JP4281881B2 - 加熱炉管および加熱炉管の製造方法 - Google Patents

加熱炉管および加熱炉管の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エチレン製造装置における分解炉管の如く、高温での浸炭が問題とされる加熱炉管および加熱炉管の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、エチレン製造装置における分解炉管のように、浸炭が生じる加熱炉管では、該加熱炉管の浸炭に起因する破損を未然に防止するべく、定期的に加熱炉管内面の浸炭深さを測定しているが、その都度、装置の運転を停止する必要があり、著しい生産性の低下を招く不都合があった。
一方、フェライト系合金(20Cr−5Al−Fe)に希土類酸化物を分散させた、酸化物粒子分散型鉄合金は、従来材料に比べて非常に優れた高温強度と耐浸炭性を示すことが知られている。そのため加熱炉管への応用が試みられ、融接法、摩擦圧接法、ろう接あるいは機械的締結法等を用いて、加熱炉管同士を互いに結合する構成が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、加熱炉管の結合部には、優れた高温強度、耐浸炭性の他、気密性と高い信頼性とが要求されるが、従来の結合方法において上記要求を満足することは困難であった。
すなわち、TIG溶接や電子ビーム溶接による融接法では、接合部が溶解するために酸化物分散粒子が浮上し、希土類酸化物粒子分散型鉄合金の特徴である分散強化作用が失われ、高温強度が半分以下に低下してしまう。
一方、摩擦圧接法においては、材料の溶融を伴わないので、高温強度の著しい低下はないものの、高い接合圧のために加熱炉管の接合部に大きなバリが張り出し、加熱炉管内における流体の流れが阻害される不都合がある。
さらに、ろう接においては、ろう材の溶融点が母材に比べ非常に低いために耐熱性が望めず、またリベット止めやネジ止め等の機械的締結方法においては、高温で気密性を保つことが極めて困難であるため、両者ともに加熱炉管同士を互いに結合するための方法としては不適である。
本発明の目的は、上記実状に鑑みて、浸炭深さ測定に伴う生産性の低下を可及的に防止することのできる加熱炉管および加熱炉管の製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明に関わる加熱炉管は、Crを17〜26重量%、Alを2〜6重量%、残部Feおよび不可避不純物から成る希土類酸化物粒子分散型鉄合金から成る一方の加熱炉管要素と、上記希土類酸化物粒子分散型鉄合金、もしくは耐熱金属から成る他方の加熱炉管要素とを、インサート金属を介した拡散接合により互いに結合することによって構成されている。
【0005】
また、本発明に関わる加熱炉管の製造方法は、一方の加熱炉管要素における接合側端部および他方の加熱炉管要素における接合側端部の少なくとも一方にインサート金属を形成または挿入する工程と、一方の加熱炉管要素における接合側端部と他方の加熱炉管要素における接合側端部とを直接あるいは中間部材を介して互いに圧接する工程と、インサート金属を加熱することにより一方の加熱炉管要素と他方の加熱炉管要素とを互いに拡散接合する工程とを含んでいる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、実施例を示す図面に基づいて、本発明を詳細に説明する。
図1から図3に示す如く、本発明に関わる加熱炉管1は、Crを20重量%、Alを 4.5重量%含有するイットリウム酸化物粒子分散型鉄合金(以下、ODS合金と称する)から成る一方の加熱炉管要素10と、オーステナイト系耐熱鋼管(25Cr−35Ni−Fe)から成る他方の加熱炉管要素20とを、インサート金属を介した拡散接合により、互いに結合することで構成されている。
【0007】
また、上記加熱炉管1は、他方の加熱炉管要素20と同材質のオーステナイト系耐熱鋼管(25Cr−35Ni−Fe)から成る継手短管(中間部材)30を具備しており、一方の加熱炉管要素10と他方の加熱炉管要素20とは、上記継手短管30を介して互いに結合されている。
【0008】
なお、他方の加熱炉管要素20としては、HPmod.遠心鋳造管、住友金属 HPM、インコアロイ 803等のオーステナイト系耐熱鋼管のみならず、一方の加熱炉管要素10と同材質のODS合金管を利用することができる。
また、継手短管30としても、上記オーステナイト系耐熱鋼管のみならず、一方の加熱炉管要素10と同材質のODS合金管、さらにはフェライト系耐熱鋼管を利用することが可能である。
【0009】
上述した加熱炉管1は、以下の如き作業工程を経て製作される。
先ず、外径70mm、肉厚5mmの一方の加熱炉管要素10と、該一方の加熱炉管要素10と同サイズ(外径70mm、肉厚5mm)の他方の加熱炉管要素20との、それぞれの接合側端部における外表面を、各管要素の端面から30mmの範囲に亘り研削加工して表面粗さ25Sに仕上げる。
【0010】
次いで、上述の如く仕上げた一方の加熱炉管要素10における接合側端部の外表面、および他方の加熱炉管要素20における接合側端部の外表面に、インサート金属としてのNi−4%B合金の皮膜Mを、電気メッキによって厚さ50μm まで成膜する。
なお、インサート金属としては、例えばBNi系ろう接用金属等、市販の非晶質金属製商品を利用することができる。
【0011】
次いで、一方の加熱炉管要素10における接合側端部と、他方の加熱炉管要素20における接合側端部とを、それぞれ継手短管30の端部に、各々30mmずつ挿入する。
【0012】
ここで、継手短管30は、内径70mm、肉厚8mm、長さ60mmに形成され、その内表面30aは表面粗さ25Sに仕上げられている。
また、継手短管30の外周の両端には、端部に向かって縮径する約10°のテーパ面30t、30tが形成されている。
【0013】
なお、上述した各加熱炉管要素10、20の接合側端部とともに、上記継手短管30の内表面30aにもインサート金属の皮膜を形成することが可能であり、さらに上記継手短管30の内表面のみにインサート金属の皮膜を形成することも可能である。
【0014】
一方の加熱炉管要素10の接合側端部と、他方の加熱炉管要素20の接合側端部とを、それぞれ継手短管30に挿入したのち、継手短管30の各テーパ面30t、30tに装着した締め具40、41により、継手短管30を半径方向に収縮変形させて、各加熱炉管要素10、20における接合側端部と、継手短管30における内周面30aとを、インサート金属のメッキ層M、Mを挟んで押圧し、互いに圧着させることによって締結する。
【0015】
ここで、締め具40、41は、各々リング形状を呈し、その内周には上記継手短管30のテーパ面30t、30tと同態様のテーパー面40t、41tが形成されており、継手短管30の各テーパ面30t、30tに装着された状態で、互いに近接する方向に移動させることにより、継手短管30は半径方向に収縮することとなる。
【0016】
なお、上述した継手短管30のテーパ面30t、30tと、上記締め具40、41とによって、継手短管30を一方の加熱炉管要素10および他方の加熱炉管要素20に圧接させるための加圧手段Pが構成されている。
【0017】
一方の加熱炉管要素10および他方の加熱炉管要素20と、継手短管30とを互いに締結したのち、各加熱炉管要素10、20の内部を、真空度が 0.001Torr以下になるまで排気する。
【0018】
なお、図1中の10A、20Aは、各加熱炉管要素10、20の内部を排気する際、各加熱炉管要素10、20の端部開口を封止するべく取り付けられた隔壁である。
【0019】
ここで、各加熱炉管要素10、20の内部を排気することで、インサート金属の皮膜Mの酸化防止とともに、各加熱炉管要素10、20と継手短管30との締結状態を確認することができる。
【0020】
また、各加熱炉管要素10、20を、継手短管30を介して締結したことによって、一方の加熱炉管要素10と他方の加熱炉管要素20との芯出し(中心軸合わせ)が容易に行われるとともに、各加熱炉管要素10、20における内外の密気密性が良好なものとなる。
【0021】
なお、インサート金属の皮膜Mの酸化防止を目的として、排気した後、各加熱炉管要素10、20の内部に不活性ガスを充填してもよく、さらには排気を行うことなく、各加熱炉管要素10、20の内部に不活性ガスを充填してもよい。
【0022】
上記各加熱炉管要素10、20の内部を排気したのち、内挿されたヒータHにより、上記各加熱炉管要素10、20の内部から、高周波加熱によってインサート金属の皮膜Mが溶融する温度まで昇温し、この温度で1時間保持することによって拡散接合(液相拡散接合)を進行させる。
なお、高周波加熱に換えて、赤外線加熱によってインサート金属の皮膜Mの溶融、および拡散接合の進行を行わせることも可能である。
【0023】
ここで、上記各加熱炉管要素10、20を内部から加熱した際、各加熱炉管要素10、20が半径方向に熱膨張することにより、上述した加圧手段Pによる締結力と相俟って、加熱時における各加熱炉管要素10、20と継手短管30との接合圧の低下が未然に防止されることとなる。
【0024】
1時間の高温保持によって拡散接合が完了したのち、室温にまで放冷し、継手短管30から締め具40、41を取り外すことによって、加熱炉管1の製作工程は終了する。
すなわち、完成した加熱炉管1は、図3に示す如く、一方の加熱炉管要素10と他方の加熱炉管要素20との接続部分に、継手短管30が嵌着している外観を呈することとなる。
【0025】
このようにして製作された加熱炉管1は、その結合部が100気圧の水圧試験にも耐え得る実用上十分な性能を有していることが確認されている。
【0026】
上述の如き工程を経て製作された加熱炉管1では、少なくとも一方の加熱炉管要素10が、良好な耐浸炭性の認められるイットリウム酸化物粒子分散型鉄合金によって構成されているため、従来の加熱炉管に比較して、加熱炉管交換の間隔を延長することが可能となる。
【0027】
これによって、加熱炉管交換の費用を削減でき、また浸炭深さ測定に伴う装置の運転停止の間隔が延長されることで、生産性の低下をも未然に防止することが可能となり、さらに浸炭深さ測定に伴う装置の運転停止の間隔が延長されることで、炉運転停止と運転再開に伴う熱疲労が減少するため稼働寿命の延長が期待でき、極めて大きな経済的効果を得ることが可能となる。
【0028】
ところで、加熱炉管1における各加熱炉管要素10、20の結合部の強度は、母材であるODS合金管およびオーステナイト系耐熱鋼管に比べて低い。
また、加熱炉管1の一部を構成するオーステナイト系耐熱鋼管の高温強度、および耐浸炭性はODS合金管に比べて劣っており、さらにODS合金管も使用温度範囲によっては脆化現象を示すことが知られている。
【0029】
そこで、加熱炉管1における適切な使用温度範囲を確認するべく、組織変化と耐浸炭性の観点から実験を行い、下記の如き結果を得た。
【0030】
Figure 0004281881
なお、耐浸炭性は、試験体を石英管中に設置して電気炉にて加熱し、水素・メタンガスを流通させ、試験体の重量変化に基づいて評価したものである。
【0031】
以上の結果から、加熱炉管1の使用温度範囲を、475℃脆性の起こらなくなる550℃以上、かつ耐浸炭性の有る1200℃以下に設定すればよいことが解る。
【0032】
すなわち、加熱炉管1を550℃から1200℃の温度範囲において使用することで、475℃脆性に起因する脆性破壊を未然に防止することができ、また十分な耐浸炭性をも得ることができる。
【0033】
一方、従来のオーステナイト系耐熱金属製の加熱炉管では、1100℃を超えた温度範囲での使用において、著しい浸炭が生じる問題がある。
【0034】
そこで、加熱炉管において1100℃近傍の温度環境で使用される部位では、加熱炉管要素の全てをODS合金管から構成し、例えば炉の出口等、1000℃近傍の温度環境で使用される部位では、加熱炉管要素としてオーステナイト系耐熱鋼管を使用することにより、上述した浸炭の問題を解決することができる。
【0035】
このように、本発明に関わる加熱炉管および加熱炉管の製造方法は、使用温度条件によって加熱炉管要素の材質を使い分けることを可能とするものであり、特に加熱炉管の一部にオーステナイト系耐熱鋼管を使用することで、装置コストを低減させることが可能となる。
【0036】
図4に示す加熱炉管100は、ODS合金管から成る一方の加熱炉管要素110と、オーステナイト系耐熱鋼管から成る他方の加熱炉管要素120とを、インサート金属を介した拡散接合によって、互いに結合することにより構成されている。
なお、他方の加熱炉管要素120としては、オーステナイト系耐熱鋼管のみならず、一方の加熱炉管要素110と同材質のODS合金管を利用することができる。
【0037】
一方の加熱炉管要素110における接合側端部の外周面には、インサート金属の皮膜Mが電気メッキによって成膜されており、他方の加熱炉管要素120における接合側端部は、一方の加熱炉管要素110の接合側端部と嵌合し得る態様に拡管されている。
【0038】
加熱炉管100を製作するには、先ず一方の加熱炉管要素110における接合側端部に、他方の加熱炉管要素120における接合側端部を外嵌し、他方の加熱炉管要素120におけるテーパ面120tに、内周にテーパ面140tを形成した締め具140を装着するとともに、他方の加熱炉管要素120における膨径部120fにストッパブロック141を装着する。
【0039】
次いで、締め具140によって他方の加熱炉管要素120における接合側端部を、インサート金属のメッキ層Mを挟んで、一方の加熱炉管要素110における接合側端部に圧着させたのち、上述した加熱炉管1の製造工程と同様、排気、昇温、高温保持を行って拡散接合を進行させ、拡散接合が完了したのち室温にまで放冷し、締め具140およびストッパブロック141を取り外すことで、加熱炉管100の製作工程は終了する。
【0040】
なお、インサート金属の皮膜Mは、一方の加熱炉管要素110とともに、他方の加熱炉管要素120における内周面にも形成することができ、また他方の加熱炉管要素120のみに形成することも可能である。
【0041】
上記構成の加熱炉管100においても、上述した加熱炉管1と同等の作用効果が得られることは言うまでもない。
さらに、上記加熱炉管100では、一方の加熱炉管要素110と他方の加熱炉管要素120とを、インサート金属を介して直接に拡散結合しているので、上述した加熱炉管1における中間部材としての継手短管が不要となる。
【0042】
図5に示す加熱炉管200は、ODS合金管から成る一方の加熱炉管要素210と、オーステナイト系耐熱鋼管から成る他方の加熱炉管要素220とを、インサート金属を介した拡散接合によって、互いに結合することにより構成されている。
なお、他方の加熱炉管要素220としては、オーステナイト系耐熱鋼管のみならず、一方の加熱炉管要素210と同材質のODS合金管を利用することができる。
【0043】
一方の加熱炉管要素210における接合側端部には、雄ネジ210Sが形成され、他方の加熱炉管要素220における接合側端部には、雌ネジ220Sが形成されており、一方の加熱炉管要素210における接合側端部の外周面には、他方の加熱炉管要素220との接合面全域に亘って、インサート金属の皮膜Mが電気メッキによって成膜されている。
【0044】
加熱炉管200を製作するには、先ず一方の加熱炉管要素210における雄ネジ210Sと、他方の加熱炉管要素220における雌ネジ220Sとを螺着させて、各加熱炉管要素210、220を機械的に結合し、かつインサート金属のメッキ層Mを挟んで、各加熱炉管要素210、220の接合側端部を互いに圧着させ、次いで上述した加熱炉管1の製造工程と同様、排気、昇温、高温保持を行って拡散接合を進行させ、拡散接合が完了したのち室温にまで放冷することで、加熱炉管200の製作工程は終了する。
【0045】
なお、インサート金属の皮膜Mは、一方の加熱炉管要素210とともに、他方の加熱炉管要素220にも形成することができ、また他方の加熱炉管要素220のみに形成することも可能である。
また、一方の加熱炉管要素210に雌ネジを形成し、かつ他方の加熱炉管要素220に雄ネジを形成しても良い。
さらに、各加熱炉管要素210、220の接合部a、bには、インサート金属から形成された、環状のインサートリングを介装することも可能である。
【0046】
上記構成の加熱炉管200においても、上述した加熱炉管1と同等の作用効果が得られることは言うまでもない。
また、上記加熱炉管200では、一方の加熱炉管要素210と他方の加熱炉管要素220とを、インサート金属を介して直接に拡散結合しているので、上述した加熱炉管1における中間部材としての継手短管が不要となる。
【0047】
さらに、上記加熱炉管200では、螺合による機械式結合と拡散接合とを組合せたことで、高温環境下における機械的強度と気密性とを得ることができる。
【0048】
図6に示す加熱炉管300は、ODS合金管から成る一方の加熱炉管要素310と、オーステナイト系耐熱鋼管から成る他方の加熱炉管要素320とを、インサート金属を介した拡散接合によって、互いに結合することにより構成されている。
なお、他方の加熱炉管要素320としては、オーステナイト系耐熱鋼管のみならず、一方の加熱炉管要素310と同材質のODS合金管を利用することができる。
【0049】
一方の加熱炉管要素310の接合側端部には、テーパ状の嵌合凸部310Tが形成され、他方の加熱炉管要素320における接合側端部には、テーパ状の嵌合凹部320Tが形成されており、一方の加熱炉管要素310における接合側端部の外周面には、他方の加熱炉管要素320との接合面全域に亘って、インサート金属の皮膜Mが電気メッキによって成膜されている。
【0050】
加熱炉管300を製作するには、先ず一方の加熱炉管要素310における嵌合凸部310Tと、他方の加熱炉管要素320における嵌合凹部320Tとを嵌合させて、各加熱炉管要素310、320を機械的に結合し、かつ各加熱炉管要素310、320の管軸方向に 0.1kg/平方mm以上の圧縮応力を加え、インサート金属のメッキ層Mを挟んで、各加熱炉管要素310、320の接合側端部を互いに圧着する。
【0051】
次いで、上述した加熱炉管1の製造工程と同様、排気、昇温、高温保持を行って拡散接合を進行させ、拡散接合が完了したのち室温にまで放冷することで、加熱炉管300の製作工程は終了する。
【0052】
なお、インサート金属の皮膜Mは、一方の加熱炉管要素310とともに、他方の加熱炉管要素320にも形成することができ、また他方の加熱炉管要素320のみに形成することも可能である。
また、一方の加熱炉管要素310に嵌合凹部を形成し、かつ他方の加熱炉管要素320に嵌合凸部を形成しても良い。
さらに、各加熱炉管要素310、320の接合部a、bには、インサート金属から形成された、環状のインサートリングを介装することも可能である。
【0053】
上記構成の加熱炉管300においても、上述した加熱炉管1と同等の作用効果が得られることは言うまでもない。
また、上記加熱炉管300では、一方の加熱炉管要素310と他方の加熱炉管要素320とを、インサート金属を介して直接に拡散結合しているので、上述した加熱炉管1における中間部材としての継手短管が不要となる。
【0054】
さらに、上記加熱炉管300では、テーパ継手による機械式結合と拡散接合とを組合せたことにより、高温環境下における機械的強度と気密性とを得ることができる。
【0055】
なお、上述した各実施例におけるインサート金属の被膜Mは、何れも電気メッキによって形成されているが、インサート金属の皮膜Mを形成する他の方法としては、湿式メッキ、乾式メッキ、無電解メッキの他、物理蒸着(真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等)および化学蒸着(高温CVD、プラズマCVD等)を含む気相メッキ、溶射、さらには金属ペーストを塗布する方法等を採用することが可能である。
【0056】
また、インサート金属の皮膜Mを形成する代わりに、インサート金属を挿入、具体的にはインサート金属の薄板から形成された管状あるいは環状のインサート部材やインサート金属の箔を、一方の加熱炉管要素と他方の加熱炉管要素との間に挿入することも可能である。
【0057】
さらに、本発明に関わる加熱炉管および加熱炉管の製造方法は、エチレン製造装置における分解炉管のみならず、例えば、石油精製プラントにおけるCCR装置等、浸炭が問題とされる各種の加熱炉管を対象としても、極めて有効に適用し得るものであることは言うまでもない。
【0058】
【発明の効果】
以上、詳述したように、本発明に関わる加熱炉管は、Crを17〜26重量%、Alを2〜6重量%、残部Feおよび不可避不純物から成る希土類酸化物粒子分散型鉄合金から成る一方の加熱炉管要素と、上記希土類酸化物粒子分散型鉄合金もしくは耐熱金属から成る他方の加熱炉管要素とを、インサート金属を介した拡散接合により互いに結合することによって構成されている。
上述した構成の加熱炉管では、少なくとも一方の加熱炉管要素が、良好な耐浸炭性の認められる希土類酸化物粒子分散型鉄合金よって構成されているため、従来の加熱炉管に比較して、加熱炉管交換の間隔を延長することが可能となる。
もって、加熱炉管交換の費用を削減でき、また浸炭深さ測定に伴う装置の運転停止の間隔が延長されることで、生産性の低下をも未然に防止することが可能となる。
【0059】
また、本発明に関わる加熱炉管の製造方法は、一方の加熱炉管要素における接合側端部および他方の加熱炉管要素における接合側端部の少なくとも一方にインサート金属の皮膜を形成する工程と、一方の加熱炉管要素における接合側端部と他方の加熱炉管要素における接合側端部とを直接あるいは中間部材を介して互いに圧接する工程と、インサート金属を加熱することにより一方の加熱炉管要素と他方の加熱炉管要素とを互いに拡散接合する工程とを含んでいる。
上述した加熱炉管の製造方法では、少なくとも一方の加熱炉管要素が、良好な耐浸炭性の認められる希土類酸化物粒子分散型鉄合金によって構成された加熱炉管が製造される。
よって、本発明に関わる加熱炉管の製造方法によれば、従来の加熱炉管に比較して加熱炉管交換の間隔を延長できるために、生産性の低下を未然に防止できる加熱炉管を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わる加熱炉管を製造する際の態様を示す要部断面側面図。
【図2】本発明に関わる加熱炉管の構成要素および締め具を示す外観斜視図。
【図3】本発明に関わる加熱炉管を示す外観斜視図。
【図4】本発明に関わる加熱炉管の他の実施例を示す要部断面側面図。
【図5】本発明に関わる加熱炉管の更に他の実施例を示す要部断面側面図。
【図6】本発明に関わる加熱炉管の更に他の実施例を示す要部断面側面図。
【符号の説明】
1…加熱炉管、
10…一方の加熱炉管要素、
20…他方の加熱炉管要素、
30…継手短管(中間部材)、
30t、30t…テーパ面、
40、41…締め具、
P…加圧手段、
M…インサート金属の皮膜。

Claims (8)

  1. Crを17〜26重量%、Alを2〜6重量%、残部Feおよび不可逆不純物から成る希土類酸化物粒子分散型鉄合金から成る一方の加熱炉管要素と、上記希土類酸化物粒子分散型鉄合金もしくは耐熱金属から成る他方の加熱炉管要素とを、インサート金属を介した拡散接合によって互いに結合して成ることを特徴とする加熱炉管。
  2. 上記一方の加熱炉管要素の接合側端部、および上記他方の加熱炉管要素の接合側端部が挿入される継手短管を備え、上記一方の加熱炉管要素および他方の加熱炉管要素の接合側端部と上記継手短管との間に配置されたインサート金属を介して、上記一方の加熱炉管要素および他方の加熱炉管要素の接合側端部と上記継手短管とを、加圧手段によって互いに圧接させた状態で拡散接合することにより、上記一方の加熱炉管要素と上記他方の加熱炉管要素とを、上記継手短管を介して互いに結合して成ることを特徴とする請求項1記載の加熱炉管。
  3. 上記加圧手段は、上記継手短管の外周部に形成されたテーパ面と、該テーパ面に嵌合して上記継手短管を半径方向に収縮させる締め具とから成ることを特徴とする請求項2記載の加熱炉管。
  4. 上記インサート金属が、メッキによって形成されていることを特徴とする請求項2記載の加熱炉管。
  5. Crを17〜26重量%、Alを2〜6重量%、残部Feおよび不可逆不純物から成る希土類酸化物粒子分散型鉄合金から成る一方の加熱炉管要素と、上記希土類酸化物粒子分散型鉄合金もしくは耐熱金属から成る他方の加熱炉管要素とを、インサート金属を介した拡散接合によって互いに結合して成る加熱炉管の製造方法であって、 上記一方の加熱炉管要素における接合側端部、および上記他方の加熱炉管要素における接合側端部の少なくとも一方に、インサート金属を形成または挿入する工程と、
    上記一方の加熱炉管要素における接合側端部と、上記他方の加熱炉管要素における接合側端部とを、直接あるいは中間部材を介して互いに圧接する工程と、
    インサート金属を加熱することにより、上記一方の加熱炉管要素と上記他方の加熱炉管要素とを互いに拡散接合する工程と、
    を含んで成ることを特徴とする加熱炉管の製造方法。
  6. 上記インサート金属を、メッキによって形成することを特徴とする請求項5記載の加熱炉管の製造方法。
  7. 上記中間部材は、上記一方の加熱炉管要素の接合側端部、および上記他方の加熱炉管要素の接合側端部が挿入される継手短管であって、上記一方の加熱炉管要素および他方の加熱炉管要素の接合側端部と上記継手短管との間に配置されたインサート金属を介して、上記一方の加熱炉管要素および他方の加熱炉管要素の接合側端部と上記継手短管とを、加圧手段によって互いに圧接させた状態で拡散接合することにより、上記一方の加熱炉管要素と上記他方の加熱炉管要素とを、上記継手短管を介して互いに結合することを特徴とする請求項5記載の加熱炉管の製造方法。
  8. 上記加圧手段は、上記継手短管の外周部に形成されたテーパ面と、該テーパ面に嵌合して上記継手短管を半径方向に収縮させる締め具とから成ることを特徴とする請求項6記載の加熱炉管の製造方法。
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