JP5614124B2 - 顔料インク用インクジェット記録シートの製造方法 - Google Patents

顔料インク用インクジェット記録シートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、顔料インクを用いたインクジェット記録方式に用いるインクジェット記録シートの製造方法に関するものである。
近年、パーソナルコンピューターで作製した画像情報等を記録シートに表示する手段として、熱や圧力を駆動源として、ノズルより溶液状の染料インクや顔料インクを記録シート上に吐出させ、インクにより画像を形成して印刷を行うインクジェット記録方式やトナーを記録シート上に転写させることにより画像を形成させて印刷を行う電子写真記録方式が使用されている。
また、商業印刷等の分野においては、デジタル情報を製版することなく紙などのメディアに直接印刷できるため少部数の印刷や可変情報印刷(バリアブル印刷)に最適であるインクジェット記録方式や電子写真記録方式が、オンデマンド印刷分野で導入されている。
最近では、装置の高速化や高精細化あるいはフルカラー化など記録装置の性能の向上や用途の拡大に伴い、インクジェット記録シートに対して、印刷用塗工紙のオフセット印刷物に類似の風合を持つドキュメントを作成したいという要望が強くなってきている。
しかし、顔料と水性樹脂等のバインダーを含有する水性塗工液を紙に塗布乾燥し、製造されている汎用の印刷用塗工紙を、インクジェット記録方式に使用した場合、種々の問題がある。即ち、インクジェット記録方式で、汎用の印刷用塗工紙を用いると、インク吸収が遅く、インクが乾燥し難くなり、特にスーパーカレンダーやグロスカレンダー等の光沢付与又は平滑化処理を行うと、高透気度化や細孔の減少により、更にインク吸収が遅くなり、インクが乾燥し難くなるという問題が発生し易い。
従来、インクジェット記録シートのインク受容層としては、非晶質シリカ(コロイダルシリカを含む)、アルミナ、アルミナ水和物、アルミノシリケートを主成分として用いたインクの吸収性に富んだ顔料系受容層や、ゼラチンなどの水溶性樹脂を主成分として用い、インクを膨潤させて記録する樹脂系受容層が使用されている。しかし、これらのインクジェット記録シートは、印刷用塗工紙の風合いを全く有さないものであり、また、高価であるため、オンデマンド印刷分野ではあまり実用化されていないのが現状である。
例えば、顔料塗工紙の表面にカチオン性樹脂を塗布した記録体(特許文献1)や、カチオン性樹脂を含有する塗液で顔料塗工層を形成した記録体(特許文献2)等が提案されているが、インク吸収速度が十分得られない。
また、顔料インク用インクジェト記録シートとしては、インク吸収層上にコロイダルシリカ層を設けた記録体(特許文献3、4)、顔料を含有する下塗り層とカチオン性樹脂の上塗り層を設けた構成(特許文献5、6)等が開示されているが、表面にコロイダルシリカやカチオン性樹脂の塗工は、インクの吸収性が損なわれ、また銀塩写真に近い独特の光沢感を示すものであり、印刷用塗工紙の風合いを得ることができない。また、高価な記録体となり、オンデマンド印刷分野に適さないものである。また、100〜300cc/100gの顔料と水溶性多価金属塩を有する塗工層を設けた記録体(特許文献7)では、シリカなど吸油量100〜300cc/100g以上の顔料では、塗料が低濃度となり、また顔料も高価であるため、安価な用紙にはなり難い。
特開2000−256992 特開2004−209965 特開2000−190626 特開2001−150800 特開2004−262232 特開2005−280035 特許第3986258号
本発明は、印刷用塗工紙の風合いを有する安価な顔料インク用インクジェット記録シートの製造方法を提供することにある。
本発明者等は、上記問題を解決するために、印刷用塗工紙で用いている吸油量100cc/100g未満の白色顔料を用い、インク吸収性を高めるために、水溶性多価金属塩を配合することを検討したが、材料によっては塗料を調製した際に、塗料が過度に増粘する為、塗工不可となったり、あるいは塗料濃度を下げて塗工しなければならず、乾燥負荷が大きくなるといった問題が生じることが判った。
本発明者等は、鋭意検討した結果、上記問題を解決するためには、白色顔料とバインダーを主成分とする塗液をアンダーコートし、次いで、顔料を含まず、特定の水溶性多価金属塩を含有する塗液をトップコートし、更にキャレンダー処理することにより、所望する白紙光沢ならびにインク吸収性が得られることを見出し、本発明に至ったのである。
(1)支持体上の少なくとも片面に、アンダーコートとして、吸油量100cc/100g未満の顔料を20重量部以上とバインダーを含有する塗液を乾燥塗工量が2.0〜16.0g/mとなるように塗工、乾燥し、次いでトップコートとして顔料を含まず、硫酸マグネシウム、ギ酸カルシウム、酢酸カルシウム、硫酸アルミニウム、硝酸カルシウムから選択される1種以上の水溶性多価金属塩を含有する塗液を乾燥塗工量が0.2〜5.0g/mとなるように塗工、乾燥し、次いでキャレンダー処理により、JISP8142に準じた白紙光沢が40%以上となるように仕上げたことを特徴とする顔料インク用インクジェット記録シートの製造方法。
(2)アンダーコート塗液の顔料が、焼成カオリン、カオリン、炭酸カルシウム、プラスチックピグメントから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする(1)記載の顔料インク用インクジェット記録シートの製造方法。
(3)アンダーコート塗液の顔料100重量部あたりのバインダーの使用部数が3〜50重量部であることを特徴とする(1)又は(2)記載の顔料インク用インクジェット記録シートの製造方法。
(4)アンダーコート塗液のバインダーが、澱粉及び/又はスチレンブタジエン共重合体であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか一に記載の顔料インク用インクジェット記録シートの製造方法。
本発明によれば、印刷用塗工紙の風合いを有し、且つ、顔料インクのインク吸収性が良好な顔料インク用インクジェット記録シートの製造方法を提供することができる。この記録シートは安価であり、オンデマンド印刷分野で使用される印刷用紙として好適である。
<アンダーコート>
顔料としては、一般に印刷用塗工紙に使用されている公知の白色顔料が例示できる。例えば、炭酸カルシウム、カオリン(クレーを含む)、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、ゼオライト、合成ゼオライト、セピオライト、スメクタイト、合成スメクタイト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、ハイドロタルサイト、スチレン、エチレン、ブタジエン、塩化ビニル、ポリウレタン、アクリル、酢酸ビニル、ポリカーボネート、ナイロン、及びこれらの共重合体の有機高分子微粒子、スチレン系プラスチックピグメント、スチレン−ブタジエン系プラスチックピグメント、スチレン−アクリル系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ウレタン系プラスチックピグメント、尿素樹脂系プラスチックピグメント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメント、非晶質シリカ、アルミナ、アルミノシリケート等であり、これらの中から目的に応じて1種あるいは2種以上が適宜選択して使用されるが、特に吸油量100cc/100g未満の顔料を顔料100重量部中20重量部以上とバインダーを含有する塗液を乾燥塗工量が2.0〜16.0g/mとなるようにする。吸油量100cc/100g未満の顔料が20重量部未満では、塗料が低濃度となり、コスト高となる。また、乾燥塗工量が、2.0g/m未満では、所望の白紙光沢を得ることが困難となり、16.0g/mを超える場合、乾燥負荷が大きくなり、コスト高となる。また、中空のプラスチックピグメントを配合すると、キャレンダー処理による光沢発現性が大きく好ましい。
バインダーは、従来の印刷用塗工紙に用いられる公知のバインダーを用いることができる。酸化澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、カチオン性澱粉、両性澱粉、などの澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白、天然ゴム、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子、イソプレン、ネオプレン、ポリブタジエン等のポリジエン類、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリアルケン類、ビニルハライド、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、メチルビニルエーテル等のビニル系重合体や共重合体類、スチレン−ブタジエン系、メチルメタクリレート−ブタジエン系等の合成ゴムラテックス類、ポリビニルアルコールやノニオンソープを保護コロイド層として有する合成ゴムラテックス、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、オレフィン−無水マレイン酸系樹脂、メラミン系樹脂等の合成樹脂類等が例示できる。これらの中から目的に応じて1種あるいは2種以上が適宜選択して使用される。特に印刷用塗工紙で一般に用いられる澱粉やスチレンブタジエン共重合体が好ましい。
バインダーの配合量は、特に限定されないが、全顔料100質量部に対し3〜50質量部とすることが好ましく、5〜40質量部とすることがより好ましい。配合量が3質量部未満であると、塗工面に傷が付きやすくなる場合があり、50質量部を超えると、排紙部で紙積みされた時や、印字後ロールに巻き取られた時に、インク吸収性低下の影響で、裏移りが発生したり、印字工程において、ガイドロール汚れや紙送りロール汚れが発生しやすくなる。
また、必要に応じ各種助剤、例えば、界面活性剤、pH調節剤、粘度調節剤、柔軟剤、光沢付与剤、ワックス類、分散剤、流動変性剤、安定化剤、帯電防止剤、架橋剤、サイズ剤、蛍光増白剤、着色剤、紫外線吸収剤、消泡剤、耐水化剤、可塑剤、滑剤、防腐剤及び香料等が必要に応じて適宜配合される。
<トップコート>
顔料を含まず、硫酸マグネシウム、ギ酸カルシウム、酢酸カルシウム、硫酸アルミニウム、硝酸カルシウムから選択される1種以上の水溶性多価金属塩を含有する塗液を乾燥塗工量が0.2〜5.0g/mとなるようにすることが好ましく、0.5〜3.5g/mとすることがより好ましい。乾燥塗工量が0.2g/m未満では所望のインク吸収性が得られず、5.0g/mを超える場合、インク吸収性は良好であるが、コスト高となり好ましくない。尚、本発明における水溶性多価金属塩は水和物も含まれ、例えば、硫酸マグネシウムの場合、硫酸マグネシウム無水、硫酸マグネシウム七水和物のどちらか一方、あるいは両方用いても良い。ナトリウムやカリウムといった1価の水溶性金属塩では、顔料インクの吸収が速くならず好ましくない。
また、必要に応じバインダーや各種助剤、例えば、澱粉やラテックス類、界面活性剤、pH調節剤、粘度調節剤、柔軟剤、光沢付与剤、ワックス類、分散剤、流動変性剤、安定化剤、帯電防止剤、架橋剤、サイズ剤、蛍光増白剤、着色剤、紫外線吸収剤、消泡剤、耐水化剤、可塑剤、滑剤、防腐剤及び香料等が必要に応じて適宜配合される。
<支持体>
本発明に係る支持体は、特に限定されるものではないが、例えばシート状紙基体、フィルム、フィルムとシート状紙基体の接合物等を挙げることが出来る。支持体としては、吸水性を有するシートが好ましく、中でも、JIS P8140に準じ、水との接触時間が20秒のコッブ法吸水度が、支持体1g/mあたり0.12〜1.3g/mであることが好ましい。0.12g/m未満の場合、インクジェット記録適性において、インク吸収性が低下し、1.3g/mを超える場合、支持体への塗工液の吸収が大きくなり、塗工時にシワ等発生し、製造上のトラブルが発生し易い。なお、フィルムとシート状紙基体の接合物の場合は、インク受容層側の接合前のシート1g/mあたりのコッブ法吸水度とする。
シート状紙基体を構成するパルプの製法及び種類等に特に限定はなく、例えばKPのような化学パルプ、SGP、RGP、BCTMP、CTMP等の機械パルプ、脱墨パルプのような古紙パルプ、ケナフ、竹、藁、麻等のような非木材パルプ等が用いられる。またポリアミド繊維、ポリエステル繊維等の有機合成繊維、ポリノジック繊維等の再生繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、カーボン繊維等の無機質繊維も混用することができる。中でも、ECFパルプ、TCFパルプ等の塩素フリーパルプの使用が好ましい。
またシート状紙基体中には、必要に応じて、填料が配合されていてもよい。填料としては、一般に上質紙に用いられる各種の顔料を用いることができ、例えばカオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、タルク、酸化亜鉛、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、アルミノシリケート、シリカ、ホワイトカーボン、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト及びスメクタイト等の鉱物質顔料、並びにポリスチレン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂及び塩化ビニリデン系樹脂の微小中空粒子、密実型粒子及び貫通孔型粒子などの有機顔料が挙げられる。
なおシート状紙基体の抄造時に、その紙料中に、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、パルプ繊維や填料の他に、従来から使用されている各種のアニオン性、ノニオン性、カチオン性あるいは両性の歩留向上剤、濾水性向上剤、澱粉、紙力増強剤や内添サイズ剤等の各種抄紙用内添助剤を必要に応じて適宜選択して使用することができる。さらに染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙用内添助剤も必要に応じて適宜添加することができる。
シート状紙基体の抄紙方法については特に限定はなく、例えば抄紙pHが4.5付近で行われる酸性抄紙法、炭酸カルシウム等のアルカリ性填料を主成分として含み抄紙pH約6の弱酸性から抄紙pH約9の弱アルカリ性で行われる中性抄紙法等の、全ての抄紙方法を適用することができ、抄紙機も長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、円網抄紙機、ヤンキー抄紙機を適宜使用することができる。
上記方法で得られたシート状紙基体の片面又は両面には、顔料、バインダー、表面サイズ剤、カチオン性樹脂、アニオン性樹脂、ノニオン性樹脂、界面活性剤、pH調節剤、粘度調節剤、柔軟剤、光沢付与剤、ワックス類、分散剤、流動変性剤、安定化剤、帯電防止剤、架橋剤、サイズ剤、蛍光増白剤、着色剤、紫外線吸収剤、消泡剤、耐水化剤、水溶性金属塩、可塑剤、滑剤、防腐剤及び香料等の各種助剤などを適当に1種あるいは2種以上を適当に調整し、アンダー層を塗布しても何ら差し支えなく、このアンダー層を塗布した後のシート状紙基体を支持体として用いる事ができる。 本発明に用いる支持体の坪量は、特に限定されるものではないが、通常30g〜300
g/mの範囲のものが用いられる。
本発明に用いる支持体であるフィルムとしては、例えば、アセテートフィルム、三酢酸セルロースフィルム、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム、セロハンなどを挙げることが出来る。フィルムには、必要に応じて無機顔料、有機顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、蛍光染料、架橋剤、滑剤、離型剤などの添加剤を含有させたものが用いられる。フィルムの製造方法については、特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることが出来る。本発明に係る支持体として用いられるフィルムには、一般に合成紙と呼ばれるものも含まれる。該フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、通常40μm〜300μmの範囲のものが用いられる。
フィルムとシート状紙基体の貼合物は、公知の方法で得ることが出来る。支持体として用いられるフィルムとシート状紙基体の接合物の厚さは、特に限定されるものではないが、通常40μm〜300μmの範囲のものが用いられる。
塗料が片面に設けられる場合には、その裏面に帯電防止、カール防止、密着性改善、印刷適性付与、プリンターでの給排紙適性改善等のために公知の各種塗工層を設けることが出来る。また、裏面に種々の加工、例えば粘着、磁性、難燃、耐熱、耐水、耐油、防滑等の後加工を施すことにより、用途適性を付加することも勿論可能である。
<塗工装置>
アンダーコート及びトップコートを塗工する方法としては、特に限定することはなく、一般に使用されている塗工装置が使用される。例えばブレードコーター、エアーナイフコーター、スプレーコーター、ロッドブレードコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、ダイスロットコーター、グラビアコーター、チャンプレックスコーター、ブラシコーター及びツーロールコーター、並びにメータリングブレード式のサイズプレスコーター、ビルブレードコーター、ショートドウェルコーター、リップコーター及びゲートロールコーター等の公知の各種塗工装置を用いることができる。
(光沢付与、平滑化処理)
支持体上にアンダーコート及びトップコートを塗工した後に、キャレンダー処理を行うが、処理装置としては、通常のスーパーカレンダー、グロスカレンダー、ソフトカレンダー、シューニップカレンダー等が用いられる。その際の加圧装置の形態、加圧ニップの数、加温等の処理条件を適宜調節して処理される。
本発明を下記実施例により具体的に説明するが、勿論、それらは本発明の範囲を限定するものでない。なお、例中の「部」及び「%」は、特に断わらない限り、「質量部(固型分)」及び「質量%」を表す。
実施例1
〔支持体の作製〕
広葉樹晒クラフトパルプ100部、軽質炭酸カルシウム10部、カチオン澱粉(商品名:ケートF、王子ナショナル社製)0.3部、紙力増強剤(商品名:ポリマロン619、荒川化学工業社製)0.1部、アルキルケテンダイマー(商品名:SPK−910、荒川化学工業社製)0.02部に水を加え、良く混合して、スラリー濃度0.05%の紙料を作製し、これを用いて、長網多筒式抄紙機を用い、2本ロール方式のサイズプレス装置で、固形分濃度2%の澱粉(商品名:エースB、王子コーンスターチ社製)を基紙の両面に片面当り固形分0.5g/m塗工、乾燥し、JIS P8140に規定される水との接触時間が20秒のコッブ法吸水度が75g/m(支持体1g/mあたりのコッブ吸水度0.75g/m)、坪量が100g/mの支持体を作製した。
〔塗料Aの調製〕
焼成カオリン(商品名:アンシレックス93、BASF社製、吸油量88cc/100g)60部に、分散剤(商品名:アロンT−50、東亞合成社製)0.3部を加え、水を加えて、コーレス分散機を用いて水分散し、次いで、プラスチックピグメント(商品名:AE852、JSR社製)40部を加えて、顔料スラリーを作成した。この顔料スラリー100.3部に、バインダーとして澱粉(商品名:エースA、王子コーンスターチ社製)2部、ラテックス(商品名:PA−7070、日本エイアンドエル株式会社)15部、消泡剤(商品名:SN777、サンノプコ社製)0.2部、蛍光増白剤(商品名:カヤホールBPSリキッドコンク、日本化薬社製)0.3部を加え、水を加えて固形分濃度34%の塗料Aを調製した。
〔塗料Bの調製〕
硫酸マグネシウムを水に加えて溶解し、固形分濃度18%の塗料Bを調製した。
〔顔料インク用インクジェット記録シートの作製〕
上記で得られた100g/mの支持体の両面に、塗料A(アンダーコート)を、ブレードコーターを用いて、片面当たり乾燥塗工質量が6.5g/mになるように塗工、乾燥し、ついで塗料B(トップコート)を、ブレードコーターを用いて、片面当たり乾燥塗工質量が1.5g/mになるように塗工、乾燥した。その後、キャレンダー処理を行い、坪量が116g/mの顔料インク用インクジェット記録シートを作製した。
実施例2
実施例1の塗料B調製において、硫酸マグネシウムをギ酸カルシウムとし、固形分濃度を10%とした以外は、同様にして顔料インク用インクジェット記録シートを作製した。
実施例3
実施例1の塗料B調製において、硫酸マグネシウムを酢酸カルシウム(1水和物)とした以外は、同様にして顔料インク用インクジェット記録シートを作製した。
実施例4
実施例1の塗料B調製において、硫酸マグネシウムを硫酸アルミニウム(無水)とした以外は、同様にして顔料インク用インクジェット記録シートを作製した。
実施例5
実施例1の塗料B調製において、硫酸マグネシウムを硝酸カルシウム(4水和物)とした以外は、同様にして顔料インク用インクジェット記録シートを作製した。
実施例6
実施例2において、ギ酸カルシウムの片面当たりの乾燥塗工量を0.3g/mとした以外は、同様にして顔料インク用インクジェット記録シートを作製した。
実施例7
実施例5において、硝酸カルシウムの固形分濃度を30%とし、片面当たりの乾燥塗工量を4.7g/mとした以外は、同様にして顔料インク用インクジェット記録シートを作製した。
実施例8
実施例1において、塗料A(アンダーコート)の片面当たりの乾燥塗工量を1.5g/mとした以外は、同様にして顔料インク用インクジェット記録シートを作製した。
実施例9
実施例1の塗料A(アンダーコート)調製において、顔料スラリーを、カオリン(商品名:UW−90、BASF社製、吸油量46cc/100g)70部、軽質炭酸カルシウム(商品名TP121、奥多摩工業社製、吸油量47cc/100g)30部とし、固形分濃度50%とし、片面当たりの乾燥塗工量を15.0g/mとした以外は実施例1と同様にして顔料インク用インクジェット記録シートを作製した。
比較例1
実施例1の塗料A(アンダーコート)調製において、顔料スラリーを、シリカ(商品名:カープレックスBS304F、エボニック社製、吸油量215cc/100g)82部、カオリン(商品名:UW−90、BASF社製、吸油量46cc/100g)18部、固形分濃度14%とし、片面当たり2.5g/mとした以外は、同様にして顔料インク用インクジェット記録シートを作製した。
比較例2
比較例1において、アンダーコートの片面当たりの乾燥塗工量を6.5g/mとした以外は同様にして顔料インク用インクジェット記録シートを作製した。なお、本アンダーコートは、ブレードコーターでは、所望の塗工量が得られなかった為、ダイコーターで塗工を行った。
比較例3
実施例1の塗料B調製において、硫酸マグネシウムを硫酸ナトリウムとし、固形分濃度を10%とした以外は、同様にして顔料インク用インクジェット記録シートを作製した。
比較例4
実施例1において、硫酸マグネシウムの片面当たりの乾燥塗工量を0.1g/mとした以外は、同様にして顔料インク用インクジェット記録シートを作製した。
比較例5
実施例1において、硫酸マグネシウムの片面当たりの乾燥塗工量を5.3g/mとした以外は、同様にして顔料インク用インクジェット記録シートを作製した。
比較例6
〔塗料Cの調製〕
焼成カオリン(商品名:アンシレックス93、BASF社製、吸油量88cc/100g)60部に、分散剤(商品名:アロンT−50、東亞合成社製)0.3部を加え、水を加えて、コーレス分散機を用いて水分散し、次いで、プラスチックピグメント(商品名:AE852、JSR社製)40部を加えて、顔料スラリーを作成した。この顔料スラリー100.3部に、バインダーとして澱粉(商品名:エースA、王子コーンスターチ社製)2部、ラテックス(商品名:PA−7070、日本エイアンドエル株式会社)15部、界面活性剤(商品名:レオックス2160C、化学名:ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルミリスチルエーテル、ライオン社製)1部、水溶性金属塩(化学名:硫酸マグネシウム(無水))40部、消泡剤(商品名:SN777、サンノプコ社製)0.2部、蛍光増白剤(商品名:カヤホールBPSリキッドコンク、日本化薬社製)0.3部を加え、水を加えて固形分濃度30%の塗料Cを調製した。
〔顔料インク用インクジェット記録シートの作製〕
実施例1の100g/mの支持体の両面に、塗料Cを、ブレードコーターを用いて、片面当たり乾燥塗工質量が6.5g/mになるように塗工、乾燥し、キャレンダー処理を行い、坪量が113g/mの顔料インク用インクジェット記録シートを作製した。
比較例7
比較例6の塗料C調製において、硫酸マグネシウムをギ酸カルシウムとした以外は、同様にして顔料インク用インクジェット記録シートを作製した。
比較例8
比較例6の塗料C調製において、硫酸マグネシウムを酢酸カルシウム(1水和物)とした以外は、同様にして顔料インク用インクジェット記録シートを作製した。
比較例
比較例6の塗料C調製において、硫酸マグネシウム(無水)を硫酸アルミニウム(無水)とした以外は、同様にして顔料インク用インクジェット記録シートを作製した。
比較例10
比較例6の塗料C調製において、硫酸マグネシウム(無水)を硝酸カルシウム(4水和物)とした以外は、同様にして顔料インク用インクジェット記録シートを作製した。
得られた顔料インク用インクジェット記録シートについて、以下に示す方法により評価を行った。得られた結果を表1に示す。
(評価)
[インクジェット記録適性]
インク吸収性評価
インクジェットプリンター(商品名:GP−700、エプソン社製)で、ベタ印字を行い、プリントアウト直後のインク液滴消去までの時間を測定した。4秒以上では、裏移り等の問題となる可能性があり好ましくない。
[白紙光沢]
JISP8142に順じ、75度光沢度計を用いて測定を行った。
[操業性]
アンダーコートとトップコートの塗料を45℃に加温し、ブレード塗工を行った。
○:特に問題なく、操業上できた。
△:ブレードで掻き落とされた塗料が増粘したが、循環不良にはならず、操業は可能であった。
×:ブレードで掻き落とされた塗料が増粘し、循環不良となり、操業不可となった。
Figure 0005614124
表1から明らかなように、本発明の記録シートの製造方法は、操業上のトラブルがなく、インクジェット記録方式での顔料インクの吸収性が良好な光沢感のある用紙である。
本発明は、操業上のトラブルがなく、顔料インクの吸収性が良好な光沢タイプのインクジェット記録シートであり、印刷用塗工紙の風合いに近く、安価であるため、オンデマンド印刷分野でのインクジェット記録シートとして極めて有用である。

Claims (4)

  1. 支持体上の少なくとも片面に、アンダーコートとして、吸油量100cc/100g未満の顔料を20重量部以上とバインダーを含有する塗液を乾燥塗工量が2.0〜16.0g/mとなるように塗工、乾燥し、次いでトップコートとして顔料を含まず、硫酸マグネシウム、ギ酸カルシウム、酢酸カルシウム、硫酸アルミニウム、硝酸カルシウムから選択される1種以上の水溶性多価金属塩を含有する塗液を乾燥塗工量が0.2〜5.0g/mとなるように塗工、乾燥し、次いでキャレンダー処理により、JISP8142に準じた白紙光沢が40%以上となるように仕上げたことを特徴とする顔料インク用インクジェット記録シートの製造方法。
  2. アンダーコート塗液の顔料が、焼成カオリン、カオリン、炭酸カルシウム、プラスチックピグメントから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1記載の顔料インク用インクジェット記録シートの製造方法。
  3. アンダーコート塗液の顔料100重量部あたりのバインダーの使用部数が3〜50重量部であることを特徴とする請求項1又は2記載の顔料インク用インクジェット記録シートの製造方法。
  4. アンダーコート塗液のバインダーが、澱粉及び/又はスチレンブタジエン共重合体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の顔料インク用インクジェット記録シートの製造方法。
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