JP4272133B2 - インクジェット記録装置の吐出動作の回復方法 - Google Patents

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本発明は、インクジェット記録装置の吐出動作の回復方法関する。
インクジェット用インク中には、製造や詰め替えの際に混入したゴミ、顔料や基材、分散剤などインク中の成分が凝集して変質して形成された異物が存在することがある。異物は、プリントヘッドの吐出動作を不安定にするおそれがあるので、異物をインク中から除去して安定した吐出動作を行なうために、インクジェット記録装置には、通常、フィルタ等のろ過装置が設けられる(例えば、特許文献1参照)。フィルタが用いられる場合、その最大孔径より大きな異物はフィルタに捕獲されてフィルタ一次側表面に溜まっていくので、フィルタ二次側へ流出することはない。
しかしながら、阻止されフィルタ一次側に堆積した異物の一部は、長期間インクを使用するうちにチャンス的にフィルタを通過したり、ノズル回復動作による大きな流速でフィルタを通過することがある。回復動作時には、通常、印字中の最大流量の10倍もの流量でインクがフィルタを流通することから、異物の変形や凝集物の分解といった現象が生じやすく、こうした異物がフィルタを通過するおそれがある。
こうした異物がヘッド内のノズル近傍に到達すると、吐出動作が不安定になってしまう。したがって、吐出の回復動作を行なう際には、異物がフィルタ二次側に流出することは極力避けることが望まれる。仮にフィルタ二次側に流出した場合には、安定した吐出動作を継続するために、異物は速やかにノズルから排出することが求められる。
特開2001−105623号公報
本発明は、安定した吐出動作を維持することが可能な、インクジェット記録装置の吐出動作の回復方法を提供することを目的とする
本発明の一態様にかかるインクジェット記録装置の吐出動作の回復方法は、異物を含有するインクを収容するインク瓶と、前記インクを吐出して記録を行なうプリントヘッドと、前記インク瓶から前記プリントヘッドに前記インクを供給するインク供給管と、前記インク供給管の途中に設けられたインクろ過装置とを具備するインクジェット記録装置の吐出動作の回復方法であって、
前記インクろ過装置は、前記インクが流入されるインク流入口、前記インクが流出されるインク流出口、前記インク流入口と前記インク流出口との間に設けられたインク供給経路、前記インク供給経路に上下をもって設けられ、前記インク中の異物の通過を阻止するフィルタ、前記フィルタの上流の前記インク供給経路に設けられ、前記異物を滞留させる異物溜まり部、および、前記フィルタの少なくとも上下に設けられためくら部分を有し、
前記インク瓶から前記プリントヘッドに前記インクを供給して送液した後、この送液を停止して、送液/停止を繰り返すことにより、前記異物を前記異物溜まり部に送ることを特徴とする。
本発明の態様によれば、安定した吐出動作を維持することが可能な、インクジェット記録装置の吐出動作の回復方法が提供される
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。
(実施形態1)
図1に、本実施形態に用いられるインク供給系を示す。図示するように、インク瓶11内に収容されたインク12は、一次側インク供給チューブ(供給管)13、ろ過装置14、および二次側インク供給チューブ(供給管)15を介して、プリントヘッド16に供給される。
ろ過装置14は、インク流入口17およびインク流出口18を有し、これらの間のインク供給経路にはフィルタメッシュ19が設けられる。フィルタメッシュ19の材質は特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン製やニトロセルロース製のものを用いることができる。フィルタメッシュ14によって、インク中の異物の通過は阻止される。
フィルタの最大孔径は、インクジェットヘッドのノズル径やインクの特性、吐出の安定性、ヘッドの寿命等の仕様に応じて設定する。本発明の実施形態にかかる記録装置において、安定な吐出動作を行なう為には、インク中に0.5μm以上の異物ができるだけ含まれないことが望ましい。異物が大きく、その数が多い程、吐出動作に与える影響は大きく、特にノズル径程度以上の異物は極少量でも吐出動作に深刻な影響を与える。しかし一方では、フィルタメッシュ(孔径)をあまり細かく設定すると、フィルタ通過時の圧力損失により吐出動作が不安定となったり、異物やインク成分の顔料が詰まり易くなるためフィルタの寿命が極端に短くなってしまう。特に孔径3μm以下では圧力損失と寿命に顕著な影響が現れ、0.5μm以下ではインク中の色材がろ過されてしまう。
したがって、フィルタの最大孔径は3μm〜30μm程度の範囲で、ヘッドおよびインクの仕様に応じて適宜選択すればよい。ここでは最大孔径10μmのフィルタを用いた。
図示するろ過装置においては、このフィルタメッシュ19の上下にめくら部分20が配置され、これによって、一次側(上流側)に異物溜まり部21が形成される。めくら部分20は、例えばポリプロピレンフィルムにより構成することができる。このめくら部分の一次側が異物溜まり部21として作用してインクの流速が減衰し、いったんフィルタメッシュ19によって阻止された異物がフィルタを通過することは防止される。
ろ過装置14によりインク中に存在する異物を除去して、安定な吐出動作を行なうことができる。ここで除去されるインク中の異物は、球形の固体のみならず、細長い形状や変形可能な半固体状のものも含まれる。
こうしたインク供給系における印字動作について、以下に詳細に説明する。
図には明確に示していないが、プリントヘッド16はノズルおよびアクチュエータを有しており、アクチュエータを5000Hzで駆動すると1ドット当たり40pL(ピコリットル)のインクが5000Hz(ドット毎秒)で吐出される。本実施形態において用いたノズルの直径は27μmであり、500個設けられている。フィルタ二次側からノズルまでのインクの体積は3mlである。
インク瓶11に収容されたインクの比重は1であり、インク瓶11の高さは、液面維持機構22によって制御される。液面維持機構22は、図示しない重量センサによってインク瓶11中のインク量を検出して、インク瓶を上下に調節する。具体的には、インクが消費された際でも、インクの液面とプリントヘッド16のノズル面との高低差H1を80mmに保つように制御している。通常は、インク瓶11が大気圧に開放されており、インクが流れていないとき、プリントヘッド16のノズル面のインク圧は−800Psである。この負圧によりノズルに凹形のメニスカスが形成される。印字を行なうとインク経路の流路抵抗によってノズルの負圧は増大する。
一次側インク供給チューブ13、ろ過装置14、二次側インク供給チューブ15、および、プリントヘッド16の圧力損失は、各々流量1mL/s(ミリリットル毎秒)当たり、500Pa、4000Pa、1500Pa、4000Pa(パスカル)であり、インク瓶11からプリントヘッド16に至る流路抵抗は、合計で10000Pa s/mL(流量1mL/s当たり10000Pa)となる。
図示するように、インク瓶11には、空気フィルタ23を介して圧力計24およびポンプ25が設けられている。ポンプ25は、インクの充填およびノズル回復動作の際に使用される。インク充填時には、インク瓶11内の圧力が10800Paとなるようにポンプ25でインク瓶に空気を送る。このとき、空気中のゴミは空気フィルタ23で捕獲され、インク中に混入するのは避けられる。
インクは1mL/sの流量でプリントヘッド16に充填され、余剰インクは、プリントヘッド16のノズルからキャップ27を経て廃液瓶28へ排出される。充填終了後はポンプ25を停止して、インク瓶11を大気圧に開放する。その後、プリントヘッド16のノズルに付着した余剰インクをワイパー26で拭き取ると、−800Paの負圧によってノズル表面に凹形のメニスカスが形成され、吐出が可能となる。
プリントヘッド16のアクチュエータを駆動するとノズルからインクが吐出し、吐出により消費された分のインクをインク瓶11から吸い上げる。この際のインクの流量は、プリントヘッド16の全てのノズルが連続して5000Hzで吐出するとき最大となり、40pL/dot×5000Hz×500nozzle=0.1mL/s(ミリリットル毎秒)である。インク瓶11からヘッド16に至る流路抵抗は、合計10000Pa s/mL(1mL/s当たり10000Pa)であるので、最大印字時のインク経路の圧力損失は1000Paとなる。
したがって、ヘッド16のノズル面のインク圧は無印字〜最大印字で、−800Pa〜―1800Paの間で変動する。プリントヘッド16のノズルの孔形状は、この負圧範囲で安定してメニスカスが形成されるように設計されている。
ノズル面のインク圧が正圧側に適正範囲を越えた場合には、ノズルの表面周囲がインクで汚れて、印字品質が劣化する。一方、ノズル面のインク圧が負圧側に適正範囲を越えると、ノズルから空気を吸い込んで吐出できなくなる。また、印字中には、紙粉がノズル面に付着したり振動等によってノズルから空気を吸い込んだり、ノズル表面付近のインクが増粘したりして、吐出できなくなってしまうといった事態が生じることがある。
このような場合は、次のような手順により回復動作を行なう。
回復動作は、基本的には、インク充填の場合と同様の手順により行なわれ、まず、インク瓶11内の圧力が10800Paとなるように、ポンプ25によりインク瓶に空気を送る。このとき、インクは1mL/sの流量でヘッド16のノズルからキャップ27を経て、廃液瓶28へ排出される。
インクを約1mL排出した後、ポンプ25を停止してインク瓶11を大気圧に開放する。フィルタメッシュ近傍にある異物は、異物溜まりの下部に沈降、あるいは上部に浮上する。3秒後、再びインク瓶の圧力が10800Paとなるようにポンプでインク瓶に空気を送る。この動作を3回繰り返して、計3mLのインクで回復動作を行なう。その後、ヘッド16のノズルに付着した余剰インクをワイパー26で拭き取ると、−800Paの負圧によりノズル表面に凹型のメニスカスが形成されて吐出が可能となる。
本実施形態のように、インクの送液および停止を繰り返した場合には、停止の際に異物が異物溜まりに送られる。その結果、同量のインクを一度に送液した場合よりも、異物がフィルタメッシュを通過するおそれを減らすことができる。インクの送液後、停止する前に、インクを逆流させてもよく、この場合には異物が流出するおそれはよりいっそう低減される。
送液するインクの流量は、印字時の最大流量に対して2〜20倍の流量とすることが望ましい。最大流量の2倍未満の場合には、不吐出原因を回復するのが困難となり、一方、最大流量の20倍を越えると、異物溜まり部の異物を巻き上げてフィルタを通過させてしまうおそれがある。
(実施形態2)
図1に示したインク供給系においては、フィルタ二次側へ流出してしまった異物は、プリントヘッドのノズルから排出しなければならない。以下に説明するような本実施形態の方法で排出することによって、プリントヘッドのノズルに異物を残りにくくすることができる。
まず、インク瓶11内の圧力が10800Paとなるようにポンプ25によりでインク瓶11に空気を送る。このとき、インクは1mL/sの流量でヘッド16のノズルからキャップ27を経て廃液瓶28へ排出される。この状態で、インクを約3mL排出する。これを第1の排出動作と呼ぶ。このとき、印字中に流出するおそれがある異物を積極的に流す必要があることから、第1の排出動作におけるインクの流量は、印字中の最大流量より大きいことが必要である。
その後、ポンプ25を逆転、正転させてインク瓶11内の圧力を1800Paに制御する。インクの流量は0.1mL/sに減速し、この状態でさらに約5mLを廃液瓶28に排出する。これを第2の排出動作とよぶ。この間、第1の排出動作で動かなくなった残留異物を必要以上に動かさないために、第2の排出動作におけるインクの流量は、第1の排出動作時の流量より小さく制限される。
第1の排出動作を行なうことによって、フィルタ一次側の異物は僅かにフィルタ二次側へ排出されることがある。この異物は、第2の排出動作の際、ノズルから廃液瓶28へ排出される。第2の排出動作では0.1mL/sと流量が少ないため、フィルタ一次側の異物をフィルタ二次側に新たに送り込んでしまう危険はない。
第2の排出動作が終了したら、ポンプ25を停止してインク瓶11を大気圧に開放する。その後、ヘッド16のノズルに付着した余剰インクをワイパー26で拭き取ると、ノズル表面にメニスカスが形成されて印字可能となる。
インク瓶11に1800Paの圧力を与える代わりにプリントヘッド16のアクチュエータを駆動して、キャップ27へ向けてインクを吐出することにより第2の排出動作を行なうこともできる。
ここでは、速い方(第1の排出動作)の流速を1mL/sとしたが、印字時の最大流量に対して2〜20倍の流量とすることが望ましい。この範囲内であれば、第1の実施形態において説明したような効果が得られる。また、遅い方(第2の排出動作)の流量は、印字時の最大流量程度以下に留めることが望ましい。印字時の最大流量を越えると、印字中に動き出すおそれがなく、静置しておくべき固着した異物を動かして移動できる状態で流路にためてしまうおそれがある。
堆積した異物を取り除くことと、これをプリントヘッドに貯めないことは相反する要求であり、実施形態2の回復動作によって、この矛盾をある程度解消することが可能となった。第1の排出動作によって異物を滞留場所から取り除き、第2の排出動作によってノズルから排出することができる。第2の排出動作は流量が遅いため、異物溜まり部から異物を新たに巻き上げるおそれが少ない。第1の排出動作と第2の排出動作とを複数回繰り返せば、より効果的である。
また、フィルタ一次側に溜まった異物に限らず、以下のような場合に対しても有効に適用することができる。インク供給経路の中で、急激な流速変化がある部分や固液界面は異物が溜まりやすい。チューブの内壁やジョイント部、プリントヘッドのインク供給口などには長い間に異物が堆積してしまうことがある。こうして堆積した異物も、上述したような方法により排出して、プリントヘッドのノズルに異物を残りにくくすることができる。
(実施形態3)
図2には、本実施形態にかかるインクジェット記録装置におけるインク供給系を示す。図示するインク供給系は、インク瓶11、送液ポンプ32、第2のろ過装置30、第1のろ過装置29、弁31、およびインク瓶11のループを描いて構成され、第1のろ過装置29と第2のろ過装置30との間からプリントヘッド16にインクを供給する。ここでは、送液ポンプ32としては、停止時に流路を閉じるタイプを使用し、第1のろ過装置29および第2のろ過装置30としては、同様のフィルタ、めくら部分、および異物溜まり部21を有するものを用いた。
インク瓶11から弁31および第1のろ過装置29を経由して、プリントヘッド16に達する供給路は、プリントヘッドにインクを供給する印字用インク供給路であり、インク瓶11から送液ポンプ32および第2のろ過装置30を経由してプリントヘッド16に達する流路33は、パージ用インク流路である。
インク充填時には、まずインク瓶11、送液ポンプ32、第2のフィルタ30、第1のろ過装置29、弁31、およびインク瓶11の順にインクを流して、ループにインクを充填する。次いで、弁31を閉じてインク瓶11、送液ポンプ32、第2のろ過装置30、プリントヘッド16の経路でプリントヘッドにインクを供給する。
その後、弁31を開放して送液ポンプ32を停止(流路は閉じる)すると、プリントヘッド16のノズル面には液面差圧の−800Paが印加され、ワイパー26によって余剰インクを除去するとノズル表面にメニスカスが形成される。この状態からアクチュエータを作動させて吐出動作を行なうと、インクは開放されている弁31と第1のろ過装置29とを介してプリントヘッド16に供給される。すなわち、インク瓶11内に収容されているインクの大半は、最終的には第1のろ過装置29を通過して、プリントヘッド16に供給され消費されることになる。インク中異物の大半は、第1のろ過装置29の異物溜まり部21に蓄積される。
一方、回復動作は以下のように行なう。弁31を閉じ、送液ポンプ32を作動させると、送液ポンプ32、第2のろ過装置30、およびプリントヘッド16の経路でインクが送られる。その後、弁31を開放すると同時に送液ポンプ32を停止(流路は閉じる)すると、プリントヘッド16のノズル面には液面差圧の−800Paが印加され、ワイパー26によって余剰インクを除去するとメニスカスが形成される。
回復動作の際には、インクは、第1のろ過装置29を経由せずに第2のろ過装置30から供給される。このために、第1のろ過装置29の異物溜まり部21に蓄積された異物を巻き上げるおそれは低減される。しかも、第2のろ過装置30は印字中使用されないことから、インクの積算通過量は第1のろ過装置29に比べてはるかに少なく、異物溜まり部21に残留する異物の量も少ない。したがって、第2のろ過装置30としては、めくら部分20や異物溜まり部21を有しない通常のフィルタを用いてもよい。
第1のろ過装置29の一次側から弁31までのインク供給路に僅かな弾性をもたせておけば、次のような効果が得られる。回復動作の終了時に弁31を開放すると、第1のろ過装置29の二次側から一次側に向かって僅かに流れが発生する。このとき、第1のろ過装置29におけるフィルタの一次側表面に付着していた異物が押し戻され、その比重にしたがって異物溜まりの下部に沈降、あるいは上部に浮上するので、異物を効果的に異物溜まり部に誘導することができる。
本実施形態においては、印字中のインクの供給は第1のろ過装置29側から行なわれるので、第2のろ過装置30の流路抵抗が吐出動作に影響しないといった利点も得られる。第2のろ過装置30に流路抵抗が大きなフィルタを使用しても、印字中および停止時におけるノズル面の負圧の範囲には影響を及ぼさない。また、第2のろ過装置30を通過するインクの積算量は少ないので、第2のろ過装置30におけるフィルタのメッシュを細かくしても顔料が堆積凝集してフィルタが詰ってしまうおそれが少ない。そのため、第2のろ過装置30のフィルタとして、比較的細かいメッシュサイズのフィルタを選択することができる。例えば、第2のろ過装置30におけるフィルタとして最大孔径1μmのフィルタを使用すれば、このフィルタから異物が流入する危険性をさらに低減することができる。ただし、メッシュサイズが細かすぎる場合には、インク中の色材をろ過してしまうおそれがあるので、第2のろ過装置30に用いるフィルタの最大孔径は、最低でも0.5μm程度であることが望まれる。
(実施形態4)
図3には、本実施形態にかかるインクジェット記録装置におけるインク供給系を示す。図示するインク供給系は、インク瓶11、送液ポンプ32、ろ過装置14、プリントヘッド16を有し、これらによって印字用インク供給路が構成される。フィルタ一次側は、送液ポンプ(停止時閉)32によってインク瓶11からインクが供給されるようになっている。ろ過装置のフィルタ二次側には、パージタンク35、エアフィルタ37、弁38、空気室39、およびポンプ41が設けられており、これらによってパージ用インク流路が構成される。
パージタンク35には、プリントヘッド16のノズル表面から20mmの高さ(H2)に液面センサ36が設けてある。パージタンク35内の液面センサ36までのインク容積は50mLである。また、パージタンク35からプリントヘッド16までの流路抵抗は、1mL/sあたり1500Paである。図示するインク供給系においては、空気室39の空気を制御してノズル表面のインク圧力が制御され、インク瓶11内の液面を維持するための液面維持機構は使用されない。
インク充填時には、ポンプ41は停止(大気開放)し、弁38を開いておく。送液ポンプ32を正転させてインクを流量1mL/sでパージタンク35に供給する。この間、パージタンク35の液面センサ36を監視し、インクが液面センサに到達したら弁38を閉じる。
この後で、ポンプ41を逆転して空気室39を−1000Paに制御しておく。同時に、インクは送液ポンプ32によってプリントヘッド16に導入され、余剰インクがノズルからキャップ27を経て廃液瓶28へ排出される。充填終了後、送液ポンプ32を止め、インク瓶11から供給路を閉じる。
次いで、ワイパー26でノズル表面の余剰インクを拭き取ると、空気室39の空気圧から液面高低差を差し引いた−800Paの負圧でノズル表面に凹状のメニスカスが形成されて、印字可能となる。印字中は、常に圧力計40によって空気室39の空気圧を監視し、ポンプ41を制御して空気圧を−1000Paに保つ。また、同時に液面センサ36を監視し、インクが液面センサを下回ったら送液ポンプ32を正転させてインクを補充することによって、ノズル表面から液面までの高さ(H2)を常に20mmの位置に保つ。
回復動作はパージタンク35側から行なう。送液ポンプ32は、流路を閉じたまま停止しておく。ポンプ41を正転して空気室39を加圧し、空気圧を5300Paに保つ。弁38を開くとパージタンク35が5300Paで加圧される。パージタンク35からノズル表面までの流路抵抗は、合計で1mL/s当たり5500Paである。液面高低差による圧力差は200Paなので、インクは1mL/sの流量でノズルからキャップ27を経て廃液瓶28へ排出される。3mL排出されたら弁38を閉じ、ポンプ41を逆転して空気室29を減圧し、空気圧を−1000Paに戻して再び弁38を開く。
このとき、回復動作によってパージタンク35内のインクを消費したため、液面はセンサー36の位置よりも下がっている。再び送液ポンプ32の動作を再開し、インク瓶からインクを送って液面をセンサーの位置に戻す。ワイパー26でプリントヘッド表面の余剰インクを拭き取ると、−800Paの負圧によってノズル表面に凹形のメニスカスが形成されて吐出が可能となる。
本実施形態においては、実施形態3と同様に回復動作中のインクの流れが印字中のインクの流れと別系統である。このために、インク一次側の異物溜まり部等、接液面積の大きい部分に蓄積された異物を回復動作に際して巻き上げてしまうおそれがない。
本発明の一実施形態に用いられるインク供給系を表わす概略図。 本発明の一実施形態にかかるインクジェット記録装置におけるインク供給系を表わす概略図。 本発明の他の実施形態にかかるインクジェット記録装置におけるインク供給系を表わす概略図。
符号の説明
11…インク瓶; 12…インク; 13…一次側インク供給チューブ
14…ろ過装置; 15…二次側インク供給チューブ; 16…プリントヘッド
17…インク流入口; 18…インク流出口; 19…フィルタメッシュ
20…めくら部分; 21…異物溜まり部; 22…液面維持機構
23…空気フィルタ; 24…圧力計; 25…ポンプ; 26…ワイパー
27…キャップ; 28…廃液瓶; 29…第1のろ過装置; 30…第2のろ過装置
31…弁; 32…送液ポンプ; 33…パージ用流路; 35…パージタンク
36…液面センサ; 37…空気フィルタ; 38…弁; 39…空気室
40…圧力計; 41…ポンプ。

Claims (3)

  1. 異物を含有するインクを収容するインク瓶と、前記インクを吐出して記録を行なうプリントヘッドと、前記インク瓶から前記プリントヘッドに前記インクを供給するインク供給管と、前記インク供給管の途中に設けられたインクろ過装置とを具備するインクジェット記録装置の吐出動作の回復方法であって、
    前記インクろ過装置は、前記インクが流入されるインク流入口、前記インクが流出されるインク流出口、前記インク流入口と前記インク流出口との間に設けられたインク供給経路、前記インク供給経路に上下をもって設けられ、前記インク中の異物の通過を阻止するフィルタ、前記フィルタの上流の前記インク供給経路に設けられ、前記異物を滞留させる異物溜まり部、および、前記フィルタの少なくとも上下に設けられためくら部分を有し、
    前記インク瓶から前記プリントヘッドに前記インクを供給して送液した後、この送液を停止して、送液/停止を繰り返すことにより、前記異物を前記異物溜まり部に送ることを特徴とする吐出動作の回復方法。
  2. 前記インクを送液後、送液を停止する前に、前記インクを逆流させて、インクの送液/逆流/停止を繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の吐出動作の回復方法。
  3. 前記送液される前記インクの流量は、前記インクジェット記録装置における印字時の最大流量の2〜20倍であることを特徴とする請求項1または2に記載の吐出動作の回復方法。
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