JP4274450B2 - 印刷システム、情報記憶媒体、印刷方法及びプリントサーバ - Google Patents
印刷システム、情報記憶媒体、印刷方法及びプリントサーバ Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クライアントからネットワーク上に設置されたプリントサーバに対する電子文書の送信及びその文書の印刷指示に従い、ネットワーク上に設置された少なくとも1台以上の印刷装置に出力する印刷システム、情報記憶媒体、印刷方法及びプリントサーバに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年では、インタネット或いはイントラネットに代表されるネットワークコンピューティングが重要視されており、種々の情報がサーバコンピュータ上に記憶され、クライアントコンピュータからアクセスし閲覧できるようになっている。
【0003】
印刷システムにおいても、近年では、ネットワーク上にプリントサーバと複数台の印刷装置を設置し、クライアントコンピュータからプリントサーバに所望の複数の文書ファイルを送信し、プリントサーバでこれをキューイングして最適な印刷スケジューリングに従って複数台の印刷装置に効率的に出力させる、といったシステムも提案されている。
【0004】
さらに、特開平5−216606号公報に示されるように、印刷する文書ファイルとともに印刷するプログラム指令を有するジョブチケットをプリントサーバへ転送し、その指令に従ってその文書を加工・編集して出力させるシステム例の提案もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来のこの種の印刷システムの適用規模を考えた場合、或る特定の範囲、例えば、或る企業の或る部署内といった範囲に限定されている。即ち、従来のネットワーク化された印刷システムの場合、プリントサーバ及び印刷装置を使用するユーザのセキュリティ及びユーザの管理に関しては特に考慮していないため、予め使用するユーザを把握できる範囲内で運用するか、セキュリティフリーといった環境下で使用するなど、その運用規模が限定されてしまうものである。
【0006】
また、印刷する文書に関しても、同様にそのセキュリティ及び文書管理が特に考慮されていないため、文書面からも運用規模が限定されてしまうものである。
【0007】
そこで、本発明は、Webブラウザ等による不特定多数のユーザからの印刷要求に対して個々のユーザのセキュリティを確保し得る状態で運用規模の広範囲化を図ることができ、例えば、印刷業者やコピーセンタ等に適用し得る印刷システム及び情報記憶媒体を提供することを目的とする。
【0008】
さらには、このような運用規模の広範囲化に伴い、ユーザからの印刷依頼を受けて印刷業者が印刷を行うといった業務用のシステム構成を想定し、印刷時の見積り依頼或いは試し印刷依頼に対処し得るシステム構成の印刷システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の印刷システムは、クライアントからネットワーク上に設置されたプリントサーバに対する電子文書の送信及びその文書の印刷指示に従い、前記ネットワーク上に設置された少なくとも1台以上の印刷装置に出力する印刷システムにおいて、前記クライアントを通じて当該印刷システムを使用するためのユーザ識別情報をメモリに登録する登録手段と、前記メモリに登録されているユーザ識別情報に一致するユーザ識別情報が入力された場合のみ当該印刷システムの使用を許可するシステム使用制限手段と、印刷指示した文書の前記印刷装置による印刷に先立ち、当該印刷に関わる課金対象項目を見積る見積り手段と、この見積り手段による見積り結果を印刷指示したユーザ対応の前記クライアントにフィードバックするフィードバック手段と、フィードバックされた前記見積り結果に応じて実際に印刷を行うか否かを指定する発注決定手段と、前記クライアントにより送信され印刷指示された電子文書を保存する保存手段と、この保存手段により保存されている電子文書中から前記クライアントを通じて所望の文書を検索し該当文書の閲覧・取得を提供する既登録文書検索提供手段と、を備え、印刷指示に基づき前記既登録文書検索提供手段により前記保存手段に保存されている電子文書を検索し、検索した電子文書をリピート印刷可能であることを特徴とする。
【0010】
従って、不特定多数のユーザに開放された運用範囲の広いシステム構成とした場合であっても、クライアントを通じ登録手段を用いて予め当該印刷システムにユーザ識別情報を登録したユーザであれば対応するユーザ識別情報を指定してログインすることにより当該印刷システムを利用することが許可されるが、未登録のユーザの場合には対応するユーザ識別情報を有さずクライアントを通じて適正にログインできないため、当該印刷システムを利用することが許可されず、よって、ユーザに関するセキュリティを確保することができる。この結果、運用規模が特に制限されないシステム構築が可能となる。
また、当該印刷システムの利用が可能なユーザにおいて、クライアントを通じて実際に印刷を行う発注を決定する前に、見積り手段により当該印刷に関わる課金対象項目を見積り、その見積り結果が印刷指示したユーザ対応のクライアントにフィードバックされるので、通常の印刷業者に印刷を依頼する場合と同様に、発注するか否かを適正に判断することができる。
さらに、当該印刷システムが登録されたユーザがクライアントを通じて印刷指示した電子文書を保存手段により保存する機能を有するので、同一文書に関して再度印刷が必要になった場合に再度印刷文書を送信することなく印刷させることができ、効率的かつ迅速な印刷処理が可能となる。
【0011】
本発明は、情報記憶媒体に記憶されているプログラムをプリントサーバに実行させることによっても実現される。即ち、請求項11記載の発明の情報記憶媒体は、ネットワーク上或いは遠隔地に設置されたクライアントからの電子文書の受信及びその文書の印刷指示に従い、前記ネットワーク上に設置された少なくとも1台以上の印刷装置に出力することを前記ネットワーク上に設置されたプリントサーバに実行させる前記プリントサーバで読取可能なプログラムを記憶した情報記憶媒体であって、前記クライアントを通じて当該印刷システムを使用するためのユーザ識別情報をメモリに登録させる登録機能と、この登録機能によるユーザ識別情報の登録に際してユーザを少なくとも1階層以上の階層構造でグルーピングして管理させる登録管理機能と、前記メモリに登録されているユーザ識別情報に一致するユーザ識別情報が入力された場合のみ当該印刷システムの使用を許可するシステム使用制限機能と、を前記プリントサーバに実行させるためのプログラムが記憶されている。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の印刷システムにおいて、前記登録手段によるユーザ識別情報の登録に際して対応する法人の下にユーザを少なくとも1階層以上の階層構造でグルーピングして管理する登録管理手段を備える。
【0013】
従って、例えば法人なるユーザに属する個人ユーザのような場合、これらの個人ユーザを法人ユーザの下に階層化させた階層構造で管理するとともに、法人単位でユーザをグルーピングすることにより、容易にその管理を行うことができる。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の印刷システムにおいて、前記保存手段による電子文書の保存に際して当該電子文書に対するアクセス権を当該ユーザのユーザ識別情報に対応させて設定するアクセス権設定手段と、前記既登録文書検索提供手段による所望の文書の検索ないし該当する文書の閲覧・取得を前記アクセス権の設定されたユーザ識別情報又は当該ユーザの属するグループ内のユーザ識別情報が入力された場合のみ許容するアクセス制限手段と、をさらに備える。
【0015】
従って、保存されている文書に関しては、アクセス権設定手段により当該ユーザのユーザ識別情報に対応させてアクセス権を設定し、アクセス権の設定されたユーザ識別情報又は当該ユーザの属するグループ内のユーザ識別情報が入力された場合のみアクセス制限手段により当該文書の検索ないし該当する文書の閲覧・取得を許容することにより、文書に関するセキュリティも確保できる。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の印刷システムにおいて、前記クライアントにより送信し印刷指示する電子文書を前記保存手段により保存させるか否かを指定する指定手段を備える。
【0017】
従って、印刷指示した電子文書を当該印刷システム中に保存させるか否かを印刷指示したユーザが任意に選択指定できるので、同一文書に関して再度印刷させる可能性が高いような場合には保存指定して保存させておくことにより、同一文書に関して再度印刷が必要になった場合には再度印刷文書を送信することなく保存させた文書を用いて印刷させることができ、効率的かつ迅速な印刷処理が可能となる。特に保存を必要としない場合には、保存指定しないことにより、保存料の支払いが不要となる。
【0018】
請求項5記載の発明は、請求項3又は4記載の印刷システムにおいて、前記保存手段により保存する電子文書に対して前記アクセス権設定手段によりアクセス権を設定するか否かを指定する指定手段を備える。
【0019】
従って、印刷指示した電子文書を保存させる際にアクセス権を設定するか否かを印刷指示したユーザが任意に選択指定できるので、アクセス権の設定を指定すれば、当該ユーザ或いはそのユーザが属するグループのユーザのみがアクセス可能となり、文書に関するセキュリティを確保できる。一方、特にセキュリティ性を有しない文書の場合には、アクセス権の設定を指定しなければ、ログインした当該印刷システム利用可能な全てのユーザに対してその文書の閲覧等のアクセスを可能にすることができる。即ち、文書のセキュリティ性の有無に応じた保存形態を採れる。
【0020】
請求項6の発明は、請求項1又は2に記載の印刷システムにおいて、前記課金対象項目は、当該印刷に係る費用、スケジュールであることを特徴とする。
【0021】
従って、当該印刷システムの利用が可能なユーザにおいて、クライアントを通じて実際に印刷を行う発注を決定する前に、見積り手段により当該印刷に関わる費用、スケジュールを見積り、その見積り結果が印刷指示したユーザ対応のクライアントにフィードバックされるので、通常の印刷業者に印刷を依頼する場合と同様に、発注するか否かを適正に判断することができる。
【0022】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の印刷システムにおいて、前記見積り手段は、紙質、紙サイズ、印刷枚数等の印刷用紙に関する要素、ステープル、パンチ等の前記印刷装置におけるフィニッシャー処理に関する要素、及び、至急印刷、日時指定印刷等のスケジュールに関する要素を課金対象として見積り計算を行う主演算手段と、前記保存手段により保存する電子文書の保存費用を課金対象として見積り計算を行う副演算手段とを備える。
【0023】
従って、課金対象項目に関する見積りを適正に行うことができる。
【0024】
請求項8記載の発明は、請求項6又は7記載の印刷システムにおいて、前記フィードバック手段は、前記見積り結果を外部ファイルに出力する。
【0025】
従って、見積もり結果を、例えばCSV(Comma Separated Value)等の形式により外部ファイルとして出力させることにより、そのデータの修正、加工が可能となり、ユーザに応じた割引等の情報を容易に付加することができ、見積り修正が簡単に行える。
【0026】
請求項9記載の発明は、請求項1ないし8の何れか一記載の印刷システムにおいて、印刷指示した文書の前記印刷装置による設定枚数分の印刷に先立ち、当該文書の印刷イメージを試し出力する試し出力手段を備える。
【0027】
従って、当該印刷システムの利用可能なユーザが印刷指示した場合において、例えば、その印刷枚数が多いような場合に、前もって試し出力手段により印刷イメージを出力させることにより、所望通りの印刷イメージであるか否かをチェックでき、よって、大量のミスプリントが発生してしまうことを防止できる。
【0028】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の印刷システムにおいて、前記試し出力手段は、印刷イメージを前記印刷装置により実際に印刷用紙に印刷して出力させるハード試し出力手段と表示装置の画面上に印刷イメージを表示出力させるソフト試し出力手段とが選択自在であり、何れの出力形態を採るかを選択指定する指定手段を備える。
【0029】
従って、印刷イメージの出力形態として、実際に印刷用紙に印刷して出力させる形態と表示装置の画面上に表示出力させる形態とを任意に採ることができ、所望の形態でチェックすることができる。
請求項11の発明は、クライアントからの電子文書の受信及びその文書の印刷指示に従い、前記ネットワーク上に設置された少なくとも1台以上の印刷装置に出力することを前記ネットワーク上に設置されたプリントサーバに実行させる前記プリントサーバで読取可能なプログラムを記憶した情報記憶媒体であって、前記クライアントを通じて当該印刷システムを使用するためのユーザ識別情報をメモリに登録させる登録機能と、前記メモリに登録されているユーザ識別情報に一致するユーザ識別情報が入力された場合のみ当該印刷システムの使用を許可するシステム使用制限機能と、印刷指示した文書の前記印刷装置による印刷に先立ち、当該印刷に関わる課金対象項目を見積る見積り機能と、この見積り機能により得られた見積り結果を印刷指示したユーザ対応の前記クライアントにフィードバックするフィードバック機能と、前記クライアントにより送信され印刷指示された電子文書を保存手段に保存する保存機能と、この保存手段により保存されている電子文書中から前記クライアントを通じて所望の文書を検索し該当文書の閲覧・取得を提供する既登録文書検索提供機能と、印刷指示に基づき前記既登録文書検索提供機能により前記保存手段に保存されている電子文書を検索し、検索した電子文書をリピート印刷する機能、を前記プリントサーバに実行させるためのプログラムが記憶されていることを特徴とする。
請求項12の発明は、クライアントから前記ネットワーク上に設置されたプリントサーバに対する電子文書の送信及びその文書の印刷指示に従い、前記ネットワーク上に設置された少なくとも1台以上の印刷装置に出力する印刷方法であって、前記クライアントを通じて当該印刷システムを使用するためのユーザ識別情報をメモリに登録する登録工程と、前記メモリに登録されているユーザ識別情報に一致するユーザ識別情報が入力された場合のみ当該印刷システムの使用を許可するシステム使用制限工程と、印刷指示した文書の前記印刷装置による印刷に先立ち、当該印刷に関わる課金対象項目を見積る見積り工程と、この見積り工程で得られた見積り結果を印刷指示したユーザ対応の前記クライアントにフィードバックするフィードバック工程と、フィードバックされた前記見積り結果に応じて実際に印刷を行うか否かを指定する発注決定工程と、前記クライアントにより送信され印刷指示された電子文書を保存手段に保存する保存工程と、この保存工程において保存された電子文書中から前記クライアントを通じて所望の文書を検索し該当文書の閲覧・取得を提供する既登録文書検索提供工程と、を備え、印刷指示に基づき前記既登録文書検索提供工程により前記保存手段に保存されている電子文書を検索し、検索した電子文書をリピート印刷可能であることを特徴とする。
請求項13の発明は、クライアントから前記ネットワーク上に設置されたプリントサーバに対する電子文書の送信及びその文書の印刷指示に従い、前記ネットワーク上に設置された少なくとも1台以上の印刷装置に出力する前記プリントサーバであって、前記クライアントを通じて当該印刷システムを使用するためのユーザ識別情報をメモリに登録する登録手段と、前記メモリに登録されているユーザ識別情報に一致するユーザ識別情報が入力された場合のみ当該印刷システムの使用を許可するシステム使用制限手段と、印刷指示した文書の前記印刷装置による印刷に先立ち、当該印刷に関わる課金対象項目を見積る見積り手段と、この見積り手段による見積り結果を印刷指示したユーザ対応の前記クライアントにフィードバックするフィードバック手段と、前記クライアントにより送信され印刷指示された電子文書を保存する保存手段と、この保存手段により保存されている電子文書中から前記クライアントを通じて所望の文書を検索し該当文書の閲覧・取得を提供する既登録文書検索提供手段と、を備え、印刷指示に基づき前記既登録文書検索提供手段により前記保存手段に保存されている電子文書を検索し、検索した電子文書のリピート印刷を可能にすることを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態の印刷システムは、主に印刷業者やコピーセンタ向けでその運用範囲の広範囲化を図ったシステムであり、概略的には、ユーザはクライアントを通じて印刷ジョブに関する情報(ユーザに関する情報(名前、会社名等)、印刷に関する情報(印刷部数、フィニッシャ処理等)、配布先に関する情報(配布先名、配布形態等)など)を記載したチケットとともに印刷する文書を入稿する。印刷システムにおいて、入稿されたジョブ情報、文書は受付用クライアントを通じて受領チェック後に、入稿された文書は、プリントサーバにて印刷のスケジューリングを行い、複数台のMFP(MultiFunction Peripheral)等の印刷装置に分散させて高速に印刷・製本させる。製本後の文書をジョブチケットにおいて指定された配布先に配布する。
【0031】
本実施の形態の印刷システムの基本的なシステム構成例を図1に示し、その機能的構成例を図2に示す。
【0032】
本実施の形態の印刷システムは、基本的には、LAN等のネットワーク1上にプリントサーバ2と♯1,♯2,…,♯nで示すn台の印刷装置、ここでは、コピー・印刷・FAX・製本等のフィニッシャ機能を備えたMFP3とが配置され、さらに、ネットワーク1上に設置されたクライアントとしての受付用クライアント4、管理用クライアント5、WWWサーバ6、文書管理サーバ7を備えてなる。また、ネットワーク1に対してインタネット/イントラネット8等を介して遠隔地に設置されたクライアントとしてのユーザクライアント9が接続可能とされている。プリントサーバ2、受付用クライアント4、管理用クライアント5、WWWサーバ6、文書管理サーバ7及びユーザクライアント9は、基本的に、何れもPC(パーソナルコンピュータ)構成とされている。
【0033】
ここに、ユーザクライアント9は、ユーザ自身が印刷システム外から当該印刷システムを備えた印刷業者等に対して印刷業務を直接的に依頼するために使用するPCである。ユーザはWWWサーバ6の印刷依頼用ホームページにアクセスすることにより、インタネット/イントラネット8上からジョブチケット及び印刷する文書の送信が可能となる。また、WWWサーバ6の文書管理サーバ用ホームページにアクセスすることにより、過去に印刷依頼した文書及びジョブチケットの検索が可能となる。
【0034】
受付用クライアント4は、ユーザから電話等で依頼された印刷業務の受付を行うために印刷業者側において使用するPCである。操作者がユーザ自身であるか業者側の受付担当者であるかが異なるだけであり、機能的には、ユーザクライアント9と同様である。即ち、受付担当者はWWWサーバ6の印刷依頼用ホームページにアクセスすることにより、ジョブチケット及び印刷する文書の送信が可能となる。
【0035】
管理用クライアント5は、ユーザから依頼された印刷業務の管理を行うためのPCである。受付担当者は、受付用クライアント4を通じてWWWサーバの印刷管理用ホームページにアクセスすることにより、ジョブチケットの登録/検索/削除/管理、及び、印刷する文書の文書管理サーバ7への登録/検索/削除/管理が可能となる。
【0036】
WWWサーバ6は、ユーザ及び受付担当者に対して、クライアント9,4を通じて、印刷依頼用、印刷管理用及び文書管理用のホームページ及びWebアプリケーションを提供するためのPCである。
【0037】
プリントサーバ2は、当該印刷システムの中核をなすサーバPCであり、後述するようにジョブチケットの管理、印刷ジョブのスケジューリング、課金処理、印刷制御(並行印刷、代替印刷等)を行う。このプリントサーバ2は見積DB、印刷ジョブDB、装置DB、マスタDB、ユーザDBなるデータベース10を備えている。
【0038】
文書管理サーバ7は、印刷する文書の管理を行うために使用するサーバPCであり、具体例として、株式会社リコー製の統合文書管理システムLIFISAが用いられている。この文書管理サーバ7を用いることにより、ユーザから送信された電子文書を登録保存し、また、リピート印刷時にはその文書の検索を行う。この文書管理サーバ7は、文書データベース11を備えている。
【0039】
このような概略的基本構成において、本実施の形態では、当該印刷システムを利用する上で、ユーザ登録を必要としている。例えば、ユーザクライアント9を用いたユーザ登録について説明する。ユーザクライアント9においてWWWサーバ6の印刷依頼用ホームページにアクセスすると、図3に示すようなメインメニュー画面がユーザクライアント9の画面9aに表示される。このメインメニュー画面において、法人管理又はユーザ管理の法人登録、ユーザ(法人)登録又はユーザ(個人)登録を選択操作することにより、ユーザ登録が可能となる。例えば、法人登録を選択操作すると、画面9aは図4に示すような「法人登録」画面に切換えられ、会社名、住所、電話番号等とともに、パスワードをユーザ識別情報として入力し、OKボタンを操作することにより、当該法人ユーザのユーザ識別情報がメモリであるデータベース10上のユーザDBに登録される。法人に属するユーザの場合には、当該法人が既に登録されていることを条件に、当該法人ユーザに属するユーザ(法人)としての登録が可能となる。この場合、ユーザ(法人)登録を選択操作すると、画面9aは図5に示すような「ユーザ(法人)登録」画面に切換えられ、所属、氏名、住所、電話番号等とともに、パスワードをユーザ識別情報として入力し、OKボタンを操作することにより、当該ユーザ(法人)のユーザ識別情報がメモリであるデータベース10上のユーザDBに登録される。さらに、法人に属さないユーザ(個人)の場合には、ユーザ(個人)登録を選択操作すると、画面9aは図6に示すような「ユーザ(個人)登録」画面に切換えられ、氏名、住所、電話番号等とともに、パスワードをユーザ識別情報として入力し、OKボタンを操作することにより、当該ユーザ(個人)のユーザ識別情報がメモリであるデータベース10上のユーザDBに登録される。このような登録は、ユーザクライアント9によらず、電話等によるユーザからの依頼により受付担当者が受付用クライアント4を通じて行う場合も同様である。
【0040】
このようなユーザ登録に関するプリントサーバ2での処理制御例を図7に示す概略フローチャートを参照して簡単に説明する。まず、ユーザクライアント9(又は、受付用クライアント4)を通じてWWWサーバ6の印刷依頼用ホームページにアクセスがあり、対応するクライアントの画面にメインメニューが表示され、法人登録、ユーザ(法人)登録又はユーザ(個人)登録の何れかが選択されると、登録モードとなる(ステップS1のY)。この登録モードにおいて、法人登録が選択された場合には(S2のY)、所定事項の入力後、OKボタンが操作されると(S3のY)、当該法人ユーザのパスワード等のユーザ識別情報をユーザDBに登録し、当該法人ユーザに対してユーザ識別情報の一つである法人IDを発行し(S4)、登録処理を終了する。登録モードにおいて、ユーザ(法人)登録が選択された場合には(S5のY)、所定事項の入力後、OKボタンが操作されると(S6のY)、当該ユーザ(法人)のパスワード等のユーザ識別情報をそのユーザの属する法人IDに対応付けてユーザDBに登録し、当該ユーザ(法人)に対してユーザ識別情報の一つであるユーザIDを発行し(S7)、登録処理を終了する。登録モードにおいて、ユーザ(個人)登録が選択された場合には(S5のN)、所定事項の入力後、OKボタンが操作されると(S8のY)、当該ユーザ(個人)のパスワード等のユーザ識別情報をユーザDBに登録し、当該ユーザ(個人)に対してユーザ識別情報の一つであるユーザIDを発行し(S9)、登録処理を終了する。この図7に示すステップS1ないしS9の一連の処理が登録手段の機能としてプリントサーバ2により実行される。
【0041】
図8は、このような登録処理により法人・ユーザ登録された結果を模式的に示す説明図である。即ち、図示例の如く、法人とユーザ(個人)とが同等の単位としてグルーピングされ(法人1、法人2、…、ユーザ(個人)1、ユーザ(個人)2、…、ユーザ(個人)nの如く)、法人に属するユーザの場合には、ユーザ(法人)として、対応する法人の下に階層構造で管理される(例えば、法人1に対するユーザ(法人)1、ユーザ(法人)2、…、ユーザ(法人)nの如く)。即ち、図7中に示した処理例のうち、特に、ステップS4,S7,S9の処理が登録管理手段の機能として実行される。
【0042】
このように登録され発行されたパスワード及びユーザIDは、当該ユーザのユーザ識別情報として、本来の印刷依頼はもちろん、見積り、ジョブ登録等、当該印刷システムの主要な機能を利用する際に必要なユーザログイン時に使用する。即ち、ユーザは当該印刷システムの主要機能を使用するためにユーザログインを行う。このユーザログインを行う際に、ユーザは登録時に発行されたユーザIDと登録時に指定したパスワードとを入力しなければならない。例えば、ユーザクライアント9においてWWWサーバ6の印刷依頼用ホームページにアクセスすると、図3に示すようなメインメニュー画面がユーザクライアント9の画面9aに表示される。このメインメニュー画面において、ユーザIDとパスワードとを正しく入力し、OKボタンを操作すると、既登録ユーザであればログインされ、当該印刷システムの利用が可能となる。逆に、このメインメニュー画面において、ユーザIDやパスワードが入力されず、或いは、入力されても該当するユーザIDが発行されておらず、或いは、該当するバスワードが指定されていない場合には、ログインが正常に行われず、当該印刷システムの使用が許可されない。
【0043】
このようなユーザログインに関するプリントサーバ2での処理制御例を図9に示す概略フローチャートを参照して簡単に説明する。まず、ユーザクライアント9(又は、受付用クライアント4)を通じてWWWサーバ6の印刷依頼用ホームページにアクセスがあり、対応するクライアントの画面にメインメニューが表示され、ユーザID、パスワードが入力され、OKボタンが操作されると、ログインモードとなる(ステップS11のY)。このログインモードにおいては、入力されたユーザIDがユーザDB中に存在するかを検索し(S12)、検索の結果、該当するユーザIDが存在すれば(S13のY)、さらに、入力されたパスワードについてもその同様にユーザIDについて指定されているパスワードと照合し(S14)、一致すれば(S15のY)、ログインが完了し(S16)、当該印刷システムに関して使用が許可され、指定された必要な処理が可能となる。一方、入力されたユーザIDに該当するIDが存在しない場合や(S13のN)、入力されたパスワードが指定されたバスワードと一致しない場合には(S15のN)、ログインが不可となり(S17)、当該印刷システムの使用が許可されない。この図9に示すステップS11ないしS17の一連の処理がシステム使用制限手段の機能としてプリントサーバ2により実行される。この結果、印刷システム自体が運用対象が広範囲となるように構築されていても、ユーザ登録されていないユーザに関しては、当該印刷システムを使用することができず、不特定多数からの印刷依頼等に対するユーザセキュリティを確保することができる。
【0044】
このような登録手段、登録管理手段、或いは、システム使用制限手段等の機能は、プリントサーバ2が読取り可能なCD−ROM、FD等の情報記憶媒体に対応するプログラムを記憶させておき、プリントサーバ2に読取らせることによっても実行させることができる。
【0045】
つづいて、このようにユーザ登録されログイン可能なユーザに対して提供される当該印刷システムの業務の流れの概要を図10及び図11に示す。これらの図10及び図11においては、破線で囲んで示す範囲内が当該印刷システムの適用範囲である。
【0046】
本実施の形態においては、ユーザは当該印刷システムに印刷業務を依頼するにあたり、ユーザクライアント9(又は、受付用クライアント4)を通じて印刷ジョブの見積りを依頼することができる。ユーザクライアント9において前述したようなログインが完了した後、作業メニューとして印刷メニューを指定すると、図12に示すような印刷メニューの画面9aが出現する。そこで、「見積り依頼」を指定すると、当該印刷システム側では自動的に見積り番号を発行するとともに図13に示すような「見積り依頼」の画面9aとなる。この画面においては、見積り対象項目として、配布先情報、出力情報、文書保存情報等が表示され、必要な個所に入力が可能となる。配布先情報に関しては、この配布先情報入力部分をクリックすることにより、図14に示すように、個人情報(氏名、電話番号等)、会社情報(会社名、住所、電話番号等)、配送情報(配送手段、優先度、部数)等の課金対象に関する条件が適宜入力設定可能とされている。この画面9aにおいて、OKボタンを操作することにより、配布先情報の入力が確定する。出力情報に関しては、図13に示すように、ジョブ情報として部数、両面、ページ数、紙情報としてサイズ、紙質、表紙色、紙の色、特殊紙、フィニッシャー処理情報としてステープル、束ね位置、束ね方法、穴あけ、スケジューリング情報として普通、至急、日時指定等の課金対象に関する条件が適宜入力設定可能とされている。文書保存情報に関しては、保存の有無、保存期限等の課金対象に関する条件が適宜入力設定可能とされている。この図13に示す画面9aにおいて、OKボタンを操作することにより、見積り条件が確定し、見積り処理が行われる。
【0047】
当該印刷システムにおいてプリントサーバ2より見積り処理を行わせるため、データベース10中の見積DBには、図15に示すような配送料金テーブル10a、図16に示すような紙料金テーブル10b、図17に示すような文書保存料金テーブル10cが格納されている。即ち、配送料金テーブル10aには、配送先と配送手段との組合わせで各々料金が設定されており、印刷に関わる費用の見積り・算出に供される。紙料金テーブル10bには、用紙サイズと用紙種別との組合わせで各々料金が設定されており、印刷に関わる費用の見積り・算出に供される。文書保存料金テーブル10cには、文書保存年数に応じた料金が設定されており、保存費用の見積り・算出に供される。
【0048】
さらに、WWWサーバ6の印刷管理ホームページにアクセスすることにより、管理用クライアント5が管理している各MFP3に関する印刷スケジュールに対して、見積り依頼された文書を矢印で示す如く投入して、その印刷完了予定日時(スケジュール)を算出する機能を有する。
【0049】
このような見積りに関するプリントサーバ2での処理制御例を図19に示す概略フローチャートを参照して簡単に説明する。ユーザクライアント9(又は、受付用クライアント4)を通じてユーザより見積り依頼が発行された場合の処理であり、図14に示した配送先情報入力後にOKボタンが押され(S21)、図13に示した見積り依頼画面でOKボタンが押されると(S22)、設定された見積り条件を取り込み(S23)、管理用クライアント5中の印刷スケジュール中に投入して印刷完了予定日時を算出する(S24)。引き続き、データベース10中の見積DBを照合して(S25)、まず、印刷費用の見積り演算を行う(S26)。即ち、紙質、紙サイズ、印刷枚数等の印刷用紙に関する要素、ステープル、パンチ等の印刷装置におけるフィニッシャー処理に関する要素、及び、至急印刷、日時指定印刷等のスケジュールに関する要素を課金対象として印刷費用を見積り計算を行う。例えば、単純には、(ページ単価×ページ数×部数)+(フィニッシャ処理単価×部数)の如く演算処理により算出される。このステップS26の処理が主演算手段の機能としてプリントサーバ2により実行される。引き続き、電子文書の保存費用を課金対象として見積り計算を行う(S27)。このステップS27の処理が副演算手段の機能としてプリントサーバ2により実行される。これらの演算処理後に、見積書を作成し(S28)、ユーザクライアント9(又は、受付用クライアント4)に対してこの見積書を送付する(S29)。これらのステップS21〜S28の一連の処理が見積り手段の機能としてプリントサーバ2により実行され、ステップS29の処理がフィードバック手段の機能としてプリントサーバ2により実行される。これにより、ユーザは見積書の内容を確認することができ、その検討により、実際に印刷を発注するか否かの判断に供することができる。即ち、ユーザクライアント9(又は、受付用クライアント4)を通じて、図12に示す画面9aにおいて印刷ジョブ登録を指定することにより、正式に印刷依頼を発注できる(発注決定手段)。
【0050】
もっとも、見積り結果のユーザ側へフィードバックする手法としては、例えば、図20に示すCSV等の形式による当該印刷システムの外部ファイル12として出力させるようにしてもよい。これによれば、見積りデータの修正・加工が容易に行える。即ち、印刷システムにおいては、図15ないし図17に示したように各項目における料金テーブル10a,10b,10cをシステム内部に保持し、これを参照することにより見積り金額を算出することは可能であるが、例えば、各法人又はユーザ毎に固有の割引を行うケースも想定され、このように各法人、各ユーザ毎に、かつ、見積り依頼毎に異なった割引が行われるような場合には、当該印刷システム内部にそのようなテーブルを保持することは極めて困難である。従って、当該印刷システムで作成した見積り結果をCSV形式等の外部ファイル12としてシステム外に出力させることにより、その時々に応じた割引等の情報を容易に付加することが可能となる。
【0051】
つづいて、当該印刷システムを利用した印刷指示した電子文書に関する保存及び保存後の当該電子文書の閲覧等について説明する。ユーザクライアント9(又は、受付用クライアント4)において、図12に示した印刷メニューの画面9aにおいて、例えば見積り依頼終了に引き続き、印刷ジョブ登録を発注指定する際に、印刷ジョブの保存処理を選択指定できる。この印刷ジョブ登録を指定すると、図21に示すような印刷ジョブ登録用の画面9aとなり、登録に必要な項目が表示される。この項目は、基本的に見積り時の場合と同様であり、その一つの項目として、文書保存情報入力があり、保存の有無に関して、するかしないかを選択することにより、電子文書を保存させることも保存させないことも選択できる。従って、この図21に示す画面9aが指定手段として機能する。印刷指示した電子文書を当該印刷システム中に保存させるか否かを印刷指示したユーザが任意に選択指定できるので、同一文書に関して再度印刷させる可能性が高いような場合には保存指定して保存させておくことにより、同一文書に関して再度印刷が必要になった場合には再度印刷文書を送信することなく保存させた文書を用いて印刷させることができ、効率的かつ迅速な印刷処理が可能となる。特に保存を必要としない場合には、保存指定しないことにより、保存料の支払いが不要となる。
【0052】
印刷指示した電子文書に関して印刷ジョブ登録する際に保存を指定した場合には、プリントサーバ2はWWWサーバ6の文書管理用のWebアプリケーションを利用することにより、当該電子文書を文書管理サーバ7に出力することにより、その文書データベース11に保存登録する。このように文書データベース11に保存された電子文書はその後、任意の時点・時期に検索により閲覧・取得可能とされるが、本実施の形態では、当該印刷依頼を行ったユーザのみが保存されている対応する電子文書を検索して閲覧できるように、印刷ジョブ登録時(即ち、印刷依頼時)に保存する電子文書に対して当該ユーザのアクセス権の設定が可能とされている。これにより、保存文書に対するセキュリティが確保されている。図22は保存文書(例えば、文書A,B,…,n)に対してセキュリティ情報として対応するユーザのID情報が付加されている様子を模式的に示している。特に、図示例のように、法人ユーザに属するユーザ(法人)の場合には、印刷依頼したユーザ(例えば、ユーザID:U00010001)及びそのユーザの属する法人(例えば、法人ID:C0001)に対して保存している電子文書Aを閲覧できるアクセス権を付加することにより、印刷指示したユーザ及びそのユーザの属するグループ内のユーザ(例えば、ユーザ(法人)2、…、ユーザ(法人)n)のみがその電子文書の検索、閲覧及び取得が可能となる。
【0053】
もっとも、印刷指示し保存させようとしている文書内容によっては、秘密性等を全く有さず、当該ユーザのみの利用に限らず広く当該印刷システム利用登録者に開放させようとする場合もあるので、このような場合には、保存に際して、アクセス権を特に指定しないことにより、対応できる。即ち、文書データベース11に保存されている文書に関して、アクセス権が指定されていなければ、当該印刷システムにログインした全てのユーザに対してその文書の検索、閲覧及び取得が許可される。
【0054】
このような文書保存に関するプリントサーバ2での処理制御例を図23に示す概略フローチャートを参照して簡単に説明する。ユーザクライアント9(又は、受付用クライアント4)を通じてユーザより印刷ジョブ登録が指定された場合の処理であり、当該印刷ジョブ登録に際して文書保存が指定されていた場合には(S31)、さらに、アクセス権が設定されているかをチェックする(S32)。アクセス権が設定されていれば(S32のY)、アクセス権をセキュリティ情報として付加して当該印刷指示された電子文書を文書管理サーバ7へ送りその文書データベース11中に保存させる(S33)。一方、アクセス権が設定されていなければ(S32のN)、アクセス権を付加することなく、当該印刷指示された電子文書を文書管理サーバ7へ送りその文書データベース11中に保存させる(S34)。保存手段としての機能は文書管理サーバ7により実行される。
【0055】
また、既登録の文書に関する検索・閲覧・取得の依頼があった場合の文書管理サーバ7での処理制御例を図24に示す概略フローチャートを参照して簡単に説明する。ユーザクライアント9(又は、受付用クライアント4)を通じて当該印刷システムに対してログイン可能なユーザから検索・閲覧・取得の依頼があった場合、まず、その検索条件を取り込み(S41)、その検索条件に従い文書データベース11中を検索する(S42)。検索の結果、該当する文書がなければ(S43のN)、その旨をユーザクライアント9(又は、受付用クライアント4)に通知して処理を終える。該当する文書があれば(S43のY)、当該文書に対してアクセス権が設定されているか否かをチェックする(S44)。アクセス権が設定されている場合には(S44のY)、当該印刷システムに対してログインするために入力されたユーザIDがアクセス権として設定されているセキュリティ情報に対応するか否かをチェックする(S45)。ユーザ(法人)の場合には、当該文書印刷を指示したユーザ自身に限らず、法人ユーザが一致しているユーザであれば対応するものとして判断される。セキュリティ情報に対応している場合には(S45のY)、当該ユーザに対して検索結果の閲覧ないしはその文書情報の提供が許可される(S46)。セキュリティ情報に対応していないユーザの場合には、検索結果の閲覧ないしはその文書情報の提供が許可されず、その旨がユーザクライアント9(又は、受付用クライアント4)を通じてユーザに通知される(S47)。アクセス権が設定されていない場合には(S44のN)、当該ユーザに対して検索結果の閲覧ないしはその文書情報の提供が許可される(S46)。ここに、ステップS44のN、S45のY、S46の処理が既登録文書検索提供手段の機能として文書管理サーバ7により実行され、ステップS45のN、S47の処理がアクセス制限手段の機能として文書管理サーバ7により実行される。
【0056】
また、本実施の形態においては、印刷ジョブ登録に際して、実際に印刷処理を開始する前に、試し印刷をするかしないかが選択自在とされている。即ち、図20に示す印刷ジョブ登録の画面9aにおいて、出力情報入力項目の1つに試し印刷をするかしないかの選択自在な指定手段としての入力表示が含まれている。試し印刷を指定すると、本来の印刷に先立ち、試し印刷の結果をユーザが確認チェックすることができ、複数部数のミスプリントが発生してしまうことを未然に防止できる。特に、印刷枚数が多い場合には効果的となる。
【0057】
もっとも、本実施の形態では、印刷用紙上に試し印刷することを想定して説明したが、必ずしも印刷用紙上に印刷して出力させるハード出力形態に限らず、要はその文書の仕上がりの印刷イメージが分かればよく、例えば、ユーザクライアント9(又は、受付用クライアント4)の表示装置の画面9a上に表示出力させるソフト出力形態であってもよい。このためには、特に図示しないが、印刷イメージを印刷装置3により実際に印刷用紙に印刷して出力させるハード試し出力手段とクライアント9等の表示装置の画面上に印刷イメージを表示出力させるソフト試し出力手段とが選択自在であり、何れの出力形態を採るかを選択指定する指定手段を備える構成とすればよい。ソフト試し出力手段の場合には、例えば、印刷イメージをTIFF等のファイル形式で保持させておけばよい。
【0058】
なお、図1等に示す印刷システムの構成例は、基本形を示す模式的なものであり、現実には各種変形例を採り得ることはもちろんである。
【0059】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、不特定多数のユーザに開放された運用範囲の広いシステム構成とした場合であっても、クライアントを通じ登録手段を用いて予め当該印刷システムにユーザ識別情報を登録したユーザであれば対応するユーザ識別情報を指定してログインすることにより当該印刷システムを利用することが許可されるが、未登録のユーザの場合には対応するユーザ識別情報を有さずクライアントを通じて適正にログインできないため、当該印刷システムを利用することが許可されず、よって、ユーザに関するセキュリティを確保することができ、この結果、運用規模が特に制限されないシステム構築が可能となる。
また、当該印刷システムが登録されたユーザがクライアントを通じて印刷指示した電子文書を保存手段により保存する機能を有するので、同一文書に関して再度印刷が必要になった場合に再度印刷文書を送信することなく印刷させることができ、効率的かつ迅速な印刷処理が可能となる。
更に、当該印刷システムの利用が可能なユーザにおいて、クライアントを通じて実際に印刷を行う発注を決定する前に、見積り手段により当該印刷に関わる課金対象項目を見積り、その見積り結果が印刷指示したユーザ対応のクライアントにフィードバックされるので、通常の印刷業者に印刷を依頼する場合と同様に、発注するか否かを適正に判断することができる。
【0060】
請求項2記載の発明によれば、例えば法人なるユーザに属する個人ユーザのような場合、これらの個人ユーザを法人ユーザの下に階層化させた階層構造で管理するとともに、法人単位でユーザをグルーピングすることにより、容易にその管理を行うことができる。
【0061】
請求項3記載の発明によれば、保存されている文書に関しては、アクセス権設定手段により当該ユーザのユーザ識別情報に対応させてアクセス権を設定し、アクセス権の設定されたユーザ識別情報又は当該ユーザの属するグループ内のユーザ識別情報が入力された場合のみアクセス制限手段により当該文書の検索ないし該当する文書の閲覧・取得を許容することにより、文書に関するセキュリティも確保できる。
【0062】
請求項4記載の発明によれば、印刷指示した電子文書を当該印刷システム中に保存させるか否かを印刷指示したユーザが任意に選択指定できるので、同一文書に関して再度印刷させる可能性が高いような場合には保存指定して保存させておくことにより、同一文書に関して再度印刷が必要になった場合には再度印刷文書を送信することなく保存させた文書を用いて印刷させることができ、効率的かつ迅速な印刷処理が可能となる。特に保存を必要としない場合には、保存指定しないことにより、保存料の支払いが不要となる。
【0063】
請求項5記載の発明によれば、印刷指示した電子文書を保存させる際にアクセス権を設定するか否かを印刷指示したユーザが任意に選択指定できるので、アクセス権の設定を指定すれば、当該ユーザ或いはそのユーザが属するグループのユーザのみがアクセス可能となり、文書に関するセキュリティを確保できる。一方、特にセキュリティ性を有しない文書の場合には、アクセス権の設定を指定しなければ、ログインした当該印刷システム利用可能な全てのユーザに対してその文書の閲覧等のアクセスを可能にすることができ、結局、文書のセキュリティ性の有無に応じた保存形態を採れる。
【0064】
請求項6記載の発明によれば、当該印刷システムの利用が可能なユーザにおいて、クライアントを通じて実際に印刷を行う発注を決定する前に、見積り手段により当該印刷に関わる費用、スケジュールを見積り、その見積り結果が印刷指示したユーザ対応のクライアントにフィードバックされるので、通常の印刷業者に印刷を依頼する場合と同様に、発注するか否かを適正に判断することができる。
【0065】
請求項7記載の発明によれば、課金対象項目に関する見積りを適正に行うことができる。
【0066】
請求項8記載の発明によれば、見積もり結果を、例えばCSV(Comma Separated Value)等の形式により外部ファイルとして出力させることにより、そのデータの修正、加工が可能となり、ユーザに応じた割引等の情報を容易に付加することができ、見積り修正が簡単に行える。
【0067】
請求項9記載の発明によれば、当該印刷システムの利用可能なユーザが印刷指示した場合において、例えば、その印刷枚数が多いような場合に、前もって試し出力手段により印刷イメージを出力させることにより、所望通りの印刷イメージであるか否かをチェックでき、よって、大量のミスプリントが発生してしまうことを防止できる。
【0068】
請求項10記載の発明によれば、印刷イメージの出力形態として、実際に印刷用紙に印刷して出力させる形態と表示装置の画面上に表示出力させる形態とを任意に採ることができ、所望の形態でチェックすることができる。
【0069】
請求項11記載の発明によれば、不特定多数のユーザに開放された運用範囲の広いシステム構成とした場合であっても、クライアントを通じ登録手段を用いて予め当該印刷システムにユーザ識別情報を登録したユーザであれば対応するユーザ識別情報を指定してログインすることにより当該印刷システムを利用することが許可されるが、未登録のユーザの場合には対応するユーザ識別情報を有さずクライアントを通じて適正にログインできないため、当該印刷システムを利用することが許可されず、よって、ユーザに関するセキュリティを確保することができ、この結果、運用規模が特に制限されないシステム構築が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す印刷システムの基本的なシステム構成図である。
【図2】その機能的構成例を示すブロック図である。
【図3】メインメニューの画面例を示す正面図である。
【図4】法人登録画面例を示す正面図である。
【図5】ユーザ(法人)登録画面例を示す正面図である。
【図6】ユーザ(個人)登録画面例を示す正面図である。
【図7】ユーザ登録処理の制御例を示す概略フローチャートである。
【図8】ユーザ登録結果例を示す模式図である。
【図9】ユーザログイン処理の制御例を示す概略フローチャートである。
【図10】当該印刷システムの業務の流れを示すブロック図である。
【図11】当該印刷システムの業務の流れを示すブロック図である。
【図12】印刷メニュー画面例を示す正面図である。
【図13】見積り依頼画面例を示す正面図である。
【図14】配布先情報入力画面例を示す正面図である。
【図15】配送料金テーブルを示す説明図である。
【図16】紙料金テーブルを示す説明図である。
【図17】文書補間料金テーブルを示す説明図である。
【図18】印刷スケジュールを示す説明図である。
【図19】見積り依頼の処理制御例を示す概略フローチャートである。
【図20】CSV出力例を示す説明図である。
【図21】印刷ジョブ登録画面例を示す正面図である。
【図22】文書のセキュリティをユーザと登録例と併せて模式的に示す説明図である。
【図23】印刷ジョブ登録における保存処理例を示す概略フローチャート図である。
【図24】文書検索・閲覧処理制御例を示す概略フローチャートである。
【符号の説明】
1 ネットワーク
2 プリントサーバ
3 印刷装置
4,9 クライアント
7 登録手段
10 メモリ
Claims (13)
- クライアントからネットワーク上に設置されたプリントサーバに対する電子文書の送信及びその文書の印刷指示に従い、前記ネットワーク上に設置された少なくとも1台以上の印刷装置に出力する印刷システムにおいて、
前記クライアントを通じて当該印刷システムを使用するためのユーザ識別情報をメモリに登録する登録手段と、
前記メモリに登録されているユーザ識別情報に一致するユーザ識別情報が入力された場合のみ当該印刷システムの使用を許可するシステム使用制限手段と、
印刷指示した文書の前記印刷装置による印刷に先立ち、当該印刷に関わる課金対象項目を見積る見積り手段と、
この見積り手段による見積り結果を印刷指示したユーザ対応の前記クライアントにフィードバックするフィードバック手段と、
フィードバックされた前記見積り結果に応じて実際に印刷を行うか否かを指定する発注決定手段と、
前記クライアントにより送信され印刷指示された電子文書を保存する保存手段と、
この保存手段により保存されている電子文書中から前記クライアントを通じて所望の文書を検索し該当文書の閲覧・取得を提供する既登録文書検索提供手段と、
を備え、
印刷指示に基づき前記既登録文書検索提供手段により前記保存手段に保存されている電子文書を検索し、検索した電子文書をリピート印刷可能であることを特徴とする印刷システム。 - 前記登録手段によるユーザ識別情報の登録に際して対応する法人の下にユーザを少なくとも1階層以上の階層構造でグルーピングして管理する登録管理手段を備えることを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
- 前記保存手段による電子文書の保存に際して当該電子文書に対するアクセス権を当該ユーザのユーザ識別情報に対応させて設定するアクセス権設定手段と、
前記既登録文書検索提供手段による所望の文書の検索ないし該当する文書の閲覧・取得を前記アクセス権の設定されたユーザ識別情報又は当該ユーザの属するグループ内のユーザ識別情報が入力された場合のみ許容するアクセス制限手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2記載の印刷システム。 - 前記クライアントにより送信し印刷指示する電子文書を前記保存手段により保存させるか否かを指定する指定手段を備えることを特徴とする請求項3記載の印刷システム。
- 前記保存手段により保存する電子文書に対して前記アクセス権設定手段によりアクセス権を設定するか否かを指定する指定手段を備えることを特徴とする請求項3又は4記載の印刷システム。
- 前記課金対象項目は、当該印刷に係る費用、スケジュールであることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷システム。
- 前記見積り手段は、紙質、紙サイズ、印刷枚数等の印刷用紙に関する要素、ステープル、パンチ等の前記印刷装置におけるフィニッシャー処理に関する要素、及び、至急印刷、日時指定印刷等のスケジュールに関する要素を課金対象として見積り計算を行う主演算手段と、前記保存手段により保存する電子文書の保存費用を課金対象として見積り計算を行う副演算手段とを備えることを特徴とする請求項1又は2記載の印刷システム。
- 前記フィードバック手段は、前記見積り結果を外部ファイルに出力することを特徴とする請求項7記載の印刷システム。
- 印刷指示した文書の前記印刷装置による設定枚数分の印刷に先立ち、当該文書の印刷イメージを試し出力する試し出力手段を備えることを特徴とする請求項1ないし8の何れか一記載の印刷システム。
- 前記試し出力手段は、印刷イメージを前記印刷装置により実際に印刷用紙に印刷して出力させるハード試し出力手段と表示装置の画面上に印刷イメージを表示出力させるソフト試し出力手段とが選択自在であり、何れの出力形態を採るかを選択指定する指定手段を備えることを特徴とする請求項9記載の印刷システム。
- クライアントからの電子文書の受信及びその文書の印刷指示に従い、前記ネットワーク上に設置された少なくとも1台以上の印刷装置に出力することを前記ネットワーク上に設置されたプリントサーバに実行させる前記プリントサーバで読取可能なプログラムを記憶した情報記憶媒体であって、
前記クライアントを通じて当該印刷システムを使用するためのユーザ識別情報をメモリに登録させる登録機能と、
前記メモリに登録されているユーザ識別情報に一致するユーザ識別情報が入力された場合のみ当該印刷システムの使用を許可するシステム使用制限機能と、
印刷指示した文書の前記印刷装置による印刷に先立ち、当該印刷に関わる課金対象項目を見積る見積り機能と、
この見積り機能により得られた見積り結果を印刷指示したユーザ対応の前記クライアントにフィードバックするフィードバック機能と、
前記クライアントにより送信され印刷指示された電子文書を保存手段に保存する保存機能と、
この保存手段により保存されている電子文書中から前記クライアントを通じて所望の文書を検索し該当文書の閲覧・取得を提供する既登録文書検索提供機能と、
印刷指示に基づき前記既登録文書検索提供機能により前記保存手段に保存されている電子文書を検索し、検索した電子文書をリピート印刷する機能、を前記プリントサーバに実行させるためのプログラムが記憶されていることを特徴とする情報記憶媒体。 - クライアントから前記ネットワーク上に設置されたプリントサーバに対する電子文書の送信及びその文書の印刷指示に従い、前記ネットワーク上に設置された少なくとも1台以上の印刷装置に出力する印刷方法であって、
前記クライアントを通じて当該印刷システムを使用するためのユーザ識別情報をメモリに登録する登録工程と、前記メモリに登録されているユーザ識別情報に一致するユーザ識別情報が入力された場合のみ当該印刷システムの使用を許可するシステム使用制限工程と、印刷指示した文書の前記印刷装置による印刷に先立ち、当該印刷に関わる課金対象項目を見積る見積り工程と、この見積り工程で得られた見積り結果を印刷指示したユーザ対応の前記クライアントにフィードバックするフィードバック工程と、フィードバックされた前記見積り結果に応じて実際に印刷を行うか否かを指定する発注決定工程と、前記クライアントにより送信され印刷指示された電子文書を保存手段に保存する保存工程と、この保存工程において保存された電子文書中から前記クライアントを通じて所望の文書を検索し該当文書の閲覧・取得を提供する既登録文書検索提供工程と、を備え、印刷指示に基づき前記既登録文書検索提供工程により前記保存手段に保存されている電子文書を検索し、検索した電子文書をリピート印刷可能であることを特徴とする印刷方法。 - クライアントから前記ネットワーク上に設置されたプリントサーバに対する電子文書の送信及びその文書の印刷指示に従い、前記ネットワーク上に設置された少なくとも1台以 上の印刷装置に出力する前記プリントサーバであって、
前記クライアントを通じて当該印刷システムを使用するためのユーザ識別情報をメモリに登録する登録手段と、前記メモリに登録されているユーザ識別情報に一致するユーザ識別情報が入力された場合のみ当該印刷システムの使用を許可するシステム使用制限手段と、印刷指示した文書の前記印刷装置による印刷に先立ち、当該印刷に関わる課金対象項目を見積る見積り手段と、この見積り手段による見積り結果を印刷指示したユーザ対応の前記クライアントにフィードバックするフィードバック手段と、前記クライアントにより送信され印刷指示された電子文書を保存する保存手段と、この保存手段により保存されている電子文書中から前記クライアントを通じて所望の文書を検索し該当文書の閲覧・取得を提供する既登録文書検索提供手段と、を備え、印刷指示に基づき前記既登録文書検索提供手段により前記保存手段に保存されている電子文書を検索し、検索した電子文書のリピート印刷を可能にすることを特徴とする印刷システムのプリントサーバ。
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