JP4277547B2 - 電動機用絶縁紙及び電動機 - Google Patents

電動機用絶縁紙及び電動機 Download PDF

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は,分布巻き構造の電動機における単極コイルが隣接する部分における電気的絶縁性を高めるための電動機用絶縁紙及びこれを用いて電気的絶縁性を向上させた電動機に関する。
【0002】
【従来技術】
電動機の1種として,分布巻き構造のものがある。これは,ステータコアに複数相のコイル群に属する複数の単極コイルを配設した際に,ステータコアの両端面から突出するコイルエンド部の一部が,異なる位相のもの同士で重なり合うように配置されている構造のものをいう。
ここで,単極コイルとは,1つのループを形成するように複数回電線を巻回して構成した1つの単位のコイルをいう。そして,この単極コイルを複数電気的に連ねることにより,各相のコイル群を構成することができる。以下,本明細書における「単極コイル」は上記と同様の意味をなすものである。
【0003】
この分布巻き構造の電動機は,各単極コイルにおけるステータコアのスロットに収容される挿入部とステータコアとの間の電気的絶縁を図ると共に,位相の異なるコイルエンド部間の電気的絶縁,つまり相間絶縁を図る必要がある。
従来においては,図15,図16に示すごとく,単極コイル8とステータコア5との間の電気的絶縁は,スロット50の内壁面51に沿うように断面略コ字状に折り曲げられたスロット絶縁紙91(図15)をスロット50内に装着することにより行われている。
【0004】
また上記スロット絶縁紙91には,スロット50からはみ出してステータコア5の端面に向けて折り返されたカフス部915が設けられており,コイルエンド部82とステータコア5の端面との間隔,いわゆる沿面距離を確保している。
なお,従来のスロット絶縁紙としては,例えば特許文献1に示されたものもある。
【0005】
また,図17,図18に示すごとく,相間絶縁は,例えばU相の単極コイル8(U)と,V相の単極コイル8(V),W相の単極コイル8(W)の各コイルエンド部82が互いに一部を重ね合わせている場合,U相とV相との間,及びV相とW相との間にそれぞれ短冊状の相間絶縁紙92(図17)を介在させることにより行っている。なお,特許文献2には,相間絶縁紙として,ステータコアの両面に配置される一対の相間絶縁紙を紐状の繋ぎ部により連結したものが提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−266557号公報
【特許文献2】
特開平5−292693号公報
【0007】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来のスロット絶縁紙及び相間絶縁紙による絶縁構造には,次のような問題がある。
即ち,上記スロット絶縁紙と上記相間絶縁紙の組み合わせにおいては,両者の間に隙間が生じる場合があり,その隙間に面するコイルの絶縁性を高めることが困難である。また,上記相間絶縁紙は,複数のコイルエンド部がばらけないように所定の形状に固定するレーシング工程や,コイルエンド部の形状を整える成形工程を行う際に,位置ずれを起こしやすく,安定した相間絶縁が得られない場合がある。なお,相間絶縁紙の位置ずれ防止としては,従来例にある紐状の繋ぎ部によって一対の相間絶縁紙を連結する方法があるが,この方法では,繋ぎ部をステータコアのスロット内に収容する必要があり,コイルの挿入の妨げになったり,占積率の低下等を来してしまう。
【0008】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,コイルの挿入性や占積率に影響を与えることなく,コイルとステータコアとの間の電気的絶縁性と,位相の異なるコイルエンド部の間の電気的絶縁性の両方を向上させることができる電動機用絶縁紙及びこれを用いた電動機を提供しようとするものである。
【0009】
【課題の解決手段】
第1の発明は,ステータコアに配設される単極コイルが隣接する部分における電気的絶縁性を高めるための電動機用絶縁紙であって,
少なくとも,1つの上記単極コイルの2つの挿入部を収容する上記ステータコアの2つのスロットに配置される2つのスロットセル部と,該2つのスロットセル部の両端をそれぞれ結んでループを形成するように配設され上記単極コイルのコイルエンド部に対面するよう配置される2つの相間絶縁部とを一体的に有しており,
上記電動機用絶縁紙は,電気絶縁性を有する基準シートの一部を切断すると共に折り曲げて使用するように構成されており,
上記電動機用絶縁紙は,略平行に配置された一対の縦外形線と該縦外形線に略直角に配置された一対の横外形線とにより囲まれた略四角形状の外形を有する上記基準シートの一部を切断すると共に折り曲げて使用するように構成されており,
少なくとも,上記基準シートは,上記縦外形線に略平行に設けられた2本の第1切断線と,
該2本の第1切断線の間に略長方形状の中央開口部が形成されるよう上記2本の第1切断線を結ぶように上記横外形線に略平行に設けられた2本の第2切断線と,
上記各第1切断線の両端から上記横外形線と略平行にそれぞれ上記中央開口部が存在する方向と反対方向に向けて設けられた合計4本の第3切断線と,
上記中央開口部よりも上記横外形線寄りの部分において,上記一対の縦外形線から内方へ向けて上記横外形線と略平行に設けられた合計4本の第4切断線とを有しており,
略平行に対向する一対の上記第3切断線に挟まれた内片部と,略平行に対向する一対の上記第4切断線に挟まれた外片部とを,隣りあう上記第1切断線と上記縦外形線とが近づくように折り曲げることにより,断面略コ字状の上記スロットセル部を少なくとも2つ形成でき,かつ,上記第3切断線部と上記横外形線とによって挟まれた部分が上記相間絶縁部となるように構成されていることを特徴とする電動機用絶縁紙にある(請求項1)。
【0010】
本発明の電動機用絶縁紙は,上記のごとく,少なくとも1つの単極コイルが挿入されるスロット用の2つのスロットセル部と,これらを結ぶように配設された2つの相間絶縁部とを一体的に有している。そして,上記スロットセル部は,ステータコアのスロット内周面等と単極コイルとを電気的に絶縁する絶縁紙としての役割を果たす。そのため,この電動機用絶縁紙をステータコアのスロットに装着して,単極コイルをステータコアに装着した場合には,その単極コイルの2つの挿入部を上記2つのスロットセル部によって覆うことができると共に,2つの挿入部を結ぶように形成されているコイルエンド部の全長を確実に上記相間絶縁部に対面させることができる。また,上記スロットセル部と相間絶縁部との一体化によって,相間絶縁部とコイルエンド部との対面状態がずれることを抑制することができる。そのため,上記単極コイルとステータコアとの間の電気的絶縁性はもとより,相間絶縁部を挟んで配置される位相の異なるコイルエンド間における電気的絶縁性をも,確実に向上させることができる。
【0011】
また,上記2つの相間絶縁部の連結は,上記スロットセル部によって行われている。そのため,ステータコアのスロットには,スロットセル部以外の余分なものを挿入する必要がなく,コイルの挿入性の低下や占積率の低下を招くこともない。
【0012】
したがって,本発明によれば,コイルの挿入性や占積率に影響を与えることなく,コイルとステータコアとの間の電気的絶縁性と,位相の異なるコイルエンド部の間の電気的絶縁性の両方を向上させることができる電動機用絶縁紙を提供することができる。
【0013】
第2の発明は,ステータコアに複数の単極コイルを配設してなると共に,上記ステータコアの両端面から突出する上記単極コイルのコイルエンド部の一部が,異なる位相のもの同士で重なり合うように配置されている分布巻き構造の電動機において,
上記ステータコアには,上記単極コイルが隣接する部分における電気的絶縁性を高める電動機用絶縁紙が配設されており,
少なくとも一部の上記電動機用絶縁紙は,第1の発明の上記電動機用絶縁紙よりなり,少なくとも,1つの上記単極コイルの2つの挿入部を収容する上記ステータコアの2つのスロットに配置される2つのスロットセル部と,該2つのスロットセル部の両端をそれぞれ結んでループを形成するように配設され上記単極コイルのコイルエンド部に対面するよう配置される2つの相間絶縁部とを一体的に有しており,該相間絶縁部が,隣り合う異なる位相の上記コイルエンド部の間に配置されていることを特徴とする電動機にある(請求項11)。
【0014】
本発明の電動機においては,少なくとも一部の電動機用絶縁紙として,上記第1の発明の電動機用絶縁紙を用いる。そのため,上記のごとく,コイルの挿入性や占積率に影響を与えることなく,コイルとステータコアとの間の電気的絶縁性と,位相の異なるコイルエンド部の間の電気的絶縁性の両方を向上させた構造を取ることができる。それ故,本発明の電動機は,エネルギー効率にも優れ高性能なものとなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
上記第1の発明における電動機用絶縁紙としては,電気絶縁性を有するシート状の材料であれば,種々の材料を適用することができる。具体的な材料としては,例えば,ポリアミド樹脂を原料とした耐熱シート2枚を接着剤にて接合した三層構造の複合シート等を適用することができる。より具体的には,2枚のNOMEX(耐熱ポリアミド紙)の間にPEN(ポリエチレン・ナフタレート)を挟んで接着した3層複合シートが,製品名NPN−333(日東シンコー(株)社製)として市販されており,これを用いることができる。上記NOMEXは,耐熱ポリアミド樹脂の繊維,いわゆるケプラー繊維よりなり,繊維の隙間を上記PENによって埋めて電気絶縁性を確保したものである。
【0016】
また,上記電動機用絶縁紙は,1枚のシートから形成されていてもいいし,複数のシートを接着等して一体化してあっても良い。この場合の複数のシートの接合は,接着剤を用いて行うこともできるし,接着剤を用いることなく超音波接合等により行うことも可能である。
【0017】
また,上記2つのスロットセル部と上記2つの相間絶縁部とよりなるループ状の単位形状が,上記相間絶縁部の延長方向に1又は複数並ぶと共に,上記相間絶縁部の延長部分を連結させて一体化されており,複数の上記単位コイルの電気的絶縁を図るように構成されていることが好ましい(請求項2)。
即ち,上記2つのスロットセル部と上記2つの相間絶縁部とよりなるループ状の単位形状を1つのみ有する電動機用絶縁紙でも上記の優れた作用効果を得ることができ,これによって1つの単極コイルに対応することができるが,さらに,上記単位形状を2つ以上一体化した場合には,複数の単極コイルに1枚の電動機用絶縁紙によって対応することができ,使用する電動機用絶縁紙の枚数を減らすこともできる。
【0018】
また,上記相間絶縁部には,両端を延長させて設けた重ね代部を有しており,複数の上記電動機用絶縁紙を上記ステータコアに装着した際に隣り合う上記電動機用絶縁紙におけるそれぞれの上記重ね代部を重ね合わせることができるように構成してあることが好ましい(請求項3)。この場合には,上記電動機用絶縁紙の上記相間絶縁部を上記ステータコアの全周に沿ってリング状に切れ目なく配置することができ,相間絶縁の効果をさらに高めることができる。
【0019】
また,上記相間絶縁部は,上記コイルエンド部に対面すると共にその一部又は全部を包み込むような立体形状を形成できように構成されていることが好ましい(請求項4)。この場合には,位相の異なるコイルエンド部間の相間絶縁の効果をさらに高めることができる。
【0020】
また,上記電動機用絶縁紙は,電気絶縁性を有する基準シートの一部を切断すると共に折り曲げて使用するように構成されているこの場合には,上記電動機用絶縁紙の作製を比較的容易に行うことができる。
ここで,上記基準シートとしては,上述したごとく,例えば,ポリアミド樹脂を原料とした耐熱シート2枚を接着剤にて接合した三層構造の複合シート等を適用することができる。
【0021】
また,上記基準シートには,部分的に補強用シートを貼設して厚みを厚くした補強部を設けてあることが好ましい(請求項5)。この場合には,電動機用絶縁紙全体を必要以上に厚くすることなく,特定の部分だけを厚くして補強することができる。そのため,例えばスロットセル部は薄いままにして,スロット内の線積率を維持したまま,必要部位の補強を行うことができる。
【0022】
上記補強用シートとしても,上記基準シートと同様の絶縁シートを適用することができる。また,上記補強用シートと上記基準シートとの接合は,接着剤を用いて行うこともできるし,接着剤を用いることなく超音波接合により行うことも可能である。
【0023】
また,上記電動機用絶縁紙は,次のように,略四角形状の基準シートを用いて構成する
即ち,略平行に配置された一対の縦外形線と該縦外形線に略直角に配置された一対の横外形線とにより囲まれた略四角形状の外形を有する基準シートの一部を切断すると共に折り曲げて使用するように構成されており,少なくとも,上記基準シートは,上記縦外形線に略平行に設けられた2本の第1切断線と,該2本の第1切断線の間に略長方形状の中央開口部が形成されるよう上記2本の第1切断線を結ぶように上記横外形線に略平行に設けられた2本の第2切断線と,上記各第1切断線の両端から上記横外形線と略平行にそれぞれ上記中央開口部が存在する方向と反対方向に向けて設けられた合計4本の第3切断線と,上記中央開口部よりも上記横外形線寄りの部分において,上記一対の縦外形線から内方へ向けて上記横外形線と略平行に設けられた合計4本の第4切断線とを有しており,略平行に対向する一対の上記第3切断線に挟まれた内片部と,略平行に対向する一対の上記第4切断線に挟まれた外片部とを,隣りあう上記第1切断線と上記縦外形線とが近づくように折り曲げることにより,断面略コ字状の上記スロットセル部を少なくとも2つ形成でき,かつ,上記第3切断線部と上記横外形線とによって挟まれた部分が上記相間絶縁部となるように構成されている
【0024】
この場合には,上記基準シートを用いることによって,少なくとも2つのスロットセル部と2つの相間絶縁部とを一体的に有している電動機用絶縁紙を比較的容易に作製することができる。なお,上記基準シートとしては,1枚のシートのみで形成したものを用いることは勿論,複数のシート片を接合して1枚のシート状にしたものを用いることもできる。複数のシート片を接合して用いる場合には,例えば上記スロットセル部に相当する部分と,相間絶縁部に相当する部分とを,厚みや材質が異なる材料によって構成することも可能である。
【0025】
また,上記第3切断線には,上記第1切断線に略平行に設けられた所定長さの第5切断線がそれぞれ接続されており,該第5切断線と上記第1切断線との間に挟まれる部分を上記第3切断線から離れる方向に折り返すことにより,上記ステータコアの上記スロットから突出して上記ステータコアの端面に向けて折り返されるカフス部を形成できるように構成されていることが好ましい(請求項6)。この場合には,カフス部の形成によって,コイルエンド部とステータコアの端面との間の距離を十分に確保することができる。
【0026】
また,上記内片部の上記第3切断線に面する端部には,別途準備したカフス用補強紙を貼設して厚みを他の部分よりも厚くして折り返すことなくカフス部を形成できるように構成してあることも好ましい(請求項7)。この場合には,上記カフス部の剛性を高めることができ,カフス部が倒れたりすることを抑制することができる。
【0027】
また,上記第2切断線と上記第3切断線とは同一線上に設けられていることが好ましい(請求項8)。この場合には,上記第2切断線と第3切断線の形成が容易となり,電動機用絶縁紙の製作をより簡単にすることができる。
【0028】
また,上記第2切断線と上記第3切断線とは,上記2本の第2切断線の間隔が上記2本の第3切断線の間隔よりも広くなるように配設されており,かつ,上記第2切断線の延長上には上記第3切断線と平行に対面する第6切断線がそれぞれ設けられており,上記第3切断線と上記第6切断線とに挟まれる部分を上記内片部と同様の方向に折り曲げることにより,上記スロットセル部と上記相間絶縁部との境界部近傍における上記単極コイルの上記コイルエンド部を覆う立ち上がり被覆部を形成できるよう構成されていることも好ましい(請求項9)。この場合には,上記立ち上がり被覆部の形成によって,相間絶縁の効果をさらに高めることができる。
【0029】
また,上記第2切断線と上記第3切断線とは,上記2本の第2切断線の間隔が上記2本の第3切断線の間隔よりも狭くなるように配設されており,上記第2切断線を端部とする部分を上記横外形線に近づくように折り曲げることにより,上記単極コイルの上記コイルエンド部の上記ステータコアと対面する部分の一部を覆うを下面被覆部を形成できるよう構成されていることも好ましい(請求項10)。この場合には,上記下面被覆部の形成によって,相間絶縁の効果をさらに高めることができる。
【0030】
【実施例】
本発明の実施例に係る電動機用絶縁紙及び電動機につき,図1〜図8を用いて説明する。
本例の電動機用絶縁紙1は,図1,図2に示すごとく,ステータコア5(図3)に配設される単極コイル8(図3〜図8)が隣接する部分における電気的絶縁性を高めるための電動機用絶縁紙である。
【0031】
少なくとも,1つの上記単極コイル8の2つの挿入部81を収容する上記ステータコアの2つのスロットに配置される2つのスロットセル部2と,該2つのスロットセル部2の両端をそれぞれ結んでループを形成するように配設され上記単極コイル8のコイルエンド部82に対面するよう配置される2つの相間絶縁部3とを一体的に有している。
以下,これを詳説する。
【0032】
本例の電動機用絶縁紙1は,図1,図2に示すごとく,電気絶縁性を有する基準シート10の一部を切断すると共に折り曲げて使用するように構成されている。上記基準シート10としては,ポリアミド樹脂を原料とした耐熱シート(NOMEX)2枚をPEN(ポリエチレン・ナフタレート)を挟んで接着した3層複合シートである製品名NPN−333(日東シンコー(株)社製)を用いた。なお,厚みは0.25mmのものを用いた。
【0033】
基準シート10は,図2に示すごとく,略平行に配置された一対の縦外形線101,102と該縦外形線101,102に略直角に配置された一対の横外形線103,104とにより囲まれた略四角形状の外形を有するものを使用した。
【0034】
上記基準シート10は,縦外形線101,102に略平行に設けられた2本の第1切断線111,112と,該2本の第1切断線111,112の間に略長方形状の中央開口部19が形成されるよう2本の第1切断線111,112を結ぶように横外形線103,104に略平行に設けられた2本の第2切断線121,122とを有している。
【0035】
また,基準シート10は,各第1切断線111,112の両端から横外形線103,104と略平行にそれぞれ中央開口部19が存在する方向と反対方向に向けて設けられた合計4本の第3切断線131〜134を有している。本例では,上記第2切断線121,122と第3切断線131〜134とは同一線上に設けた。
また,基準シート10は,中央開口部19よりも横外形線103,104寄りの部分において,一対の縦外形線101,102から内方へ向けて横外形線103,104と略平行に設けられた合計4本の第4切断線141〜144を有している。
【0036】
そして,図1,図2に示すごとく,略平行に対向する一対の第3切断線131と133又は132と134に挟まれた内片部201,202と,略平行に対向する一対の第4切断線141と143又は142と144に挟まれた外片部203,204とを,隣りあう第1切断線と縦外形線(111と101又は112と102)とが近づくように折り曲げることにより,断面略コ字状のスロットセル部2を少なくとも2つ形成でき,かつ,第3切断線部131〜134と横外形線103,104とによって挟まれた部分が上記相間絶縁部3となるように構成されている。
【0037】
さらに,図1,図2に示すごとく,本例では,上記第3切断線131〜134には,第1切断線111,112に略平行に設けられた所定長さの第5切断線151〜154がそれぞれ接続されており,該第5切断線151〜154と第1切断線111,112との間に挟まれる部分401〜404を第3切断線131〜134から離れる方向に折り返すことにより,ステータコア5のスロット50から突出してステータコア5の端面に向けて折り返されるカフス部4を形成できるように構成されている。
【0038】
また,図1,図2に示すごとく,相間絶縁部3には,両端を延長させて設けた重ね代部35を有しており,複数の電動機用絶縁紙1をステータコア5に装着した際に隣り合う電動機用絶縁紙1におけるそれぞれの上記重ね代部35を重ね合わせることができるように構成してある。
なお,図2における破線aは,折り曲げを行った場合の谷部に相当する部分,破線bは折り曲げを行った場合の山部に相当する部分を示してある。
【0039】
次に,上記構成の電動機用絶縁紙1を用いた電動機の例を示す。
本例の電動機は,図3に示すごとく,内周側に多数のスロット50を設けたリング状のステータコア5を有しており,これに位相の異なる3相の単極コイル8(U,V,W)を配置してなり,これらのコイルエンド部の一部が,異なる位相のもの同士で重なり合うように配置されている分布巻き構造の電動機である。
【0040】
ステータコア5には,単極コイル8が隣接する部分,即ち,スロット50の内壁面及び上記の位相の異なるコイルエンド部が重なる部分における電気的絶縁性を高める電動機用絶縁紙が配設される。
本例では,V相およびW相のコイルを挿入するスロット50に対応する部分に,上記構成の電動機用絶縁紙1を採用し,U相に関しては従来と同様のスロット50のみに配設されるスロット絶縁紙91(図15参照)を採用した。
【0041】
この構造を,単極コイル8の配設順に沿って説明する。
まず,図4に示すごとく,ステータコア5におけるU相の単極コイル8(U)の挿入部81を挿入する各スロット50に,従来と同様のスロット絶縁紙91を装着すると共に,その中に上記U相の単極コイル8(U)を挿入配置する。この時点では,位相の異なるコイルは存在しない。
【0042】
次に,図5に示すごとく,V相の各単極コイルの2つの挿入部を収容するステータコア5の2つのスロット50に,上記構成の電動機用絶縁紙1のスロットセル部2を挿入配置する。すなわち,複数の単極コイル8(V)に対応して複数のV相用の電動機用絶縁紙1を挿入配置する。また,各電動機用絶縁紙1の重ね代部35を重ね合わせて相間絶縁部3をステータコア5の全周に沿うようにリング状に配置する。これにより,同図に示すごとく,U相の単極コイル8(U)のコイルエンド部82は,全面的に,V相用の電動機用絶縁紙1の相間絶縁部3に対面し,内周面側から覆われる。また,図1に示すごとく,各スロット50に配設されたスロットセル部2は,断面略コ字状に折り曲げられた状態となる。
【0043】
次に,図6に示すごとく,V相用の電動機用絶縁紙1のスロットセル部2を装着してあるスロット50に,V相の単極コイル8の挿入部81を挿入し,V相の単極コイル8(V)をステータコア5に配設する。このとき,上記のごとく,V相用の電動機用絶縁紙1の相間絶縁部3の存在によって,V相の単極コイル8(V)のコイルエンド部82は,先の装着済みのU相の単極コイル8(U)のコイルエンド部82とは接触することなく配置される。
【0044】
次に,図7に示すごとく,W相の各単極コイルの2つの挿入部を収容するステータコア5の2つのスロット50に,上記構成の電動機用絶縁紙1のスロットセル部2を挿入配置する。すなわち,複数の単極コイル8(W)に対応して複数のW相用の電動機用絶縁紙1を挿入配置する。また,このW相用の各電動機用絶縁紙1の重ね代部35も重ね合わせて相間絶縁部3をステータコア5の全周に沿うようにリング状に配置する。これにより,同図に示すごとく,V相の単極コイル8(V)のコイルエンド部82は,全面的に,W相用の電動機用絶縁紙1の相間絶縁部3に対面し,内周面側から覆われる。また,各スロット50に配設されたスロットセル部2は,断面略コ字状に折り曲げられた状態となる。
【0045】
次に,図8に示すごとく,W相用の電動機用絶縁紙1のスロットセル部2を装着してあるスロット50に,W相の単極コイル8の挿入部81を挿入し,W相の単極コイル8(W)をステータコア5に配設する。このとき,上記のごとく,W相用の電動機用絶縁紙1の相間絶縁部3の存在によって,W相の単極コイル8(W)のコイルエンド部82は,先の装着済みのV相の単極コイル8(V)のコイルエンド部82とは接触することなく配置される。
【0046】
このように,本例の電動機用絶縁紙1は,上記のごとく,1つの単極コイル8が挿入されるスロット用の2つのスロットセル部2と,これらを結ぶように配設された2つの相間絶縁部3とを一体的に有している。そのため,この電動機用絶縁紙1をステータコア5のスロット50に装着して,単極コイル8をステータコア5に装着した場合には,その単極コイル8の2つの挿入部81を2つのスロットセル部2によって覆うことができると共に,2つの挿入部81を結ぶように形成されているコイルエンド部82の全長を確実に上記相間絶縁部2に対面させることができる。また,上記スロットセル部2と相間絶縁部3との一体化によって,相間絶縁部3とコイルエンド部82との対面状態がずれることを抑制することができる。そのため,上記単極コイル8とステータコア5との間の電気的絶縁性はもとより,相間絶縁部3を挟んで配置される位相の異なるコイルエンド部82間における電気的絶縁性をも,確実に向上させることができる。
【0047】
また,上記2つの相間絶縁部3の連結は,上記スロットセル部2によって行われている。そのため,ステータコア5のスロット50には,スロットセル部2以外の余分なものを挿入する必要がなく,コイルの挿入性の低下や占積率の低下を招くこともない。
【0048】
実施例2
本例の電動機用絶縁紙1は,図9に示すごとく,実施例1と同様の基準シート10を用い,若干切断線の位置を変更すると共に,補強用シート181〜186を用いた点,その他を変更した例である。
即ち,同図に示すごとく,本例の基準シート10は,縦の長さが実施例1の場合よりも長いものを採用した。そして,第1切断線111,112,第2切断線121,122,第3切断線131〜134,第4切断線141〜144を実施例1と同様に設けると共に,中央開口部19を設けた。
【0049】
一方,実施例1とは異なり,折り曲げたカフス部を設けることなく,カフス部4となるべき4箇所の部分に,それぞれ補強用シート181〜184を超音波接合により接合配設した。なお,本例では,実施例1のような第5切断線は設けなかった。
【0050】
さらに,同図に示すごとく,本例では,相間絶縁部3となる部分のスロットセル部2に近い部分にも,補強用シート185,186を超音波接合により接合配設した。なお,これらの補強用シート181〜186は,いずれも基準シート10と同じ厚さの同じ材料を用いた。
【0051】
また,本例では,相間絶縁部3の軸方向の長さを実施例1よりも長くすべく,第4切断線141〜144と横外形線103,104との間の距離を実施例1よりも大きくした。これにより,図10に示すごとく,相間絶縁部3の横外形線103,104近傍の部分は,コイルエンド部82を包み込むように立体的に形成することができる。また,この立体的な形状を容易に形成できるように,本例では,折り曲げ線a2,b2を追加して設けてある。これらに折り曲げ線a2,b2に沿って折り曲げることにより重なり合った部分は接着剤を使用して,又は超音波接合により接合することが好ましい。
【0052】
本例の場合には,相間絶縁部3がコイルエンド部81に対面すると共にその一部を包み込むような立体形状を形成できように構成されている。そのため,位相の異なるコイルエンド部間の相間絶縁の効果をさらに高めることができる。さらに,本例では,基準シート10に,部分的に補強用シート181〜186を貼設して厚みを厚くした補強部を設けてある。そしてこれらの補強部は上記カフス部8及び相間絶縁部3の一部としてある。これにより,これらの,特定の部分だけを厚くして補強することができる一方,スロットセル部2は薄いままにして,スロット内の線積率を維持したままとすることができる。なお,上記相間絶縁部3の補強部分は,いわゆるレーシング工程を実施した際に相間絶縁部3を保護することができる。
その他は実施例1と同様の作用効果が得られる。
【0053】
実施例3
本例の電動機用絶縁紙1は,図11に示すごとく,実施例1と同様の基準シート10を用い,折り曲げた形状のカフス部を設けなかったものである。
即ち,同図に示すごとく,一対の縦外形線101,102と一対の横外形線103,104とにより囲まれた略四角形状の外形を有する基準シート10に,実施例1と同様に,第1切断線111,112,第2切断線121,122,第3切断線131〜134,第4切断線141〜144を設けると共に,中央開口部19を設けた。
【0054】
一方,実施例1とは異なり,折り曲げたカフス部を設けなかった。そのために,実施例1のような第5切断線は設けていない。
この場合には,実施例1よりもシンプルな構成とすることができ,より容易に上記電動機用絶縁紙1を作製することができる。なお,内片部201,202の長さを調整することによって,折り曲げていないカフス部を形成することは勿論可能である。
その他は,ほぼ実施例1と同様の作用効果が得られる。
【0055】
実施例4
本例の電動機用絶縁紙1は,図12に示すごとく,実施例1のものを基礎として,単極コイルのコイルエンド部を覆う立ち上がり被覆部45を形成できるよう構成した例である。
【0056】
即ち,本例の電動機用絶縁紙1は,同図に示すごとく,一対の縦外形線101,102と一対の横外形線103,104とにより囲まれた略四角形状の外形を有する基準シート10に,実施例1と同様に,第1切断線111,112,第2切断線121,122,第3切断線131〜134,第4切断線141〜144,第5切断線151〜154を設けると共に,中央開口部19を設けた。
【0057】
なお,本例では,第2切断線121,122と第3切断線131〜134とは,2本の第2切断線121,122の間隔が2本の第3切断線131と133又は132と134との間隔よりも広くなるように配設した。そして,第2切断線121,122の延長上には第3切断線131〜134と平行に対面する第6切断線161〜164をそれぞれ設けた。
【0058】
この第3切断線131〜134と第6切断線161〜164とに挟まれる部分を内片部201,202と同様の方向に折り曲げることにより,スロットセル部2と相間絶縁部3との境界部近傍における単極コイル8のコイルエンド部82のうち,スロット50から出て,ステータコア5の端面に対して略垂直に立ち上がっている立ち上がり部を覆う立ち上がり被覆部45を形成することができる。
【0059】
本例では,上記立ち上がり被覆部45の形成によって,相間絶縁の効果をさらに高めることができる。
その他は実施例1と同様の作用効果が得られる。
【0060】
実施例5
本例の電動機用絶縁紙1は,図13に示すごとく,実施例1のものを基礎として,単極コイル8のコイルエンド部82のステータコア5と対面する部分の一部を覆うを下面被覆部47を形成できるよう構成した例である。
【0061】
即ち,本例の電動機用絶縁紙1は,同図に示すごとく,一対の縦外形線101,102と一対の横外形線103,104とにより囲まれた略四角形状の外形を有する基準シート10に,実施例1と同様に,第1切断線111,112,第2切断線121,122,第3切断線131〜134,第4切断線141〜144,第5切断線151〜154を設けると共に,中央開口部19を設けた。
【0062】
なお,本例では,第2切断線121,122と第3切断線131〜134とは,2本の第2切断線121,122の間隔が2本の第3切断線131と133又は132と134との間隔よりも狭くなるように配設した。そして,上記第2切断線121,122を端部とする部分を上記横外形線103,104に近づくように折り曲げることにより,単極コイル8のコイルエンド部82のステータコア5と対面する部分の一部を覆うを下面被覆部47を形成できる。
【0063】
本例では,上記下面被覆部47の形成によって,相間絶縁の効果をさらに高めることができる。
その他は実施例1と同様の作用効果が得られる。
【0064】
実施例6
本例は,図14に示すごとく,実施例3の電動機用絶縁紙1を基礎として複数の単極コイル8の電気的絶縁を1枚の電動機用絶縁紙で図ることができるように構成した例である。
即ち,本例の電動機用絶縁紙1は,同図に示すごとく,2つのスロットセル部2と2つの相間絶縁部3とよりなるループ状の単位形状が,相間絶縁部3の延長方向に2つ並ぶと共に,相間絶縁部3の延長部分を連結させて一体化されており,2つの単位コイル3の電気的絶縁を図るように構成されている。
【0065】
本例の場合には,1枚の電動機用絶縁紙1によって2つの単極コイル8に対応することができ,使用する電動機用絶縁紙1の枚数を減らすことができる。
その他は実施例3と同様の作用効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,電動機用絶縁紙の斜視図。
【図2】実施例1における,電動機用絶縁紙を形成する基準シートを展開した状態を示す説明図。
【図3】実施例1における,ステータコアと3相の単極コイルの配置を示す説明図。
【図4】実施例1における,ステータコアにU相の単極コイルを配設した状態を示す説明図。
【図5】実施例1における,ステータコアにV相用の電動機用絶縁紙を配設した状態を示す説明図。
【図6】実施例1における,ステータコアにV相の単極コイルを配設した状態を示す説明図。
【図7】実施例1における,ステータコアにW相用の電動機用絶縁紙を配設した状態を示す説明図。
【図8】実施例1における,ステータコアにW相の単極コイルを配設した状態を示す説明図。
【図9】実施例2における,電動機用絶縁紙を形成する基準シートを展開した状態を示す説明図。
【図10】実施例2における,電動機用絶縁紙の相間絶縁部を,コイルエンド部包み込むような立体形状に形成した状態を示す説明図。
【図11】実施例3における,電動機用絶縁紙を形成する基準シートを展開した状態を示す説明図。
【図12】実施例4における,電動機用絶縁紙を形成する基準シートを展開した状態を示す説明図。
【図13】実施例5における,電動機用絶縁紙を形成する基準シートを展開した状態を示す説明図。
【図14】実施例6における,電動機用絶縁紙の斜視図。
【図15】従来例における,スロット絶縁紙を示す説明図。
【図16】従来例における,スロット絶縁紙をスロットに装着して単極コイルを配設した状態を示す説明図。
【図17】従来例における,相間絶縁紙を示す説明図。
【図18】従来例における,スロット絶縁紙をスロットに装着して単極コイルを配設した状態を示す説明図。
【符号の説明】
1...電動機用絶縁紙,
10...基準シート,
2...スロットセル部,
3...相間絶縁部,
35...重ね代部,
4...カフス部,

Claims (11)

  1. ステータコアに配設される単極コイルが隣接する部分における電気的絶縁性を高めるための電動機用絶縁紙であって,
    少なくとも,1つの上記単極コイルの2つの挿入部を収容する上記ステータコアの2つのスロットに配置される2つのスロットセル部と,該2つのスロットセル部の両端をそれぞれ結んでループを形成するように配設され上記単極コイルのコイルエンド部に対面するよう配置される2つの相間絶縁部とを一体的に有しており,
    上記電動機用絶縁紙は,電気絶縁性を有する基準シートの一部を切断すると共に折り曲げて使用するように構成されており,
    上記電動機用絶縁紙は,略平行に配置された一対の縦外形線と該縦外形線に略直角に配置された一対の横外形線とにより囲まれた略四角形状の外形を有する上記基準シートの一部を切断すると共に折り曲げて使用するように構成されており,
    少なくとも,上記基準シートは,上記縦外形線に略平行に設けられた2本の第1切断線と,
    該2本の第1切断線の間に略長方形状の中央開口部が形成されるよう上記2本の第1切断線を結ぶように上記横外形線に略平行に設けられた2本の第2切断線と,
    上記各第1切断線の両端から上記横外形線と略平行にそれぞれ上記中央開口部が存在する方向と反対方向に向けて設けられた合計4本の第3切断線と,
    上記中央開口部よりも上記横外形線寄りの部分において,上記一対の縦外形線から内方へ向けて上記横外形線と略平行に設けられた合計4本の第4切断線とを有しており,
    略平行に対向する一対の上記第3切断線に挟まれた内片部と,略平行に対向する一対の上記第4切断線に挟まれた外片部とを,隣りあう上記第1切断線と上記縦外形線とが近づくように折り曲げることにより,断面略コ字状の上記スロットセル部を少なくとも2つ形成でき,かつ,上記第3切断線部と上記横外形線とによって挟まれた部分が上記相間絶縁部となるように構成されていることを特徴とする電動機用絶縁紙。
  2. 請求項1において,上記2つのスロットセル部と上記2つの相間絶縁部とよりなるループ状の単位形状が,上記相間絶縁部の延長方向に1又は複数並ぶと共に,上記相間絶縁部の延長部分を連結させて一体化されており,複数の上記単位コイルの電気的絶縁を図るように構成されていることを特徴とする電動機用絶縁紙。
  3. 請求項1又は2において,上記相間絶縁部には,両端を延長させて設けた重ね代部を有しており,複数の上記電動機用絶縁紙を上記ステータコアに装着した際に隣り合う上記電動機用絶縁紙におけるそれぞれの上記重ね代部を重ね合わせることができるように構成してあることを特徴とする電動機用絶縁紙。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において,上記相間絶縁部は,上記コイルエンド部に対面すると共にその一部又は全部を包み込むような立体形状を形成できように構成されていることを特徴とする電動機用絶縁紙。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において,上記基準シートには,部分的に補強用シートを貼設して厚みを厚くした補強部を設けてあることを特徴とする電動機用絶縁紙。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項において,上記第3切断線には,上記第1切断線に略平行に設けられた所定長さの第5切断線がそれぞれ接続されており,該第5切断線と上記第1切断線との間に挟まれる部分を上記第3切断線から離れる方向に折り返すことにより,上記ステータコアの上記スロットから突出して上記ステータコアの端面に向けて折り返されるカフス部を形成できるように構成されていることを特徴とする電動機用絶縁紙。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項において,上記内片部の上記第3切断線に面する端部には,別途準備したカフス用補強紙を貼設して厚みを他の部分よりも厚くして折り返すことなくカフス部を形成できるように構成してあることを特徴とする電動機用絶縁紙。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項において,上記第2切断線と上記第3切 断線とは同一線上に設けられていることを特徴とする電動機用絶縁紙。
  9. 請求項1〜5のいずれか1項において,上記第2切断線と上記第3切断線とは,上記2本の第2切断線
    の間隔が上記2本の第3切断線の間隔よりも広くなるように配設されており,かつ,上記第2切断線の延長上には上記第3切断線と平行に対面する第6切断線がそれぞれ設けられており,上記第3切断線と上記第6切断線とに挟まれる部分を上記内片部と同様の方向に折り曲げることにより,上記スロットセル部と上記相間絶縁部との境界部近傍における上記単極コイルの上記コイルエンド部を覆う立ち上がり被覆部を形成できるよう構成されていることを特徴とする電動機用絶縁紙。
  10. 請求項1〜5のいずれか1項において,上記第2切断線と上記第3切断線とは,上記2本の第2切断線の間隔が上記2本の第3切断線の間隔よりも狭くなるように配設されており,上記第2切断線を端部とする部分を上記横外形線に近づくように折り曲げることにより,上記単極コイルの上記コイルエンド部の上記ステータコアと対面する部分の一部を覆うを下面被覆部を形成できるよう構成されていることを特徴とする電動機用絶縁紙。
  11. ステータコアに複数の単極コイルを配設してなると共に,上記ステータコアの両端面から突出する上記単極コイルのコイルエンド部の一部が,異なる位相のもの同士で重なり合うように配置されている分布巻き構造の電動機において,
    上記ステータコアには,上記単極コイルが隣接する部分における電気的絶縁性を高める電動機用絶縁紙が配設されており,
    少なくとも一部の上記電動機用絶縁紙は,請求項1〜10のいずれか1項に記載の上記電動機用絶縁紙よりなり,少なくとも,1つの上記単極コイルの2つの挿入部を収容する上記ステータコアの2つのスロットに配置される2つのスロットセル部と,該2つのスロットセル部の両端をそれぞれ結んでループを形成するように配設され上記単極コイルのコイルエンド部に対面するよう配置される2つの相間絶縁部とを一体的に有しており,該相間絶縁部が,隣り合う異なる位相の上記コイルエンド部の間に配置されていることを特徴とする電動機。
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