JP4284315B2 - センサー用電極およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、センサー用電極およびその製造方法に関し、より詳細には、生体中の分子、イオンを電気化学的に測定するセンサーに用いるセンサー用電極およびその製造方法に関するものである。
従来、生体中の分子、イオンを測定する場合には、簡便な手法である電気化学的な手法が用いられてきた。電気化学法のメリットは、検出器となる電極を微小化しやすく、測定器も小型化しやすいことが挙げられる。従って、電気化学法は、臨床現場やオンサイトでの測定に適していると言える。
微小化した電極については様々な報告があるが、近年では、血管内に留置して測定することを目的として、電気化学測定に必要な電極を同一面内に集積するのではなく、絶縁層を介して積層させることによって、素子幅が0.3mmにまで微小化された電極が報告されている(非特許文献1参照)。
さて、オンサイト測定を行う場合、測定環境に応じてセンサー素子が変形することが望ましい。すなわち、センサー素子を生体内に挿入する際には、該センサー素子が変形可能であることが好ましく、特に、センサー素子を無理やりにでも生体内に挿入する場合は、特に好ましい。このため、センサー素子の基板として、可塑性を有する基板を用いることが必要となる。
王、鈴木、林、砂川、「集積型血液ガスセンサ」、Chemical Sensors,vol.18,Suppiement B 91-93,2002
しかしながら、可撓性を有する基板上に電気化学測定に必要な電極を形成し、測定時に曲がるなど素子が変形すると、電極にひびが入る等して電極が断線し、測定不能となる、ないしは不安定な測定となることがあった。特にセンサーを血管内に挿入して、血液中の生体分子を測定する場合には、センサーの血管への挿入時や生体の動き等によって、センサーに変形が生じるため、より良好な測定を行うためには、上記変形による電気的な断線を回避、または抑制する必要があった。
このように、従来のセンサー素子に用いられる電極では、当時としては望まれる精度で応答電流の測定を行うことができたが、近年求められる要望を満たすためには、更なる精度で応答電流の測定を行えることが求められていた。
本発明は、このような問題を鑑みてなされたもので、その目的とするところは、センサー素子が変形することにより電極に物理的な破損が生じたとしても、該破損によるセンサー性能の低下を抑制可能なセンサー用電極およびその製造方法を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1記載の発明は、電気化学的に測定を行うためのセンサー用電極であって、可撓性を有する基板と、前記基板上に形成された、複数の電極とを備え前記複数の電極の各々には、電極の少なくとも一面の少なくとも一部と接するように、前記電極の展延性よりも高い展延性を有し、導電性を有する、前記電極が破損した際に導電性を確保するための導電性材料が形成されていることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、前記複数の電極はそれぞれ、絶縁層を介して積層されていることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記導電性材料は、金、銀、銅、アルミニウム、スズ、鉛、銅亜鉛合金、ニッケルチタン合金のいずれかであることを特徴とする。
請求項記載の発明は、電気化学的に測定を行うためのセンサー用電極の製造方法であって、真空中にて、可撓性を有する基板上に、電極用の材料および前記電極用の材料の展延性よりも高い展延性を有し導電性を有する導電性材料を順に形成して、積層体を形成する工程と、前記積層体に対してリフトオフ法を行って、前記導電性材料が少なくとも一部に接するように形成された電極を形成する工程とを有することを特徴とする。
請求項記載の発明は、電気化学的に測定を行うためのセンサー用電極の製造方法であって、真空中にて、可撓性を有する基板上に、導電性を有する導電性材料および電極用の材料を順に形成して、積層体を形成する工程と、前記積層体に対してリフトオフ法を行って、前記導電性材料が少なくとも一部に接するように形成された電極を形成する工程とを有し、前記導電性材料は、前記電極の展延性よりも高い展延性を有することを特徴とする。
なお、本明細書において、層、領域、または基板などの要素が別の要素の「上に」あるという場合、それはこの別の要素上に直に存在し得るか、または介在する要素が存在し得ることである。
本発明によれば、電極の少なくとも一部と接するように、上記電極の展延性よりも高い展延性を有し、導電性を有する導電性材料(例えば、抑制層)を設けているので、センサー素子が変形することにより電極に物理的な破損が生じたとしても、電気的な導通を維持することができ、上記破損によるセンサー性能の低下を抑制することが可能である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下で説明する図面で、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
本発明の一実施形態では、可撓性を有する基板上に形成された、必要とする層(例えば、電極)の少なくとも一部に接するように、導電性を有する、断線(絶縁)を抑制するための抑制層を設けている。
従来では、センサー用の電極として硬い材料を用いているので、生体内に挿入する際にセンサー素子を変形すると、上記電極にひびが入ったり、割れる等して物理的に破損する場合がある。この物理的な破損により、断線が起こって導通が確立しなかったり、または再接続等が起こり、応答電流の不安定化、さらには測定が不能になってしまうことがある。
しかしながら、本発明の一実施形態では、必要とする層としての電極の少なくとも一部に抑制層が接するように形成されているため、電極において抑制層が接している部分については、例え、センサー素子の変形により電極が物理的に破損した場合でも、抑制層により導通を確立することができる。従って、センサー素子を変形させても、良好にセンサーを機能させることができ、センサーの性能の低下を抑制することができる。
本発明の一実施形態では、上述のように、電極が破損した場合であっても導電性を確保するために、電極の表面の少なくとも一部に接するように抑制層を形成しているが、上記変形により電極のどの領域に、ひびが入るなどの破損が生じるかは不明である。よって、例えば、電極の、後述する開口部が形成される側の面(本明細書では、「上面」とも呼ぶ)の全面に接するように抑制層を形成することは好ましい。このように、電極のある面の全面に抑制層を形成すれば、電極上の破損の生じる位置に依らず、導電性を確保できる。なお、電極の上面、電極の上面に対向する面(本明細書では、「下面」とも呼ぶ)、または上面および下面の全面に接するように抑制層を形成しなくても、電極の、少なくとも破損が生じると予想される領域に接するように抑制層を形成していれば、上記破損が生じたとしても、導通を確立することができる。
なお、本発明の一実施形態において、基板としては、ポリイミド等、絶縁性であり可撓性である材料が好ましい。このように絶縁性基板であれば、該基板上に直接電極や、抑制層を形成することができるので好ましい。しかしながら、基板が絶縁性を有していなくても、基板と、基板上に形成される、電極または抑制層との間に絶縁性の層を形成すれば良い。
また、本明細書において、「抑制層」とは、導電性を有し、抑制層が接する電極(物理的な破損により導通状態が損なわれる層)の展延性よりも高い展延性を有する層である。すなわち、電極よりも柔らかい層である。このような抑制層としては、金、銀、銅、アルミニウム、スズ、鉛、銅亜鉛合金、ニッケルチタン合金のいずれかが好ましい材料である。
このように、抑制層が、導電性を有し、電極よりも展延性を大きくすることにより、センサー素子の変形により、電極に破損が生じたとしても、抑制層はその時点では破損していないので、抑制層により導通を維持することができる。また、抑制層の展延性を電極の展延性よりも大きくすることで、応答電流の低下を抑制したまま、すなわち、センサー性能を低下させずに、センサー素子の変形の量(変形の程度)を増大させることができる。
なお、本発明の一実施形態では、抑制層の展延性は、電極の展延性よりも大きければ良いが、基板の展延性と同程度、またはそれ以上の展延性であることはさらに好ましい。このような展延性の材料を選ぶことにより、センサー素子の基板が破損するまで変形させても、電極の導通を維持することができる。
以下、本発明の一実施形態に係るセンサー用電極およびその製造方法を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明は、下記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々変更可能であることは言うまでもない。
(第1の実施例)
本実施例では、酸素分圧を測定する電極(以下、酸素電極)について説明する。
図1において、ポリイミド基板1上には、抑制層としての金層2が形成されている。この金層2は、断線(絶縁)抑制用の層である。金層2上には、作用電極用の白金層3が形成されており、白金層3上には、絶縁層としてのポリイミド膜4が形成されている。すなわち、白金層3の下面に接するように、金層2が形成されている。ポリイミド膜4上には、開口部10が形成されており、開口部10から白金層3が露出している。この開口部10が作用電極の活性部位となる。開口部10の個数は本質ではなく、少なくとも1個以上であればいずれの個数であっても良い。
また、ポリイミド膜4の開口部10が形成されていない領域の一部には、抑制層としての金層5が形成されており、金層5上には、参照電極用の銀層6が形成されている。すなわち、銀層6の下面に接するように、金層5が形成されている。図1では、ポリイミド膜4を挟むようにして、白金層3および銀層6が積層されており、このように、作用電極と参照電極とを積層させることによって、酸素電極の小型化が実現できる。
銀電極6上には、絶縁層としてのポリイミド膜7が形成されている。なお、ポリイミド膜7は、積層体の所望の領域以外を絶縁することが目的であるので、金層5と銀層6との積層体の側面も覆うように形成されている。ポリイミド膜7の上面には、参照電極の活性部位としての開口部11が形成されており、この開口部11の各々から銀層6は露出している。
また、上記積層体上には、該積層体を覆うように、電解質ゲル層8が形成されている。上記構成では、開口部10および開口部11にも電解質ゲルが入り込むので、開口部10を介して白金層3と電解質ゲル層8とが接し、また、開口部11を介して銀層6と電解質ゲル層8とが接することになる。電解質ゲル層8上には、酸素を透過させるガス透過層9が形成されている。
以下で図1に示すセンサー用電極の作製方法を示す。
厚さ0.15mmのポリイミド基板1上に、作用電極のパターンをフォトレジスト(ZPN−1150 日本ゼオン)にて形成した。その後、スパッタ法により、ポリイミド基板1上に、チタン、金、チタン、白金の順に成膜した。この場合、チタンはポリイミド基板1と金、および金属層同士(金および白金)の密着層として用いている。次に、エタノールを用いてリフトオフを行い、作用電極用の金属積層を形成した。この金属積層は、抑制層としての金層2と作用電極用の白金層3とを積層させたものである。このように、本実施例では、作用電極用の金属積層を、真空中で一括で形成した後に、リフトオフ法により形成している。
次に、白金層3上に、絶縁性材料としてポリイミド(セミコフアイン 東レ)、ポジ型フォトレジスト(OFPR800 東京応化工業)を順に塗布し、露光・現像を行って、白金層3上を絶縁するとともに(ポリイミド膜4を形成するとともに)、ポリイミド膜4上の一箇所に開口部10(直径25μm)を設け、これを作用電極とした。次に、ポリイミド膜4上に参照電極のパターンを同じくフォトレジスト(ZPN−1150日本ゼオン)にて形成した。その後、スパッタ法により、チタン、金、チタン、銀の順に成膜した。エタノールを用いてリフトオフを行い、参照電極用の金属積層を形成した。この金属積層は、抑制層としての金層5と参照電極用の銀層6とを積層させたものである。このように、本実施例では、参照電極用の金属積層を、真空中で一括で形成した後に、リフトオフ法により形成している。
次いで、銀層6上に、ポリイミド、ポジ型フォトレジストの順に塗布し、露光、現像を行って、銀層6上を絶縁するとともに(ポリイミド膜7を形成するともに)、参照電極としてポリイミド膜7上の五箇所に開口部11(直径20μm)を設けた。基板上には一括して多層の素子が作製されており、一つの素子の幅、長さがそれぞれ0.3mm、60mmになるようにダイシングした。続いて、作用電極の開口部10、参照電極の開口部11を覆うように電解質ゲル層8を形成した。電解質ゲルの調整は以下のように行った。3M(M=mol/L)のKClを含む1M Tris −HCl緩衝液(pH8.5)を用意し、ここに、最終濃度が20wt%になるようにポリビニルピロリドン(PVP)を添加し、均一になるまで十分攪拌しゲルを作製した。電解質ゲル層8を覆うように、ガス透過膜9用のシリコーンゴムを塗布・乾燥させて、酸素測定用電極を完成させた。
測定の際には、本酸素電極は電気化学測定器(ALS802 CHl)に接続し、参照電極に対して−0.6Vの電位を印加した。これにより酸素の還元に起因する応答電流を観測することができ、この電流値の大きさから酸素分圧を定量することができる。電極用の金属(白金層3および銀層6)の下面に、抑制層としての金属層(金層2および金層5)を設置した効果を確認するために、本実施例に係る酸素電極を動物の大腿動脈に挿入して測定を行ったところ、動物が動いても長時間安定した応答が得られた。これは、動物実験中に電気的な断線が起こっていないことを示している。
比較として、電極用の金属(白金層3および銀層6)の下面に抑制層としての金属層(金層2および金層5)を設置していない従来型の酸素電極を用いて同様な測定を行ったところ、測定中に動物の動きが生じるたびに応答電流が不安定化した。これは、電極の動物体内への挿入時、或いは、動物体内での曲げにより、電極用の金属膜(白金層3および銀層6)が物理的な断線、再接続が起こっているためであると考えられる。
以上の結果から、本発明によって物理的な断線による動作不能の問題を解決したと言える。また、二酸化炭素、pH電極についても同様な効果が得られる。本実施例では、断線の抑制のための金属層として金を使用したが、銀、銅、アルミニウム、すず、鉛、銅亜鉛合金、ニッケルチタン合金でも同様な効果が得られる。
(第2の実施例)
本実施例では、二酸化炭素分圧を測定する電極(以下、二酸化炭素電極)について説明する。
本実施例では、電極用の金属膜の上側に電気的な断線を回避するための金属層(抑制層)を設置した例を説明する。図2において、ポリイミド基板1上には、作用電極用の白金層3が形成されており、白金層3の上面には、抑制層としての金層2が形成されており、金層2上には、絶縁層としてのポリイミド膜4が形成されている。ポリイミド膜4上には、開口部15が形成されており、開口部15から白金層3が露出している。この開口部15が作用電極の活性部位となる。
また、ポリイミド膜4の開口部15が形成されていない領域の一部には、対向電極用の白金層12が形成されており、白金層12の上面には、抑制層としての金層13が形成されており、金層13上には、絶縁層としてのポリイミド膜14が形成されている。ポリイミド膜14上には、開口部16が形成されており、開口部16から白金層12が露出している。この開口部16が対向電極の活性部位となる。
また、ポリイミド膜14の開口部16が形成されていない領域の一部には、参照電極用の銀層6が形成されており、銀層6の上面には、抑制層としての金層5が形成されており、金層5上には、絶縁層としてのポリイミド膜7が形成されている。ポリイミド膜7上には、開口部17が形成されており、開口部17から銀層6が露出している。この開口部17が参照電極の活性部位となる。
このように、作用電極と参照電極との間に、対向電極を設けた積層体を用いることによって、二酸化炭素電極の小型化が実現できる。
さらに、上記積層体上には、該積層体を覆うように、電解質ゲル層8が形成されている。上記構成では、開口部15、開口部16および開口部17にも電解質ゲルが入り込むので、開口部15を介して白金層3と電解質ゲル層8とが接し、開口部16を介して白金層12と電解質ゲル層8とが接し、また、開口部17を介して銀層6と電解質ゲル層8とが接することになる。電解質ゲル層8上には、二酸化炭素を透過させるガス透過層18が形成されている。
本実施例で説明する二酸化炭素電極は、上述のように、三個の電極を持っているため、第1の実施例に比べて作製工程は電極一個分多くなるが、素子の基本的な作製方法は、実施例1と同じであるため、作製方法の説明は省略する。
しかし、電気的な断線を回避するための金属層(抑制層)が電極用金属膜を覆っているため、すなわち、電極の上面に抑制層が形成されているため、開口部から対応する電極用金属膜の表面を露出させるために、一部この金属層を取り除く必要がある。金属層(抑制層)の除去方法は、アルゴンプラズマによってエッチングする方法や、電気化学的に溶解させる方法がある。本実施例では、アルゴンプラズマによってエッチングする方法について述べる。
すなわち、本実施例では、ポリイミド膜4、7、14の形成時に、ポジ型フォトレジストの露光・現像によって、開口部15、16、17を形成するようにポリイミド膜4、7、14が形成されている。ただし、このとき各開口部から露出している面は、各電極ではなく、開口部15からは金層2が露出し、開口部16からは金層13が露出し、開口部17からは金層5が露出している。そこで、上記積層体が形成され、電解質ゲル層8を形成する前に、開口部内の抑制層を取り除き、開口部から対応する金属を露出させる工程を行う。具体的には、上記積層体が形成された後に、反応性イオンエッチング装置を用いて、100W、アルゴンガスの流量を100sccmに設定して15分間、エッチングを行った。その結果、図2に示すように、開口部は各電極用金属膜まで達し、開口部15からは白金層3が露出し、開口部16からは白金層12が露出し、開口部17からは銀層6が露出した。これにより、各電極が作製された。
その後、電解質ゲル層8とガス透過膜18とを形成した。電解質ゲル層8は、ポリビニルピロリドン、炭酸水素ナトリウム、塩化カリウムを混合して得られたものを用いた(終濃度:ポリビニルピロリドン20wt%、炭酸水素ナトリウム50mM、塩化カリウム0.1M)。
測定前に、参照電極用の銀層6の表面上に塩化銀層を形成した。0.1MKCl−HClバッファー中で電解することにより形成した。二酸化炭素分圧をモニターする際には、作用電極と参照電極とを電気化学測定器に接続し、各電極間の電位差を測定した。
電極用の金属(白金層4、12、および銀層6)の上面に抑制層としての金属層(金層2、13、および5)を設置した効果を確認するために、本実施例に係る二酸化炭素電極を指で折り曲げ、その前後で応答の比較を行った。硫酸と炭酸水素ナトリウム溶液を混合して1mMの二酸化炭素をビーカー内に発生させ、そのときの電位変化量を比較した。
その結果、曲げの前後において電位応答特性は、全く変化が見られず、このときの電位変化量は約50mVであった。比較として、電極用の金属(白金層4、12、および銀層6)の上面に抑制層としての金属層(金層2、13、および5)を設置していない従来型の二酸化炭素電極を用いて同様な実験を行ったところ、電極を曲げる前では約50mVの電位変化量が得られていたのに対し、曲げた後では電位が安定しなかった。これは曲げによって電極が断線したためであると考えられる。
以上の結果から、本発明によって物理的な断線による動作不能の問題を解決したと言える。また、酸素、pH電極についても同様な効果が得られる。本実施例では、断線の抑制のための金属層として金を使用したが、銀、銅、アルミニウム、すず、鉛、銅亜鉛合金、ニッケルチタン合金でも同様な効果が得られる。
なお、上述では、センサーを小型化するために、各電極を積層させているが、これに限定されない。例えば、可撓性を有する基板の同一面内に、各電極を設けるようにしても良い。このときは、各電極の少なくとも一部に接するように、抑制層を形成すれば良い。
本発明の第1の実施例に係る、酸素電極の断面図である。 本発明の第2の実施例に係る、二酸化炭素電極の断面図である。
符号の説明
1 ポリイミド基板
2、5、13 金層
3、12 白金層
4、7、14 ポリイミド膜
6 銀層
8 電解質ゲル層
9、18 ガス透過膜
10、11、15、16、17 開口部

Claims (5)

  1. 電気化学的に測定を行うためのセンサー用電極であって、
    可撓性を有する基板と、
    前記基板上に形成された、複数の電極とを備え
    前記複数の電極の各々には、電極の少なくとも一面の少なくとも一部と接するように、前記電極の展延性よりも高い展延性を有し、導電性を有する、前記電極が破損した際に導電性を確保するための導電性材料が形成されていることを特徴とするセンサー用電極。
  2. 前記複数の電極はそれぞれ、絶縁層を介して積層されていることを特徴とする請求項記載のセンサー用電極。
  3. 前記導電性材料は、金、銀、銅、アルミニウム、スズ、鉛、銅亜鉛合金、ニッケルチタン合金のいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載のセンサー用電極。
  4. 電気化学的に測定を行うためのセンサー用電極の製造方法であって、
    真空中にて、可撓性を有する基板上に、電極用の材料および前記電極用の材料の展延性よりも高い展延性を有し導電性を有する、前記電極が破損した際に導電性を確保するための導電性材料を順に形成して、積層体を形成する工程と、
    前記積層体に対してリフトオフ法を行って、前記導電性材料が少なくとも一部に接するように形成された電極を形成する工程とを有し、
    前記積層体を形成する工程と前記電極を形成する工程とを繰り返して、少なくとも一方の面に前記導電性材料が形成された電極を複数形成することを特徴とするセンサー用電極の製造方法。
  5. 電気化学的に測定を行うためのセンサー用電極の製造方法であって、
    真空中にて、可撓性を有する基板上に、導電性を有する導電性材料および電極用の材料を順に形成して、積層体を形成する工程と、
    前記積層体に対してリフトオフ法を行って、前記導電性材料が少なくとも一部に接するように形成された電極を形成する工程とを有し、
    前記導電性材料は、前記電極の展延性よりも高い展延性を有し、前記電極が破損した際に導電性を確保するための材料であり、
    前記積層体を形成する工程と前記電極を形成する工程とを繰り返して、少なくとも一方の面に前記導電性材料が形成された電極を複数形成することを特徴とするセンサー用電極の製造方法。
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