JP4274155B2 - 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法 - Google Patents

動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、駆動軸に動力を出力する動力出力装置およびこれを搭載し前記駆動軸に車軸が接続されて走行する自動車並びに動力出力装置の制御方法に関する。
従来、この種の動力出力装置としては、遊星歯車機構の各回転要素にエンジンと第1モータジェネレータと出力軸とが接続される(主動力源)と共に、変速機を介して出力軸に第2モータジェネレータが接続された(アシスト動力源)ものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、変速機の変速段を変更する際には、変速が開始されてから出力軸のトルクが低下し始めたタイミングで主動力源から出力軸に出力するトルクを補正し、トルクの補正量や補正のタイミングを変速が開始されてからイナーシャ相が開始されるまでの時間により学習することにより、変速に伴うショックの抑制を図っている。
特開2004−203220号公報
上述の動力出力装置では、主動力源から出力するトルクの補正量やそのタイミングを変速が開始されてからイナーシャ相が開始されるまでの時間により学習しているが、変速段が変更される際の変速機の入出力状態たとえば電動機の駆動力や出力軸の回転数については考慮されていない。変速が開始されてから駆動軸のトルクが低下し始めるタイミングやその低下量は、変速機の入出力状態によっても変わるから、イナーシャ相が開始されるまでの時間のみにより学習を行なっても適切な学習を行なうことができない場合が生じ、変速に伴うショックを抑制できない場合がある。
本発明の動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法は、変速比を変更する際に駆動軸に作用する駆動力が変動するのをより確実に抑制することを目的とする。
本発明の動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の第1の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
内燃機関と、
該内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され、電力と動力の入出力により該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力可能な電力動力入出力手段と、
動力の入出力が可能な電動機と、
前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、
変更可能な変速比をもって前記電動機の回転軸と前記駆動軸との動力の伝達を行なう変速伝達手段と、
前記駆動軸に作用する駆動力の所定の変動を伴って前記変速伝達手段における変速比が変更される際には、該変速比の変更に起因して前記電動機の回転軸の回転数が変化を開始するタイミングを判定し、該判定したタイミングと前記変速比が変更される際の前記変速伝達手段の入出力状態とに基づいて実行態様について学習する学習手段と、
前記駆動軸に作用する駆動力の所定の変動を伴って前記変速伝達手段における変速比が変更される際には、前記学習手段による学習結果と前記変速比が変更される際の前記変速伝達手段の入出力状態とに基づいて実行態様を設定し、該設定した実行態様をもって前記変動の少なくとも一部が前記電力動力入出力手段を介して前記内燃機関から該駆動軸に出力される直達駆動力により打ち消されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを駆動制御する変速比変更時制御手段と
を備えることを要旨とする。
この本発明の第1の動力出力装置では、駆動軸に作用する駆動力の所定の変動を伴って変速伝達手段における変速比が変更される際には変速比の変更に起因して電動機の回転軸の回転数が変化を開始するタイミングを判定しこの判定したタイミングと変速比が変更される際の変速伝達手段の入出力状態とに基づいて実行態様について学習し、駆動軸に作用する駆動力の所定の変動を伴って変速伝達手段における変速比が変更される際には学習結果と変速比が変更される際の変速伝達手段の入出力状態とに基づいて実行態様を設定しこの設定した実行態様をもって駆動軸に作用する駆動力の所定の変動の少なくとも一部が電力動力入出力手段を介して内燃機関から駆動軸に出力される直達駆動力により打ち消されるよう内燃機関と電力動力入出力手段と電動機とを駆動制御する。従って、駆動軸に作用する駆動力の所定の変動を伴って変速比が変更される際に変動の少なくとも一部が直達駆動力により打ち消されるよう制御する際の実行態様についての学習をより適切なものとすることができる。この結果、変速比を変更する際に駆動軸に作用する駆動力が変動するのをより確実に抑制することができる。
こうした本発明の第1の動力出力装置において、前記学習手段は、前記実行態様として実行タイミングについて学習する手段であり、前記変速比変更時制御手段は、前記学習手段による学習結果と前記変速比が変更される際の前記変速伝達手段の入出力状態とに基づいて実行タイミングを設定して制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、駆動軸に作用する駆動力の所定の変動を伴って変速比が変更される際に変動の少なくとも一部が直達駆動力により打ち消されるよう制御する際の実行タイミングを学習して制御に反映することができる。この態様の本発明の第1の動力出力装置において、前記変速伝達手段は、油圧を用いて少なくとも一つのクラッチの係合状態を変更することにより変速比を変更可能な手段であり、前記変速比変更時制御手段は、デフォルト値として前記少なくとも一つのクラッチのうち係合するクラッチの係合開始準備としての油充填が完了するタイミングと前記変速比が変更される際の前記変速伝達手段の入出力状態とに基づいて前記実行タイミングを設定して制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、実行タイミングをより適切なものとすることができる。
本発明の第2の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
内燃機関と、
該内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され、電力と動力の入出力により該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力可能な電力動力入出力手段と、
動力の入出力が可能な電動機と、
前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、
油圧を用いて少なくとも一つのクラッチの係合状態を変更することにより変更可能な変速比をもって前記電動機の回転軸と前記駆動軸との動力の伝達を行なう変速伝達手段と、
前記駆動軸に作用する駆動力の所定の変動を伴って前記変速伝達手段における変速比が変更される際には、前記少なくとも一つのクラッチのうち係合するクラッチの係合開始準備としての油充填が完了するタイミングと前記変速比が変更される際の前記変速伝達手段の入出力状態とに基づいて実行タイミングを設定し、該設定した実行タイミングをもって前記変動の少なくとも一部が前記電力動力入出力手段を介して前記内燃機関から該駆動軸に出力される直達駆動力により打ち消されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを駆動制御する変速比変更時制御手段と
を備えることを要旨とする。
この本発明の第2の動力出力装置では、駆動軸に作用する駆動力の所定の変動を伴って変速伝達手段における変速比が変更される際には、変速伝達手段における変速比の変更に用いられる少なくとも一つのクラッチのうち係合するクラッチの係合開始準備としての油充填が完了するタイミングと変速比が変更される際の変速伝達手段の入出力状態とに基づいて実行タイミングを設定しこの実行タイミングをもって駆動軸に作用する駆動力の所定の変動の少なくとも一部が電力動力入出力手段を介して内燃機関から駆動軸に出力される直達駆動力により打ち消されるよう内燃機関と電力動力入出力手段と電動機とを駆動制御する。従って、駆動軸に作用する駆動力の所定の変動を伴って変速比が変更される際に変動の少なくとも一部が直達駆動力により打ち消されるよう制御する際の実行タイミングをより適切なものとすることができる。この結果、変速比を変更する際に駆動軸に作用する駆動力が変動するのをより確実に抑制することができる。
本発明の第1または第2の動力出力装置において、前記変速伝達手段の入出力状態は、前記電動機の駆動状態,前記駆動軸の回転状態の少なくとも一つを含む状態であるものとすることもできる。
本発明の第1または第2の動力出力装置において、前記学習手段と前記変速比変更時制御手段は、前記電動機から正の駆動力が出力されている状態で前記変速伝達手段の変速比を増速側に変更する際に前記駆動軸に作用する駆動力の所定の変動を伴って前記変速伝達手段における変速比が変更される際として機能する手段であるものとすることもできる。
本発明の第1または第2の動力出力装置において、前記変速比変更時制御手段は、前記電力動力入出力手段からのトルクの入出力を変更することにより前記変動の少なくとも一部が前記直達駆動力により打ち消されるよう制御する手段であるものとすることもできる。この場合、前記変速比変更時制御手段は、前記内燃機関が目標回転数で運転されるよう前記電力動力入出力手段を制御する際の該目標回転数を変更することにより前記電力動力入出力手段からのトルクの入出力を変更する手段であるものとすることもできる。
本発明の第1または第2の動力出力装置において、前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と回転軸との3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記回転軸に動力を入出力可能な発電機と、を備える手段であるものとすることもできるし、前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸に接続された第1の回転子と前記駆動軸に接続された第2の回転子とを有し、該第1の回転子と該第2の回転子との相対的な回転により回転する対回転子電動機であるものとすることもできる。
本発明の自動車は、
上述した各態様のいずれかの本発明の第1または第2の動力出力装置、即ち、基本的には、駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、内燃機関と、該内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され電力と動力の入出力により該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力可能な電力動力入出力手段と、動力の入出力が可能な電動機と、前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、変更可能な変速比をもって前記電動機の回転軸と前記駆動軸との動力の伝達を行なう変速伝達手段と、前記駆動軸に作用する駆動力の所定の変動を伴って前記変速伝達手段における変速比が変更される際には該変速比の変更に起因して前記電動機の回転軸の回転数が変化を開始するタイミングを判定し該判定したタイミングと前記変速比が変更される際の前記変速伝達手段の入出力状態とに基づいて実行態様について学習する学習手段と、前記駆動軸に作用する駆動力の所定の変動を伴って前記変速伝達手段における変速比が変更される際には前記学習手段による学習結果と前記変速比が変更される際の前記変速伝達手段の入出力状態とに基づいて実行態様を設定し該設定した実行態様をもって前記変動の少なくとも一部が前記電力動力入出力手段を介して前記内燃機関から該駆動軸に出力される直達駆動力により打ち消されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを駆動制御する変速比変更時制御手段とを備える第1の動力出力装置、または、駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、内燃機関と、該内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され電力と動力の入出力により該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力可能な電力動力入出力手段と、動力の入出力が可能な電動機と、前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、油圧を用いて少なくとも一つのクラッチの係合状態を変更することにより変更可能な変速比をもって前記電動機の回転軸と前記駆動軸との動力の伝達を行なう変速伝達手段と、前記駆動軸に作用する駆動力の所定の変動を伴って前記変速伝達手段における変速比が変更される際には前記少なくとも一つのクラッチのうち係合するクラッチの係合開始準備としての油充填が完了するタイミングと前記変速比が変更される際の前記変速伝達手段の入出力状態とに基づいて実行タイミングを設定し、該設定した実行タイミングをもって前記変動の少なくとも一部が前記電力動力入出力手段を介して前記内燃機関から該駆動軸に出力される直達駆動力により打ち消されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを駆動制御する変速比変更時制御手段とを備える第2の動力出力装置を搭載し、前記駆動軸に車軸が接続されて走行する
ことを要旨とする。
この本発明の自動車では、上述した各態様のいずれかの本発明の第1または第2の動力出力装置を搭載するから、本発明の動力出力装置が奏する効果と同様の効果、例えば、変速比を変更する際に駆動軸に作用する駆動力が変動するのをより確実に抑制することができる効果などを奏することができる。
本発明の動力出力装置の制御方法は、
内燃機関と、該内燃機関の出力軸と駆動軸とに接続され電力と動力の入出力により該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力可能な電力動力入出力手段と、動力の入出力が可能な電動機と、前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、変更可能な変速比をもって前記電動機の回転軸と前記駆動軸との動力の伝達を行なう変速伝達手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
(a)前記駆動軸に作用する駆動力の所定の変動を伴って前記変速伝達手段における変速比が変更される際には、該変速比の変更に起因して前記電動機の回転軸の回転数が変化を開始するタイミングを判定し、該判定したタイミングと前記変速比が変更される際の前記変速伝達手段の入出力状態とに基づいて実行態様について学習し、
(b)前記駆動軸に作用する駆動力の所定の変動を伴って前記変速伝達手段における変速比が変更される際には、前記ステップ(a)による学習結果と前記変速比が変更される際の前記変速伝達手段の入出力状態とに基づいて実行態様を設定し、該設定した実行態様をもって前記変動の少なくとも一部が前記電力動力入出力手段を介して前記内燃機関から該駆動軸に出力される直達駆動力により打ち消されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを駆動制御する
ことを要旨とする。
この本発明の動力出力装置の制御方法によれば、駆動軸に作用する駆動力の所定の変動を伴って変速伝達手段における変速比が変更される際には変速比の変更に起因して電動機の回転軸の回転数が変化を開始するタイミングを判定しこの判定したタイミングと変速比が変更される際の変速伝達手段の入出力状態とに基づいて実行態様について学習し、駆動軸に作用する駆動力の所定の変動を伴って変速伝達手段における変速比が変更される際には学習結果と変速比が変更される際の変速伝達手段の入出力状態とに基づいて実行態様を設定しこの設定した実行態様をもって駆動軸に作用する駆動力の所定の変動の少なくとも一部が電力動力入出力手段を介して内燃機関から駆動軸に出力される直達駆動力により打ち消されるよう内燃機関と電力動力入出力手段と電動機とを駆動制御する。従って、駆動軸に作用する駆動力の所定の変動を伴って変速比が変更される際に変動の少なくとも一部が直達駆動力により打ち消されるよう制御する際の実行態様についての学習をより適切なものとすることができる。この結果、変速比を変更する際に駆動軸に作用する駆動力が変動するのをより確実に抑制することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例である動力出力装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、変速機60を介して動力分配統合機構30に接続されたモータMG2と、車両の駆動系全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32には変速機60を介してモータMG2がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力とを統合してリングギヤ32に出力する。リングギヤ32は、ギヤ機構37,デファレンシャルギヤ38を介して駆動輪39a,39bに機械的に接続されている。したがって、リングギヤ32に出力された動力は、ギヤ機構37,デファレンシャルギヤ38を介して駆動輪39a,39bに出力されることになる。
モータMG1およびモータMG2は、共に発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2の一方で発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2から生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1とモータMG2とにより電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、共にモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、回転位置検出センサ43,44から入力した信号に基づいて図示しない回転数算出ルーチンによりモータMG1,MG2の回転子の回転数Nm1,Nm2を計算している。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
変速機60は、モータMG2の回転軸48とリングギヤ軸32aとの接続および接続の解除を行なうと共に両軸の接続をモータMG2の回転軸48の回転数を2段に減速してリングギヤ軸32aに伝達可能に構成されている。変速機60の構成の一例を図2に示す。この図2に示す変速機60は、ダブルピニオンの遊星歯車機構60aとシングルピニオンの遊星歯車機構60bと二つのブレーキB1,B2とにより構成されている。ダブルピニオンの遊星歯車機構60aは、外歯歯車のサンギヤ61と、このサンギヤ61と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ62と、サンギヤ61に噛合する複数の第1ピニオンギヤ63aと、この第1ピニオンギヤ63aに噛合すると共にリングギヤ62に噛合する複数の第2ピニオンギヤ63bと、複数の第1ピニオンギヤ63aおよび複数の第2ピニオンギヤ63bを連結して自転かつ公転自在に保持するキャリア64とを備えており、サンギヤ61はブレーキB1のオンオフによりその回転を自由にまたは停止できるようになっている。シングルピニオンの遊星歯車機構60bは、外歯歯車のサンギヤ65と、このサンギヤ65と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ66と、サンギヤ65に噛合すると共にリングギヤ66に噛合する複数のピニオンギヤ67と、複数のピニオンギヤ67を自転かつ公転自在に保持するキャリア68とを備えており、サンギヤ65はモータMG2の回転軸48に、キャリア68はリングギヤ軸32aにそれぞれ連結されていると共にリングギヤ66はブレーキB2のオンオフによりその回転が自由にまたは停止できるようになっている。ダブルピニオンの遊星歯車機構60aとシングルピニオンの遊星歯車機構60bとは、リングギヤ62とリングギヤ66、キャリア64とキャリア68とによりそれぞれ連結されている。変速機60は、ブレーキB1,B2を共にオフとすることによりモータMG2の回転軸48をリングギヤ軸32aから切り離すことができ、ブレーキB1をオフとすると共にブレーキB2をオンとしてモータMG2の回転軸48の回転を比較的大きな減速比で減速してリングギヤ軸32aに伝達し(以下、この状態をLoギヤの状態という)、ブレーキB1をオンとすると共にブレーキB2をオフ状態としてモータMG2の回転軸48の回転を比較的小さな減速比で減速してリングギヤ軸32aに伝達する(以下、この状態をHiギヤの状態という)。なお、ブレーキB1,B2を共にオンとする状態は回転軸48やリングギヤ軸32aの回転を禁止するものとなる。
ブレーキB1,B2は、図3に例示する油圧回路100からの油圧によりオンオフされる。油圧回路100は、図示するように、エンジン22の回転により駆動される機械式ポンプ102と、内蔵する電気モータ104aにより駆動される電動ポンプ104と、機械式ポンプ102または電動ポンプ104から圧送されたオイルのライン油圧PLを調整する3ウェイソレノイド106およびプレッシャーコントロールバルブ108と、ライン油圧PLを用いてブレーキB1,B2の係合力を調整するリニアソレノイド110,111やコントロールバルブ112,113,アキュムレータ114,115とから構成されている。この油圧回路100では、ライン油圧PLは、3ウェイソレノイド106を駆動してプレッシャーコントロールバルブ108の開閉を制御することにより調整することができ、ブレーキB1,B2の係合力は、リニアソレノイド110,111に印加する電流を制御してライン油圧PLをブレーキB1,B2に伝達させるコントロールバルブ112,113の開閉を制御することにより調節することができる。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。また、ハイブリッド用電子制御ユニット70からは、電気モータ104aへの駆動信号や3ウェイソレノイド106への駆動信号,リニアソレノイド110,111への駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。なお、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、変速機60の変速比を変更する際の動作について説明する。図4は、実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の残容量SOC,バッテリ50の入出力制限Win,Wout,変速機60のギヤ比Grなどの制御に必要なデータを入力する処理を行なう(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されるモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて演算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。残容量SOCは、電流センサにより検出されたバッテリ50の充放電電流に基づいてバッテリECU52により演算されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。入出力制限Win,Woutは、残容量SOCや電池温度Tbなどに基づいてバッテリECU52により設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。変速機60のギヤ比Grは、基本的には、変速比が変更されたときのギヤの状態に基づいてHiギヤのギヤ比GhiかLoギヤのギヤ比Gloかのいずれかをギヤ比Grとして入力するものとし、変速比の変更中にはモータMG2の回転数Nm2をリングギヤ軸32aの回転数Nrで割って演算されたものをギヤ比Grとして入力するものとした。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じることにより求めることができる。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動輪39a,39bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*とエンジン22から出力すべき要求パワーPe*とを設定する(ステップS110)。ここで、要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶しているマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。要求トルク設定用のマップの一例を図5に示す。また、要求パワーPe*は、要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものとバッテリ50の充放電要求パワーPb*と損失Lossとの和により演算されたものを設定するものとした。なお、充放電要求パワーPb*は、残容量SOCやアクセル開度Accに基づいて設定することができる。
要求パワーPe*を設定すると、設定した要求パワーPe*とエンジン22を効率よく運転させる動作ラインとに基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*を設定する(ステップS120)。エンジン22の動作ラインの一例および目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図6に示す。目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、図示するように、動作ラインと要求パワーPe*(=Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。
次に、変速機60の変速比が変更されている最中(変速処理中)であるかを判定し(ステップS130)、変速処理中でないと判定されたときには変速機60の変速比を変更すべき変速要求がなされているかを判定する(ステップS140)。ここで、変速要求は、実施例では、要求トルクTr*と車速Vと変速機60の現在のギヤの状態とに基づいて予め定められたタイミングで行なうものとした。変速処理中でなく変速要求もなされていないと判定されたときには、設定した目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nr(=k・V)と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を設定すると共に設定した目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づいて次式(2)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を設定する(ステップS220)。動力分配統合機構30の各回転要素の回転数とトルクの力学的な関係を示す共線図を図7に示す。図中、左のS軸はサンギヤ31の回転数を示し、C軸はキャリア34の回転数を示し、R軸はリングギヤ32(リングギヤ軸32a)の回転数Nrを示す。前述したように、サンギヤ31の回転数はモータMG1の回転数Nm1でありキャリア34の回転数はエンジン22の回転数Neであるから、モータMG1の目標回転数Nm1*はリングギヤ軸32aの回転数Nrとエンジン22の目標回転数Ne*と動力分配統合機構30のギヤ比ρとに基づいて式(1)により計算することができる。したがって、モータMG1が目標回転数Nm1*で回転するようトルク指令Tm1*を設定してモータMG1を駆動制御することにより、エンジン22を目標回転数Ne*で回転させることができる。ここで、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「KP」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「KI」は積分項のゲインである。なお、図7におけるR軸上の2つの太線矢印は、モータMG1により反力(S軸上の下向きのトルク)を受け持ちながらエンジン22を目標回転数Ne*および目標トルクTe*の運転ポイントで運転させたときにエンジン22から出力されるトルクTe*がリングギヤ軸32aに伝達されるトルク(以下、これを直達トルクTer(=−Tm1*/ρ)と呼ぶ)と、モータMG2から出力されるトルクTm2*がリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。
Nm1*=(Ne*・(1+ρ)-k・V)/ρ …(1)
Tm1*=前回Tm1*+KP(Nm1*-Nm1)+KI∫(Nm1*-Nm1)dt …(2)
モータMG1の目標回転数Nm1*とトルク指令Tm1*とを設定すると、要求トルクTr*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρと変速機60のギヤ比Grとに基づいて要求トルクTr*をリングギヤ軸32aに作用させるためにモータMG2から出力すべきトルクとしての仮モータトルクTm2tmpを次式(3)により計算する(ステップS230)。なお、式(3)は、図7の共線図に基づいて容易に導き出すことができる。そして、バッテリ50の入出力制限Win,WoutとモータMG1のトルク指令Tm1*と現在のモータMG1の回転数Nm1とモータMG2の回転数Nm2とに基づいて次式(4)および次式(5)によりモータMG2から出力してもよいトルクの下限,上限としてのトルク制限Tm2min,Tm2maxを計算し(ステップS240)、仮モータトルクTm2tmpとトルク制限Tm2maxとのうち小さい方とトルク制限Tm2minとを比較し、両者のうち大きい方をモータMG2のトルク指令Tm2*に設定する(ステップS250)。このようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定することにより、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力する要求トルクTr*を、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で制限したトルクとして設定することができる。
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr …(3)
Tm2min=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 …(4)
Tm2max=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 …(5)
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信して(ステップS260)、駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における燃料噴射制御や点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
ステップS140で変速要求がなされたと判定されると、その変速要求が変速機60のギヤの状態をLoギヤからHiギヤに変更するアップシフトの変速要求であるかを判定する(ステップS150)。アップシフトの変速要求であると判定されると、アップシフト処理を開始すると共に(ステップS160)、学習処理を開始する(ステップS170)。アップシフト処理は、図8に例示するアップシフト処理を実行することにより行なわれ、学習処理は、図9に例示する学習処理を実行することにより行なわれる。以下、図3の駆動制御ルーチンの説明を中断し、アップシフト処理と学習処理について説明する。
アップシフト処理では、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、図4の駆動制御ルーチンで現在設定されているモータMG2のトルク指令Tm2*と車速センサ88からの車速Vとを入力し(ステップS300)、ブレーキB1に対してファストフィルを実行する処理を行なう(ステップS310)。ここで、ファストフィルは、ブレーキB1の摩擦部材が当接するまでの隙間を埋めるためにパックにオイルを急速充填させる処理である。具体的には、ブレーキB1側のリニアソレノイド110を100%かそれに近い所定のデューティ比で所定時間だけ駆動する処理となる。ここで、所定時間は、実施例では、所定のデューティ比でリニアソレノイド110を駆動してパックにオイルが必要量充填されるまでの時間を予め計測しておいたものを用いた。なお、このファストフィルの実行と併せて、ファストフィルによりオイルが充填されるブレーキB1とは反対のブレーキB2に作用しているオイルを抜く動作も行なわれる。所定時間が経過してファストフィルの実行が終了すると(ステップS320)、ブレーキB1のリニアソレノイド110を100%かそれに近い所定のデューティ比から低いデューティ比として定圧待機し(ステップS330)、入力したトルク指令Tm2*が値0よりも大きいか否かを判定する(ステップS340)。トルク指令Tm2*が値0よりも大きくない即ち値0以下と判定されたときにはモータMG2の回転数Nm2が低下し始めるタイミングとしてのイナーシャ相の開始を待って(ステップS350)、ブレーキB1に作用する油圧を徐々に大きくしてブレーキB1が完全に係合されるようリニアソレノイド110を制御する昇圧制御を実行して(ステップS410)、処理を終了する。ここで、イナーシャ相が開始されたか否かは、例えば、モータMG2の現在の回転数Nm2と前回の回転数との差に基づいて判定することができる。一方、トルク指令Tm2*が値0よりも大きいと判定されると、入力したトルク指令Tm2*と車速Vとに基づいて実行タイミング設定用マップから実行タイミングT0を設定し(ステップS360)、設定した実行タイミングT0が到来するまで待ち(ステップS370)、実行タイミングT0が到来したときに、フラグFに値1を設定し(ステップS380)、更にイナーシャ相が開始されるまで待って(ステップS390)、フラグFを値0にリセットすると共に(ステップS400)、上述した昇圧制御を実行して(ステップS410)、処理を終了する。従って、フラグFは、実行タイミングT0が到来したときからイナーシャ相が開始するまでに亘って値1が設定されることになる。フラグFを用いて図4の駆動制御ルーチンで行なわれる処理については後述する。また、実行タイミングT0は、アップシフト処理によりモータMG2からリングギヤ軸32aに作用されるトルクが低下したときにこれを直達トルクTerにより補うときのタイミングを定めるものであり、デフォルト値としては上述したファストフィルが終了するまでの時間にトルク指令Tm2*および車速V毎に長短するよう定めた付加時間ΔTを付加したものとして設定され、その後、図9の学習処理による学習により更新されるものである。ここで、付加時間ΔTをトルク指令Tm2*および車速V毎に長短させているのは、アップシフト処理によりモータMG2からリングギヤ軸32aに作用されるトルクが低下し始めるタイミングがそのときのモータMG2から出力されているトルクや車速によって変化するから、トルクの低下を直達トルクTerにより補うときのタイミングも変化することに基づく。
学習処理では、まず、現在のモータMG2のトルク指令Tm2*と車速センサ88からの車速Vとを入力して(ステップS500)、入力したトルク指令Tm2*が値0よりも大きいか否かを判定する(ステップS510)。トルク指令Tm2*が値0よりも大きくない即ち値0以下と判定されたときには学習を要しないと判断してそのまま処理を終了し、トルク指令Tm2*が値0よりも大きいと判定されたときにはイナーシャ相が開始されるまで待つ処理を行なう(ステップS520)。イナーシャ相が開始されると、変速要求がなされてイナーシャ相が開始されるまでの時間としてのイナーシャ相開始時間Tinaを計測し(ステップS530)、入力したトルク指令Tm2*に基づいて補正係数Ktを設定すると共に(ステップS540)、入力した車速Vに基づいて補正係数Kvを設定して(ステップS550)、基準時間αに補正係数Ktと補正係数Kvとを乗じたもの(Kt・Kv・α)をイナーシャ相開始時間Tinaから減じることにより、入力したトルク指令Tm2*および車速VにおけるモータMG2からリングギヤ軸32aに作用するトルクが低下し始める時間としてのトルク低下開始時間Ttdwを推定し(ステップS560)、推定したトルク低下開始時間Ttdwに基づいて実行タイミング設定用マップにおけるトルク指令Tm2*および車速Vに対応する実行タイミングT0を学習し(ステップS570)、学習結果により実行タイミング設定用マップを更新して(ステップS580)、処理を終了する。ここで、基準時間αは、トルク指令Tm2*が所定の基準トルクで車速Vが所定の基準車速にあるときのアップシフト処理でモータMG2からリングギヤ軸32aに作用するトルクが低下し始めてからイナーシャ相が開始するまでに要する時間として予め定められたものである。補正係数Kt,Kvは、実施例では、トルク指令Tm2*と補正係数Ktとの関係,車速Vと補正係数Kvとの関係を予め求めてマップとして各々ROM74に記憶しておき、トルク指令Tm2*や車速Vが与えられると各マップから対応する補正係数Kt,Kvを導出することにより設定するものとした。このように、アップシフトの際のモータMG2のトルク指令Tm2*および車速V毎に個別に実行タイミングT0を学習するのである。
図4の駆動制御ルーチンに戻って、ステップ150でアップシフトの変速要求でない即ちダウンシフトの変速要求であると判定されると、ダウンシフト処理を行なう(ステップS180)。ダウンシフト処理は、ステップS340,S360〜S400を除いて図8のアップシフト処理と同様の処理により行なわれる。
こうしてアップシフト処理やダウンシフト処理が開始された後や次回以降に実行されるルーチンのステップS130で変速処理中と判定されたときには、フラグFの値を調べる(ステップS190)。フラグFが値0と判定されると、そのままステップS220以降の処理を行なって本ルーチンを終了し、フラグFが値1と判定されると、レートΔNeを設定し(ステップS200)、設定したレートΔNeを前回このルーチンで設定されたエンジン22の目標回転数Ne*から減じたものを新たな目標回転数Ne*に設定し直すと共にこの目標回転数Ne*でステップS110で設定した要求パワーPe*を割ったものを新たな目標トルクTe*に設定し直し(ステップS210)、目標回転数Ne*に基づいて前述した式(1)および式(2)によりモータMG1の目標回転数Nm1*やトルク指令Tm1*を設定すると共に前述した式(3)〜式(5)によりモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し、各設定値をエンジンECU24やモータECU40に送信して本ルーチンを終了する(ステップS220〜S260)。ここで、レートΔNeは、直達トルクTerを大きくする程度を定めるものであり、例えば、アップシフト処理を開始する際にモータMG2から出力されている正のトルク(トルク指令Tm2*)が大きいほどモータMG2からリングギヤ軸32aに伝達されるトルクの低下の幅が大きくなるから、レートΔNeが大きくなるように設定することができる。勿論、予め定めた値をレートΔNeに設定するものとしてもよい。レートΔNeをもって目標回転数Ne*を減少させると、この目標回転数Ne*に基づいて式(1)および式(2)により計算されるモータMG1のトルク指令Tm1*(負のトルク)は小さくなるから、直達トルクTer(=−Tm1*/ρ)は大きくなる。従って、アップシフト処理の最中にモータMG2からリングギヤ軸32aに伝達されるトルクが低下するものとしても、直達トルクTerの増加によりリングギヤ軸32aに作用するトルクの低下を抑制することができる。このとき、フラグFは、イナーシャ相開始時間Tinaとアップシフトの際のモータMG2のトルク指令Tm2*と車速Vとに基づいて学習された実行タイミングT0を用いて設定されるから、製造のバラツキや経年変化に拘わらずモータMG2からリングギヤ軸32aに作用するトルクが低下し始めるタイミングに合わせて直達トルクTerを増加させることができる。
図10に、アップシフトの際の回転数Nm2とブレーキB2の油圧指令とトルク指令Tm1*と直達トルクTerとリングギヤ軸32aの出力トルクの時間変化の様子の一例を示す。図示するように、モータMG2から正のトルクが出力されている状態で時刻t1にアップシフトの変速要求がなされると、ブレーキB1に対してファストフィルを実行する。時刻t1からファストフィルの実行時間としての所定時間が経過した時刻t2にファストフィルを終了し、モータMG2からリングギヤ軸32aに作用するトルクが低下し始めるタイミングに合わせた実行タイミングT0をもって直達トルクTerを増加させる。従って、モータMG2からリングギヤ軸32aへ伝達されるトルクが低下するものとしてもリングギヤ軸32aに出力されるトルクの低下は抑制される。その後、イナーシャ相が開始される時刻t4に直達トルクTerの増加を解除し、それまでの経過時間(イナーシャ相開始時間Tina)を計測してこのイナーシャ相開始時間Tinaと変速要求がなされたときのトルク指令Tm2*と車速Vとに基づいて実行タイミングT0を学習し、この学習結果を用いて次回のアップシフトの変速要求がなされたときの実行タイミングT0を設定する。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、モータMG2から正のトルクが出力されている状態で変速機60をアップシフトする際には、イナーシャ相開始時間Tinaとアップシフトの変速要求がなされたときのモータMG2のトルク指令Tm2*と車速Vとに基づいてアップシフトによりモータMG2からリングギヤ軸32aに作用するトルクが低下を始めるタイミングに合わせた実行タイミングT0を学習し、次にモータMG2から正のトルクが出力されている状態で変速機60をアップシフトする際にその学習結果とアップシフトの変速要求がなされたときのモータMG2のトルク指令Tm2*と車速Vとに基づいて実行タイミングT0を設定し、設定した実行タイミングT0をもってモータMG1を介してエンジン22からリングギヤ軸32aに直接伝達される直達トルクTerが増加するようエンジン22とモータMG1とを制御するから、製造のバラツキや経年変化,アップシフトの際にモータMG2から出力されているトルクや車速などに拘わらず実行タイミングT0を適切なものとすることができる。この結果、変速機60をアップシフトする際にリングギヤ軸32aに出力されるトルクが低下するのをより確実に抑制することができる。しかも、デフォルト値としてファストフィルが終了するタイミングとアップシフトの変速要求がなされたときのモータMG2のトルク指令Tm2*と車速Vとに基づいて実行タイミングT0を設定するから、学習初期の状態のときでも変速機60をアップシフトする際にリングギヤ軸32aに出力されるトルクが低下するのをより確実に抑制することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、実行タイミング設定用マップを用いて実行タイミングT0を設定するものとしたが、マップによらずに計算により実行タイミングT0を設定するものとしてもよい。この場合のアップシフト処理の一部の一例を図11に示し、学習処理の一部の一例を図12に示す。なお、図11のアップシフト処理や図12の学習処理の各処理のうち図8のアップシフト処理や図9の学習処理と同一の処理については図示を省略した。図11のアップシフト処理では、図8のステップS340と同一の処理によりモータMG2のトルク指令Tm2*が値0よりも大きいと判定されたときには、図8のステップS360に代えて以下の処理を実行する。即ち、基準実行タイミングT0bを入力し(ステップS420)、トルク指令Tm2*に基づいて補正係数Ktを設定すると共に(ステップS430)、車速Vに基づいて補正係数Kvを設定し(ステップS440)、入力した基準実行タイミングT0bに設定した補正係数Ktと補正係数Kvとを乗じることにより実行タイミングT0を設定して(ステップS450)、図8のステップS370以降の処理と同一の処理を実行することにより行なうことができる。ここで、基準実行タイミングT0bは、アップシフトの変速要求がなされたときのモータMG2のトルク指令Tm2*が所定の基準トルクで車速Vが所定の基準車速にある状態でアップシフト処理によってモータMG2からリングギヤ軸32aに作用するトルクが低下を始めたときにこれを直達トルクTerで補うべきタイミングを定めるものであり、図12の学習処理により設定されRAM76の所定領域に記憶されたものを読み込むことにより入力するものとした。補正係数Kv,Ktについては上述したものと同様のものである。図12の学習処理では、図9のステップS560と同一の処理によりトルク低下開始時間Ttdwを推定すると、図9のステップS570,S580に代えて以下の処理を実行する。即ち、推定したトルク低下開始時間Ttdwを補正係数Ktと補正係数Kvとを乗じたもの(Kt・Kv)で割ることにより基準トルク低下開始時間Ttdwbを計算し(ステップS590)、計算した基準トルク低下開始時間Ttdwbに基づいて基準実行タイミングT0bを学習することにより(ステップS595)、処理を終了する。ここで、基準トルク低下開始時間Ttdwbは、アップシフトの変速要求がなされたときのモータMG2のトルク指令Tm2*が所定の基準トルクで車速Vが所定の基準車速にある状態でアップシフト処理によってモータMG2からリングギヤ軸32aに作用するトルクが低下し始める時間を定めるものである。
実施例のハイブリッド自動車20では、変速機60の変速比が変更される際のモータMG2のトルク指令Tm2*と車速Vとに基づいて実行タイミングT0を学習するものとしたが、トルク指令Tm2*だけに基づいて実行タイミングT0を学習するものとしてもよいし、車速Vだけに基づいて実行タイミングT0を学習するものとしてもよいし、変速機60の入出力状態に関する他のパラメータを用いて実行タイミングT0を学習するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、変速機60の変速比が変更される際のモータMG2からリングギヤ軸32aに作用するトルクの低下を直達トルクTerで補うタイミングとしての実行タイミングT0を学習するものとしたが、直達トルクTerの大きさ即ちステップS200におけるレートΔNeを学習するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の目標回転数Ne*を減少させてモータMG1から出力する負のトルクを小さくする(絶対値を大きくする)ことにより直達トルクTerを増加させるものとしたが、エンジン22の目標トルクTe*を大きくすることにより直達トルクTerを増加させるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、HiギヤとLoギヤの2段の変速段をもって変速比を変更可能な変速機60を用いるものとしたが、2段の変速段に限られるものではなく、3段以上の変速段とするものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を変速機60により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図13の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪39a,39bが接続された車軸)とは異なる車軸(図13における車輪39c,39dに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪39a,39bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図14の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ232と駆動輪39a,39bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、自動車産業に利用可能である。
本発明の一実施例である動力出力装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 変速機60の構成の概略を示す構成図である。 油圧回路100の構成の概略を示す構成図である。 実施例のハイブリッド自動車20のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22の動作ラインおよび目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を示す説明図である。 動力分配統合機構30の各回転要素の回転数とトルクの力学的な関係を示す共線図である。 アップシフト処理の一例を示すフローチャートである。 学習処理の一例を示すフローチャートである。 アップシフトの際の回転数Nm2とトルク指令Tm1*と直達トルクTerとリングギヤ軸32aの出力トルクの時間変化の様子の一例を示す説明図である。 アップシフト処理の一部の一例を示すフローチャートである。 学習処理の一部の一例を示すフローチャートである。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120,220 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、37 ギヤ機構、38 デファレンシャルギヤ、39a,39b 駆動輪、39c,39b 車輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、48 回転軸、50 バッテリ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 変速機、60a ダブルピニオンの遊星歯車機構、60b シングルピニオンの遊星歯車機構、61 サンギヤ、62 リングギヤ、63a 第1ピニオンギヤ、63b 第2ピニオンギヤ、64 キャリア、65 サンギヤ、66 リングギヤ、67 ピニオンギヤ、68 キャリア、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、100 油圧回路、102 機械式ポンプ、104 電動ポンプ、104a 電気モータ、106 3ウェイソレノイド、108 プレッシャーコントロールバルブ、110,111 リニアソレノイド、112,113 コントロールバルブ、114,115 アキュムレータ、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ、234 アウターロータ、MG1,MG2 モータ、B1,B2 ブレーキ。

Claims (8)

  1. 駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
    内燃機関と、
    該内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され、電力と動力の入出力により該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力可能な電力動力入出力手段と、
    動力の入出力が可能な電動機と、
    前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、
    変更可能な変速比をもって前記電動機の回転軸と前記駆動軸との動力の伝達を行なう変速伝達手段と、
    前記駆動軸に作用する駆動力が低下する変動を伴って前記変速伝達手段における変速比が変更される際には、該駆動力が低下する変動の少なくとも一部が前記電力動力入出力手段を介して前記内燃機関から該駆動軸に出力される直達駆動力により打ち消されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御する変速比変更時制御手段と、
    前記変速比の変更に伴って前記電動機の回転軸の回転数が変化を開始するタイミングを判定し、該判定したタイミングと前記変速比が変更される際の前記電動機の駆動状態と前記駆動軸の回転状態の少なくとも一つを含む前記変速伝達手段の入出力状態とに基づいて該入出力状態と前記変速比変更時制御手段により駆動力の低下を打ち消すための前記直達駆動力の出力を開始する出力開始タイミングとの関係を学習する学習手段と、
    前記駆動軸に作用する駆動力が低下する変動を伴って前記変速伝達手段における変速比が変更される際には、デフォルト値として前記少なくとも一つのクラッチのうち係合するクラッチの係合開始準備としての油充填が完了するタイミングと前記変速比が変更される際の前記変速伝達手段の入出力状態とに基づいて前記出力開始タイミングを設定し、前記学習手段により前記関係の学習がなされている場合には該変速比が変更される際の前記変速伝達手段の入出力状態に基づいて該関係から前記出力開始タイミングを設定する出力開始タイミング設定手段と、
    を備える動力出力装置。
  2. 前記変速比変更時制御手段は、前記電動機から正の駆動力が出力されている状態で前記変速伝達手段の変速比を増速側に変更する際に前記駆動軸に作用する駆動力が低下する変動を伴って前記変速伝達手段における変速比が変更される際として機能する手段である請求項記載の動力出力装置。
  3. 前記変速比変更時制御手段は、前記電力動力入出力手段からのトルクの入出力を変更することにより前記変動の少なくとも一部が前記直達駆動力により打ち消されるよう制御する手段である請求項1または2記載の動力出力装置。
  4. 前記変速比変更時制御手段は、前記内燃機関が目標回転数で運転されるよう前記電力動力入出力手段を制御する際の該目標回転数を変更することにより前記電力動力入出力手段からのトルクの入出力を変更する手段である請求項記載の動力出力装置。
  5. 前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と回転軸との3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記回転軸に動力を入出力可能な発電機と、を備える手段である請求項1ないしいずれか1項に記載の動力出力装置。
  6. 前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸に接続された第1の回転子と前記駆動軸に接続された第2の回転子とを有し、該第1の回転子と該第2の回転子との相対的な回転により回転する対回転子電動機である請求項1ないしいずれか1項に記載の動力出力装置。
  7. 請求項1ないしいずれか1項に記載の動力出力装置を搭載し、前記駆動軸に車軸が接続されて走行する自動車。
  8. 内燃機関と、該内燃機関の出力軸と駆動軸とに接続され電力と動力の入出力により該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力可能な電力動力入出力手段と、動力の入出力が可能な電動機と、前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、変更可能な変速比をもって前記電動機の回転軸と前記駆動軸との動力の伝達を行なう変速伝達手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
    (a)前記駆動軸に作用する駆動力が低下する変動を伴って前記変速伝達手段における変速比が変更される際には、該駆動力が低下する変動の少なくとも一部が前記電力動力入出力手段を介して前記内燃機関から該駆動軸に出力される直達駆動力により打ち消されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御し、
    (b)前記変速比の変更に伴って前記電動機の回転軸の回転数が変化を開始するタイミングを判定し、該判定したタイミングと前記変速比が変更される際の前記電動機の駆動状態と前記駆動軸の回転状態の少なくとも一つを含む前記変速伝達手段の入出力状態とに基づいて該入出力状態と前記ステップ(a)により駆動力の低下を打ち消すための前記直達駆動力の出力を開始する出力開始タイミングとの関係を学習し、
    (c)前記駆動軸に作用する駆動力が低下する変動を伴って前記変速伝達手段における変速比が変更される際には、デフォルト値として前記少なくとも一つのクラッチのうち係合するクラッチの係合開始準備としての油充填が完了するタイミングと前記変速比が変更される際の前記変速伝達手段の入出力状態とに基づいて前記出力開始タイミングを設定し、前記ステップ(b)により前記関係の学習がなされている場合には該変速比が変更される際の前記変速伝達手段の入出力状態に基づいて該関係から前記出力開始タイミングを設定する
    動力出力装置の制御方法。
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