JIS P−8121)が250mLまで叩解した針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)と、CSFが250mLまで叩解した広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)とを、質量比2:8の割合で混合し、濃度0.5%のパルプスラリーを調製した。このパルプスラリー中に、パルプ絶乾質量に対し、カチオン化澱粉2.0%、アルキルケテンダイマー0.4%、アニオン化ポリアクリルアミド樹脂0.1%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂0.7%を添加し、十分に攪拌して分散させた。
上記組成のパルプスラリーを長網マシンで抄紙し、ドライヤー、サイズプレス、マシンカレンダーを通し、坪量180g/m2、密度1.0g/cm3の原紙を製造した。上記サイズプレス工程に用いたサイズプレス液は、カルボキシル変性ポリビニルアルコールと塩化ナトリウムとを2:1の質量比で混合し、これを水に加えて過熱溶解し、濃度5%に調製したもので、このサイズプレス液を紙の両面に、合計で25mL/m2塗布して、支持体A(透気度:300秒)を得た。
上記支持体Aの原紙の両面に、コロナ放電処理した後、バンバリーミキサーで混合分散した下記のポリオレフィン樹脂組成物1を、支持体Aのフェルト面側に、塗工量25g/m2となるようにして、また、下記のポリオレフィン樹脂組成物2を、支持体Aのワイヤー側に、塗工量20g/m2となるように、T型ダイを有する溶融押出し機(溶融温度320℃)で塗布し、フェルト面側を鏡面のクーリングロール、ワイヤー面側を粗面のクーリングロールで冷却固化して、平滑度(王研式、J.TAPPI No.5)が6000秒、不透明度(JIS P8138)が93%の樹脂被覆した支持体B(透気度:>10000秒)を得た。
長鎖型低密度ポリエチレン樹脂(密度0.926g/cm3、メルトインデックス20g/10分)35部、低密度ポリエチレン樹脂(密度0.919g/cm3、メルトインデックス2g/10分)50部、アナターゼ型二酸化チタン(商品名:A−220、石原産業社製)15部、ステアリン酸亜鉛0.1部、酸化防止剤(商品名:Irganox 1010、チバガイギー社製)0.03部、群青(商品名:青口群青NO.2000、第一化成社製)0.09部、蛍光増白剤(商品名:UVITEX OB、チバガイギー社製)0.3部を混合し、ポリオレフィン樹脂組成物1とした。
高密度ポリエチレン樹脂(密度0.954g/cm3、メルトインデックス20g/10分)65部、低密度ポリエチレン樹脂(密度0.919g/cm3、メルトインデックス2g/10分)35部を溶融混合し、ポリオレフィン樹脂組成物2とした。
CSF(JIS P−8121)が250mLまで叩解した針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)と、CSFが250mLまで叩解した広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)とを、質量比2:8の割合で混合し、濃度0.5%のパルプスラリーを調製した。このパルプスラリー中に、パルプ絶乾質量に対し、カチオン化澱粉2.0%、アルキルケテンダイマー0.4%、アニオン化ポリアクリルアミド樹脂0.1%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂0.7%を添加し、十分に攪拌して分散させた。
上記組成のパルプスラリーを長網マシンで抄紙し、ドライヤー、マシンカレンダーを通し、坪量150g/m2、密度0.75g/cm3の原紙を製造し、支持体C(透気度:35秒)を得た。
シリカゾルA100部に5%ポリビニルアルコール(商品名:PVA−135H、クラレ社製、重合度:3500、ケン化度:99%以上)24部を混合し、メイヤーバーで塗工量が25g/m2(塗工層の厚さは38μm)となるように支持体B上に塗布乾燥してインク受容層を設けた。次に、平均粒子径25nmのコロイダルシリカ(商品名:スノーテックス50、日産化学社製)を10%に希釈し、図1に示すようにインク受容層上に塗工し、湿潤状態にあるうちに、表面温度100℃としたクロム鍍金仕上げした鏡面ドラムに線圧2000N/cmで圧接し光沢層を形成したのち、100℃、15分間乾燥してインクジェット記録用紙を得た。なお、光沢層の塗工量は0.5g/m2、厚みは1μmであった。
実施例1のシリカゾルA100部の代りに、シリカゾルB100部を用いた以外は、実施例1と同様にインクジェット記録用紙を得た。
実施例1のシリカゾルA100部の代りに、シリカゾルC100部を用いた以外は、実施例1と同様にインクジェット記録用紙を得た。
実施例1のシリカゾルA100部の代りに、シリカゾルD100部を用いた以外は、実施例1と同様にインクジェット記録用紙を得た。
実施例1のシリカゾルA100部の代りに、アルミナゾルA100部を用いた以外は、実施例1と同様にインクジェット記録用紙を得た。
シリカゾルE100部に5%ポリビニルアルコール(商品名:PVA−135H、クラレ社製、重合度:3500、ケン化度:99%以上)24部を混合し、メイヤーバーで塗工量が20g/m2となるように支持体B上に塗布乾燥して第2のインク受容層設けた。第2のインク受容層上に、シリカゾルA100部に5%ポリビニルアルコール(商品名:PVA−135H、クラレ社製、重合度:3500、ケン化度:99%以上)24部を混合し、メイヤーバーで塗工量が5g/m2となるように塗布乾燥して第1のインク受容層を設けた。全インク受容層の厚みは38μmであった。次に、コロイダルシリカ(商品名:スノーテックス50、日産化学社製)を10%に希釈し、第1のインク受容層上に塗工し、湿潤状態にあるうちに、表面温度100℃としたクロム鍍金仕上げした鏡面ドラムに線圧2000N/cmで圧接し光沢層を形成したのち、100℃、15分間乾燥してインクジェット記録用紙を得た。なお、光沢層の塗工量は0.5g/m2、厚みは1μmであった。
実施例6の第2のインク受容層の形成において、シリカゾルE100部の代りに、サイロジェット703A(グレースデビソン社製、比表面積:280m2/g、平均二次粒子径300nm)を用いた以外は、実施例6と同様にインクジェット記録用紙を得た。
実施例6のコロイダルシリカ(商品名:スノーテックス50、日産化学社製)の代りに平均粒子径15nmのコロイダルシリカ(商品名:スノーテックスAK、日産化学社製)を用いた以外は、実施例6と同様にインクジェット記録用紙を得た。
実施例6のコロイダルシリカ(商品名:スノーテックス50、日産化学社製)の代りにシリカゾルAを用いた以外は、実施例6と同様にインクジェット記録用紙を得た。
実施例6のコロイダルシリカ(商品名:スノーテックス50、日産化学社製)の代りに平均粒子径15nmのアルミナゾル(商品名:アルミナゾル520、日産化学社製)を用いた以外は、実施例6と同様にインクジェット記録用紙を得た。
実施例6のコロイダルシリカ(商品名:スノーテックス50、日産化学社製)の代りに平均粒子径25nmのコロイダルシリカ(商品名:スノーテックスCM、日産化学社製)を用いた以外は、実施例6と同様にインクジェット記録用紙を得た。
実施例6のコロイダルシリカ(商品名:スノーテックス50、日産化学社製)の代りに平均粒子径25nmのコロイダルシリカ(商品名:スノーテックスO40、日産化学社製)を用いた以外は、実施例6と同様にインクジェット記録用紙を得た。
実施例12の光沢層の形成において、線圧2000N/cmの代りに線圧3500N/cmで圧接し光沢層を形成した以外は、実施例12と同様にインクジェット記録用紙を得た。インク受容層の厚みは35μm、光沢層の厚みは0.8μmであった。
実施例12の光沢層の形成において、線圧2000N/cmの代りに線圧50N/cmで圧接し光沢層を形成した以外は、実施例12と同様にインクジェット記録用紙を得た。光沢層の厚みは1.5μmであった。
実施例12の光沢層の形成において、表面温度100℃としたクロム鍍金仕上げした鏡面ドラムの代りに表面温度40℃としたクロム鍍金仕上げした鏡面ドラムで圧接し光沢層を形成した以外は、実施例12と同様にインクジェット記録用紙を得た。
実施例12の支持体Bの代りに、市販のポリプロピレン合成紙(商品名:ユポGWG−140、ユポコーポレーション社製)を用いた以外は、実施例12と同様にインクジェット記録用紙を得た。
実施例12の支持体Bの代りに、支持体Cを用いた以外は、実施例12と同様にインクジェット記録用紙を得た。
実施例1において、光沢層を形成しない以外は、実施例1と同様にインクジェット記録用紙を得た。
支持体Bに、ゲル法シリカ(商品名:サイロジェットP612、グレースデビソン社製、平均一次粒子径:10nm、平均二次粒子径:7.5μm)100部にシリル変性ポリビニルアルコール(商品名:クラレポバールPVA R−1130、クラレ社製、重合度1700)35部を混合し、濃度15%とした第2のインク受容層用塗料を、乾燥塗工量が15g/m2となるように、ダイコーターで塗布した。
塗布した第2のインク受容層用塗料が乾燥する前に、シリカゾルA100部にポリビニルアルコール(商品名:クラレポバール PVA 135H、クラレ社製、重合度3500)30部を混合し、濃度8%とした第1のインク受容層用塗料を、乾燥塗工量が5g/m2となるように、ダイコーターで塗布、乾燥して、第1及び第2のインク受容層を形成した。このときのインク受容層の厚みは28μmであった。
次に、ガラス転移点85℃のスチレン−2−ヘキシルアクリレート共重合体樹脂と平均粒子径30nmのコロイダルシリカの50:50複合体を100部、粘度調整剤としてアルキルビニルエーテル・マレイン酸誘導体樹脂5部、離型剤としてレシチン3部を、水とともに混合・分散し、固形分濃度10%の光沢層塗料を、第1のインク受容層上に塗工し、光沢層塗料が湿潤状態にあるうちに、直ちに表面温度100℃としたクロム鍍金仕上げした鏡面ドラムに線圧50kgで圧接し、インクジェット記録用紙を得た。この時光沢層塗料の乾燥塗工量は、2g/m2であった。このときの光沢層の厚みは2.5μmであった。
実施例17の第2のインク受容層において、第2のインク受容層用塗料の代りに第1のインク受容層用塗料を用いた以外は、実施例17と同様にインクジェット記録用紙を得た。このときのインク受容層の厚みは30μmであった。
実施例17の支持体Bの代りに市販のポリプロピレン合成紙(商品名:ユポGWG−140、ユポコーポレーション社製、透気度:>10000秒)を用いた以外は、実施例17と同様にインクジェット記録用紙を得た。
実施例17の支持体Bの代りに支持体Cを用いた以外は、実施例17と同様にインクジェット記録用紙を得た。
シリカゾルD100部に5%ポリビニルアルコール(商品名:PVA−135H、クラレ社製、重合度:3500、ケン化度:99%以上)24部を混合し、メイヤーバーで塗工量が25g/m2となるように支持体B上に塗布乾燥してインク受容層を設けた。このときのインク受容層の厚みは37μmであった。次に、平均粒子径25nmのコロイダルシリカ(商品名:スノーテックスO40、日産化学社製)を10%に希釈し、インク受容層上に塗工し、湿潤状態にあるうちに、表面温度100℃としたクロム鍍金仕上げした鏡面ドラムに線圧2000N/cmで圧接し光沢層を形成したのち、100℃、15分間乾燥してインクジェット記録用紙を得た。このときの光沢層の厚みは1μmであった。
シリカゾルD100部に5%ポリビニルアルコール(商品名:PVA−135H、クラレ社製、重合度:3500、ケン化度:99%以上)24部を混合し、メイヤーバーで塗工量が25g/m2となるように支持体B上に塗布乾燥してインク受容層を設けた。このときのインク受容層の厚みは37μmであった。次に、平均粒子径25nmのコロイダルシリカ(商品名:スノーテックスO40、日産化学社製)に2%ポリビニルアルコール(商品名:クラレポバール PVA R−1130、クラレ社製、重合度:1170)1部を混合し、インク受容層上にメイヤーバーで塗布し、100℃、15分間乾燥してインクジェット記録用紙を得た。このときの光沢層の厚みは1.5μmであった。
実施例20のコロイダルシリカ(商品名:スノーテックスO40、日産化学社製)の代りに平均粒子径100nmのコロイダルシリカ(商品名:スノーテックスMP1040、日産化学社製)を用いた以外は、実施例20と同様にインクジェット記録用紙を得た。
実施例20のコロイダルシリカ(商品名:スノーテックスO40、日産化学社製)の代りに平均粒子径45nmのコロイダルシリカ(商品名:スノーテックス20L、日産化学社製)を用いた以外は、実施例20と同様にインクジェット記録用紙を得た。
実施例20のコロイダルシリカ(商品名:スノーテックス50、日産化学社製)の代りに平均粒子径5nmのコロイダルシリカ(商品名:スノーテックスXS、日産化学社製)を用いた以外は、実施例20と同様にインクジェット記録用紙を得た。
実施例20のインク受容層においてポリビニルアルコール(商品名:PVA−135H、クラレ社製、重合度:3500、ケン化度:99%以上)24部の代りにポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、クラレ社製、重合度:1700、ケン化度:99%以上)を用いた以外は、実施例20と同様にインクジェット記録用紙を得た。
実施例および比較例で得たインクジェット記録用紙の75°表面光沢度、写像性、コックリング、印字光沢感、インク吸収性および印字濃度を評価した結果を表1に示す。各評価については、下記の方法で測定した。
JIS P 8142に記載の方法で、インクジェット記録用紙の75°光沢度を測定した。
JIS H 8686−2に記載の方法で、写像性測定機(ICM−1DP、スガ試験機社製)で反射45°、2.0mmの光学くしにおける白紙部の写像性を塗工方向がスリットと直角になるように測定した。表中に示した数字は5回測定の平均値である。
コックリングは、インクジェットプリンタBJF870(キヤノン社製)を用いて行った。インクカートリッジは、キヤノン社性BCI−6C、BCI−6M、BCI−6Y、BCI−Bk、BCI−6PCおよびBCI−6PMフォトを使用した。評価は、シアンインクとマゼンタインクの2色混合のベタ印字部に発生したコックリングを目視にて評価した。
○:コックリングが全く認められず、良好な状態。
△:コックリングがあり、使用状況によっては問題となるレベル。
×:コックリングが著しく、実用にならないレベル。
前記、コックリングで得られたベタ印字部を目視にて評価した。
○:目視の印字光沢感があり、良好な状態。
△:目視の印字光沢感が若干低下している状態。
×:目視の印字光沢感が低く、光沢が感じられない状態。
前記、コックリングで得られたベタ印字部を目視にて評価した。
○:ベタ部にムラが見られず、良好な状態。
△:ベタ部にムラが若干見られ、使用状況によっては問題となるレベル。
印字濃度は、インクジェットプリンタBJF870(キヤノン社製)を用いて行った。インクカートリッジは、キヤノン社性BCI−6C、BCI−6M、BCI−6Y、BCI−Bk、BCI−6PCおよびBCI−6PMフォトを使用した。評価は、黒ベタ印字部をマクベス反射濃度計(マクベス社製、RD−914)を用いて測定した。表中に示した数字は5回測定の平均値である。
マイクロメトリックスポアザイザー9320(島津製作所社製)を用い、水銀圧入法により、全細孔比表面積および全細孔容積を測定し、空隙率および比表面積基準細孔モード直径を求めた。
つまり、実施例1〜25(本発明)で製造したインクジェット記録用紙は、いずれも、光沢度が高く、コックリングのない優れた外観を有し、また、印字光沢感やインク吸収性が良好で、記録濃度が高い優れた記録特性を有するものであった。
実施例1と比較例2とを比較すると、光沢層を設けなかった比較例2のインクジェット記録用紙は、インク吸収性は同等であるものの、その他の全ての項目で、実施例1のインクジェット記録用紙よりも劣っていた。
実施例17(支持体として支持体Bを使用)と、比較例3(支持体として支持体Aを使用)とを比較すると、低透気性の支持体Bを用いたインクジェット記録用紙(実施例)は、75°表面光沢度や写像性などのその他の全ての項目で、比較例よりも優れていた。
実施例1,3,4と実施例2とを比較すると、平均二次粒子径が1.3μm以下のシリカゾルを用いた実施例1,3,4のインクジェット記録用紙は、75°表面光沢度や印字光沢感、印字濃度が良好であった。
実施例20と実施例25とを比較すると、重合度3500のPVAを用いると、重合度1700のPVAを用いる場合よりもインク吸収性が向上し、印字濃度が高くなることがわかった。
Claims (5)
- 低透気性又は非透気性の支持体上に、少なくとも一層のインク受容層と、前記インク受容層上に設けられた光沢層とを有するインクジェット記録用紙の製造方法であって、
前記支持体上に少なくとも一層のインク受容層を形成するインク受容層形成工程と、
前記インク受容層上に、光沢層を形成するための塗布液を供給する塗布液供給工程と、
前記支持体を、前記塗布液が供給された面が光沢ロールに接するように、前記光沢ロールとプレスロールとの間をプレスしながら通過させて塗布液層を形成した後、該塗布液層が湿潤状態または半乾燥状態にあるうちに、前記光沢ロールから剥離するプレス工程と
を備えることを特徴とするインクジェット記録用紙の製造方法。 - 前記プレス工程後に、さらに、前記塗布液層を乾燥する乾燥工程を有する請求項1記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
- 前記光沢層が、平均一次粒子径5〜100nmの顔料を含有する請求項1記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
- 前記光沢層と接する前記インク受容層の細孔分布の比表面積基準モード直径が100nm以下のみである請求項1記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
- 前記支持体がフィルム又は樹脂被覆紙である請求項1記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007054534A JP4039461B2 (ja) | 2001-11-08 | 2007-03-05 | インクジェット記録用紙の製造方法 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001342671 | 2001-11-08 | ||
JP2007054534A JP4039461B2 (ja) | 2001-11-08 | 2007-03-05 | インクジェット記録用紙の製造方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003541948A Division JP3952018B2 (ja) | 2001-11-08 | 2002-11-08 | インクジェット記録用紙 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007190920A true JP2007190920A (ja) | 2007-08-02 |
JP4039461B2 JP4039461B2 (ja) | 2008-01-30 |
Family
ID=38446959
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007054534A Expired - Fee Related JP4039461B2 (ja) | 2001-11-08 | 2007-03-05 | インクジェット記録用紙の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4039461B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20140011116A1 (en) * | 2011-03-15 | 2014-01-09 | Toppan Printing Co., Ltd. | Manufacturing method and apparatus for membrane electrode assembly, and polymer electrolyte fuel cell |
JP2016199046A (ja) * | 2016-07-11 | 2016-12-01 | 三菱樹脂株式会社 | 積層ポリエステルフィルム |
-
2007
- 2007-03-05 JP JP2007054534A patent/JP4039461B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20140011116A1 (en) * | 2011-03-15 | 2014-01-09 | Toppan Printing Co., Ltd. | Manufacturing method and apparatus for membrane electrode assembly, and polymer electrolyte fuel cell |
JP2016199046A (ja) * | 2016-07-11 | 2016-12-01 | 三菱樹脂株式会社 | 積層ポリエステルフィルム |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4039461B2 (ja) | 2008-01-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3952018B2 (ja) | インクジェット記録用紙 | |
JP4404055B2 (ja) | インクジェット記録体 | |
JP2006231914A5 (ja) | ||
JP4518090B2 (ja) | インクジェット記録用紙の製造方法 | |
JP2006103210A (ja) | インクジェット記録体の製造方法 | |
JP4039461B2 (ja) | インクジェット記録用紙の製造方法 | |
JP4042584B2 (ja) | インクジェット記録用紙 | |
JP4047597B2 (ja) | インクジェット記録材料の製造方法 | |
JP2007276233A (ja) | インクジェット記録体 | |
JP3985739B2 (ja) | インクジェット記録体およびインクジェット記録体の製造方法 | |
JP2007076213A (ja) | インクジェット記録体の製造方法 | |
JP4581705B2 (ja) | インクジェット記録体の製造方法 | |
JP4613810B2 (ja) | 光沢インクジェット記録用紙の製造方法 | |
JP4068311B2 (ja) | インクジェット記録シート及びその製造方法 | |
JP2008238488A (ja) | インクジェット記録用紙及びその製造方法 | |
JP2003025711A (ja) | インクジェット用記録材料 | |
JPH11321067A (ja) | インクジェット記録媒体 | |
JPH11240243A (ja) | インクジェット記録媒体 | |
JP2022173079A (ja) | 記録媒体及びインクジェット記録方法 | |
JP2004195795A (ja) | インクジェット記録用紙およびインクジェット記録用紙の製造方法 | |
JP2007260995A (ja) | インクジェット記録用紙の製造方法 | |
JP2007050580A (ja) | インクジェット記録用シート | |
JP2007021867A (ja) | インクジェット記録体の製造方法 | |
WO2006080363A1 (ja) | インクジェット記録体およびインクジェット記録体の製造方法 | |
JP2006142760A (ja) | インクジェット記録用シートの製造方法およびインクジェット記録用シート |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20071016 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20071029 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101116 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101116 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111116 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111116 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121116 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131116 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |