JP4275965B2 - 静電霧化装置及び静電霧化方法 - Google Patents

静電霧化装置及び静電霧化方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯電させた霧化塗料を被塗物に塗着させる塗装装置などに用いることができる静電霧化装置及び静電霧化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
水性塗料などの電気抵抗の低い塗料を用いて静電塗装を行う方法として、圧縮空気などで霧化すると同時に負の電荷に帯電させた塗料を接地状態の被塗物に塗着させる塗装方法がある。塗料に負の電荷を帯電させる方法としては、内部印加による方法と外部印加による方法とがある。
【0003】
内部印加による方法では、塗装装置に設けた静電気帯電用電極に対して高電圧電源を供給し、その帯電用電極を塗装装置の内部において塗料に接触させ、塗料全体に高電圧をかけることで帯電状態になった塗料を装置から吐出されるようになされている。
【0004】
この方法では塗料経路が電気回路を構成するので、経路の一部が接地されると電流が漏れて高電圧がかけられなくなることがある。これを防ぐために、塗料タンクから塗装装置の塗料吐出口に至る塗料経路を電気的に絶縁しておく必要がある。そのため、塗料の色替えに際しては、まず塗装装置及びそれに接続している塗料タンクを放電させて接地状態にし、塗料装置を塗料タンクから切り離して別の塗料タンクに接続してから、塗装装置とそれに接続された塗料タンクを大地に対して電気的に絶縁する状態に切り替える、という工程が必要となる。それゆえ段取り替えに関しては工数が多くなって効率が悪いという欠点がある。
【0005】
そこで、塗料の色替え作業の効率が要求される場合には、外部印加による方法が多く用いられている。その一例として、特開平7−328493号公報(特許文献1)に開示されているものがある。この方法は、塗装装置の外部に露出する形態で設けた帯電用電極により塗装装置の近傍の空気をイオン化し、塗装装置から霧状に吐出された霧化塗料をイオン化空気に接触させることによって帯電状態にするようにしたものである。このような方法であれば、塗料の流路を常に接地状態にしておくことができるので、段取り替えに際して絶縁状態と放電状態との切り替え作業が不要となる。
【0006】
しかしながら上記文献の方法のごとく従来の静電霧化装置及び静電霧化方法においては、霧化した塗料と帯電用電極とが直接接していないため、帯電用電極より放出されたイオンを霧化塗料に十分に接触させることが難しく、霧化塗料に到達できずにいたイオンが多く存在していた。また、霧化塗料に到達したイオンの中には、霧化塗料を帯電せずに霧化塗料の雰囲気外へ出ていくものも少なからず存在していた。それゆえ、塗料の帯電効率は必ずしも十分に高いとは言えず、結果的に塗装時において十分に高い塗着効率を得ることが難しいという問題があった。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−328493号
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、従来の静電霧化装置及び静電霧化方法よりも霧化塗料などの帯電効率がさらに高く、塗料などの塗装においてさらに高い塗着効率を容易に得られるようにする静電霧化装置及び静電霧化方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の静電霧化装置は、霧化用の吐出口と、該吐出口から吐出物を供給する吐出物供給手段と、エア噴出口と、該エア噴出口からエアを供給するエア供給手段と、該エア供給手段の内部に設けられて前記エア噴出口から噴出する前の前記エア中に荷電子を放出する帯電用電極と、該帯電用電極に高電圧を供給する電圧供給手段と、を備える静電霧化装置であって、前記吐出口より前記吐出物の吐出方向に突出し前記帯電用電極から放出される前記荷電子を誘引する誘引用補助電極を有することを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決する本発明の静電霧化方法は、霧化用の吐出口と、該吐出口から吐出物を供給する吐出物供給手段と、エア噴出口と、該エア噴出口からエアを供給するエア供給手段と、該エア供給手段の内部に設けられて前記エア噴出口から噴出する前の前記エア中に荷電子を放出する帯電用電極と、該帯電用電極に高電圧を供給する電圧供給手段と、により、霧化された吐出物を帯電する静電霧化方法であって、
前記吐出口より前記吐出物の吐出方向に突出し前記帯電用電極から放出される前記荷電子を誘引する誘引用補助電極を設け、該誘引用補助電極により誘引された前記荷電子を霧化された前記吐出物に接触させて帯電させることを特徴とする。
【0011】
なお、いずれの手段においても、上記荷電子は、電子、負のイオン、並びに負電荷に帯電したクラスター様の粒子の少なくとも一種を含むものである。
【0012】
本手段によれば、帯電用電極から放出された荷電子が、誘引用補助電極により霧化した吐出物の存在するところに誘引される。その結果、従来の静電霧化装置及び静電霧化方法においては吐出物に到達できずにいた荷電子が、誘引用補助電極に誘引されることで吐出物に接触してそれを帯電できるようになる。また、霧化吐出物に到達できてもそれを帯電せずに霧化吐出物の雰囲気外へ出ていこうとする荷電子についても、誘引用補助電極に誘引されることで霧化吐出物の雰囲気内に留まり、霧化吐出物に接触してそれを帯電できるようになる。それゆえ、従来の静電霧化装置及び静電霧化方法よりも吐出物の帯電効率を向上させることができる。
【0013】
従って本手段を例えば塗装装置に用いれば、塗装時において十分に高い塗着効率を得ることができるようになる。その結果、塗料の使用量の削減などを計ることができるようになり、塗装コストを減らすことができる。
【0014】
【発明の実施形態】
本発明においては、霧化用の吐出口と、該吐出口から吐出物を供給する吐出物供給手段と、エア噴出口と、該エア噴出口からエアを供給するエア供給手段と、帯電用電極に高電圧を供給する電圧供給手段と、については、それぞれ特に限定されるものではなく、従来と同様の形態のものを用いることができる。
【0015】
なお、本発明においては、吐出物の種類で限定されるものではなく、塗装装置に用いる場合であれば、水性塗料及び油性塗料のいずれにも用いることができるが、水性塗料など電気抵抗の低い吐出物を用いる場合に特に有効である。
【0016】
帯電用電極は、エア供給手段の内部に設けられてエア噴出口から噴出する前のエア中に荷電子を放出するものであり、後述の実施例で用いるエアキャップのごとく、外部から区画されかつエア噴出口に連通したエア流路内に設けられているものが好ましい。
【0017】
誘引用補助電極については帯電用電極から放出される荷電子を誘引することができれば、形状、材質及び設置方法などで特に限定されるものではないが、以下の形態のものが好ましい。
【0018】
誘引用補助電極が荷電子を誘引させるようにする方法としては、誘引用補助電極を接地する方法、または荷電子とは反対電位(正の電位)の電圧を誘引用補助電極に印加する方法などが挙げられる。なお後者の方法では、誘引用補助電極に電圧を供給するための電圧供給手段が必要となる。本発明では特に、前記誘引用補助電極に正電圧を供給する正電圧供給手段を有するとともに、前記電圧供給手段は前記帯電用電極に負電圧を供給する、ことが好ましい。
【0019】
誘引用補助電極として、霧化用の吐出口またはその近傍より突出したものなどが挙げられるが、霧化用の吐出口より吐出物の吐出方向に突出するものの方が、帯電用電極から放出される荷電子を霧化した吐出物のあるところに誘引しやすく、誘引効率などの点で望ましい。いずれにおいても、少なくともその電極先端部が霧化された吐出物の雰囲気中にあれば、帯電用電極から放出される荷電子を霧化した吐出物のあるところに誘引しやすくなる。また、誘引用補助電極は、先端が鋭利な針状の電極先端部を有するものが望ましい。
【0020】
誘引用補助電極として、吐出口に設置される電極基部と、その電極基部より吐出物の吐出方向へ突出する電極先端部とからなるものが挙げられる。その具体例として、吐出口の周縁部に沿って延び吐出口の周縁部に設置される枠部と、該枠部から延び吐出口上で架橋する架橋部とからなる電極基部は、安定性などの点から好ましい。なお、霧化用の吐出口は円形であることが多いため、図5には、それに適した電極基部の形態として、リング状をなす枠部と、枠部(リング)の直径方向に架橋される架橋部とからなるものを例に示した。この場合、架橋部は1本だけでもよいが、図5に示したがごとく複数もつものであれば、安定性がさらに向上するので一層好ましい。さらに網状の架橋部をもつものを用いれば、吐出物の霧化を促進できる効果も期待され好ましい。なお、電極基部は絶縁性の樹脂などに内包しておくことが好ましい。
【0021】
特に本発明における誘引用補助電極は、霧化用の吐出口に連通した吐出物流路内に収納され該吐出口の方向に延びる柱状の電極基部と、該電極基部より延びて該吐出口から突出する針状の電極先端部と、前記電極基部の外周面上から拡径方向に突出して前記吐出物流路の内周面に突き当てられる弓矢の羽根様の突出部と、からなることが望ましい。このような誘引用補助電極は、場所をとらず、かつ吐出物の吐出やエアの噴出を妨げることがない点で優れている。
【0022】
この場合、電極基部は、吐出口に連通した吐出物流路内の中心部を延びることが好ましい。吐出物流路は円柱状もしくは円筒状であることが多いので、その場合には電極基部が吐出物流路の中心軸に沿って延びることが好ましい。一方、その先端部は、吐出口の中心部から突出することが好ましい。吐出口も円形もしくは円環状にあれば、その中心から突出することが好ましい。また、突出部により、誘引用補助電極を吐出物流路の中心孔内に安定的に固定保持することができる。
【0023】
なお、上記誘引用補助電極として、電極先端部の先端が吐出口内に納まっているものも挙げられるが、霧化される前の液状吐出物に阻まれて荷電子の誘引効率が低くなると考えられる。
【0024】
誘引用補助電極の材質については特に限定されるものではなく、金属材料及び導電性樹脂のいずれから形成されたものであってもよい。
【0025】
他方、前記帯電用電極と前記帯電用補助電極との間には、抵抗部材が設けられていることが望ましい。この抵抗部材により、吐出物の霧化帯電中に帯電用電極と誘引用補助電極との短絡や干渉などを防ぐことができ、電極が破損する恐れをなくすことができる。
【0026】
【実施例】
本発明の静電霧化装置及び静電霧化方法としては、例えば塗料を圧縮空気で霧化すると同時に帯電させる静電塗装装置及びそれを用いた塗装方法を挙げることができる。以下、本発明の一実施形態として、作業者が把持して取り扱うハンドガンタイプの静電塗装ガンを例にして図1〜図4を参照しながら説明する。なお、以下では説明を容易にするため、塗料が吐出口から吐出される方向を前方と言い、その反対方向を後方と言うことにする。また、図面に向かって上方向を上方と言い、その反対方向を下方と言うことにする。
【0027】
本実施例の静電塗装ガンは、図1にその主要部を示すように、絶縁性の樹脂材料からなるガン本体10(一部図示)と、ガン本体10の前端部に設けられ、塗料の吐出及び圧縮空気(エア)の噴出を行うノズル20とから構成されている。
【0028】
この静電塗装ガンは、霧化用の塗料吐出口22と、この塗料吐出口22から塗料(吐出物)を供給する吐出物供給手段とを有している。この吐出物供給手段は、塗料ノズル24と、二ードル弁12と、塗料ホース(図示せず)とから構成されている。塗料ノズル24の中心孔は塗料流路24aとなっている。ここで図示しないトリガの操作に連動して開閉される常閉式の二ードル弁12が開弁すると、ガン本体10の後部に接続された塗料ホースを通じて圧送された塗料が、塗料ノズル24に向けて供給され、塗料流路24aを通じて塗料吐出口22から霧状に吐出される。
【0029】
ノズル20は、ガン本体10の前端部に取り付けた複数部品(塗料ノズル24、エアキャップ26、固定部材27など)から構成されている。ガン本体10の前端部には、その前端面中央を切欠した形態の円形の取付凹部10aが形成されている。この取付凹部10aの内周には、絶縁性材料からなる塗料ノズル24が、その後端部を螺合することにより前端部を取付凹部10aから前方に突出した形態で固設されている。塗料ノズル24の外周面の周囲には、絶縁性樹脂より形成されている円筒部14が、円筒状の間隙を隔てて同軸的に設けられている。この円筒状間隙には、後述するようにパターンエア噴出口34にエアを供給するエア流路が設けられている。
【0030】
エアキャップ26は、円筒部26aと、前面部26bと、前面部26bの前面の上下両端部から前方に突出する角部26cと、前面部26bの後面の両端部から後方に延びる仕切用円筒部26dと、から絶縁性樹脂より同体的に構成されている。
【0031】
ガン本体10の先端部の外周上とエアキャップ26の円筒部26aの後端部の外周上とには、ナット様の固定部材27が螺合されている。この固定部材27により、エアキャップ26が、塗料ノズル24の前方位置において仕切用円筒部26dを塗料ノズル24の前端面に付き当てた状態で固定されている。
【0032】
塗料ノズル24の中心孔、すなわち塗料流路24aは、塗料の流れる方向に向かって段階的に径が小さくなる複数の円柱状空洞部が同軸的に直列した形態で形成されている。この塗料流路24aの後端は、二ードル弁12に連通されている。
【0033】
塗料ノズル24の前端部はエアキャップ26の中心孔に挿入され、エアキャップ26の中心孔の内周面と塗料ノズル24の前端部の外周面との間には略円筒状の間隙が形成されている。この略円筒状の間隙は、塗料吐出口22から吐出された塗料を霧化するためのエアを噴出する霧化エア噴出口30となる。また、この塗料ノズル24の前端部は、ノズル20の前端面に臨む塗料吐出口22として静電塗装ガンの外部に開口している。
【0034】
エアキャップ26の前面部26bには、前述の霧化エア噴出口30の他に副パターンエア噴出口32が設けられている。また、角部26cの内側面部には、パターンエア噴出口34が設けられている。
【0035】
霧化エア噴出口30と副パターンエア噴出口32とにエアを供給する供給手段は、霧化エア流路36a〜36dから構成されている。すなわち、塗料ノズル24には、塗料流路24aと同心円状に配された複数の霧化エア流路36cが、塗料ノズル24の前後両端面間に貫通する孔状に形成されている。これらの霧化エア流路36cの後端は、取付凹部10aの奥端部に形成された環状の霧化エア流路36bに連通されている。この環状の霧化流路36bは、ガン本体10の内部に形成された霧化エア流路36aに連通されている。
【0036】
また、塗料ノズル24の霧化エア流路36cの前端は、塗料ノズル24の前端部外周とエアキャップ26の仕切用円筒部26dの内周及びエアキャップ26の後面とによって囲まれた環状の霧化エア流路36dに連通されている。この環状の霧化エア流路36dは、エアキャップ26の中心孔の内周と塗料ノズル24の前端部外周との隙間に塗料吐出口22を囲むように形成された環状の霧化エア噴出口30、及びエアキャップ26における霧化エア噴出口30の上下両側に形成した孔状をなす副パターンエア噴出口32を介してノズル20の前端面に開口されている。
【0037】
一方、パターンエア噴出口34にエアを供給する供給手段は、パターンエア流路38a〜38eによって構成されている。パターンエア流路38aは、ガン本体10の内部に霧化エア流路36a〜36dとは独立した別個の流路として孔状の流路が形成されている。パターンエア流路38aの前端部は、取付凹部10aの内周に溝状に形成された環状のパターンエア流路38bに連通されている。このパターンエア流路38bは、前後方向に貫通する複数のパターンエア流路38cを介して、塗料ノズル24の外周面と円筒部14の内周面との間に形成された環状のパターンエア流路38dに連通されている。このパターンエア流路38dは、エアキャップ26の角部26cの内部に形成した上下一対のパターンエア流路38eに連通されている。このパターンエア流路38eは、角部26cに形成したパターンエア噴出口34を介してノズル20の外部に開口されている。
【0038】
円筒部14の先端部には、金属製の帯電用電極40が装着されている。なお、この帯電用電極40は、導電性樹脂からなるものでもよい。この帯電用電極40は、一部が切欠けされた形態の円弧状のリング部40aと、このリング部40aから前方(このリング部40aの中心軸と平行方向)へ突出する2本のピン部40bとからなる。ピン部40bは、リング部40bに対して溶接などによって固着されている。かかる帯電用電極40は、そのピン部40bの先端部をパターンエア流路38eに突出させた状態で、円筒部14の先端部内に埋設されている。
【0039】
ガン本体10の内部には塗料を荷電するための帯電用電極40に高電圧を供給する電圧供給手段が設けられている。電圧供給手段は、高電圧発生器(図示せず)と、高電圧発生器と帯電用電極40とを導通可能に接続する導電部材42(一部図示)と、から構成されている。高電圧発生器はガン本体10の内部に前後方向に長い状態で二ードル弁12よりも上方に位置して収容されている。導電部材42も円筒部14内に埋設されており、その先端部がリング部40aに接続されているとともに、後端部が高電圧発生器に接続されている。なお導電部材42は金属製のものでも導電性樹脂からなるものでもよい。
【0040】
誘引用補助電極50は、吐出物流路24aの中心軸に沿って吐出物流路24aの後端部から吐出口22の方向に延びる柱状(断面円形状)の電極基部50aと、吐出口22の中心から突出する針状の電極先端部50bと、からなる。電極基部50a及び電極先端部50bは、同じ金属材料で同体的に形成されている。
【0041】
電極基部50aの後端部は絶縁性樹脂よりなる保護部52に内包され、保護部52の外周面上には、その拡径方向の四方に突出する突出部54が弓矢の羽根様に一体的に形成されている。その突出部54の先端面54aが、塗料ノズル24の中心孔の後端部の内周面に突き当てられた状態で、電極基部50aの後端部が、二ードル弁12の前端面に設けた取付凹部12aに挿着されている。この突出部54は、ついたてのごとく、誘引用補助電極50が塗料ノズル24の中心孔内に安定的に固設保持されることを助ける。また、二−ドル弁12から供給された塗料は、突出部54どうしの間に形成される間隙を通じて、塗料ノズル24の中心孔を流れることができる。
【0042】
誘引用補助電極50が正電位となるように、誘引用補助電極50に正電圧を供給する正電圧供給手段もガン本体10の内部に設けられている。この正電圧供給手段は、正電圧発生器(図示せず)と、正電圧発生器と誘引用補助電極50とを導通可能に接続する導電部材(図示せず)とから構成されている。
【0043】
塗料の吐出制御手段は、ハンドガンのトリガと、二ードル弁12とから構成される。トリガを操作すると、二ードル弁12が開弁して塗料がノズル20の塗料吐出口22から前方に吐出される。エア供給制御手段は、トリガ(図示せず)と、空気弁(図示せず)とから構成される。トリガの操作と同時に空気弁が開き、エア供給手段は作動状態となる。
【0044】
このとき、ノズル20の霧化エア噴出口30と副パターンエア噴出口32からは霧化エア流路36a〜36dを通じて供給された所定圧力のエアが、それぞれ霧化エアAa及び副パターンエアAbとして噴出される。吐出された塗料は、霧化エアAaにより霧化された塗料流Pとなる。また、パターンエア噴出口34からも、パターンエア流路38a〜38eを通じて供給された所定圧力のエアがパターンエアAcとして霧化塗料流Pに向けて噴出される。このパターンエアAcにより霧化塗料流Pは、断面略楕円形状のパターンに成形される。なお、副パターンエアAbは、パターンエアAcに向かって吹き付けられ、そのパターンエアAcが霧化塗料流Pに対して局所的に集中して吹き付けられることに起因する霧化塗料流Pの分断が防止されている。
【0045】
トリガを操作してエア供給が開始すると、同時に帯電制御手段が作動して電圧供給手段が作動する。すなわち、パターンエア流路38a〜38e内を流れるエアは、パターンエア流路38e内に配置された帯電用電極40に接触することにより、イオン化された荷電子を含む状態でパターンエア噴出口34からノズル20の外部へ噴出される。こうして荷電子を含むパターンエアAcは霧化塗料流Pに吹き付けられ、霧化塗料流Pに到達した荷電子の多くは霧化塗料を帯電する。
【0046】
一方、帯電制御手段が作動すると同時に正電圧供給手段も作動し、誘引用補助電極50に正電圧が供給されて、誘引用補助電極50が正電位になる。その結果、霧化塗料流Pに到達できずにいた荷電子が、誘引用補助電極50に誘引されることで霧化塗料に接触してそれを帯電する。さらには霧化塗料流Pに到達できてもそれを帯電せずに霧化塗料流Pの外へ出ていこうとする荷電子も、誘引用補助電極50に誘引されることで霧化塗料流P内に留まり、霧化塗料に接触してそれを帯電する。こうして霧化塗料は、大部分が帯電したものとなり、接地状態におかれている被塗物(図示せず)に塗着される。
【0047】
従って本静電塗装ガンによれば、誘引用補助電極50を働かせることにより、霧化塗料に接触してそれを帯電する荷電子を増加させることができ、塗料の帯電効率を容易に向上させることができる。それゆえ、塗装時において十分に高い塗着効率を得ることができ、吐出させる塗料の削減などを計ることができるようになる。その結果として塗装コストを減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における静電塗装ガンの部分断面図である。
【図2】実施例における静電塗装ガンに用いられている誘引用補助電極を示す図である。(a)は断面図である。(b)は後方から見た様子を示す図である。
【図3】実施例における静電塗装ガンのノズル部分の部分拡大図である。
【図4】実施例における静電塗装ガンに用いられるエアキャップと帯電用電極の部分拡大斜視図である。。
【図5】本発明で用いることができる誘引用補助電極の部分拡大斜視図である。
【符号の説明】
20:ノズル 22:塗料吐出口 26:エアキャップ 30:霧化エア噴出口(エア噴出口) 34:パターンエア噴出口 38e:パターンエア流路 40:帯電用電極 50:誘引用補助電極

Claims (6)

  1. 霧化用の吐出口と、該吐出口から吐出物を供給する吐出物供給手段と、エア噴出口と、該エア噴出口からエアを供給するエア供給手段と、該エア供給手段の内部に設けられて前記エア噴出口から噴出する前の前記エア中に荷電子を放出する帯電用電極と、該帯電用電極に高電圧を供給する電圧供給手段と、を備える静電霧化装置であって、
    前記吐出口より前記吐出物の吐出方向に突出し前記帯電用電極から放出される前記荷電子を誘引する誘引用補助電極を有することを特徴とする静電霧化装置。
  2. 前記誘引用補助電極に正電圧を供給する正電圧供給手段を有するとともに、前記電圧供給手段は前記帯電用電極に負電圧を供給する、請求項1に記載の静電霧化装置。
  3. 前記誘引用補助電極は、前記吐出口に連通した吐出物流路内に収納され該吐出口の方向に延びる柱状の電極基部と、該電極基部より延びて該吐出口より突出する針状の電極先端部と、前記電極基部の外周面上から拡径方向に突出して前記吐出物流路の内周面に突き当てられる弓矢の羽根様の突出部と、からなる請求項1または2に記載の静電霧化装置。
  4. 前記誘引用補助電極は、前記吐出口の周縁部に設置される枠部及び該枠部から延び前記吐出口上で架橋する架橋部からなる電極基部と、該電極基部より前記吐出物の吐出方向へ突出する電極先端部と、からなる請求項1または2に記載の静電霧化装置。
  5. 前記帯電用電極と前記誘引用補助電極との間には、抵抗部材が設けられている請求項1〜4のいずれか一項に記載の静電霧化装置。
  6. 霧化用の吐出口と、該吐出口から吐出物を供給する吐出物供給手段と、エア噴出口と、該エア噴出口からエアを供給するエア供給手段と、該エア供給手段の内部に設けられて前記エア噴出口から噴出する前の前記エア中に荷電子を放出する帯電用電極と、該帯電用電極に高電圧を供給する電圧供給手段と、により、霧化された吐出物を帯電する静電霧化方法であって、
    前記吐出口より前記吐出物の吐出方向に突出し前記帯電用電極から放出される前記荷電子を誘引する誘引用補助電極を設け、該誘引用補助電極により誘引された前記荷電子を霧化された前記吐出物に接触させて帯電させることを特徴とする静電霧化方法。
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