JP4274822B2 - 膜被覆体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、膜被覆体、膜被覆方法および膜被覆体の製造方法に関するものであり、詳しくは廃液の水質が良好で廃液処理コストが低い膜被覆体、膜被覆方法および膜被覆体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
科学技術の進展に伴い、特異な性質を備えた粉体、特に金属粉体或は金属化合物粉体を求める要望が増しており、粉体、特に金属粉体または金属化合物粉体だけが備える性質の他に別の性質を合わせ持ち、複合した機能を有する粉体が求められている。この要請に応えるべく、粉体の表面を他の物質の膜で被覆することにより、その粉体の性質を改善したり、その性質に多様性を与える試みがなされてきた。
【0003】
例えば、本発明者らは、多層膜の物質の組み合わせ及び膜厚を制御することにより、多層膜の反射光干渉波形を調整できることを見出し、染料や顔料を用いずとも、アクリル樹脂粒子や無機中空粒子などの比重0.3〜2.8g/cm3の基体の表面に複数の屈折率の異なる薄い被覆膜(二酸化チタン膜、チタニア膜、ポリスチレン膜、金属銀膜等)を有する粉体により、着色し流体中に分散して青、緑、黄色などの単色のカラーインキ用顔料及びプラスチック・紙用フィラーを設計することができ、長期保存においても安定な色調の顔料粉体を提供できることを開示した(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、複合した機能を有する粉体を具現する方法として種々の手段が提案されてきた。例えば、物体の表面に保護や装飾のために膜を形成する被覆技術には、塗着法、沈着法、スパッタリング、真空蒸着法、電着法や陽極酸化法等多くの手段が知られている。しかし、塗着法や沈着法では膜の厚みを均一にすることが困難であり、スパッタリングや真空蒸着法では膜厚の厚い被膜を得ることが困難である。また、電着法や陽極酸化法は被処理物を電極とする関係上粉体の処理には向かないという問題点を有している。
【0005】
先に、本発明者らは、上記のような新しい要求に応えられる複合した性質を有し、複合した機能を果たし得る粉体、特に金属または金属化合物粉体を提供するための金属酸化物の形成方法の有用なものとして、金属粉体又は金属酸化物粉体を金属アルコキシド溶液中に分散し、該金属アルコキシドを加水分解することにより、金属酸化物の皮膜を形成し、金属または金属化合物の基体の表面に、均一な0.01〜20μmの厚みの、前記基体を構成する金属とは異種の金属を成分とする金属酸化物膜を有する粉体を発明した(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
この粉体においては、前記の金属酸化物膜を複数層設ける場合には、前記膜の各層の厚さを調整することにより特別の機能を与えることができる。例えば、基体の表面に、屈折率の異なる被覆膜を、光の4分の1波長に相当する厚さで設けるようにすると、光はすべて反射される。この手段を鉄、コバルト、ニッケルなどの金属粉末或は金属の合金粉末、或いは窒化鉄の粉末などの磁性体を基体とするものに適用すると、光を全反射して白色に輝く磁性トナー用磁性粉体を得ることができる。さらに、その粉体の上に着色層を設け、その上に樹脂層を設ければ、カラー磁性トナーが得られることを開示している。また、本発明者らは前記の粉体を更に改良し、金属酸化物膜単独ではなく、金属酸化物膜と金属膜とを交互に複数層有するようにした粉体も開示した(例えば、特許文献3参照)。これはカラー磁性トナー等として優れた性質を有するものである。
【0007】
また、粉体の上に金属酸化物の被覆膜を水中で形成するための方法として、オキシ水酸化鉄または酸化鉄を主体とする粉末のアルカリ性懸濁液中にニッケル化合物水溶液を添加し、次いでケイ素化合物水溶液を添加し、ニッケル化合物を粉末粒子表面に水酸化ニッケルとして被着した後、液を中和して粉末粒子表面にさらにケイ素化合物を被着することにより、ニッケル化合物とケイ素化合物を順次に粉末粒子表面に被着する金属磁性粉末の製造方法が開示されている(例えば、特許文献4参照)。
【0008】
さらに、本発明者らは、前記の金属アルコキシドの加水分解法による金属酸化物膜は、極めて緻密であり、不活性であり、耐久性の面からも好ましいことに着眼し、これを利用した多層膜被覆粉体を提案した。この多層膜被覆粉体では、粉体を金属アルコキシドの加水分解法よる緻密な金属酸化物膜により被覆し、ついで、金属塩水溶液からの沈殿法を使用して、金属酸化物膜を形成している。粉体は、金属アルコキシドの加水分解法よる緻密な金属酸化物膜で覆われているため、これを金属塩水溶液に浸漬しても、侵されることがなく、金属塩水溶液からの沈殿法を使用した金属酸化物膜の形成が可能になった(例えば、特許文献5参照)。
【0009】
ついで、本発明者らは、上記金属アルコキシドの加水分解法における高価な化合物である金属アルコキシドや引火性の高い有機溶媒の使用を避け、金属塩水溶液を用いて、金属アルコキシドを使用した場合と同等の膜質を有する金属酸化物膜の形成方法を提案した。この方法では、緩衝液中に粉体を分散させた後、膜成分原料である金属塩の溶液を緩衝液に滴下している。また、緩衝液にはホウ酸系を使用している(例えば、特許文献6参照)。
【0010】
上記金属塩水溶液を用いた金属酸化物膜の形成方法は、高価な化合物である金属アルコキシドや引火性の高い有機溶媒を使用せず、金属アルコキシドを使用した場合と同等の膜質を有する金属酸化物膜を得ることができ、優れた方法である。
この方法では、粉体が分散した緩衝液に膜成分原料である金属塩の水溶液を滴下している。この際、使用される緩衝液の量は滴下液の量よりも数倍多い。このため、緩衝液の製造コスト、使用後の廃液処理に関し十分な配慮が必要である。
【0011】
【特許文献1】
国際公開第96/28269号パンフレット
【特許文献2】
特開平6−228604号公報
【特許文献3】
特開平7−90310号公報
【特許文献4】
特開昭59−31003号公報
【特許文献5】
特開平10−001702号公報
【特許文献6】
特開平11−131102号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記緩衝液に用いるホウ酸は、近年、廃水基準が厳しくなり、上記ホウ酸系緩衝液の使用後の廃液処理にコストがかかるという問題が生じた。
本発明は、上記従来の技術の問題点を克服し、廃水基準が緩く廃液処理コストが低くできる膜被覆体、膜被覆方法および膜被覆体の製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、反応溶媒として炭酸水素ナトリウム/炭酸ナトリウム系緩衝液を使用し、pHを調整した緩衝液中に粉体を分散させ、膜成分原料である金属塩の水溶液を粉体で懸濁した緩衝液に滴下して膜被覆体を製造できることを見出し本発明を成すに至った。
即ち本発明は以下の通りである。
【0014】
(1)粉体の表面に膜を形成する膜被覆体の製造方法において、該膜の少なくとも1層を、前記粉体を浸漬した、KCl、NaClまたはLiClであるアルカリ金属塩を含有しイオン強度が1.41〜5.0である炭酸緩衝液中に、膜成分原料である金属塩水溶液を添加し、金属塩からの反応により形成することを特徴とする膜被覆体の製造方法。
(2)前記炭酸緩衝液がNaCOとNaHCOとからなることを特徴とする前記(1)記載の膜被覆体の製造方法。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明では、製膜反応溶媒にpHを一定に保つことが可能な炭酸系緩衝液を使用することにより、液相中に固相のみを析出させることなく、基体表面に固相膜を均一に製膜することができる。製膜反応の際に、反応溶媒として、炭酸系緩衝液を用い、ある一定のpHで適当な速さで析出させると、被膜にならない固相の析出が抑えられ、均一な厚さの被膜を、所望の厚さで形成することができる。また、pHを一定にするとともに膜被覆体の表面の電荷を一定に維持することによって、電気2重層の働きにより、基体が粉体の場合でも、膜被覆粉体の凝集がなく、粒子が分散した状態にできる。電気2重層の働きを生かすためは、適正pHは基体の物質と製膜反応により液中で形成される金属化合物の種類の組み合わせにより異なり、また、両者の等電点を避けることが好ましい。
【0021】
本発明によれば、上記の作用機構により、水溶性原料を用いるにも係わらず、厚さが均一で、所望の膜厚を有する膜被覆体を容易に製造することができる。また、炭酸系緩衝液を溶媒として用いることにより、ホウ酸系緩衝液に比べ廃水基準が緩く、環境負荷が少なく、かつ低コストで製膜できるという効果が得られる。
【0022】
本発明に用いる炭酸系緩衝液の基本組成としては、特に限定されないが、Na2CO3とNaHCO3、K2CO3とKHCO3、NaHCO3とNaOH等が挙げられるが、コスト面からNa2CO3−NaHCO3系を使用するのが好ましい。
【0023】
また、本発明に用いる炭酸系緩衝液は、イオン強度を調整する目的で、電解質を含有させてもよい。該炭酸系緩衝液に含有させる電解質としては、特に限定されないが、KCl、NaCl、LiCl等が挙げられる。これらのうち、KClないしはNaClを使用するのがより好ましく、KClを使用するのが最も好ましい。
【0024】
基体として粉体状のものを用いた場合、上記炭酸緩衝液は基体粉体を十分に分散できることが重要であり、同時に基体の表面に膜物質が析出した膜被覆粉体も電気2重層の働きで分散でき、かつ後述する緩やかな滴下反応により緻密な被膜が製膜できるように濃度、pH、イオン強度を調整して使用される。
【0025】
緩衝液の濃度は、電解質をKClとしたNa2CO3−NaHCO3系緩衝液の場合、KCl濃度が0.2〜1.1mol/リットル、Na2CO3濃度が0.01〜0.5mol/リットル、NaHCO3濃度が0.2〜1.2mol/リットルであることが好ましいが、この範囲に限定されるものではなく、基体及び被覆膜の種類により、適宜決められる。Na2CO3やNaHCO3の濃度を極端に低くすると、緩衝能力が低下するため、好ましくない。
【0026】
緩衝液は、通常、pHが8.5〜10.0のものが好適に使用されるが、この範囲に限定されるわけではなく、基体及び被覆膜の種類などを考慮して、適宜決められる。
【0027】
緩衝液のイオン強度は、例えば、Na2CO3−NaHCO3系で、電解質としてKClを用いた場合、下記式(1)で定義される。
【0028】
【数1】
Figure 0004274822
【0029】
式(1)に従って計算される緩衝液のイオン強度は、1.41〜5.0であることが好ましい。より好ましくは、1.5〜3.5である。なお、式(1)において、例えば[K+]はK+イオンのモル濃度を示す。
【0030】
本発明に用いる基体の形状としては、特に限定されず、平面板状のものでも、粉体(粒子)状のものでも構わないが、特に、粉体(粒子)状のものを用いる際に本発明の有用性が顕著となる。
基体が粉体の場合、その形状の詳細としては、球体、亜球状態、正多面体等の等方体、直方体、回転楕円体、菱面体、板状体、針状体(円柱、角柱)などの多面体、さらに粉砕物のような全く不定形な粉体も使用可能である。これらの基体は、粒径については特に限定するものでないが、0.01μm〜数mmの範囲のものが好ましい。また、基体粒子の比重としては、0.1〜10.5の範囲のものが用いられるが、分散液媒等に分散等をさせる場合に流動性、浮遊性の面から0.1〜5.5が好ましく、より好ましくは0.1〜2.8の範囲である。基体の比重が0.1未満では分散液媒中の浮力が大きすぎ、膜を多層あるいは非常に厚くする必要があり、不経済である。一方、10.5を超えると、浮遊させるための膜が厚くなり、同様に不経済である。
【0031】
また、本発明に用いる基体の材質としては、特に限定されず、無機物でも、有機物でもよいが、膜被覆体に多機能性を持たせるためには、磁性体、誘電体および導電体等が主に用いられる。基体が金属の場合、鉄、ニッケル、クロム、チタン、アルミニウム等、どのような金属でもよいが、その磁性を利用するものにおいては、鉄、コバルト、ニッケル等磁性を帯びるものが好ましい。これらの金属は合金でも良く、前記の磁性を有するものであるときには、強磁性合金を使用することが好ましい。また、その基体が金属化合物の場合には、その代表的なものとして前記した金属の酸化物が挙げられるが、例えば、鉄、ニッケル、クロム、チタン、アルミニウム、ケイ素等の外、カルシウム、マグネシウム、バリウム等の酸化物、あるいはこれらの複合酸化物でも良い。さらに、金属酸化物以外の金属化合物としては、金属窒化物、金属炭化物等を挙げることができる。
【0032】
さらに、基体として、金属以外では、半金属、非金属の化合物、特に酸化物、炭化物、窒化物であり、シリカ、ガラスビーズ等を使用することができる。その他の無機物としてはシラスバルーン(中空ケイ酸粒子)などの無機中空粒子、微小炭素中空球(クレカスフェアー)、電融アルミナバブル、アエロジル、ホワイトカーボン、シリカ微小中空球、炭酸カルシウム微小中空球、炭酸カルシウム、パーライト、タルク、ベントナイト、合成雲母、白雲母など雲母類、カオリン等を用いることができる。
【0033】
有機物としては、樹脂が好ましい。樹脂の具体例としては、セルロースパウダー、酢酸セルロースパウダー、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリエステル、メラミン樹脂、ポリウレタン、酢酸ビニル樹脂、ケイ素樹脂、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、スチレン、エチレン、プロピレン及びこれらの誘導体の重合または共重合により得られるものなどが挙げられる。特に好ましい樹脂はアクリル酸またはメタアクリル酸エステルの重合により得られる球状のアクリル樹脂である。但し、樹脂を基体とする場合、乾燥における加熱温度は樹脂の融点以下でなければならない。
【0034】
本発明における炭酸系緩衝液をもちいて形成する膜としては、特に限定されないが、金属酸化物膜、金属水酸化物膜、金属チッ化物膜、金属膜等が挙げられるが、金属酸化物膜、金属水酸化物膜が特に好適である。
また、基体の表面に膜を形成するための上記炭酸緩衝液中での反応としては、特に限定されないが、金属塩からの反応等が挙げられる。
【0035】
本発明において、金属塩として使用される金属には、鉄、ニッケル、クロム、チタン、亜鉛、アルミニウム、カドミウム、ジルコニウム、ケイ素、錫、鉛、リチウム、インジウム、ネオジウム、ビスマス、セリウム、アンチモン等の他、カルシウム、マグネシウム、バリウム等が挙げられる。また、これら金属の塩としては、硫酸、硝酸、塩酸、シュウ酸、炭酸やカルボン酸の塩が挙げられる。さらにまた、前記金属のキレート錯体も含まれる。本発明において使用される金属塩の種類は、その基体の表面に付与しようとする性質や製造に際して適用する手段に応じてそれに適するものが選択される。
【0036】
これらの金属塩の反応により形成される金属酸化物等の膜は、複数層形成してもよく、またそれらの金属酸化物等の膜の上に、必要により金属アルコキシドの加水分解による金属酸化物等、また他の製膜方法による膜を形成することもできる。このようにして、基体の上に多層の膜を形成することができ、しかもその際、各層の厚さが所定の厚さをもつように形成条件を設定することにより、目的とする特性を得ることが可能である。また簡単な操作でかつ安価な原料である金属塩を用いて金属酸化物等の膜を多層に形成することができる。
【0037】
本発明の膜被覆体を製造する方法では、多層被覆膜を連続した工程として製作しても良く、また、各被覆膜を1層ずつ製作、あるいは単層製作と複層連続製作を組み合わせるなど種々の方法で製作することができる。
本発明において、その1回に形成させる金属酸化物膜等の膜の厚さとしては、5nm〜10μmの範囲とすることが可能であり、従来の形成法より厚くすることができる。
本発明においては、上記粉体基体を屈折率が互いに異なる複数の被膜層を用い、各被膜層の屈折率及び層厚を適宜選択して被覆することにより、その干渉色により着色しかつ可視光域および可視光域以外に特異的な干渉反射ピークを発現する粉体とすることができる。
【0038】
例えば、基体の表面に、屈折率の異なる被覆を、膜の物質の屈折率と膜の厚さとの積が電磁波の4分の1に相当する厚さだけ設けると、干渉により光は大部分反射(フレネル反射)され、この作用を利用し、染料や顔料を用いずとも着色することができる。
詳細には、基体の表面に、屈折率の異なる交互被覆膜を、次の式(2)を満たすように、被膜を形成する物質の屈折率nと可視光の波長の4分の1の整数m倍に相当する厚さdを有する交互膜を適当な厚さと膜数設けると、特定の波長λの光(フレネルの干渉反射を利用したもの)が反射または吸収される。
【0039】
nd=mλ/4 (2)
【0040】
この作用を利用して、基体粒子の表面に目標とする可視光の波長に対し、式(2)を満たすような膜の厚みと屈折率を有する被膜を製膜し、さらにその上に屈折率の異なる膜を被覆することを1度あるいはそれ以上交互に繰り返すことにより可視光域に反射ピークを有する膜が形成される。このとき製膜する物質の順序は次のように決める。まず核となる基体の屈折率が高いときには第1層目が屈折率の低い膜、逆の関係の場合には第1層目が屈折率の高い膜とすることが好ましい。
【0041】
膜厚は、膜屈折率と膜厚の積である光学膜厚の変化を分光光度計などで反射波形として測定、制御するが、反射波形が最終的に必要な波形になるように各層の膜厚を設計する。例えば、多層膜を構成する各単位被膜の反射波形のピーク位置を特定の波長に精密に合わせると、染料や顔料を用いずとも青、緑、黄色などのの単色の着色粉体とすることができる。
ただし、実際の基体の場合、基体の粒径、形状、膜物質および基体物質の相互の界面での位相ずれ及び屈折率の波長依存性によるピークシフトなどを考慮して設計する必要がある。例えば、基体表面にある酸化物層のためのピークシフトや屈折率の波長依存性によるピークシフトも加味することが好ましい。
【0042】
また、金属や減衰係数の大きい基体あるいは膜を用いる場合についても、金属面減衰係数の大きい物質表面での反射光が楕円偏光する等、位相ずれが起こり、この干渉が核粒子と多層膜それぞれの粒子相互の位相に影響を及ぼすため、それを考慮する事が好ましい。
幾何学的な膜厚だけを合わせてもピーク位置がずれるため、特にシアン色系に着色する際に色が淡くなる。これを防ぐためには、すべての膜に対する位相ずれの影響を加味し、コンピュータシミュレーションであらかじめ膜厚の組合せが最適になるように設計する。
さらに、基体表面にある酸化物層のための位相ずれや、屈折率の波長依存性によるピークシフトがある。これらを補正するためには、分光光度計などで、反射ピークが最終目的膜数で目標波長になるよう最適の条件を見出すことが必要である。
【0043】
球状粉体などの曲面に形成された膜の干渉は平板と同様に起こり、基本的にはフレネルの干渉原理に従う。したがって、着色方法も特定の色系に設計することができる。ただし曲面の場合には、粉体に入射し反射された光が複雑に干渉を起こす。これらの干渉波形は膜数が少ない場合には平板とほぼ同じである。しかし、膜数が増えると多層膜内部での干渉がより複雑になる。多層膜の場合もフレネル干渉に基づいて、反射分光曲線をコンピュータシミュレーションであらかじめ膜厚の組合せが最適になるよう設計することができる。特に基体粒子表面への被膜形成の場合、基体粒子表面とすべての膜に対する位相ずれの影響を加味し、コンピュータシミュレーションであらかじめ膜厚の組合せが最適になるよう設計する。さらに、基体粒子表面にある酸化物層のためのピークシフトや屈折率の波長依存性によるピークシフトも加味する。実際のサンプル製造では設計した分光曲線を参考にし、実際の膜においてこれらを補正するために、分光光度計などで反射ピークが最終目的膜数で目標波長になるよう膜厚を変えながら最適の条件を見出さねばならない。
【0044】
また、金属や減衰係数の大きい核粒子あるいは膜を用いる場合についても、金属面減衰係数の大きい物質表面での反射光が楕円偏光する等、位相ずれが起こり、この干渉が核粒子と多層膜それぞれの粒子相互の位相に影響を及ぼすため、それぞれを最適化し、目標波形を得ることは非常に複雑であり、最適干渉反射波形を得るために、前記のように核粒子および多層膜各膜の物質の光学物性値を求め、それを基にコンピュータシミュレーションであらかじめ目標波形が得られる膜厚および膜の組合せを求めておかなければならない。
不定形状の粉末に着色する場合も多層膜による干渉が起こり、球状粉体の干渉多層膜の条件を参考にし基本的な膜設計を行う。上記の多層膜を構成する各単位被膜のピーク位置は各層の膜厚により調整することができ、膜厚は基体粒子の表面に金属酸化物等の固相成分を形成させる被覆形成条件中、原料組成、固相析出速度および基体量などを制御することにより、精度良く膜厚を制御でき、均一な厚さの被膜を形成することができ、所望の色系に着色することができる。
【0045】
以上のように、反射スペクトルのピーク、バレー波長が最終目的膜数で目標波長になるよう膜形成溶液などの製膜条件を変えながら最適の条件を見出すことにより、特定の色系の膜被覆体を得ることができる。また、多層膜を構成する物質の組合せおよび各単位被膜の膜厚を制御することにより多層膜干渉による発色を調整することができる。これにより、染料や顔料を用いなくても膜被覆体を所望の色系に鮮やかに着色することができる。
また、カラーシフトを最大にするためには鋭い反射ピーク波長およびピークの数を最適化することが必要であり、各層の膜厚制御の最適化を行う。
【0046】
また、カラーシフトによる色変化は、下記式3あるいは式3及び式4の組合せにおいて、入射角を変えた場合のピーク位置の計算値から予測することができる。
本発明に用いる膜被覆粉体を製造するにあたり、予め、基体の材質、基体粒子の粒径、被覆層の数、各被覆層の被覆順序、各被覆層の材質、所望の反射光波長を選定する必要がある。
特に、基体粒子および各被覆層の材質を選定するということは、それらの屈折率を自ずと特定することとなる。
基体粒子および各被覆層の屈折率の特定は、各層間のフレネル反射係数、振幅反射強度の算出に関与する。
【0047】
基体粒子の粒径を選定することにより、基体粒子および多層膜の曲率を特定する。曲率が特定されなければ、後述する膜厚監視用分光光度特性の補正が困難になる。
被覆層の数を選定することにより、後述するRflat値の特定に関与する。
基体粒子が平板体の場合の多層膜反射強度Rflatは、予め選定された基体粒子の材質(屈折率)、被覆層数、各被覆層の被覆順序、各被覆層の材質(屈折率)、所望の反射光波長を、下記漸化式3に当てはめて解くことにより求められる。
【0048】
【数2】
Figure 0004274822
【0049】
(式中、Rj+1,j:下から第j番目の層とその直上の層との間の振幅反射強度、
j:1以上の整数(j−1=0は基盤を示す)、
i:虚数単位、
j+1,j:下から第j番目の層とその直上の層との間の界面のフレネル反射係数、
j,j-1:下から第j−1番目の層とその直上の層との間の振幅反射強度、
2δj:下から第j番目の層における位相差、
λ:所望の反射光波長、
j:下から第j番目の層の屈折率、
j:下から第j番目の層の膜厚、
φj:下から第j番目の層への光の入射角。)
【0050】
上記の様にして得られた多層膜反射強度Rflatを基体粒子の形状により補正する手法としては特に限定されないが、該Rflat値をさらに下記式4
【0051】
【数3】
Figure 0004274822
【0052】
(式中、θ:最外層への入射角を示す)
に適用させ、R(λ)値が所望の波長で最大値または最小値になるように各被覆層の膜厚を求めることにより行う手法が好ましい。
flat値を上記式4に適用させるということは、多層膜被覆粉体への光入射角の角度分布を1個の被覆半球への光入射角度分布に近似することにより上記式3の解を補正することを意味する。
この各被覆膜の膜厚を求める場合には、コンピュータによるシミュレーションで行うことが効率的である。
【0053】
次いで、各被覆膜を、上記のようにして求められた膜厚になるように、基体粒子上に製膜する。
但し、先にも述べたが、多層膜被覆粉体における実際の製膜作業においては、設計値通りの膜厚になるまで実膜厚を直接監視しながら行うことは不可能であり、そのため、製膜作業中の膜厚の監視は、各被覆層を被覆した被覆物体の反射強度が最大値または最小値になる波長を分光光度計にて測定し、該膜厚に相対する最大または最小反射波長値に達した時点で製膜作業を終了させることが考えられる。
しかしながら基材が粉体の場合においては、その粒子形状および粒子径に依存する各被覆層の曲率によって、最大または最小反射波長測定値と膜厚との関係に狂いが生じ、分光光度計にて測定される最大または最小反射波長が所望の値になるように製膜すると、最終的に得られる多層膜被覆粉体が、所望の波長で所望の反射強度とならないという問題が生じる。
そのため、基体粒子の形状および粒子径に依存する各被覆層の曲率による補正が必要になる。
【0054】
この補正手法としては、特に限定されないが、選定した基体粒子上に選定した各被覆層を段階的に数種類に膜厚を変えて被覆して粒径補正用膜被覆粉体とし、該粒径補正用膜被覆粉体の各被覆層の実膜厚値(dM)を測定し、また、該膜被覆粉体のそれぞれを分光光度計にて測定し、それぞれの粒径補正用膜被覆粉体における各被覆層の光学膜厚(nd)を求め、各粒径補正用膜被覆粉体の各被覆層の実膜厚値と屈折率(n)との積(ndM)に対する各被覆層の光学膜厚(nd)の比(nd/ndM)を求め、多層膜反射強度を求める上記漸化式3の2δjに上記比(nd/ndM)値を乗じて各被覆層を有する粉体の分光光度特性を補正し、該補正分光光度特性になるように各被覆層を製膜することにより行うことが好ましい。
【0055】
なお、上記粒径補正用膜被覆粉体の各被覆層の実膜厚値(dM)を測定するさいの手法としては、特に限定されないが、該粒径補正用膜被覆粉体のそれぞれを切断しその切断面から測定することにより行うことが好ましい。また、前記粒径補正用膜被覆粉体を切断する際には、集束イオンビーム(FIB)加工により行うことが、その切断面が明瞭になり、各被覆層の実膜厚値(dM)を測定に好適である。
【0056】
次に一例として、炭酸系緩衝液を用いて、高屈折率の金属酸化物と低屈折率の金属酸化物の交互多層膜を形成する方法について具体的に説明する。まず、酸化チタンあるいは酸化ジルコニウムなどの高屈折率被膜を形成する場合、炭酸水素ナトリウム/炭酸ナトリウム系等の緩衝液中に基体を浸漬し分散し、チタンあるいはジルコニウムなどの金属塩である塩化チタン、塩化ジルコニウム等を原料とし、これら金属塩の水溶液を反応系に緩やかに滴下し、生成する金属水酸化物あるいは金属酸化物を基体のまわりに析出させることにより行うことができる。この滴下反応の間、pHは上記緩衝液のpH(9.2)に保持される。反応終了後、この基体を固液分離し、洗浄・乾燥後、熱処理を施す。乾燥手段としては真空乾燥、自然乾燥のいずれでもよい。また、不活性雰囲気中で噴霧乾燥機などの装置を用いることも可能である。なお、金属塩にTiCl3を使用した場合の被覆膜である酸化チタンの形成は下記の反応式で示される。
【0057】
2TiCl3 +3H2O → 2Ti23 +6HCl
【0058】
続いて、酸化ケイ素あるいは酸化アルミニウムなどの低屈折率被膜を形成する場合、炭酸水素ナトリウム/炭酸ナトリウム系等の緩衝液中に上記のチタニアコート粒子を浸漬し分散し、ケイ素あるいはアルミニウムなどの金属塩であるケイ酸ナトリウム、塩化アルミニウム等を原料とし、これら金属塩の水溶液を反応系に緩やかに滴下し、生成する金属水酸化物あるいは金属酸化物を基体のまわりに析出させることにより行うことができる。この滴下反応の間、pHは上記緩衝液のpH(9.2)に保持される。反応終了後、この基体を固液分離し、洗浄・乾燥後、熱処理を施す。基体の表面に屈折率の異なる2層の金属酸化物膜を形成する操作を繰り返すことにより、多層の金属酸化物膜をその表面上に有する膜被覆体が得られる。なお、この場合の被覆膜である酸化ケイ素の形成は下記の反応式で示される。
【0059】
Na2Si× 2×+1+H2O → XSiO2+2Na++2OH-
【0060】
次に、上記例において使用する原料、特に金属塩について説明する。高屈折率の膜を製膜するのに使用する原料としては、酸化チタン膜用には、チタンのハロゲン化物、硫酸塩等、酸化ジルコニウム膜用には、ジルコニウムのハロゲン化物、硫酸塩、カルボン酸塩、シュウ酸塩、キレート錯体等、酸化セリウム膜用には、セリウムのハロゲン化物、硫酸塩、カルボン酸塩、シュウ酸塩等、酸化ビスマス膜用には、ビスマスのハロゲン化物、硝酸塩、カルボン酸塩等、酸化インジゥム膜用には、インジウムのハロゲン化物、硫酸塩等が好ましい。また、低屈折率の膜を製膜するのに使用する原料としては、酸化ケイ素膜用には、ケイ酸ソーダ、水ガラス、ケイ素のハロゲン化物、アルキルシリケート等の有機ケイ素化合物とその重合体等、酸化アルミニウム膜用には、アルミニウムのハロゲン化物、硫酸塩、キレート錯体等、酸化マグネシウム膜用には、マグネシウムの硫酸塩、ハロゲン化物等が好ましい。また、例えば酸化チタン膜の場合には、塩化チタンに硫酸チタンを混合すると、より低温で屈折率の高いルチル型の酸化チタン膜になる等の効果がある。
【0061】
また、被覆の際の反応温度は各金属塩の種類に適した温度に管理して被覆することにより、より良質な酸化物膜を製作することができる。水系溶媒中での基体の表面への被膜形成反応(固層析出反応)が遅すぎる場合には、反応系を加熱して固層析出反応を促進することもできる。但し、加熱の熱処理が過剰であると、該反応速度が速すぎて、過飽和な固層が膜にならず、水溶液中に析出し、ゲルあるいは微粒子を形成し、膜厚制御が困難になる。被覆膜は製作後、蒸留水を加えながら傾斜洗浄を繰り返して、電解質を除去した後、乾燥・焼成等の熱処理を施し、固相中に含まれた水を除去して、完全に酸化物膜とすることが好ましい。また、製膜後の粉体を回転式チューブ炉などで熱処理することにより、固着を防ぐことができ、分散された粒子を得ることができる。
【0062】
水酸化物膜あるいは酸化物膜等を形成し、それを熱処理するには、各層を被覆する毎に熱処理しても良く、また、目的の多層膜を完成後最後に熱処理しても良い。熱処理条件は反応系により異なるが、熱処理温度は200〜1300℃であることが好ましく、400〜1100℃であることがより好ましい。200℃以下では塩類や水分が残ってしまうことがあり、1300℃を超えて高くなると、膜と基体が反応し別の物質となることがあり、共に不適当である。熱処理時間は0.1〜100時間が好ましく、0.5〜50時間がより好ましい。
【0063】
【実施例】
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0064】
[実施例1〜7]
(シリカ膜被覆球状鉄粉の作成)
(基体粒子懸濁緩衝液の調製)
脱イオン水に炭酸ナトリウム試薬(関東化学)、炭酸水素ナトリウム試薬(関東化学)、塩化カリウム試薬(関東化学)を加え溶解することにより緩衝液を調製した。炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化カリウムの濃度を下記の表に示す。
【0065】
【表1】
Figure 0004274822
【0066】
この緩衝液に平均粒径3.3μm(BASF社測定)を有する球状鉄粉(BASF社製、商品名ES)20gを懸濁させ、基体粒子懸濁緩衝液を得た。
【0067】
(シリカ膜被覆工程)
前記基体粒子懸濁緩衝液を1000rpmで撹拌しながら、5wt%のケイ酸ナトリウム水溶液150gを1.00ml/minの供給速度で全量滴下投入し、1時間熟成した。これにより、液中のケイ酸ナトリウムからのシリカの析出が基体粒子表面で起こり、基体粒子へのシリカ膜被覆が行われた。
熟成後、撹拌を止めて懸濁液中の粉体を静置沈降させ、上清液を除去した。上清液は無色透明であった。
さらに、脱イオン水による傾斜洗浄(デカンテーション)を行った後、120℃で2時間乾燥し、シリカ膜被覆球状鉄粉を得た。
【0068】
[実施例8]
(チタニア膜被覆球状鉄粉の作成)
(滴下液の調整)
20%塩化チタン[III]溶液(関東化学社製、鹿1級試薬)10.0g、28%アンモニア水(関東化学社製、鹿1級試薬)20.5g、31%過酸化水素水(関東化学社製、特級試薬)10.0gを混合することによって、ペルオキソチタン酸を含有する黄色透明の滴下液を得た。この滴下液のpHは10.0であった。
(基体粒子懸濁緩衝液の調製)
上記実施例7で得られた緩衝液に平均粒径3.3μm(BASF社測定)を有する球状鉄粉(BASF社製、商品名ES)40gを懸濁させ、基体粒子懸濁緩衝液を得た。
【0069】
(チタニア膜被覆)
前記基体粒子懸濁緩衝液を1000rpmにて撹拌しながら、滴下液を1.5ml/minの速さで全量滴下投入し、2時間熟成した。これにより、液中のペルオキソチタン酸からのチタニアの析出が基体粉表面で起こり、基体粒子へのチタニア膜被覆が行われた。
熟成後、撹拌を止めて懸濁液中の粉体を静置沈降させ、上液を除去した。上液は無色透明であった。
さらに、脱イオン水による傾斜洗浄(デカンテーション)を行った後、120℃で2時間乾燥し、チタニア膜被覆球状鉄粉を得た。
【0070】
[実施例9]
(シリカ膜被覆パーマロイ粉を作成)
(基体粒子懸濁緩衝液の調製)
上記実施例7で得られた緩衝液に平均粒径15.3μm(HONEYWELL社製、9320−X100型マイクロトラックHRA粒度分析計で測定)を有するフレーク状パーマロイ粉(福田金属箔粉工業社製、商品名78パーマロイフレーク)18.5gを懸濁させ、基体粒子懸濁緩衝液を得た。
【0071】
(シリカ膜被覆)
前記基体粒子懸濁緩衝液を1000rpmにて撹拌しながら、5質量%のケイ酸ナトリウム水溶液120gを1.00ml/minの供給速度で全量滴下投入し、1時間熟成した。これにより、液中のケイ酸ナトリウムからのシリカの析出が基体粒子表面で起こり、基体粒子へのシリカ膜被覆が行われた。
熟成後、撹拌を止めて懸濁液中の粉体を静置沈降させ、上清液を除去した。上清液は無色透明であった。
さらに、脱イオン水による傾斜洗浄(デカンテーション)を行った後、120℃で2時間乾燥し、シリカ膜被覆パーマロイ粉を得た。
【0072】
【発明の効果】
本発明の膜被覆体、膜被覆方法および膜被覆体の製造方法は、基体の表面の膜を炭酸緩衝液中での反応により形成することにより、生じる廃液の廃水基準が緩く廃液処理コストが低くできるものである。

Claims (2)

  1. 粉体の表面に膜を形成する膜被覆体の製造方法において、該膜の少なくとも1層を、前記粉体を浸漬した、KCl、NaClまたはLiClであるアルカリ金属塩を含有しイオン強度が1.41〜5.0である炭酸緩衝液中に、膜成分原料である金属塩水溶液を添加し、金属塩からの反応により形成することを特徴とする膜被覆体の製造方法。
  2. 前記炭酸緩衝液がNaCOとNaHCOとからなることを特徴とする請求項1記載の膜被覆体の製造方法。
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