JP4279961B2 - 化粧材用基材フィルムとその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高密度ポリエチレン樹脂を基体樹脂とする化粧材用基材フィルム、特に、カレンダー加工による化粧材用基材フィルムに関し、また、そのカレンダー成形による製造方法に関する。更に、本発明は、上記基材フィルムを用いてなる化粧材用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
化粧用フィルムとは、基材フィルムに印刷やラミネーション等を施してなる一種の装飾用材料であって、木質板(MDF、パーチクルボード、積層板等)、金属板、無機質板(石膏ボード等)等の基板に貼り合わせて、建材、家具、家庭用電気製品のキャビネット類に用い、また、装飾目的のために壁、天井、床等に貼り付ける壁紙として用いるフィルムである。
【0003】
従来、このような化粧材用フィルムの基材フィルム、即ち、化粧材用基材フィルムとしては、塩化ビニル樹脂を基体樹脂とするフィルムが用いられているが、塩化ビニル樹脂は塩素を含むところから、近年、環境問題の高まりを背景として、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂からなるフィルムへの代替が進みつつある。
【0004】
一般に、化粧材用フィルムは、その使用に際して、基板に貼り合わせるので、基材フィルムは弛み(たるみ)がないことが必要不可欠であり、基材フィルムに弛みがあるときは、これより得られる化粧用フィルムを基板に貼り合わせたとき、基板上で皺が生じる。しかし、従来、ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン樹脂からなるフィルムは、特に、長尺に製造したとき、弛みをもつことが多い。このような弛みをもつフィルムを基板に貼着すると、基板上で皺をつくるので、化粧材用フィルムとして用いるに適しない。
【0005】
即ち、従来、ポリオレフィン樹脂からなるフィルムは、T型ダイスから溶融した樹脂を押し出して、平滑なフィルムを得るTダイ法か、又はリング状の円形ダイから溶融した樹脂をチューブ状に押出すと同時にその中に圧搾空気を吹き込み、チューブを膨張させて、チューブ状のフィルムを得るインフレーション法によって製造されている。
【0006】
このうち、Tダイ法によるフィルムの製造においては、フィルムの厚みは、従来、ダイのリップの間隔をダイ出口の調整ボルトを手作業で調整することによって行なわれており(フレキシブルリップ方式Tダイ)、最近では、自動制御方式(ヒートボルト方式Tダイ)も知られているが、しかし、上記調整ボルトが間隔をおいて設けられていることから、得られるフィルムは、幅方向の厚みが僅かに異なることが多く、その結果として、このようなフィルムを長尺で巻き取ると、厚みの差が積算されて、フィルムの長尺ロールは、厚みの厚い部分がいわば瘤を形成して、フィルムに癖がつき、弛みをもつこととなる。他方、インフレーション法によるフィルムは、本来、厚み精度が低く、弛みを有している。更に、Tダイ法によるフィルムの製造は、生産性が低い。
【0007】
これに対して、カレンダー法は、溶融した樹脂を回転する一対のロールの間で圧延してフィルムとする方法であり、従来、専ら、軟質塩化ビニル樹脂フィルムの製造に用いられている。このカレンダー法においては、ロール間の隙間は、ロールの軸受け部を移動して調整するので、得られるフィルムは、幅方向の厚み精度が高く、長尺のロール巻き取っても弛みができない。従って、カレンダー法によれば、弛みのない軟質塩化ビニル樹脂フィルムの長尺ロールを製造することができ、そのような軟質塩化ビニル樹脂フィルムは、従来、化粧材用基材フィルムとして好適に用いられている。
【0008】
しかし、ポリエチレンやポリプロピレンを樹脂原料とする場合は、このカレンダー加工においては、これら樹脂は、その溶融粘度が低く、べたつきが著しいために、カレンダーロールのほか、ロールからの引取りロール、ロール間の樹脂バンクの幅を制御する板部材等の周辺の付属設備に粘着し、剥がれなくなって、平滑な表面を有するフィルムを厚み精度よく製造することが困難であり、場合によっては、連続したフィルムを製造することさえ、困難である。また、樹脂を半溶融としても、平滑なフィルムを得ることができない。
【0009】
更に、基体樹脂として高密度ポリエチレン樹脂を用いた化粧材用基材フィルムは、基板に貼着した後、その接着力が経時的に低下し、基板が木質の場合であれば、界面剥離を引き起こす。特に、このような接着力の経時劣化は、温度変化の大きい環境下に、基板に対してフィルムが伸縮する箇所において著しい。このように、接着力が経時劣化すると、化粧材用フィルムが基板から剥離して浮き上がるので、最早、化粧材として機能しない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高密度ポリエチレン樹脂を基体樹脂とする化粧材用基材フィルムにおける上述した問題を解決するためになされたものであって、重量平均分子量と重量平均分子量/数平均分子量比で定義される分子量分布が共に所定の範囲にある高密度ポリエチレン樹脂にBET表面積が所定の範囲にある炭酸カルシウムを所定割合で配合してなる樹脂組成物をカレンダー加工にてフィルムとすることによって、目的とする化粧材用基材フィルムを製造することができることを見出して、本発明に至ったものである。
【0011】
即ち、本発明は、高密度ポリエチレン樹脂を基体樹脂とし、ロールとられや弛みがなく、厚み精度にすぐれ、表面が平滑で、しかも、基板に貼着後の接着力の低下のない化粧材用基材フィルムとその製造方法を提供することを目的とする。更に、本発明は、そのような基材フィルムを用いてなる化粧材用フィルムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明による化粧用基材フィルムは、重量平均分子量が100000〜200000の範囲にあり、重量平均分子量/数平均分子量で規定される分子量分布が10〜30の範囲にある高密度ポリエチレン樹脂100重量部に対して、BET表面積2〜20m2 /gの炭酸カルシウムを8〜40重量部配合した樹脂組成物からなり、厚みが0.04〜0.6mmの範囲にある。
【0013】
このような化粧用基材フィルムは、本発明に従って、上記樹脂組成物をカレンダー加工して、厚み0.04〜0.6mmの範囲に圧延することによって得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明において、高密度ポリエチレン樹脂とは、既に、よく知られているように、所謂中低圧法にて製造される密度が0.94〜0.97g/cm3 の範囲にあるポリエチレン樹脂をいい、特に、本発明によれば、重量平均分子量が100000〜200000の範囲にあり、重量平均分子量/数平均分子量で規定される分子量分布が10〜30の範囲にあるものが用いられる。
【0015】
高密度ポリエチレン樹脂の重量平均分子量が200000を越えるときは、上記樹脂組成物のカレンダー加工において、溶融樹脂の粘度が高すぎて、バンクが回らないので、平滑なフィルムを得ることができない。そこで、ロール温度を高くすれば、カレンダー加工において、高密度ポリエチレン樹脂中の低分子量成分がロールに粘着して、ロールからのフィルムの引取りが困難となる。他方、高密度ポリエチレン樹脂の重量平均分子量が100000よも小さいときは、溶融粘度が低すぎて、ロール温度を低くしても、樹脂がロールに粘着したり(ロールとられ)、得られるフィルムの表面がタック(べたつき)を帯びて、平滑な表面を有するフィルムを得ることが困難となる。
【0016】
また、重量平均分子量/数平均分子量で規定される分子量分布が30よりも大きいときは、樹脂の分子量分布が広く、低分子量成分を多く含んでいるので、カレンダー加工において、この低分子量成分がロールに粘着して、ロールからのフィルムの引取りが困難となる。しかし、分子量分布が10よりも小さいときは、樹脂の分子量分布が狭いので、樹脂の結晶性が高く、例えば、ロール間のバンクにおける冷却によってさえ、樹脂が結晶化するので、平滑なフィルムを得ることが困難である。そこで、樹脂が結晶化し難い温度まで加工温度を高めると、樹脂の粘度が急激に低下し、著しいべたつきを生じるので、カレンダーロールからの樹脂の引取りが困難となる。
【0017】
本発明においては、重量平均分子量と分子量分布が上記範囲にある高密度ポリエチレン樹脂であれば、そのような高密度ポリエチレン樹脂を2種以上、混合して用いてもよい。
【0018】
本発明によれば、このような高密度ポリエチレン樹脂100重量部に対して、BET表面積2〜20m2 /gの炭酸カルシウムを8〜40重量部配合して、樹脂組成物となし、これを厚み0.04〜0.6mmの範囲のフィルムにカレンダー加工することによって、化粧材用基材フィルムを得る。
【0019】
高密度ポリエチレン樹脂に配合する炭酸カルシウムのBET表面積が小さすぎるときは、炭酸カルシウムの粒径が大きすぎて、得られるフィルムが引裂強度において劣り、実用性に欠ける。他方、BET表面積が大きすぎるときは、炭酸カルシウムの粒径が小さすぎて、得られる樹脂組成物の粘度を過度に高くし、かくして、樹脂組成物のカレンダー加工において、バンクが回らないので、表面が平滑なフィルムを得ることができない。
【0020】
また、高密度ポリエチレン樹脂への炭酸カルシウムの配合割合が少なすぎるときは、得られる化粧材用基材フィルムを基板に貼着した後の経時接着力の低下を殆ど改善することができない。しかし、高密度ポリエチレン樹脂に炭酸カルシウムを過多に配合すれば、カレンダー加工時、ロールに対する滑性が不十分となって、ロールから引き剥がすことが困難となったり、また、フィルムが切断しやすくなって、ロールからフィルムを安定して引き取ることができない。
【0021】
更に、本発明による化粧用基材フィルムは、厚みが0.04〜0.6mmの範囲にあることが好ましい。厚みが薄すぎるときは、加工時にフィルムに孔があき、他方、余りに厚すぎるときは、得られるフィルムが硬く、基板に貼り合わせることが困難となり、化粧材用基材フィルムとしても適しない。
【0022】
本発明によれば、高密度ポリエチレン樹脂には、従来、ポリエチレン樹脂に用いられている種々の添加剤を必要に応じて配合してもよい。そのような添加剤としては、例えば、滑剤、熱安定剤、光安定剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、改質剤、帯電防止剤、補強剤、粘着付与剤、充填剤、防かび剤等を配合してもよい。
【0023】
滑剤としては、例えば、ラウリン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等の高級脂肪酸のカルシウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、バリウム塩等の金属石ケン、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、パルミチン酸等の高級脂肪酸、ステアロアミド、パルミトアミド等の高級脂肪酸アミド、平均分子量1000〜2000の低分子量ポリエチレン、メチレンビスステアロアミド等の脂肪酸ビスアミド類、ステアリン酸ブチル等の高級脂肪酸エステル、ステアリルステシレート、ミリシルセロチネート等のエステルワックス類、グリセリルモノステアレート等の多価アルコールの部分エステル等を挙げることができる。本発明によれば、高密度ポリエチレン100重量部に対して、このような滑剤を0.01〜5重量部の範囲で含んでいてもよい。
【0024】
酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン、テトラキス(メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のヒンダードフェノール化合物、トリスノニルホスファイト、トリス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等の亜リン酸エステル等を高密度ポリエチレン100重量部に対して0.01〜5重量部の範囲で含んでいてもよい。
【0025】
また、光安定剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、フェニルサリシレート系化合物、ヒンダードアミン系化合物等を高密度ポリエチレン100重量部に対して0.01〜5重量部の範囲で含んでいてもよい。
【0026】
顔料としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄、アゾ系化合物、フタロシアニン系化合物、酸化チタン・酸化アンチモン・酸化ニッケル固溶体等を高密度ポリエチレン100重量部に対して50重量部以下の範囲で含んでいてもよい。
【0027】
本発明による化粧材用基材フィルムは、このような高密度ポリエチレン樹脂に前記炭酸カルシウムと共に、必要に応じて、上記添加剤を配合し、得られた樹脂組成物を連続混練機、バンバリーミキサー、ニーダー、押出機等によって、通常、150〜200℃の温度で加熱溶融し、混練し、この溶融樹脂を、通常、ロール温度150〜220℃、好ましくは、160〜190℃のカレンダーロールに供給して、所要厚みのフィルムに圧延することによって得ることができる。
【0028】
カレンダー装置は、3本型、4本L型、4本逆L型、4本Z型、6本型等、適宜のものが用いられている。
【0029】
このようにして得られる基材フィルムの表面に所要の印刷を施すか、又はラミネーションを施し、裏面に接着処理を施した後、これに接着剤層を設けて、化粧材用フィルムを得る。上記接着剤としては、特に、限定されるものではないが、通常、ポリウレタン樹脂やエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂の水性エマルジョンや、又はポリウレタン樹脂からなる溶剤型接着剤が用いられる。上記接着処理としては、例えば、コロナ放電処理を施して、フィルムの濡れ指数を38dyn/cm以上とした後、ポリウレタン樹脂か、又はウレタン−アクリル共重合体樹脂をイソシアネート架橋させてなるプライマーを塗布し、乾燥させこれに上記接着剤を塗布し、乾燥させて、化粧材用フィルムを得ることができる。
【0030】
このような化粧材用基材フィルムによれば、基板に貼り合わせた後、その接着力が経時的に低下せず、基板上での浮き上がりもない。その理由は、必ずしも明らかではないが、高密度ポリエチレン樹脂に炭酸カルシウムを配合したことによって、基板に貼り合わせたフィルムの基板上での伸縮が抑制されたためであるとみられる。
【0031】
かくして、本発明による化粧材用基材フィルムは、木質基板のほか、種々の材質の基板に貼り合わせるための化粧材用フィルムを製造するのに好適に用いることができる。
【0032】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0033】
実施例1〜6
表1に示すように、高密度ポリエチレン樹脂100重量部に酸化防止剤イルガノックス1076(日本チバガイギー(株)製、登録商標)0.2重量部と滑剤ステアリン酸カルシウム0.2重量部と炭酸カルシウムとを配合して、樹脂組成物となし、これをバンバリーミキサーを用いて150〜180℃の温度で混練溶融し、得られた混練物を4本逆L字ロール型24インチカレンダーに供給し、ロール温度160〜190℃で所定の厚みに圧延した。ここに、ロールとは、4本逆L字ロールを形成するすべてのロールをいうが、すべてのロールは、同じ温度である必要はなく、上記温度範囲にあればよい。
【0034】
このようなカレンダー加工によるフィルムの製造において、樹脂のカレンダー加工性、得られたフィルムの平滑性と貼り加工性と引裂強度と接着性を調べた。
【0035】
(カレンダー加工性)
上記フィルムの製造において、バンクがよく回り、最終ロールからフィルムを安定して引き取ることができるときを「よい」とし、不都合があるときを「悪い」とした。
(フィルムの平滑性)
フィルムの平滑性は、フィルムを光に透かして観察し、網目状乃至鎬状の模様がみられないときを「よい」、上記模様がみられるときを「悪い」とした。
【0036】
(フィルムの貼り加工性)
得られたフィルムの基材への化粧用フィルムとしての貼り加工性を評価するために、JIS K 6734に準拠して10%モジュラスを測定した。貼り加工性からみて、10%モジュラスは1.0〜10kg/cmの範囲にあることが最も好ましいが、0.7〜1.0kg/cm及び10〜15kg/cmの範囲にあるときも、実用的には支障はない。しかし、10%モジュラス0.7kg/cm未満や15kg/cmを越えるときは、化粧用フィルムとしては実用し難い。
【0037】
(引裂強度)
JIS K6732に従って、23℃で測定した。1.2kg/cm以上あればよく、0.8kg/cm以上、1.2kg/cm未満の範囲であれば、化粧材基材フィルムとして、実用上、支障ないが、0.8kg/cmよりも小さければ、強度が実用性に劣る。
【0038】
(接着性)
得られたフィルムの表面にコロナ放電処理を施して、濡れ指数を40dyn/cmとした。このように処理した表面にポリウレタン樹脂系のプライマー(ノーテープ工業(株)製G5284、固形分20%)/硬化剤(ノーテープ工業(株)製G3008)を重量比100/1.5にて混合したものを1g/m2 の割合で塗布し、乾燥させた。
【0039】
他方、木質基材として厚さ4mmのMDFに接着剤としてポリウレタン樹脂エマルジョン(中央理科工業(株)製BA10)と硬化剤(中央理科工業(株)製BA10B)を重量比100/5の割合にて混合したものを8g/m2 の割合で塗布した後、直ちに、これに上記接着剤を塗布したフィルムを貼り合わせ、20g/cm2 の荷重の下に72時間、養生した。
【0040】
このように養生した後、直ちに、200mm/分の速度で180°剥離して、剥離面の材料破壊の割合を調べた。これを直後の材料破壊の割合として、表1に示す。また、上記養生の後、−20℃に2時間保持し、60℃に2時間保持するサイクルを20回繰り返した後、上記と同様にして、剥離面の材料破壊の割合を調べた。これを経時の材料破壊の割合として、表1に示す。
【0041】
比較例1〜7
上記実施例と同様にして、フィルムを製造し、同様に、その際の樹脂のカレンダー加工性、得られたフィルムの平滑性と貼り加工性と引裂強度と接着性を調べた。結果を表2に示す。
【0042】
上記実施例及び比較例において用いた高密度ポリエチレン樹脂及び炭酸カルシウムの表中の記号は次のものを意味する。
HDPE1:日本ポリケム(株)製高密度ポリエチレン「ノバテックHD HB430」、Mw=180000、Mw/Mn=13
HDPE2:チッソ(株)製高密度ポリエチレン「GX600」、Mw=180000、Mw/Mn=30
HDPE3:日本ポリケム(株)製高密度ポリエチレン「ノバテックHD HY331」、Mw=120000、Mw/Mn=20
HDPE4:丸善ポリマー(株)製高密度ポリエチレン「MZ9050」、Mw=150000、Mw/Mn=5
HDPE5:三井化学(株)製高密度ポリエチレン「ハイゼックス8200B」、Mw=230000、Mw/Mn=13
【0043】
炭酸カルシウム1:白石工業(株)製「白艶CCR」、BET表面積=18m2 /g、脂肪酸にて表面処理したもの
炭酸カルシウム2:白石工業(株)製「VIGOT15」、BET表面積=11.5m2 /g、脂肪酸にて表面処理したもの
炭酸カルシウム3:東洋ファインケミカル(株)製「ホワイトンP−30」、BET表面積=3.4m2 /g、表面処理なし
炭酸カルシウム4:白石工業(株)製「白艶CC」、BET表面積=26m2 /g、脂肪酸にて表面処理したもの
炭酸カルシウム5:東洋ファインケミカル(株)製「ホワイトンP−70」、BET表面積=1.0m2 /g、表面処理なし
【0044】
【表1】
Figure 0004279961
【0045】
【表2】
Figure 0004279961
【0046】
【発明の効果】
本発明による化粧材用基材フィルムは、重量平均分子量と重量平均分子量/数平均分子量比で定義される分子量分布が所定の範囲にある高密度ポリエチレンに所定のBET表面積を有する炭酸カルシウムを所定の割合で配合してなる樹脂組成物からなり、木質基板を含む種々の材質の基板に貼り合わせた後に、経時的な接着力の低下がない。
【0047】
本発明によれば、基体樹脂として高密度ポリエチレン樹脂を用いながら、上述したように炭酸カルシウムを配合した樹脂組成物を用い、これをカレンダー加工することによって、ロールとられも弛みもなしに、表面が平滑な化粧材用基材フィルムを厚み精度よく、生産性よく、低廉に製造することができる。

Claims (3)

  1. 重量平均分子量が100000〜200000の範囲にあり、重量平均分子量/数平均分子量で規定される分子量分布が10〜30の範囲にある高密度ポリエチレン樹脂100重量部に対して、BET表面積2〜20m2 /gの炭酸カルシウムを8〜40重量部配合した樹脂組成物をカレンダー加工して、厚み0.04〜0.6mmの範囲に圧延することを特徴とする化粧材用基材フィルムの製造方法。
  2. 請求項1に記載の方法によって得られる化粧材用基材フィルム。
  3. 請求項2に記載の基材フィルムの表面に所要の印刷又はラミネーションを施し、裏面に接着剤層を設けてなる化粧材用フィルム。
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