しかしながら、従来の電子ファイリング機能を有する画像処理装置に上述のようなデータセキュリティキットを装備した場合、既存の電子ファイリング機能が優先されることになる。従って、前述したような記憶媒体に記憶されている画像データを画像形成部等の画像処理手段へ出力する電子ファイリング機能の動作が、データセキュリティキットによる画像データの消去の妨げになるという問題が生じる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、いわゆるドキュメントファイリング機能により入力されてハードディスク等の記憶手段に保存されている画像データに対して、それらの画像データを保護するためのデータセキュリティ機能が有効に設定された場合にドキュメントファイリング機能の一部を制限することにより、ドキュメントファイリング機能とデータセキュリティ機能との調和を図った画像処理装置の提供を目的とする。
また本発明は、プリンタ等の画像処理手段がハードディスク等の画像データ記憶手段に記憶されている画像データを画像処理する場合に画像データ記憶手段から画像データを読み出して画像処理手段に処理させ、画像データ記憶手段に記憶されている画像データが画像処理手段により画像処理された場合にその画像データを画像データ記憶手段にそのまま記憶させておくように画像データを操作するように構成されている画像処理装置において、上述のような画像データの操作を変更することを可能とした画像処理装置の提供を主たる目的とする。
また本発明は、画像データ記憶手段が記憶している画像データが画像処理手段により画像処理された場合に画像データ記憶手段に記憶されているその画像データをランダムデータに置換するように画像データの操作を変更することを可能として、セキュリティを向上させた画像処理装置の提供を目的とする。
また本発明は、画像データ記憶手段が記憶している画像データを強制的に消去するように画像データの操作を変更することを可能として、セキュリティを向上させた画像処理装置の提供を目的とする。
また本発明は、画像データ記憶手段が記憶している画像データが画像処理手段により画像処理された場合にその画像データを画像データ記憶手段から強制的に消去するように画像データの操作を変更することを可能として、セキュリティを向上させた画像処理装置の提供を目的とする。
また本発明は、画像データ記憶手段が記憶している全ての画像データを強制的に消去するように画像データの操作を変更することを可能として、セキュリティを向上させた画像処理装置の提供を目的とする。
また本発明は、画像処理手段により画像処理されるべき画像データを画像データ記憶手段に一時的に記憶させ、この画像データが画像処理手段により画像処理された場合に直ちに画像データ記憶手段から消去するようにして、セキュリティを向上させた画像処理装置の提供を目的とする。
また本発明は、操作変更手段の作動又は停止を切換手段で切換えるようにして、使用環境に応じて、セキュリティを向上させたり、セキュリティを低下させて利便性を向上させることを可能とした画像処理装置の提供を目的とする。
更に本発明は、具体的な画像処理として、画像データを記録媒体に記録して画像を形成する、具体的にはプリントアウトする画像処理装置の提供を目的とする。
更に本発明は、具体的な画像処理として、画像データをファクシミリ通信により外部へ送信する画像処理装置の提供を目的とする。
更に本発明は、具体的な画像処理として、画像データをデータ通信により外部へ送信する画像処理装置の提供を目的とする。
本発明に係る画像処理装置は、入力された画像データを処理する画像処理手段と、前記画像データを記憶する画像データ記憶手段とを備え、前記画像処理手段にて処理した画像データを前記画像データ記憶手段に記憶させた状態で維持するファイリング機能を有し、前記画像データ記憶手段に記憶されている画像データを前記画像処理手段により再処理可能になしてある画像処理装置において、前記ファイリング機能と前記画像処理手段にて処理した画像データを自動的に消去するセキュリティ機能とが共に動作する場合、前記ファイリング機能により前記画像データ記憶手段に記憶させた状態で維持する画像データを暗号化する暗号化手段と、該暗号化手段により暗号化された画像データを再処理する際に復号化する復号化手段とを備え、前記画像データ記憶手段は、前記暗号化手段により暗号化された画像データを記憶すると共に、前記画像処理手段により前記画像データを処理した場合、該画像データを前記セキュリティ機能により自動的に消去するように設定された第1記憶部と、該第1記憶部に暗号化された状態で記憶された画像データを記憶し、前記セキュリティ機能により消去されるか、又は消去指示が与えられるまで暗号化した状態で画像データを維持する第2記憶部とを有することを特徴とする。
このような本発明の画像処理装置では、ファイリング機能により画像データ記憶手段に画像データを入力して記憶させ、また画像データ記憶手段が記憶している画像データを読み出して出力する動作が、画像データ保護手段が動作している場合には全面的に禁じられるのではなく、その一部の機能のみが制限される。
また本発明に係る画像処理装置は、上述した発明において、暗号化された状態で記憶されている画像データを前記画像データ記憶手段から消去する手段を更に備えることを特徴とする。
このような本発明の画像処理装置では、暗号化された状態で記憶されている画像データが、画像データ記憶手段から消去される。
また本発明に係る画像処理装置は、上述の発明において、暗号化された状態で記憶されている画像データをランダムデータに置換する手段を更に備えることを特徴とする。
このような本発明の画像処理装置では、暗号化された状態で記憶されている画像データがランダムデータに置換されるように、画像データの操作が操作変更手段により変更される。
また本発明に係る画像処理装置は、上述の各発明において、前記操作変更手段の作動又は停止を切換える切換手段を備えることを特徴とする。
このような本発明の画像処理装置では、上述の各発明において、操作変更手段の作動又は停止は、切換手段により切換えられる。
また本発明に係る画像処理装置は、上述の各発明において、前記画像処理手段は、画像データを記録媒体に記録して画像を形成するようにしてあることを特徴とする。
このような本発明の画像処理装置では、上述の各発明において、画像データを記録媒体に記録して画像を形成する、具体的にはプリントアウトする画像処理が行なわれる。
また本発明に係る画像処理装置は、上述の各発明において、前記画像処理手段は、画像データをファクシミリ通信により外部へ送信するようにしてあることを特徴とする。
このような本発明の画像処理装置では、上述の各発明において、画像データをファクシミリ通信により外部へ送信する画像処理が行なわれる。
また本発明に係る画像処理装置は、上述の各発明において、前記画像処理手段は、画像データをデータ通信により外部へ送信するようにしてあることを特徴とする。
このような本発明の画像処理装置では、上述の各発明において、画像データをデータ通信により外部へ送信する画像処理が行なわれる。
以上に詳述したように本発明に係る画像処理装置によれば、ファイリング機能により画像データ記憶手段に画像データを入力して記憶させ、また画像データ記憶手段が記憶している画像データを読み出して出力する画像データ操作手段による画像データの操作が、画像データ保護手段が動作している場合には全面的に禁じられるのではなく、その一部の機能のみが制限されるので、ドキュメントファイリング機能とデータセキュリティ機能とが調和した利用し易く、且つデータのセキュリティも保障されるデータ処理装置が実現される。
また本発明に係る画像処理装置によれば、画像データが画像処理手段により画像処理された後にも装置内のハードディスク等の画像データ記憶手段に記憶されるように画像データの操作が行なわれるように本来は構成されている場合にも、画像データ記憶手段に記憶されている画像データのセキュリティが向上するように画像データの操作が本来のそれとは異なるように変更される。
また本発明に係る画像処理装置によれば、入力された画像データが一旦暗号化され、処理される際に復号化されるので、セキュリティが維持される。
また本発明に係る画像処理装置によれば、入力された画像データが暗号化手段で暗号化され、処理される際に復号化手段で復号化されるので、セキュリティが維持される。
更に本発明に係る画像処理装置によれば、装置内のハードディスク等の画像データ記憶手段が記憶している画像データがランダムデータに置換されるので、たとえ画像データ記憶手段そのものを持ち出されたとしても、セキュリティが維持される。
また更に本発明に係る画像処理装置によれば、装置内のハードディスク等の画像データ記憶手段が記憶している画像データが強制的に消去されるので、たとえ画像データ記憶手段そのものを持ち出されたとしても、画像データを再生することができないため、セキュリティが維持される。
更にまた本発明に係る画像処理装置によれば、装置内のハードディスク等の画像データ記憶手段が記憶している画像データがその画像データ自身が画像処理手段により画像処理された後に強制的に消去されるので、機密性が高い画像データのセキュリティが維持される。
また更に本発明に係る画像処理装置によれば、装置内のハードディスク等の画像データ記憶手段が記憶している全ての画像データが強制的に消去されるので、たとえ画像データ記憶手段そのものを持ち出されたとしても、画像データを再生することができないため、セキュリティが維持される。
更にまた本発明に係る画像処理装置によれば、画像処理手段により画像処理されるべき画像データが画像データ記憶手段に一時的に記憶され、この画像データ記憶手段が一時的に記憶している画像データがその画像データ自身が画像処理された場合には直ちに画像データ記憶手段から消去されるので、機密性が高い画像データを処理した場合にも、たとえ画像データ記憶手段そのものを持ち出されたとしても、画像データ記憶手段に記憶させていない機密性が高い画像データのセキュリティが維持される。
また本発明に係る画像処理装置によれば、操作変更手段の作動又は停止は、切換手段によって切換えられるので、使用環境に応じて、セキュリティを高めたり、セキュリティを低くして利便性を向上させることが可能になる。
また本発明に係る画像処理装置によれば、画像データを記録媒体に記録して画像を形成する、具体的にはプリントアウトする画像処理に使用された画像データのセキュリティが維持される。
また本発明の画像処理装置によれば、画像データをファクシミリ通信により外部へ送信する画像処理に使用された画像データのセキュリティが維持される。
また本発明の画像処理装置によれば、画像データをデータ通信により外部へ送信する画像処理に使用された画像データのセキュリティが維持される。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る画像処理装置をデジタル複合機に適用した場合の実施の形態の一例を示す機能ブロック図である。
本発明の画像処理装置としてのデジタル複合機20は、コピー機能を有する他に、通信ケーブルまたは電話回線等を介してパーソナルコンピュータ等の外部装置に接続されており、それらの外部装置から受信した画像データを使用するプリンタ機能、ネットワークスキャナ機能、FAX機能等をも有する。換言すれば、本発明の画像処理装置としてのデジタル複合機20は、画像処理機能として、画像データを記録媒体に記録してプリントアウトする機能、ファクシミリ通信により外部へ送信する機能、データ通信により外部へデータ送信する機能等を有する。
デジタル複合機20は主要には、画像読み取り部2、操作パネル4、画像形成部6、機器制御部8、外部と通信を行なうためのインタフェイスである通信部10、不揮発性の記憶装置としてのハードディスク(HD)12、管理部14等を備えている。なお、ハードディスク12は画像データ記憶手段として機能する。
画像読み取り部2は、たとえばCCD(Charge Coupled Device)2a等のような光学的な画像読み取り手段により原稿の画像を読み取る。この画像読み取り部2が読み取った原稿の画像データはたとえばRAM等の揮発性の記憶装置であるメモリ6aにページ単位(原稿1枚単位)で記憶されると共に、読み取った原稿の枚数(ページ数)は管理部14に記憶される。
通信部10は、通信回線としてのインターネットまたはLAN(Local Area Network)等のネットワークNWを介してパーソナルコンピュータ等の外部装置と接続しており、それらの外部装置との間でデータ通信を行なうことにより、画像データを送受信する。また通信部10は、図示しないがモデム及びNCU(Network Control Unit)を備え、ファクシミリ通信も可能に構成されている。モデムはNCUを介して公衆電話交換網PSTNと接続されている。NCUはアナログの公衆電話交換網PSTNとの回線の閉結及び開放の回線制御動作を行なうハードウェアであり、必要に応じてモデムを公衆電話交換網PSTNと接続する。
画像形成部6は、画像読み取り部2または通信部10から画像データが入力された場合、画像データを記憶する揮発性のたとえばRAM等のメモリ6a及びこのメモリ6aに記憶された画像データから画像を形成する印字部(LSU:Laser Scanning Unit)6bを備えている。なお、本実施の形態では印字部6bはLSU(レーザ走査ユニット)で構成してあるが、インクジェット方式等のプリンタ装置であってもよい。
管理部14は、機器制御部8のための制御プログラムを格納したROM及び操作パネル4にて設定された情報及び装置の各構成部の動作に関する情報等を記憶するためのRAM等からなる。但し、フラッシュメモリ,EEPROM等の書換え可能な不揮発性の記憶媒体であってもよい。
次に、入力部4a、表示部4bから構成される操作パネル4の構成例を図2の模式図を参照して説明する。
操作パネル4は、前述したように、入力部4a及び表示部4bを備えている。表示部4bは、ドットマトリックスタイプの液晶パネルにより構成されており、デジタル複合機20としてユーザに対して報知すべき情報を詳細に案内表示できるようになっている。また、この表示部4bの液晶パネルの画面上には透明のタッチパネルが設けられており、液晶パネル上に表示される情報に従ってタッチパネルを操作することにより、対応する情報が指示情報として入力される入力部4aの一部としても機能する。
入力部4aには、他に、液晶パネルに隣接してキー群が配置されており、コピースタートを指示するためのスタートキー16、実行中の処理を中断させるためのクリアオール(CA:全解除)キー17、指示したモードの内容をクリアするクリアキー18、コピー枚数等を指示するためのテンキー22、モード毎の切り換えキー23a、23b、23c、ユーザー設定キー24等が含まれる。
また、ジョブ状況キー23dの操作により、現在のジョブの処理状況と印刷が完了した過去の印刷状況が確認可能である。
機器制御部8は、たとえばCPU(Central Processing Unit)にて構成されており、管理部14に予め格納されている制御プログラムに従って、操作パネル4、画像形成部6、通信部10、及びHD12等のデジタル複合機20を構成する各機器の動作を制御する。また、機器制御部8は、操作パネル4に設けられた入力部4aの各キーの操作によってユーザが入力した指示、情報に従って、表示部4bにデジタル複合機20の状態に関する情報及びユーザに通知すべき情報等を出力する。
更に機器制御部8は、画像データの入力、具体的には画像読み取り部2からの画像データの入力及び通信部10を介しての外部からの画像データの入力、入力した画像データのメモリ6a、ハードディスク12への入出力等の操作を行なう画像データ操作手段としても機能する。
HD12は、画像読み取り部2、通信部10から入力されて画像形成部6により画像形成されるべき画像データ、通信部10を介してファクシミリ通信またはデータ通信により外部へ送信されるべき画像データを記憶するが、詳細は後述する。
本発明の画像処理装置としてのデジタル複合機20は、入力部4aの操作により、コピー機能、プリンタ機能、ネットワークスキャナ機能またはFAX機能の各機能が設定され、この設定された機能に関する情報が管理部14に記憶される。この管理部14が記憶している情報に基づいて、機器制御部8は、装置の各構成部の動作を制御し、それぞれの機能に対応した処理を行なうと共に、画像データのメモリ6a、ハードディスク12等の間の入出力の操作を行なう。
以下に、本発明の画像処理装置としてのデジタル複合機20をコピー機、プリンタ、ネットワークスキャナまたはFAXとして用いた場合におけるそれぞれの動作について説明する。
図3は、本発明の画像処理装置としてのデジタル複合機20にコピー機能が設定された場合の機器制御部8による画像データの処理手順を示すフローチャートである。
デジタル複合機20を前述した入力部4aの機能設定によりコピー機として使用する場合には、機器制御部8は画像読み取り部2が読み取った原稿の画像データを入力し(ステップS1)、揮発性のメモリ6aに一旦記憶させ(ステップS2)、また同時にHD12にも記憶させる(ステップS3)。なお、複数枚(複数ページ)の原稿を画像読み取り部2で読み取る場合には、上述のステップS1からステップS3までの処理が原稿の枚数(ページ数)分だけ反復される。
次に、機器制御部8は、操作パネル4の操作により予め設定されている濃度,用紙の大きさ等の情報に基づいて画像を形成する場合(ステップS4でYES)、HD12が記憶している画像データを読み出してメモリ6aに一旦記憶させ(ステップS5)、このメモリ6aに記憶された画像データを印字部6bへ出力させて印字させる(ステップS6)。
また、HD12に記憶されている画像データを複数枚(複数ページ)印字する場合には、ステップS4からステップS6までの動作が、印字部6にて画像形成される原稿枚数分反復される。
なお、上述したコピー機としての機能が設定されている場合の処理は、管理部14が記憶している制御プログラムに基づいて、機器制御部8が装置の各構成部の動作を制御することにより実行される。
図4は、本発明の画像処理装置としてのデジタル複合機20にプリンタ機能が設定された場合の機器制御部8による画像データの処理手順を示すフローチャートである。
通信部10は前述したように通信ケーブル等によりネットワークNWと接続されている。従って、ネットワーク上に接続されたパーソナルコンピュータPC1,PC2からデータ通信により画像データを受信することができる。通信部10がパーソナルコンピュータPC1,PC2から画像データを受信した場合、機器制御部8はそれを入力し(ステップS11)、メモリ6aに一旦記憶させ(ステップS12)、同時にHD12にも記憶させる(ステップS13)。
次に、機器制御部8は、操作パネル4の操作により予め設定されている濃度,用紙の大きさ等の情報に基づいて画像を形成する場合(ステップS14でYES)、HD12が記憶している画像データを読み出してメモリ6aに記憶させ(ステップS15)、このメモリ6aに記憶された画像データを印字部6bへ出力させて印字させる(ステップS16)。
なお、上述したプリンタとしての機能が設定されている場合の処理は、管理部14が記憶している制御プログラムに基づいて、機器制御部8が装置の各構成部の動作を制御することにより実行される。
図5は、本発明の画像処理装置としてのデジタル複合機20にネットワークスキャナ機能が設定された場合の機器制御部8による画像データの処理手順を示すフローチャートである。
画像読み取り部2が読み取った原稿の画像データは、通信部10からネットワークNWを介して任意のパーソナルコンピュータPC1,PC2へ送信される。前述したコピー機能の場合と同様に、機器制御部8は画像読み取り部2が読み取った画像データを入力し(ステップS21)、揮発性のメモリ6aに一旦記憶させ(ステップS22)、同時にHD12にも記憶させる(ステップS23)。そして、機器制御部8はHD12に記憶されている画像データを読み出してメモリ6aに記憶させ(ステップS24)、操作パネル4の操作により設定されたたとえばパーソナルコンピュータPC1と通信を確立した後(ステップS25でYES)、メモリ6aが記憶している画像データを通信部10へ出力し、通信部10からネットワークNWを経由して送信先のパーソナルコンピュータへ送信する(ステップS26)。
なお、上述したネットワークスキャナとしての機能が設定されている場合の処理は、管理部14が記憶している制御プログラムに基づいて、機器制御部8が装置の各構成部の動作を制御することにより実行される。
更に、通信部10はネットワーク以外に公衆電話交換網PSTNとも接続されており、デジタル複合機20をFAX装置として使用する場合においても同様の手順の処理が機器制御部8により実行される。
なおここでは、画像データを記憶する記憶媒体としてのHDを備えたデジタル複合機20について説明しているが、これに限らず、装置本体から取り外された場合及び電源が遮断された場合にもそれ以前に記憶していた画像データを保持できる不揮発性のメモリ、バックアップ機能を有するメモリ、または磁気記憶媒体を用いたその他の記憶媒体等を備えている場合にも同様に適用できる。
次に、本発明の画像処理装置としてのデジタル複合機20に備えられているHD12を使用して機能する電子ファイリング機能について説明する。
図1において、HD12は、第1記憶部121と第2記憶部122との二つのデータ記憶領域に分割されている。第1記憶部121が記憶している画像データは、メモリ6aへ読み出されて記憶され、更に印字部6bへ出力されて印刷用紙等の記録媒体に印字される。このようにして画像が形成された場合には、印字処理が行なわれた順番または日時等による履歴情報と、画像データそのものとが第1記憶部121に記憶される。
印字部数設定不足または紙詰まり等により、第1記憶部121に記憶されている画像データの印字処理が一旦行なわれたにも拘わらず、同一の画像データから再度画像を形成する必要が生じた場合には、操作パネル4の操作により印字に関する情報を設定するか、またはネットワークに接続されたパーソナルコンピュータPC1,PC2等において印字に関する情報を設定し、その設定情報をデジタル複合機20へ送信することにより、それぞれの設定に基づいて、第1記憶部121に消去されずに記憶されている画像データが画像形成部6へ再度出力されて画像が形成される。
また、第2記憶部122は、第1記憶部121が記憶している画像データをたとえばデータの形態(以下、ファイル形式という)ごとに、またはコピー、プリンタ、ネットワークスキャナ、FAX等の機能ごとに整理して記憶しておくための領域である。画像データがデジタル複合機20に入力された後の一定期間後には画像データは第2記憶部122に整理されて記憶されているので、そのような画像データを画像形成する場合には、第2記憶部122から画像データが読み出されてメモリ6aに一旦記憶され、このメモリ6aに記憶された画像データが印字部6bへ出力されてコピー用紙等の記録媒体に印字される。
なお、第1記憶部121は第2記憶部122に比して記憶領域が小さく設定されている。従って、第1記憶部121にデータを記憶するために十分な空き領域(記憶領域)がない場合は、たとえば第1記憶部121が記憶している画像データが履歴情報に基づいて古いものから消去されるか、新たに入力された画像データで更新されるか、または第1記憶部121に記憶されてから一定時間経過後の画像データが自動的に消去されるようにすればよい。
一方、第2記憶部122に記憶されている画像データは前述したように整理して記憶されている。この第2記憶部122に記憶されている画像データは、操作パネル4の操作によって消去を指示する情報が設定されない限りは消去されない。但し、第2記憶部122の記憶容量が限界容量に達した場合には、表示部4bにその旨を表示してユーザーに報知する。これにより、ユーザが操作パネル4を操作して設定を行なうことにより画像データを消去するか、HDを増設するか、またはより記憶容量が大きいHDに交換するか等により記憶容量を増加させることにより、新たに空き記憶領域を確保、追加することができる。また、第2記憶部122は、たとえば、画像データのファイル形式ごとに分けられた複数のフォルダを有しており、画像データを種類に応じて整理し、記憶する。
前述したように、本発明の画像処理装置としてのデジタル複合機20は電子ファイリング機能を有しており、第1記憶部121の印字処理または第2記憶部122の印字処理が実行される場合にはHD12が記憶している画像データが画像形成部6へ出力され、この画像データ毎に第1記憶部121に記憶される。また、一定期間後に画像を形成する場合には、第1記憶部121に記憶された画像データは、第2記憶部122に整理して記憶され、第2記憶部122に記憶されている画像データは、印字処理の要求に応じて画像形成部6へ出力され、画像が形成される。
以下、本発明の画像処理装置としてのデジタル複合機20において、データセキュリティキットが後付けで装備された場合、または動作しない状態で予め装備されていたが動作するようにある時点で切り換え設定された場合について説明する。
上述の場合、本発明の画像処理装置としてのデジタル複合機20の上述したような機能の一部または全部を停止することが可能に、具体的には機器制御部8がHD12の第1記憶部121及び第2記憶部122の本来の動作の一部または全てを停止させることが可能になる。換言すれば、機器制御部8は通常は画像データ操作手段として機能するが、セキュリティキットが動作する状態においては画像データの操作を変更する操作変更手段として機能する。
従って、セキュリティキットが動作する状態においてはたとえば、印字処理が終了した画像データに関しては印字処理が終了した時点で直ちに管理部14に記憶されているHD12のファイル管理情報(FATデータ)を消去するか、メモリ6aに記憶されている画像データを消去するか、HD12に記憶されている画像データに対してランダムに構成されたビットデータまたはバイトデータにて更新し、画像データを消去する(以下、消去処理という)か、または解読困難なように暗号化して一時的に記憶した後に消去処理を実行することにより、画像データのセキュリティを確保することが可能になる。
図6は、本発明の画像処理装置としてのデジタル複合機20にデータセキュリティキットが装備された場合の機能構成を示すブロック図であり、前述の図1に示した構成と比して暗号化部9a,9b及び復号化部9cが新たに機能ブロックとして追加されている。暗号化部9aは通信部10が受信した画像データをメモリ6aへ転送する途中で画像データを暗号化するために、暗号化部9bは画像読み取り部2が読み取った画像データをメモリ6aへ転送する途中で画像データを暗号化するために、復号化部9cはメモリ6aが記憶している暗号化された画像データを画像形成部6の印字部6bへ転送する途中で復号化して元の画像データに復元するためにそれぞれ備えられている。
なお、暗号化部9a,9b及び復号化部9cはハードウェア的に暗号化、復号化を行なうオプションボードであってもよいし、ソフトウェア的に暗号化、復号化を行なうプラグインソフトであってもよい。また、プラグインソフトを追加して、機器制御部8に消去処理を実行させることも可能である。プラグインソフトを用いる場合、管理部14にプラグインソフトが格納されたROMを追加したり、ネットワークNW経由で受信したプラグインソフトを管理部14に格納するなどして、プラグインソフトを追加することが可能である。
画像読み取り部2またはネットワークNWを通じて通信部10から入力された画像データはデータセキュリティキットの暗号化部9bまたは9aによって暗号化されてメモリ6aに記憶される。そして、この暗号化されてメモリ6aに記憶された画像データが印字部6bへ出力される場合には復号化部9cにより復号化されて元の画像データに復元される。
なお、メモリ6aに記憶されている暗号化された画像データがHD12に記憶される場合には暗号化されたままで記憶される。また、HD12に記憶された暗号化された画像データは、機器制御部8により自動的に消去処理が実行される。従って、本発明の画像処理装置としてのデジタル複合機20では、画像処理された後の画像データのセキュリティ保護がなされる。
なお、上述以外の構成は図1に示した構成例と同様であるため、その説明を省略する。
次に、コピー機能設定時において、セキュリティレベルに応じて画像データの消去処理を実行する各処理過程における表示部4bの表示状態を図7乃至図11の模式図を参照して説明する。なお、本説明では、消去処理は暗号化して一時的に記憶した後に実行するため、消去処理を実行する場合は暗号化も実行される。暗号化・復号化処理及び消去処理の追加は、両方の処理を追加したり、一方の処理を追加することが可能である。
図7はデジタル複合機20にデータセキュリティキットが装備されていない場合の、図8はデジタル複合機20にデータセキュリティキットが装備されている場合の、図9は図8に示すデジタル複合機20にデータセキュリティキットが装備されている状態において表示画面左下のアイコンICの部分を指で押圧した場合の、図10は「画像データ消去処理」が機能している場合の、図11は図10に示す状態においてデジタル複合機20の表示画面左下のアイコンICの部分が指で押圧された場合のそれぞれ表示部4bの画面の表示状態を示している。
図7に示す表示部4bの画面は、デジタル複合機20の既存の機能である「電子ファイリング機能」が稼働しており、印字処理後の画像データがHD12(第1記憶部121)に記憶されることを示している。
図8に示す表示部4bの画面では、「画像データ消去処理」機能を稼働させることが可能なデータセキュリティキットがデジタル複合機20に装備されており、しかも「画像データ消去処理」機能が稼動している場合には「画像データ消去処理」が有効になることがユーザに直観的に理解できるように、表示画面の左下に「画像データ消去処理」が利用可能な状態であることを示す「南京錠」を模したアイコンICが表示されている。
図8の表示部4bの表示状態において表示画面左下のアイコンICの部分が押圧(タッチ)された場合であっても「画像データ消去処理」が動作していないとき(装置が待機しているとき)には、図9に示す表示画面が表示部4bに表示される。この図9に示す表示部4bの表示画面の略中央には、タイトル及びデータセキュリティキットに関するバージョン情報等がウィンドウ表示される。
なお、「画像データ消去機能」は、「データセキュリティキット」としてデジタル複合機20上でオプション扱いされており、図9に示す表示部4bの表示画面のウィンドウ表示中に「データセキュリティキット」として表示されている。従って、図9に示す画面において「データセキュリティキット」及び「画像データ消去機能」の内容、並びにバージョン等が確認できる。
また、図10に示す表示部4bの表示画面には、ジョブの終了またはジョブのクリア等により「画像データ消去処理」が稼働している場合、即ちHD12(第1記憶部121及び/又は第2記憶部122)が記憶しているデータに対する消去処理が実行されている場合に、その旨を示す「データ消去中です。」とのメッセージが表示画面の略中央にウィンドウ表示される。
この図10に示す表示部4bの表示画面左下のアイコンICの部分が指で押圧(タッチ)された場合、図11に示す表示部4bの表示画面の略中央に、「画像データ消去処理」によるHD12(第1記憶部121及び/又は第2記憶部122)が記憶している画像データの消去処理を実行中である旨を示すメッセージ「データエリアを消去中です。」及びその進行状況がレベル表示される。これにより、「画像データ消去処理」による画像データの消去処理の動作状況が確認できる。
また、「画像データ消去処理」によりHD12(第1記憶部121及び/又は第2記憶部122)が記憶している画像データの消去処理が実行されている場合には、アイコンICを点滅させるかまたはアイコンICの色を変更する等のような通常の表示形態とは異なる形態でアイコンICを表示させることにより、「画像データ消去処理」が稼働中であることがユーザに直観的に理解されるようにすればより効果的である。
次に、「画像データ消去処理」に関する操作設定について、図12乃至図15の表示部4bの表示画面の模式図を参照して説明する。
なお、図12は「画像データ消去処理」操作における詳細設定のための、図13はデータ消去の確認ウィンドウが表示された場合の、図14はHD12でのデータ消去作業の進行状況のレベル表示が行なわれている場合の、図15は「ジョブ終了時の自動データ消去回数」設定画面の、それぞれ表示部4bの表示画面を示している。
図12に示す表示部4bの表示画面では、HD12(第1記憶部121及び第2記憶部122)が記憶しているデータを任意のタイミングで強制的に消去処理する指示を与えるための「全データエリア消去」キーK11、デジタル複合機20の電源が投入される都度、HD12が記憶している全てのデータの消去処理が実行されるように設定する「電源投入時の自動消去」キーK12が表示される。なお、「電源投入時の自動消去」キーK12が押圧(タッチ)された場合、付設されたチェックボックスにチェックマーク「レ」が表示される。
また、図12に示す表示部4bの表示画面では、「全データエリア消去」の消去処理回数を設定するための「全データエリア消去回数」キーK13、「電源投入時の自動消去」の消去処理回数を設定するための「電源投入時の自動消去回数」キーK14、HD12(第1記憶部121及び/又は第2記憶部122)が記憶している画像データが印字処理された後、その画像データのみをHD12からの消去処理を実行する回数を設定する「ジョブ終了時の自動消去回数」キーK15が表示される。
これらの「全データエリア消去回数」キーK13、「電源投入時の自動消去回数」キーK14及び「ジョブ終了時の自動消去回数」キーK15それぞれの右横直近の位置にはそれぞれのキーの操作により設定された回数が表示されるようになっている。但し、それぞれのデフォルト設定値は、「全データエリア消去回数」キーK13及び「ジョブ終了時の自動消去回数」キーK15では共に「1」であり、「電源投入時の自動消去回数」キーK14では「0(ただし、図では「1」に変更されている)」である。
上述のような各キーの操作によりセキュリティレベルに適した消去処理回数が設定されている場合には、HD12(第1記憶部121及び/又は第2記憶部122)が記憶している画像データが不要になった時点で、設定されている消去処理回数分だけデータの消去処理が反復実行される。従って、本発明の画像処理装置であるデジタル複合機20の設置場所に応じて必要とされるセキュリティレベルに応じた消去処理回数を設定することが可能になる。また、「全データエリア消去」キーK11の操作により、HD12が記憶している全ての画像データの消去処理を任意のタイミングで実行させる操作は、たとえばセキュリティレベルが非常に高い重要なデータをプリントアウト直後に直ちに消去したいような場合に非常に有効である。
図12に示す表示部4bの表示画面において「全データエリア消去」キーK11が押圧(タッチ)されることによってHD12が記憶している全ての画像データの消去処理が実行される際には、図13に示すように表示部4bの表示画面の略中央に確認ウィンドウW11が表示される。この確認ウィンドウW11には「消去しない」の操作ボタンB11及び「消去する」の操作ボタンB12が表示されるので、「消去する」の操作ボタンB12が押圧(タッチ)されることにより、HD12が記憶しているデータの消去処理が開始される。
上述のようにしてHD12が記憶しているデータの消去処理が実際に開始されると、図14に示すように、表示部4bの表示画面には処理の進行状況をレベル表示するためのウィンドウW12が表示される。
前述の図12に示す表示部4bの表示画面において、「全データエリア消去回数」キーK13、「ジョブ終了時の自動消去回数」キーK15、または「電源投入時の自動消去回数」キーK14が押圧(タッチ)された場合、表示部4bの表示画面には「全データエリア消去回数」、「ジョブ終了時の自動消去回数」、または「電源投入時の自動消去回数」の設定画面が表示される。図15は一例として「全データエリア消去回数」キーK13が押圧(タッチ)された場合の表示部4bの表示画面を示している。
この図15に示すように、たとえば「全データエリア消去回数」キーK13が押圧(タッチ)された場合には、「アップ」キーK16及び「ダウン」キーK17が表示されるので、いずれかの操作により、任意に消去処理回数を設定することが可能になる。なお、他の「ジョブ終了時の自動消去回数」キーK15、または「電源投入時の自動消去回数」キーK14が図12に示す表示部4bの表示画面において押圧(タッチ)された場合にも上述した「全データエリア消去回数」キーK13が押圧(タッチ)された場合と同様に任意に消去処理回数を設定することが可能である。
但し、「ジョブ終了時の自動消去」の処理に関しては「ジョブ終了時の自動消去回数」キーK15が押圧(タッチ)されたか否かには拘わらず、デジタル複合機20にデータセキュリティキットが装備されたことによって「画像データ消去機能」が稼働可能になった時点で自動的に設定される、換言すればデフォルトの「1」が自動消去の回数として設定されるようになっている。
上述したデータセキュリティキットの各種機能の設定は、データセキュリティキットがデジタル複合機20に装備されて「画像データ消去機能」が稼働可能になった状態で、デジタル複合機20の設置場所において要求されるセキュリティレベルに応じて行なわれることが好ましい。また、「全データエリア消去」キーK11の押圧(タッチ)により、その都度の必要に応じて、HD12が記憶している全てのデータの消去処理を行なうことができる。また、消去回数を「0」に設定するなどして、消去処理を停止することも可能である。なお、操作パネル(切換手段)4で、消去処理の実行/停止に関する設定と同様に、例えば暗号化の実行/停止に関する設定を受付けることも可能である。上述した各種表示画面に関する情報は管理部14に記憶されており、機器制御部8の制御によって表示部4bに表示される。また、上述した各種表示画面(操作パネル4)で受付けた設定情報は、機器制御部8の制御によって管理部14に記憶される。
なお、デジタル複合機20は、プリンタ、ネットワークスキャナまたはFAXとして使用する場合においても、前述したコピー機として使用した場合と同様の処理が行なえる。
次に、本発明の画像処理装置としてのデジタル複合機20のHD12の画像データの消去処理の一連の手順について、画像処理としてのコピー機能が設定されている場合の処理手順を一例として図16及び図17のフローチャートを参照して説明する。
デジタル複合機20の電源が投入(ON)されると、機器制御部8はまず装置を構成する各機器の状態をチェックする(ステップS31)。このチェックの結果、異常がなければ(ステップS32でYES)、機器制御部8はデジタル複合機20が所定の動作をすることが可能な状態となるように各機器のウォームアップを開始する(ステップS33)。
一方、各機器のチェックの結果、異常が確認された場合は(ステップS32でNO)、機器制御部8は確認された異常に対応した所定のエラー処理を行なう(ステップS34)。このエラー処理としてはたとえば、表示部4bに異常が発生している場合であれば、表示部4bに異常発生が確認されたこと、及びその確認をユーザに求めるためのメッセージを含むウィンドウを表示するというような処理が可能である。
上述のウォームアップの開始(ステップS33)に際して、機器制御部8は電源投入時にHD12を初期化するための「電源投入時の自動消去モード」が設定(ON)されているか否かを次に確認する(ステップS35)。この「電源投入時の自動消去モード」の設定は前述した如く、図12に示した表示部4bの表示画面中の「電源投入時の自動消去」キーK12の押圧(タッチ)により設定される。
「電源投入時の自動消去モード」が設定されている場合は(ステップS35でYES)、機器制御部8はHD12の初期化を開始する(ステップS36)と共に、HD12が記憶している画像データの消去中であること(進行状況)を表示部4bの表示画面にウィンドウ表示する(ステップS37)。この際、機器制御部8は、前述の図12及び図15に示した表示部4bの表示画面において予め設定されている消去処理回数分だけ、HD12が記憶しているデータの消去処理を実行することにより初期化処理を反復する(ステップS38)。この処理により、HD12に記憶されている全ての画像データが消去される。
HD12のデータの消去処理が終了した場合(ステップS38でYES)、または「電源投入時の自動消去モード」が設定(ON)されていなかった場合(ステップS35でNO)、機器制御部8は表示部4bの表示画面を基本画面の表示状態とした後、各機器のウォームアップが完了するまで待機し(ステップS39でNO)、各機器のウォームアップが完了すると(ステップS39でYES)、ジョブ設定の待機状態になる(ステップS40)。
ステップS40での待機状態中に、原稿が画像読み取り部2のセット位置に載置され、その原稿に対するコピー機能の設定が行なわれた上でコピースタートキー16がオンされた場合(ステップS41でYES)、画像読み取り部2のCCD2aにより原稿が光学的に走査され(ステップS42)、この結果として得られた画像データを機器制御部8はメモリ6aにページ単位で一旦記憶させる。そして、機器制御部8はメモリ6aに記憶させた画像データをHD12へ転送させて第1記憶部121(場合によっては第2記憶部122)に記憶させると共に、HD12に記憶させた画像データに関する管理情報(FATデータ)を管理部14に記憶させることにより、蓄積管理させる(ステップS43)。
機器制御部8は、上述のようにしてHD12に記憶させた画像データを画像形成(プリントアウト)のタイミングに合わせてHD12の第1記憶部121から読み出してメモリ6aに、または第2記憶部122から第1記憶部121へ読み出して更にメモリ6aにページ単位で記憶させることによりプリントデータの準備を行なう(ステップS44)。必要な画像データがメモリ6aに記憶されると、機器制御部8はその画像データを印字部6b(LSU:レーザ走査ユニット)へ転送してプリントアウトさせる(ステップS45)。
このようにして画像データがプリントアウトされたことが確認されると、その画像データに関して機器制御部8は管理部14が記憶している管理データ(FATデータ)を処理完了として更新し(ステップS46)、また一連のプリント処理が完了した場合にはこの一連のプリント処理に使用された画像データのHD12での記憶領域に対して消去処理を実行する(ステップS47)。この場合においても機器制御部8は、図12及び図15に示した表示部4bの設定画面により予め設定されている消去処理回数分だけ、HD12が記憶している画像データの消去処理を実行することにより初期化処理を反復する(ステップS48)。この後、デジタル複合機20は再度待機状態になる(ステップS49)。
なお、本発明の画像処理装置としてのデジタル複合機20は、プリンタ、ネットワークスキャナまたはFAXとして使用する場合においても、前述したコピー機として使用した場合と同様に画像データを操作することが可能である。