JP4287565B2 - 後輪操舵装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の前輪の操舵に伴って、後輪を操舵する後輪操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の前輪の操舵に対応させて後輪を操舵する後輪操舵装置を備える4輪操舵システムが知られている。後輪操舵装置には、高速時安定性を向上させるために後輪を前輪と同じ方向に操舵する同位相操舵または/および小回り性を向上させるために後輪を前輪とは逆方向に操舵する逆位相操舵を行うものがある。
【0003】
一般に、後輪操舵装置は、操舵軸にリンク機構を介して一対の後輪を連結し、この操舵軸を一方の後輪側に移動させて後輪を操舵する。後輪操舵装置には、この操舵軸を左右軸方向に移動させるために、例えば、操舵軸にねじ部材を並行して配設し、このねじ部材上で一対のスライド部材を往復移動させる方式がある。この方式では、クラッチ機構を介して一対のスライド部材の一方を操舵軸に連結し、スライド部材の往復移動によって操舵軸を連結したスライド部材側に移動させる。そして、操舵軸を左右軸方向に移動させることによって、後輪の向きを左方向または右方向に転舵させる。なお、後輪操舵装置は、前輪の操舵情報に対応して後輪の目標舵角や転舵方向を設定するとともに、後輪が転舵方向に目標舵角分転舵するように制御する制御手段を備える。さらに、このような後輪操舵装置は、一般に、舵角センサの故障等のシステム異常時に自動的に後輪を直進方向に戻すフェイルセーフシステムが組み込まれている。したがって、後輪操舵装置のシステムに異常があると、4輪操舵システムを搭載した車両は、自動的に前輪操舵のみの2輪操舵となる。
【0004】
例えば、本出願人による特願平10−182090号には電動式舵角制御装置の発明に係る電動式後輪転舵装置が記載されている。この電動式後輪転舵装置は、前記したスライド部材を往復移動させるために、前記したねじ部材(回転軸)に軸方向中央から互いに逆ねじとなる一対のねじ部が形成され、このねじ部に前記した一対のスライド部材(スライドブロック)が各々螺合する。そして、電動式後輪転舵装置は、このねじ部材を電動モータで正転駆動または逆転駆動し、逆ねじ作用によって一対のスライド部材を接近させたりまたは離間させたりする。さらに、この電動式後輪転舵装置は、この電動モータに電流を供給するために、通常時用モータ駆動回路と異常時用モータ駆動回路を備える。そして、電動式後輪転舵装置は、通常、電子制御ユニットからの信号に基づいて、通常時用モータ駆動回路から電動モータに電流を供給する。また、電動式後輪転舵装置は、フェイルセーフシステムとして、異常時検出回路によって通常時用モータ駆動回路異常等のシステム異常を検出すると、異常時用モータ駆動回路から電動モータに電流を供給し、スライド部材を接近させて中立位置に戻す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この電動式後輪転舵装置は、電子制御ユニットや異常時検出回路等からなる制御手段自体が故障した場合、後輪を中立位置に戻すことがきない。つまり、電動式後輪転舵装置は、異常時検出回路が故障している場合、システム異常が発生しても通常時用モータ駆動回路から異常時用モータ駆動回路に切り換えることができない。そのため、この電動式後輪転舵装置は、システム異常が発生していても電子制御ユニットからの信号に基づいて通常時用モータ駆動回路から電動モータに電流を供給し、後輪を転舵させる。
【0006】
そこで、本発明の課題は、制御手段が故障した場合でも後輪を直進方向に戻すことができる後輪操舵装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決した本発明に係る後輪操舵装置は、電動機と、互いに逆ねじとなる一対のねじ部を有するねじ部材と、前記一対のねじ部に各々螺合し、逆ねじ作用により接離する一対のスライド部材と、一対の後輪を転舵させる操舵軸とを備え、前記電動機によって前記ねじ部材を回転させ、一方の前記スライド部材と連結した前記操舵軸を一方の後輪側に移動させて後輪を操舵する後輪操舵装置であって、前記電動機を制御する制御手段と、前記制御手段からの信号に基づいて、4個のスイッチング素子で構成したブリッジ回路によって前記電動機を正転駆動または逆転駆動する電動機駆動手段とを備える後輪操舵装置において、前記制御手段とは別に構成され、前記制御手段の故障時に、前記一対のスライド部材を接近させる方向に前記電動機を駆動するスイッチング素子に所定時間通電する故障時対応回路を備えることを特徴とする。
この後輪操舵装置によれば、制御手段が故障した場合に、故障時対応回路によってスイッチング素子に所定時間通電し、電動機を所定時間回転駆動する。そして、後輪操舵装置は、この電動機の回転によってスライド部材を接近させる方向にねじ部材が回転する。その結果、後輪操舵装置は、この所定時間の間にスライド部材が中立位置に戻ると共に操舵軸も中立位置に戻り、後輪を直進方向に戻す。
【0008】
なお、所定時間は、操舵軸が最大量移動している場合でも、一対のスライド部材を接近させる方向に電動機を駆動することによって、操舵軸を中立位置に戻すことができる十分な時間とする。ちなみに、本実施の形態では、所定時間を10秒に設定する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係る後輪操舵装置の実施の形態を説明する。
【0010】
本発明に係る後輪操舵装置は、この装置の制御手段が故障した場合に、スライド部材および操舵軸を中立位置に戻し、後輪を直進方向に戻すことができる。この後輪操舵装置は、前輪操舵に伴って後輪を転舵させる4輪操舵システムを搭載する車両に組み込まれ、高速安定性または/および小回り性を向上させる。なお、車両としては、土木工事用の大型車両から普通乗用車まで様々な車両を対象とする。
【0011】
本実施の形態に係る後輪操舵装置は、制御手段としてメインCPU[Central Processing Unit]とサブCPUの2個のCPUを備える。さらに、この後輪操舵装置は、2個のCPUの少なくとも1個が故障した場合に後輪を直進方向に戻すために、故障時対応回路を備える。本実施の形態では、後輪操舵装置を一般的な4輪自動車に搭載し、前輪操舵装置と共に4輪操舵システムを構成する。
なお、本実施の形態では、「前」は自動車の進行方向であり、「後」は自動車の後退方向である。また、「左右方向」は自動車の幅方向であり、「左」は自動車の進行方向の左側であり、「右」は自動車の進行方向の右側である。
【0012】
まず、図1を参照して、本実施の形態に係る後輪操舵装置1の全体構成について説明する。後輪操舵装置1は、主として、後輪操舵機構2、電子制御装置3、電動モータ4から構成される。
なお、本実施の形態では、電動モータ4が、特許請求の範囲に記載の電動機に相当する。
【0013】
後輪操舵機構2は、一対の後輪WL,WRを転舵させる後輪操舵装置1のメカニカルな部分であり、電子制御装置3により制御され、電動モータ4によって回転駆動力が加えられる。後輪操舵機構2は、精密センサによる制御によらないで、中立位置(すなわち、後輪WL,WRの直進方向)を機構的に位置決めできる機構として構成される。そのために、後輪操舵機構2は、電動モータ4の回転駆動力を直線駆動力に変換する直線駆動機構10、転舵方向を選択するクラッチ機構20および後輪WL,WRを転舵させるために左右に従動する操舵シャフト30からなる。
【0014】
後輪操舵機構2は、クラッチ機構20を点対称な作動原理を採る2個の機能ブロックに分け、さらに三重の同軸シリンダ構造のねじ式延縮機構である。つまり、後輪操舵機構2の直線駆動機構10は、電動モータ4に回転駆動される1個の外部回転筒11内で、一対の中間部スライド筒12,13を左右方向(操舵シャフト30の軸方向)に延縮させる。ちなみに、後輪WL,WRを転舵させる場合には中間部スライド筒12,13を外部回転筒11の左右外方に延び出して離間させ、後輪WL,WRを直進方向に戻す場合には中間部スライド筒12,13を外部回転筒11の内方に引き込み中立位置で停止させる。さらに、後輪操舵機構2は、中間部スライド筒12,13内にクラッチ機構20の左右の機能ブロック20L,20R(図2参照)を各々配設し、クラッチ機構20によって中間部スライド筒12,13のいずれか一方を操舵シャフト30に連結させる。そして、後輪操舵機構2は、操舵シャフト30を右方向に移動させて後輪WL,WRを左方向に転舵させ、あるいは操舵シャフト30を左方向に移動させて後輪WL,WRを右方向に転舵させる。なお、後輪操舵機構2は、図示しないタイロッドおよびナックルアームを含む左右のリンク機構31,32を介して操舵シャフト30の両端部が後輪WL,WRに各々連結する。
なお、本実施の形態では、外部回転筒11が特許請求の範囲に記載のねじ部材に相当し、中間部スライド筒12,13が特許請求の範囲に記載のスライド部材に相当し、操舵シャフト30が特許請求の範囲に記載の操舵軸に相当する。また、本実施の形態では、「外」は自動車Aの幅方向の外側であり、「内」は自動車Aの幅方向の中央側である。
【0015】
電子制御装置3は、前輪操舵装置FSからの前輪操舵情報SFや車速センサSPSからの車速信号Vに基づいて、後輪WL,WRの目標舵角と転舵方向を設定する。さらに、電子制御装置3は、設定した目標舵角と転舵方向に応じて、後輪操舵機構2の左右の電磁アクチュエータ21,22を作動するためのソレノイド電流ISおよび電動モータ4を回転駆動するための電動機電圧VMを出力し、電磁アクチュエータ21,22および電動モータ4を制御する。
【0016】
電動モータ4は、減速機構4aを介して、外部回転筒11を正回転または逆回転させる。ちなみに、外部回転筒11が正回転されると一対の中間部スライド筒12,13が離間し、外部回転筒11が逆回転されると一対の中間部スライド筒12,13が接近する。電動モータ4は、直流モータであり、電動機電圧VMが印加されると電動機電流IMが流れ、正転駆動または逆転駆動する。なお、電動モータは、励磁方法の種類によって異なる駆動回路を用いれば、その他の異なる電動モータを用いてもよい。
【0017】
次に、図2乃至図6を参照して、後輪操舵機構2について詳細に説明する。
後輪操舵機構2は、直線駆動機構10により電動モータ4の回転駆動力を直線駆動力に変換する。そして、後輪操舵機構2は、クラッチ機構20の左機能ブロック20Lまたは右機能ブロック20Rのいずれか一方で直線駆動機構10と駆動シャフト30を連結し、直線駆動機構10の直線駆動力で操舵シャフト30を従動する。なお、後輪操舵機構2は、左機能ブロック20Lで連結した場合には操舵シャフト30が左方向に移動し、後輪WL,WRを右方向に転舵させる。他方、後輪操舵機構2は、右機能ブロック20Rで連結した場合には操舵シャフト30が右方向に移動し、後輪WL,WRを左方向に転舵させる。また、後輪操舵機構2は、機構上の中立位置に戻すことによって、後輪WL,WRを直進方向に戻す。
【0018】
まず、図2を参照して、直線駆動機構10について説明する。直線駆動機構10は、主として、外部回転筒11と左右の中間部スライド筒12,13からなる。
【0019】
外部回転筒11は、外周面に、減速機構4aの最終歯車4b(図4参照)に噛合する外歯歯車11aが形成される。そして、外部回転筒11は、電動モータ4の駆動歯車からの回転駆動力が減速機構4aを介して外歯歯車11aに伝達され、回転する。なお、外部回転筒11は、ケーシング(図示せず)内に回転自在に支持される。
【0020】
さらに、外部回転筒11は、内周面に、中央部から左右に振り分けて互いに逆ねじとなる左ねじ部11bと右ねじ部11cが螺刻される。そして、外部回転筒11は、左右両側から一対の中間部スライド筒12,13が螺入される。なお、外部回転筒11と中間部スライド筒12,13は、同軸となる。
【0021】
中間部スライド筒12,13は、各外周面の内端部から中央部に、左ねじ部11bまたは右ねじ部11cに各々螺合するねじ部12a,13aが螺刻される。さらに、中間部スライド筒12,13は、各外周面の外端部に摺動案内用の突起12b,13bが各々形成されるとともに、各内周面の内端側に移動突起12c,13cが操舵シャフト30に向けて各々形成される。この突起12b,13bをケーシングに設けられた軸方向の溝(図示せず)に係合させることによって、中間部スライド筒12,13がケーシングに対して回転不能に支持される。
【0022】
そのため、外部回転筒11がケーシングに対して回転すると、中間部スライド筒12,13は、外部回転筒11に螺合するため、ケーシングに対して左右軸方向に移動する。したがって、電動モータ4が正転駆動すると、逆ねじ作用によって、中間部スライド筒12,13が外部回転筒11から左右外方に延び出して離間する。なお、左右外方に延び出した場合、突起12b,13bがケーシングの左右端部の各ストッパ(図示せず)に各々当接し、中間部スライド筒12,13は最外延出位置で停止する。ちなみに、中間部スライド筒12,13が最外延出位置を越えて延び出さないように、ケーシング内での各部の取付位置および取付方向が予め調節されている。他方、電動モータ4が逆転駆動すると、逆ねじ作用によって、中間部スライド筒12,13が外部回転筒11の内方に引き込まれ、機構上の中立位置に戻る。
【0023】
なお、中間部スライド筒12,13の一方に、駆動ストロークセンサ14が設けられる(図1および図4)。なお、本実施の形態では、左中間部スライド筒12の突起12bの延出方向に、駆動ストロークセンサ14が設けられる。駆動ストロークセンサ14は、両中間部スライド筒12,13の軸方向の移動距離L2を検出する。
【0024】
次に、図2および図3を参照して、クラッチ機構20について説明する。クラッチ機構20は、左右機能ブロック20L,20Rを有し、中間部スライド筒12,13に各々配設される。なお、左機能ブロック20Lと右機能ブロック20Rは点対称で同一構成を有するので、図3に示す左機能ブロック20Lの構成を代表して説明する。
【0025】
左機能ブロック20Lは、左電磁アクチュエータ21、左内部クラッチ筒23、左バネ機構25、案内用貫通溝26aおよび案内用溝26bからなる。
【0026】
左電磁アクチュエータ21は、ソレノイドを内蔵し、左内部クラッチ筒23の外周部に配置される。左電磁アクチュエータ21は、ソレノイドに通電されると可動ピン21aを突き出すアクチュエータである。なお、電磁アクチュエータは、機構部での取付位置や取付方向によって、回動作動に伴い可動ピンを揺動させるものであってもよい。
【0027】
左内部クラッチ筒23は、左中間部スライド筒12に内接し、左中間部スライド筒12と同軸に摺動回転する。左内部クラッチ筒23は、外周面の外端側に、アーム状のクラッチレバー23aが突設される。クラッチレバー23aは、左中間部スライド筒12に形成された案内用貫通溝26aに突き出し、案内用貫通溝26aに沿って移動可能である。なお、案内用貫通溝26aは、左中間部スライド筒12の外端部からL字状に内周面から外周面に貫通して削設される。また、ケーシングにも同様に、案内用溝26bが形成される。そして、左内部クラッチ筒23は、クラッチレバー23aが左バネ機構25に付勢され、軸端部から見て反時計回り方向に回転付勢される。なお、左バネ機構25は、例えば、ねじりバネ等のバネである。
【0028】
そのため、左機能ブロック20Lは、中間部スライド筒12,13が中立位置の時に左電磁アクチュエータ21に通電されると、可動ピン21aの先端部が押し出され、左バネ機構25による回転付勢に抗してクラッチレバー23aが案内用貫通溝26aおよび案内用溝26bに沿って押し下げられる。すると、左機能ブロック20Lは、クラッチレバー23aが案内用貫通溝26aおよび案内用溝26bに導かれて、左内部クラッチ筒23が左中間部スライド筒12内で一定角度回転(軸端部から見て時計回り方向に回転)する。つまり、左内部クラッチ筒23は、クラッチレバー23aが案内用貫通溝26aおよび案内用溝26bによって案内可能な中間部スライド筒12,13が中立位置の時だけ回転可能である。
【0029】
さらに、左内部クラッチ筒23は、内周面の外端部に、複数の内歯歯車状のクラッチ歯23c,・・・23cが突設される。なお、クラッチ歯23c,・・・23cは、所定ピッチで形成される。そして、操舵シャフト30の外周面に、クラッチ歯23cと同数の外歯歯車状の係合歯30a,・・・30aが突設される。係合歯30a,・・・30aは、各クラッチ歯23c,・・・23cに対向する位置に同様のピッチで形成される。そのため、クラッチ歯23cと係合歯30aは、各係合歯30aと各クラッチ歯23cをスプライン結合させると、各係合歯30aを各クラッチ歯23c,23c間に形成される谷溝23e内に滑り込ませることができる配置である。したがって、左電磁アクチュエータ21に通電し、クラッチレバー23aを押し下げて左内部クラッチ筒23を回転させ、各クラッチ歯23cを各係合歯30a,30a間に形成される谷溝30b内に滑り込ませることができる。
【0030】
なお、左右電磁アクチュエータ21,22(図1参照)が通電されず非励磁の場合、左右機能ブロック20L,20Rと操舵シャフト30がそれぞれ係合(クラッチオン)状態にある。他方、左右電磁アクチュエータ21,22(図1参照)が通電されて励磁された場合、左右機能ブロック20L,20Rと操舵シャフト30が非係合(クラッチオフ)状態にある。なお、中間部スライド筒12,13が中立位置以外の位置では、案内用溝26b、27bにより内部クラッチ筒23,24が元に戻らない(すなわち、回転不能)構造であるため、左右機能ブロック20L,20Rが作動しない。
【0031】
また、各内部クラッチ筒23,24は、内端部に、係止鈎23d、24dが設けられる。係止鈎23d、24dは、両内部クラッチ筒23,24が同時に回転した時に互いに係止し合って左右移動を抑止するために、内部クラッチ筒23,24の各内端から延び出して形成される。
【0032】
次に、図2および図3を参照して、操舵シャフト30について説明する。操舵シャフト30は、内部クラッチ筒23,24内に挿入される。なお、操舵シャフト30は、外部回転筒11、中間部スライド筒12,13および内部クラッチ筒23,24と同軸である。さらに、操舵シャフト30は、図示しないタイロッドおよびナックルアームを含む左右のリンク機構31,32(図1参照)を介して両端部が左右の後輪WL,WRに各々連結する。そのため、後輪WL,WRは、キングピン(図示せず)を介して転舵可能となる。
【0033】
また、操舵シャフト30は、外周面の一方の軸端部に、ガイドピン30c,30cが突設される。操舵シャフト30は、ガイドピン30c,30cがケーシングに凹状に削設されたガイド(図示せず)に沿って摺動し、左右軸方向に移動可能に軸支されるとともに、ケーシングに対して回り止めされる。
【0034】
さらに、操舵シャフト30は、外周面の中央部に、左右中間部スライド筒12,13に向けて左右センタリング突起30e,30fが突設される。なお、前記した左右中間部スライド筒12,13の移動突起12c、13cは、左右センタリング突起30e,30fの軸方向外端面30g,30hと当接する位置に形成される。
【0035】
なお、操舵シャフト30のガイドピン30c、30cの延出方向に、操舵シャフト30の左右軸方向への従動による移動距離を検出する操舵ストロークセンサ33(図1、図4参照)が設けられる。操舵ストロークセンサ33は、操舵シャフト30の左右移動方向と移動距離L1を検出する。
【0036】
それでは、図4および図5を参照して、後輪操舵機構2の動作について説明する。ここでは、動作の一例として、操舵シャフト30を右方向に移動させて後輪WL,WRを左方向に転舵し、転舵後、操舵シャフト30を中立位置に戻して後輪WL,WRを直進方向に戻す場合について説明する。
【0037】
まず、左右中間部スライド筒12,13が中立位置の時に、左電磁アクチュエータ21(図1参照)が、通電されて励磁し、可動ピンによって左内部クラッチ筒23のクラッチレバー23aを押し下げる(図2参照)。すると、左内部クラッチ筒23が回転し、左内部クラッチ筒23の各クラッチ歯23c(図2参照)が操舵シャフト30の各谷溝30bと対向する位置に回転する。そして、左機能ブロック20Lと操舵シャフト30が非係合(クラッチオフ)状態になる。このとき、右電磁アクチュエータ22は非励磁なので、右機能ブロック20Rは、各係合歯30aを介して操舵シャフト30と係合する。その結果、操舵シャフト30が、右機能ブロック20Rを介して右中間部スライド筒13と連結し、右中間部スライド筒13に従動して右方向に移動可能となる。
【0038】
続いて、図4に示すように電動モータ4を正回転させると、外部回転筒11が回転する。すると、外部回転筒11のねじ部11b,11cと左右中間部スライド筒12,13のねじ部12a、13aによる逆ねじ作用により、左右中間部スライド筒12,13が外部回転筒11の外方に延び出し離間する。このとき、左内部クラッチ筒23の各クラッチ歯23cと操舵シャフト30の各係合歯30aは係合しないが、右内部クラッチ筒24の各クラッチ歯24cと操舵シャフト30の各係合歯30aは係合している(図2参照)。そのため、操舵シャフト30が、右内部クラッチ筒24を介して右中間部スライド筒13に押しやられるため、右中間部スライド筒13の延出に伴って右方向に従動する。さらに、操舵シャフト30の右方向への移動(すなわち、右後輪WR側への移動)に連動して、両後輪WL,WRが自動車Aの直進方向に対して左方向に転舵する。
【0039】
転舵後、図5に示すように電動モータ4を逆回転させると、外部回転筒11が逆回転する。すると、外部回転筒11のねじ部11b,11cと左右中間部スライド筒12,13のねじ部12a、13aによる逆ねじ作用により、左右中間部スライド筒12,13が外部回転筒11の内方に引き込まれ接近する。このとき、右中間部スライド筒13の移動突起13cが、左方向に移動し、操舵シャフト30のセンタリング突起30fに当接する。そして、移動突起13cの移動に伴ってセンタリング突起30fが左方向に移動するため、右中間部スライド筒13の引込に伴って操舵シャフト30が左方向に従動する。さらに、操舵シャフト30の左方向への移動(すなわち、左後輪WL側への移動)に連動して、両後輪WL,WRの転舵方向が左方向から直進方向に変わる。そして、操舵シャフト30および左右中間部スライド筒12,13が中立位置となり、両後輪WL,WRの転舵方向が直進方向に戻される。
【0040】
なお、後輪操舵を行う場合、電子制御装置3は、駆動ストロークセンサ14によって左右中間部スライド筒12,13および操舵ストロークセンサ33によって操舵シャフト30を監視しながら、前輪の操舵状況を前提条件として左右電磁アクチュエータ21,22および電動モータ4を制御する。そして、後輪操舵装置1は、前輪操舵に協働させて後輪WL,WRを左方向または右方向に転舵したり、直進方向に戻して、自動車Aの姿勢制御をアシストする後輪操舵を実現している。
【0041】
次に、図6を参照して、左右内部クラッチ筒23,24の係止鈎23d,24dによる作用について説明する。
【0042】
なお、ケーシングの各案内用溝26b,27bの中央縦部26c、27cの長さは、左右中間部スライド筒12,13の各案内用貫通溝26a、27aの中央縦部26d,27dより短く形成してある。これは、左右内部クラッチ筒23,24の各クラッチレバー23a,24aが案内用貫通溝26a、27aから外れ落ちないようにするためである。
【0043】
左右電磁アクチュエータ21,22のいずれか一方が作動すると、作動した側の内部クラッチ筒23または24が回転する。このとき、左右内部クラッチ筒23,24の係止鈎23d,24dは、相対的に接近するが、互いに係止し合う位置までは接近しない。
【0044】
しかし、両電磁アクチュエータ21,22が作動して両内部クラッチ筒23,24が同時に回転すると、係止鈎23d,24dは、互いに係止し合う位置まで移動することができる。そして、係止鈎23d,24d同士が係止し合うと両電磁アクチュエータ21,22の同時作動による誤った後輪操舵とみなし、両内部クラッチ筒23,24が係止鈎23d,24dの係止によって外方に延び出さない構造となっている。したがって、両電磁アクチュエータ21,22が同時に作動した場合には、後輪WL,WRは操舵されずに直進方向が維持される。
【0045】
それでは、図7を参照して、電子制御装置3について説明する。電子制御装置3は、メインCPU40、サブCPU50、ソレノイド通電手段60、故障時対応回路70、電動機駆動手段80および電動機電流検出手段90から構成される。電子制御装置3は、メインCPU40が前輪操舵装置FSからの前輪操舵情報SFおよび車速センサSPSからの車速信号V等に基づいて目標舵角θrと操舵方向Drを設定する。そして、電子制御装置3は、メインCPU40が目標舵角θrと操舵方向Drに基づいて、メインFET[Field Effect Transistor]制御による電動モータ4への制御と左右電磁アクチュエータ21,22への制御を行う。さらに、電動機駆動手段80のメインFETが故障した場合、電子制御装置3は、サブCPU50がサブFET制御による電動モータ4への制御を行う。また、メインCPU40およびサブCPU50の少なくとも一方が故障した場合、電子制御装置3は、故障時対応回路70が逆回転用メインFET制御による電動モータ4への制御を行う。なお、メインCPU40とサブCPU50は、互いにCPUを監視し、双方向通信する。
なお、本実施の形態では、メインCPU40とサブCPU50が特許請求の範囲に記載の制御手段に相当し、故障時対応回路70が特許請求の範囲に記載の故障時対応回路に相当する。
【0046】
まず、図7を参照して、メインCPU40について説明する。メインCPU40は、目標舵角設定部41、転舵方向設定部42、減算部43、PID演算部44、駆動制御部45、第1実舵角計測部46および第2実舵角計測部47からなる。メインCPU40は、電動モータ4を制御するために電動機駆動手段80のメインFET回路80a(図9参照)に対してメインFET制御を行うとともに、左右電磁アクチュエータ21,22の制御を行う。なお、メインFET制御は、故障時対応回路70の論理判定を介して行なわれる。そのために、メインCPU40は、故障時対応回路70に電動機制御信号SMCを出力するとともに、転舵方向Drの情報を内蔵レジスタに設定する。さらに、メインCPU40は、サブCPU50を監視し、サブCPU50にサブCPU監視情報SSMを送信する。また、メインCPU40は、ウォッチドッグタイマによる自己監視機能を備え、サブCPU50から送信されるメインCPU監視情報SMM等を加味して自己の故障を判断し、故障時対応回路70にメイン信号SMを送信する。
【0047】
目標舵角設定部41は、前輪操舵装置FSからの前輪操舵情報SFと車速センサSPSからの車速信号Vおよび第1実舵角計測部46からの第1実舵角θR1が入力され、後輪WL,WRの目標舵角θrと操舵方向Drおよび制御モードを設定する。目標舵角設定部41は、前輪操舵情報SFに含まれる前輪舵角および車速信号Vに基づいて、後輪WL,WRの目標舵角θrを設定する。さらに、目標舵角設定部41は、目標舵角θr、前輪の操舵方向および第1実舵角θR1に基づいて、操舵方向Drおよび制御モードを設定する。ちなみに、第1実舵角θR1は、正負の値であり、この符号によって後輪WL,WRの実際の操舵方向の情報も含む。なお、車速センサSPSは、後輪操舵装置1の専用センサであってもよいし、他のシステムの車速センサを利用してもよい。車速センサSPSの車速信号Vは単位時間当たりのパルス数であり、メインCPU40は、このパルス数から車速を演算する。また、車速の情報は、車速センサSPSから得る情報ではなく、前輪操舵情報SFに含めて前輪操舵装置FSから入力される情報としてもよい。
【0048】
転舵方向設定部42は、目標舵角設定部41で設定した転舵方向Drを内蔵レジスタに設定する。
【0049】
減算器43は、目標舵角設定部41で設定した目標舵角θrから第1実舵角計測部46で演算された第1実舵角θR1を減算し、実際に後輪WL,WRを転舵させる角度である舵角偏差Δθrを演算する。
【0050】
PID演算部44は、減算器43で演算された舵角偏差Δθrからその比例項、積分項および微分項を演算する。なお、これら比例項等のパラメ−タは、舵角偏差Δθrに基づく値である。また、各種の演算係数は、後輪操舵機構2の構造特性に基づいて決まる値であり、予め作動試験等で求めた統計上の平均値等を用いてもよい。
【0051】
駆動制御部45は、PID演算部44で演算した舵角偏差Δθrの比例項、積分項および微分項に基づいて、舵角偏差Δθrの大きさに応じた電動モータ4に流す目標電動機電流を設定する。そして、駆動制御部45は、この目標電動機電流、舵角偏差Δθr、電動機電流検出手段90からの電動機電流信号IMOおよび目標舵角設定部41からの転舵方向Drに基づいて、PWM[Pulse Width Modulation]信号VPWM、オン信号VON、オフ信号VOFおよびリレーオン信号RON、リレーオフ信号ROFを生成する。なお、このPWM信号VPWM、オン信号VON、オフ信号VOFおよびリレーオン信号RON、リレーオフ信号ROFで電動機制御信号SMCを構成する。この電動機制御信号SMCの各信号は、故障時対応回路70で論理判定されてメイン電動機駆動信号SMDとして、電動機駆動手段80に出力される。なお、電動機制御信号SMCは、電動機駆動手段80のメインFET回路80aを制御する信号である。具体的には、メインリレー81と正転用リレー86,87にはリレーオン信号RONまたはリレーオフ信号ROFが設定され、メインFET82,84にはPWM信号VPWMまたはオフ信号VOFが設定され、メインFET83,85にはオン信号VONまたはオフ信号VOFが設定される(図9参照)。
【0052】
後輪操舵装置1のシステム正常時、駆動制御部45は、リレーオン信号RONを出力する。つまり、駆動制御部45は、電動機駆動手段80のメインリレー81のコイルにリレーオン信号RONを出力し、メインリレー81をオンする(図9参照)。さらに、駆動制御部45は、電動機駆動手段80の正転用リレー86,87の各コイルにリレーオン信号RONを各々出力し、正転用リレー86,87をオンする(図9参照)。なお、リレーオン信号RONを出力するとは各リレーにコイル電流を供給することであり、リレーオフ信号ROFを出力するとは各リレーにコイル電流を供給しないことである。
【0053】
さらに、駆動制御部45は、PWM信号VPWMを電動機駆動手段80のメインFET82のゲートG1またはメインFET84のゲートG3に出力し、メインFET82またはメインFET84をPWM駆動する(図9参照)。なお、PWM信号VPWMをゲートG1かゲートG3のどちらのゲートに出力するかは、転舵方向Drおよび舵角偏差Δθrによって決まる。つまり、駆動制御部45は、転舵方向Drと舵角偏差Δθrに基づいて、後輪WL,WRの舵角を大きくするか小さくするのかを判断する。そして、駆動制御部45は、舵角を大きくする場合には電動モータ4を正転駆動(すなわち、中間部スライド筒12,13を離間)するためにゲートG1にPWM信号VPWMを出力し、舵角を小さくする場合には電動モータ4を逆転駆動(すなわち、中間部スライド筒12,13を接近)するためにゲートG3にPWM信号VPWMを出力する。さらに、駆動制御部45は、ゲートG1にPWM信号VPWMを出力する場合には、メインFET83のゲートG2にオン信号VONを出力し、メインFET83をオン駆動する。他方、駆動制御部45は、ゲートG3にPWM信号VPWMを出力する場合には、メインFET85のゲートG4にオン信号VONを出力し、メインFET85をオン駆動する。また、駆動制御部45は、ゲートG1またはゲートG3のうちPWM信号VPWMを出力しないゲートにはオフ信号VOFを出力し、メインFET82またはメインFET84をオフする。そして、駆動制御部45は、メインFET82をオフする場合にはメインFET83のゲートG2にオフ信号VOFを出力してメインFET83をオフし、メインFET84をオフする場合にはメインFET85のゲートG4にオフ信号VOFを出力してメインFET85をオフする。その結果、電動モータ4の正転駆動または逆転駆動によって後輪操舵機構2の操舵シャフト30が左右軸方向に移動または中立位置に戻り、後輪WL,WRが左方向、右方向転舵または直進方向となる。
【0054】
後輪操舵装置1のシステム正常時から電動機駆動手段80のメインFET82,83,84,85の少なくとも1個が故障した時、駆動制御部45は、瞬時にリレーオフ信号ROFを出力する。つまり、駆動制御部45は、電動機駆動手段80のメインリレー81のコイルにリレーオフ信号ROFを出力してメインリレー81をオフし、メインFET回路8aによる電動モータ4の回転駆動を停止する(図9参照)。なお、このとき、二重安全対策として、正転用リレー86,87の各コイルにリレーオフ信号ROFを各々出力し、正転用リレー86,87をオフするようにしてもよい。
【0055】
また、後輪操舵装置1のシステム正常時から駆動ストロークセンサ14または操舵ストロークセンサ33のいずれか一方が故障した時、まず、駆動制御部45は、オン信号VONを出力するとともに、リレーオン信号RONとリレーオフ信号ROFを出力する。つまり、駆動制御部45は、メインFET84,85のゲートG3,G4にオン信号VONを各々出力し、メインFET84およびメインFET85をオン駆動(つまり、100%のデューティ比でPWM駆動)する(図9参照)。なお、このとき、メインFET82,83のゲートG1,G2にはオフ信号VOFを供給している。さらに、駆動制御部45は、電動機駆動手段80のメインリレー81のコイルに引き続きリレーオン信号RONを出力し、メインリレー81をオンする(図9参照)。また、駆動制御部45は、二重安全対策として、電動機駆動手段80の正転用リレー86,87の各コイルにリレーオフ信号ROFを各々出力し、正転用リレー86,87をオフする。なお、正転用リレー86,87をオンしておくことも可能である。このとき、電動モータ4は逆転駆動されるため、後輪操舵機能2は機構上の中立位置に戻り、後輪WL、WRが直進方向に戻る。続いて、駆動制御部45は、中立位置判定後、電動機駆動手段80のメインリレー81のコイルにリレーオフ信号ROFを出力し、メインリレー81をオフする(図9参照)。この場合の中立位置の判定は、第1実舵角計測部46からの第1実舵角θR1または第2実舵角計測部47からの第2実舵角θR2および電動機電流検出手段90からの電動機電流信号IMOによって判定する。例えば、駆動制御部45は、第1実舵角θR1が中立位置を示す角度の±1°以内または第2実舵角θR2が中立位置を示す角度の±1°以内かつ電動機電流信号IMOが30A以上になると、中立位置と判定する。つまり、駆動ストロークセンサ14または操舵ストロークセンサ33のいずれか一方が故障しているが、他方のストロークセンサは正確な移動距離を検出しているため、第1実舵角θR1または第2実舵角θR2のいずれか一方は正しい値である。したがって、第1実舵角θR1または第2実舵角θR2のうちの一方は必ず中立位置を示す値となる。さらに中立位置判定の精度を上げるために、電動モータ4が100%のデューティ比で逆転駆動されかつ電動モータ4が中立位置で停止したことを条件に加えるために、電動機電流信号IMOが30A以上であることを判定条件とする。つまり、電動モータ4に電動機電圧VMが印加され、電動モータ4が回転駆動していると、逆起電力が発生する。そのため、電動機電流IMは、逆起電力分低減し、電動モータ4が100%のデューティ比で駆動されても30A未満となる。しかし、後輪操舵機構2が機構上の中立位置に戻ると、機構上、電動モータ4の回転が停止し、逆起電力も発生しない。したがって、後輪操舵機構2が機構上の中立位置に戻ると、電動機電圧VMにほぼ比例した電動機電流IMが流れるため、電動機電流信号IMOが30A以上となる。
【0056】
さらに、メインCPU40は、メインCPU40が正常か故障かを示すメイン信号SMを生成する。メインCPU40は、メインCPU監視情報SMM等を利用して、ウォッチドッグタイマによる自己監視機能によってメイン信号SMを生成する。なお、メイン信号SMは、メインCPU40が正常の場合にはH信号、メインCPU40が故障の場合にはL信号である。また、メインCPU40は、サブCPU50の動作を監視し、サブCPU50にサブCPU監視情報SSMを送信する。メインCPU40は、サブCPU50で演算された車速や実舵角等を自己で演算した車速や実舵角等と比較し、サブCPU50を監視する。
【0057】
第1実舵角計測部46は、操舵ストロークセンサ33からの移動距離L1が入力され、この移動距離L1を後輪WL,WRの実際の舵角である第1実舵角θR1に変換する。なお、操舵ストロークセンサ33は操舵シャフト30の移動方向を検出できるので、第1実舵角θR1は、操舵シャフト30の中立位置から左方向への移動距離を正値とし、右方向への移動距離を負値とする。
【0058】
第2実舵角計測部47は、駆動ストロークセンサ14からの移動距離L2が入力され、この移動距離L2を第2実舵角θR2に変換する。なお、駆動ストロークセンサ14は移動した方向を検出することができないので、第2実舵角θR2は、操舵シャフト30の移動方向に関係なく設定され、正値とする。
【0059】
次に、図7を参照して、サブCPU50について説明する。サブCPU50は、電動機駆動手段80のメインFET82,83,84,85の少なくとも1個が故障した時、電動モータ4を制御するために電動機駆動手段80のサブFET回路80b(図9参照)に対してサブFET制御を行う。そのため、サブCPU50は、サブ電動機駆動信号SSDを出力する。サブCPU50は、メインFET82,83,84,85の少なくとも1個が故障すると、サブリレー88にリレーオン信号RONを出力するとともに、サブFET89のゲートG5にPWM信号VPWMを出力する。なお、このリレーオン信号RON(またはリレーオフ信号)とPWM信号VPWM(またはオフ信号VOF)でサブ電動機駆動信号SSDを構成する。つまり、サブCPU50は、電動機駆動手段80のサブリレー88のコイルにリレーオン信号RONを出力し、サブリレー88をオンする(図9参照)。さらに、サブCPU50は、PWM信号VPWMを電動機駆動手段80のサブFET89のゲートG5に出力し、サブFET89をPWM駆動する(図9参照)。なお、サブCPU50は、電動機電流IMを電流制限するために、30%のデューティ比のPWM信号VPWMを出力する。そのため、電動モータ4には10A程度の電動機電流IMが流れる。このとき、電動モータ4は逆転駆動されるため、後輪操舵機能2は機構上の中立位置に戻り、後輪WL、WRが直進方向に戻る。そして、サブCPU50は、後輪操舵機能2が機構上の中立位置に戻ったと判断すると、サブリレー88にリレーオフ信号ROFを出力し、サブFET回路80bによる電動モータ4の逆転駆動を停止する。なお、中立判定は、第2実舵角によって判定する。例えば、サブCPU50は、第2実舵角が中立位置を示す角度の±1°以内になると、中立位置と判定する。ちなみに、サブCPU50は、駆動ストロークセンサ14からの移動距離L2が入力され、第2実舵角を演算する。また、サブCPU50は、車速センサSPSから車速信号Vが入力され、車速制限を行う。つまり、所定速度以下では、路面との静摩擦によって後輪WL,WRが動かない。そこで、サブCPU50は、例えば、車速2km/h未満ではリレーオン信号RONおよびPWM信号VPWMを出力せず、サブFET89をPWM駆動しない。なお、車速センサSPSの車速信号Vは単位時間当たりのパルス数であり、サブCPU50は、このパルス数から車速を演算する。ちなみに、電動機駆動手段80のメインFET82,83,84,85が全て正常の時、サブCPU50は、サブリレー88にリレーオフ信号ROFを出力する。
【0060】
さらに、サブCPU50は、メインCPU40を監視し、メインCPU40にメインCPU監視情報SMMを送信する。サブCPU50は、メインCPU40で演算された車速や実舵角等を自己で演算した車速や実舵角等と比較し、メインCPU40を監視する。また、サブCPU50は、ウォッチドッグタイマによる自己監視機能を備え、メインCPU40から送信されるサブCPU監視情報SSM等を加味して自己の故障を判断し、故障時対応回路70にサブ信号SSを送信する。なお、サブ信号SSは、サブCPU50が正常の場合にはH信号、サブCPU50が故障の場合にはL信号である。
【0061】
次に、図7を参照して、ソレノイド通電手段60について説明する。ソレノイド通電手段60は、転舵方向設定部42が内蔵レジスタに設定した転舵方向Drに基づいて、左右電磁アクチュエータ21,22のソレノイドの一方を選択し、選択したソレノイドのコイルにソレノイド電流ISを供給する。そして、ソレノイド通電手段60は、左右電磁アクチュエータ21,22の可動ピンを作動させる。なお、ソレノイド通電手段60がソレノイド電流ISを供給するのは、操舵シャフト30が機構上の中立位置近傍にある時のみである。そのために、転舵方向設定部42に第1実舵角θR1を導入して、中立位置を判定している。
【0062】
次に、図8および図9を参照して、故障時対応回路70について説明する。故障時対応回路70は、故障判断部71、メインリレー制御部72、上段正転用FET駆動部73、下段正転用FET駆動部74、上段逆転用FET駆動部75、下段逆転用FET駆動部76、上段正転用リレー制御部77および下段正転用リレー制御部78から構成される。故障時対応回路70は、メインCPU40からのメイン信号SMと電動機制御信号SMCおよびサブCPU50からのサブ信号SSが入力され、電動機駆動手段80にメイン電動機駆動信号SMDを出力し、電動機駆動手段80のメインFET回路80aを制御する(図9参照)。故障時対応回路70は、メインCPU40とサブCPU50からなる制御手段が故障した時に、電動機駆動手段80のメインFET回路80aの逆転用メインFET84,85を所定時間オン駆動し、後輪操舵機構2を機構上の中立位置に戻して後輪WL,WRを直進方向に戻す。なお、故障時対応回路70は、メインCPU40とサブCPU50からなる制御手段が正常の場合には、メインCPU40からの電動機制御信号SMCをそのままメイン電動機駆動信号SMDとして出力する。そこで、故障時対応回路70は、メインCPU40およびサブCPU50による制御に影響されないように、メインCPU40およびサブCPU50とは別体のアナログ回路で構成される。
なお、以下の論理判定において、PWM信号VPWMはH/L信号であり、オン信号VONはH信号であり、オフ信号VOFはL信号であり、リレーオン信号RONはH信号であり、リレーオフ信号ROFはL信号である。
【0063】
故障判断部71は、メイン信号SMとサブ信号SSに基づいて、メインCPU40およびサブCPU50の少なくとも一方が故障しているか否かを判断する。そのために、故障判断部71は、AND回路71aを備える。AND回路71aは、メイン信号SMとサブ信号SSが入力され、H信号またはL信号を出力する。つまり、メイン信号SMとサブ信号SSが共にH信号の場合(すなわち、メインCPU40およびサブCPU50が共に正常の場合)、AND回路71aは、H信号を出力する。他方、メイン信号SMおよびサブ信号SSの少なくとも一方がL信号の場合(すなわち、メインCPU40およびサブCPU50の少なくとも一方が故障の場合)、AND回路71aは、L信号を出力する。したがって、AND回路71aから出力される信号がH信号の場合にはメインCPU40とサブCPU50が共に正常であり、L信号の場合にはメインCPU40およびサブCPU50の少なくとも一方が故障である。
【0064】
メインリレー制御部72は、AND回路71aからの信号と電動機制御信号SMCのメインリレー81に対する信号に基づいて、メインリレー81をオン/オフ制御する。特に、メインリレー制御部72は、メインCPU40およびサブCPU50の少なくとも一方が故障の時に、所定時間経過後にメインリレー81をオフし、メインFET回路80aへの電源電圧PSPからの供給を停止する(すなわち、所定時間の間だけメインFET回路80aに電源電圧PSPから12Vを供給する)(図9参照)。そのために、メインリレー制御部72は、反転回路72a、ディレイ回路72b、AND回路72cおよびOR回路72dを備える。反転回路72aは、AND回路71aからのH/L信号が入力され、その信号を反転してH信号またはL信号を出力する。ディレイ回路72bは、反転回路72aのH/L信号が入力され、リレーオン信号RONまたはリレーオフ信号ROFを出力する。なお、ディレイ回路72bは、H信号がトリガとなりタイマが起動する。AND回路72cは、AND回路71aからのH/L信号と電動機制御信号SMCのメインリレー81に対する信号(リレーオン信号RONまたはリレーオフ信号ROF)が入力され、リレーオン信号RONまたはリレーオフ信号ROFを出力する。OR回路72dは、ディレイ回路72bからの信号とAND回路72cからの信号が入力され、リレーオン信号RONまたはリレーオフ信号ROFを出力する。つまり、AND回路71aからの信号がH信号の場合(すなわち、メインCPU40およびサブCPU50が共に正常の場合)、ディレイ回路72bは、反転回路72aがL信号を出力するので、常時リレーオフ信号ROFを出力すると共にタイマを起動しない。この場合、AND回路72cは、AND回路71aの出力がH信号のため、電動機制御信号SMCのメインリレー81に対する信号をそのまま出力する。さらに、OR回路72dは、ディレイ回路72bの出力がリレーオフ信号ROFのため、AND回路72cの出力(すなわち、電動機制御信号SMCのメインリレー81に対する信号)をそのままメインリレー81に出力する。他方、AND回路71aからの信号がL信号の場合(すなわち、メインCPU40およびサブCPU50の少なくとも一方が故障の場合)、反転回路72aは、H信号を出力する。そして、ディレイ回路72bは、反転回路72aからのH信号が入力されると同時にリレーオン信号RONを出力するとともに、H信号をトリガとしてタイマを起動する。さらに、ディレイ回路72bは、タイマによって所定時間(例えば、10秒後)が経過すると、リレーオフ信号ROFを出力する。すなわち、ディレイ回路72bは、メインCPU40およびサブCPU50の少なくとも一方が故障の時に、リレーオン信号RONを所定時間出力後、リレーオフ信号ROFを出力する。なお、所定時間は、操舵シャフト30が最大量移動している場合でも、逆転用メインFET84,85がオン駆動することによって後輪操舵機構2を中立位置に戻すことができる十分な時間とする。この場合、AND回路72cは、AND回路71aの出力がL信号のため、メインCPU40が暴走して電動機制御信号SMCのメインリレー81に対する信号が不定であった場合でも、リレーオフ信号ROFを出力する。そのとき、72dは、OR回路のため、ディレイ回路72bからの信号をそのままメインリレー81に出力する。なお、ディレイ回路72bに代えて、第2実舵角計測部47からの第2実舵角θR2を比較器に導入し、この比較器によって第2実舵角θR2が中立位置を示す角度の±1°以内になるまではH信号を、そして±1°以内になるとL信号をOR回路72dに出力するようにしてもよい。
【0065】
上段正転用FET駆動部73は、AND回路71aからの信号と電動機制御信号SMCの上段正転用メインFET82に対する信号に基づいて、上段正転用メインFET82をPWM駆動またはオフする。そのために、上段正転用FET駆動部73は、AND回路73aを備える。AND回路73aは、AND回路71aからのH/L信号と電動機制御信号SMCの上段正転用メインFET82に対する信号(PWM信号VPWMまたはオフ信号VOF)が入力され、PWM信号VPWMまたはオフ信号VOFを出力する。つまり、AND回路71aからの信号がH信号の場合(すなわち、メインCPU40およびサブCPU50が共に正常の場合)、AND回路73aは、電動機制御信号SMCのPWM信号VPWMまたはオフ信号VOFをそのまま上段正転用メインFET82のゲートG1に出力する。他方、AND回路71aからの信号がL信号の場合(すなわち、メインCPU40およびサブCPU50の少なくとも一方が故障の場合)、AND回路73aは、オフ信号VOFを上段正転用メインFET82のゲートG1に出力する。
【0066】
下段正転用FET駆動部74は、AND回路71aからの信号と電動機制御信号SMCの下段正転用メインFET83に対する信号に基づいて、下段正転用メインFET83をオン駆動またはオフする。そのために、下段正転用FET駆動部74は、AND回路74aを備える。AND回路74aは、AND回路71aからのH/L信号と電動機制御信号SMCの下段正転用メインFET83に対する信号(オン信号VONまたはオフ信号VOF)が入力され、オン信号VONまたはオフ信号VOFを出力する。つまり、AND回路71aからの信号がH信号の場合(すなわち、メインCPU40およびサブCPU50が共に正常の場合)、AND回路74aは、電動機制御信号SMCのオン信号VONまたはオフ信号VOFをそのまま下段正転用メインFET83のゲートG2に出力する。他方、AND回路71aからの信号がL信号の場合(すなわち、メインCPU40およびサブCPU50の少なくとも一方が故障の場合)、AND回路74aは、オフ信号VOFを下段正転用メインFET83のゲートG2に出力する。
【0067】
上段逆転用FET駆動部75は、AND回路71aからの信号、反転回路72aからの信号と電動機制御信号SMCの上段逆転用メインFET84に対する信号に基づいて、上段逆転用メインFET84をPWM駆動、オン駆動またはオフする。特に、上段逆転用FET駆動部75は、メインCPU40およびサブCPU50の少なくとも一方が故障の場合に、上段逆転用メインFET84をオン駆動する。なお、メインCPU40およびサブCPU50の少なくとも一方が故障の場合、メインリレー制御部72によって所定時間の間だけメインFET回路80aに電源電圧PSPから12Vが供給されるので、所定時間の間だけ上段逆転用メインFET84がオン駆動される。そのために、上段逆転用FET駆動部75は、AND回路75aとOR回路75bを備える。AND回路75aは、AND回路71aからのH/L信号と電動機制御信号SMCの上段逆転用メインFET84に対する信号(PWM信号VPWMまたはオフ信号VOF)が入力され、PWM信号VPWMまたはオフ信号VOFを出力する。OR回路75bは、反転回路72aからのH/L信号とAND回路75aからのPWM信号VPWMまたはオフ信号VOFが入力され、PWM信号VPWM、オン信号VONまたはオフ信号VOFを出力する。つまり、AND回路71aからの信号がH信号の場合(すなわち、メインCPU40およびサブCPU50が共に正常の場合)、AND回路75aは、AND回路71aの出力がH信号のため、電動機制御信号SMCの上段逆転用メインFET84に対する信号をそのまま出力する。さらに、OR回路75bは、反転回路72aの出力がL信号のため、AND回路75aの出力(すなわち、電動機制御信号SMCの上段逆転用メインFET84に対する信号)をそのまま上段逆転用メインFET84のゲートG3に出力する。他方、AND回路71aからの信号がL信号の場合(すなわち、メインCPU40およびサブCPU50の少なくとも一方が故障の場合)、OR回路75bは、反転回路72aの出力がH信号のため、オン信号VONを上段逆転用メインFET84のゲートG3に出力する。
【0068】
下段逆転用FET駆動部76は、AND回路71aからの信号、反転回路72aからの信号と電動機制御信号SMCの下段逆転用メインFET85に対する信号に基づいて、下段逆転用メインFET85をオン駆動またはオフする。特に、下段逆転用FET駆動部76は、メインCPU40およびサブCPU50の少なくとも一方が故障の場合に、下段逆転用メインFET85をオン駆動する。なお、メインCPU40およびサブCPU50の少なくとも一方が故障の場合、メインリレー制御部72によって所定時間の間だけメインFET回路80aに電源電圧PSPからの12Vが供給されるので、所定時間の間だけ下段逆転用メインFET85がオン駆動される。そのために、下段逆転用FET駆動部76は、AND回路76aとOR回路76bを備える。AND回路76aは、AND回路71aからのH/L信号と電動機制御信号SMCの下段逆転用メインFET85に対する信号(オン信号VONまたはオフ信号VOF)が入力され、オン信号VONまたはオフ信号VOFを出力する。OR回路76bは、反転回路72aからのH/L信号とAND回路75aからのオン信号VONまたはオフ信号VOFが入力され、オン信号VONまたはオフ信号VOFを出力する。つまり、AND回路71aからの信号がH信号の場合(すなわち、メインCPU40およびサブCPU50が共に正常の場合)、AND回路76aは、AND回路71aの出力がH信号のため、電動機制御信号SMCの下段逆転用メインFET85に対する信号をそのまま出力する。さらに、OR回路76bは、反転回路72aの出力がL信号のため、AND回路76aの出力(すなわち、電動機制御信号SMCの下段逆転用メインFET85に対する信号)をそのまま下段逆転用メインFET85のゲートG4に出力する。他方、AND回路71aからの信号がL信号の場合(すなわち、メインCPU40およびサブCPU50の少なくとも一方が故障の場合)、OR回路76bは、反転回路72aの出力がH信号のため、オン信号VONを下段逆転用メインFET85のゲートG4に出力する。
【0069】
上段正転用リレー制御部77は、AND回路71aからの信号と電動機制御信号SMCの上段正転用リレー86に対する信号に基づいて、上段正転用リレー86をオン/オフ制御する。そのために、上段正転用リレー制御部77は、AND回路77aを備える。AND回路77aは、AND回路71aからのH/L信号と電動機制御信号SMCの上段正転用リレー86に対する信号(リレーオン信号RONまたはリレーオフ信号ROF)が入力され、リレーオン信号RONまたはリレーオフ信号ROFを出力する。つまり、AND回路71aからの信号がH信号の場合(すなわち、メインCPU40およびサブCPU50が共に正常の場合)、AND回路77aは、電動機制御信号SMCのリレーオン信号RONまたはリレーオフ信号ROFをそのまま上段正転用リレー86に出力する。他方、AND回路71aからの信号がL信号の場合(すなわち、メインCPU40およびサブCPU50の少なくとも一方が故障の場合)、AND回路77aは、リレーオフ信号ROFを上段正転用リレー86に出力する。
【0070】
下段正転用リレー制御部78は、AND回路71aからの信号と電動機制御信号SMCの下段正転用リレー87に対する信号に基づいて、下段正転用リレー87をオン/オフ制御する。そのために、下段正転用リレー制御部78は、AND回路78aを備える。AND回路78aは、AND回路71aからのH/L信号と電動機制御信号SMCの下段正転用リレー87に対する信号(リレーオン信号RONまたはリレーオフ信号ROF)が入力され、リレーオン信号RONまたはリレーオフ信号ROFを出力する。つまり、AND回路71aからの信号がH信号の場合(すなわち、メインCPU40およびサブCPU50が共に正常の場合)、AND回路78aは、電動機制御信号SMCのリレーオン信号RONまたはリレーオフ信号ROFをそのまま下段正転用リレー87に出力する。他方、AND回路71aからの信号がL信号の場合(すなわち、メインCPU40およびサブCPU50の少なくとも一方が故障の場合)、AND回路78aは、リレーオフ信号ROFを下段正転用リレー87に出力する。
【0071】
なお、メイン電動機駆動信号SMDは、メインリレー制御部72、上段正転用FET駆動部73、下段正転用FET駆動部74、上段逆転用FET駆動部75、下段逆転用FET駆動部76、上段正転用リレー制御部77および下段正転用リレー制御部78から出力される各信号によって構成される。
【0072】
次に、図9を参照して、電動機駆動手段80について説明する。電動機駆動手段80は、メインFET回路80aとサブFET回路80bを備える。メインFET回路80aは、メインCPU40に制御されるとともに、CPU40,50の故障時に対応するために故障時対応回路70に制御される。そのため、メインFET回路80aは、メインCPU40から出力される電動機制御信号SMCに故障時対応回路70で論理判定が加味されたメイン電動機駆動信号SMDが入力される。そして、メインFET回路80aは、メイン電動機駆動信号SMDに基づいて電動機電圧VMを電動モータ4に印加し、電動モータ4を正転駆動または逆転駆動する。他方、サブFET回路80bは、メインFET回路80aのメインFET82,83,84,85の少なくとも1個が故障した時に、サブCPU50に制御される。そのため、サブFET回路80bは、サブCPUからサブ電動機駆動信号SSDが入力される。そして、サブFET回路80bは、サブ電動機駆動信号SSDに基づいて電動機電圧VMを電動モータ4に印加し、電動モータ4を逆転駆動する。
【0073】
メインFET回路80aは、メインリレー81、パワー電界トランジスタであるメインFET82,83,84,85および正転用リレー86,87で構成される。メインFET回路80aは、電源電圧(パワー系)PSPとグランドGND間に4個のメインFET82,83,84,85でブリッジ回路が構成され、電源電圧PSPから12Vの電圧が供給される。メインFET82,83は、電動モータ4を正転駆動するための正転用のメインFETであり、両方がオンした時に電動モータ4が正転駆動する。また、メインFET84,85は、電動モータ4を逆転駆動するための逆転用のメインFETであり、両方がオンした時に電動モータ4が逆転駆動する。なお、電源電圧PSPとブリッジ回路の間にはメインリレー81が接続される。そして、メインリレー81は、メイン電動機駆動信号SMDのリレーオン信号RONまたはリレーオフ信号ROFが入力され、ブリッジ回路への電源電圧PSPからの12Vの供給または供給を停止する。なお、メインリレー81は、後輪操舵装置1のシステム正常時にはオンされ、後輪操舵装置1のシステム異常時にはオフされる。メインリレー81は、リレーオン信号RONの場合にはコイル電流が流れてオンし、ブリッジ回路に電源電圧PSPからの12Vを供給する。また、メインリレー81は、リレーオフ信号ROFの場合にはコイル電流が流れずオフし、ブリッジ回路に電源電圧PSPからの12Vを供給しない。
なお、本実施の形態では、メインFET82,83,84,85が、特許請求の範囲に記載のスイッチング素子に相当する。
【0074】
メインFET回路80aは、電動モータ4がメインFET82とメインFET83の間に直列にかつメインFET84とメインFET85の間に直列に接続される。さらに、メインFET82と電動モータ4の間には上段正転用リレー86が接続され、メインFET83と電動モータ4の間には下段正転用リレー87が接続される。そして、正転用リレー86,87は、メイン電動機駆動信号SMDのリレーオン信号RONまたはリレーオフ信号ROFが各々入力され、正転用のメインFET82、メインFET83および電動モータ4間を接続または非接続とする。つまり、正転用リレー86,87によって、電動モータ4への正転駆動用の電動機電圧VMの印加を確実に停止することができる。なお、正転用リレー86,87は、後輪操舵装置1のシステム正常時にはオンされ、後輪操舵装置1のシステム異常時にはオフされる。正転用リレー86,87は、リレーオン信号RONの場合にはコイル電流が流れてオンし、正転用のメインFET82、メインFET83および電動モータ4間を接続する。また、正転用リレー86,87は、リレーオフ信号ROFの場合にはコイル電流が流れずオフし、正転用のメインFET82、メインFET83および電動モータ4間を非接続とする。
【0075】
そして、電動モータ4を正転駆動する場合、メインFET回路80aは、上段正転用メインFET82のゲートG1にPWM信号VPWM、上段正転用メインFET83のゲートG2にオン信号VON、逆転用メインFET84,85の各ゲートG3,G4にオフ信号VOFおよびメインリレー81と正転用リレー86,87にリレーオン信号RONが各々入力され、電動モータ4を正転駆動するための電動機電圧VMを印加する。他方、電動モータ4を逆転駆動する場合、メインFET回路80aは、上段逆転用メインFET84のゲートG3にPWM信号VPWM、下段逆転用メインFET85のゲートG4にオン信号VON、正転用メインFET82,83の各ゲートG1,G2にオフ信号VOFおよびメインリレー81と正転用リレー86,87にリレーオン信号RONが各々入力され、電動モータ4を逆転駆動するための電動機電圧VMを印加する。なお、電動モータ4に印加される電動機電圧VMは、PWM信号VPWMのデューティ比によって決定される。そして、電動モータ4に流れる電動機電流IMは、電動機電圧VMに対応する。例えば、PWM信号VPWMのデューティ比が70%(すなわち、7(論理レベル1):3(論理レベル0))の場合、12V×(7/10)=8.4Vが電動機電圧VMとなり、電動モータ4に連続して8.4Vが印加されていることになる。なお、メインFET回路80aには最大30A以上の電動機電流IMが流れるため、メインFET回路80aの配線には、最大の電動機電流IMに対応する太線が使用される。
【0076】
また、メインCPU40およびサブCPU50の少なくとも一方が故障した場合、メインCPU40によるメインFET制御ではなく、メインFET回路80aが故障時対応回路70によって制御される。つまり、故障時対応回路70がCPU故障と判断すると、メインFET回路80aは、故障時対応回路70によってメインリレー81にリレーオン信号VONと正転用リレー86,86にリレーオフ信号VOFおよび逆転用メインFET84,85のゲートG3,G4にオン信号VONが各々入力され、電動モータ4に逆転駆動するための電動機電圧VMを印加する。さらに、所定時間経過後、メインFET回路80aは、故障時対応回路70によってメインリレー81にリレーオフ信号VOFが入力され、電動モータ4への電動機電圧VMの印加を完全に停止する。
【0077】
サブFET回路80bは、サブリレー88と電界効果トランジスタであるサブFET89で構成される。サブFET回路80bは、電源電圧(信号系)PSSとグランドGND間に接続され、電源電圧PSSから12Vの電圧が供給される。サブリレー88は、サブ電動機駆動信号SSDのリレーオン信号RONまたはリレーオフ信号ROFが入力され、サブFET89への電源電圧PSPからの12Vの供給または供給を停止する。サブリレー88は、リレーオン信号RONの場合にはコイル電流が流れてオンし、サブリレー88に電源電圧PSSからの12Vを供給する。また、サブリレー88は、リレーオフ信号ROFの場合にはコイル電流が流れずオフし、サブリレー88に電源電圧PSSからの12Vを供給しない。また、サブFET回路80bは、電動モータ4が逆転駆動するように、サブリレー88とサブFET89間に電動モータ4が直列に接続される。サブFET89は、ゲートG5にサブ電動機駆動信号SSDのPWM信号VPWMまたはオフ信号VOFが入力され、電動モータ4をPWM駆動またはオフする。ちなみに、電源電圧(パワー系)PSPと電源電圧(信号系)PSSでは、バッテリ(図示せず)近傍で分岐され、配線の太さが異なり、電源電圧(パワー系)PSPが太線で電源電圧(信号系)PSSが細線である。
【0078】
メインFET82,83,84,85の少なくとも1個が故障した場合、サブFET回路80bは、サブCPU50によって車速が2km/h以上と判定された時にサブリレー88にリレーオン信号RONとサブFET89にPWM信号VPWMが入力され、電動モータ4を逆転駆動する電動機電圧VMを印加する。さらに、サブFET回路80bは、後輪操舵機構2が機構上の中立位置に戻ると、サブCPU50によってサブリレー88にリレーオフ信号ROFが入力され、電動モータ4への電動機電圧VMの印加を停止する。なお、サブCPU50によりタイヤへの路面反力が減少する車速以上になってから中立戻しを実行するため、PWM信号VPWMは30%のデューティ比で良く、電動機電流IMは10A程度しか流れない。そこで、サブFET回路80bの配線には細線を使用し、制御素子の放熱、ハーネス、カプラ等のコストダウンを図る事ができる。他方、メインFET82,83,84,85が全て正常の場合、サブFET回路80bは、サブCPU50によってサブリレー88にリレーオフ信号ROFが入力され、サブFET回路80bによって電動モータ4に電動機電圧VMを印加しない。
【0079】
次に、図7を参照して、電動機電流検出手段90について説明する。電動機電流検出手段90は、電動モータ4に対して直列に接続された抵抗またはホール素子等を備え、電動モータ4に実際に流れる電動機電流IMの大きさと方向を検出する。そして、電動機電流検出手段90は、電動機電流IMに対応した電動機電流信号IMOをメインCPU40にフィードバック(負帰還)する。
【0080】
それでは、図1乃至図9を参照して、電子制御装置3の動作およびそれに伴う後輪転舵機構2と電動モータ4の動作について説明する。ここでは、後輪操舵装置1のシステムが正常時と後輪操舵装置1のシステムが異常時に分けて説明する。なお、後輪操舵装置1のシステム異常は、メインCPU40およびサブCPU50の少なくとも一方が故障、メインFET82,83,84,85の少なくとも1個が故障(すなわち、メインFET回路80aが故障)、操舵ストロークセンサ33または駆動ストロークセンサ14が故障等である。なお、メインFET82,83,84,85の少なくとも1個の故障判定は、メインCPU40で目標電動機電流と電動機電流検出手段90で検出した電動機電流IMOを比較し、この差が所定値以上の場合に故障と判定する。また、操舵ストロークセンサ33または駆動ストロークセンサ14の故障判定は、メインCPU40で第1実舵角θR1と第2実舵角θR2を比較し、この差が所定値以上の場合に故障と判定する。
【0081】
後輪操舵装置1のシステムが正常時について説明する。まず、電子制御装置3は、メインCPU40で前輪操舵情報SFや車速信号Vから目標操舵θr、操舵方向Drと制御モードを設定する。続いて、メインCPU40は、目標操舵θr、転舵方向Drおよび第1実舵角θR1等に基づいて電動機制御信号SMCを生成する。そして、電子制御装置3は、転舵方向Drに基づいて、ソレノイド通電手段60によって左右電磁アクチュエータ21,22のいずれか一方を作動させたり、両方の作動を停止させる。さらに、電子制御装置3は、故障時対応回路70を介して電動機制御信号SMCに対応したメイン電動機駆動信号SMDを電動機駆動手段80に送信し、電動機駆動手段80のメインFET回路80aによって電動モータ4を正転駆動または逆転駆動させたり、駆動を停止させる。すると、後輪操舵機構2の操舵シャフト30が、後輪WL側または後輪WR側に移動したり、あるいは中立位置に戻る。その結果、後輪WL,WRが、左方向または右方向に転舵したり、あるいは直進方向に戻る。ちなみに、メインCPU40からのメイン信号SMとサブCPU50からのサブ信号SSは、共にH信号(正常)である。
【0082】
メインCPU40およびサブCPU50のいずれか一方が故障時について説明する。このとき、メインCPU40のメイン信号SMおよびサブCPU50のサブ信号SSの少なくとも一方が、L信号(故障)となる。そのため、電子制御装置3の故障時対応回路70は、故障判断部71で故障と判断し、メイン電動機駆動信号SMDにおいてメインリレー81にリレーオン信号RON、逆転用メインFET84,85にオン信号VON、正転用リレー86,87にリレーオフ信号ROFを設定する。そして、電子制御装置3は、電動機駆動手段80のメインFET回路80aによって電動モータ4を逆転駆動させる。すると、後輪操舵機構2の操舵シャフト30が、中立位置側に移動し、やがて中立位置に戻る。その結果、後輪WL,WRが、直進方向に戻る。さらに、故障時対応回路70は、所定時間経過後、メイン電動機駆動信号SMDにおいてメインリレー81にリレーオフ信号ROFを設定する。そして、電子制御装置3は、電動機駆動手段80のメインFET回路80aによる電動モータ4の駆動を完全に停止させる。
【0083】
メインFET82,83,84,85の少なくとも1個が故障の時について説明する。このとき、電子制御装置3のサブCPU50が、サブ電動機駆動信号SSDにおいてサブリレー88にリレーオン信号RON、サブFET89にPWM信号VPWMを設定する。さらに、電子制御装置3のメインCPU40が、電動機制御信号SMCにおいてメインリレー81にリレーオフ信号ROFを設定し、電動機駆動手段80のメインFET回路80aによる電動モータ4の駆動を完全に停止させる。そして、電子制御装置3は、電動機駆動手段80のサブFET回路80bによって電動モータ4を逆転駆動させる。すると、後輪操舵機構2の操舵シャフト30が、中立位置側に移動し、やがて中立位置に戻る。その結果、後輪WL,WRが、直進方向に戻る。続いて、サブCPU50が、第1実舵角等に基づいて後輪操舵機構2が機構上の中立位置に戻ったと判断すると、サブ電動機駆動信号SDDにおいてサブリレー88にリレーオフ信号ROFを設定する。そして、電子制御装置3は、電動機駆動手段80のサブFET回路80bによる電動モータ4の駆動を完全に停止させる。
【0084】
操舵ストロークセンサ33または駆動ストロークセンサ14が故障の時について説明する。このとき、電子制御装置3のメインCPU40が、電動機制御信号SMCにおいてメインリレー81にリレーオン信号RON、上段逆転用メインFET84と下段逆転用メインFET85にオン信号VON、正転用リレー86,87にリレーオフ信号ROFを設定する。そして、電子制御装置3は、電動機駆動手段80のメインFET回路80aによって電動モータ4を逆転駆動させる。そして、後輪操舵機構2の操舵シャフト30が、中立位置側に移動し、やがて中立位置に戻る。その結果、後輪WL,WRが、直進方向となる。続いて、メインCPU40が、第1実舵角θR1または第2実舵角θR2および電動機電流信号IMOに基づいて後輪操舵機構2が機構上の中立位置に戻ったと判断すると、電動機制御信号SMCにおいてメインリレー81にリレーオフ信号ROFを設定する。そして、電子制御装置3は、電動機駆動手段80のメインFET回路80aによる電動モータ4の駆動を完全に停止させる。
【0085】
この後輪操舵装置1によれば、メインCPU40とサブCPU50からなる制御手段が故障しても、故障時対応回路70によって確実に後輪WL,WRを直進方向に戻すことができる。そのため、後輪操舵装置1の制御手段が故障しても後輪が誤操舵されないので、自動車Aは前輪による2輪操舵となり、フェイルセーフの信頼性がより向上する。
【0086】
以上、本発明は、前記の実施の形態に限定されることなく、様々な形態で実施される。
例えば、故障時対応回路をアナログ回路で構成したが、ディジタル回路によって構成してもよい。
また、制御手段をメインCPUとサブCPUの2個のCPUで構成したが、CPUを1個にするなど他の構成でもよい。
また、後輪操舵機構2をねじ部材(外部回転筒)と操舵軸(操舵シャフト)を同軸上に構成したが、ねじ部材と操舵軸を並行に構成する等の他の後輪操舵機構でもよい。
また、電動モータを正転駆動した場合には一対の中間部スライド筒が離間し、逆転駆動した場合には一対の中間部スライド筒が接近するように構成したが、その逆に動作するように構成してもよい。
また、4個のメインFETの少なくとも1個が故障した場合を検出し、故障を検出した場合にはサブCPUによってサブFET回路で電動モータを逆転駆動する構成としたが、出来る限りメイン側で電動モータを駆動するために、4個のメインFETの故障を各々検出できるセンサ等を設け、正転用メインFETの故障を検出した場合にはメインCPUによってメインFET回路の逆転用メインFETで電動モータを逆転駆動するように構成してもよい。
【0087】
【発明の効果】
本発明に係る後輪操舵装置は、制御手段が故障した場合に、故障時対応回路によって操舵軸およびスライド部材を中立位置に戻し、後輪を確実に直進方向に戻すことができる。そのため、後輪操舵装置は、故障した制御手段によって後輪が誤って転舵されないので、フェイルセーフの信頼性がより向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る後輪操舵装置の全体構成図である。
【図2】図1の後輪操舵装置の後輪操舵機構の分解斜視図である。
【図3】図2に示すクラッチ機構の左機能ブロックの斜視図である。
【図4】図1の後輪操舵装置の後輪操舵機構の要部の部分断面図である。(電動モータが正転駆動し、操舵シャフト右方向移動時)
【図5】図1の後輪操舵装置の後輪操舵機構の要部の部分断面図である。(操舵シャフト右方向移動後、電動モータが逆転駆動時)
【図6】図2に示す左右中間部スライド筒の係止鈎による作用を説明する図であり、(a)は後輪操舵機構の要部の部分断面図であり、(b)は後輪操舵機構の係止鈎部分を一部破断した部分正面図であり、(c)はケーシング内から見た案内用溝である。
【図7】図1の後輪操舵装置の電子制御装置のブロック構成図である。
【図8】図7の電子制御装置の故障時対応回路の論理回路図である。
【図9】図7の電子制御装置の電動機駆動手段の回路図である。
【符号の説明】
1・・・後輪操舵装置
4・・・電動モータ(電動機)
11・・・外部回転筒(ねじ部材)
11b・・・左ねじ部(ねじ部)
11c・・・右ねじ部(ねじ部)
12・・・左中間部スライド筒(スライド部材)
13・・・右中間部スライド筒(スライド部材)
30・・・操舵シャフト(操舵軸)
40・・・メインCPU(制御手段)
50・・・サブCPU(制御手段)
70・・・故障時対応回路
80・・・電動機駆動手段
80a・・・メインFET回路(ブリッジ回路)
82,83,84,85・・・メインFET(スイッチング素子)
WL・・・左後輪
WR・・・右後輪
Claims (1)
- 電動機と、互いに逆ねじとなる一対のねじ部を有するねじ部材と、前記一対のねじ部に各々螺合し、逆ねじ作用により接離する一対のスライド部材と、一対の後輪を転舵させる操舵軸とを備え、前記電動機によって前記ねじ部材を回転させ、一方の前記スライド部材と連結した前記操舵軸を一方の後輪側に移動させて後輪を操舵する後輪操舵装置であって、
前記電動機を制御する制御手段と、前記制御手段からの信号に基づいて、4個のスイッチング素子で構成したブリッジ回路によって前記電動機を正転駆動または逆転駆動する電動機駆動手段とを備える後輪操舵装置において、
前記制御手段とは別に構成され、前記制御手段の故障時に、前記一対のスライド部材を接近させる方向に前記電動機を駆動するスイッチング素子に所定時間通電する故障時対応回路を備えることを特徴とする後輪操舵装置。
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