JP4277750B2 - インクジェット記録用紙の製造方法 - Google Patents

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本発明は、インクジェット記録用紙に関するものであり、特に、高価な微細アルミナや微細シリカを大量に使わず、また、キャストドラムなど特殊な装置を用いることなく、高い白紙光沢度を有するインクジェット記録用紙を提供するものである。
インクジェット記録方式は、インクの微小液滴を吐出させて記録用紙上に画像を形成させるものであり、高速、低騒音、多色化が容易、現像−定着が不要等の特長を有することから、各種カラー画像等の記録方式として種々の用途に於いて急速に普及している。更に、近年商業印刷等の分野においては、デジタル情報を製版することなく紙などのメディアに直接印刷できるため少部数の印刷や可変情報印刷(バリアブル印刷)に最適であるオンデマンド印刷へのインクジェット記録方式の導入が進んできており、ラインヘッド搭載のインクジェット記録方式が、格段に印刷が早いために特に注目を集めている。
このインクジェット記録方式で使用される記録用紙としては、通常の印刷や筆記に使われる上質紙やコーテッド紙を使うべく、装置やインク組成の面から努力が成されてきた。しかし、装置の高速化・高精細化あるいはフルカラー化などインクジェット記録装置の性能の向上や用途の拡大に伴い、記録用紙に対してもより高度な特性が要求されるようになった。即ち、当該記録用紙としては、印字ドットの濃度が高く色調が明るく鮮やかであること、インクの吸収が早く印字ドットが重なった場合に於いてもインクが流れ出したり滲んだりしないこと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上に大きくなく、且つ周辺が滑らかでぼやけないこと等の高い画像再現性が要求されている。
中でも、オンデマンド印刷は、パーソナル用ではなく商業印刷用であるため、用いる紙には上記の特性以外にオフセット印刷用の一般コート紙に近い白紙光沢と低価格が強く求められている。
このようなオンデマンド印刷用インクジェット記録用紙への要求に対して、従来のインクジェット記録用紙は満足できるものは無かった。例えば、高吸水性、高吸油性の材料であるシリカ等の多孔質無機顔料が使われることが多いが、通常のシリカを使用した場合、白紙光沢は極めて劣ったものしか得られない(例えば、特許文献1,2参照)。一方、平均粒子径が数百nmの超微細シリカを使用し、キャスト法で製造した場合には、かなり高い白紙光沢のものが得られるが、原料コスト並びに製造コストが高いために、低コスト品を得ることが難しく、オンデマンド印刷用としては問題がある(例えば、特許文献3参照)。なお、インク受理層に、中空粒子を配合したインクジェット記録用シートも提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特開昭55−51583号公報 特開2000−335092号公報 特開平11−208103号公報 特開平6−286296号公報
本発明は、低廉で高い白紙光沢度を有するインクジェット記録用紙を提供しようとするものである。
本発明者等は鋭意検討した結果、インク受理層中に、特定の空隙率を有するプラスチックピグメントを含有させ、キャレンダー処理後のインク受理層の密度を一定の範囲になるよう調整することによって、インクジェット記録用紙のインク受理層にとって最も重要なインク吸収性を損なうことなく、目的とする白紙光沢に調整できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、シート状支持体の少なくとも片面に、中空率51%以上のプラスチックピグメントを、該プラスチックピグメント以外の顔料(以下、他の顔料ともいう)100質量部に対して10乃至150質量部配合した塗液を塗工、乾燥後、密度が0.6〜1.4g/cm となるようにキャレンダー処理してインク受理層を形成することを特徴とするJIS Z8741により測定したインク受理層表面の75°光沢度が65%以上のインクジェット記録用紙の製造方法である。
本発明においては、中空率51%以上のプラスチックピグメントの平均粒子径が5μm以下であることが好ましい。
また、中空率51%以上のプラスチックピグメントの樹脂のガラス転移点が70℃以上、120℃以下であることが好ましい。
また、他の顔料として合成シリカを含有することが好ましい。
本発明に係るインクジェット記録用紙は、インク吸収性が良好で、高い白紙光沢度を有するものであり、さらに低廉であることから、実用上極めて有用である。
本発明では、中空率が51%以上のプラスチックピグメントが用いられるが、より好ましくは、51〜80%である。51%未満の中空率のプラスチックピグメントを、インク受理層の原料に用いた場合には、キャレンダー処理条件を如何に設定しても、インク吸収性と白紙光沢の所期レベルのものを得ることが出来ず、80%を超える場合は、所望する性能は得られるが、本発明の効果が飽和し、製造コスト高ともなり、好ましくない。また、本発明では、中空率が51%以上のプラスチックピグメントを用いても、キャレンダー処理後のインク受理層の密度が0.6〜1.4g/cmの範囲にならない場合には、インク吸収性と白紙光沢の所期レベルのものを得ることが出来ない。
上記中空プラスチックピグメントの組成は特に限定されるものではないが、スチレン、エチレン、塩化ビニル、ポリウレタン、アクリル、酢酸ビニル、ポリカーボネート、ナイロン、及びこれらの共重合体が挙げられる。中でも、スチレン若しくはスチレンアクリル共重合体が好ましい。中空プラスチックピグメントの平均粒子径としては、5μm以下であることがより好ましい。5μmを超えると白紙光沢が出難くなることがある。また、中空プラスチックピグメントの樹脂のガラス転移点が70〜120℃の範囲のものがより好ましい。ガラス転移点が70℃未満、若しくは120℃を超える場合には、白紙光沢が出難くなる。本発明に用いられる中空プラスチックピグメントとしては、具体的には、JSR社製AE851(中空率55%、平均粒子径1.1μm、ガラス転移点100℃)を挙げることが出来る。
インク受理層中に含まれる中空率が51%以上のプラスチックピグメントは、他の顔料100質量部(固形分)に対して、通常1〜200質量部(固形分)の範囲で配合される。中でも、好ましくは10〜150質量部(固形分)である。配合量が1質量部未満の場合には、白紙光沢が出難くい。200質量部を超える場合は、インク吸収性が低い。
インク受理層中に含まれる他の顔料としては、気相法シリカ、湿式法シリカ、コロイダルシリカ、メソポーラスシリカ、カオリン、クレー、焼成クレー、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、アルミナ、コロイダルシリカ、ゼオライト、合成ゼオライト、セピオライト、スメクタイト、合成スメクタイト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、スチレン系プラスチックピグメント、ハイドロタルサイト、尿素樹脂系プラスチックピグメント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメント等、一般の塗工紙製造分野で公知の各種顔料を1種もしくはそれ以上、併用することが出来る。中でも、インク吸収性の面で特に優れた気相法シリカ、湿式法シリカ、コロイダルシリカ、メソポーラスシリカ等の合成シリカの配合が望ましい。
インク受理層中の接着剤(バインダー)成分としては、例えば、カチオン性澱粉、両性澱粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白、天然ゴム等の天然あるいは半合成高分子化合物、ポリビニルアルコール、ポリイソプレン、ポリネオプレン、ポリブタジエン等のポリジエン類、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリアルケン類、ビニルハライド、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、メチルビニルエーテル等のビニル系重合体や共重合体類、スチレン−ブタジエン系、メチルメタクリレート−ブタジエン系等の合成ゴムラテックス類、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、オレフィン−無水マレイン酸系樹脂、メラミン系樹脂等の合成樹脂類等が例示できる。これらの中から目的に応じて1種あるいは2種以上が適宜選択して使用される。
本発明のインク受理層中の接着剤は、顔料100質量部(固型分)に対して、2〜200質量部(固型分)の範囲内にあることが好ましい。この配合割合が2質量部未満では、インク受理層の塗膜強度が不十分になり、製本や折り加工の時にインク受理層が脱落することがある。一方、これが200質量部を越えると、インク受理層のインク吸収性が著しく低下し、インク滲み防止性が不十分になることがある。
このインク受理層中には、これら顔料及び接着剤の他に、各種助剤、例えば界面活性剤、pH調節剤、粘度調節剤、柔軟剤、光沢付与剤、ワックス類、分散剤、流動変性剤、安定化剤、帯電防止剤、架橋剤、サイズ剤、蛍光増白剤、着色剤、紫外線吸収剤、消泡剤、耐水化剤、可塑剤、滑剤、防腐剤及び香料等の少なくとも1種が必要に応じて適宜含まれていてもよい。
また、インク受理層には、塗工層とインクの結合力を高める作用をもつカチオン性またはアニオン性の物質を、インクのイオン性に応じて含有させることが出来る。カチオン性物質としては、ポリエチレンイミン,ポリエチレンイミン−エピクロルヒドリン反応物,ポリエチレンイミン−アクリルアミド付加物,ポリエチレンイミン−アクリロニトリル付加物,ポリアミド−ポリアミン樹脂,ポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂,ポリアミド−ポリアミン−エピクロルヒドリン樹脂などのカチオン性ポリマ−が好適に使用される。
また、アニオン性物質としては、リンタングステン酸,リンモリブデン酸などの水不溶性金属塩,スチレン−無水マレイン酸共重合物のアンモニウム塩,α−オレフィン−無水マレイン酸共重合物のアンモニウム塩などのアニオン性ポリマ−、アニオン変性PVA、カルボキシメチルセルロース等が使用されるが、中でもアニオン性ポリマ−が好適に使用される。
本発明におけるインク受理層の密度は、インク受理層を設けていないシート状支持体および前記シート状支持体にインク受理層を設けた塗工紙を同一の条件でキャレンダー処理を施し規定した。すなわち、前記キャレンダー処理を行ったインク受理層を設けていないシート状支持体の坪量をW1、紙厚をC1とし、さらに前記キャレンダー処理を行ったインク受理層を設けた塗工紙の坪量をW2、紙厚をC2とすると、インク受理層の密度ρ(g/m)は次式で表される。
ρ=(W2−W1)(C2−C1)
シート状支持体としては、通常シート状紙基体が用いられる。そのシート状支持体を構成するパルプについて、その製法及び種類等に特に限定はない。例えばKPのような化学パルプ、SGP、RGP、BCTMP及びCTMP等の機械パルプ、脱墨パルプのような古紙パルプ、並びにケナフ、竹、藁、麻等のような非木材パルプであってもよく、またポリアミド繊維、ポリエステル繊維等の有機合成繊維、再生繊維、例えばポリノジック繊維並びにガラス繊維、セラミック繊維、カーボン繊維等の無機質繊維も混用することができる。なおシート状支持体に用いるパルプとして、ECFパルプ、TCFパルプ等の塩素フリーパルプを用いることが好ましい。
またシート状支持体中には、必要に応じて、填料が配合されていてもよい。填料としては、一般に上質紙に用いられる各種の顔料を用いることができ、例えばカオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、タルク、酸化亜鉛、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、ホワイトカーボン、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト及びスメクタイト等の鉱物質顔料、並びにポリスチレン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂及び塩化ビニリデン系樹脂の微小中空粒子、密実型粒子および貫通孔型粒子などの有機顔料が挙げられる。
なおシート状支持体の抄造時に、その紙料中に、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、パルプ繊維や填料の他に、従来から使用されている各種のアニオン性、ノニオン性、カチオン性あるいは両性の歩留向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤や内添サイズ剤等の各種抄紙用内添助剤を必要に応じて適宜選択して使用することができる。さらに染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙用内添助剤も必要に応じて適宜添加することができる。
シート状支持体の抄紙方法については特に限定はなく、例えば抄紙pHが4.5付近で行われる酸性抄紙法、炭酸カルシウム等のアルカリ性填料を主成分として含み抄紙pH約6の弱酸性から抄紙pH約9の弱アルカリ性で行われる中性抄紙法等の、全ての抄紙方法を適用することができ、抄紙機も長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、丸網抄紙機、ヤンキー抄紙機を適宜使用することができる。
インク受理層を形成するための塗被方法としては、一般に従来の塗被装置、例えばブレードコータ、エヤーナイフコータ、スプレーコータ、ロールコータ、リバースロールコータ、バーコータ、カーテンコータ、ダイスロットコータ、グラビアコータ、チャンプレックスコータ、ブラシコータ及びツーロール、並びにメータリングブレード式のサイズプレスコータ、ビルブレードコータ、ショートドウェルコータ、リップコータ及びゲートロールコータ等の装置を適宜に用いることができる。
インク受理層の塗工量は、1〜30g/m、であることが好ましく、より好ましくは3〜20g/mである。塗工量が1g/m未満では、満足できる白紙光沢が得られないことがある。一方、30g/mを越えると、塗工時の乾燥性が悪くなるなどの操業性が低下し、製造原価も高くなる。
インク受理層は、シート状支持体の両面に形成してもよい。また、インク受理層とシート状支持体の間に、顔料と接着剤を主成分とする下塗り層を設けて多層構造の塗被層にしてもよい。下塗り層は2層以上の複数層にしてもよい。下塗り層を設けることによって、インク吸収性の向上や白紙光沢の上昇が期待でき、さらには画像の裏抜けを抑止する効果を付与することも可能である。下塗り層を形成する顔料、接着剤としては、インク受理層に用いた顔料、接着剤を挙げることが出来る。なお両面塗工や多層構造にする場合、各々の塗被液が同一または同一塗工量である必要はなく、所要の品質レベルに応じて適宜調整して配合すればよい。またシート状支持体の片面に塗被層を設けた場合、裏面に合成樹脂層、又は顔料と接着剤等からなる塗被層又は、帯電防止層等を設けてカール防止、印刷適性付与、及び/又は給排紙適性等を付与することも可能である。さらにシート状支持体の裏面に種々の加工、例えば粘着、磁性、難燃、耐熱、耐水、耐油、防滑等の後加工を施すことにより、用途適性を付加することも勿論可能である。
本発明の塗工紙へのキヤレンダー処理は、通常のスーパーキヤレンダー、グロスキヤレンダー、ソフトキヤレンダー等の平滑化処理装置が用いられ、オンマシンやオフマシンで適宜処理される。その際の加圧装置の形態、加圧ニップの数、加温等の処理条件を適宜調節して、インク受理層の密度が0.6〜1.4g/cmの範囲になるように処理される。本発明においては、インク受理層表面の、JIS Z8741に準じて測定した75°での光沢度が65%以上であることが好ましい。
本発明を下記実施例により具体的に説明するが、勿論、それらは本発明の範囲を限定するものでない。なお、例中の「部」および「%」は、特に断わらない限り、「質量部(固型分)」および「質量%」を表す。
実施例1
〔シート状支持体の作製〕
LBKP(フリーネス(CSF)=450ml)100部のパルプスラリーに、内添サイズ剤としてアルケニル琥珀酸無水物(商品名:ファイブラン81K、荒川化学工業社製)0.05部、定着剤としてカチオン化澱粉(商品名:王子エースK、王子コンスターチ社製)0.7部、並びに硫酸バンド0.5部を添加し、さらに填料として、炭酸カルシウム10部を添加し、これらの混合物を白水で希釈してpH7、固形分濃度0.8%の紙料を調製した。この紙料を、長網抄紙機に供して抄紙し、得られた湿紙に、酸化澱粉(商品名:王子エースA、王子コンスターチ社製)を濃度6%で含むサイズプレス液を、サイズプレス装置で塗布量が乾燥質量で2g/mとなるように塗布し、乾燥し、さらにマシンカレンダを用いてベック平滑度が50秒になるように平滑化処理を施して、坪量が127g/mのシート状支持体を作製した。
〔インク受理層用塗被液の調製〕
顔料としてシリカ(商品名:ミズカシルP−405、水沢化学社製)100部に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ(商品名:アロンA−9、東亜合成社製)0.2部を加え、コーレス分散機を用いて水分散して顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーにポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、クラレ社製)80部、および中空率55%、平均粒子径1.1μm、ガラス転移点100℃の中空プラスチックピグメント(商品名:AE851、JSR社製)100部を添加して撹拌し、さらに水を加えて固形分濃度15%のインク受理層用塗被液を調製した。
〔シート状支持体へのインク受理層の形成〕
得られたインク受理層用塗被液を、前記シート状支持体の両面に、エアーナイフを用いて片面当たり乾燥塗布質量が10g/mになるように塗被、乾燥した。
〔キャレンダー処理〕
金属ロールと弾性ロールで構成された加圧ニップに通紙して坪量が147g/m、インク受理層の密度が1.3g/cmのインクジェット記録用紙を得た。
〔インクジェット記録用紙の光沢度の測定〕
JIS Z8741により、インクジェット記録用紙の光沢度を入射角と受光角が75°の条件で測定した。測定器は、村上色彩研究所社製GLOSS METER MODEL GM−26Dを用いた。以上の結果を表1に示した。
〔インクジェット記録評価〕
(a)インクジェット印字
デスクトップ型インクジェットプリンター(EPSON社製、PX−G900、水系顔料インク)を用い、3色(マゼンタ、イエロー、シアン)のインクが重なったプロセスブラックのべた印字パターンで印字を行った。
(b)インク吸収性
印字後、べた印字部に直ちに白紙の上質紙を重ね合わせて、裏移りをとり、裏移り像の濃度をマクベス濃度計RD−914、ブラックフィルターで評価した。マクベス濃度が0.50以下であればインク吸収性が良好、さらに0.30以下であれば特に良好であると判定し、評価結果を表1に示した。
実施例2
実施例1と同様にしてシート状支持体を作製、実施例1と同様にしてインク受理層を形成した。その後、実施例1とは異なった条件でキャレンダー処理を行い、インク受理層の密度が1.0g/cmのインクジェット記録用紙を得た。
実施例3
実施例1と同様にしてシート状支持体を作製、実施例1と同様にしてインク受理層を形成した。その後、実施例1および実施例2とは異なった条件でキャレンダー処理を行い、インク受理層の密度が0.7g/cmのインクジェット記録用紙を得た。
実施例4
インク受理層用塗被液の調整において、プラスチックピグメント(商品名:AE851、JSR社製)の配合量を50部とした以外は、実施例1と同様の条件にてインクジェット記録用紙を得た。
比較例1
インク受理層用塗被液の調整において、プラスチックピグメント(商品名:AE851、JSR社製)の配合量を0部とした以外は、実施例1と同様の条件にてインクジェット記録用紙を得た。
比較例2
インク受理層用塗被液の調整を下記の通り行った以外は、実施例1と同様の条件にてインクジェット記録用紙を得た。
〔インク受理層用塗被液の調製〕
顔料としてシリカ(商品名:ミズカシルP−405、水沢化学社製)100部に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ(商品名:アロンA−9、東亜合成社製)0.2部を加え、コーレス分散機を用いて水分散して顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーにポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、クラレ社製)80部、および中空率50%、平均粒子径1.1μm、ガラス転移点100℃の中空プラスチックピグメント(商品名:AE850、JSR社製)100部を添加して撹拌し、さらに水を加えて固形分濃度15%のインク受理層用塗被液を調製した。
比較例3
実施例1と同様にしてシート状支持体を作製、実施例1と同様にしてインク受理層を形成した。その後、キャレンダー処理は行わず、インク受理層の密度が0.5g/cmのインクジェット記録用紙を得た。
比較例4
実施例1と同様にしてシート状支持体を作製し下記の手順でインクジェット記録用紙を得た。
〔インク受理層用塗被液の調製〕
顔料としてシリカ(商品名:ミズカシルP−405、水沢化学社製)100部に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ(商品名:アロンA−9、東亜合成社製)0.2部を加え、コーレス分散機を用いて水分散して顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーにポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、クラレ社製)80部、および中空プラスチックピグメント(商品名:AE851、JSR社製)50部を添加して撹拌し、さらに水を加えて固形分濃度15%のインク受理層用塗被液を調製した。
〔シート状支持体へのインク受理層の形成〕
得られたインク受理層の塗被液を、前記シート状支持体の両面に、エアーナイフを用いて片面当たり乾燥塗布質量が10g/m になるように塗被、乾燥した。
〔キャレンダー処理〕
金属ロールと弾性ロールで構成された加圧ニップに通紙して坪量が147g/m、インク受理層の密度が1.5g/cmのインクジェット記録用紙を得た。
Figure 0004277750
表1から明らかなように、本発明のインク受理層中に中空率51%以上のプラスチックピグメントを含み、該インク受理層の塗設後にインク受理層の密度を0.6〜1.4g/cmとしたインクジェット記録用紙は、インク吸収性が良好で、高い白紙光沢度を有するものであり、実用上極めて有用である。
本発明に係るインクジェット記録用紙は、インク吸収性が良好で、高い白紙光沢度を有し、さらに低廉であることから、実用的に優れたものである。

Claims (4)

  1. シート状支持体の少なくとも片面に、中空率51%以上のプラスチックピグメントを、該プラスチックピグメント以外の顔料100質量部に対して10乃至150質量部配合した塗液を塗工、乾燥後、密度が0.6〜1.4g/cm となるようにキャレンダー処理してインク受理層を形成することを特徴とするJIS Z8741により測定したインク受理層表面の75°光沢度が65%以上のインクジェット記録用紙の製造方法。
  2. プラスチックピグメントの平均粒子径が5μm以下である請求項1に記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
  3. プラスチックピグメントの樹脂のガラス転移点が70℃以上、120℃以下である請求項1又は2に記載のインクジェット記録用紙の製造方法
  4. それ以外の顔料として合成シリカを含有する請求項1乃至3のいずれか一項に記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
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