JP4283194B2 - 消波構造物、消波構造物の構築方法 - Google Patents

消波構造物、消波構造物の構築方法 Download PDF

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Description

本発明は、護岸、防波堤等の消波構造物、消波構造物の構築方法等に関する。より詳細には、港湾施設、発電所等のエネルギー施設、渡海橋、海底トンネル、海上空港、洋上廃棄物処分場等、洋上インフラストラクチャの護岸、防波堤等として用いる消波構造物、消波構造物の構築方法等に関する。
従来、護岸、防波堤として、直立消波堤等が用いられる。直立消波堤は、コンパクトな構造を有し、耐波安定性と消波性能を併せ持つ。直立消波堤としては、直立消波ケーソンと呼ばれる重力式のコンクリート構造物が用いられることが多い。
図8(a)は、従来の直立消波ケーソン51の垂直断面図である。
図8(b)は、従来の直立消波ケーソン51の正面図である。
図8に示す、直立消波ケーソン51は、地盤15上に設けられる捨石マウンド53上に設置される重力式の構造物である。
直立消波ケーソン51は、スリット56を有する前方壁55、後方壁57、遊水室59、側壁(図示しない)等から構成される。
前方壁55は、水を透過可能なスリット56を有する壁であり、外海17に対して前面に設けられる。
スリット56、遊水室59、後方壁57は、消波工としての役割を果たし、中詰砂61は、波力に対する安定を維持するためのウェイトとしての役割を果たす。
また、図9及び図10に示すように、鋼管矢板井筒を基礎とし、上部工として直立消波ケーソン等が設置される消波構造物がある。この従来の消波構造物は、直立消波ケーソンの構成要素のうち、消波に必要となる前面スリット、遊水室、後方壁、側壁のみを上部工として鋼管矢板井筒内に構築したものである。
図9は、鋼管矢板基礎71を示す上面図である。
鋼管矢板基礎71は、鋼管矢板前面3、鋼管矢板後面5、鋼管矢板隔壁73等が梯子状に配置されて構成される。
鋼管矢板前面3、鋼管矢板後面5は、護岸の形状に適するように設けられる鋼管矢板であり、鋼管矢板隔壁73は、鋼管矢板前面3、鋼管矢板後面5とを繋ぐ隔壁である。
鋼管矢板前面3、鋼管矢板後面5、鋼管矢板隔壁73は、それぞれ、複数の鋼管4が継手部6により連結されて構成される。
図10は、鋼管矢板を基礎とする従来の消波構造物87の構築方法を示す図である。
最初に、鋼管矢板3、鋼管矢板5を地盤15に打ち込む(図10(a))。次に、継手処理を行い、井筒内を掘削して敷砂21を配し底盤コンクリート23を打設する(図10(b))。次に、支保工25を設置し井筒内部の水を排水する(図10(c))。堤体81(直立消波ケーソン等の頂版、底版、躯体等)を構築する(図10(d))。支保工25を撤去し、鋼管矢板の水中切断を行い切断部分83及び切断部分85を撤去する(図10(e))。以上の過程を経て、消波構造物87が構築される(図10(f))。
鋼管4の打設後に継手部6をモルタル等により充填して一体化することにより、鋼管矢板前面3及び鋼管矢板後面5の曲げ抵抗、鋼管矢板隔壁73のせん断抵抗が期待でき、杭列と比較して大きな水平耐力を得ることができる。
また、地盤に打設した鋼管により透過壁が形成される消波構造物が提案されている(例えば、[特許文献1]参照。)。
この消波構造物では、地盤から所定の高さまでは継手により鋼管同士を連結して不透過壁面が形成され、さらに上方においては、鋼管間にスリットが形成されて透過壁面が形成される。
特開2004−190403号公報
しかしながら、従来の直立消波ケーソンは、重力式の構造物であるため、比較的水深の大きい軟弱地盤上に構築する場合、耐波安定性を保つため必要となる堤体の重量に海底地盤が耐えられるように地盤改良が必要となるという問題点がある。
また、一般に、直立消波堤の消波性能(例えば、反射率等)に関して、遊水室幅と消波堤を設置する水深での波の波長との比が0.2程度より小さい場合、この比の値が大きいほど反射率が小さくなる傾向がある。従って、反射率を小さくするためには遊水室の幅を大きくとる必要がある。
しかしながら、従来の鋼管矢板井筒を基礎とする消波構造物は、鋼管矢板井筒の内部で堤体等を構築するので、井筒幅を有効活用できないという問題点がある。また、堤体に作用する外力が基礎底版を介して鋼管矢板に伝達されるので、厚い底版が必要となるという問題点がある。
また、[特許文献1]に示す技術では、地盤から所定の高さまでは継手により鋼管同士を連結して不透過壁面が形成されるが、上方においては、施工期間中常時、鋼管間に間隙が形成されるので締切りが行われず、堤体等の上部工等を水中施工する必要があり、労力的負担、費用的負担が増大すると共に、品質を維持できない場合があるという問題点がある。
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、消波性能を維持しつつ、品質及び安定性を向上させ、構造の簡素化を可能とする消波構造物等を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するために第1の発明は、鋼管矢板を基礎とし前方壁、後方壁、堤体を有する消波構造物であって、前記前方壁、前記後方壁、前記堤体により形成される遊水室を具備し、前記前方壁は、複数の内挿柱と前記内挿柱間に形成される水が透過可能なスリットとにより構成され、前記内挿柱は、下端が前記鋼管矢板を構成する鋼管の上部内側に挿入接合され、上端が前記堤体に連結されており、前記スリットは、側方を前記内挿柱に、上方を前記堤体に、下方を前記鋼管矢板に囲まれてなることを特徴とする消波構造物である。
第1の発明の消波構造物では、内挿柱が鋼管矢板前面の鋼管内に挿入され、モルタル等の経時硬化性材料により、内挿柱7と鋼管4とが一体化される。前方壁の各内挿柱間には、水が透過可能なスリットが形成される。
鋼管矢板前面直上に透過壁である前方壁を構築することにより、鋼管矢板井筒の幅を有効活用することができるので、遊水室の幅を増加させて反射率を低減させ消波性能を向上させることができる。
また、透過壁、スリットを形成する内挿柱としては、鋼管、あるいは、鋼管と鉄筋コンクリート柱との複合管等を用いることができる。
また、後方壁は、水底から突出する鋼管矢板後面と一体化して形成するようにしてもよい。尚、後方壁についても前方壁と同様に、内挿柱を用いた構造として水が透過可能な透過壁としてもよい。
また、堤体を支持するアバットメント、追加消波材等の追加部材を設けるようにしてもよい。
第2の発明は、鋼管矢板を基礎とし壁を有する消波構造物の構築方法であって、前記鋼管矢板を構成する複数の鋼管内上部を掘削する工程(a)と、内挿柱を前記掘削した部分に内挿する工程(b)と、前記内挿柱の下端を前記鋼管に接合する工程(c)と、堤体を構築し、前記内挿柱の上端を前記堤体に連結する工程(d)と、前記内挿して接合した位置から上部の前記鋼管矢板を水中切断して撤去することにより、側方を前記内挿柱に、上方を前記堤体に、下方を前記鋼管矢板に囲まれてなる水が透過可能なスリットを形成させる工程(e)と、を具備することを特徴とする消波構造物の構築方法である。
第2の発明は、第1の発明の消波構造物の構築方法に関する発明である。
尚、内挿柱の下端部分に経時硬化性材料を充填することにより、内挿柱の下端を鋼管内に固定して接合することが望ましい。
本発明によれば、消波性能を維持しつつ、品質及び安定性を向上させ、構造の簡素化を可能とする消波構造物等を提供することができる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る消波構造物等の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明及び添付図面において、略同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略することにする。
最初に、図1を参照しながら、本発明の第1の実施の形態に係る消波構造物1の構成について説明する。
図1(a)は、消波構造物1の垂直断面図である。
図1(b)は、消波構造物1の正面図である。
消波構造物1は、鋼管矢板前面3、鋼管矢板後面5、内挿柱7、堤体9等により構成される。
消波構造物1は、鋼管矢板を基礎とする消波堤、護岸等の消波構造物である。
鋼管矢板前面3は、外海17に対して鋼管矢板後面5の前方に設けられる鋼管矢板であり、地盤15に打設される。
鋼管矢板後面5は、外海17に対して鋼管矢板前面3の後方に設けられる鋼管矢板であり、地盤15に打設される。
鋼管矢板前面3及び鋼管矢板前面5は、複数の鋼管4が継手部6により連結されて構成される。
内挿柱7は、鋼管矢板前面3の直上に設けられる柱状部材である。内挿柱7の下端は、鋼管矢板前面3を構成する鋼管4の内側上部に連結され、内挿柱7の上端は、堤体9に連結される。
堤体9は、鋼管矢板前面3及び鋼管矢板後面5等から構成される鋼管矢板を基礎とする躯体であり、頂版、底版等を形成する。
前方壁11は、水が透過可能な透過壁である。前方壁11は、内挿柱7等により構成され、鋼管矢板前面3の直上に設けられる。
後方壁13は、水が透過不能な壁状部材である。後方壁13は、地盤15から突出する鋼管矢板後面5、堤体9等により構成され、前方壁11の後方に設けられる。
遊水室14は、消波を行うための水室であり、堤体9、前方壁11、後方壁13、側壁(図示しない)等により形成される。
前方壁11を形成する内挿柱7の間には、スリット12が形成され、水位19がスリット12の高さにある場合、水は、遊水室14に対して流入流出可能である。
次に、図2を参照しながら、消波構造物1の構築方法について説明する。
図2は、消波構造物1の構築方法を示す図である。
鋼管矢板前面3、鋼管矢板後面5を地盤15に打ち込み、継手処理を行い、井筒内を掘削して敷砂21を配して底盤コンクリート23を打設し、支保工25を設置し、井筒内部の水を排水してドライアップを行う(図2(a))。
尚、図2(a)までの工程は、先述の図10(a)〜図10(c)までの工程と同様である。
続いて、鋼管矢板前面3の鋼管4の上部内側の掘削を行い、掘削した部分に内挿柱7を内挿して設置する(図2(b))。鋼管4内において内挿柱7の下端部分に、モルタル27等の経時硬化性材料を充填して、内挿柱7の下端部分と鋼管4とを連結固定して接合する(図2(c))。鋼管矢板井筒内において、底版コンクリート等の打設を行い、堤体9を構築し、支保工25を撤去する(図2(d))。内挿柱7の下端部分から上方の鋼管矢板前面3を水中切断し、切断部分29を撤去して根固めを行う(図2(e))。以上の過程を経て、消波構造物1が構築される(図2(f))。
尚、消波構造物1は、内挿柱7を用いて水が透過可能な前方壁11を形成するので、後方壁13の構造として種々の形態を採ることができる。例えば、図1に示すように、鋼管矢板後面5と一体として後方壁13を構築することができる。
このように、第1の実施の形態に係る消波構造物1では、透過壁を構成する内挿柱7が鋼管矢板前面3の鋼管4内に挿入され、モルタル等の経時硬化性材料により、内挿柱7と鋼管4とが一体化される。すなわち、鋼管矢板前面3直上に透過壁である前方壁11を構築することにより、その分遊水室14の幅を大きくすることができ、反射率を低減して消波性能を向上させることができる。
消波構造物1は、鋼管矢板井筒の幅を最大限に利用することができ、所定の反射率を実現させるために必要な井筒幅を最小限に抑制することができる。
また、後方壁13を鋼管矢板後面5と一体化した複合構造壁とすることにより、後方壁13の厚さを最小限に抑えることができる。
また、堤体等の上部工等に作用する断面力を下部構造に直接伝えることが可能となるため、底版を薄くすることができ、堤体の軽量化を図ることができる。
また、鋼管矢板の水中切断(図2(e))以外に水中作業がないので、労力的負担、費用的負担を軽減すると共に、消波構造物1の品質を向上させることができる。
また、内挿柱は、工場等において予め施工されるので、品質を向上させることができる。
次に、図3を参照しながら、第2の実施の形態に係る消波構造物1aについて説明する。
図3は、消波構造物1aの垂直断面図である。
消波構造物1は、内挿柱7を用いて水が透過可能な前方壁11を形成するので、後方壁13の構造として種々の形態を採ることができる。
消波構造物1aでは、鋼管矢板前面3と同様に鋼管矢板後面5についても水中切断を行い、RC造(鉄筋コンクリート造)により後方壁13aが形成される。堤体9の後方壁13aと底版との間には、アバットメント31が設けられる。
アバットメント31は、堤体9自身の荷重、後方壁13a方向からの水圧、土圧等を支持する。
第2の実施の形態に係る消波構造物1aを用いた場合にも、第1の実施の形態の消波構造物1を用いた場合と同様の効果を得ることができる。
次に、図4を参照しながら、第3の実施の形態に係る消波構造物1bについて説明する。
図4は、消波構造物1bの垂直断面図である。
消波構造物1は、内挿柱7を用いて前方壁11を形成するので、後方壁13の構造として種々の形態を採ることができる。
消波構造物1bでは、鋼管矢板前面3と同様に鋼管矢板後面5についても水中切断を行い、RC造(鉄筋コンクリート造)により後方壁13bが形成される。遊水室14内において、堤体9の頂版と底版との間には、付加消波材33が設けられる。
付加消波材33は、柱状部材、穴空き版等であり、堤体9自身の荷重等を支持する。
第3の実施の形態に係る消波構造物1cを用いた場合にも、第1の実施の形態の消波構造物1を用いた場合と同様の効果を得ることができ、特に、護岸の高さが高い場合、水位19高い場合等に対応することができる。
次に、図5を参照しながら、第4の実施の形態に係る消波構造物1cについて説明する。
図5(a)は、消波構造物1cの垂直断面図である。
図5(b)は、消波構造物1cの上面図である。
第1の実施の形態の消波構造物1では、透過壁である前方壁11の後方に設けられる後方壁13については、水が透過不能な壁状部材であるものとして説明したが、後方壁13についても透過壁である前方壁11と同様の構造を採ることができる。
消波構造物1cは、鋼管矢板前面3、鋼管矢板後面5、堤体9、前方壁11、後方壁13c等から構成される。
前方壁11は、鋼管矢板前面3の直上に設けられる。前方壁11は、内挿柱7−1等により構成される。内挿柱7−1間には、スリットが形成され、水が透過可能である。
後方壁13cは、鋼管矢板前面5の直上に設けられる。後方壁13cは、内挿柱7−2等により構成される。内挿柱7−2間には、スリットが形成され、水が透過可能である。
このように、第4の実施の形態に係る消波構造物1cは、前方壁11及び後方壁13cを共に水が透過可能な透過壁とすることにより、消波構造物1cを透過堤として用いることができる。
次に、図6及び図7を参照しながら、内挿柱7、内挿柱7aについて説明する。
図6(a)、図6(b)は、それぞれ、内挿柱7の正面図、上面図である。
図7(a)、図7(b)は、それぞれ、内挿柱7aの正面図、上面図である。
鋼管矢板内に内挿される内挿柱7により透過壁、スリットが形成されるが、内挿柱7の形状、材料等により、種々の透過壁、スリットを構築することができる。
図6に示す内挿柱7は、鋼管35により構成される。
図7に示す内挿柱7aは、図6に示す内挿柱7の鋼管35の中央部にRC製等の柱部材41が外挿されて構成される。尚、柱部材41の形状は、RC角柱に限られず種々の材質、形状を採ることができる。
鋼管35の上端部には、鋼製のコネクタ37が設けられ、鋼管35の下端部には鋼製のコネクタ39が設けられる。コネクタ37は、堤体9の頂版に連結され固定され、コネクタ39は、鋼管矢板3内あるいは鋼管矢板5内に連結され固定される。
尚、内挿柱7、内挿柱7aのうち、鋼管矢板内にモルタル等で埋め込まれる部分及び堤体9の頂版に埋め込まれる部分は、鋼製でコネクタが先付けされていることが望ましい。
また、内挿柱7、内挿柱7aの中央部分は、海水等に直接接するので、鋼製、プレキャストRC/PC製等として構造耐力を確保し、防食被覆等を施すことにより防食性を確保して海水等に対する耐久性を向上させることが望ましい。
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、消波構造物は、鋼管矢板前面直上に透過壁である前方壁を構築することにより、鋼管矢板井筒の幅を最大限に利用することができ、所定の反射率を実現させるために必要な井筒幅を最小限に抑制することができる。
また、後方壁を鋼管矢板後面と一体化した複合構造壁とすることにより、後方壁の厚さを最小限に抑えることができる。
また、鋼管矢板の水中切断以外に水中作業がないので、消波構造物の品質を向上させることができる。
また、鋼管矢板を井筒状に打設して、頂部を頂版コンクリートで剛結することにより剛性の大きな消波構造、護岸構造を構築でき、鋼管矢板井筒自体のせん断抵抗力で外力に抵抗できるために中詰土を必要としない。従って、鋼管矢板井筒の幅を小さくして費用的負担を軽減することができる。
また、軟弱地盤上に構造物を構築するための基礎としては、杭構造や矢板構造がある。杭構造では消波を目的とした構造物に作用する強大な波力や土圧、地震時の水平力に対抗するだけの水平抵抗力を得ることが困難であり、矢板構造では適用できる水深に限界があるという問題点がある。本発明の消波構造物では、鋼管矢板井筒基礎を用いることにより、これらの問題点を解決することができる。
以上、添付図面を参照しながら、本発明にかかる消波構造物等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
消波構造物1の垂直断面図及び正面図 消波構造物1の構築方法を示す図 消波構造物1aの垂直断面図 波構造物1bの垂直断面図 消波構造物1cの垂直断面図及び上面図 内挿柱7の正面図及び上面図 内挿柱7aの正面図及び上面図 従来の直立消波ケーソン51の垂直断面図及び正面図 鋼管矢板基礎71を示す上面図 従来の消波構造物87の構築方法を示す図
符号の説明
1、1a、1b、1c………消波構造物
3………鋼管矢板前面
4………鋼管
5………鋼管矢板後面
6………継手部
7、7a、7−1、7−2………内挿柱
9………堤体
11………前方壁
12………スリット
13、13a、13b、13c………後方壁
27………モルタル
29………切断部分
31………アバットメント
33………付加消波材
35………鋼管
37、39………コネクタ
41………柱部材

Claims (7)

  1. 鋼管矢板を基礎とし前方壁、後方壁、堤体を有する消波構造物であって、
    前記前方壁、前記後方壁、前記堤体により形成される遊水室を具備し、
    前記前方壁は、複数の内挿柱と前記内挿柱間に形成される水が透過可能なスリットとにより構成され、
    前記内挿柱は、下端が前記鋼管矢板を構成する鋼管の上部内側に挿入接合され、上端が前記堤体に連結されており、前記スリットは、側方を前記内挿柱に、上方を前記堤体に、下方を前記鋼管矢板に囲まれてなることを特徴とする消波構造物。
  2. 前記後方壁は、水底から突出する前記鋼管矢板と一体化されて形成されることを特徴とする請求項1に記載の消波構造物。
  3. 前記内挿柱は、鋼管あるいは鋼管と鉄筋コンクリート柱との複合管を有することを特徴とする請求項1に記載の消波構造物。
  4. 前記堤体を支持する追加部材を具備することを特徴とする請求項1に記載の消波構造物。
  5. 前記後方壁は、複数の内挿柱と前記内挿柱間に形成される水が透過可能なスリットとにより構成され、
    前記内挿柱は、下端が前記鋼管矢板を構成する鋼管の上部内側に挿入接合され、上端が前記堤体に連結されており、前記スリットは、側方を前記内挿柱に、上方を前記堤体に、下方を前記鋼管矢板に囲まれてなることを特徴とする請求項1に記載の消波構造物。
  6. 鋼管矢板を基礎とし壁を有する消波構造物の構築方法であって、
    前記鋼管矢板を構成する複数の鋼管内上部を掘削する工程(a)と、
    内挿柱を前記掘削した部分に内挿する工程(b)と、
    前記内挿柱の下端を前記鋼管に接合する工程(c)と、
    堤体を構築し、前記内挿柱の上端を前記堤体に連結する工程(d)と、
    前記内挿して接合した位置から上部の前記鋼管矢板を水中切断して撤去することにより、側方を前記内挿柱に、上方を前記堤体に、下方を前記鋼管矢板に囲まれてなる水が透過可能なスリットを形成させる工程()と、
    を具備することを特徴とする消波構造物の構築方法。
  7. 前記工程(c)は、前記鋼管内において前記内挿柱の下端部分に経時硬化性材料を充填することにより、前記内挿柱を接合することを特徴とする請求項に記載の消波構造物の構築方法
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