JP4109431B2 - 遊水室を有する水域構造物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、岸壁や突堤などの荷揚げ用水域構造物、護岸用構造物、防波構造物、堤防構造物等に用いられる遊水室を有する水域構造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、岸壁等に用いられる遊水室を有する水域構造物は、本出願人の先願発明に係る特開平10−102458号及び特開平10−102549号が知られている。この水域構造物は、概要、鋼矢板または鋼管矢板を継手を嵌合させながら水底地盤に打設すると共に、所定の間隔をあけて2列構築し、前後の鋼管矢板列の上部間はコンクリート製上部工で結合して構築するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術では、不透過壁体の前面に消波装置が存在しないため、海面に生じる波の反射波高が大きくなり、水域構造物の前面水域の静穏度が悪く、利用上支障を来たすといった問題があった。本発明は、前記の問題を解決した遊水室を有する水域構造物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記の問題点を解決するために、本発明の水域構造物は、次のように構成する。
【0005】
請求項1記載の発明は、少なくとも水底地盤(13)の地盤面下の所定位置から水面下の所定位置まで連続して第1の継手(1a)、第2の継手(1b)を備えた多数の上部透過壁体構成部材(2)が、前記第1の継手(1a)、前記第2の継手(1b)を嵌合させて水底地盤(13)に打設等の手段で配置され、嵌合された第1の継手(1a)、第2の継手(1b)の上方に通水用スリット(3)を有する上部透過壁体(4)が構成され、前記上部透過壁体構成部材(2)の頭部が第1の構造物延長方向連結材(30)で連結され、前記上部透過壁体(4)と所定距離を隔てた背後側の位置において、第3の継手(5a)、第4の継手(5b)を備えた多数の上部不透過壁体構成部材(6)が、前記第3の継手(5a)、第4の継手(5b)を嵌合させて水底地盤(13)に打設等の手段で配置されて不透過壁体(8)が構成され、前記上部不透過壁体構成部材(6)の頭部が第2の構造物延長方向連結材(31)で連結され、前記不透過壁体(8)と所定距離を隔てた背後側の位置において、後方杭(17)が水底地盤(13)に打設等の手段で配置され、前記不透過壁体(8)の上部から水底地盤(13)に向かって斜め下向きに延長する多数の斜材(14)が配置され、前記斜材(14)の上端部は第1の上方結合部(A)に結合され、前記斜材(14)の下端部には杭挿通用下部筒体(15)が連結され、前記下部筒体(15)には後方杭(17)が挿通され、前記下部筒体(15)と前記後方杭(17)とにより形成された空間部にはモルタル等の経時硬化性材料(18)が充填され、前記下部筒体(15)は前記後方杭(17)の中間部に結合され格点(19)が形成され、前記不透過壁体(8)と上部透過壁体(4)の間には、上記水底地盤(13)から第2の構造物延長方向連結材(31)の上表面の高さの1/2程度の高さまで土砂等の中詰材(21)が配置され、前記格点(19)の高さは、前記中詰材(21)の上面に設けられた表面保護層(23)の近傍に位置し、前記不透過壁体(8)の背後に裏埋材(20)が適宜高さまで配置されている。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記上部透過壁体構成部材(2)と上部不透過壁体構成部材(6)と後方杭(17)の頭部は上部鋼製梁(11)により連結され、後方杭(17)と上部不透過壁体構成部材(6)の間に位置する部位が経時硬化性材料が打設されていない表面露出部(11a)とされ、この表面露出部(11a)には防食が施されていることを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、さらに前記上部透過壁体構成部材(2)と上部不透過壁体構成部材(6)との間に位置する部位が経時硬化性材料が打設されていない表面露出部(11a)とされ、この表面露出部(11a)には防食が施されていることを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のうち何れか1項記載の発明において、前記後方杭(17)の頭部が構造物延長方向連結材(32)で連結されていることを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のうち何れか1項記載の発明において、前記上部透過壁体構成部材(2)の頭部が第1の構造物延長方向連結材(30)で連結され、前記第1の構造物延長方向連結材(30)と、上部透過壁体構成部材(2)の頭部と上部不透過壁体構成部材(6)の頭部を連結させる第1の断面方向連結材(CA)との交差部を含む第3の上方結合部(C)が形成され、前記上部不透過壁体構成部材(6)の頭部が第2の構造物延長方向連結材(31)で連結され、前記第2の構造物延長方向連結材(31)と、第1の断面方向連結材(CA)および、後方杭(17)と上部不透過壁体構成部材(6)の頭部を連結させる第2の断面方向連結材(AB)の交差部を含む第1の上方結合部(A)が形成され、前記後方杭(17)の頭部が第3の構造物延長方向連結材(32)で連結され、前記第3の構造物延長方向連結材(32)と第2の断面方向連結材(AB)の交差部を含む第2の上方結合部(B)が形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、少なくとも第3の構造物延長方向連結材(32)と第2の断面方向連結材(AB)との交差部を含む第2の上方結合部(B)が形成され、第2の構造物延長方向連結材(31)と第2の断面方向連結材(AB)の交差部を含む第1の上方結合部(A)が形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項5記載の発明において、少なくとも第1の構造物延長方向連結材(30)と第1の断面方向連結材(CA)との交差部を含む第3の上方結合部(C)が形成され、第2の構造物延長方向連結材(31)と第1の断面方向連結材(CA)の交差部を含む第1の上方結合部(A)が形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項8記載の発明は、請求項5〜7のうち何れか1項記載の発明において、第1の断面方向連結材(CA)が鉄筋コンクリートまたは鉄骨鉄筋コンクリートであることを特徴とする。
【0014】
請求項9記載の発明は、請求項5〜7のうち何れか1項記載の発明において、第1の断面方向連結材(CA)が防食または非防食の鋼製梁であることを特徴とする。
【0015】
請求項10記載の発明は、請求項5〜9のうち何れか1項記載の発明において、第2の断面方向連結材(AB)が鉄筋コンクリートまたは鉄骨鉄筋コンクリートであることを特徴とする。
【0016】
請求項11記載の発明は、請求項5〜9のうち何れか1項記載の発明において、第2の断面方向連結材(AB)が防食または非防食の形鋼または鋼管等の鋼製梁材であることを特徴とする。
【0017】
請求項12記載の発明は、請求項1記載の発明において、杭挿通用下部筒体(15)の内面には、適宜間隔でずれ止め用の突起(16a)が設けられ、後方杭(17)の少なくとも前記下部筒体(15)に挿通される部分の外周面には適宜間隔でずれ止め用の突起(16)が設けられていることを特徴とする。
【0018】
請求項13記載の発明は、請求項5〜12の何れか1項に記載の発明において、土砂等の中詰材(21)の表面に表面保護層(23)が設けられていることを特徴とする。
【0019】
請求項14記載の発明は、請求項1〜13の何れか1項に記載の発明において、上部透過壁体構成部材(2)及び上部不透過壁体構成部材(6)が鋼管矢板であることを特徴とする。
【0020】
請求項15記載の発明は、請求項1〜13の何れか1項に記載の発明において、上部不透過壁体構成部材(6)が鋼矢板であることを特徴とする。
【0021】
【作用】
本発明によると、二重壁構造物の連続壁を、海水が透過できるスリット等がある透過構造にしているので、消波効果を発現するのに必要な遊水室の役割を果たす中空室を有していることと相俟って、消波効果を発揮でき、反射波高を低減できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に本発明を図示の実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0023】
図1〜図4は、第1実施形態に係る水域構造物を示すものである。まず、下側の所定箇所に、T字状の鋼製継手1と嵌合溝5を有する鋼製パイプからなる継手1a、1bを備えた鋼管矢板からなる多数の上部透過壁体構成部材2を、前記各継手1a、1bを相互に噛み合わせた状態で支持地盤層(図示を省略する)内に到達するまで水底地盤13に打設する。これにより上側に通水用スリット3を有する上部透過壁体4が構成される。上側の通水用スリット3は、継手1a、1bの上端(イ)を上部透過壁体構成部材2の頭部が連結されるコンクリート製上部工12における構造物延長方向連結材30の下面(ロ)よりも所定寸法Lだけ下げることで、鋼管矢板本体の間に形成される。また、通水用スリット3は各上部透過壁体構成部材2を繋ぐ全ての継手1a、1bに設けてもよいし、1個あるいは複数の継手毎に間隔を置いて設けても何れでもよい。また、所定寸法Lは各継手毎に異なってもよい。
【0024】
前記上部透過壁体4に対向して所定間隔を隔てた後方位置には、不透過壁体8が構成される。不透過壁体8は、上端まで伸びるT字状の鋼製継手1と嵌合溝5を有する鋼製パイプからなる継手5a、5bを備えた鋼管矢板からなる多数の上部不透過壁体構成部材6を、前記継手5a、5bを相互に噛み合わせた状態で、支持地盤層(図示を省略する)内に到達するまで水底地盤13に打設することで構成される。上部不透過壁体構成部材6の上端は、コンクリート製上部工12における構造物延長方向連結材31に結合されている。
【0025】
前記上部不透過壁体構成部材6に対向して所定間隔を隔てた後方位置において、構造物延長方向に所定間隔で鋼管製の後方杭17が、支持地盤層(図示を省略する)内に到達するまで水底地盤13に打設されている。後方杭17の上端は、コンクリート製上部工12における構造物延長方向連結材32の上方結合部Bに結合されている。コンクリート製上部工12は、上部透過壁体構成部材2と上部不透過壁体構成部材6と後方杭17の頭部を連結するH型鋼からなる上部鋼製梁11にコンクリートを打設してなる鉄骨鉄筋コンクリート製または鉄筋コンクリート製で構築するもので、上部鋼製梁11は、防食が施されていても非防食であっても構わない。
【0026】
前記不透過壁体8の上部から水底地盤13に向かって斜め下向きに延長する多数の斜材14が構造物延長方向に適宜の間隔を隔てて配置され、前記斜材の下端部には、杭挿通用下部筒体15が連結され、この下部筒体15に後方杭17が挿通されている。図4に示すように、前記下部筒体15で覆われる後方杭17の外周面に複数のずれ止め用の突起16を固着し、杭挿通用下部筒体15の内面には、適宜間隔でずれ止め用の突起16aを設けると共に、下部筒体4の下端内周部にシーリング24を配置し、グラウト注入用ホースを介して、後方杭17と下部筒体15とにより形成された空間部には、モルタル等の経時硬化性材料18が充填され、この下部筒体15は、前記後方杭17の中間部に結合され格点19を形成している。前記斜材14の上端部は、上方結合部Aに結合されている。
【0027】
このように、斜材14を設けることで構造体の水平方向の耐荷機能が向上する。下部筒体15と斜材14は裏埋材20の中に位置している。斜材14の上端部と不透過壁体構成部材6の上端部は、上方結合部Aにおいて連結されている。
【0028】
前記不透過壁体8の背面側は裏埋材20が適宜高さまで充填されていると共に、上部透過壁体4と不透過壁体8の間には、適宜高さまで土砂等の中詰材21が充填されて、この土砂等の中詰材21の上側でかつ上部透過壁体4と不透過壁体8の間に遊水室22が形成されている。土砂等の中詰材21の上面には、表面保護層23が設けられていて、この表面保護層23は、水平な面であり、前部の継手1a、1bの上端(イ)は表面保護層23と略同一レベルか若干高い位置に設けられる。なお、この表面保護層23(土砂等の中詰材21の表面)は、後方から前方に向かって低くなるように傾斜した斜面、あるいは、斜面と水平面を組合わせた形状等の任意形状であっても構わない。
【0029】
前述のように構成される前部の透過壁体4と後部の不透過壁体8の間で土砂等の中詰材21の上に設けた遊水室22には、海水が透過壁体4の上部の通水用スリット3を通って出入し、このとき波の勢いが減衰されて消波効果が発揮される。25は海水面である。
【0030】
なお、前記通水用スリット3の幅をD1とし、かつ上部透過壁体構成部材2の配置間隔をD2とすると、D1/D2は約5〜35%に設定され、好ましくは10〜20%である。
【0031】
図5〜図11は、第2〜第8実施形態に係る水域構造物を示すものであって、この第2〜第8実施形態は、第1実施形態の変形例ともいうべきもので、基本構造は第1実施形態と同じであるので、以下の各説明では、第1実施形態と同一の構成要素には共通の符号を付して重複説明を省略し、相違する構成について説明する。
【0032】
図5は第2実施形態を示し、上部透過壁体構成部材2と上部不透過壁体構成部材6と後方杭17の頭部を連結するH型鋼製の上部鋼製梁11において、後方杭17と上部不透過壁体構成部材6の間、すなわち断面方向連結材ABに位置する部位がコンクリート等の経時硬化性材料が打設されていない、表面露出部11aとされていて、裏埋材20に埋設されている。この表面露出部11aには防食が施されていても、防食が施されていなくともよい。他の構成は第1実施形態と同じである。
【0033】
図6は第3実施形態を示し、上部透過壁体構成部材2と上部不透過壁体構成部材6と後方杭17の頭部を連結するH型鋼製の上部鋼製梁11において、後方杭17と上部不透過壁体構成部材6の間および、上部透過壁体構成部材2と上部不透過壁体構成部材6の間、すなわち断面方向連結材ABとCAの部位がコンクリート等の経時硬化性材料が打設されていない、表面露出部11a、11bとされていて、表面露出部11aは裏埋材20に埋設されるので必要に応じて防食を施し、表面露出部11bにあっては、海水がかかることが多いために必ず防食が施されている例を示す。
【0034】
図7は第4実施形態を示し、この実施形態では、上部透過壁体構成部材2と上部不透過壁体構成部材6と後方杭17の頭部を連結する断面方向連結材ABとCAのうち、断面方向連結材CAが省略され空孔26が形成され、かつこの断面方向連結材CAにおいて鋼製梁11が省略された例が示されている。他の構成は第1実施形態と同じである。
【0035】
図8は第5実施形態を示し、この実施形態では、上部透過壁体構成部材2と上部不透過壁体構成部材6と後方杭17の頭部を連結する鋼製梁11のうち、上部透過壁体構成部材2と上部不透過壁体構成部材6の間を結合する断面方向連結材CAにおける鋼製梁11が省略されている。断面方向連結材ABは鉄骨鉄筋コンクリート製とされ、また、断面方向連結材CAは単に鉄筋コンクリート製とされた例を示す。他の構成は第1実施形態と同じである。
【0036】
図9は第6実施形態を示し、この実施形態では、上部透過壁体構成部材2と上部不透過壁体構成部材6と後方杭17の頭部を連結する鋼製梁11のうち、後方杭17と上部不透過壁体構成部材6の間を結合する鋼製梁11が省略されていると共に、後方杭17と上部不透過壁体構成部材6の間を結合する断面方向連結材ABが省略され空孔26が形成され、この空孔26に裏埋材20が充填されており、さらに、上部透過壁体構成部材2と上部不透過壁体構成部材6の間を結合する断面方向連結材CAには空孔26が形成されていて、この空孔26の部位において、鋼製梁11は非コンクリート打設の表面露出部11bとされた例が示されている。他の構成は第1実施形態と同じである。
【0037】
図10は第7実施形態を示し、この実施形態では、上部透過壁体構成部材2と上部不透過壁体構成部材6と後方杭17の頭部を連結する鋼製梁11は使用されていないと共に、上部透過壁体構成部材2と上部不透過壁体構成部材6の間を結合する断面方向連結材CAは、鉄骨不使用の、鉄筋コンクリート製であり、また、後方杭17と上部不透過壁体構成部材6の間を結合する断面方向連結材ABが省略されている例が示されている。また、後方杭17の頭部の構造物延長方向連結材も省略されている。
【0038】
図11は第8実施形態を示し、この実施形態では、第7実施形態の構成に加えて、上部不透過壁体構成部材6の頭部と後方杭17の頭部の間をタイ材27で結合した例を示す。タイ材27の両端を上部不透過壁体構成部材6の頭部と後方杭17の頭部に定着する手段は任意であるが、図示例では、上部不透過壁体構成部材6の頭部と後方杭17の頭部に切欠きを設け、載置した溝形鋼28の間で端部に係止部材29を設けたタイ材27の両端を挟持することで、前記各部材の頭部に固着している。
【0039】
本発明の水域構造物における土砂等の中詰材21は、上部透過壁体4と不透過壁体8を構築後、その間に充填投入してもよい。また、上部透過壁体4を構築後、その前面を浚渫することによって形成してもよい。
【0040】
以上の実施形態により本発明を説明してきたが、本発明の請求の範囲はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、図12に示すように、上部透過壁体4の継手1a、1bを海水面付近にも設けて、通水用スリット3が水没しているような構成としてもよい。
【0041】
【発明の効果】
本発明によると、不透過壁体8の前面の所定位置に上部透過壁体4と消波効果を発現するのに必要な遊水室の役割を果たす中空室を有する消波装置が設けられているので消波効果を発揮でき、反射波高を低減することができる。また、後方杭17と斜材14が不透過壁体8の背後に配置されているので、水平方向の耐荷機能が優れている。
【0042】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る遊水室を有する水域構造物を示す縦断側面図である。
【図2】図1の壁体構成部材と後方杭の配置態様を示す平面説明図である。
【図3】図1における継手の詳細図である。
【図4】図1における杭挿通用筒体と後方杭の挿入部の拡大断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る遊水室を有する水域構造物を示す縦断側面図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る遊水室を有する水域構造物を示す縦断側面図である。
【図7】本発明の第4実施形態に係る遊水室を有する水域構造物を示す縦断側面図である。
【図8】本発明の第5実施形態に係る遊水室を有する水域構造物を示す縦断側面図である。
【図9】本発明の第6実施形態に係る遊水室を有する水域構造物を示す縦断側面図である。
【図10】本発明の第7実施形態に係る遊水室を有する水域構造物を示す縦断側面図である。
【図11】本発明の第8実施形態に係る遊水室を有する水域構造物を示す縦断側面図である。
【図12】上部透過壁体の継手を、海水面付近にも設けた場合における遊水室を有する水域構造物を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
【0043】
1 鋼製継手
1a、1b 継手
2 上部透過壁体構成部材
3 通水用スリット
4 上部透過壁体
5 嵌合溝
5a、5b 継手
6 上部不透過壁体構成部材
8 不透過壁体
11 上部鋼製梁
11a、b 表面露出部
12 コンクリート製上部工
13 水底地盤
14 斜材
15 杭挿通用筒体
16 、16a ずれ止め用突起
17 後方杭
18 経時硬化性材料
19 格点部
20 裏埋材
21 土砂等の中詰材
22 遊水室
23 表面保護層
24 シーリング
25 海水面
26 空孔
27 タイ材
28 溝形鋼
29 係止部材
30 構造物延長方向連結材
31 構造物延長方向連結材
32 構造物延長方向連結材
A 上方結合部
B 上方結合部
C 上方結合部
AB 断面方向連結材
CA 断面方向連結材

Claims (15)

  1. 少なくとも水底地盤(13)の地盤面下の所定位置から水面下の所定位置まで連続して第1の継手(1a)、第2の継手(1b)を備えた多数の上部透過壁体構成部材(2)が、前記第1の継手(1a)、前記第2の継手(1b)を嵌合させて水底地盤(13)に打設等の手段で配置され、嵌合された第1の継手(1a)、第2の継手(1b)の上方に通水用スリット(3)を有する上部透過壁体(4)が構成され、
    前記上部透過壁体構成部材(2)の頭部が第1の構造物延長方向連結材(30)で連結され、
    前記上部透過壁体(4)と所定距離を隔てた背後側の位置において、
    第3の継手(5a)、第4の継手(5b)を備えた多数の上部不透過壁体構成部材(6)が、前記第3の継手(5a)、第4の継手(5b)を嵌合させて水底地盤(13)に打設等の手段で配置されて不透過壁体(8)が構成され、
    前記上部不透過壁体構成部材(6)の頭部が第2の構造物延長方向連結材(31)で連結され、
    前記不透過壁体(8)と所定距離を隔てた背後側の位置において、
    後方杭(17)が水底地盤(13)に打設等の手段で配置され、
    前記不透過壁体(8)の上部から水底地盤(13)に向かって斜め下向きに延長する多数の斜材(14)が配置され、前記斜材(14)の上端部は第1の上方結合部(A)に結合され、前記斜材(14)の下端部には杭挿通用下部筒体(15)が連結され、前記下部筒体(15)には後方杭(17)が挿通され、前記下部筒体(15)と前記後方杭(17)とにより形成された空間部にはモルタル等の経時硬化性材料(18)が充填され、前記下部筒体(15)は前記後方杭(17)の中間部に結合され格点(19)が形成され、
    前記不透過壁体(8)と上部透過壁体(4)の間には、上記水底地盤(13)から第2の構造物延長方向連結材(31)の上表面の高さの1/2程度の高さまで土砂等の中詰材(21)が配置され、
    前記格点(19)の高さは、前記中詰材(21)の上面に設けられた表面保護層(23)の近傍に位置し、
    前記不透過壁体(8)の背後に裏埋材(20)が適宜高さまで配置されていることを特徴とする遊水室を有する水域構造物。
  2. 前記上部透過壁体構成部材(2)と上部不透過壁体構成部材(6)と後方杭(17)の頭部は上部鋼製梁(11)により連結され、後方杭(17)と上部不透過壁体構成部材(6)の間に位置する部位が経時硬化性材料が打設されていない表面露出部(11a)とされ、この表面露出部(11a)には防食が施され又は非防食であることを特徴とする請求項1記載の水域構造物。
  3. さらに前記上部透過壁体構成部材(2)と上部不透過壁体構成部材(6)との間に位置する部位が経時硬化性材料が打設されていない表面露出部(11a)とされ、この表面露出部(11a)には防食が施され又は非防食であること
    を特徴とする請求項1又は2記載の水域構造物。
  4. 前記後方杭(17)の頭部が第3の構造物延長方向連結材(32)で連結されていることを特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項記載の遊水室を有する水域構造物。
  5. 前記上部透過壁体構成部材(2)の頭部が第1の構造物延長方向連結材(30)で連結され、前記第1の構造物延長方向連結材(30)と、上部透過壁体構成部材(2)の頭部と上部不透過壁体構成部材(6)の頭部を連結させる第1の断面方向連結材(CA)との交差部を含む第3の上方結合部(C)が形成され、
    前記上部不透過壁体構成部材(6)の頭部が第2の構造物延長方向連結材(31)で連結され、前記第2の構造物延長方向連結材(31)と、第1の断面方向連結材(CA)および、後方杭(17)と上部不透過壁体構成部材(6)の頭部を連結させる第2の断面方向連結材(AB)の交差部を含む第1の上方結合部(A)が形成され、
    前記後方杭(17)の頭部が第3の構造物延長方向連結材(32)で連結され、前記第3の構造物延長方向連結材(32)と第2の断面方向連結材(AB)の交差部を含む第2の上方結合部(B)が形成されていることを特徴とする請求項1記載の遊水室を有する水域構造物。
  6. 少なくとも第3の構造物延長方向連結材(32)と第2の断面方向連結材(AB)との交差部を含む第2の上方結合部(B)が形成され、第2の構造物延長方向連結材(31)と第2の断面方向連結材(AB)の交差部を含む第1の上方結合部(A)が形成されていることを特徴とする請求項5項記載の遊水室を有する水域構造物。
  7. 少なくとも第1の構造物延長方向連結材(30)と第1の断面方向連結材(CA)との交差部を含む第3の上方結合部(C)が形成され、第2の構造物延長方向連結材(31)と第1の断面方向連結材(CA)の交差部を含む第1の上方結合部(A)が形成されていることを特徴とする請求項5記載の遊水室を有する水域構造物。
  8. 第1の断面方向連結材(CA)が鉄筋コンクリートまたは鉄骨鉄筋コンクリートであることを特徴とする請求項5〜7の何れか1項記載の遊水室を有する水域構造物。
  9. 第1の断面方向連結材(CA)が防食または非防食の鋼製梁であることを特徴とする請求項5〜7の何れか1項に記載の遊水室を有する水域構造物。
  10. 第2の断面方向連結材(AB)が鉄筋コンクリートまたは鉄骨鉄筋コンクリートであることを特徴とする請求項5〜9の何れか1項に記載の遊水室を有する水域構造物。
  11. 第2の断面方向連結材(AB)が防食または非防食の形鋼または鋼管等の鋼製梁材であることを特徴とする請求項5〜9の何れか1項に記載の遊水室を有する水域構造物。
  12. 杭挿通用下部筒体(15)の内面には、適宜間隔でずれ止め用の突起(16a)が設けられ、後方杭(17)の少なくとも前記下部筒体(15)に挿通される部分の外周面には適宜間隔でずれ止め用の突起(16)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の遊水室を有する水域構造物。
  13. 土砂等の中詰材(21)の表面に表面保護層(23)が設けられていることを特徴とする請求項5〜12の何れか1項に記載の遊水室を有する水域構造物。
  14. 上部透過壁体構成部材(2)及び上部不透過壁体構成部材(6)が鋼管矢板であることを特徴とする請求項1〜13の何れか1項に記載の遊水室を有する水域構造物。
  15. 上部不透過壁体構成部材(6)が鋼矢板であることを特徴とする請求項1〜13の何れか1項に記載の遊水室を有する水域構造物。
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