JP4275521B2 - パンティライナー - Google Patents

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Description

本発明は、薄型で軟質であって下着との一体感を与えることができるパンティライナーに係り、特に、肌側表面で液が拡散しずらく速やかに液を引き込む機能を発揮できるパンティライナーに関する。
パンティライナーは、女性が生理日以外の日に下着のクロッチ部の内側に接着させて用いるものであり、おりものなどの膣分泌物を吸収するために使用される。このパンティライナーは、下着と一体感を与えるような薄型で且つ軟質であり、且つ膣分泌物などの液を保持する能力を有しまた肌側表面に液が拡散しにくいものが望まれる。
以下の特許文献1に記載されたパンティライナーは、吸収材の肌側表面が表面材で覆われた構造である。前記吸収材は目付けが40g/m2程度の複合合繊繊維で形成された親水性の不織布である。前記表面材は、コットン繊維が100%で、ウォータジェット製法で形成された不織布であり、前記吸収材よりも薄いものが使用されている。このパンティライナーは前記吸収材に液を吸収させて保持させるものであり、前記表面材は液を保持できるような厚いものではなく、液を吸収材へ透過させるものとして機能している。そのため、前記表面材には液を吸収材に向けて導くための多数の液透過孔が形成されている。
以下の特許文献2に記載のパンティライナーは、肌側に単一の不織布シートが位置しており、着衣側に液体不透過性バリヤー層を有している。前記不織布シートは、カード法で、レーヨン繊維とポリエステル繊維とをブレンドしたウエッブを形成し、ノズルから噴射された水流により前記繊維を交絡させたものである。また前記水流を与えることにより不織布シートの表面の繊維を横方向に動かしてくぼみを形成している。さらに前記不織布シートに結合剤溶液が与えられて、繊維間が接合されるとともに前記くぼみの形状が維持され、且つ圧縮時の弾性復帰機能が高められている。
特開平8−24289号公報 特開平7−138865号公報
前記特許文献1に記載のように、従来のパンティライナーは、吸収材の表面を表面材で覆うことによって、肌側表面の繊維密度を緻密にし、液が与えられたときに肌側表面に破れなどが生じにくくしている。また、表面材に液透過孔を形成して、表面材に与えられた液を前記液透過孔からその下の吸収材に導くようにしている。
しかし、吸収材が表面材で覆われた構造では、表面材に与えられた膣分泌物などの液を速やかに吸収材に導くのが難しく、表面材に液が滞留しやすい。表面材に与えられた液を吸収材へ速やかに導こうとして表面材に形成された前記液透過孔の開口面積率を高くすると、吸収材に吸収保持された液が体圧により表面材の表面に滲み出やすくなる。
また、前記特許文献1に記載のものでは、弾性復帰性を高めるために吸収材が複合合成繊維で形成され、表面材は皮膚への接触感触が良好となるようにコットン繊維100%で形成されている。そのために、表面材の親水度が吸収材よりも高くなってしまい、表面材の表面に与えられた液を吸収材に速やかに導くことが難しい構造となっている。
次に、特許文献2に記載のパンティライナーは、単一シートである不織布シートを肌側に位置させることにより、頻繁に交換する衛生用品として低コストで製造できることを目的としている。
しかし、前記不織布シートは、その内部においてレーヨン繊維とポリエステル繊維との配合比が均一な分布であり、不織布シート内部で親水度の勾配を形成しておらず、不織布シートに与えられた液を、この不織布シートの内部に速やかに引き込むための配慮がなされていない。そのため、肌側表面が液によって湿潤状態を継続しやすく、肌へドライ感を与えるのが難しい。
そこで、前記特許文献2に記載のものでは、前記不織布シートの肌側表面に窪みを形成し、この不織布シートに与えられた液を前記窪みの内部に留めることにより、装着時の快適性を高めるようとしている。しかし前記不織布シートは、その肌側表面に位置する繊維を水流の力で横方向へ移動させることで前記窪みを形成しているので、不織布シートの肌側表面では、前記窪みの周囲部分で繊維の密度が高くなっている。したがって、不織布シートに与えられた液が窪みの周辺に集中して残留しやすくなり、身体の肌へ湿潤感を与え着用時の快適性を得ることが難しい。
また、特許文献2に記載のものは、前記不織布シートの形状を保ち弾性復帰性を得るために結合剤を含んでいる。しかし、女性の膣周辺に直接に当接する不織布シートに結合剤を含ませるのは肌への刺激や肌への安全性の面で好ましくない。また、結合剤を含ませた不織布シートで形成されたパンティライナーは、布製の下着よりも剛性が高くなるため、着用者が下着と一体となっている着用感を得ることが難しい。
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、液保持機能を有する不織布が身体に直接当接する構造であり、しかも前記不織布内への液の引込み性に優れ、肌側表面に液が滞留し難く、着用時の快適性に優れるようにし、さらに全体を軟質に形成して下着との一体感を与えることが可能なパンティライナーを提供することを目的としている。
本発明は、液保持シートと、この液保持シートの着衣側に重ねられた裏面シートとを有するパンティライナーにおいて、
前記液保持シートが2枚の不織布が互いに接合されて構成されて、それぞれの前記不織布は繊維どうしを接合する接合剤を含まずに繊維どうしが交絡しており、肌側表面に現れる第1不織布が、親水性繊維と疎水性または弱親水性の合成樹脂繊維とで形成され、着衣側に位置する第2不織布が少なくとも親水性繊維で形成されており、前記第1不織布よりも前記第2不織布のクレム吸水度が高く、その差が10mm以上であり、
前記第1不織布よりも前記第2不織布親水度が高いことを特徴とするものである。
このパンティライナーは、液保持機能を有する不織布で形成された液保持シートと裏面シートとで基本構成を成しており、前記液保持機能を有する不織布が肌側表面に現れている。よって、従来のように液の透過機能のみを発揮する表面シート(トップシート)は設けられていない。女性の膣から分泌された液は、従来のように表面シートを透過するのではなく、前記不織布で直接に保持されるため、液の吸収保持が速やかである。しかも、前記不織布で形成された液保持シートは、裏面シートに向けて親水度が高くなる親水性勾配を有しているため、肌側表面に与えられた液が液保持シートを形成する不織布内に速やかに吸収される。また肌側表面に位置する前記不織布の表面に液が残りにくいため、着用者の肌にべたつき感を与え難く、着用時の快適性に優れる。
また、前記不織布は結合剤を含まないため、肌への刺激が無く着用者の肌に対して安全である。また結合剤を含まないために前記液保持シートは低剛性で軟質であるため、下着と一体となった着用感を与えやすくなる。しかも、前記不織布は肌側表面において、親水性繊維と合成樹脂繊維とが交絡しているため、前記肌側表面での縒れやへたりが生じ難く、表面形状を維持しやすくなっている。
本発明では、第1不織布がパンティライナーの肌側表面の縒れやへたりを防止する機能を発揮し、第2不織布が液を吸収保持する機能を発揮する。
また、本発明は、液保持シートと、この液保持シートの着衣側に重ねられた裏面シートとを有するパンティライナーにおいて、
前記液保持シートは、肌側表面に現れる第1不織布と、着衣側に位置する第2不織布とが互いに接合されて構成されて、前記第1不織布と第2不織布は、それぞれ繊維どうしを接合する接合剤を含まずに繊維どうしが交絡した不織布であり、
前記第1不織布は、前記肌側表面が、親水性繊維と疎水性または弱親水性の合成樹脂繊維とで形成され、着衣側表面が少なくとも親水性繊維で形成されて、親水度は、前記肌側表面に表れている層よりも前記着衣側表面に現れている層の方が高く、
前記第2不織布は、少なくとも親水性繊維で形成されており、親水度は前記第1不織布の前記着衣側表面に現れている層よりも高いことを特徴とするものである。
この場合に、好ましくは、前記第1不織布のクレム吸水度は、前記肌側表面に表れている層よりも前記着衣側表面に現れている層の方が高く、その差が10mm以上であり、前記第2不織布のクレム吸水度は、前記第1不織布の着衣側表面に現れている層のクレム吸水度よりも高く、その差が10mm以上である。
この場合も、前記第1不織布は、親水性繊維を有する下層繊維ウエッブの上に、前記親水性繊維と疎水性または弱親水性の合成樹脂繊維とを含む上層繊維ウエッブを形成し、両繊維ウエッブの繊維を一緒に交絡させることにより形成されたものとして構成できる。
このように、第1不織布に親水度の勾配を形成し、さらにその下に位置する第2不織布の親水度を高くすると、肌側表面に与えられた液の引込み能力が高くなり、また第2不織布に液を保持させることにより液の保持容量も大きくできる。
この場合、前記第1不織布の目付けが25〜50g/m2であり、前記第2不織布の目付けが20〜60g/m2であることが好ましい。
また、本発明は、前記液保持シートと前記裏面シートが重ねられて互いに接合された状態でのガーレ剛性値が0.7mN以下である。
ガーレ剛性値が前記値以下であると、柔らかくなり、着用者が下着と一体の着用感を得ることができるようになる。
また、前記液保持シートと前記裏面シートが重ねられて互いに接合された状態での厚み寸法が1mm以下である。
本発明のパンティライナーは、液保持シートとして機能する不織布と、裏面シートとで基本構造が形成されるため、薄型化が可能であり、前記1mm以下のものとして構成することができるようになる。
本発明のパンティーライナーは、液透過のための表面シートを用いておらず、液保持機能を有する不織布が肌側表面に現れ、しかもこの不織布に親水度の勾配が設けられているため、パンティライナーの肌側表面に与えられた液を、速やかに内部に引き込むことができ、肌側表面に液が滞留しにくい。また薄型で軟質なものにでき、下着との一体の着用感を得ることができる。さらに構成部材の数を減らすことができ、低コストで量産が可能である。
図1は参考例としてパンティライナー1を肌側表面から見た平面図、図2は図1のII−II線の断面図、図3は前記パンティライナー1の構成を拡大して示すと共に液の吸収機能を模式的に示した拡大断面図である。
図1に示すパンティライナー1は、縦方向中心線Oyに沿う方向の縦寸法が、これと直交する方向の横寸法よりも長い縦長形状である。前縁部1aおよび後縁部1bは、前方と後方に向けて凸状の曲線形状であり、右側縁部1cと左側縁部1dは、横方向に向けて凹状の曲線形状である。
前記前縁部1aと後縁部1bおよび左右両側縁部1c,1dの内側に、エンボス部2が形成されている。このエンボス部2は肌側表面から加熱して圧縮し凹状に形成したものであり、この参考例では、前記エンボス部2によって所定パターンの模様が表現されている。
図2に示すように、このパンティライナー1の本体部10は、1枚の不織布で形成された液保持シート11と、この液保持シート11に重ねられた裏面シート12、および裏面シート12の表面に形成された感圧接着剤層13とで構成されている。そして、前記本体部10の裏面に離型シート20が重ねられて接着され、前記感圧接着剤層13が保護されている。
パンティライナー1の本体部10は、女性の股間部において膣口およびその周辺に当たる側が肌側表面3であり、これと逆側が着衣側表面4である。前記本体部10は、前記肌側表面3に液保持シート11が現れており、前記着衣側表面4に前記裏面シート12および感圧接着剤層13が現れている。また、前記エンボス部2においては、前記液保持シート11が肌側表面3から加圧され加熱されて凹状に形成されている。
図3に示すように、前記液保持シート11を形成する1枚の不織布は、その繊維配合が上層15と下層16とで相違している。上層15は、親水性繊維および疎水性または弱親水性の合成樹脂繊維で構成されている。下層16は、親水性繊維を含んでおり、好ましくは親水性繊維のみで形成されている。
本明細書での親水性繊維とは、公定水分率が3%以上、好ましくは5%以上となるものを意味する。疎水性繊維は、前記公定水分率が0%のものを意味し、弱親水性繊維は、前記公定水分率が3%未満で且つ0%ではないものを意味する。なお、公定水分率は、20℃で相対湿度65%の雰囲気内に放置したときにおける、繊維質量に対する、この繊維に吸着された水分の質量の比率(含水率)である。
以下、前記各繊維をおよびその公定水分率を例示する。以下では、各繊維名の末尾の()内に前記公定水分率を%で記載している。
(親水性繊維)
植物繊維であるコットン(8.5%)、パルプ(8.5%)、麻(12%)
動物繊維であるシルク(12%)
再生繊維であるレーヨン(11%)、キュプラ(11%)、ポリノジックレーヨン(11%)
半合成繊維であるアセテート(6.5%)
合成樹脂繊維であるポリアミド系(例えばナイロン(4.5%))、ポリビニルアルコール系(例えばビニロン(5%))などのように、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基の親水基を有するもの、
その他、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)などで形成された合成樹脂繊維で、界面活性剤などの親水化剤を塗布しまたは練りこんだもの、あるいは表面を凹凸形状または多孔質形状にして水分の保持能力を高めたもの、
(疎水性繊維)
親水化処理されていないPP(0%)、PE(0%)、
(弱親水性繊維)
親水化処理されていないPET(0.4%)、アクリル(2%)
前記参考例の液保持シート11は、下層16を形成する下層繊維ウエッブの上に上層15を形成する上層繊維ウエッブを重ね、このように積層された繊維ウエッブに対して上層繊維ウエッブ側からウォータジェットを与えて、上層繊維ウエッブの繊維どうし、下層繊維ウエッブの繊維どうし、および上層繊維ウエッブの繊維と下層繊維ウエッブの繊維とを交絡させて、1枚の不織布としたものである。また、前記液保持シート11は、繊維間の交絡によってシート形状を保っているものであり、繊維どうしを接着させる結合剤(バインダー)は使用されていない。
例えば、前記下層繊維ウエッブは、レーヨン60質量%および耐久親水性のPET40質量%で形成され目付けが40g/m2であり、上層繊維ウエッブは、コットン70質量%および弱親水性のPET30質量%で形成され目付けが20g/m2である。
図3に示す液保持シート11は、前記のようにして製造された2層スパンレース不織布であり、必ずしも上層15と下層16との境界が明瞭ではないが、液保持シート11の肌側表面およびその近傍に位置する上層15は、親水性繊維であるコットンとPETとで形成され、着衣側表面およびその近傍に位置する下層16は、レーヨンと耐久親水性のPET、すなわち親水性繊維のみで形成される。そのため上層15に対して下層16の方が親水度が高くなっている。すなわち、液保持シート11は、上層15よりも下層16のクレム吸水度が高くなっている。
前記上層15と下層16でのそれぞれのクレム吸水度は、前記液保持シート11に対して試験を行い、その肌側表面と着衣側表面でのそれぞれの試験液の吸い上げ高さを測定することによって得ることができる。または、前記上層繊維ウエッブのみに対して、液保持シート11を形成するのと同じ条件のウォータジェット処理を施して上層15のみを単独で形成し、同様にして下層16のみを単独で形成して、それぞれの層のクレム吸水度を個別に測定してもよい。
前記のように、レーヨン60質量%および耐久親水性のPET40質量%で形成された目付け40g/m2の不織布は、クレム吸水度は80mmであり、コットン70質量%および弱親水性PET30質量%で形成された目付け20g/m2の不織布のクレム吸水度は69mmである。
前記液保持シート11は、上層15と下層16とで親水度すなわちクレム吸水度が相違しているが、その差が10mm未満であると、上層15から下層16への親水度の勾配が緩くなって、肌側表面に与えられた液を下層16に向けて速やかに引き込むことが難しくなる。またクレム吸水度の差が100mmを越えると、上層15の親水度が低すぎ、液を上層15から下層16に吸い込む速度が低下する。
前記液保持シート11の肌側表面および上層15は、疎水性または弱親水性の合成樹脂繊維を含んでいるため、液保持シート11が液を保持したときに肌側表面の湿潤強度を保つことができ、肌側表面に破れなどが生じにくい。そのためには、上層15(この上層15を形成するための前記上層繊維ウエッブ)に前記合成樹脂繊維が20質量%以上含まれていることが好ましい。また下層16に対して上層15の親水度が極端に低下しないために、上層15における合成樹脂繊維は85質量%以下含まれていることが好ましい。
前記液保持シート11の下層16は、親水性繊維のみで形成されているのが好ましいが、前記参考例のように、下層16に耐久親水性のPETなどの合成樹脂繊維が含まれていることが好ましい。この親水性の合成樹脂繊維が含まれていると、液を吸収保持したときに、下層16の縒れやへたりが生じにくくなり、下層16を構成する繊維間に液を保持する空間を確保しやすくなる。そのため下層16には前記合成樹脂繊維が20質量%以上含まれていることが好ましい。ただし、合成樹脂繊維が多すぎるとパンティライナー1の剛性が高くなりすぎて、下着との一体感を損なうことになる。そのため下層16に含まれている合成樹脂繊維の上限は60質量%である。
このパンティライナー1は、1枚の不織布で形成された液保持シート11と裏面シート12とでその基本構造が構成されており、前記液保持シート11の上層15が表面強度を保ち、下層16が液の吸収保持機能を発揮している。そのために、液保持シート11の目付けは50g/m2以上で、120g/m2未満に設定される。50g/m2未満であると、十分な液保持能力を発揮できない。また120g/m2を越えると、パンティライナーが厚くなり、また剛性が高くなって下着のクロッチ部との一体感を得られなくなる。
前記液保持シート11の内部では、下層16が液を吸収保持する機能を発揮するため、目付けは上層15よりも下層16の方が大きいことが好ましい。
前記のように、目付けが50g/m2以上の液保持シート11を形成するのに必要な、ウォータジェットの1回当りの処理エネルギーは0.09〜0.5(kw/m2)であり、その処理回数は1回以上で8回以下が好ましい。前記処理エネルギー(kw/m2)は、{1.63×噴射圧力(kgf/cm2)×噴射流量(m3/min)}÷処理速度(m/min)で求められる。
ウォータジェットノズルの開口径は70〜120μmであり、CDへの配列ピッチは0.3〜2.0mmである。例えば、1回当り0.26(kw/m2)の処理エネルギーで6回処理することにより、合計処理エネルギーが1.56(kw/m2)に設定される。
1回当りの処理エネルギーを前記範囲に設定することにより、50g/m2以上で120g/m2の比較的厚い繊維ウエッブの繊維を確実に交絡させることができて、肌側表面の湿潤時での表面強度を保つことができるようになる。
前記裏面シート12は、ポリエチレンフィルムで形成され、あるいはスパンボンド不織布(S)とメルトブローン不織布(M)とが、S/M/Sの順に積層されて接合された複合不織布で形成される。また裏面シート12は、好ましくは通気性のものが使用される。
前記液保持シート11と裏面シート12は、ホットメルト型接着剤により接着されている。パンティライナー1の柔軟性を損なわないためには、前記ホットメルト型接着剤の塗工量は5〜30g/m2が好ましい。
液保持シート11と裏面シート12とが積層されて接着された状態で、その合計厚み寸法は1mm以下である。また縦方向と横方向でのガーレ剛性値は共に0.7mN以下である。厚みが1mm以下で、ガーレ剛性値が0.7mN以下であると、下着のクロッチ部に接着して使用したときに、下着の変形を損なわせることがなく、下着との一体感を得ることができる。
前記感圧接着剤層13は、裏面シート12の表面において縦方向に平行に延びるようにストライプ状に形成されている。前記感圧接着剤層13は、パンティライナー1を下着のクロッチ部の内面に対して位置ずれすることなく固定できるならばどのようなパターンで形成されてもよく、例えば横方向に平行に延びるストライプ形状であってもよいし、裏面シート12の表面の前面に塗布したものであってもよい。裏面シート12が通気性のある樹脂フィルムなどで形成されている場合には、通気性を阻害しないようにストライプパターンとすることが好ましい。また離型シート20は、紙材の表面に離型剤が塗布されたものが使用される。
前記パンティライナー1は、前記感圧接着剤層13を介して下着のクロッチ部の内面に接着させて装着される。このパンティライナー11は、液保持シート11と裏面シート12のみが基本的な構成であるため、製造が容易で低コストで量産できる。また厚みが1mm以下で、ガーレ剛性値が0.7mN以下であるため、下着のクロッチ部に追従して変形でき、着用者はパンティライナー1が下着のクロッチ部の一部のように感じることができる。
液の吸収保持機能を有する前記液保持シート11が直接に女性の膣口およびその周辺に当たり、膣***物などは液保持シート11の肌側表面に直接に与えられる。従来のように吸収材の表面が薄い表面材で覆われた構造では、肌側表面に与えられた液が、表面材を透過して吸収材に導かれるために、液の吸収速度を速くするのに限界がある。しかし前記パンティライナー1は、液が表面材を介することなく液保持シート11に直接に与えられるため、液の吸収を速めることができる。
しかも、液保持シート11は結合剤を含んでいないため、液が繊維間を移行するのを結合剤で邪魔されることがない。また、上層15よりも下層16の方が親水度が高くなっているため、図3に模式的に示すように、液25は上層15を速やかに透過して下層16に引き込まれ、下層16において拡散して、下層16に保持される。上層15と下層16での親水度の勾配により、液25の吸収が速やかになり、上層15に液が残りにくいため、肌側表面が肌にべたつき感を与えにくく、着用時の快適感を得ることができる。
また、肌に直接に当たる液保持シート11が結合剤を含んでいないため、肌に対して安全である。
図4は本発明の第の実施の形態のパンティライナー30を示す断面図であり、図5は前記パンティライナー30の構成を拡大して示すと共に液の吸収機能を模式的に示した拡大断面図である。
このパンティライナー30の形状は図1に示した参考例と同じである。本体部40は、液保持シート31と裏面シート12および感圧接着剤層13とで形成されている。なお、離型シート20の図示は省略している。裏面シート12、感圧接着剤層13および離型シート20は前記参考例と同じものである。
このパンティライナー30の液保持シート31は第1不織布32と第2不織布33とで構成されており、第1不織布32が肌側表面3に現れ、第2不織布33が着衣側に位置している。第1不織布32と第2不織布33は、ホットメルト型接着剤を介して接着されている。ホットメルト型接着剤の塗布量は、第1不織布32から第2不織布33への液の通過を妨げることがなく、またパンティライナー30全体の軟質感を妨げないように5〜30g/m2の範囲内に設定される。また、第2不織布33と裏面シート12との間を接着するホットメルト型接着剤の塗布量も同様である。
パンティライナー30は、厚みが1mm以下であり、ガーレ剛性値は縦方向と横方向において共に0.7mN以下である。
前記第1不織布32は、親水性繊維と、疎水性または弱親水性の合成樹脂繊維とで形成されている。前記第2不織布33は親水性繊維のみで形成されている。第1不織布32はパンティライナー30の肌側表面3での表面強度を保つために、前記合成樹脂繊維を20〜85質量%含んでいることが好ましい。第2不織布33は、植物繊維や再生繊維のみで形成されていてもよいし、パンティライナー30の全体の剛性が高くならない範囲で親水性の合成樹脂繊維が含まれていてもよい。
この実施の形態では、第1不織布32が、コットン70質量%と、弱親水性PETを30質量%含むものであり、目付けが30g/m2のスパンレース不織布である。ウォータジェットによる処理エネルギーは1回当り0.16(kw/m2)であり、6回処理を行ったものが使用される。合計の処理エネルギーは0.96(kw/m2)である。
前記第2不織布33は、レーヨン繊維100%で、目付けが25g/m2のスパンレース不織布である。ウォータジェットによる処理エネルギーは1回当り0.16(kw/m2)であり、3回処理を行ったものが使用される。合計の処理エネルギーは0.48(kw/m2)である。
第1不織布32の処理エネルギーを高くすることにより、第1不織布32での繊維の交絡を高め、湿潤時での肌側表面3の表面強度を高めることができる。一方、第2不織布33の処理エネルギーを第1不織布32よりも低くすることにより、第2不織布33内で、繊維間に液を保持するための隙間を確保できるようになり、液の吸収容量を確保できる。
クレム吸水度は第2不織布が第1不織布よりも高く、その差が10mm以上である。この実施の形態では、液保持シート31は参考例のような2層スパンレース不織布ではなく、異なる不織布32,33を接合したものであるため、第1不織布32と第2不織布33との界面を液が速やかに透過できるように、前記クレム吸水の差が20mm以上であることがさらに好ましい。前記実施の形態では、第1不織布32のクレム吸水度が69mmで、第2不織布33のクレム吸水度が113mmであり、その差が40mm以上である。なお、上限は100mmである。
第1不織布32の目付けは25〜50g/m2である。前記範囲未満であると、肌側表面での湿潤強度を高くできず、前記範囲を超えると、肌側表面3に与えられた液が第1不織布32に滞留しやすくなって、第2不織布33に速やかに浸透しなくなる。第2不織布33の目付けは20〜60g/m2である。前記範囲未満であると、液の保持容量を十分に確保できず、前記範囲を超えると、パンティライナー30の剛性が高くなる。
第1不織布32と第2不織布33とから成る液保持シート31の合計目付けは、45〜110g/m2である。
このパンティライナー30では、図5に拡大して示すように、肌側表面3に与えられた液25が、第2不織布33の親水度により引き込まれて第1不織布32内を速やかに透過する。そして液25が第2不織布33の内部に保持される。よって肌側表面3に液が残りにくく、肌にべたつき感を与えにくい。
図6は本発明の第の実施の形態のパンティライナー50を示すものであり、その構成を拡大して示すと共に液の吸収機能を模式的に示した拡大断面図である。
このパンティライナー50の形状は図1に示した参考例と同じである。本体部60は、液保持シート51と裏面シート12および感圧接着剤層13とで形成されている。なお、離型シート20の図示は省略している。裏面シート12、感圧接着剤層13および離型シート20は前記参考例と同じものである。
このパンティライナー50の液保持シート51は第1不織布52と第2不織布53とで構成されており、第1不織布52が肌側表面3に現れ、第2不織布53が着衣側に位置している。第1不織布52と第2不織布53は、ホットメルト型接着剤を介して接着されている。ホットメルト型接着剤の塗布量は、第1不織布52から第2不織布53への液の通過を妨げることがなく、またパンティライナー50全体の軟質感を妨げないように5〜30g/m2の範囲内に設定される。また、第2不織布53と裏面シート12との間を接着するホットメルト型接着剤の塗布量も同様である。
パンティライナー50は、厚みが1mm以下であり、ガーレ剛性値は縦方向と横方向において共に0.7mN以下である。
前記第1不織布52は、上層15と下層16とを有しており、参考例のパンティライナー1の液保持シート11を構成している不織布と同じ構造である。上層15と下層16の繊維構成は参考例と同じであり、上層15は、コットン70質量%と弱親水性のPET30質量%の上層繊維ウエッブから形成され、下層16がレーヨン繊維60質量%と耐久親水性のPET40質量%の下層繊維ウエッブから形成されている。第1不織布52は、前記下層繊維ウエッブに上層繊維ウエッブを積層してウォータジェットを与えた2層スパンレース不織布である。
ただし、第1不織布52の目付けは、参考例での液保持シート11の目付けよりも小さく、第1不織布52の目付けは35g/m2であり、上層15が15g/m2で、下層16が20g/m2である。ウォータジェットによる処理エネルギーは1回当り0.2(kw/m2)であり、6回処理を行ったものが使用される。合計の処理エネルギーは1.2(kw/m2)である。この第1不織布52は目付けが前記液保持シート11よりも小さいため、前記処理エネルギーも前記液保持シート11よりも低くなっている。
前記第2不織布53は、前記第の実施の形態の第2不織布33と同じものであり、レーヨン繊維100%で、目付けが25g/m2のスパンレース不織布である。ウォータジェットによる処理エネルギーは1回当り0.16(kw/m2)であり、3回処理を行ったものが使用される。合計の処理エネルギーは0.48(kw/m2)である。
第1不織布52のクレム吸水度は、下層16が上層15よりも高く、その差が10mm以上で100mm以下である。第2不織布53のクレム吸水度は、第1不織布52の下層16よりも高く、その差が10mm以上であり、好ましくは20mm以上であり、上限は100mmである。
実施の形態では、第1不織布52の上層15のクレム吸水度が69mm、下層16のクレム吸水度が80mmで、第2不織布53のクレム吸水度が113mmである。
第1不織布52の目付けの好ましい範囲は25〜50g/m2であり、第2不織布53の目付けの好ましい範囲は20〜60g/m2である。第1不織布52と第2不織布53とから成る液保持シート51の合計目付けは、45〜110g/m2である。
このパンティライナー50では、図6に示すように、肌側表面3に与えられた液25が、第1不織布52の親水度の勾配、さらには第2不織布53の親水度により速やかに引き込まれて、液25が第2不織布53の内部に保持される。よって肌側表面3に液が残りにくく、肌にべたつき感を与えにくい。
なお、前記各実施の形態では、不織布がウォータジェット処理により形成されているが、各不織布が結合剤を含まず、ニードルパンチ法によって、繊維が交絡させられたものであってもよい。
以下の表1は実施例および参考例を示し、表2は比較例を示している。
(1)図2と図3相当する参考例
以下の参考例において、ウォータジェト処理条件は、前記参考例で説明したのと同じである。
参考例1)
前記参考例として説明したものと同じであり、2層スパンレース不織布の液保持シート11が用いられている。上層15は、コットン(Co)が70質量%、弱親水性PETが30質量%の目付け20g/m2の上層繊維ウエッブから形成され、下層16は、レーヨン繊維(Ray)が60質量%、耐久親水性PETが40質量%の目付け40g/m2の下層繊維ウエッブから形成されている。
クレム吸水度は上層15が69mm、下層16が80mmである。これは、前記上層繊維ウエッブ単独で目付けが30g/m2の不織布を製造し、同様に下層繊維ウエッブ単独で目付けが30g/m2の不織布を製造し、それぞれの不織布に対してクレム吸水度を測定した結果である。なお、以下の各実施例および参考例において、2層スパンレースのクレム吸水度は同じようにして求めたものである。
厚みは0.51mm、製品の縦方向のガーレ剛性値は0.34mN、横方向のガーレ剛性値は0.32mNであった。
参考例2)
2層スパンレース不織布の液保持シート11が用いられている。上層15は、レーヨン繊維が70質量%、弱親水性PETが30質量%の目付け20g/m2の上層繊維ウエッブから形成され、下層16は、レーヨン繊維(Ray)が50質量%、耐久親水性PETが50質量%の目付けが40g/m2の下層繊維ウエッブから形成されている。
クレム吸水度は上層15が70mm、下層16が83mmであった。
厚みは0.51mm、製品の縦方向のガーレ剛性値は0.31mN、横方向のガーレ剛性値は0.26mNであった。
参考例3)
2層スパンレース不織布の液保持シート11が用いられている。上層15は、コットンが70質量%、弱親水性PETが30質量%の目付け20g/m2の上層繊維ウエッブから形成され、下層16は、コットンが50質量%、レーヨン繊維が50質量%の目付けが40g/m2の下層繊維ウエッブから形成されている。
クレム吸水度は上層15が69mm、下層16が110mmであった。
厚みは0.49mm、製品の縦方向のガーレ剛性値は0.33mN、横方向のガーレ剛性値は0.19mNであった。
参考例4)
2層スパンレース不織布の液保持シート11が用いられている。上層15は、レーヨン繊維が20質量%、弱親水性PETが80質量%の目付け20g/m2の上層繊維ウエッブから形成され、下層16は、レーヨン繊維が50質量%、耐久親水性PETが50質量%の目付けが40g/m2の下層繊維ウエッブから形成されている。
クレム吸水度は上層15が12mm、下層16が83mmであった。
厚みは0.51mm、製品の縦方向のガーレ剛性値は0.33mN、横方向のガーレ剛性値は0.30mNであった。
(2)図4と図5に示す第の実施の形態に相当する実施例
以下の実施例において、ウォータジェト処理条件は、前記第の実施の形態で説明したのと同じである。
(実施例
前記第の実施の形態において説明したのと同じものである。すなわち、第1不織布32は、コットンが70質量%、弱親水性PETが30質量%の目付け30g/m2のスパンレース不織布であり、第2不織布33は、レーヨン繊維100%で目付けが25g/m2のスパンレース不織布である。
クレム吸水度は第1不織布32が69mm、第2不織布33が113mmであった。
厚みは0.64mm、製品の縦方向のガーレ剛性値は0.29mN、横方向のガーレ剛性値は0.13mNであった。
(実施例
第2不織布33は実施例と同じである。第1不織布32は、コットンが60質量%、耐久親水性PETが40質量%の目付け30g/m2のスパンレース不織布である。
クレム吸水度は第1不織布32が92mm、第2不織布33が113mmであった。
厚みは0.65mm、製品の縦方向のガーレ剛性値は0.30mN、横方向のガーレ剛性値は0.13mNであった。
(3)図6に示す第の実施の形態に相当する実施例
以下の実施例において、ウォータジェト処理条件は、前記第の実施の形態で説明したのと同じである。
(実施例
前記第の実施の形態において説明したのと同じものである。
第1不織布52は、上層15(目付け15g/m2)がコットン70質量%、弱親水性PETが30質量%、下層16(目付け20g/m2)がレーヨン繊維60質量%、耐久親水性PETが40質量%の2層スパンレース不織布である。
第2不織布参考例4の第2不織布と同じである。
クレム吸水度は、上層15が69mm、下層16が80mm、第2不織布53が113mmであった。
厚みは0.65mm、製品の縦方向のガーレ剛性値は0.21mN、横方向のガーレ剛性値は0.45mNであった。
(4)比較例
(比較例1)
液保持シート11の代わりに、コットンを40質量%、耐久親水性PETを60質量%含み、目付けが40g/m2の単層のスパンレース不織布を用いた。
クレム吸水度は102mmであった。
厚みは0.55mm、製品の縦方向のガーレ剛性値は0.45mN、横方向のガーレ剛性値は0.23mNであった。
(比較例2)
液保持シート11の代わりに2層スパンレース不織布を用いた。上層は、レーヨン繊維が60質量%、耐久親水性PETが40質量%の目付け40g/m2の上層繊維ウエッブから形成し、下層は、コットンが70質量%、弱親水性PETが30質量%の目付けが20g/m2の下層繊維ウエッブから形成した。すなわち参考例1の液保持シート11を上下面を逆にして使用した。
クレム吸水度は上層が80mm、下層が69mmであった。
厚みは0.51mm、製品の縦方向のガーレ剛性値は0.34mN、横方向のガーレ剛性値は0.32mNであった。
(比較例3)
図4と図5に示す第1不織布32の代わりに、コットン100%で目付けが35g/m2のスパンレース不織布を使用した。第2不織布33の代わりに、芯部がPETで鞘部がPEの芯鞘型複合合成繊維で親水油剤を付着したもの100%で、繊維どうしを熱風で融着した目付けが35g/m2のエアースルー不織布を使用した。
クレム吸水度は第1不織布が103mm、第2不織布が6mmであった。
厚みは2.00mm、製品の縦方向のガーレ剛性値は0.75mN、横方向のガーレ剛性値は1.18mNであった。
(比較例4)
図6に示した第1不織布52の代わりに3層スパンレース不織布を用いた。上層(目付け18g/m2)と下層(目付け10g/m2)は、レーヨン繊維60質量%、弱親水性PETが20質量%、疎水性PPが20質量%とした。中層はレーヨン繊維100%で目付けを10g/m2とした。
第2不織布53の代わりに、芯部がPETで鞘部がPEの芯鞘型複合合成繊維で親水油剤を付着したもの100%で目付けが25g/m2のエアースルー不織布を用いた。
クレム吸水度は上層、中層、下層が、95mm、113mm、95mmであり、第2不織布が8mmであった。
厚みは1.5mm、製品の縦方向のガーレ剛性値は0.76mN、横方向のガーレ剛性値は1.39mNであった。
(5)測定
(ガーレ剛性値)
ガーレー剛性値は、パンティライナーと同じ構造のシートを幅25mm、長さ38mmに切断した試験片を作成し、ガーレーこわさ試験機(安田精機製)を用い、JIS−L1018に準じて行なう。チャックに前記試験片の長手方向の一端を把持させ、チャックを等速度で振り、試験片から振り子の回転ロッドが離れる瞬間の目盛りを記録して剛性値(mN)を測定する。
(クレム吸水度)
JIS−P8141に準じて評価する。上層、下層、第1不織布、第2不織布と同じ繊維配合の不織布を幅25mm、長さ150mmに切断した試験片を作成する。容器に濃度0.9%の食塩水を深さが10mm以上となるように入れ、前記試験片を垂直に垂らし、その下端を5mmだけ食塩水に浸漬する。10分放置後の液面からの食塩水の吸い上げ高さを測定する。
(吸収時間)
12ml用の注射器を針を装着せずに使用し、この注射器に試験液を注入する。試験液はグリセリン90質量%とイオン交換水10質量%とからなる。注射器で前記試験液1ml(1ミリリットル)を、実施例、参考例および比較例の肌側表面に、1秒間で滴下し、滴下開始から、肌側表面に試験液が無くなるまでの時間を測定する。
(吸水量)
実施例、参考例および比較例のパンティライナーを肌側表面が上向きになるようにして金網の上に設置する。そして濃度0.9%の食塩水1リットルを30秒間で肌側表面に流しかける。そのまま1分間放置した後に質量を測定する。測定後の質量と測定前の質量との差が吸水量である。
(保水量)
前記吸水量を測定した後のサンプルを、遠心分離機で100秒間、600rpmの回転数で回転させて脱水する。脱水後に質量を測定する。測定後の質量と測定前の質量との差が保水量である。
(表面拡散面積)
12ml用の注射器を針を装着せずに使用し、この注射器に試験液を注入する。試験液はグリセリン90質量%とイオン交換水10質量%とからなる。注射器を実施例、参考例および比較例の肌側表面に接触させて、試験液1.0mlを30秒間で肌側表面に供給し、1分間放置後に、製品の縦方向と横方向への液体の拡散広がり寸法を測定する。縦方向の拡散長さと横方向の拡散長さを乗じた値が表面拡散面積である。
(肌濡れ性)
12ml用の注射器を針を装着せずに使用し、この注射器に試験液を注入する。試験液はグリセリン90質量%とイオン交換水10質量%とからなる。注射器を実施例、参考例および比較例の肌側表面に接触させて、試験液0.5mlを30秒間で肌側表面に供給する。その直後に人工皮革を肌側表面に被せ、50g/cm2の荷重を与えて30分間放置する。放置後に人工皮革の質量を測定する。
肌濡れ性(%)は、{(試験後の人工皮革の質量−試験前の人工皮革の質量)÷試験液注入量(0.5ml=0.5g)}で求められる。
(6)評価
本発明の実施例は、いずれも厚みが1mm以下、さらに好ましくは0.8mm以下で0.4mm以上に構成できる。ガーレ剛性値は、0.7mN以下、さらに好ましくは0.5mN以下にできる。よって薄型で下着の変形に追従しやすいものとなる。
本発明の実施例は、吸収時間が短く、25秒以内である。また吸収量は、膣分泌物を吸収するのに適した3g以上となり、保水量も2g以上となる。
本発明の実施例は、表面拡散面積を3cm2以下にすることができ、肌濡れ率も8%未満にでき、装着時に快適感を得られるものとなる。
Figure 0004275521
Figure 0004275521
参考例としてパンティライナーを示す平面図、 図1のII−II線の断面図 参考例のパンティライナーの構成および液の吸収機能を説明する拡大断面図、 本発明の第の実施の形態のパンティライナーを示す断面図、 の実施の形態のパンティライナーの構成および液の吸収機能を説明する拡大断面図、 本発明の第の実施の形態のパンティライナーの構成および液の吸収機能を説明する拡大断面図、
符号の説明
1 パンティライナー
3 肌側表面
4 着衣側表面
10 本体部
11 液保持シート
12 裏面シート
13 感圧接着剤層
15 上層
16 下層
31 液保持シート
32 第1不織布
33 第2不織布
51 液保持シート
52 第1不織布
53 第2不織布

Claims (7)

  1. 液保持シートと、この液保持シートの着衣側に重ねられた裏面シートとを有するパンティライナーにおいて、
    前記液保持シートが2枚の不織布が互いに接合されて構成されて、それぞれの前記不織布は繊維どうしを接合する接合剤を含まずに繊維どうしが交絡しており、肌側表面に現れる第1不織布が、親水性繊維と疎水性または弱親水性の合成樹脂繊維とで形成され、着衣側に位置する第2不織布が少なくとも親水性繊維で形成されており、前記第1不織布よりも前記第2不織布のクレム吸水度が高く、その差が10mm以上であり、
    前記第1不織布よりも前記第2不織布親水度が高いことを特徴とするパンティライナー。
  2. 液保持シートと、この液保持シートの着衣側に重ねられた裏面シートとを有するパンティライナーにおいて、
    前記液保持シートは、肌側表面に現れる第1不織布と、着衣側に位置する第2不織布とが互いに接合されて構成されて、前記第1不織布と第2不織布は、それぞれ繊維どうしを接合する接合剤を含まずに繊維どうしが交絡した不織布であり、
    前記第1不織布は、前記肌側表面が、親水性繊維と疎水性または弱親水性の合成樹脂繊維とで形成され、着衣側表面が少なくとも親水性繊維で形成されて、親水度は、前記肌側表面に表れている層よりも前記着衣側表面に現れている層の方が高く、
    前記第2不織布は、少なくとも親水性繊維で形成されており、親水度は前記第1不織布の前記着衣側表面に現れている層よりも高いことを特徴とするパンティライナー。
  3. 前記第1不織布のクレム吸水度は、前記肌側表面に表れている層よりも前記着衣側表面に現れている層の方が高く、その差が10mm以上であり、前記第2不織布のクレム吸水度は、前記第1不織布の着衣側表面に現れている層のクレム吸水度よりも高く、その差が10mm以上である請求項記載のパンティライナー。
  4. 前記第1不織布は、親水性繊維を有する下層繊維ウエッブの上に、前記親水性繊維と疎水性または弱親水性の合成樹脂繊維とを含む上層繊維ウエッブを形成し、両繊維ウエッブの繊維を一緒に交絡させることにより形成されたものである請求項または記載のパンティライナー。
  5. 前記第1不織布の目付けが25〜50g/m2であり、前記第2不織布の目付けが20〜60g/m2である請求項ないしのいずれかに記載のパンティライナー。
  6. 前記液保持シートと前記裏面シートが重ねられて互いに接合された状態でのガーレ剛性値が0.7mN以下である請求項1ないしのいずれかに記載のパンティライナー。
  7. 前記液保持シートと前記裏面シートが重ねられて互いに接合された状態での厚み寸法が1mm以下である請求項1ないしのいずれかに記載のパンティライナー。
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