JP2001254029A - シアン色色材組成物およびその製造方法 - Google Patents

シアン色色材組成物およびその製造方法

Info

Publication number
JP2001254029A
JP2001254029A JP2000065253A JP2000065253A JP2001254029A JP 2001254029 A JP2001254029 A JP 2001254029A JP 2000065253 A JP2000065253 A JP 2000065253A JP 2000065253 A JP2000065253 A JP 2000065253A JP 2001254029 A JP2001254029 A JP 2001254029A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
cyan
powder
composition according
coating film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000065253A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Shinko
貴史 新子
Marenobu Hoshino
希宜 星野
Katsuto Nakatsuka
勝人 中塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nittetsu Mining Co Ltd
Original Assignee
Nittetsu Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nittetsu Mining Co Ltd filed Critical Nittetsu Mining Co Ltd
Priority to JP2000065253A priority Critical patent/JP2001254029A/ja
Publication of JP2001254029A publication Critical patent/JP2001254029A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属アルコキシドの加水分解による方法を用
いずに、高価な金属アルコキシドや引火性の高い有機溶
媒を使用することなく、製造施設も防爆設備を必要とせ
ず、温度、湿度の管理も容易であり、総合的に製品の価
格も安価に得られ、機能性も高く、十分な明度を有する
鮮やかな、シアン色色材組成物およびその製造方法を提
供する。 【解決手段】 基体粒子の表面に水系溶媒中での金属塩
の反応により形成された被覆膜を少なくとも1層有し、
350〜550nmの間にピークを有する反射スペクト
ルを示すシアン色粉体を含有することを特徴とし、更に
該被覆膜の少なくとも1層が、空隙を有する結晶化微粒
子の集合体として構成されたものであることが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シアン色色材組成
物およびその製造方法に関するものであり、詳細には、
高価な原料や危険な有機溶媒を用いずとも、安価かつ安
全な方法により製造することができ、インキ、プラスチ
ック・紙用フィラー、トナー、インクジェットプリンタ
ー用インク、偽造防止用インキ・トナー、一般塗料、自
動車用粉体顔料・塗料、静電塗装用塗料、化粧品、頭髪
装飾用、顔料組成物、工芸品・陶芸品など美術品用顔料
組成物および塗料、多色性塗料用顔料組成物、繊維着色
用(坦持)顔料組成物、玩具用塗料、化粧紙・化粧板用
塗料及びフィラー、プラスチックおよび金属用塗料及び
フィラー、ディスプレイ用顔料組成物、表示媒体用、磁
気記録媒体用塗料、触媒塗料および耐熱塗料用顔料組成
物等多種の目的に用いられるシアン色色材組成物および
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真や印刷の技術分野におい
て、取り扱う画像のカラー化が一般的となり、カラー化
に関する技術について様々な検討が行われている。特に
電子写真におけるトナーや印刷における印刷インキなど
はその代表的なものである。この様なトナーや印刷イン
キ等を総称して、色材組成物ということもある。カラー
画像を得るためには、上記の色材組成物の中でも、特に
シアン色のものが重要となることがある。シアン色は、
色の3原色の一つであり、また人に対して心理的に希
望、清涼感、無刺激で安心感を与える重要な色素であ
る。このようなシアン色系の色調を有し、かつ特定の機
能を有する色材組成物を得ることは産業上大いに意義の
あることである。例えば、電子写真方式によるトナー自
身が磁性を備える1成分系現像法では、従来のモノクロ
での複写、プリントにおいては、黒い磁性トナーが使わ
れている。また、印刷の分野においても、印刷画像に磁
気識別機能を持たせるため磁性粉を含有させ黒い磁性イ
ンクとすることがある。しかし、カラー画像の複写、プ
リントにおいては、黒色以外にシアン色または鮮やかな
原色に着色し、かつ磁気特性を保持した磁性トナー、磁
性インクとする必要がある。この1成分系カラー磁性ト
ナーやカラー磁性インクにより鮮明なカラー画像を得る
には、磁性トナー、インクなどの色材組成物自身を鮮や
かな色に着色する必要があるが、その中に含まれる磁性
体粒子は一般に黒色であるため、その色材組成物中に直
接、顔料、染料を添加したり、該磁性体粒子の表面に直
接着色層を設けても全体としては暗い色調の色材組成物
となる問題がある。
【0003】これに対して、本発明者らは、先に基体粒
子上に金属膜を形成し、その膜の反射効果により、粉体
を白色化する方法(特開平3−271376号公報、特
開平3−274278号公報)、金属アルコキシド溶液
中に基体粒子を分散し、金属アルコキシドを加水分解す
ることにより、基体粒子の表面に均一な0.01〜20
μmの厚みの金属酸化物膜を生成させる方法(特開平6
−228604号公報)、表面に金属酸化物からなる薄
膜と、金属からなる薄膜とを交互に複数層設けて機能性
粉体とすること(特開平7−90310号公報)、金属
酸化物膜で多層被覆してなる粉体を熱処理して、より緻
密で安定した金属酸化物多層膜を有する粉体を製造する
こと(国際公開WO96/28269号公報)を提案し
ている。
【0004】特に、上記に挙げた金属酸化物膜や金属膜
を複数層設けた粉体は、各層の膜厚を調整することによ
り特別の機能を付与することができるものであって、例
えば基体粒子の表面に、屈折率の異なる被覆膜を入射光
の4分の1波長に相当する厚さずつ設けるようにする
と、入射光を全て反射する粉体が得られる。この方法を
磁性体を基体粒子とするものに適用すると、光を反射し
て白色のトナー用粉体を製造することができ、更にこの
粉体の表面の前記光干渉性多層膜を構成する各単位被覆
層が特定の同一波長の干渉反射ピークを有するように、
膜厚を設定すると、染料や顔料を用いずとも、単色の粉
体にすることができることを示唆している。上記特開平
6−228604号公報、特開平7−90310号公
報、国際公開WO96/28269号公報に記載の方法
では、膜数や膜厚を多くするほど反射率が上がることに
より明度が上がり、膜の特性は顕著になる。しかし膜数
や膜厚が多くなるほど、基体粒子の特性は減少する。例
えば、基体粒子として、磁性粉を用いた場合は、膜数や
膜厚が多くなるほど、磁気特性が劣ってくる。換言すれ
ば、上記の方法で得られる着色粉体は、基体粒子が有す
る特性を生かすためには膜数、膜厚を少なくする必要が
あるが、膜数、膜厚を少なくすると所望の着色が得られ
なくなる恐れもあった。
【0005】本発明者らは、上記の技術を基に、目的と
する特定の色調を有する着色色材組成物を得る技術、詳
細には鮮やかなシアン色系の色を呈する膜被膜粉体の色
を発色させるための条件範囲を確立することを試みた。
本発明者らは、このような観点から検討を行った結果、
基体粒子の表面に屈折率の大きい被膜と小さい被膜とが
隣合って積層する複数の被覆膜と、該被膜層の外側に顔
料および染料が分散された接着樹脂層とを有し、350
〜550nmの間にピークを有する反射スペクトルを示
す様に該基体粒子及び被覆膜の条件を設定することによ
り、シアン色系の色調を有し、かつ1成分系現像方式で
も複合した機能を果たし得るカラートナーが得られるこ
とを見い出した(特開平11−38679号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平11−38679号公報に記載のシアン色系トナー
は、その基体粒子の表面に有する被膜層が金属アルコキ
シドの加水分解反応によって製膜されたものであった。
金属アルコキシドの加水分解反応による製膜方法は、溶
媒として、引火性の高い有機系のものを使用し、原料と
して、高価な金属アルコキシドを使用しなければならな
い。引火性の高い有機溶媒を用いるためには、製造施設
を防爆設備としたり、温度、湿度の管理が厳しく、それ
を用いて製造した製品の価格も総合的に当然高価なもの
となる。また、上記特開平11−38679号公報に記
載のシアン色系トナーは、十分な明度を有しておらず、
暗い色調のものであった。
【0007】従って、本発明の目的は、上記従来技術の
欠点を克服し、金属アルコキシドの加水分解による方法
を用いずに、高価な金属アルコキシドや引火性の高い有
機溶媒を使用することなく、製造施設も防爆設備を必要
とせず、温度、湿度の管理も容易であり、総合的に製品
の価格も安価に得られる機能性の高い、シアン色粉体を
含有するシアン色色材組成物およびその製造方法を提供
することにある。また本発明のさらなる目的は、明度が
高く安定な色調のトナー、インキ、塗料として用いるこ
とができ、しかも基体粒子の特性(例えば、磁気特性)
を高レベルに保持したシアン色色材組成物、詳細には、
基体粒子の特性を生かすための、比較的少ない膜数、膜
厚であっても、十分な明度が得られる被覆膜を有するシ
アン色粉体を基材とするシアン色色材組成物およびその
製造方法を提供しようとするものである。更に本発明の
他の目的は、1成分系現像方式でも優れた複合した機能
を果たし得るシアン色磁性トナーや、優れた磁気特性を
発揮することができ、かつ耐候性の優れたシアン色磁性
印刷用インキ、シアン色塗料等に適用できるシアン色色
材組成物およびその効率的製造方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる現
状に鑑み、鋭意研究の結果、多層膜被覆粉体を製造する
際、基体粒子の表面に有する被覆膜の少なくとも1層が
水系溶媒中での金属塩の反応により形成し、膜の組合
せ、それぞれの膜の厚さ、また、それらを制御する方法
および反応条件(pH、分散条件等)を改良し、更に膜
設計において、極大値の波長の範囲を、特定の範囲に限
定した。更に加えて被覆膜の少なくとも1層が、結晶化
微粒子からなる空隙を有する被覆膜とすることにより、
散乱反射による明度向上を計ることにより、鮮やかなシ
アン色系の粉体が得られ、上記目的を達成できることを
見出し、本発明に到達した。
【0009】すなわち、本発明のシアン色色材組成物お
よびその製造方法は、下記の通りである。 (1)基体粒子の表面に水系溶媒中での金属塩の反応に
より形成された被覆膜を少なくとも1層有し350〜5
50nmの間にピークを有する反射スペクトルを示すシ
アン色粉体を含有するシアン色色材組成物。 (2)前記シアン色粉体の水系溶媒中での金属塩の反応
により形成された前記被覆膜が、下記式の条件を満たす
ものであることを特徴とする前記(1)記載のシアン色
色材組成物。
【0010】Nd=mλ/4 〔式中、N=n+iκ(iは複素数を表す) n:膜を構成する物質の屈折率 d:膜厚 m:自然数 λ:粉体の示す反射スペクトルが有するピークの波長
(但し、λは350〜550nm) κ:減衰係数〕
【0011】(3)前記シアン色粉体の基体粒子の表面
に有する被覆膜が多層膜であることを特徴とする前記
(1)記載のシアン色色材組成物。 (4)前記シアン色粉体の多層膜の各膜が、全て水系溶
媒中での金属塩の反応により形成されたものであること
を特徴とする前記(3)記載のシアン色色材組成物。 (5)前記シアン色粉体の多層膜の各膜が、全て下記式
の条件を満たすものであることを特徴とする前記(3)
記載のシアン色色材組成物。
【0012】Nd=mλ/4 〔式中、N=n+iκ(iは複素数を表す) n:膜を構成する物質の屈折率 d:膜厚 m:自然数 λ:粉体の示す反射スペクトルが有するピークの波長
(但し、λは350〜550nm) κ:減衰係数〕
【0013】(6)前記シアン色粉体の基体粒子の表面
に有する被覆膜の少なくとも1層が、空隙を有する結晶
化微粒子の集合体として構成されたものであることを特
徴とする前記(1)記載のシアン色色材組成物。 (7)空隙を有する結晶化微粒子の集合体として構成さ
れた前記被覆膜が、該結晶化微粒子表面と空隙との間で
生じる光の散乱反射により明度を付与することができる
ものであることを特徴とする前記(6)記載のシアン色
色材組成物。 (8)空隙を有する結晶化微粒子の集合体として構成さ
れた前記被覆膜の表面に、該表面の空隙を塞ぐことがで
きる超微粒子で構成された緻密な被覆膜を有することを
特徴とする前記(6)記載のシアン色色材組成物。 (9)空隙を有する結晶化微粒子の集合体として構成さ
れた前記被覆膜が高屈折率膜であることを特徴とする前
記(6)記載のシアン色色材組成物。 (10)前記緻密膜がシリカ膜であることを特徴とする
前記(8)記載のシアン色色材組成物。
【0014】(11)空隙を有する結晶化微粒子の集合
体として構成された前記被覆膜が、該被覆膜を製膜する
ための反応溶液中で固相微粒子を形成させ該固相微粒子
を該被覆膜中に取込ませた後に焼成することによって形
成されたものであることを特徴とする前記(6)記載の
シアン色色材組成物。 (12)前記反応溶液が水溶液であることを特徴とする
前記(11)記載のシアン色色材組成物。 (13)前記焼成を行う前に、前記固相微粒子を取込ま
せた被覆膜上を、該被覆膜の表面の空隙を塞ぐ緻密な膜
を構成することができる超微粒子で被覆したことを特徴
とする前記(11)記載のシアン色色材組成物。 (14)前記シアン色粉体が、少なくとも結着用樹脂を
含む分散媒中に分散されていることを特徴とする前記
(1)〜(13)のいずれかに記載のシアン色色材組成
物。(15)前記(14)記載のシアン色色材組成物か
らなるシアン色インキ組成物。 (16)前記シアン色粉体上に接着樹脂層を有すること
を特徴とする前記(1)〜(13)のいずれかに記載の
シアン色色材組成物。 (17)前記接着樹脂層が体質顔料を含有することを特
徴とする前記(16)記載のシアン色色材組成物。 (18)前記(16)または(17)記載のシアン色色
材組成物からなるシアン色トナー。
【0015】(19)シアン色粉体を含有するシアン色
色材組成物の製造方法において、該シアン色粉体が35
0〜550nmの間にピークを有する反射スペクトルを
示す様に、基体粒子の表面に水系溶媒中での金属塩の反
応により少なくとも1層の被覆膜を形成することを特徴
とするシアン色色材組成物の製造方法。 (20)水系溶媒中での金属塩の反応により形成する前
記被覆膜を、下記式の条件を満たすように形成すること
を特徴とする前記(19)記載のシアン色色材組成物の
製造方法。
【0016】Nd=mλ/4 〔式中、N=n+iκ(iは複素数を表す) n:膜を構成する物質の屈折率 d:膜厚 m:自然数 λ:粉体の示す反射スペクトルが有するピークの波長
(但し、λは350〜550nm) κ:減衰係数〕
【0017】(21)基体粒子の表面に形成する前記被
覆膜を多層膜とすることを特徴とする前記(19)記載
のシアン色色材組成物の製造方法。 (22)前記多層膜の各膜を、全て水系溶媒中での金属
塩の反応により形成することを特徴とする前記(21)
記載のシアン色色材組成物の製造方法。 (23)前記多層膜の各膜を、全て下記式の条件を満た
すように形成することを特徴とする前記(21)記載の
シアン色色材組成物の製造方法。
【0018】Nd=mλ/4 〔式中、N=n+iκ(iは複素数を表す) n:膜を構成する物質の屈折率 d:膜厚 m:自然数 λ:粉体の示す反射スペクトルが有するピークの波長
(但し、λは350〜550nm) κ:減衰係数〕
【0019】(24)基体粒子の表面に形成する被覆膜
の少なくとも1層を、空隙を有する結晶化微粒子の集合
体として構成することを特徴とする前記(19)記載の
シアン色色材組成物の製造方法。 (25)空隙を有する結晶化微粒子の集合体として構成
する前記被覆膜を、該結晶化微粒子表面と空隙との間で
生じる光の散乱反射により明度を付与できるように形成
することを特徴とする前記(19)記載のシアン色色材
組成物の製造方法。 (26)空隙を有する結晶化微粒子の集合体として構成
する前記被覆膜の表面に、該表面の空隙を塞ぐことがで
きる超微粒子で緻密な膜を形成することを特徴とする前
記(24)記載のシアン色色材組成物の製造方法。 (27)空隙を有する結晶化微粒子の集合体として構成
する前記被覆膜を高屈折率膜とすることを特徴とする前
記(24)記載のシアン色色材組成物の製造方法。 (28)前記緻密膜をシリカ膜とすることを特徴とする
前記(26)記載のシアン色色材組成物の製造方法。 (29)空隙を有する結晶化微粒子の集合体として構成
する前記被覆膜を、該被覆膜を製膜するための反応溶液
中で固相微粒子を形成させ該固相微粒子を該被覆膜中に
取込ませた後に焼成することによって形成することを特
徴とする前記(24)記載のシアン色色材組成物の製造
方法。 (30)前記反応溶液を水溶液とすることを特徴とする
前記(29)記載のシアン色色材組成物の製造方法。
【0020】(31)前記焼成を行う前に、前記固相微
粒子を取込ませた被覆膜上を、該被覆膜の表面の空隙を
塞ぐ緻密な膜を構成することができる超微粒子で被覆す
ることを特徴とする前記(29)記載のシアン色色材組
成物の製造方法。 (32)前記シアン色粉体が、少なくとも結着用樹脂を
含む分散媒中に分散することを特徴とする前記(19)
〜(31)のいずれかに記載のシアン色色材組成物の製
造方法。 (33)前記(32)記載のシアン色色材組成物の製造
方法からなるシアン色インキ組成物の製造方法。 (34)前記シアン色粉体上に接着樹脂層を設けること
を特徴とする前記(19)〜(31)のいずれかに記載
のシアン色色材組成物の製造方法。 (35)前記接着樹脂層に体質顔料を含有させることを
特徴とする前記(34)記載のシアン色色材組成物の製
造方法。 (36)前記(34)または(35)記載のシアン色色
材組成物の製造方法からなるシアン色トナーの製造方
法。
【0021】本発明のシアン色色材組成物中のシアン色
粉体は製膜反応の際に、以下の操作および作用により、
被膜にならない固相の析出が抑えられ、基体粒子の表面
に均一な厚さの被膜を、所望の厚さで形成することがで
きると推測する。反応溶媒として、緩衡溶液を用い、
ある一定のpHとすることにより、酸またはアルカリの
影響が和らげられ、基体表面の侵食が防止される;超
音波分散により、基体粒子、特にマグネタイト粉等の磁
性体の分散性を良くするばかりでなく、皮膜成分の拡散
性を良くし、更に、皮膜同志の付着を防止し、被覆製膜
された磁性体粒子の分散性をも良好にする;適当な反
応の速さで被膜成分を析出させ、被膜にならない固相の
析出を抑制する。上記の総合的作用により、膜被覆粉体
の表面の電荷を一定に維持することができ、電気2重層
の働きにより、膜被覆粉体の凝集がなく、分散粒子が得
られる。電気2重層の働きを生かすためにpHは、基体
の物質と製膜反応により液中で形成される金属化合物の
種類の組み合わせにより異なり、また、両者の等電点を
避けることが好ましい。また、基体粒子の表面に有する
被覆膜の少なくとも1層を、結晶化微粒子と該結晶化微
粒子相互間に空隙を有する結晶化微粒子の集合体からな
る膜(以下、単に結晶化微粒子構成膜ともいう)とする
ことにより、結晶化微粒子表面と空隙との屈折率差を大
きくして、光の散乱反射を起こし、反射効果を高め、優
れた明度を有するシアン色色調の機能性粉体を提供する
ことが可能となった。
【0022】本発明は上記の作用機構により、水溶性原
料を用いるにも係わらず、基体として磁性体を用いた場
合でも膜被覆粉体同志が凝集したり固着することがな
く、好ましい膜厚制御ができる膜被覆粉体を容易に製造
することを可能とすることができた。また、基体粒子の
特性(例えば、磁気特性)を高レベルに保持した機能性
粉体を提供することが可能となった。更に、水を溶媒と
して用いることにより、アルコキシド法に比べ安価な製
造コストで製膜できるという効果が得られる。
【0023】上記のようにして得られた本発明のシアン
色色材組成物は、顔料、粉末冶金、窯業原料、電子工業
などの原料となるシアン色系複合原料粉体として有用な
ものであり、カラーインキ用顔料およびプラスチック・
紙用フィラーに用いられている従来の顔料にとって代わ
る優れた性能を保持し、長期保存においても安定な色調
のものとすることができる。耐熱性を利用して陶器、磁
器、ガラス器、工芸品、美術品、装飾品等の着色用顔料
組成物として絵付け、意匠、装飾に使用できる。さらに
多色性や反射あるいは透過色を利用して意匠性に富んだ
装飾品、陶器、磁器、ガラス器、絵画などの工芸品・美
術品用、書籍、自動車・自転車などの塗料シアン色多機
能性インキ、トナー、塗料、化粧品ができる。
【0024】また、触媒作用を持つ酸化チタン膜等によ
って、耐候性にすぐれ大気・水などの環境浄化性のある
塗料ができる。すなわちこれら基体の特性と膜の特性を
兼ね備えたシアン色多機能性インキ、トナーおよび塗料
等に適用できる。特に前記機能が磁気、電場、色、粒子
形状、蛍光発光、蓄光発光、特定紫外線域反射吸収並び
に特定赤外線反射吸収の機能のいずれか2種以上を組み
合わせることにより偽造防止用顔料組成物として印刷イ
ンキ、トナーとして支持媒体上に所望の画像を形成し、
目視による判別、機器による判別対象物とすることが可
能である。これらの優れた機能を有すると共に、基体と
して磁性体、導電体または誘電体を活用すると、電場、
磁場などの外部要因により反応することにより移動力、
回転、運動、発熱などの付加的な作用を発する機能をも
ち、例えば、基体として磁性体を適用すると、磁性を損
なわずにシアン色またはカラー磁性トナーやシアン色ま
たはカラー磁性インキの顔料としても適用可能である。
【0025】以下、本発明の結晶化微粒子構成膜につい
て、図面を参照しながらさらに詳しく説明する。図1
は、基体粒子1の表面に結晶化微粒子構成膜2を有する
本発明のシアン色色材組成物の一例の断面図であり、図
2は、図1のシアン色色材組成物が有する結晶化微粒子
構成膜2の断面拡大図である。図1および図2に示す様
に、上記結晶化微粒子構成膜2は結晶化微粒子3の間に
空隙を有することにより、前記結晶化微粒子3の表面と
空隙との屈折率差を大きくし、光の散乱反射を起こさ
せ、これにより明度の高い粉体とすることができる。上
記の散乱反射が強いほど、粉体の明度が増す。膜2の中
に含まれる結晶化微粒子3は、屈折率が高い方が好まし
く、また、粒径が揃っていない方が好ましい。明度の調
整は、上記膜内の結晶化微粒子の量および粒子径により
調整することができる。但し、粒子径によっては、散乱
と干渉が同時に起こり、その干渉によってシアン色以外
の色相を呈することがあるので、その設計には注意を要
する。特に、得られた膜被覆粉体がオパールの様に単色
スペクトル色の強い場合には、膜中の結晶化粒子径があ
る大きさ(光の波長の4分の1から1波長程度)で均一
になって該結晶化微粒子による干渉が発生している考え
られる。
【0026】この場合、膜内の結晶化微粒子の粒子径
は、1〜500nmが好ましく、より好ましくは1〜2
00nmであり、さらに好ましくは1〜100nmの範
囲である。粒子径が1nm未満では、構成膜は光を透過
するため下地の基体粒子の色がそのまま出ることがあ
る。逆に500nmより大きい場合には複数の粒子の反
射光により前記干渉着色が起こったり、膜が脆くなっ
て、剥離しやすく好ましくない。また膜内の結晶化微粒
子は、他の微粒子や膜と接触していても、粒界など形状
で区別できるものである。
【0027】一方、上記結晶化微粒子構成膜の1層の、
好ましい厚さ範囲は、基体となる粒子の大きさによって
異なる。基体粒子が0.1μm〜1μmでは0.05μ
m〜0.5μm、基体粒子が1μm〜10μmでは0.
05μm〜2μm、基体粒子が10μm以上では0.0
5μm〜3μmであることが好ましい。また、上記結晶
化微粒子構成膜の総膜厚の好ましい厚さ範囲も、基体と
なる粒子の大きさによって異なる。基体粒子が0.1μ
m〜1μmでは0.1μm〜3μm、基体粒子が1μm
〜10μmでは0.1μm〜5μm、基体粒子が10μ
m以上では0.1μm〜10μmであることが好まし
い。
【0028】更に本発明のシアン色色材組成物は、含有
されているシアン色粉体が、図2に示されるように、空
隙を有する結晶化微粒子3で構成された膜2の表面に、
該表面の空隙を塞ぐことができる超微粒子4で構成され
た緻密な被覆膜(以下単に、緻密膜ともいう)を有する
ことが好ましい。例えば、前述のような結晶化微粒子構
成膜を最外層として有するシアン色粉体をトナーあるい
は塗料等の顔料粉体として用いた場合、トナーの樹脂ま
たは塗料のビヒクルがその空隙に入り込み、結晶化微粒
子3の表面と空隙との間の屈折率差を小さくして光の散
乱反射を弱くし、その結果、明度も低下させる。前述の
緻密膜は上記のような明度の低下を防止するために好適
である。
【0029】なお、特開平4−269804号公報に
は、表面に無機顔料粒子の被覆層を有する着色粉体が記
載されているが、この着色粉体は顔料粒子間の空隙が、
表面処理剤と樹脂の混合物によって充填されたものであ
り、本発明のシアン色色材組成物のように、散乱反射が
発生するものではなく、顔料粒子そのものの色によって
所望の色に着色されるものである。またこの特開平4−
269804号公報に記載の着色粉体は、基体粒子表面
に顔料粒子が十分に固定されていないことがある。その
場合には、基体に付着していた顔料粒子が溶媒と樹脂の
混合液中で分離するため、塗料等に適用できないことも
ある。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明のシアン色色材組成
物について詳細に説明する。本発明のシアン色色材組成
物は、基体粒子の表面上に前述の結晶化微粒子構成膜の
みならず、光を透過し得る他の構成からなる膜をさらに
有する多層膜被覆粉体を含有するものである。該低屈折
率の光透過性の被覆膜として、金属塩等の反応により、
金属水酸化物膜あるいは金属酸化物膜等を複数層とする
場合において、前記被覆膜(基体粒子を被覆し、光干渉
に関与する膜の層)の各層の厚さを調整することにより
特別の機能を与えることができる。例えば、基体粒子の
表面に、屈折率の異なる交互被覆膜を、次の式(1)を
満たすように、被膜を形成する物質の屈折率nと350
〜550nmの間にある可視光の波長の4分の1の整数
m倍に相当する厚さdを有する交互膜を適当な厚さと膜
数設けると、350〜550nmの間にある波長λの光
(フレネルの干渉反射を利用したもの)が反射または吸
収される。 nd=mλ/4 (1)
【0031】この作用を利用して、基体粒子の表面に目
標とする350〜550nmの間の波長に対し、式
(1)を満たすような膜の厚みと屈折率を有する被膜を
製膜し、さらにその上に屈折率の異なる膜を被覆するこ
とを1度あるいはそれ以上交互に繰り返すことにより3
50〜550nmの間に反射ピークを有する膜が形成さ
れる。このとき製膜する物質の順序は次のように決め
る。まず核となる基体の屈折率が高いときには第1層目
が屈折率の低い膜、逆の関係の場合には第1層目が屈折
率の高い膜とすることが好ましい。
【0032】膜厚は、膜屈折率と膜厚の積である光学膜
厚の変化を分光光度計などで反射波形として測定、制御
するが、反射波形が最終的に必要な波形になるように各
層の膜厚を設計する。例えば、多層膜を構成する各単位
被膜の反射波形のピーク位置を350〜550nmの範
囲に精密に合わせると、染料や顔料を用いずともシアン
色系の単色の着色粉体とすることができる。
【0033】ただし、実際の基体の場合、基体の粒径、
形状、膜物質および基体粒子物質の相互の界面での位相
ずれ及び屈折率の波長依存性によるピークシフトなどを
考慮して設計する必要がある。例えば、基体粒子の形状
が平行平板状である場合には、粒子平面に形成される平
行膜によるフレネル干渉は上記式(1)のnを次の式
(2)のNに置き換えた条件で設計する。特に、基体の
形状が平行平板状である場合でも金属膜が含まれる場合
には、式(2)の金属の屈折率Nに減衰係数κが含まれ
る。なお、透明酸化物(誘電体)の場合にはκは非常に
小さく無視できる。
【0034】 N=n+iκ(iは複素数を表す) (2)
【0035】この減衰係数κが大きいと、膜物質および
基体物質の相互の界面での位相ずれが大きくなり、さら
に多層膜のすべての層に位相ずれによる干渉最適膜厚に
影響を及ぼす。
【0036】これにより幾何学的な膜厚だけを合わせて
もピーク位置がずれるため、特にシアン色系に着色する
際に色が淡くなる。これを防ぐためには、すべての膜に
対する位相ずれの影響を加味し、コンピューターシミュ
レーションであらかじめ膜厚の組合せが最適になるよう
に設計する。さらに、基体表面にある酸化物層のための
位相ずれや、屈折率の波長依存性によるピークシフトが
ある。これらを補正するためには、分光光度計などで、
反射ピークが最終目的膜数で目標波長である350〜5
50nmの範囲になるよう最適の条件を見出すことが必
要である。
【0037】球状粉体などの曲面に形成された膜の干渉
は平板と同様に起こり、基本的にはフレネルの干渉原理
に従う。したがって、着色方法もシアン色系に設計する
ことができる。ただし曲面の場合には、粉体に入射し反
射された光が複雑に干渉を起こす。これらの干渉波形は
膜数が少ない場合には平板とほぼ同じである。しかし、
総数が増えると多層膜内部での干渉がより複雑になる。
多層膜の場合もフレネル干渉に基づいて、反射分光曲線
をコンピューターシミュレーションであらかじめ膜厚の
組合せが最適になるよう設計することができる。特に基
体粒子表面への被膜形成の場合、基体粒子表面とすべて
の膜に対する位相ずれの影響を加味し、コンピュータシ
ミュレーションであらかじめ膜厚の組合せが最適になる
よう設計する。さらに、基体粒子表面にある酸化物層の
ためのピークシフトや屈折率の波長依存性によるピーク
シフトも加味する。実際のサンプル製造では設計した分
光曲線を参考にし、実際の膜においてこれらを補正する
ために、分光光度計などで反射ピークが最終目的膜数で
350〜550nmの範囲の目標波長になるよう膜厚を
変えながら最適の条件を見出さねばならない。
【0038】不定形状の粉末に着色する場合も多層膜に
よる干渉が起こり、球状粉体の干渉多層膜の条件を参考
にし基本的な膜設計を行う。上記の多層膜を構成する各
単位被膜のピーク位置は各層の膜厚により調整すること
ができ、膜厚は基体粒子の表面に金属酸化物等の固相成
分を形成させる被覆形成条件中、原料組成、固相析出速
度および基体量などを制御することにより、精度良く膜
厚を制御でき、均一な厚さの被膜を形成することがで
き、所望のシアン色系に着色することができる。以上の
ように、反射ピークや吸収ボトムが最終目的膜数で35
0〜550nmの範囲の目標波長になるよう膜形成溶液
などの製膜条件を変えながら最適の条件を見出すことに
より、シアン色系の粉体を得ることができる。また、多
層膜を構成する物質の組合せおよび各単位被膜の膜厚を
制御することにより多層膜干渉による発色を調整するこ
とができる。これにより、染料や顔料を用いなくても粉
体を所望のシアン色系に鮮やかに着色することができ
る。
【0039】以下に、本発明のシアン色色材組成物およ
びその製造方法についてを詳細に説明する。本発明のシ
アン色色材組成物およびその製造方法において、その金
属酸化物膜等を形成させる対照となる基体粒子は、特に
限定されず、金属を含む無機物でも、有機物でもよく磁
性体、誘電体、導電体および絶縁体等でもよい。基体が
金属の場合、鉄、ニッケル、クロム、チタン、アルミニ
ウム等、どのような金属でもよいが、その磁性を利用す
るものにおいては、鉄等磁性を帯びるものが好ましい。
これらの金属は合金でも良く、前記の磁性を有するもの
であるときには、強磁性合金を使用することが好まし
い。また、その粉体の基体が金属化合物の場合には、そ
の代表的なものとして前記した金属の酸化物が挙げられ
るが、例えば、鉄、ニッケル、クロム、チタン、アルミ
ニウム、ケイ素等の外、カルシウム、マグネシウム、バ
リウム等の酸化物、あるいはこれらの複合酸化物でも良
い。さらに、金属酸化物以外の金属化合物としては、金
属窒化物、金属炭化物、金属硫化物、金属フッ化物、金
属炭酸塩、金属燐酸塩などを挙げることができる。
【0040】さらに、基体粒子として、金属以外では、
半金属、非金属の化合物、特に酸化物、炭化物、窒化物
であり、シリカ、ガラスビーズ等を使用することができ
る。その他の無機物としてはシラスバルーン(中空ケイ
酸粒子)などの無機中空粒子、微小炭素中空球(クレカ
スフェアー)、電融アルミナバブル、アエロジル、ホワ
イトカーボン、シリカ微小中空球、炭酸カルシウム微小
中空球、炭酸カルシウム、パーライト、タルク、ベント
ナイト、合成雲母、白雲母、など雲母類、カオリン等を
用いることができる。
【0041】有機物としては、樹脂粒子が好ましい。樹
脂粒子の具体例としては、セルロースパウダー、酢酸セ
ルロースパウダー、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリエ
ステル、メラミン樹脂、ポリウレタン、酢酸ビニル樹
脂、ケイ素樹脂、アクリル酸エステル、メタアクリル酸
エステル、スチレン、エチレン、プロピレン及びこれら
の誘導体の重合または共重合により得られる球状または
破砕の粒子などが挙げられる。特に好ましい樹脂粒子は
アクリル酸またはメタアクリル酸エステルの重合により
得られる球状のアクリル樹脂粒子である。但し、樹脂粒
子を基体とする場合、乾燥における加熱温度は樹脂の融
点以下でなければならない。
【0042】基体の形状としては、球体、亜球状態、正
多面体等の等方体、直方体、回転楕円体、菱面体、板状
体、針状体(円柱、角柱)などの多面体、さらに粉砕物
のような全く不定形な粉体も使用可能である。これらの
基体は、粒径については特に限定するものでないが、
0.01μm〜数mmの範囲のものが好ましい。また、
基体粒子の比重としては、0.1〜10.5の範囲のも
のが用いられるが、得られた粉体を液体等に分散させて
使用する場合には、流動性、浮遊性の面から0.1〜
5.5が好ましく、より好ましくは0.1〜2.8、更
に、好ましくは0.5〜1.8の範囲である。得られた
粉体を液体等に分散させて使用する場合、基体の比重が
0.1未満では液体中の浮力が大きすぎ、膜を多層ある
いは非常に厚くする必要があり、不経済である。一方、
10.5を超えると、浮遊させるための膜が厚くなり、
同様に不経済である。
【0043】本発明においては、前記のように、上記粉
体基体粒子を屈折率が互いに異なる複数の被膜層を用
い、各被膜層の屈折率および層厚を適宜選択して被覆す
ることにより、その干渉色によりシアン色に着色しかつ
可視光域以外にも特異的な干渉反射ピークを発現する粉
体とすることができる。前記したように、基体粒子の表
面上に金属塩の反応により金属水酸化物膜あるいは金属
酸化物膜を析出させるが、固相析出反応の溶媒として、
緩衡溶液を用い、ある一定のpHで適当な速さで析出さ
せる。
【0044】本発明において、金属塩として使用される
金属は、鉄、ニッケル、クロム、チタン、亜鉛、アルミ
ニウム、カドミウム、ジルコニウム、ケイ素、錫、鉛、
リチウム、インジウム、ネオジウム、ビスマス、セリウ
ム、アンチモン等の他、カルシウム、マグネシウム、バ
リウム等が挙げられる。また、これら金属の塩として
は、硫酸、硝酸、塩酸、シュウ酸、炭酸やカルボン酸の
塩が挙げられる。さらにまた、前記金属のキレート錯体
も含まれる。本発明において使用される金属塩の種類
は、その基体の表面に付与しようとする性質や製造に際
して適用する手段に応じてそれに適するものが選択され
る。本発明の粉体は基本的に無色透明の膜を形成し、屈
折率の異なる膜を積層させて着色するため、前記のよう
な金属とその塩が挙げられているが、干渉による着色だ
けでは反射及び吸収スペクトルの波形が所望の色になら
ない場合は、次のような金属コバルト、イットリウム、
硫黄、ユーロピウム、ディスプロシウム、アンチモン、
サマリウム、銅、銀、金、白金、ロジウム、イリジウ
ム、タングステン、鉄、マンガン等の金属の硫酸、硝
酸、塩酸、シュウ酸、炭酸、カルボン酸の塩類が挙げら
れる。さらに前記金属のキレート錯体も含まれる。これ
らの金属の膜中の含有率は10ppm〜15%、好まし
くは10ppm〜15%、さらに望ましくは50ppm〜5
%である。これらの金属の含有率が小さいときには、着
色が不十分となり、多すぎると着色が強すぎて暗い色と
なり本発明の目標である明るい色の粉体が得られないと
いう不都合が生じる。
【0045】これらの金属塩による金属酸化物等の膜
は、複数層形成してもよく、またそれらの金属酸化物等
の膜の上に、必要により金属アルコキシドの加水分解に
よる金属酸化物等、また他の製膜方法による膜を形成す
ることもできる。このようにして、基体粒子の上に多層
の膜を形成することができ、しかもその際、各層の厚さ
が所定の厚さをもつように形成条件を設定することによ
り、目的とする特性を得ることができるようにすること
ができ、また簡単な操作でかつ安価な原料である金属塩
を用いて金属酸化物等の膜を多層に形成することができ
る。特に、高価な金属アルコキシドを原料とすることな
く、多重層膜被覆粉体とすることができる点は重要な利
点である。
【0046】本発明のシアン色粉体を含有するシアン色
色材組成物を製造する方法では、多層被覆膜を連続した
工程として製作しても良く、また、各被覆膜を1層ずつ
製作、あるいは単層製作と複層連続製作を組み合わせる
など種々の方法で製作することができる。本発明に係わ
るシアン色色材組成物の粒径は、特に限定されず、目的
に応じて適宜調整することができるが、通常は0.1μ
m〜数mm、好ましくは0.1μm〜200μmの範囲
である。
【0047】本発明において、その1回に形成させる金
属酸化物膜の膜の厚さとしては、5nm〜10μmの範
囲とすることが可能であり、従来の形成法より厚くする
ことができる。複数回に分けて形成する金属酸化物膜の
合計の厚さとしては、前記したカラー磁性粉体の場合、
その干渉による反射率が良い金属酸化物膜を形成するた
めには、10nm〜20μmの範囲が好ましい、さらに
好ましくは20nm〜5μmの範囲とすることである。
粒径が制限されるなど特に薄い膜厚で可視光を干渉反射
させるためには0.02〜2.0μmの範囲とすること
が好ましい。
【0048】本発明のシアン色色材組成物は上記のよう
に、その製造方法における製膜反応の際に、特に水系溶
媒中で製膜反応させる場合、製膜反応溶媒としてpH一
定条件の水系溶媒を用い、同時に膜被覆反応を超音波分
散条件下で、基体の表面への被膜形成反応により形成さ
れる。本願発明では製膜反応を一定にするために、水系
溶媒に緩衝剤を添加し緩衝溶液とするかあるいはあらか
じめ用意された緩衝溶液が用いられる。また製膜反応の
際には緩衝溶液以外の膜原料を添加し製膜する。製膜原
料添加により製膜を行う際に、pHが大きく変動する場
合には、これを防ぐため、緩衝溶液を追加することが望
ましい。本発明で言うところのpH一定とは、pHが所
定のpHの±2以内、好ましくは±1以内、より好まし
くは±0.5以内を言う。
【0049】緩衡溶液は種々の系が用いられ、特に限定
されないが、まず基体粒子が十分に分散できることが重
要であり、同時に基体の表面に析出した金属水酸化物あ
るいは金属酸化物の膜被覆粉体も電気2重層の働きで分
散でき、かつ上記の緩やかな滴下反応により緻密な被膜
が製膜できる条件を満足するように選択する必要があ
る。従って、本発明の膜被覆粉体の製造法は従来の金属
塩溶液の反応による中和や等電点による析出、または加
熱により分解して析出させる方法とは異なるものであ
る。
【0050】次に、超音波分散条件としては、種々の超
音波発振装置が使用でき、例えば、超音波洗浄機の水槽
を利用することができ、特に限定されない。しかし本発
明の超音波分散の条件としては、発振装置の大きさ、反
応容器の形状および大きさ、反応溶液の量、体積、基体
粒子の量等によって変化してくるので、それぞれの場合
において、適切な条件を選択すればよい。本発明に使用
される緩衡溶液としては、析出させる固相成分に依存
し、特に限定されないが、Tris系、ホウ酸系、グリ
シン系、コハク酸系、乳酸系、酢酸系、酒石酸系、塩酸
系等が挙げられる。
【0051】次に一例として、特に水系溶媒中で製膜反
応させる場合、高屈折率の金属酸化物と低屈折率の金属
酸化物の交互多層膜を形成する方法について具体的に説
明する。まず、酸化チタンあるいは酸化ジルコニウムな
どの被膜を形成する場合、酢酸/酢酸ナトリウム系等の
緩衡溶液中に基体粒子を浸漬し超音波発振により分散
し、チタンあるいはジルコニウムなどの金属塩である硫
酸チタン、硫酸ジルコニウム等を原料とし、これら金属
塩の水溶液を反応系に緩やかに滴下し、生成する金属水
酸化物あるいは金属酸化物を基体粒子のまわりに析出さ
せることにより行うことができる。この滴下反応の間、
pHは上記緩衡溶液のpH(5.4)に保持される。反
応終了後、この粉体を固液分離し、洗浄・乾燥後、熱処
理を施す。乾燥手段としては真空乾燥、自然乾燥のいず
れでもよい。また、不活性雰囲気中で噴霧乾燥機などの
装置を用いることも可能である。なお、この被覆される
膜が酸化チタンである場合には、酸化チタンの形成は下
記の反応式で示される。
【0052】Ti(SO42 + 2H2O → TiO
2 + 4H2(SO42
【0053】硫酸チタニルのTiO2含有量は5g/リ
ットル〜180g/リットルが好ましく、より好ましく
は10g/リットル〜160g/リットルである。5g
/リットル未満では製膜に時間がかかりすぎ、また粉体
処理量が減り、不経済であり、180g/リットルを超
えて高くなると希釈液が添加中に加水分解を起こし製膜
成分にならず、共に不適である。
【0054】続いて、二酸化ケイ素あるいは酸化アルミ
ニウムなどの被膜を形成する場合、KCl/H3BO3
等にNaOHを加えた緩衡溶液中に上記のチタニアコー
ト粒子を浸漬し分散し、ケイ素あるいはアルミニウムな
どの金属塩であるケイ酸ナトリウム、塩化アルミニウム
等を原料とし、これら金属塩の水溶液を反応系に緩やか
に滴下し、生成する金属水酸化物あるいは金属酸化物を
基体粒子のまわりに析出させることにより行うことがで
きる。この滴下反応の間、pHは上記緩衡溶液のpH
(9.0)に保持される。反応終了後、この粉体を固液
分離し、洗浄・乾燥後、熱処理を施す。この操作によ
り、基体粒子の表面に屈折率の異なる2層の、金属酸化
物膜を形成する操作を繰り返すことにより、多層の金属
酸化物膜をその表面上に有する粉体が得られる。なお、
この被覆される膜が二酸化ケイ素である場合には、二酸
化ケイ素の形成は下記の反応式で示される。
【0055】Na2SiX2X+1 + H2O → XS
iO2 + 2Na+ + 2OH-
【0056】次に、本発明のシアン色色材組成物が含有
するシアン色粉体が有する結晶化微粒子構成膜は、光を
散乱反射し、明度を高めることができるものであれば、
どのような物質からなるものでも構わないが、高屈折率
を有する物質からなるものが好ましい。高屈折率を有す
る物質としては、特に限定されないが、酸化チタン(チ
タニア)、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、酸化セリ
ウム、酸化アンチモン、酸化インジウム等の酸化物を用
いることができ、屈折率が高く、汎用である酸化チタン
(チタニア)が最も好ましい。
【0057】上記のような結晶化微粒子構成膜を製膜す
る方法としては、製膜反応液相中での固相析出による方
法等が用いられる。具体的には、本発明者らが先に提案
した特開平6−228604号公報、特開平7−903
10号公報、国際公開WO96/28269号公報に記
載されている有機溶媒中での金属アルコキシドの加水分
解による固相析出法(金属アルコキシド法)や、特開平
11−131102号公報に添付の明細書に記載の水溶
液中での金属塩からの反応による固相析出法(水系法)
等が挙げられる。この場合、製膜反応液中で、基体粒子
の表面に析出物の膜が成長する速度(線成長速度)より
も、反応液中で固相微粒子が析出する速度が速くなるよ
うに、反応溶液濃度、添加触媒量、基体粒子分散量を調
整する。上記のようにして、製膜反応液中に析出した固
相微粒子を、基体粒子表面に付着させ、固相微粒子で構
成された被覆膜を形成する。
【0058】なお、この時点で膜にとりこまれた固相微
粒子は非晶質であり、該固相微粒子間の空隙も未形成で
あり、光の散乱反射が生じず、また膜の機械的強度も非
常に低いものである。そのため、この固相微粒子で構成
された被覆膜を焼成する。この焼成により前記非晶質の
固相微粒子は結晶化し、該結晶化微粒子間には空隙も形
成され、前述の光を散乱反射する結晶化微粒子構成膜と
なる。
【0059】該結晶化微粒子構成膜を形成するために
は、前述の金属アルコキシド法よりも、水系法の方が線
成長速度と固相析出速度の関係を好適なものとするのに
簡易であるため好ましい。また金属アルコキシド法は原
料として高価な金属アルコキシドや、反応溶媒として比
較的高価で危険性のある有機溶媒を必要とする。このた
め、製造装置または設備等も防爆仕様にしなければなら
ず、更に、コストパーフォマンスが悪くなる。この点か
らも金属アルコキシド法に比べ水系法が好ましい。ま
た、核粒子が金属や酸化物などでも水に対して、不安定
な物質の場合には、金属アルコキシド法で第1層目を形
成し安定化することにより、第二層目以降を水系法で被
覆する併用法が好ましい。
【0060】なお、前記焼成は前記固相微粒子で構成さ
れた被覆膜を形成した後に行ってもよいが、更に該被覆
膜の上に、その被覆膜が結晶化微粒子構成膜となった場
合その表面の空隙を塞ぐための緻密膜を形成することが
できる超微粒子で被覆した後に行うことが、得られるシ
アン色粉体の膜強度の点から望ましい。焼成は300〜
1200℃で行うことが好ましい。
【0061】本発明のシアン色色材組成物において、含
有されるシアン色粉体の上記の結晶化微粒子構成膜は2
層以上であってもよい。その場合、2層の結晶化微粒子
構成膜の間には、低屈折率の光透過性の被覆膜が存在す
ることが好ましい。該低屈折率の光透過性の被覆膜とし
ては特に限定されないが、金属化合物、有機物等からな
るものが挙げられる。
【0062】前記金属化合物としては、金属酸化物や金
属硫化物、金属セレン化物、金属テルル化物、金属フッ
化物を挙げることができる。より具体的には、酸化亜
鉛、酸化アルミニウム、酸化カドミウム、酸化チタン、
酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化珪素、酸化アン
チモン、酸化ネオジウム、酸化ランタン、酸化ビスマ
ス、酸化セリウム、酸化錫、酸化マグネシウム、酸化リ
チウム、酸化鉛、硫化カドミウム、硫化亜鉛、硫化アン
チモン、セレン化カドミウム、テルル化カドミウム、フ
ッ化カルシウム、フッ化ナトリウム、フッ化アルミニウ
ム3ナトリウム、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム
等を好適に使用できる。
【0063】以下に、前記金属化合物膜の製膜方法につ
いて説明する。製膜方法としては、PVD法、CVD法
あるいはスプレードライ法等の気相蒸着法により、基体
粒子の表面に直接、蒸着する方法が可能である。しかし
ながら、本発明者らが先に提案した前記特開平6−22
8604号公報、特開平7−90310号公報あるいは
国際公開WO96/28269号公報に記載されている
金属アルコキシド法や、特開平11−131102号公
報に記載の水系法が好ましい。この場合、前述の結晶化
微粒子構成膜の製膜と異なり、線成長速度は固相析出速
度よりも高くして、非晶質の均一膜が形成されるように
反応条件を調整する。
【0064】前記有機物としては、特に限定されるもの
ではないが、好ましくは樹脂である。樹脂の具体例とし
ては、セルロース、酢酸セルロース、ポリアミド、エポ
キシ樹脂、ポリエステル、メラミン樹脂、ポリウレタ
ン、酢酸ビニル樹脂、ケイ素樹脂、アクリル酸エステ
ル、メタアクリル酸エステル、スチレン、エチレン、プ
ロピレン及びこれらの誘導体の重合体または共重合体な
どが挙げられる。 (1)有機物膜(樹脂膜)を形成する場合、 a.液相中、基体粒子を分散させて乳化重合させること
により、その粒子の上に樹脂膜を形成させる方法(液相
中での重合法)や、b.気相中での製膜法(CVD)
(PVD)等が採られる。
【0065】本発明のシアン色色材組成物に含有される
シアン色粉体として、基体粒子上に多層膜を有するもの
を製造する場合の例を以下に示す。例えば、前記の基体
粒子が高屈折率の物質からなるものであれば、その上に
低屈折率の光透過性膜を設け、さらにその上に高屈折率
の粒子構成膜、またさらに、その上に低屈折率の光透過
性膜と、順次交互に設ける。また、基体粒子が低屈折率
のものならば、その上に高屈折率の粒子構成膜、さらに
その上に低屈折率の光透過性膜、またさらにその上に、
高屈折率の粒子構成膜と、順次設ける。
【0066】次に、本発明において製膜に使用する具体
的原料、特に金属塩について説明する。高屈折率の膜を
製膜するのに使用する原料としては、酸化チタン膜用に
は、チタンのハロゲン化物、硫酸塩等、酸化ジルコニウ
ム膜用には、ジルコニウムのハロゲン化物、硫酸塩、カ
ルボン酸塩、シュウ酸塩、キレート錯体等、酸化セリウ
ム膜用には、セリウムのハロゲン化物、硫酸塩、カルボ
ン酸塩、シュウ酸塩等、酸化ビスマス膜用には、ビスマ
スのハロゲン化物、硝酸塩、カルボン酸塩等、酸化イン
ジウム膜用には、インジウムのハロゲン化物、硫酸塩等
が好ましい。また、低屈折率の膜を製膜するのに使用す
る原料としては、酸化ケイ素膜用には、ケイ酸ソーダ、
水ガラス、ケイ素のハロゲン化物、アルキルシリケート
等の有機ケイ素化合物とその重合体等、酸化アルミニウ
ム膜用には、アルミニウムのハロゲン化物、硫酸塩、キ
レート錯体等、酸化マグネシウム膜用には、マグネシウ
ムの硫酸塩、ハロゲン化物等が好ましい。また、例えば
酸化チタン膜の場合には、塩化チタンに硫酸チタンを混
合すると、より低温で屈折率の高いルチル型の酸化チタ
ン膜になる等の効果がある。
【0067】また、被覆の際の反応温度は各金属塩の種
類に適した温度に管理して被覆することにより、より完
全な酸化物膜を製作することができる。水系溶媒中での
基体の表面への被膜形成反応(固相析出反応)が遅すぎ
る場合には、反応系を加熱して固相析出反応を促進する
こともできる。但し、加熱の熱処理が過剰であると、該
反応速度が速すぎて、過飽和な固相が膜にならず、水溶
液中に析出し、ゲルあるいは微粒子を形成し、膜厚制御
が困難になる。
【0068】被覆膜は製作後、蒸留水を加えながら傾斜
洗浄を繰り返して、電解質を除去した後、乾燥・焼成等
の熱処理を施し、固相中に含まれた水を除去して、完全
に酸化物膜とすることが好ましい。また、製膜後の粉体
を回転式チューブ炉などで熱処理することにより、固着
を防ぐことができ、分散された粒子を得ることができ
る。水酸化物膜あるいは酸化物膜を形成し、それを熱処
理するには、各層を被覆する毎に熱処理しても良く、ま
た、目的の多層膜を完成後最後に熱処理しても良い。熱
処理条件は反応系により異なるが、上記の熱処理温度と
しては200〜1300℃であり、好ましくは400〜
1100℃である。200℃以下では塩類や水分が残っ
てしまう事あり、1300℃を超えて高くなると、膜と
基体が反応し別の物質となることがあり、共に不適であ
る。熱処理時間としては0.1〜100時間であり、好
ましくは0.5〜50時間である。
【0069】次に本発明に係るシアン色色材組成物を調
製する場合の(1)シアン色インキあるいは塗料様組成
物(流体)および(2)シアン色トナー、シアン色乾式
インキ様組成物(粉体)のそれぞれについて説明する。 (1)本発明においてシアン色インキあるいは塗料様組
成物(流体)の媒質(ビヒクル)としては、カラー印刷
用、カラー磁気印刷用、カラー磁気塗料用に用いられ
る、従来公知のワニスを用いることができ、例えば液状
ポリマー、有機溶媒に溶解したポリマーやモノマーなど
を粉体の種類やインキの適用方法、用途に応じて適宜に
選択して使用することができる。
【0070】上記液状ポリマーとしては、ポリペンタジ
エン、ポリブタジエン等のジエン類、ポリエチレングリ
コール類、ポリアミド類、ポリプロピレン類、ワックス
類あるいはこれらの共重合体編成体等を挙げることがで
きる。有機溶媒に溶解するポリマーとしては、オレフィ
ン系ポリマー類、オリゴエステルアクリレート等のアク
リル系樹脂類、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリイ
ソシアネート類、アミノ樹脂類、キシレン樹脂類、ケト
ン樹脂類、ジエン系樹脂類、ロジン変性フェノール樹
脂、ジエン系ゴム類、クロロプレン樹脂類、ワックス類
あるいはこれらの変性体や共重合体などを挙げることが
できる。有機溶媒に溶解するモノマーとしては、スチレ
ン、エチレン、ブタジエン、プロピレンなどを挙げるこ
とができる。有機溶媒としては、エタノール、イソプロ
パノール、ノルマルプロパノール等のアルコール類、ア
セトン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、
ケロシン、ベンジン炭化水素類、エステル類、エーテル
類あるいはこれらの変性体や共重合体などを挙げること
ができる。
【0071】(2)シアン色トナー、シアン色乾式イン
キ、シアン色乾式塗料様組成物(粉体)は、上記シアン
色色材多層膜被覆粉体を、樹脂とあるいは必要に応じて
調色材とを、スクリュー型押出機、ロールミル、ニーダ
などで直接混練し、ハンマミル、カッターミルで粗粉砕
したあと、ジェットミルなどで微粉砕し、エルボージェ
ットなどで必要な粒度に分級することにより粉体状シア
ン色色材組成物を得ることができる。また、乳化重合法
や懸濁重合法などの重合法を用いて、シアン色色材多層
膜被覆粉体を粉体状シアン色色材組成物とすることもで
きる。さらに、シアン色多層膜被覆粉体と樹脂、調色剤
などの添加剤および溶剤をコロイドミルや3本ロールで
液状化しインキ塗料などの液状シアン色材組成物とする
こともできる。明度を上げるための調色材としては、白
色顔料(展色材)である、例えば、酸化チタン、酸化亜
鉛、酸化錫、酸化珪素、酸化アンチモン、酸化鉛等ある
いはこれらの複合酸化物類、また炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、炭酸バリウム等の炭酸塩、あるいは硫酸
バリウム、硫酸カルシウムのような硫酸塩類、硫酸亜鉛
のような硫化物あるいは前記酸化物や炭酸塩および硫酸
塩を焼結した複合酸化物、複合含水酸化物類が挙げられ
る。
【0072】彩度、色相を調整するため、特にフルカラ
ー用混色で色再現用に使用する場合の調色材としては、
青色顔料である(有機染料・顔料)アルカリブルーレー
キ、ピーコックレーキ、ピーコックレーキブルー等のレ
ーキ染料およびレーキ顔料、オイルブルー等、オイル染
料顔料、アルコールブルー等のアルコール染料、フタロ
シアニン、銅フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料
等、(無機顔料)ウルトラマリン等の酸化物硫化物複合
顔料、鉄青、ミロリーブルー等の銅系群青紺青顔料類、
コバルトブルー、セルリアンブルー等の酸化コバルト系
複合酸化物類青色顔料、青色系有機染料および顔料およ
び青色無機顔料アルカリブルーレーキ、ピーコックブル
ーレーキ等のレーキ染料、レーキ系顔料無金属フタロシ
アニン、銅フタロシアニン等のフタロシアニン系染顔料
および緑色顔料であるクロームグリーン、ジンクグリ
ーン、酸化クロム、含水クロム(ビリジアン)等のクロ
ム系酸化物および含水酸化物、エメラルドグリーン等の
銅系酸化物、コバルトグリーン等のコバルト系酸化物等
の無機顔料あるいは、ピグメントグリーン、ナフトール
グリーンなどのニトロソ顔料、グリーンゴールド等のア
ゾ系顔料、フタロシアニングリーン、ポリクロム銅フタ
ロシアニン等のフタロシアニン系顔料、マラカイトグリ
ーンレーキ、アシッドグリーンレーキなどのレーキ系、
オイルグリーン等、オイル染料顔料アルコールブルー等
のアルコール染料顔料等有機染顔料が挙げられる。しか
し本発明はこれらのみに限定されるものではない。さら
に、微妙な色調制御においては青色、黄色、赤紫色など
の顔料や染料を用いて調色することが必要な場合は、こ
れらの顔料を添加することにより最適のシアン色とする
ことが好ましい。
【0073】この粉体状シアン色色材組成物の場合、
(a)上記粉砕法で製造する場合の樹脂としては、特に
限定されるものではないが、ポリアミド、エポキシ樹
脂、ポリエステル、メラミン樹脂、ポリウレタン、酢酸
ビニル樹脂、ケイ素樹脂、アクリル酸エステル、メタア
クリル酸エステル、スチレン、エチレン、ブタジエン、
プロピレン及びこれらの誘導体の重合体または共重合体
などが挙げられる。 (b)重合法の場合、エステル、ウレタン、酢酸ビニ
ル、有機ケイ素、アクリル酸、メタアクリル酸、スチレ
ン、エチレン、ブタジエン、プロピレン等のうち1種あ
るいは複数の混合物から重合を開始させ、重合体あるい
はこれらの共重合体などが形成される。
【0074】本発明のシアン色色材組成物は上記のよう
に、(1)シアン色インキあるいは塗料様組成物(流
体)および(2)シアン色トナー、シアン色乾式インキ
様組成物(粉体)の形をとる。また、流体状の場合に
は、シアン色インキ、塗料等であり、前記調色材、乾燥
の遅い樹脂には固化促進剤、粘度を上げるために増粘
剤、粘性を下げるための流動化剤、粒子同志の分散のた
めに分散剤などの成分を含ませることができる。一方、
粉体の場合には、(a)粉砕法で粉体を製造する場合に
は、前記調色材、乾燥の遅い樹脂には固化促進剤、混練
の際の粘性を下げるためには流動化剤、粒子同志の分散
のためには分散剤、紙等への定着のための電荷調整剤、
ワックスなどの成分を含ませることができる。(b)重
合法を用いる場合には、前記調色材、重合開始剤、重合
促進剤、粘度を上げるためには増粘剤、粒子同志の分散
のためには分散剤、紙等への定着のための電荷調整剤、
ワックスなどの成分を含ませることができる。本発明の
シアン色色材組成物中の多層膜被覆粉体は、単一の粉体
ないしは分光特性の異なる複数の粉体の組み合せによ
り、湿式および乾式カラー印刷や湿式および乾式カラー
磁気印刷に適用できるほか、3原色の粉体を用いて、可
視光、非可視光(紫外域およびシアン外域)、蛍光発色
および磁気、さらに電気(電場の変化)の6種の組合せ
の識別機能を持ち、印刷物の偽造防止用カラー磁性イン
キなどセキュリティ機能を必要とする他の用途に適用す
ることができる。
【0075】前記本発明のシアン色色材組成物をシアン
色インキあるいは塗料様組成物またはシアン色トナー、
シアン色乾式インキ様組成物、シアン色乾式塗料組成物
として、基材に印刷、溶融転写または被塗装体に塗布す
る場合、シアン色色材組成物中のシアン色色材多層膜被
覆粉体と樹脂の含有量の関係は、体積比で1:0.5〜
1:15である。媒質の含有量が少な過ぎると塗布した
膜が被塗装体に固着しない。また、多過ぎると顔料の色
が薄くなりすぎ良いインキまたは塗料といえない。ま
た、シアン色インキあるいは塗料組成物中のシアン色色
材および樹脂を合わせた量と溶剤の量との関係は、体積
比で1:0.5〜1:10であり、溶剤の量が少な過ぎ
ると塗料の粘度が高く、均一に塗布できない。また、溶
剤の量が多過ぎると塗膜の乾燥に時間を要し塗布作業の
能率が極端に低下する。
【0076】また、基材に印刷、溶融転写または被塗装
体に塗料を塗布した際の塗膜の色の濃度は、被塗装体の
単位面積当たりに載った顔料の量によって決まる。塗料
が乾燥した後の被塗装体上の本発明のシアン色色材多層
膜被覆粉体の量は、均一に塗布した場合の面積密度で1
平方メートルあたり0.1〜300gであり、好ましく
は0.1〜100gであれば良好な塗装色が得られる。
面積密度が前記の値より小さければ被塗装体の地の色が
現れ、前記の値より大きくても塗装色の色濃度は変わら
ないので不経済である。すなわち、ある厚さ以上に顔料
を被塗装体上に載せても、塗膜の下側の顔料にまでは光
りが届かない。かかる厚さ以上に塗膜を厚くすること
は、塗料の隠蔽力を越えた厚さであるので塗装の効果が
なく不経済である。ただし、塗膜の磨耗を考慮し、塗膜
の厚さが摩り減るため厚塗りする場合はこの限りではな
い。また特定の意匠等を部分的に形成する場合にもこの
限りではない。
【0077】
【実施例】以下に本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、勿論本発明の範囲は、これらによって限定
されるものではない。 〔実施例1〕(磁性体を用いたシアン色色材組成物1、
水系2層被覆) (第1層シリカ膜の製膜) (1)緩衡液の調整 1リットルの水に対し、0.4Mの塩化カリウム試薬と
0.4Mのほう酸を溶解し、緩衡溶液1とした。1リッ
トルの水に対し、0.4Mの水酸化ナトリウムを溶解
し、緩衡溶液2とした。250mlの上記緩衡溶液1と
115mlの上記緩衡溶液2とを混合均一化し、緩衡溶
液3とした。 (2)ケイ酸ナトリウム水溶液(水ガラス溶液) ケイ酸ナトリウム試薬を純水で希釈し、SiO2含有量
が10wt%になるように濃度調整した。
【0078】(3)シリカ製膜 基体粒子として15gのマグネタイト粉末(平均粒径
2.3μm)を、あらかじめ準備しておいた189ml
の緩衡溶液3(pH:約9.0)と純水34mlとの混
合液に入れ分散液とした。この分散液を入れた容器を、
水を張った超音波洗浄機((株)井内盛栄堂製、US−
6型)の水槽に入れ、28kHZ、200Wの超音波浴
槽中で超音波をかけながら、さらに、マグネタイト粉を
緩衡溶液3中で撹拌しながら分散させた。これに、同じ
くあらかじめ用意しておいた148mlのケイ酸ナトリ
ウム水溶液を40ml/分で添加し、徐々に反応分解さ
せ、表面にシリカ膜を析出させた。ケイ酸ナトリウム水
溶液添加終了後、さらに、2時間反応させ、未反応原料
をすべて反応させた。製膜反応終了後、シリカ製膜粉を
含むスラリーを十分な水でデカンテーションを繰り返
し、洗浄した。洗浄後、シリカ製膜粉をバットに入れ、
沈降分離し、上液を捨てた後、乾燥機で空気中で150
℃、8時間乾燥し、シリカ被覆マグネタイト粉A1を得
た。
【0079】(第2層チタニア膜の製膜) (1)緩衡液の調整 1リットルの脱イオン水に対し、0.3Mの酢酸、0.
9Mの酢酸ナトリウムを溶解し、緩衡溶液4とした。 (2)硫酸チタン水溶液 濃度が0.6M/リットルとなるように硫酸チタンを水
に添加し、希釈調整し、硫酸チタン水溶液とした。
【0080】(3)チタニア製膜 4gの上記粉体A1に対し、406mlの緩衡溶液4
(pH:約8.4)と純水48mlを用意し、その混合
液中に粉体A1を、上記シリカ製膜時と同様に、超音波
分散しながら、超音波浴槽中で十分に分散した。その
後、液の温度を50〜55℃に保ちながら、あらかじめ
用意しておいた10%硫酸チタン水溶液総量48mlを
1.9ml/分で滴下し、液中で固相微粒子を析出させ
液を薄く白濁させた。その後、粉体A1 表面に該固相微
粒子を固定させるため、滴下速度を1.5ml/分に下
げ、未反応分を徐々に析出させた。すると、液中に析出
していた固相微粒子が基体粒子表面に固定され、またさ
らに、基体粒子表面に固定された固相微粒子よりも粒径
が小さい超微粒子により、その表面が覆われた。
【0081】(4)洗浄乾燥 製膜反応終了後、純水でデカンテーションを繰り返し、
未反応分と過剩硫酸および反応により形成された硫酸を
除き、固液分離を行い、真空乾燥機で乾燥後、乾燥粉を
得た。得られた乾燥粉を、回転式チューブ炉で、650
℃で30分加熱処理(焼成)を行い、表面が平滑なシリ
カ/チタニア被覆マグネタイト粉A2を得た。この2層
膜被覆粉体A2は淡いシアン色であり、その1kOeで
の磁化は36emu/gであった。この2層膜被覆粉体
2の最大反射ピークは435nmで、明るいシアン色
となった。
【0082】上記被覆膜の被覆粉体の分光反射曲線のピ
ーク波長、そのピーク波長での反射率、被覆膜の屈折
率、膜厚の値を下記の方法で測定した。 1)分光反射曲線は、日本分光製、積分球付分光光度計
で粉体試料をガラスホルダーに詰め、その反射光を測定
した。測定方法はJISZ8723(1988)によ
り、測定した。 2)屈折率と膜厚は、異なる条件で作製した、膜厚の試
料の分光反射曲線測定結果を、干渉の式に基づく機器計
算の曲線とのフィッティングにより求め評価した。
【0083】(5)多層膜被覆粉体の表面疎水化処理 得られたシリカ/チタニアコート粉体A210gを、シ
リコンエトキシド0.2gを溶解したエタノール溶液2
00ml中に分散し、容器をオイルバスで加熱して液の
温度を55℃に保持した。これにアンモニア水(29%
濃度)3gを添加し、3時間撹拌後、濾過し、真空乾燥
機で100℃で2時間乾燥し、疎水化処理されたシアン
色多層膜被覆粉体A3を得た。
【0084】(6)接着樹脂層 (ポリスチレン複合粉体、トナー化)スチレンモノマー
100gにあらかじめ前記の表面処理方法で親油化した
シアン色系多層被覆粉体A3100gを分散するまで高
速攪拌機で攪拌し、均一化した。このスチレンモノマー
と粒子の混合物を、n−ドデシル硫酸ナトリウムを蒸留
水500gに溶解した溶液を70℃に温度を保持し、高
速攪拌しながら投入し、十分に乳化粒子を微粒子化する
まで攪拌した。これに10%過硫酸アンモニウム水溶液
10gを添加し、4時間攪拌して反応させた。反応終了
後、蒸留水2リットルで希釈し、傾斜洗浄で上液を捨て
沈澱物を集める。沈澱物をろ紙上で乾燥し、シアン色の
ポリスチレン被覆粉体Aを得た。得られたシアン色の粉
Aは球状で、また磁場1kOeでの磁化は17.1em
u/gであった。上記第1〜2層の各屈折率、膜厚、被
覆粉体の分光反射曲線のピーク波長およびそのピーク波
長での反射率を表1に示す。
【0085】
【表1】
【0086】〔実施例2〕(磁性体を用いたシアン色色
材組成物2、水系3層被覆) (第1層シリカ膜の製膜) (1)シリカ製膜 基体粒子として、15gの球状マグネタイト粉末(平均
粒径2.3μm)を、あらかじめ準備しておいた231
mlの前記緩衡溶液3(pH:約9.0)と純水154
mlとの混合液に入れ分散液とした。この分散液を入れ
た容器を、水を張った超音波洗浄機((株)井内盛栄堂
製、US−6型)の水槽に入れ、26kHZ、600W
の超音波浴槽中で超音波をかけながら、さらに、マグネ
タイト粉を含む緩衡溶液3中で撹拌しながら分散させ
た。これに、同じくあらかじめ用意しておいた123m
lのケイ酸ナトリウム水溶液を40ml/分で添加し、
徐々に反応分解させ、表面にシリカ膜を析出させた。
【0087】ケイ酸ナトリウム水溶液添加終了後、さら
に2時間反応させ、未反応原料をすべて反応させた。製
膜反応終了後、シリカ製膜粉を含むスラリーを十分な水
でデカンテーションを繰り返し、洗浄した。洗浄後、シ
リカ製膜粉をバットに入れ、沈降分離し、上液を捨てた
後、乾燥機で空気中で150℃、8時間乾燥した後、窒
素雰囲気中で500℃で30分熱処理(焼成)して、シ
リカ被覆マグネタイト粉B1を得た。
【0088】(第2層チタニア膜の製膜)実施例1と同
様に、緩衡溶液4および硫酸チタン水溶液を調製、準備
した。15gの上記粉体B1に対し、1313mlの緩
衡溶液4(pH:約8.4)と純水1583mlを用意
し、その緩衡溶液4中に粉体B1を、上記シリカ製膜時
と同様に、超音波分散しながら、超音波浴槽中で十分に
分散した。その後、液の温度を50〜55℃に保ちなが
ら、あらかじめ用意しておいた硫酸チタン水溶液を1.
8ml/分の一定速度で徐々に滴下した。滴下初期時に
は、液中に固相微粒子が析出したが、基体粒子表面に固
定され、またさらに、基体粒子表面に固定された固相微
粒子よりも粒径の小さい超微粒子によりその表面が覆わ
れた、シリカ/チタニア被覆マグネタイト粉B2を得
た。この2層膜被覆粉体B2は淡いシアン色であり、最
大反射ピークは428nmであり、実施例1で得られた
粉体A1と同様であった。この粉体B2の表面は僅かに凹
凸があり、部分的にチタニア粒子の凸部もみられた。
【0089】(第3層シリカ膜の製膜、シリカ薄膜によ
り前記チタニア膜表面を閉じ込めた場合)実施例1と同
様に、緩衡溶液1、2およびケイ酸ナトリウム水溶液
(水ガラス溶液)の調製を行った。上記粉体シリカ/チ
タニア被覆マグネタイト粉B215gにシリカ膜の製膜
を行った。緩衝溶液量は上記第1層被覆と同様であった
が、ケイ酸ナトリウム水溶液の滴下速度は同じにして滴
下量を8mlとして製膜を行い、未反応物がなくなるま
で、2時間反応させ、前記と同様に洗浄し、洗浄後、回
転式チューブ炉で、窒素雰囲気中で500℃で30分加
熱処理(焼成)を行い、シリカ/チタニア被覆マグネタ
イト粉B3を得た。
【0090】得られた粉体B3は、表面が平滑なシリカ
膜2層の間に、チタニア微粒子が結晶化し、光散乱が大
きい淡いシアン色の粉体となった。B3の表面は、凹凸
がなくなり、ほぼ平滑で、また穴や割れ、くぼみ等はな
かった。透過電子顕微鏡での観察において、シリカ層2
層の間に、チタニア微粒子の結晶化が認められ、粒子間
に空隙が存在していたため、粒子と空隙の間で散乱反射
が大きくなったものと考えられる。この3層膜被覆粉体
3の最大反射ピークは428nmであった。
【0091】(接着樹脂層、ポリスチレン複合粉体)ス
チレンモノマー100gにあらかじめ前記の表面処理方
法で親油化したシアン色色材多層被覆粉体B3、100g
と同じく親油化した酸化チタン45gを分散するまで高
速攪拌機で攪拌し、均一化した。このスチレンモノマー
と粒子の混合物を、n−ドデシル硫酸ナトリウムを蒸留
水500gに溶解した溶液を70℃に温度を保持し、高
速攪拌しながら投入し、十分に乳化粒子を微粒子化する
まで攪拌した。これに10%過硫酸アンモニウム水溶液
10gを添加し、4時間攪拌して反応させた。反応終了
後、蒸留水2リットルで希釈し、傾斜洗浄で上液を捨て
沈澱物を集める。沈澱物をろ紙上で乾燥し、シアン色の
ポリスチレン被覆粉体Bを得た。得られたシアン色色材
組成物Bの粉体は球状で、磁場1kOeでの磁化は17
emu/gであった。上記第1〜3層の各屈折率、膜
厚、被覆粉体の分光反射曲線のピーク波長およびそのピ
ーク波長での反射率を表2に示す。
【0092】
【表2】
【0093】〔実施例3〕(磁性体を用いたシアン色色
材組成物3、散乱粒子を表面に付着した場合、水系4層
被覆) (第1層シリカ膜の製膜)基体粒子として、40gのマ
グネタイト粉(平均粒径0.7μm)を、実施例1と同
様に、あらかじめ準備しておいた2800gの緩衡溶液
3(pH:約9.0)純水233mlとの混合液に入れ
分散液とした。28kHZ、600Wの超音波浴槽中で
超音波をかけながら、さらに、マグネタイト粉を含む緩
衡溶液3中で撹拌しながら分散させた。これに、同じく
あらかじめ用意しておいた1167mlのケイ酸ナトリ
ウム水溶液を2.67ml/分で徐々に添加し、表面に
シリカ膜を析出させた。ケイ酸ナトリウム水溶液添加終
了後、さらに2時間反応させ、未反応原料をすべて反応
させた。製膜反応終了後、シリカ製膜粉を含むスラリー
を十分な水でデカンテーションを繰り返し、洗浄した。
洗浄後、シリカ製膜粉をバットに入れ、沈降分離し、上
液を捨てた後、乾燥機で空気中で150℃、8時間乾燥
し、シリカ被覆マグネタイト粉C1を得た。
【0094】(第2層チタニア膜の製膜)40gの上記
粉体C1に対し、4,667mlmlの前記緩衡溶液3
と4,667mlの純水を用意し、その純水中にC1
を、上記シリカ製膜時と同様に、超音波分散しながら、
超音波浴槽中で十分に分散した。その後、液の温度を5
0〜55℃に保ちながら、あらかじめ用意しておいた、
1890mlの硫酸チタニル水溶液(TiO2、15w
%)を1.25ml/分の一定速度で徐々に滴下し、液
を僅かに白濁させながら滴下を終了させた。滴下終了
後、さらに3時間反応を行い、未反応分を徐々に析出さ
せ、その粒子を膜の中に取り込んだ。製膜反応終了後、
十分な純水でデカンテーションを繰り返し、未反応分と
過剰硫酸および反応により形成された硫酸を除き、固液
分離を行い、真空乾燥機で乾燥後、乾燥粉を得た。得ら
れた乾燥粉を、回転式チューブ炉で、650℃で30分
加熱処理(焼成)を行い、シリカ/チタニア被覆マグネ
タイト粉C2を得た。この2層膜被覆粉体C2は明るいシ
アン色であり、最大反射ピークは422nmでであっ
た。
【0095】(第3層シリカ膜の製膜)40gのシリカ
/チタニア被覆マグネタイト粉C2に対し、1層目と同
様に、あらかじめ準備しておいた3,360mlの緩衡
溶液3(pH:約9.0)と純水280mlを入れ、2
8kHZ、600Wの超音波浴槽中で超音波をかけなが
ら、さらに、マグネタイト粉を含む混合液中で撹拌しな
がら分散させた。これに、同じくあらかじめ用意してお
いた1,400mlのケイ酸ナトリウム水溶液を2.6
7ml/分で徐々に添加し、表面にシリカ膜を析出させ
た。ケイ酸ナトリウム水溶液添加終了後、さらに2時間
反応させ、未反応原料をすべて反応させた。製膜反応終
了後、シリカ製膜粉を含むスラリーを十分な水でデカン
テーションを繰り返し、洗浄した。洗浄後、シリカ製膜
粉をバットに入れ、沈降分離し、上液を捨てた後、乾燥
機で空気中で150℃、8時間乾燥し、シリカ被覆マグ
ネタイト粉C3を得た。
【0096】(第4層チタニア膜の製膜)40gの上記
粉体C3に対し、5,600mlの緩衡溶液4と純水
5,600mlの純水を用意し、その混合液中に粉体C
3を、上記シリカ製膜時と同様に、超音波分散しなが
ら、超音波浴槽中で十分に分散した。その後、液の温度
を50〜55℃に保ちながら、あらかじめ用意しておい
た、2,268mlの硫酸チタニル水溶液(TiO2
15w%)を1.25ml/分の一定速度で徐々に滴下
し、固相微粒子を析出させ液を僅かに白濁させながら滴
下を終了させた。滴下終了後、さらに3時間反応を行
い、未反応分を徐々に固相微粒子として析出させ、その
微粒子を膜の中に取り込んだ。製膜反応終了後、十分な
純水でデカンテーションを繰り返し、未反応分と過剰硫
酸および反応により形成された硫酸を除き、固液分離を
行い、真空乾燥機で乾燥後、乾燥粉を得た。
【0097】得られた乾燥粉を、回転式チューブ炉で、
650℃で30分加熱処理(焼成)を行い、シリカ/チ
タニア被覆マグネタイト粉C4を得た。この4層膜被覆
粉体C4はシアン色であり、最大反射ピークは432n
mであった。
【0098】(シアン色インキ組成物の調製)このよう
にして得られたシリカ/チタニア被覆マグネタイト粉C
4、30gを、あらかじめエタノール80gにアクリル
ポリマー(テクノビット、Kulzer社製)2.5g
を溶解した溶液中に分散した後、酸化チタン(シリコン
疎水処理品:展色材)20gおよびヒドロキシプロピル
セルロース3.2gを加えた混合液を、ジルコニアボー
ルミルで8時間分散処理を行い、シアン色色材組成物の
塗料分散液CLを得た。
【0099】(塗布および分光特性)上記シアン色色材
組成物の分散液CLを、ブレードコーターで熱転写用プ
ラスチックフィルムに塗布した。シアン色色材組成物の
塗布量(乾燥後)は60g/m2とした。乾燥後、得ら
れた塗布紙Cの色は最大反射ピーク波長430nmで、
反射率67%の明るいシアン色となった。また、この塗
布祇Cの1m2当たりの1kOeでの磁化は1,140
emu/cm2であった。上記第1〜4層の各屈折率、
膜厚、被覆粉体の分光反射曲線のピーク波長およびその
ピーク波長での反射率を表3に示す。
【0100】
【表3】
【0101】〔実施例4〕(磁性体を用いたシアン色色
材組成物4、金属アルコキシドの加水分解による3層被
覆) (第1層シリカ膜の製膜)10gのBASF製カーボニ
ル鉄粉(平均粒径1.8μm,10kOeでの磁化は2
03emu/gを、あらかじめ158.6gのエタノー
ルに6.3gのシリコンエトキシドを溶解した溶液中で
分散した後、攪拌しながら、あらかじめ用意しておいた
6.3gのアンモニア水(29%)および8.4gの脱
イオン水の混合溶液を添加した。添加後、5時間、常温
で反応させた。反応後、十分なエタノールで希釈洗浄
し、濾過し、真空乾燥機で110℃、3時間乾燥した。
乾燥後、回転式チューブ炉を用いて、窒素雰囲気中で8
00℃で30分熱処理(焼成)を施し、冷却し、シリカ
コート鉄粉D1を得た。
【0102】(第2層チタニア膜の製膜)セパラブルフ
ラスコ中で、10gの上記シリカコート粉体D1を、あ
らかじめ198.3gのエタノールに8.1gのチタン
イソプロポキシドを加えた液中に分散した後、攪拌しな
がら、あらかじめ用意しておいた4.9gの純水を4
7.9gのエタノールに混合した溶液を1時間かけて、
滴下した。滴下後、5時間、常温で反応させた。反応
後、十分なエタノールで希釈洗浄し、濾過し、真空乾燥
機で110℃、3時間乾燥し,シリカ/チタニアコート
鉄粉D2を得た。乾燥後のチタニア層を透過電子顕微鏡
を用いて層内の粒子状態を観察したところ、1〜10n
mの酸化チタン固相微粒子がみられたが、膜の内部には
粒子間の空隙はなく均一に充填されていた。この酸化チ
タン膜の平均膜厚は76nmであり、411nmに分光
反射曲線のピーク波長を有し、明るいシアン色でであっ
た。
【0103】(第3層シリカ膜の製膜)10gのシリカ
/チタニアコート鉄粉D2を、あらかじめ80gのエタ
ノールに1.0gのシリコンエトキシドを溶解した溶液
中で分散した後、攪拌しながら、あらかじめ用意してお
いた1.0gのアンモニア水(29%)および1.1g
の脱イオン水の混合溶液を添加した。添加後、1時間、
常温で反応させた。反応後、十分なエタノールで希釈洗
浄し、濾過し、真空乾燥機で110℃、3時間乾燥し
た。乾燥後、更に窒素雰囲気中で500℃で30分熱処
理(焼成)を施し、冷却し、シリカ/チタニアコート鉄
粉D3を得た。熱処理後のチタニア層を透過電子顕微鏡
を用いて層内の粒子状態を観察したところ、10〜15
0nmの酸化チタン結晶化微粒子がみられ、それぞれの
粒子間には10〜50nm程度の空隙が認められた。し
かし、シリカ層は緻密であり、粒子はなく、また平滑で
あった。さらに、チタニアとの界面には、空隙が存在し
ていた。
【0104】この粉体D3の最大反射ピーク波長は40
9nmで、明るいシアン色となった。この実施例4か
ら、熱処理(焼成)の有無によりチタニア粒子の結晶粒
子化と、粒子化に伴う粒子間およびシリカ膜との間の空
隙が見られ、これらの粒子化にともなう散乱反射効果に
より、シアン色化が達成されたと考えられる。また、こ
の実施例4のシアン色色材粉体は最終被覆層に緻密な膜
を形成することが特徴の一つである。これまでの最終層
のように高屈折率膜という限定でなく、干渉、散乱に影
響のない緻密な膜で空隙を被覆する。従来技術では、得
られた粉体をトナーや塗料等の顔料として用いる際に、
空隙に樹脂やビヒクルが入り込み、干渉あるいは散乱粒
子との屈折率の差が小さくなり、フレネル反射率が低下
することがあった。しかし、最終層を干渉、散乱に影響
のない緻密な膜として、粒子構成膜の空隙を被覆するこ
とにより、上記散乱反射の低下を防ぐことができる。
【0105】(接着樹脂層、ポリスチレン複合粉体)ス
チレンモノマー100gにシアン色色材多層被覆粉体
(シリカ/チタニアコート鉄粉D3)100gと前記親
油化した酸化チタン10gを分散するまで高速攪拌機で
攪拌し、均一化した。このスチレンモノマーと粒子の混
合物を、n−ドデシル硫酸ナトリウムを蒸留水500g
に溶解した溶液を70℃に温度を保持し、高速攪拌しな
がら投入し、十分に乳化粒子を微粒子化するまで攪拌し
た。これに10%過硫酸アンモニウム水溶液10gを添
加し、4時間攪拌して反応させた。反応終了後、蒸留水
2リットルで希釈し、傾斜洗浄で上液を捨て沈澱物を集
める。沈澱物をろ紙上で乾燥し、シアン色のポリスチレ
ン被覆粉体Dを得た。得られたシアン色色材組成物Dの
粉体は球状で、磁場1kOeでの磁化は170emu/
gであり、磁場10kOeでの磁化は170emu/g
であった。上記第1〜3層の各屈折率、膜厚、被覆粉体
の分光反射曲線のピーク波長およびそのピーク波長での
反射率を表4に示す。
【0106】
【表4】
【0107】〔実施例5〕(磁性体を用いたシアン色色
材組成物5、金属アルコキシドの加水分解による5層被
覆) (第1層シリカ膜の製膜)20gのBASF製カーボニ
ル鉄粉(平均粒径1.8μm,10kOeでの磁化は8
0emu/g)を、あらかじめ158.6gのエタノー
ルに4.4gのシリコンエトキシドを溶解した溶液中で
分散した後、攪拌しながら、あらかじめ用意しておいた
8.0gのアンモニア水(29%)および8.0gの脱
イオン水の混合溶液を添加した。添加後、5時間、常温
で反応させた。反応後、十分なエタノールで希釈洗浄
し、濾過し、真空乾燥機で110℃、3時間乾燥した。
乾燥後、さらに回転式チューブ炉を用いて、窒素雰囲気
中で600℃で30分熱処理(焼成)を施し、冷却し、
シリカコート鉄粉E1を得た。
【0108】(第2層チタニア膜の製膜)セパラブルフ
ラスコ中で、20gの上記シリカコート粉体E1を、あ
らかじめ198.3gのエタノールに8.1gのチタン
イソプロポキシドを加えた液中に分散した後、攪拌しな
がら、あらかじめ用意しておいた6.3gの純水を4
7.9gのエタノールに混合した溶液を1時間かけて、
滴下した。滴下後、3時間、常温で反応させた。反応
後、十分なエタノールで希釈洗浄し、濾過し、真空乾燥
機で100℃、8時間乾燥し、シリカ/チタニアコート
鉄粉E2を得た。この酸化チタン膜の平均膜厚は75n
mであり、410nmに分光反射曲線のピーク波長を有
し、明るいシアン色であった。
【0109】(第3層シリカ膜の製膜)20gのシリカ
/チタニアコート鉄粉E2を、あらかじめ158.6g
のエタノールに3.7gのシリコンエトキシドを溶解し
た溶液中で分散した後、攪拌しながら、あらかじめ用意
しておいた8.0gのアンモニア水(29%)および
8.0gの脱イオン水の混合溶液を添加した。添加後、
5時間、常温で反応させた。反応後、十分なエタノール
で希釈洗浄し、濾過し、真空乾燥機で110℃、3時間
乾燥した。乾燥後、さらに回転式チューブ炉を用いて、
窒素雰囲気中で500℃で30分熱処理(焼成)を施
し、冷却し、シリカ/チタニアコート鉄粉E3を得た。
【0110】(第4層チタニア膜の製膜)セパラブルフ
ラスコ中で、20gの上記シリカ/チタニアコート粉E
3を、あらかじめ198.3gのエタノールに8.8g
のチタンイソプロポキシドを加えた液中に分散した後、
攪拌しながら、あらかじめ用意しておいた6.0gの純
水を47.9gのエタノールに混合した溶液を1時間か
けて、滴下した。滴下後、4時間、常温で反応させた。
反応後、十分なエタノールで希釈洗浄し、濾過し、真空
乾燥機で100℃、8時間乾燥し、シリカ/チタニアコ
ート鉄粉E4を得た。
【0111】(第5層シリカ膜の製膜)20gのシリカ
/チタニアコート鉄粉E4を、あらかじめ158.6g
のエタノールに2.5gのシリコンエトキシドを溶解し
た溶液中で分散した後、攪拌しながら、あらかじめ用意
しておいた3.0gのアンモニア水(29%)および
3.0gの脱イオン水の混合溶液を添加した。添加後、
5時間、常温で反応させた。反応後、十分なエタノール
で希釈洗浄し、濾過し、真空乾燥機で110℃、3時間
乾燥した。乾燥後、さらに回転式チューブ炉を用いて、
窒素雰囲気中で600℃で30分熱処理(熱処理)を施
し、冷却し、シリカ/チタニアコート鉄粉E 5を得た。
この鉄粉E5は410nmに分光反射曲線のピーク波長
を有し、淡いシアン色であった。
【0112】(シアン色インキ組成物の調製)このよう
にして得られたシリカ/チタニアコート鉄粉E530g
を、あらかじめエタノール80gにアクリルポリマー
(テクノビット、Kulzer社製)2.5gを溶解し
た溶液中に分散した後、酸化チタン(シリコン疎水処理
品:展色材)20gおよびヒドロキシプロピルセルロー
ス3.2gを加えた混合液を、ジルコニアボールミルで
8時間分散処理を行い、シアン色色材組成物の塗料分散
液ELを得た。
【0113】(塗布および分光特性)上記シアン色色材
組成物の分散液ELを、ブレードコーターでアート紙に
塗布した。シアン色色材組成物の塗布量(乾燥後)は5
1g/m2とした。乾燥後、得られた塗布紙Eの色はピ
ーク波長で431nmであり、明るいシアン色となっ
た。また、この塗布紙Eの磁場1kOeでの磁化は3,
570emu/m2であり、磁場10kOeでの磁化は
8,925emu/m2であった。上記第1〜5層の各
屈折率、膜厚、被覆粉体の分光反射曲線のピーク波長お
よびそのピーク波長での反射率を表5に示す。
【0114】
【表5】
【0115】〔実施例6〕(乾式被膜磁性体を用いたシ
アン色色材組成物5、水系3層被覆) (第1層チタニア膜の製膜)平均粒径1.8ミクロンの
鉄粉1kgと平均粒径0.2ミクロンの酸化チタン粒子
1.5kgをホソカワミクロン製メカノフュージョン装
置を用いて5分間、3回乾式混合粉砕し、膜が形成され
たのを確認し、明度が向上した酸化チタン被覆鉄粉をF
1を得た。
【0116】(第2層シリカ膜の製膜)予め用意した実
施例1と同様の緩衝溶液3,193mlに対し、同じく
予め用意した純水、152mlを混合し、F110gを
添加し十分に混合した後、SiO2の混合率10wt%
の水ガラス溶液122mlを撹拌しながら徐々に3時間
かけて滴下撹拌した後、1時間反応を継続させた。反応
後デカンテーションにより固液分離し、粉体を真空乾燥
後で8時間乾燥後、回転式チューブ炉を用い、窒素雰囲
気で500℃で30分熱処理し、シリカ/チタニア膜被
覆鉄粉F2を得た。
【0117】(第3層チタニア膜の製膜)さらにシリカ
/チタニア膜被覆鉄粉F24gに対し、緩衝液4,40
6mlに十分分散させた後、硫酸チタニルのTiO2、1
5wt%水溶液、32mlを4時間かけて滴下し、滴下
後、1時間反応させ、未反応原料を無くした。反応後デ
カンテーションにより固液分離し、粉体を真空乾燥機で
8時間乾燥後、回転式チューブ炉を用い、窒素雰囲気で
500℃で30分熱処理し、シリカ/チタニア膜被覆鉄
粉F3を得た。この粉体のピークは435nmで反射率
は47%であり、濃い帯緑青色であった。またこの粉体
の磁場1kOeの磁化は37.5 emu/gで、10
kOeの磁化は 117emu/gであった。
【0118】(トナー化)スチレンモノマー100g、
キシレン30mlに0.3gのオイルブルーを溶解した
液を混合した後、予め得られたF3粉を親油化したもの
100gと、酸化チタン10gを加え均一に混合した。
次に、このスチレンモノマーと粒子の混合物を、70C
のドデシル硫酸ナトリウム3gを蒸留水で溶解した撹拌
機で溶液に投入した後、ホモジナイザーで10,000
rpmで撹拌し、さらに、5,000rpmで撹拌しな
がら、10wt%過硫酸アンモニウム水溶液10gを添
加し、3.5時間反応させた。その後、固形分を濾過
し、温水で3回繰り返し洗浄を行い、帯緑青色のポリス
チレン被覆粉体FPを得た。この粉体の1kOeでの磁
場磁化は17.7emu/gであり、10kOeでの磁
化は55.7emu/gとなった。上記第1〜3層の各
屈折率、膜厚、被覆粉体の分光反射曲線のピーク波長お
よびそのピーク波長での反射率を表6に示す。
【0119】
【表6】
【0120】〔実施例7〕(板磁性体を用いたシアン色
色材組成物7、金属アルコキシド加水分解および水系に
よる3層被覆)(インキ) (第1層被覆)平均粒径2.8ミクロンの板状Ba系フ
ェライト10gに対しエタノール79.5gに十分に分
散した後、シリコンエトキシド6.3gを添加し混合
し、さらに、水6.3g、アンモニア水8.4gを添加
して、常温で撹拌しながら、3時間反応させた。反応後
デカンテーションにより固液分離し、粉体を真空乾燥後
で8時間乾燥後、回転式チューブ炉を用い、窒素雰囲気
で500℃で30分熱処理し、シリカ膜被覆Ba系フェ
ライト粒子G1を得た。
【0121】(第2層被覆着色)シリカ膜被覆Ba系フ
ェライト粒子G110gをエタノール159gに十分分
散した後チタンイソプロポキシド4.9 gを添加し、
十分に混合した後、さらに予め用意しておいた水8.4
g、エタノール30gの混合溶液を滴下し5時間反応さ
せた。反応後デカンテーションにより固液分離し、粉体
を真空乾燥後で8時間乾燥後、回転式チューブ炉を用
い、窒素雰囲気で650℃で30分熱処理し、シリカ・
チタニア膜被覆Ba系フェライト粒子G2を得た。この
粉体のピークは428nmで反射率は44%であり、濃
い帯緑青色であった。またこの粉体の10kOeの磁化
は24.6emu/gであり、残留磁化は15.5em
u/gであった。
【0122】(第3層散乱膜被覆)予め用意したG2
を緩衝溶液A500mlに対し、同じく予め用意した緩
衝溶液3、875 mlを混合し、これにG210gと平
均粒径0.2ミクロンの酸化チタン(ルチル型)粉体粒
子5gを添加し十分に混合した後、10wt%の水ガラ
ス溶液146ml撹拌しながら1時間撹拌した。デカン
テーションを20回繰り返し十分に洗浄したあと、乾燥
機で120℃で8時間乾燥した。乾燥後の粉体を回転式
チューブ炉を用い、窒素雰囲気で500℃で30分熱処
理し、チタニア散乱膜/シリカ膜被覆Ba系フェライト
粒子G3を得た。この粉体のピークは450nmで反射
率は68%、淡い帯緑青色であった。またこの粉体の1
0kOeの磁化は 18.2emu/gであり、残留磁
化は12.0emu/gであった。
【0123】(インキ化)上記G3粉30gに対し、あ
らかじめアクリル樹脂1.5gとヒドロキシプロピルセ
ルロース2.3gを、エタノール溶液80gに分散し、
撹拌しながらアルコールを蒸発させ粘度を上昇させた液
体GLを得た。このGLを理想科学製小形印刷機PG1
0で、熱転写用プラスチック製フィルムに縞模様を形成
した。
【0124】(塗布物)乾燥後磁気ヘッドを具備した検
出装置で、このフィルム上を走査したところ、本磁気粉
体GLの印刷された部分では磁気反応が検出されたが、
空白部分では磁気反応は出なかった。また塗布物は上方
から見ると帯緑青色であったが、角度30度の斜めから
見た場合は、青紫色に見え多色性がみられた。上記第1
〜3層の各屈折率、膜厚、被覆粉体の分光反射曲線のピ
ーク波長およびそのピーク波長での反射率を表7に示
す。
【0125】
【表7】
【0126】〔実施例8〕(板状鉱物を用いたシアン色
色材組成物、金属アルコキシド加水分解による3層被
覆)(塗膜) (第1層被覆着色)平均粒径12ミクロン被覆板状白雲
母粉20gをエタノール160gに十分分散した後チタ
ンイソプロポキシドを5.0g添加し、十分に混合した
後、さらに予め用意しておいた水8.6g、エタノール
30gの混合溶液を滴下し5時間反応させた。反応後デ
カンテーションにより固液分離し、粉体を真空乾燥後
で、8時間乾燥後、回転式チューブ炉を用い、窒素雰囲
気で500℃で30分熱処理し、チタニア膜被覆板状白
雲母粉H1を得た。この粉体のピークは440nmで反
射率は43%であり、濃い帯緑青色であった。
【0127】(第2層被覆)チタニア被覆板状白雲母粉
120gをエタノール80gに十分に分散した後、シ
リコンエトキシド8.4gを添加し混合し、さらに、水
8.4g、アンモニア水11.1gを添加して、常温で
撹拌しながら、3時間反応させた。反応後デカンテーシ
ョンにより固液分離し、粉体を真空乾燥後で8時間乾燥
後、回転式チューブ炉を用い、窒素雰囲気で500℃で
30分熱処理し、シリカ/チタニア被覆板状白雲母粉H
2を得た。
【0128】(第3層着色膜被覆)シリカ/チタニア被
覆板状白雲母粉H220gに対しgをエタノール160
gに十分分散した後チタンイソプロポキシド6.6gを
添加し、十分に混合した後、さらに予め用意しておいた
水11.2g、エタノール30gの混合溶液を滴下し5
時間反応させた。反応後デカンテーションにより固液分
離し、粉体を真空乾燥後で8時間乾燥後、回転式チュー
ブ炉を用い、窒素雰囲気で500℃で30分熱処理し、
シリカ/チタニア被覆板状白雲母粉H3を得た。この粉
体のピークは436nmで反射率は64%、淡い帯緑青
色であった。
【0129】(塗布)粉H315gを撹拌、分散しなが
らアクリル樹脂2.2gを溶解したエタノール溶液(エ
タノール50g)を入れ溶解した。溶媒の一部が分散し
粘度が上昇したところで、分散液を平板ガラス板に伸ば
しさらにゴムローラーに均一に付着させた後、A4版の
熱転写用フィルムに、粘性流体HLを塗布し1日放置し
乾燥した。得られた粉体塗布フィルムは垂直に見ると淡
帯緑青色の帯がみられ、さらに、板を太陽に向け傾けて
見る角度変えると、太陽を背にした場合(ほぼ垂直光)
では淡い緑色であったが、太陽と板の角度(入射角)が
板から40度になるように見た場合その色は青紫色を帯
び、多色性が認められた。この性質は多色性表示媒体、
化粧品や装飾品あるいはフリップフロップ法に用いるこ
とができる。上記第1〜3層の各屈折率、膜厚、被覆粉
体の分光反射曲線のピーク波長およびそのピーク波長で
の反射率を表8に示す。
【0130】
【表8】
【0131】〔実施例9〕(板状導電体を用いたシアン
色色材組成物、金属アルコキシド加水分解による3層被
覆)(塗料) (第1層被覆着色)平均粒径12ミクロン被覆板状アル
ミニウム粉18gをエタノール160gに十分分散した
後チタンイソプロポキシド5.0gを添加し、十分に混
合した後、さらに予め用意しておいた水8.6g、エタ
ノール30gの混合溶液を滴下し5時間反応させた。反
応後デカンテーションにより固液分離し、粉体を真空乾
燥後で8時間乾燥後、回転式チューブ炉を用い、窒素雰
囲気で500℃で30分熱処理し、チタニア膜被覆板状
アルミニウム粉I1を得た。この粉体のピークは434
nmで反射率は44%であり、濃い帯緑青色であった。
【0132】(第2層被覆)チタニア被覆板状アルミニ
ウム粉I118gをエタノール160gに十分に分散し
た後、シリコンエトキシド8.4gを添加し混合し、さ
らに、水8.4g、アンモニア水11.1gを添加し
て、常温で撹拌しながら、3時間反応させた。反応後デ
カンテーションにより固液分離し、粉体を真空乾燥後で
8時間乾燥後、回転式チューブ炉を用い、窒素雰囲気で
500℃で30分熱処理し、シリカ/チタニア被覆板状
アルミニウム粉I2を得た。
【0133】(第3層着色膜被覆)シリカ/チタニア被
覆板状アルミニウム粉I218gに対しエタノール16
0gに十分分散した後チタンイソプロポキシド6.6g
を添加し、十分に混合した後、さらに予め用意しておい
た水11.2g、エタノール160gの混合溶液を滴下
し5時間反応させた。反応後デカンテーションにより固
液分離し、粉体を真空乾燥後で8時間乾燥後、回転式チ
ューブ炉を用い、窒素雰囲気で500℃で30分熱処理
し、シリカ/チタニア膜被覆板状アルミニウム粉I3
得た。この粉体のピークは436nmで反射率は70
%、淡い帯緑青色であった。
【0134】(塗布)長辺80mm、単辺57mm、厚
さ1.5mm白色塩化ビニル板に両面粘着テープを幅3
mm、長さ57mmの帯状にしたものを7本用意し、板
状の単辺に平行に中心に1枚貼った後、中心の帯状テー
プから3mm間隔で平行に貼り付けた。その後、I3
このテープが貼られた板に均一になるよう降りかけた。
さらにこの白色塩化ビニル板を水平においた一辺10 c
m、厚さ1cmの鉄板の上に置き、さらに同じ板を上に
置き2枚で挟みこみ、板の中心に1kgの分銅を載せ1
時間放置した。1時間後、板を取り去り、さらに付着し
なかった粉を筆で払い落とした。得られた板は垂直に見
ると淡帯緑青色の帯がみられ、実施例8と同様に多色性
が認められた。
【0135】(物性)ホイートストンブリッジと電源お
よび電流計を具備したサーチコイルを、この板の単辺に
垂直に走査した結果、塗布部分では電流計に変化があっ
たが、無い部分では変化が見られなかった。電場による
検出も可能である。この性質は多色性表示媒体、化粧品
や装飾品あるいはフリップフロップ法に用いることがで
きる。上記第1〜3層の各屈折率、膜厚、被覆粉体の分
光反射曲線のピーク波長およびそのピーク波長での反射
率を表9に示す。
【0136】
【表9】
【0137】表1〜9から明らかなように、本発明の各
実施例のシアン色色材組成物は、それぞれ満足すべき結
果を得た。また、チタニア粒子の結晶粒子化による空隙
を有するチタニア被覆層は1層(第2層)よりも2層
(第2層および第4層)に有することにより、高度のシ
アン色化が達成された。
【0138】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のシアン色
色材組成物は、含有されるシアン色粉体の製造における
製膜反応の際に、水を溶媒として用いることにより、ア
ルコキシド法に比べ安価な製造コストで製膜できるとい
う効果が得られる。また、基体粒子の表面に有する被覆
膜の少なくとも1層を、結晶化微粒子と該結晶化微粒子
相互間に空隙を有する結晶化微粒子の集合体とからなる
膜(以下、単に結晶化微粒子構成膜ともいう)とするこ
とにより、結晶化粒子表面と空隙との屈折率差を大きく
して、光の散乱反射を起こし、反射効果を高め、優れた
明度を有するシアン色色調の機能性粉体を含有するシア
ン色色材組成物を提供することが可能となった。
【0139】上記のようにして得られた本発明のシアン
色色材組成物は、含有されるシアン色粉体の基体として
磁性体を活用すると、基体粒子の特性(例えば、磁気特
性)を高レベルに保持した機能性粉体、例えば、1成分
系現像方式でも優れた複合した機能を果たし得るシアン
色磁性トナーや、優れた磁気特性を発揮することができ
る。また、多色性や反射あるいは透過色を利用して意匠
性に富んだ装飾品、陶器、磁器、ガラス器、絵画などの
工芸品・美術品用、書籍、自動車・自転車などの塗料シ
アン色多機能性インキ、トナー、塗料、化粧品ができ、
さらに触媒作用を持つ酸化チタン膜等により耐候性にす
ぐれ大気・水などの環境浄化性のある塗料ができ、かつ
基体の特性と膜の特性を兼ね備えたシアン色多機能性イ
ンキ、トナーおよび塗料等に適用できる。特に前記機能
が磁気、電場、色、粒子形状、蛍光発光、蓄光発光、特
定紫外線域反射吸収並びに特定赤外線反射吸収の機能の
いずれか2種以上を組み合わせることにより偽造防止用
顔料組成物である印刷インキ、トナーとして支持媒体上
に所望の画像を形成し、目視による判別、機器による判
別することができるシアン色色材組成物およびその効率
的製造方法を提供することが可能となった。これらの優
れた機能を有すると共に、含有されるシアン色粉体の基
体として導電体または誘電体を活用すると、電場、の外
部要因により反応することにより移動力、回転、運動、
発熱などの付加的な作用を発する機能を保持したシアン
色色材組成物およびその効率的製造方法を提供すること
が可能であり、産業界に寄与するところ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシアン色色材組成物に含有されるシア
ン色粉体の一例の断面図である。
【図2】図1のシアン色色材組成物に含有されるシアン
色粉体が有する結晶化微粒子構成膜2の断面拡大図であ
る。
【符号の説明】
1 基体粒子 2 結晶化微粒子構成膜 3 結晶化微粒子 4 超微粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星野 希宜 東京都西多摩郡日の出町平井8番地1 日 鉄鉱業株式会社内 (72)発明者 中塚 勝人 宮城県仙台市太白区茂庭台四丁目3番5の 1403号 Fターム(参考) 2H005 AA21 AB02 CA01 CA21 CB07 CB13 4J037 AA04 AA08 AA09 AA15 AA18 AA19 AA22 AA25 CA09 CA14 CA24 CA25 DD02 DD05 DD30 EE04 EE14 EE26 EE43 EE46 FF08 4J038 BA211 CA021 CB081 CG141 DA041 DA101 DA111 DD001 DF001 DG001 DH001 EA011 KA06 KA08 KA15 NA01 NA19 4J039 AB12 AD01 AD03 AD10 AD15 AE01 AE02 AE03 AE04 AE06 AE07 AE08 AF01 BE01 CA04 DA05 EA16

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体粒子の表面に水系溶媒中での金属塩
    の反応により形成された被覆膜を少なくとも1層有し3
    50〜550nmの間にピークを有する反射スペクトル
    を示すシアン色粉体を含有するシアン色色材組成物。
  2. 【請求項2】 前記シアン色粉体の水系溶媒中での金属
    塩の反応により形成された前記被覆膜が、下記式の条件
    を満たすものであることを特徴とする請求項1記載のシ
    アン色色材組成物。 Nd=mλ/4 〔式中、N=n+iκ(iは複素数を表す) n:膜を構成する物質の屈折率 d:膜厚 m:自然数 λ:粉体の示す反射スペクトルが有するピークの波長
    (但し、λは350〜550nm) κ:減衰係数〕
  3. 【請求項3】 前記シアン色粉体の基体粒子の表面に有
    する被覆膜が多層膜であることを特徴とする請求項1記
    載のシアン色色材組成物。
  4. 【請求項4】 前記シアン色粉体の多層膜の各膜が、全
    て水系溶媒中での金属塩の反応により形成されたもので
    あることを特徴とする請求項3記載のシアン色色材組成
    物。
  5. 【請求項5】 前記シアン色粉体の多層膜の各膜が、全
    て下記式の条件を満たすものであることを特徴とする請
    求項3記載のシアン色色材組成物。 Nd=mλ/4 〔式中、N=n+iκ(iは複素数を表す) n:膜を構成する物質の屈折率 d:膜厚 m:自然数 λ:粉体の示す反射スペクトルが有するピークの波長
    (但し、λは350〜550nm) κ:減衰係数〕
  6. 【請求項6】 前記シアン色粉体の基体粒子の表面に有
    する被覆膜の少なくとも1層が、空隙を有する結晶化微
    粒子の集合体として構成されたものであることを特徴と
    する請求項1記載のシアン色色材組成物。
  7. 【請求項7】 空隙を有する結晶化微粒子の集合体とし
    て構成された前記被覆膜が、該結晶化微粒子表面と空隙
    との間で生じる光の散乱反射により明度を付与すること
    ができるものであることを特徴とする請求項6記載のシ
    アン色色材組成物。
  8. 【請求項8】 空隙を有する結晶化微粒子の集合体とし
    て構成された前記被覆膜の表面に、該表面の空隙を塞ぐ
    ことができる超微粒子で構成された緻密な被覆膜を有す
    ることを特徴とする請求項6記載のシアン色色材組成
    物。
  9. 【請求項9】 空隙を有する結晶化微粒子の集合体とし
    て構成された前記被覆膜が高屈折率膜であることを特徴
    とする請求項6記載のシアン色色材組成物。
  10. 【請求項10】 前記緻密膜がシリカ膜であることを特
    徴とする請求項8記載のシアン色色材組成物。
  11. 【請求項11】 空隙を有する結晶化微粒子の集合体と
    して構成された前記被覆膜が、該被覆膜を製膜するため
    の反応溶液中で固相微粒子を形成させ該固相微粒子を該
    被覆膜中に取込ませた後に焼成することによって形成さ
    れたものであることを特徴とする請求項6記載のシアン
    色色材組成物。
  12. 【請求項12】 前記反応溶液が水溶液であることを特
    徴とする請求項11記載のシアン色色材組成物。
  13. 【請求項13】 前記焼成を行う前に、前記固相微粒子
    を取込ませた被覆膜上を、該被覆膜の表面の空隙を塞ぐ
    緻密な膜を構成することができる超微粒子で被覆したこ
    とを特徴とする請求項11記載のシアン色色材組成物。
  14. 【請求項14】 前記シアン色粉体が、少なくとも結着
    用樹脂を含む分散媒中に分散されていることを特徴とす
    る請求項1〜13のいずれかに記載のシアン色色材組成
    物。
  15. 【請求項15】 前記シアン色粉体上に接着樹脂層を有
    することを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載
    のシアン色色材組成物。
  16. 【請求項16】 前記接着樹脂層が体質顔料を含有する
    ことを特徴とする請求項15記載のシアン色色材組成
    物。
  17. 【請求項17】 シアン色粉体を含有するシアン色色材
    組成物の製造方法において、該シアン色粉体が350〜
    550nmの間にピークを有する反射スペクトルを示す
    様に、基体粒子の表面に水系溶媒中での金属塩の反応に
    より少なくとも1層の被覆膜を形成することを特徴とす
    るシアン色色材組成物の製造方法。
  18. 【請求項18】 水系溶媒中での金属塩の反応により形
    成する前記被覆膜を、下記式の条件を満たすように形成
    することを特徴とする請求項17記載のシアン色色材組
    成物の製造方法。 Nd=mλ/4 〔式中、N=n+iκ(iは複素数を表す) n:膜を構成する物質の屈折率 d:膜厚 m:自然数 λ:粉体の示す反射スペクトルが有するピークの波長
    (但し、λは350〜550nm) κ:減衰係数〕
  19. 【請求項19】 基体粒子の表面に形成する前記被覆膜
    を多層膜とすることを特徴とする請求項17記載のシア
    ン色色材組成物の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記多層膜の各膜を、全て水系溶媒中
    での金属塩の反応により形成することを特徴とする請求
    項19記載のシアン色色材組成物の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記多層膜の各膜を、全て下記式の条
    件を満たすように形成することを特徴とする請求項19
    記載のシアン色色材組成物の製造方法。 Nd=mλ/4 〔式中、N=n+iκ(iは複素数を表す) n:膜を構成する物質の屈折率 d:膜厚 m:自然数 λ:粉体の示す反射スペクトルが有するピークの波長
    (但し、λは350〜550nm) κ:減衰係数〕
  22. 【請求項22】 基体粒子の表面に形成する被覆膜の少
    なくとも1層を、空隙を有する結晶化微粒子の集合体と
    して構成することを特徴とする請求項17記載のシアン
    色色材組成物の製造方法。
  23. 【請求項23】 空隙を有する結晶化微粒子の集合体と
    して構成する前記被覆膜を、該結晶化微粒子表面と空隙
    との間で生じる光の散乱反射により明度を付与できるよ
    うに形成することを特徴とする請求項22記載のシアン
    色色材組成物の製造方法。
  24. 【請求項24】 空隙を有する結晶化微粒子の集合体と
    して構成する前記被覆膜の表面に、該表面の空隙を塞ぐ
    ことができる超微粒子で緻密な膜を形成することを特徴
    とする請求項22記載のシアン色色材組成物の製造方
    法。
  25. 【請求項25】 空隙を有する結晶化微粒子の集合体と
    して構成する前記被覆膜を高屈折率膜とすることを特徴
    とする請求項22記載のシアン色色材組成物の製造方
    法。
  26. 【請求項26】 前記緻密膜をシリカ膜とすることを特
    徴とする請求項24記載のシアン色色材組成物の製造方
    法。
  27. 【請求項27】 空隙を有する結晶化微粒子の集合体と
    して構成する前記被覆膜を、該被覆膜を製膜するための
    反応溶液中で固相微粒子を形成させ該固相微粒子を該被
    覆膜中に取込ませた後に焼成することによって形成する
    ことを特徴とする請求項22記載のシアン色色材組成物
    の製造方法。
  28. 【請求項28】 前記反応溶液を水溶液とすることを特
    徴とする請求項27記載のシアン色色材組成物の製造方
    法。
  29. 【請求項29】 前記焼成を行う前に、前記固相微粒子
    を取込ませた被覆膜上を、該被覆膜の表面の空隙を塞ぐ
    緻密な膜を構成することができる超微粒子で被覆するこ
    とを特徴とする請求項27記載のシアン色色材組成物の
    製造方法。
  30. 【請求項30】 前記シアン色粉体が、少なくとも結着
    用樹脂を含む分散媒中に分散することを特徴とする請求
    項17〜29のいずれかに記載のシアン色色材組成物の
    製造方法。
  31. 【請求項31】 前記シアン色粉体上に接着樹脂層を設
    けることを特徴とする請求項17〜30のいずれかに記
    載のシアン色色材組成物の製造方法。
  32. 【請求項32】 前記接着樹脂層が体質顔料を含有させ
    ることを特徴とする請求項31記載のシアン色色材組成
    物の製造方法。
JP2000065253A 2000-03-09 2000-03-09 シアン色色材組成物およびその製造方法 Pending JP2001254029A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000065253A JP2001254029A (ja) 2000-03-09 2000-03-09 シアン色色材組成物およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000065253A JP2001254029A (ja) 2000-03-09 2000-03-09 シアン色色材組成物およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001254029A true JP2001254029A (ja) 2001-09-18

Family

ID=18584816

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000065253A Pending JP2001254029A (ja) 2000-03-09 2000-03-09 シアン色色材組成物およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001254029A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1455239A3 (en) * 2003-03-07 2005-05-25 Canon Kabushiki Kaisha Cyan toner and method for forming an image
JP2010525416A (ja) * 2007-04-26 2010-07-22 トロイ グループ インコーポレイテッド セキュリティ画像形成トナー、そして、その製法および使用方法
JP2016041947A (ja) * 2014-08-15 2016-03-31 富士包装資材株式会社 遮熱・断熱材及びその製法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1455239A3 (en) * 2003-03-07 2005-05-25 Canon Kabushiki Kaisha Cyan toner and method for forming an image
US7138213B2 (en) 2003-03-07 2006-11-21 Canon Kabushiki Kaisha Cyan toner and method for forming an image
CN1318920C (zh) * 2003-03-07 2007-05-30 佳能株式会社 青调色剂和图像形成方法
JP2010525416A (ja) * 2007-04-26 2010-07-22 トロイ グループ インコーポレイテッド セキュリティ画像形成トナー、そして、その製法および使用方法
JP2016041947A (ja) * 2014-08-15 2016-03-31 富士包装資材株式会社 遮熱・断熱材及びその製法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1484365A1 (en) COATED POWDER, COATING COMPOSITION, AND COATED ARTICLE
JP2002080749A (ja) 膜被覆粉体、塗料組成物および塗布物
JP3570616B2 (ja) 白色色材組成物およびその製造方法
JP2002179947A (ja) 粉体、その製造方法および色材組成物
JP3052193B2 (ja) カラーインキ組成物
JP3670546B2 (ja) 青色色材組成物およびその製造方法
JP3601762B2 (ja) 蛍光顔料組成物
JP2001254029A (ja) シアン色色材組成物およびその製造方法
JP3670548B2 (ja) 緑色色材組成物およびその製造方法
JP3578318B2 (ja) 蓄光顔料組成物
JP4804720B2 (ja) 酸化チタン膜被覆粉体およびその製造方法
JPH1112489A (ja) レッド色系顔料及びその製造方法
JP2002038052A (ja) 多層膜被覆粉体およびその製造方法
JP2001254028A (ja) イエロー色色材組成物およびその製造方法
JP3874600B2 (ja) 触媒粉体、塗料組成物および塗布物
JP3650302B2 (ja) 赤色色材組成物およびその製造方法
JP3650289B2 (ja) マゼンタ色粉体およびその製造方法
JP4233295B2 (ja) 酸化チタン膜被覆粉体の製造方法
JP3627908B2 (ja) 青色粉体およびその製造方法
JP2001247809A (ja) マゼンタ色色材組成物およびその製造方法
JPH1112490A (ja) グリーン色系顔料及びその製造方法
JP3650290B2 (ja) シアン色粉体およびその製造方法
JP3627910B2 (ja) 赤色粉体およびその製造方法
JPH1112488A (ja) イエロー色系顔料及びその製造方法
JPH10330644A (ja) ブルー色系顔料及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060424

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060719